JPH05194805A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH05194805A
JPH05194805A JP23768692A JP23768692A JPH05194805A JP H05194805 A JPH05194805 A JP H05194805A JP 23768692 A JP23768692 A JP 23768692A JP 23768692 A JP23768692 A JP 23768692A JP H05194805 A JPH05194805 A JP H05194805A
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東平 森谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)熱可塑性樹脂(ポリオレフィンを除
く)、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、お
よび(C)周期律表 I族、II族およびIII族から選ばれ
る少なくとも1種の金属の酸化物、脂肪酸塩およびエチ
レンジアミン四酢酸塩から選ばれる少なくとも1種化合
物からなり、かつ成分(C)を上記樹脂(A)と(B)
の重量の和100部に対して0.00001〜10部含
有する樹脂組成物。 【効果】 熱可塑性樹脂とエチレン一酢酸ビニル共重合
体鹸化物との相溶性が顕著に改善され、さらに得られた
成形物は外観が美しく、気体遮断性も優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂(ポリオ
レフィンを除く)とエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化
物との相溶性が著しく改善された組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物
(以下、EVOHと省略することがある)と他の熱可塑
性樹脂(ポリオレフィンを除く、但し、ポリオレフィン
を除いた熱可塑性樹脂を以下で単に熱可塑性樹脂という
ことがある。)のブレンド組成物は特徴のある物性を備
えている。殊に、各種熱可塑性樹脂とEVOHの多層共
押出成形時に、熱可塑性樹脂層あるいはEVOH層に代
えて、ブレンド組成物を使用したり、あるいは熱可塑性
樹脂とEVOH層の中間にブレンド組成物の層を設ける
ことによって層間接着力を向上させることができる。ま
た、ブレンド組成物単独を溶融押出成形し、さらに必要
に応じて延伸および/あるいは熱処理して得られるフィ
ルム、シートあるいはボトルなどの成形物は気体遮断性
と力学的物性に優れている。このような各種熱可塑性樹
脂とEVOHのブレンド組成物の特徴は従来も知られて
いたが、この組成物は一般に相溶性が悪く、押出成形に
よりフィルム、シート、ボトルなどを成形すると、不均
一な相分離異物を生じやすく、特に長時間の運転により
この異物が増加して外観を著しく損ねることが知られて
いる。こうして、各種熱可塑性樹脂とEVOHのブレン
ド組成物は、その優れた特徴にもかかわらず押出成形が
実用的に全く実施できないか、できても短時間しか運転
できないのが実情であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
相溶性不良を解消するためになされたものであり、外観
美麗な成形物を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、熱可塑性樹
脂(A)およびEVOH(B)に周期律表I族、II族お
よびIII族から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化
物、脂肪酸塩およびエチレジアミン四酢酸塩から選ばれ
る少なくとも1種の化合物(C)を適当量含有させるこ
とによって達成される。この組成物を用いて成形した場
合には熱可塑性樹脂とEVOHの相溶性が顕著に改善さ
れ、外観が美しく、かつ層間接着力の高い共押し出し成
形品、あるいは気体遮断性と力学的物性に優れた成形物
が得られる。
【0005】本発明にいう熱可塑性樹脂(A)とは、E
VOHおよびポリオレフィンを除く熱可塑性樹脂であっ
て、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
酢酸ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂などが挙げられるが、これらの中でその効
果と実用性能において本発明にとって特に重要なのはポ
リアミド系樹脂およびポリエステル系樹脂であり、次い
でポリ塩化ビニル系樹脂およびポリスチレン系樹脂も重
要である。
【0006】ポリアミド系樹脂としては、ポリカプラミ
ド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナ
イロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−
9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリ
ラウリンラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジ
アミンアジバミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメ
チレンアジバミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメ
チレンアジバミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサ
メチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオク
タメチレンアジバミド(ナイロン−8,6)、ポリデカ
メチレンアジバミド(ナイロン−10,6)、ポリドデ
カメチレンセバカミド(ナイロン−10,8)、あるい
は、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体、カプ
ロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート
共重合体、ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアンモ
ニウムアジペート共重合体、ヘキサメチレンジアンモニ
ウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケ
ート共重合体、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘ
キサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体、カプ
ロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート
/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、
などが挙げられる。このなかではカプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロ
ン−6/66)がEVOHとのブレンド物の物性がとり
わけ優れており実用的に特に重要である。
【0007】ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチ
レンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレー
ト)、ポリ(エチレンテレフタレート/イソフタレー
ト)、ポリ(エチレングリコール/シクロヘキサンジメ
タノール/テレフタレート)などがその代表としてあげ
られ、さらにこれらの重合体に共重合成分としてエチレ
ングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオー
ルなどのジオール類、あるいはイソフタル酸、ベンゾフ
ェノンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス
(フェニルカルボン酸)、ジフェニルオキサイドジカル
ボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバチン酸、ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含
有せしめたものも含まれる。
【0008】ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニ
ルの単独重合体のほか、酢酸ビニル、マレイン酸誘導
体、高級アルキルビニルエーテルなどとの共重合体が挙
げられる。
【0009】ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの
単独重合体の他にブタジエンをグラフト共重合したポリ
スチレン、スチレン−ブタジエンゴムを混合したものあ
るいはスチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げら
れる。
【0010】また、本発明にいうエチレン−酢酸ビニル
共重合体鹸化物(EVOH)(B)とはエチレンと酢酸
ビニルの共重合体中の酢酸ビニル単位を加水分解したも
のであれば任意のものを含むものであるが、熱可塑性樹
脂との相溶性が不良であるものは比較的エチレン単位が
少なく酢酸ビニル単位の鹸化度(加水分解度)が高いも
のである。特に、エチレン単位の含量が20〜50モル%
で、酢酸ビニル単位の鹸化度が96%以上、とりわけ9
9%以上のものは酸素などの気体に対する気体遮断性が
熱可塑性樹脂中で最高の水準にあり、かつ、ポリオリフ
ィンと複合して用いることにより優れた容器類が得られ
ることから、本発明の適用対象として特に重要である。
【0011】更に、本発明の組成物を構成する、周期律
表I族、II族およびIII族から選ばれる少なくとも1種
の金属の酸化物、脂肪酸塩およびエチレンジアミン四酢
酸塩(C)としては多くの化合物が挙げられるが、とり
わけ酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウ
ム、酸化亜鉛などの酸化物、脂肪酸の金属(I族、II族
あるいはIII族)塩、エチレンジアミン四酢酸の金属
(I族、II族あるいはIII族)塩が有効である。更にこ
れらの化合物のなかでもマグネシウム、カルシウム、亜
鉛など周期律表II族の金属元素を含む化合物が特に有効
に作用する傾向が見出されている。脂肪酸の金属(I
族、II族あるいはIII族)塩を構成する脂肪酸としては
酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、
などの低級脂肪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリス
チン酸などの高級脂肪酸が挙げられる。このうち、炭素
数が8〜22の範囲の高級脂肪酸の金属塩、とりわけ、
カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩が本発明の目的
に特に好適である。エチレンジアミン四酢酸の金属(I
族、II族あるいはIII族)塩としては二ナトリウム塩、
三ナトリウム塩、四ナトリウム塩、二カリウム塩、三カ
リウム塩、四カリウム塩、二ナトリウム一マグネシウム
塩、二ナトリウム一カルシウム塩、二ナトリウム一マグ
ネシウム塩、二ナトリウム一鉄塩、二ナトリウム一亜鉛
塩、二ナトリウム一バリウム塩、二ナトリウム一マンガ
ン塩、二ナトリウム一鉛塩、二カリウム一マグネシウム
塩などが好適である。これらの(C)成分は、単独また
は2種以上混合して使用される。
【0012】本発明の組成物を構成する(A)、(B)
および(C)の各成分の量は特に制限が無く、目的に応
じて任意に選択できる。但し、実用的な見地からは熱可
塑性樹脂(A)とEVOH(B)の組成比としてはどち
らか一方の樹脂の量が多い組成が力学的物性あるいは気
体遮断性など特長のある物性が発揮される点で特に重要
である。熱可塑性樹脂が多い組成としては熱可塑性樹脂
(A):EVOH(B)の重量比として60:40〜9
9.9:0.1、とりわけ70:30〜99.7:0.
3の範囲のものが挙げられ、一方EVOHが多い組成と
しては熱可塑性重量比(A):EVOH(B)の重量比
として1:99〜40:60、とりわけ5:95〜3
0:70の範囲のものが本発明の効果の点で特に重要で
あるといえる。また、相溶性を改善する、化合物(C)
の添加量は(A)、(B)および(C)成分の種類に応
じて相溶性改良効果が得られ、なおかつ組成物の力学的
物性、透明性、気体遮断性などの諸物性を損なわない範
囲で調整されるが、多くの場合、その量は熱可塑性樹脂
(A)とEVOH(B)の重量の和(A+B)100部
に対して0.00001〜10部、とりわけ0.000
1〜1部の範囲で用いられる。10部を越えると相溶性
以外の諸物性が損なわれやすく好ましくない場合が多
い。また、(C)成分をあらかじめ熱可塑性樹脂および
/あるいはEVOHに配合しておく場合には使用効果が
高い傾向にある。EVOHに配合しておく例としてはE
VOH100部に(C)成分を0.002〜0.5部配
合したものが挙げられる。この配合物0.5部と熱可塑
性樹脂99.5部を添加した組成物の溶融成形における
相溶性改良効果は顕著である。この場合、熱可塑性樹脂
とEVOHの重量の和100部に対する(C)成分の量
は0.00001〜0.0025部となる。(C)成分
の量が0.00001部より少ない場合には一般にその
効果は小さい。こうして、(C)成分をEVOHにブレ
ンドした場合にはその添加量は見かけ上少なくなる場合
でも効果は大きいといえる。
【0013】本発明の組成物を得るためのブレンド方法
は特別に制限はなく、3者をドライブレンドする方法、
あるいは(C)成分を熱可塑性樹脂またはEVOHの全
部または一部にあらかじめ配合しておき、それを熱可塑
性樹脂および/またはEVOHに配合して、前期
(A)、(B)および(C)からなる組成物を得る方法
などが目的に応じて任意に選ばれる。一般には、前述の
ようなEVOHに配合しておく方法に加えて、ドライブ
レンドする方法あるいはあらかじめ熱可塑性樹脂に配合
しておく方法を組合せることによりとりわけ顕著に相溶
性改良効果を得ることができる。
【0014】本発明において、周期律表I族、II族ある
いはIII族の金属を含む化合物(C)が、熱可塑性樹脂
とEVOHの溶融成形における相溶性をかくも顕著に向
上させる機構は十分明らかではないが、熱可塑性樹脂と
EVOHの溶融系におけるレオロジー的効果、不純物の
化学的作用などが複雑に組合わさった状態において
(C)成分が有効に作用しているものと推定される。
【0015】本発明の組成物に対しては熱可塑性樹脂に
慣用の他の添加剤を配合することができる。このような
添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、あるいは他の
高分子化合物を挙げることができ、これらを本発明の作
用効果が阻害されない範囲内でブレンドすることができ
る。添加剤の具体的な例としては次の様なものが挙げら
れる。
【0016】酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4´−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル、2,2´−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール、オクタデシル−3−(3´,5´−
ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、4,4´−チオビス−(6−t−ブチルフェノ
ール)等。紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,3
−ジフェニルアクリレート、2−(2´−ヒドロキシ−
5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
´ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアール、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2´ージヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン等。可塑剤:フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、ワック
ス、流動パラフィン、リン酸エステル等。帯電防止剤:
ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノ
パルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエチレンオキシ
ド、カーボワックス等。滑剤:エチレンビスステアロア
ミド、ブチルステアレート等。着色剤:カーボンブラッ
ク、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ
系顔料、酸化チタン、ベンガラ等。充填剤:グラスファ
イバー、アスベスト、マイカ、バラストナイト、ケイ酸
カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム等。
【0017】本発明の組成物を得るための各成分の配合
手段としては、リボンブレンダー、高速ミキサーコニー
ダー、ミキシングロール、押出機、インテイシブミキサ
ー等が例示される。
【0018】本発明の樹脂組成物は、周知の溶融押出成
形機、圧縮成形機、トランスファ成形機、射出成形機、
吹込成形機、熱成形機、回転成形機、ディップ成形機な
どを使用して、フィルム、シート、チューブ、ボトルな
どの任意の成形品に成型することができる。成形に際し
ての押出温度は樹脂の種類、分子量、組成物の配合割合
あるいは押出機の性質などのより適宜選択されるが、多
くの場合170〜350℃の範囲である。
【0019】また、本発明の樹脂組成物は多層材の一層
として使用するとき接着性の点で特異な特長が発揮され
ることは前述したとおりであるが、熱可塑性樹脂層を
P、EVOH層をE、接着性樹脂層をD、本発明の組成
物の層をFとするときE/F/E、F/E/F、F/F
/F(中間層のFはEVOHの含量が多い)、F/D/
E、F/D/E/D/F、P/E/P/F、P/F/D
/E/D/F/P、P/F/D/E/D/Pなどの層構
成をとるとき、層間接着性が高く、相溶性に優れた美麗
な成形物を得ることができる。このような多層成形材に
おいては、本発明のブレンド組成物は多層成形物のスク
ラップで代用することもできる。
【0020】多層成形方法としては、一般的にいって樹
脂層の種類に対応する数の押出機を使用し、この押出機
内で溶融された樹脂の流れを重ねあわせた層状態で同時
押出成形するいわゆる共押出成形により実施される。別
の方法として、エキストルージョンコーティング、ドラ
イラミネーションなどの多層成形方法も採用されうる。
また、本発明の組成物の組成物の単独成形品、あるいは
本発明の組成物を含む多層成形品を一軸延伸、二軸延伸
あるいはブロー延伸などの延伸を実施することにより、
力学的物性、気体遮断性などにさらに特長のある物性を
有する成形物を得ることができる。こうして、本発明の
組成物で得られた成形物は、ブレンド組成物が均一で外
観が美麗であるばかりでなく、相溶性が良好で均一であ
ることから強度物性、気体遮断性など多くの優れた特長
を有しておりその工業的意義は大きい。以下、実施例に
より更に具体的に説明する。なお、部は重量部を意味し
ている。
【0021】
【実施例】
実施例1 6/66共重合ポリアミド(66成分15%、融点19
8℃)30部、EVOH[エチレン単位の含有量33モ
ル%、鹸化度99.9%、メルトインデックス(190
℃、2160g)1.5g/10分]70部、およびエ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウム一マグネシウム塩粉
末0.2部をドライブレンドした後、直径が40mm、
L/D=24、圧縮比3.8のフルフライト型スクリュ
ーを有する押出機に仕込み、巾550mmのフラットダ
イを使用して成膜を実施した。成膜温度は押出機を19
0°〜240℃、ダイを225℃とし、厚さが100μ
のフィルムを引取機にて巻き取り、6時間の連続運転を
実施した。得られたフィルムは均一、かつ良好な相溶性
を示し、相溶不良の相分離異物は見られなかった。得ら
れたフィルムの90mm角の試験片を二軸延伸試験装置
((株)東洋精機製作所製)を使用して85℃で1分間
加温後、5m/minの延伸速度で縦横ともに3倍に延
伸した。延伸は均一に実施され、この延伸フィルムを木
枠に固定して熱風乾燥機中で110℃で熱処理したとこ
ろ強度と気体遮断性に優れた良好なフィルムが得られ
た。
【0022】比較例1 実施例1において、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム一マグネシウム塩を混合しない他は実施例1と同様に
してポリアミドとEVOHの混合品の製膜を実施した。
運転開始後30分頃から実施例1では見られない不均一
な相分離異物が多数観察され、その数は時間経過と共に
増大し、得られたフィルムの外観は極めて不良であっ
た。
【0023】実施例2〜11 実施例1に示した6/66共重合ポリアミド(PA)、
EVOHと各種(C)成分とを第1表に示す割合でドラ
イブレンドした後、実施例1と同様にして押出成膜を実
施した。得られたフィルムの膜面状態の評価を第1表に
合わせて示した。
【0024】実施例12〜14 メタノール中のスラリー状態のEVOH樹脂100部に
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム一マグネシウムを
0.002部(実施例12)、0.02部(実施例1
3)あるいは0.2部(実施例14)添加含浸後、樹脂
を乾燥した。これらのEVOH樹脂70部と実施例1で
用いた共重合ポリアミド樹脂30部をドライブレンドし
た後、実施例1と同様にして押出成膜を実施した。得ら
れたフィルムの膜面状態の評価を第1表に合わせて示し
た。
【0025】
【表1】
【0026】 注1)膜面状態の評価は次の基準により判定した。 秀:均一かつ良好な相溶性を示し相分離異物が見られな
い。 優:均一かつ良好な相溶性を示しているが、長時間の成
形において、小さい相分離異物が僅かに見られる。 良:相溶性は良好であるが、一部僅かに相分離異物が見
られる。 可:相溶性に改善効果は見られるが、相分離異物が僅か
に見られる。 注2)EDTAはエチレンジアミン四酢酸の略。
【0027】実施例15 ポリエチレンテレフタレート(PET)80部、実施例
1で使用したEVOH樹脂20部およびエチレジアミン
四酢酸二ナトリウム一マグネシウム塩粉末0.2部をド
ライブレンドした後、直径が40mm、L/D=24、
圧縮比3.8のフルフライト型スクリューを有する押出
機に仕込み、巾550mmのフラットダイを使用して成
膜を実施した。成膜温度は押出機を200〜275℃、
ダイを265℃とし、厚さが100μのフィルムを引取
機にて巻き取り、6時間の連続運転を実施した。得られ
たフィルムは均一、かつ良好な相溶性を示し、相溶不良
の相分離異物は見られなかった。得られたフィルムの9
0mm角の試験片を二軸延伸試験装置((株)東洋精機
製作所製)を使用して85℃で1分間加温後、5m/m
inの延伸速度で縦横ともに3倍に延伸した。延伸は均
一に実施され、この延伸フィルムを木枠に固定して熱風
乾燥機中で160℃で熱処理したところ強度と気体遮断
性に優れた良好なフィルムが得られた。
【0028】比較例2 実施例18において、エチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウム一マグネシウム塩を混合しない他は実施例18と同
様にしてPETとEVOHの混合品の成膜を実施した。
運転開始直後から実施例18では見られない不均一な相
分離異物が多数観察され、その数は時間経過と共に増大
し、得られたフィルムの外観は極めて不良であった。
【0029】実施例16〜25 実施例15に示したPET、EVOHと各種(C)成分
とを第2表に示す割合でドライブレンドした後、実施例
15と同様にして押出成膜を実施した。得られたフィル
ムの膜面状態の評価を第2表に合わせて示した。
【0030】実施例26〜28 メタノール中のスラリー状態のEVOH樹脂100部に
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム一マグネシウムを
0.002部(実施例26)、0.02部(実施例2
7)あるいは0.2部(実施例28)添加含浸後、樹脂
を乾燥した。これらのEVOH樹脂20部と実施例15
で用いたPET80部をドライブレンドした後、実施例
15と同様にして押出成膜を実施した。得られたフィル
ムの膜面状態の評価を第2表に合わせて示した。
【0031】
【表2】
【0032】実施例29 耐衝撃性ポリスチレン樹脂(メルトフローインデックス
2.2g/10min)(A)、エチレン単位の含有量
32.5モル%、鹸化度99.9モル%、メルトインデ
ックス1.4g/10minのEVOH(B)、ステア
リン酸カルシウム(C)、および変性エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体系接着性樹脂(D)の96:3:1:0.
2の比率のブレンド品(F)を作製した。このブレンド
品(F)および上述のEVOH(B)と接着性樹脂
(D)を別々の押出機に仕込み、F/D/B/D/F
(膜厚比15:1:2:1:15)の構成を有する3種
5層の共押出成形を実施し、シートを得た。押出成形は
BとDは直径が50mm、L/D=25の一軸スクリュ
ーを備えた押出機を180〜215℃の温度として、F
は直径100mm、L/D=22のスクリューを2本備
えた同方向回転噛み合い型二軸押出機を150〜220
℃の温度とし、フィードブロック型ダイ(巾1000m
m)を225℃として、厚さ1000μのシートを得
た。24時間の連続運転後も良好なシートが得られ、相
溶不良の相分離異物は見られなかった。
【0033】比較例3 実施例29において、ステアリン酸カルシウム(C)を
使用しない他は、実施例29と同様にして共押出成形を
実施し、シートを得た。運転開始後1時間頃から実施例
29では見られない不均一な相分離異物が観察され、そ
の数は時間経過と共に増大した。
【0034】実施例30〜39 実施例29に示したポリスチレン樹脂(PS)、EVO
H、接着性樹脂(AD)と各種(C)成分とを第3表に
示す割合でドライブレンドし、このブレンド品(F)お
よび上述のEVOH(B)と接着性樹脂(D)を別々の
押出機に仕込み、実施例29と同様にして共押出成形を
実施した。得られたシートの膜面状態の評価を第3表に
合わせて示した。
【0035】実施例40〜42 メタノール中のスラリー状態のEVOH樹脂100部に
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム一マグネシウムを
0.002部(実施例40)、0.02部(実施例4
1)あるいは0.2部(実施例42)添加含浸後、樹脂
を乾燥した。これらのEVOH樹脂と実施例29で用い
たポリスチレン樹脂および接着性樹脂をドライブレンド
した後、実施例29と同様にして共押出成形を実施し
た。得られたシートの膜面状態の評価を第3表に合わせ
て示した。
【0036】
【表3】
【0037】実施例43〜52 平均重合度1300のポリ塩化ビニル(PVC)(A)
エチレン含有量が44モル%、鹸化度が99モル%、メ
ルトインデックス5g/10minのEVOH(B)お
よび(C)を第4表に示す割合で、さらにこれにフタル
酸ジオクチル38部を配合してよく混合し、28インチ
逆L型カレンダーロールを用い、215℃において厚さ
100μのフィルムに成形した。得られたフィルムは外
観良好で相溶不良の相分離異物は見られなかった。得ら
れたフィルムの膜面状態の評価を第4表に示す。
【0038】比較例4 実施例43において(C)成分を使用しない他は、実施
例43と同様にしてポリ塩化ビニルとEVOHのブレン
ド成膜を実施した。得られたフィルムの膜面には実施例
43には見られない不均一な相分離異物が観察され、フ
ィルムの外観は不良であった。
【0039】実施例53〜55 メタノール中のスラリー状態のEVOH樹脂100部に
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム−マグネシウムを
0.002部(実施例53)、0.02部(実施例5
4)あるいは0.2部(実施例55)添加含浸後、樹脂
を乾燥した。これらのEVOH樹脂20部と実施例43
で用いたポリ塩化ビニル樹脂80部をドライブレンドし
た後、実施例43と同様にして押出成膜を実施した。得
られたフィルムの膜面状態の評価を第4表に合わせて示
した。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】熱可塑性樹脂とEVOHとの相溶性が顕
著に改善され、さらに得られた成形物は外観が美しく、
気体遮断性も優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/06 LET 9166−4J 29/04 67/00 LPA 8933−4J LPB 8933−4J 77/00 LQS 9286−4J 101/00 LSZ 7167−4J // B32B 27/28 102 6122−4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 熱可塑性樹脂(ポリオレフィン
    を除く)、 (B) エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、 および (C) 周期律表 I族、II族およびIII族から選ばれ
    る少なくとも1種の金属の酸化物、脂肪酸塩およびエチ
    レンジアミン四酢酸塩から選ばれる少なくとも1種の化
    合物 からなり、かつ成分(C)を上記樹脂(A)と(B)の
    重量の和100部に対し0.00001〜10部含有す
    る樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)がポリアミド系樹脂
    である特許請求の範囲第1項に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(A)がポリエステル系樹
    脂である特許請求の範囲第1項に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂であ
    る特許請求の範囲第1項に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂のポリ塩化ビニル系樹脂で
    あ特許請求の範囲第1項に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物
    (B)がエチレン単位20〜50モル%で、酢酸ビニル
    単位の鹸化度が96%以上のものである特許請求の範囲
    第1項〜第5項のいずれかひとつの項に記載の樹脂組成
    物。
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