JPH0519621U - 塑性域締結用ボルト - Google Patents

塑性域締結用ボルト

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JPH0519621U
JPH0519621U JP7373291U JP7373291U JPH0519621U JP H0519621 U JPH0519621 U JP H0519621U JP 7373291 U JP7373291 U JP 7373291U JP 7373291 U JP7373291 U JP 7373291U JP H0519621 U JPH0519621 U JP H0519621U
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JP
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fastening
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neck
groove
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茂文 田中
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Nissan Motor Co Ltd
Sannohashi Corp
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Nissan Motor Co Ltd
Sannohashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ボルトの首下寸法を正確に管理す
ることができる塑性域締結用ボルトを提供することを目
的とする。 【構成】 即ち本考案は、頭部、首部、ネジ部よりなる
塑性域締結用ボルトにおいて、前記ネジ部の締結長部よ
りも首部側に、ネジ山を形成しない軸部を設け、かつこ
の軸部に周方向の溝を刻設したことを特徴とする、塑性
域締結用ボルトである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、車両のエンジンのヘッドボルトやコンロッドボルト等に用いる塑性 域締結用ボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塑性域締結用ボルトは、ボルトが塑性変形を起こす範囲で締結するものである ため、再使用時には、ボルトの伸びが使用限界の伸びを越えていないかどうかを 調べる必要がある(参考文献:特公昭48−19818号公報)。 即ち、ボルトの再使用時には、ボルト頭部の首部側の端面からネジ部の端面ま での首下全長を計測し、未使用時の首下寸法との差を算出して、個々のボルトの 使用限界の伸び寸法を越えていないかどうかを管理する。 そのため、未使用時のボルトの首下寸法を正確に管理する必要がある。 そこで、従来の首下寸法の管理方法は、ボルトのネジ転造後に、ボルトのネジ 部端面を切削して、所定の首下寸法を確保していた。 これは、ネジ転造前に切削して所定の首下寸法を確保しても、ネジ転造時に、 素材径のバラツキや転造加圧力のバラツキ、又はネジ転造長さの長短の違い等に よって、首下寸法が変化してしまうからである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記のようにネジ部転造後に切削を行う場合には、次のような問題点が発生す る。 即ち、ネジ転造前にはボルトの熱処理工程が行われるため、ボルト素材の強度 が高くなっている。 そのため、切削が困難であるうえに、ネジ始まりの切削が良好に行えず、ネジ 山が変形して十分な締結機能を確保できないという問題を有している。 従って、従来は、製造者側で使用限度回数が決められ、使用回数によりボルト の再使用の可否を判断しているが、現実には現場におけるボルトの使用者及び修 理業者が変わり、管理不能となるため、品質保証が困難となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、ボルトの首 下長さを正確に管理することができる塑性域締結用ボルトを提供することを目的 とする。 即ち本考案は、頭部、首部、ネジ部よりなる塑性域締結用ボルトにおいて、前 記ネジ部の締結長部よりも首部側に、ネジ山を形成しない軸部を設け、かつこの 軸部に周方向の溝を刻設したことを特徴とする、塑性域締結用ボルトである。 また、頭部、首部、ネジ部よりなる塑性域締結用ボルトにおいて、前記ネジ部 の締結長部よりも首部側に、ネジ山を形成しない軸部を間隔をおいて2か所に設 け、かつこれらの軸部に周方向の溝を刻設したことを特徴とする、塑性域締結用 ボルトである。 さらに、頭部、首部、ネジ部よりなる塑性域締結用ボルトにおいて、前記ネジ 部の締結長部よりも首部側に、ネジ山を形成しない軸部を設け、かつこの軸部に 周方向の溝を刻設し、さらに前記首部にも周方向の溝を刻設したことを特徴とす る、塑性域締結用ボルトである。
【0005】
【実施例】
以下、図面を参照しながら、本考案の一実施例について説明する。 塑性域締結用ボルトは、塑性域までボルトを緊張して締結するものであるため 、ボルトのネジ部の締結長部(ナット等の雌ネジ部に螺合する部分)にかかる負 荷が大きくなる。 締結長部にかかる負荷を減少させるためには、締結長部以外のボルト軸部に永 久伸びを与えやすいように、軸細ボルトを使用するか、又はネジ部の長さを2〜 3倍長くして、軸部の谷径を細くする方法がとられている。 一般的には、製造コスト上、後者のネジ部が長いものを採用しているのが現状 である。 以下、本実施例では、ネジ部の長いボルトについて説明するが、軸細ボルトに おいても当然採用できるものである。 本考案のボルトは、図1に示すように、頭部1、首部11、ネジ部12よりな る。 ネジ部12は、上記のようにネジ長さを2〜3倍長く形成してあり、ネジ部端 面13から距離L1までの部分は、所要のボルトの締結力を確保するための締結 長部12aとし、残りのL2の部分は、緊張力を導入して永久伸びを与える自由 長部12bとする。 締結長部12aと自由長部12bとの境界には、ネジ山を形成しない軸部14 を形成する。 この軸部14には、周方向にマーキング用の溝15を刻設する。 この溝15は、周方向の一部あるいは全周に刻設する場合がある。 また、溝15の深さは、ボルトの強度上、ネジ部12の締結長部12aの谷部 と同じか、それよりも浅い方が望ましい。 なお、軸部14及び溝15は、自由長部12bの途上に形成しても良いが、ボ ルトの伸び寸法の計り易さを考えると、なるべく締結長部12a側の方が望まし い。
【0006】
【製造方法】
本考案のボルトを製造する場合は、例えば図2に示すようなダイス2を用いる 。 このダイス2は、ネジ部12の自由長部12bを刻設する上部ダイス21と 締結長部12aを刻設する下部ダイス22と、それらの間に配置した軸部14 を形成するための平板23よりなる。 この平板23は、例えば図3に示すように、上下ダイス21、22のダイス刃 の谷部と山部の中間に、その側面24を位置させ、また溝15を刻設するための 突起25を突設する。 突起25は、図2に示すように、切り始め部分からダイス2の終端側に向かっ て、次第に突出寸法を高くして、溝15の刻設がスムーズに行えるようにする。 また、突起25の全長は、刻設する溝15の長さによって選択する。 上記のように突起25をダイスの終端側に設けることによって、ネジ転造の終 了直前に溝15が刻設される。 そのため、溝15の刻設後に転造によりボルトが伸びることがなく、ボルト頭 部1の座面16から溝15までの距離L2を設定通りに刻設することができる。 以上のように構成したダイス2の上面に、ボルト頭部1の座面16を載置し、 頭部1を上から押さえた状態で転造する。 これによって、ボルトにネジ部12と軸部14及び溝15を同一工程で設ける ことが可能となる。 なお、自由長部12aは、なるべくネジの谷径を細くして、永久伸びを与えや すいようにした方が良い。 そのためには、自由長部12aと締結長部12bに、異なったピッチのネジを 刻設する必要がある。 この場合は、自由長部12aと締結長部12bを別途に転造する。 また、ネジピッチの異なるダイスを水平方向にずらして設置することによって 、一連の工程で転造することができる。
【0007】
【永久伸びの管理方法】
未使用時のボルトは、溝15とボルト頭部1の座面16間の距離L2が予め決 められている。 従って、再使用時には、溝15とボルト頭部1の座面16間の距離を計測し、 未使用時のL2との差を出すことによって、永久伸びを求めることができる。 ボルトの使用限界の伸び寸法は予め分かっているため、これと現時点の伸び量 を比較し、再使用の可否を判断することができる。
【0008】
【実施例2】 図4に示すように、ボルト首部11にワッシャ3等を組み込んだ場合には、ワ ッシャ3の端面から溝15間での距離を計ることになる。 しかし、ワッシャ3の厚さや歪みのバラツキがあるため、溝15までの距離を 精度良く管理することができない。 そこでこのような場合には、図4に示すように、ネジ部12の締結長部12a よりも首部11側に、所定の間隔をおいて2か所に軸部14、17と溝15、1 8を設ける。 そして、溝18から溝15までの距離を測定することによって、ワッシャ3の 有無に関係なく、精度良く伸び寸法を管理することができる。 このような二重溝を設ける場合は、ダイス2は、上部ダイス26、中間部ダイ ス27、下部ダイス22を用い、それらの間に突起25を有する平板23を介在 させたものを使用する。
【0009】
【実施例3】 また、図5に示すように、ボルト首部11に溝19を刻設し、溝19から溝1 5までの距離を測定することによって、ワッシャ3の有無に関係なく、精度良く 伸び寸法を管理することができる。 この場合には、ダイス天板28に突起29を設けたダイスによって製造する。
【0010】
【本考案の効果】
本考案は以上説明したようになるため、次のような効果を得ることができる。 <イ>本考案の塑性域締結用ボルトは、ネジ転造工程内においてダイスによって 、ボルトの一定の位置にマーキング溝を設けたものである。 そのため、マーキング溝を基準にボルトの永久伸びを正確に管理することがで きる。 <ロ>ボルトのマーキング溝は、ネジ転造工程内において、ネジ転造と同時に設 けることができる。 そのため、通常のボルトと同一工程によって、簡易に首下長さの管理可能なボ ルトを製造することができ、経済的である。 <ハ>塑性域締結用ボルトは一般にネジ長が長いため、従来は特別なダイスを用 いて転造を行っていた。 しかし本考案のボルトは、ネジ部が軸部により分断されているため、標準ダイ スを重ねて使用することができ、コストの低減を図ることができる。 <ニ>本考案のボルトは、ネジ部の自由長部と締結長部が軸部により分断されて いるため、自由長部のネジの谷径のみを細く転造することができる。 従って、自由長部に永久伸びを与えやすく、塑性域締結用ボルトとしての商品 価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の塑性域締結用ボルトの説明図
【図2】 ダイスの説明図
【図3】 ボルト及びダイスの要部拡大図
【図4】 実施例2の説明図
【図5】 実施例3の説明図

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頭部、首部、ネジ部よりなる塑性域締結
    用ボルトにおいて、 前記ネジ部の締結長部よりも首部側に、 ネジ山を形成しない軸部を設け、 かつこの軸部に周方向の溝を刻設したことを特徴とす
    る、 塑性域締結用ボルト。
  2. 【請求項2】 頭部、首部、ネジ部よりなる塑性域締結
    用ボルトにおいて、 前記ネジ部の締結長部よりも首部側に、 ネジ山を形成しない軸部を間隔をおいて2か所に設け、 かつこれらの軸部に周方向の溝を刻設したことを特徴と
    する、 塑性域締結用ボルト。
  3. 【請求項3】 頭部、首部、ネジ部よりなる塑性域締結
    用ボルトにおいて、 前記ネジ部の締結長部よりも首部側に、 ネジ山を形成しない軸部を設け、 かつこの軸部に周方向の溝を刻設し、 さらに前記首部にも周方向の溝を刻設したことを特徴と
    する、 塑性域締結用ボルト。
JP7373291U 1991-08-22 1991-08-22 塑性域締結用ボルト Expired - Lifetime JPH082489Y2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP7373291U JPH082489Y2 (ja) 1991-08-22 1991-08-22 塑性域締結用ボルト

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JPH0519621U true JPH0519621U (ja) 1993-03-12
JPH082489Y2 JPH082489Y2 (ja) 1996-01-29

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013534600A (ja) * 2010-07-12 2013-09-05 ニンボ バンダ インテリジェント パーキング システム カンパニー リミテッド 異形ボルト及び当該異形ボルトを採用した締付装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013534600A (ja) * 2010-07-12 2013-09-05 ニンボ バンダ インテリジェント パーキング システム カンパニー リミテッド 異形ボルト及び当該異形ボルトを採用した締付装置

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JPH082489Y2 (ja) 1996-01-29

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