JPH05192629A - コータブレードの製造方法 - Google Patents

コータブレードの製造方法

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JPH05192629A
JPH05192629A JP34408791A JP34408791A JPH05192629A JP H05192629 A JPH05192629 A JP H05192629A JP 34408791 A JP34408791 A JP 34408791A JP 34408791 A JP34408791 A JP 34408791A JP H05192629 A JPH05192629 A JP H05192629A
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JP
Japan
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blade
ion plating
film
hardness
coating liquid
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JP34408791A
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Takashi Kimura
隆 木村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性、耐剥離性、耐腐食性に優れ、長期
に亘って良好な塗工品質が維持できるコータブレードを
製造する。 【構成】金属薄板に予め、Ni−Pの無電解メッキをア
ンダーコートし、その後当該部の温度を350〜550
℃に保持してTicをイオンプレーティング法によりコ
ーティングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコータの塗液掻き取りに
利用できるコータブレードの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】余剰な塗液を掻き取る方法のコータの従
来例を図3及び図4に示す。図において塗液吹出口5か
らウエブ2に向かって供給された塗液8は、塗液貯槽6
に蓄えられ、バッキングロール3を巻回して走行するウ
エブ2の表面に塗布される。塗液貯槽6の背後のブレー
ド1は、ウエブ表面の余剰な塗液を掻き取り、所定の量
の塗液をウエブ2の表面に残す。この様にして塗液貯槽
6に蓄えられた塗液のうち、一部はウエブ2の面上に残
って塗工紙を構成し、残部はオーバーフローして堰板4
の上面を越えて塗液回収再循環設備に至る。また塗液貯
槽6内の液圧コントロールのために堰板4は昇降可能と
して、ウエブ2の表面と堰板4の先端の隙間が調節され
る様になっている。ところで、塗工液の膜厚制御に大き
な役割を果たしているブレード1は、炭素工具鋼(SK
4又はSK5)が一般に使用されており、断面の寸法形
状は図2の通りである。またブレード長さは2000〜
6000mmである。このブレード1に運転中接するのは
塗液であり、この中に含まれる顔料等が研磨剤としてブ
レード1に作用するため、ブレードは摩耗する。従って
使用するブレードは、焼入れ、焼戻しした硬度の高い
(HV500程度)ものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のブレード1
は、顔料等を研磨剤として使用することにより早期に摩
耗し、刃当たりが不安定となって塗布面質が低下する欠
点があった。従って従来は8時間程度の運転でブレード
を交換していたが、近年生産性向上のためコータの高速
化、広幅化が指向されているため、従来のブレードでは
摩耗に一段と拍車がかかり、短時間で交換しなければな
らず、作業効率が悪化していた。またブレード交換中に
発生する損紙の量も増えるという経済的な問題もあり、
しかも従来のブレードでは摩耗量が10μmを越える
と、塗工品質が劣化し始める問題があった。そこでこれ
らの問題を解決するための手段として、イオンプレーテ
ィング法による硬質金属化合物膜を形成させる方法が従
来も知られているが、母材との密着力が充分でないた
め、充分な硬さを有する厚膜(6μm以上)のものを形
成するのは困難であった。
【0004】イオンプレーティング法による硬化膜の密
着力不充分の要因としては、イオンプレーティング膜
と母材の硬度差が大きい、母材の耐食性不良が考えら
れる。については、母材であるSK5等の高炭素鋼
は、焼入れ処理によって硬化した後、靭性向上のため焼
戻し処理が行なわれる。焼戻しは硬さの低下を考慮して
比較的低温(250〜350℃)で施工されているが、
それでも硬さはHV500〜600程度であり、Tic
イオンプレーティング膜のHV2500〜3000に比
べてかなり低い。その上イオンプレーティング時の昇温
のため、更に母材は焼戻されて軟化し、増々イオンプレ
ーティング膜との硬度差が生じ、密着性の面で不利とな
る。またについては、イオンプレーティング層に微少
な貫通欠陥(クラック又はピンホール)が生じると、図
5の様に塗液中の腐食媒が進入し、耐食性に優れている
イオンプレーティング層とのガルバニック効果により、
母材の腐食が進行してイオンプレーティング層の損傷が
加速される。以上の様な要因による密着性不充分のた
め、従来のブレードは健全な厚膜化(6μm以上)は困
難であった。本発明は前記従来の課題を解決するために
提案されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、金属
薄板に予めNi−Pの無電解メッキをアンダーコート
し、その後当該部の温度を350〜550℃に保持して
Ticをイオンプレーティング法によりコーティングし
てなる方法であり、これを課題解決のための手段とする
ものである。
【0006】
【作用】アンダーコートとしてのNi−P無電解メッキ
は塗液中で充分な耐食性を有する。従ってブレード本体
の防食は勿論、刃部のイオンプレーティング被膜にミク
ロ欠陥(クラック又はピンホール)が存在しても電食に
よる損傷が加速されることはない。Ni−P無電解メッ
キの熱膨張係数は、母材(SK5)とほぼ同じであるた
め、イオンプレーティング処理時又は使用中の昇温によ
っても両材質間には熱応力は作用しない。従って密着力
の低下はない。また密着性及び耐食性の優れているNi
−P無電解メッキ膜は、メッキのままでは非晶質であ
り、HV〜500の硬さを有するが、ある温度に加熱保
持するとNi3 Pが析出して硬化する。加熱温度と硬さ
(室温)の関係の一例を図6(b)に示すが、400〜
450℃に1時間加熱すると、硬さは約2倍のHV〜1
000迄上昇し、被膜全体としての硬さは増大すること
が分かる。またTicイオンプレーティング被膜の硬さ
の差が小さくなるため、両層間の密着強度は上昇する。
この結果健全なTicイオンプレーティングの厚膜化を
図ることができる。
【0007】イオンプレーティング法は比較的低温で、
緻密な薄膜が出来るという特徴があるが、成膜時の基板
によりその被膜の性質は著しく異なる。一例を図6及び
図7に示すが、基板温度が基板の焼戻し温度を越える
と、図6(a)の様に軟化し、また逆に低温すぎると図
7(a)の様に充分な密着強度が得られない。従って基
板の材質、大きさ、形状、被膜の材質等を考慮して、適
正な基板温度を設定する必要がある。なお、イオンプレ
ーティング時の基板温度は、蒸発源からの熱、反応によ
る熱、イオンの衝突による熱、ヒータからの熱等によっ
て決まる。図7(b)にNi−P無電解メッキ上にイオ
ンプレーティングしたものの基板温度と、密着強度の関
係の一例を示す。図7では約500℃の加熱で密着強度
のピークを示しており、これはアンダーコートのNi−
P無電解メッキの加熱温度と硬さの関係の傾向とほぼ一
致しており、アンダーコートの硬さが硬化層の密着性に
影響することが良く分かる。以上により、Ni−P無電
解メッキの適正硬化熱処理温度域と、イオンプレーティ
ング時の密着性の良好な温度域がほぼ一致していること
から、Ni−P無電解メッキ後改めて硬化処理を施工す
る必要はなく、イオンプレーティング施工時の温度上昇
により、メッキ膜は硬化し、耐摩耗性、耐剥離性を有す
る被膜を生成することが出来る。
【0008】
【実施例】以下本発明を図面の実施例について説明する
と、図1は本発明の実施例を示し、本発明方法で製作し
た長寿命コータブレードの断面図である。このコータブ
レード1は焼入れ、焼戻しした炭素工具鋼(SK5)の
薄板(0.5mm)に、アンダーコートとしてNi−P
(92−8%)の無電解メッキ(3μm)を表1に示す
条件で施工した後、その上に直接ウエブ2と接触する刃
部のみにTicのイオンプレーティング(約10μm)
を表2に示す条件で施工した。
【表1】
【表2】 なお、Ni−P無電解メッキは、Ticイオンプレーテ
ィング膜の下部のみでなく、ブレード全体に施工するこ
とが望ましい。
【0009】これは一部のみのメッキ施工は、マスキン
グのための工数及びコストアップとなり、また従来のコ
ータブレードの寿命(8hr)では余り問題にはならな
いが、本発明のコータブレードにより長寿命化される
と、塗液にさらされる時間が長くなり、母材の損傷(ピ
ット及び赤錆)が生じ、SK5のままでは、耐食性に問
題がある。Ni−P無電解メッキは、塗液中での耐食性
が優れていることが確認されており、その効果は大き
い。一方イオンプレーティング膜としては、様々のテス
トの結果、被膜硬さの最も高いTic被膜を採用した。
基板温度は基板の軟化、Ni−P無電解メッキの硬化、
密着性を考慮し、500℃に設定した。温度の調整は基
板−蒸発源間の距離と、基板の裏面に設置したヒータで
制御した。以上の条件でアンダーコートとしてNi−P
無電解メッキを施工後、Ticイオンプレーティング膜
を施工したコータブレードを用い、実機をmodify
したテスト装置により、摩耗試験を実施したところ、図
8に示す様に、従来のSK5の焼入れ、焼戻ししたもの
に比べ6倍以上、Ticイオンプレーティング(3.2
μm)したものに比べ、2倍以上の寿命を有することが
分かった。なお、Ticイオンプレーティングの厚膜
(10μm)のものは密着性が悪く、早期剥離が生じ
た。なお、図8における試験条件は、 試験法 図3と同じ フード寸法 図1,図2と同じ、但し長さは3
00mm バッキングロール径 1250φmm 速度 600m/min 評価 バッキングロール上の塗膜状況及
びコータブレードの外観
【0010】
【発明の効果】以上の如く本発明方法によって製作した
ブレードは、耐摩耗性は勿論、耐剥離性、耐腐食性に優
れ、長期に亘って良好な塗工品質が維持出来る。更にブ
レードの寿命が長いためブレードの交換頻度が少なくな
り、作業効率の向上、損紙の低減、生産性の向上等を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコータブレードの側断面
図である。
【図2】従来のコータブレードの寸法例を示す側断面図
である。
【図3】従来のコータ装置の側断面図である。
【図4】図3の要部の詳細断面図である。
【図5】イオンプレーティング被膜と基板の電食による
損傷状況を示す説明図である。
【図6】基板温度と硬さの関係を示す線図である。
【図7】基板温度と密着強さ(N)の関係を示す線図で
ある。
【図8】本発明と従来における摩耗試験結果を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 ブレード 9 Ni−P無電解メッキ 10 Ticイオンプレーティング
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコータの塗液掻き取りに
利用できるコータブレードの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】余剰な塗液を掻き取る方法のコータの従
来例を図3及び図4に示す。図において塗液吹出口5か
らウエブ2に向かって供給された塗液8は、塗液貯槽6
に蓄えられ、バッキングロール3を巻回して走行するウ
エブ2の表面に塗布される。塗液貯槽6の背後のブレー
ド1は、ウエブ表面の余剰な塗液を掻き取り、所定の量
の塗液をウエブ2の表面に残す。この様にして塗液貯槽
6に蓄えられた塗液のうち、一部はウエブ2の面上に残
って塗工紙を構成し、残部はオーバーフローして堰板4
の上面を越えて塗液回収再循環設備に至る。また塗液貯
槽6内の液圧コントロールのために堰板4は昇降可能と
して、ウエブ2の表面と堰板4の先端の隙間が調節され
る様になっている。ところで、塗工液の膜厚制御に大き
な役割を果たしているブレード1は、炭素工具鋼(SK
4又はSK5)が一般に使用されており、断面の寸法形
状は図2の通りである。またブレード長さは2000〜
6000mmである。このブレード1に運転中接するの
は塗液であり、この中に含まれる顔料等が研磨剤として
ブレード1に作用するため、ブレードは摩耗する。従っ
て使用するブレードは、焼入れ、焼戻しした硬度の高い
(HV500程度)ものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のブレード1
は、顔料等を研磨剤として使用することにより早期に摩
耗し、刃当たりが不安定となって塗布面質が低下する欠
点があった。従って従来は8時間程度の運転でブレード
を交換していたが、近年生産性向上のためコータの高速
化、広幅化が指向されているため、従来のブレードでは
摩耗に一段と拍車がかかり、短時間で交換しなければな
らず、作業効率が悪化していた。またブレード交換中に
発生する損紙の量も増えるという経済的な問題もあり、
しかも従来のブレードでは摩耗量が10μmを越える
と、塗工品質が劣化し始める問題があった。そこでこれ
らの問題を解決するための手段として、イオンプレーテ
ィング法による硬質金属化合物膜を形成させる方法が従
来も知られているが、母材との密着力が充分でないた
め、充分な硬さを有する厚膜(6μm以上)のものを形
成するのは困難であった。
【0004】イオンプレーティング法による硬化膜の密
着力不充分の要因としては、イオンプレーティング膜
と母材の硬度差が大きい、母材の耐食性不良が考えら
れる。については、母材であるSK5等の高炭素鋼
は、焼入れ処理によって硬化した後、靭性向上のため焼
戻し処理が行なわれる。焼戻しは硬さの低下を考慮して
比較的低温(250〜350℃)で施工されているが、
それでも硬さはHV500〜600程度であり、Tic
イオンプレーティング膜のHV2500〜3000に比
べてかなり低い。その上イオンプレーティング時の昇温
のため、更に母材は焼戻されて軟化し、増々イオンプレ
ーティング膜との硬度差が生じ、密着性の面で不利とな
る。またについては、イオンプレーティング層に微少
な貫通欠陥(クラック又はピンホール)が生じると、図
5の様に塗液中の腐食媒が進入し、耐食性に優れている
イオンプレーティング層とのガルバニック効果により、
母材の腐食が進行してイオンプレーティング層の損傷が
加速される。以上の様な要因による密着性不充分のた
め、従来のブレードは健全な厚膜化(6μm以上)は困
難であった。本発明は前記従来の課題を解決するために
提案されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、金属
薄板に予めNi−Pの無電解メッキをアンダーコート
し、その後当該部の温度を350〜550℃に保持して
Ticをイオンプレーティング法によりコーティングし
てなる方法であり、これを課題解決のための手段とする
ものである。
【0006】
【作用】アンダーコートとしてのNi−P無電解メッキ
は塗液中で充分な耐食性を有する。従ってブレード本体
の防食は勿論、刃部のイオンプレーティング被膜にミク
ロ欠陥(クラック又はピンホール)が存在しても電食に
よる損傷が加速されることはない。Ni−P無電解メッ
キの熱膨張係数は、母材(SK5)とほぼ同じであるた
め、イオンプレーティング処理時又は使用中の昇温によ
っても両材質間には熱応力は作用しない。従って密着力
の低下はない。また密着性及び耐食性の優れているNi
−P無電解メッキ膜は、メッキのままでは非晶質であ
り、HV〜500の硬さを有するが、ある温度に加熱保
持するとNiPが析出して硬化する。加熱温度と硬さ
(室温)の関係の一例を図6(b)に示すが、400〜
450℃に1時間加熱すると、硬さは約2倍のHV〜1
000迄上昇し、被膜全体としての硬さは増大すること
が分かる。またTicイオンプレーティング被膜の硬さ
の差が小さくなるため、両層間の密着強度は上昇する。
この結果健全なTicイオンプレーティングの厚膜化を
図ることができる。
【0007】イオンプレーティング法は比較的低温で、
緻密な薄膜が出来るという特徴があるが、成膜時の基板
によりその被膜の性質は著しく異なる。一例を図6及び
図7に示すが、基板温度が基板の焼戻し温度を越える
と、図6(a)の様に軟化し、また逆に低温すぎると図
7(a)の様に充分な密着強度が得られない。従って基
板の材質、大きさ、形状、被膜の材質等を考慮して、適
正な基板温度を設定する必要がある。なお、イオンプレ
ーティング時の基板温度は、蒸発源からの熱、反応によ
る熱、イオンの衝突による熱、ヒータからの熱等によっ
て決まる。図7(b)にNi−P無電解メッキ上にイオ
ンプレーティングしたものの基板温度と、密着強度の関
係の一例を示す。図7では約500℃の加熱で密着強度
のピークを示しており、これはアンダーコートのNi−
P無電解メッキの加熱温度と硬さの関係の傾向とほぼ一
致しており、アンダーコートの硬さが硬化層の密着性に
影響することが良く分かる。以上により、Ni−P無電
解メッキの適正硬化熱処理温度域と、イオンプレーティ
ング時の密着性の良好な温度域がほぼ一致していること
から、Ni−P無電解メッキ後改めて硬化処理を施工す
る必要はなく、イオンプレーティング施工時の温度上昇
により、メッキ膜は硬化し、耐摩耗性、耐剥離性を有す
る被膜を生成することが出来る。
【0008】
【実施例】以下本発明を図面の実施例について説明する
と、図1は本発明の実施例を示し、本発明方法で製作し
た長寿命コータブレードの断面図である。このコータブ
レード1は焼入れ、焼戻しした炭素工具鋼(SK5)の
薄板(0.5mm)に、アンダーコートとしてNi−P
(92−8%)の無電解メッキ(3μm)を表1に示す
条件で施工した後、その上に直接ウエブ2と接触する刃
部のみにTicのイオンプレーティング(約10μm)
を表2に示す条件で施工した。
【表1】
【表2】 なお、Ni−P無電解メッキは、Ticイオンプレーテ
ィング膜の下部のみでなく、ブレード全体に施工するこ
とが望ましい。
【0009】これは一部のみのメッキ施工は、マスキン
グのための工数及びコストアップとなり、また従来のコ
ータブレードの寿命(8hr)では余り問題にはならな
いが、本発明のコータブレードにより長寿命化される
と、塗液にさらされる時間が長くなり、母材の損傷(ピ
ット及び赤錆)が生じ、SK5のままでは、耐食性に問
題がある。Ni−P無電解メッキは、塗液中での耐食性
が優れていることが確認されており、その効果は大き
い。一方イオンプレーティング膜としては、様々のテス
トの結果、被膜硬さの最も高いTic被膜を採用した。
基板温度は基板の軟化、Ni−P無電解メッキの硬化、
密着性を考慮し、500℃に設定した。温度の調整は基
板−蒸発源間の距離と、基板の裏面に設置したヒータで
制御した。以上の条件でアンダーコートとしてNi−P
無電解メッキを施工後、Ticイオンプレーティング膜
を施工したコータブレードを用い、実機をmodify
したテスト装置により、摩耗試験を実施したところ、図
8に示す様に、従来のSK5の焼入れ、焼戻ししたもの
に比べ6倍以上、Ticイオンプレーティング(3.2
μm)したものに比べ、2倍以上の寿命を有することが
分かった。なお、Ticイオンプレーティングの厚膜
(10μm)のものは密着性が悪く、早期剥離が生じ
た。なお、図8における試験条件は、 試験法 図3と同じ フード寸法 図1,図2と同じ、但し長さは3
00mm バッキングロール径 1250φmm 速度 600m/min 評価 バッキングロール上の塗膜状況及
びコータブレードの外観
【0010】
【発明の効果】以上の如く本発明方法によって製作した
ブレードは、耐摩耗性は勿論、耐剥離性、耐腐食性に優
れ、長期に亘って良好な塗工品質が維持出来る。更にブ
レードの寿命が長いためブレードの交換頻度が少なくな
り、作業効率の向上、損紙の低減、生産性の向上等を図
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板に予めNi−Pの無電解メッキ
    をアンダーコートし、その後当該部の温度を350〜5
    50℃に保持してTicをイオンプレーティング法によ
    りコーティングすることを特徴とするコータブレードの
    製造方法。
JP34408791A 1991-12-03 1991-12-03 コータブレードの製造方法 Withdrawn JPH05192629A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999054520A1 (en) * 1998-04-22 1999-10-28 Valmet Corporation Parts of a paper/board or finishing machine that are subjected to intensive wear and method for manufacture of such parts
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EP1197584A1 (fr) * 2000-10-10 2002-04-17 BTG Eclépens S.A. Lame de couchage et procédé de fabrication d'une lame de couchage
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JP2008267978A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Seiko Epson Corp 発停レバー、発停レバーを備えたクロノグラフ付時計、および発停レバーの表面にニッケル硬化層および硬質炭素層を形成する方法

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