JPH05192877A - 火薬力作動型の固定素子打込み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 打込み装置の押圧時にのみ発射薬に点火可能
とする全ての安全要件を充足し、かつ、推進ピストン
が、確実に挿入すべき固定素子だけに衝突する、火薬力
による打込み装置を提案する。 【構成】 軸線方向に変位可能なボルト案内部材３は、
打込み装置を構造部材10に押圧すると打込み方向とは逆
に変位してピストン案内部材２に作用し、締め付け装置
８により発射薬の点火ボルト９を起こす。ボルト案内部
材３は、側方に導入スリット3aを有し、マガジン1aと結
合する。ボルト案内部材３が変位すると、幅に段階をつ
けた導入スリット3aにより、唯一の固定素子11だけが推
進ピストン４の作用領域に到達する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、ハウジングを具える火薬力によ
る打込み装置に関し、打込み方向側の端面から突出可能
な押圧装置および推進ピストンを導くピストン案内部材
は相互に軸線方向で接しつつ軸線方向に変位可能であ
り、押圧装置およびピストン案内部材は、打込み方向に
反して軸線方向に変位しつつ、点火ボルトの締め付け装
置を起こし、ベルト状に相互結合した案内スリーブに保
持した固定素子のために、ハウジングで貫通開口と同一
線上に位置して側方に突出するマガジンをハウジングに
配置する打込み装置に係るものである。

【０００２】

【従来技術】ベルト状に相互結合した案内スリーブに導
かれる固定素子のための側方に突出したマガジンを具え
る火薬力作動型の固定素子打込み装置は、例えば、ドイ
ツ連邦共和国特許出願公開第 36 06 514号公報に記載さ
れたものが公知である。 単発式打込み装置と同様、マガ
ジンを具えた打込み装置においても、固定素子を打込む
構造部材に対して打込み装置が押圧された場合にのみ、
打込み装置は発射薬の点火により作動可能とすべき課題
が解決される。このようにして初めて、例えば、作業員
の負傷を生じかねない事故を防ぐことができる。

【０００３】上述の機能を確保するために、前記打込み
装置は発射薬の点火ボルトを有し、該点火ボルトは打込
み装置が構造部材に対して押圧された場合にのみ起こさ
れる。この目的のため、点火ボルトの締付け装置を具
え、該締付け装置は軸線方向に変位可能なピストン案内
部材と協働する。ピストン案内部材は、マガジンを設け
たハウジングの内部で変位可能である。その際、他の機
能を実現するために、ハウジングは複数の部材から構成
することができる。

【０００４】軸線方向に変位可能なピストン案内部材に
は、同じく軸線方向に変位可能な押圧触手が協働し、該
押圧触手は、打込み装置が押圧されていない状態におい
て、打込み方向側の端面から突出する。打込み装置を構
造部材に対して押圧すると、押圧触手はハウジング内で
打込み方向とは逆に後退変位する。その結果、ピストン
案内部材の後退変位は、それに伴う点火ボルトの締め付
け装置の活動化と関連する。したがって、打込み装置は
使用準備が完了し、発射薬に点火することにより使用可
能となる。

【０００５】上述の打込み装置は、それ自体として、構
造部材に対する打込み装置の押圧に係る安全性に関連し
た機能を発揮する。それに対し、固定素子のボルト案内
部材への導入に関連した機能の安全性は全周に亘っては
確保されない。ハウジングは、側方に突出するマガジン
の領域において、固定素子のための貫通開口を具え、該
貫通開口は、打込み装置のすべての機能ポジションで一
定の内のり投影を有する。その結果、固定素子の導入メ
カニズムにより、固定素子は装置内部に深く進入するた
め、後続の固定素子も推進ピストンで把持される危険性
がある。そのため、一方では、自由空間の存在により、
有効に挿入されるべき固定素子が正しく構造部材に進入
するが、自由空間を有しない後続の固定素子はハウジン
グまたはマガジンの中で挟まり、機能障害の原因とな
る。極端な場合、この後続する固定素子自体が経路を求
め、例えば、ハウジングまたはマガジンの内壁部分の破
壊により打込み装置から飛び出すことも有り得る。

【０００６】

【発明の開示】本発明の課題は、一方において、打込み
装置の押圧時にのみ発射薬に点火可能とする全ての安全
要件を充足し、他方では、推進ピストンが確実に挿入す
べき固定素子だけに衝突する火薬力による打込み装置を
提案することにある。

【０００７】この課題を解決するため、本発明による装
置は、軸線方向に変位可能な押圧装置は推進ピストンと
同一線上に位置するボルト案内部材として形成し、案内
スリーブと共に固定素子の通過を可能とする導入スリッ
トを有することを特徴とするものである。

【０００８】ハウジングの打込み方向側端部がボルト案
内部材の機能を果たす従来の解決法とは異なり、本発明
においては、ハウジングに対して分離したボルト案内部
材を具えることにより課題を解決する。これにより、保
持するための案内スリーブを伴う固定素子に正確な適合
が可能となる。したがって、挿入工程の全体に亘り、固
定素子は完全に案内され、推進ピストンは有効に挿入す
べき固定素子だけに確実に作用する。

【０００９】ボルト案内部材が軸線方向に変位可能であ
るため、適切な形状の導入スリットはスライダーのよう
な機能を果たす。即ち、導入スリットの内のり断面は、
固定素子が案内スリーブと共に特定箇所でのみ進入可能
となるように形成することができる。この目的のため、
案内スリーブの進入領域における導入スリットの幅は、
導入方向で案内スリーブの投影に一致させ、残りの領域
における導入スリットの幅は、少なくとも固定素子の露
出領域の直径に一致させるのが有利である。その際、
「領域」とは、案内スリーブのみならず、固定素子の残
りの露出した領域のそれぞれに対応する長さとして理解
される。したがって、幅の狭まった導入スリットが生
じ、該導入スリットの最大幅は、固定素子が案内スリー
ブの後方領域に保持されると、打込み方向とは逆の端部
領域に位置する。

【００１０】例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第
36 06 901号公報に記載された固定素子用の案内スリー
ブが公知である。 この案内スリーブは、軸線方向の部分
の両側に連なる案内領域では円形の断面を有する。この
案内スリーブを用いる場合、導入スリットの領域は幅が
広くなるのに対応して減少することが目的に適う。した
がって、幅が広くなると共に、一層小さな内のりを有す
る減少した導入スリット領域は肩部を形成し、該肩部は
案内領域の間に位置する案内スリーブの軸線方向部分と
協働することにより、固定素子の旋回を確実に防ぐこと
ができる。こうした確実な旋回防止は、最後に導入すべ
き固定素子または僅かな固定素子の帯状相互結合に関し
て特に有利である。

【００１１】上述のボルト案内部材における軸線方向の
変位可能性によるスライダー機能は、個々の領域の長さ
を適正に選択すれば、両面的な機能を発揮する。

【００１２】一つの機能は、装置の押圧時には、幅の狭
い導入スリットの打込み方向とは逆の端部領域が少なく
とも部分的に案内スリーブを通過し、固定素子の搬送方
向にストッパーを形成することである。該ストッパー
は、一方において後続する次の固定素子の前進を阻止
し、他方では打込み工程を通じて完全な案内条件を整え
る。このように導入スリットを形成することにより、装
置を押圧しないポジションにおいては、マガジンの導入
メカニズムによって固定素子は常にボルト案内部材に移
動する。

【００１３】別の機能は、装置を押圧しないポジション
において、案内スリーブのための案内スリットの進入領
域が打込み方向で軸線方向に変位することにより、導入
メカニズムによっても固定素子がボルト案内部材に進入
不能とすることである。したがって、導入スリットのサ
イズを適正に選択することにより、ボルト案内部材にお
ける少なくとも一部の押圧区間を超えた後でなければ、
案内スリーブに対応する導入スリットの進入領域が案内
スリーブと同一軸線上に位置することはなく、そのため
固定素子はボルト案内部材に到達しえない。その結果、
装置を押圧しないポジションにおいては、ボルト案内部
材に固定素子が位置することはないが、押圧区間の一部
または全部を超えて、点火直前になると固定素子はボル
ト案内部材に達することができる。この機能において
も、一方では後続する次の固定素子の前進を阻止し、他
方では打込み工程を通じて完全な案内条件を整える。

【００１４】固定素子が確実にボルト案内部材に進入す
るために、導入スリットの長さは、固定素子の長さ以上
とするのが有利である。この要件を充足すると共に、ボ
ルト案内部材を簡便かつ経済的に製造可能とするため、
導入スリットはボルト案内部材の打込み方向側端部に向
かって開放して形成するのが有利である。

【００１５】導入スリットがハウジング内で常に貫通開
口と完全に同一線上に位置し、固定素子のボルト案内部
材への進入が阻止されないことを確実とするため、ボル
ト案内部材に旋回防止機構を具えることが有利である。
この旋回防止は、例えば、ボルト案内部材が外周輪郭に
側方の緩斜面を有し、該緩斜面がハウジング内で対応す
る緩斜面と協働することにより、簡単に確保することが
できる。このハウジング内の緩斜面は、例えば、解除可
能な別体部材として設けることができる。

【００１６】

【発明を実施するための最良の形態】以下、図示実施例
につき本発明を一層具体的に説明する。

【００１７】図１〜３、特に図１に示すように、本発明
による打込み装置は、ハウジング１から構成し、該ハウ
ジングの内部にはピストン案内部材２およびボルト案内
部材３を軸線方向に変位可能かつ相互支持するものとし
て配置する。同様に軸線方向に変位可能として推進ピス
トン４を配置し、該推進ピストンは一方でピストン案内
部材２に、他方でボルト案内部材３に支持する。この推
進ピストン４は、図示していない発射薬により駆動す
る。この発射薬は、例えば、マガジンとしてハウジング
１を横切る溝５を通過し、ピストン案内部材２の薬筒受
け６に供給することができる。例えば、装置を構造部材
10に押圧すると、ピストン案内部材２が溝５の領域へ変
位して戻り、それによって前記の発射薬は薬筒受け６に
供給される。この場合、ボルト案内部材３は打込み方向
に沿ってピストン案内部材２を後退変位させるため、締
め付け装置８に作用するピン７を用いて点火ボルト９を
起こす。それにより、図２に示すように、打込み装置は
作動準備が完了した状態となる。

【００１８】さらに、ハウジング１には側方に突出した
マガジン1aを設ける。このマガジン1aは固定素子11を受
け、該固定素子はベルト状に相互結合した案内スリーブ
12に保持する。これらの案内スリーブ12は、軸線方向部
分12a の両側に案内領域12b,12cを有する。 図示しない
導入メカニズムにより、 固定素子11は案内スリーブと共
に導入され、案内スリーブ12を具えた固定素子11は、本
実施例の基礎となる機能に従い、構造部材10に対して押
圧していない装置の状態においてボルト案内部材３に到
達する。図２に示すように、構造部材10に対して装置を
押圧した状態において、締め付け装置８をトリガー13に
よって解除すると、 点火ボルト９は薬筒受け６に装入し
た図示していない発射薬を打撃し、発射薬の点火時に生
じた火薬ガスが推進ピストン４を打込み方向へ加速す
る。この加速により、固定素子11のひとつが構造部材10
に打ち込まれ、その際、案内スリーブ12は隣接する案内
スリーブ12から切り離される。切り離した案内スリーブ
12は、打込みの全工程に亙り、ボルト案内部材３の内部
で固定素子11の案内部材として機能する。

【００１９】図１〜３に示すように、ハウジング１の貫
通開口1bはマガジン1aと同一線上に位置するため、固定
素子11は案内スリーブ12と共にボルト案内部材３に導く
ことができる。ボルト案内部材３は、案内スリーブ12を
具えた固定素子11を導入するための導入スリット3aを有
し、該導入スリットは、特に図４に示すように、段階的
な幅を有する。

【００２０】前記の幅は、打込み側端部に向かって広く
なり、導入方向では案内スリーブ12の投影に概ね一致す
る。この比較的幅が広い領域の軸線方向における長さ
は、案内スリーブ12の軸線方向の長さに概ね一致し、肩
部3cを形成するように長さは減少する。これら肩部3cの
間の内のり距離は、軸線方向部分12a で対応測定した延
長部よりも僅かに大きい。残りの領域においては、導入
スリット3aの幅は、少なくとも固定素子11における露出
領域の直径に相当する。

【００２１】特に、図２に示すように、本実施例の基礎
となる機能においては、導入スリット3aの幅を前述のよ
うに段階化した結果、打込み装置を構造部材10に押圧し
つつボルト案内部材３を打込み方向に沿って変位させる
と、比較的幅の狭い導入スリット3aの領域は、案内スリ
ーブ12の高さの少なくとも一部をカバーする。これによ
って閉鎖部分が生じるため、導入メカニズムが作動した
としても次の固定素子11はボルト案内部材３に進入でき
ない。この効果は、導入された案内スリーブ12を具える
固定素子11を示した図２から明らかである。

【００２２】導入スリット3aおよび貫通開口1bが相互に
適合した状態を確保するために、ボルト案内部材３は旋
回防止手段として緩斜面3bを有し、該緩斜面は、特に図
３に示すように、対応して形成したハウジング１の内周
輪郭と協働する。図３は、導入スリット3aを形成する細
部を示している。それらの細部については、特に、導入
スリット3aの幅が狭い領域では遊端を先細りに形成する
ことにより、案内スリーブ12と協働してボルト案内部材
３が打込み方向に沿って軸線方向に変位しても、障害は
生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明による打込み装置の静止状態お
よび装填状態を一部破断して示す縦断面図である。

【図２】図２は、図１に示した打込み装置の前方部分を
拡大し、構造部材に対して押圧することにより打込み準
備が完了した状態として示す断面図である。

【図３】図３は、図２に示した装置を III−III 線に沿
って破断して示す縦断面図である。

【図４】図４は、ボルト案内部材を図２の矢印IVに従っ
て、破線で示した再装填状態として示す正面図である。

【符号の説明】

１ ハウジング 1a マガジン 1b 貫通開口 ２ ピストン案内部材 ３ ボルト案内部材 3a 導入スリット 3b 緩斜面 3c 肩部 ４ 推進ピストン ５ 溝 ６ 薬筒受け ７ ピン ８ 締め付け装置 ９ 点火ボルト 10 構造部材 11 固定素子 12 案内スリーブ 12a 軸線方向部分 12b, 12c 案内領域

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジング（１）を具える火薬力作動型
   の固定素子打込み装置であって、打込み方向側の端面か
   ら突出可能な押圧装置および推進ピストン（４）を導く
   ピストン案内部材（２）は相互に軸線方向で接しつつ軸
   線方向に変位可能であり、押圧装置およびピストン案内
   部材（２）は、打込み方向とは逆方向に軸線方向変位し
   つつ、点火ボルト（９）の締付け装置（８）を起こし、
   ベルト状に相互結合した案内スリーブ（12）に保持した
   固定素子（11）のために、ハウジング（１）で貫通開口
   （1b）と同一軸線上に位置して側方に突出するマガジン
   （1a）をハウジング（１）に配置するものにおいて、軸
   線方向に変位可能な押圧装置は、推進ピストン（４）と
   同一軸線上に位置するボルト案内部材（３）として形成
   され、かつ、案内スリーブ（12）と共に固定素子（11）
   の通過を可能とする導入スリット（3a）を有することを
   特徴とする打込み装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の打込み装置において、案
   内スリーブ（12）の進入領域における導入スリット（3
   a）の幅は、導入方向で案内スリーブ（12）の投影に一
   致させ、残りの領域における導入スリットの幅は、少な
   くとも固定素子（11）の露出領域の直径に一致させるこ
   とを特徴とする打込み装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の打込み装置にお
   いて、導入スリット（3a）の長さは、固定素子（11）の
   長さ以上とすることを特徴とする打込み装置。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれか一項に記載の打
   込み装置において、導入スリット（3a）は、ボルト案内
   部材（３）の打込み方向側端部に向けて開放する形状に
   形成することを特徴とする打込み装置。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれか一項に記載の打
   込み装置において、ボルト案内部材（３）に旋回防止機
   構を設けたことを特徴とする打込み装置。
6. 【請求項６】 請求項５記載の打込み装置において、ボ
   ルト案内部材（３）の旋回防止機構は、外周輪郭に配置
   し、ハウジング（１）と共に協働する緩斜面（3b）とし
   て形成することを特徴とする打込み装置。