JPH05190633A - 固体表面元素分析装置 - Google Patents

固体表面元素分析装置

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JPH05190633A
JPH05190633A JP4006196A JP619692A JPH05190633A JP H05190633 A JPH05190633 A JP H05190633A JP 4006196 A JP4006196 A JP 4006196A JP 619692 A JP619692 A JP 619692A JP H05190633 A JPH05190633 A JP H05190633A
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secondary particles
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JP4006196A
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Michiro Mamada
道郎 儘田
Hiroshi Doi
紘 土井
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料表面に形成された深い窪みや溝の内部の
元素分析や微量不純物分析を可能とする技術を提供す
る。 【構成】 一次粒子の照射系、試料3、二次粒子の分析
系間に偏向電場を設け、一次粒子1の照射方向と二次粒
子2の取り出し方向とを同一または両者の開き角を45
度以下にすることにより、一次粒子1が試料3の窪みの
内面と衝突した時に放出される二次粒子2を再び試料3
の内面に接触させないように窪みから引き出せるように
した固体表面元素分析装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路装置の
製造プロセスで発生する動作不良や特性劣化等の発生原
因の解明やプロセス仕様の決定等に利用される固体表面
元素分析技術に関し、特に、微小な窪みの内部の不純物
元素の検出による高性能サブミクロンデバイスの高歩留
りプロセス支援技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスは、二次元、三次元の高
集積化、微細化により、高速、高性能なものが作られて
きており、今後も、この傾向は益々進むものと予想され
る。
【0003】このような高速、高性能半導体デバイスで
は、ppmからpptのオーダの極微量不純物の混入、
二次元、三次元的形状不良、有害な膜の形成等が関与し
て特性不良や特性劣化を招くことが多い。このため、実
際に各工程を経たものについて、設計値通りの処理や形
状製作が行われたのか否かの判定や、有害となる不純物
の混入や形成等がなかったかどうかの確認が必須とな
る。
【0004】従って、現在も含めて今後共、微小部なら
びに微小窪み内部等における構成元素および極微量不純
物の検出とその同定や組成を決定することが必要であ
る。特に、現在の技術の最先端を行く量産工程では、い
わゆる0.5μmプロセスと呼ばれる機能素子の最小寸法
が0.5μmの大きさの半導体デバイスの製作が実施され
ている。
【0005】このような半導体デバイスでは、電気信号
の入出力を行ったり、電圧のON−OF処理を行ったり
した際の膜同士、膜とSi基板、膜と拡散層等との接続
孔(コンタクトホール、スルーホール等)が高抵抗値に
なったり、接続孔部で導通不良となったりすることが、
僅かに0.5μm程度の径で深さが0.5μmといった狭
く、かつ深い窪み領域で故障やトラブルとして発生す
る。
【0006】このような狭く、かつ深い窪みの微小部領
域を現状の物理計測手段で調べるには、いずれの項目で
も充分満足できるものがなく、試行錯誤によって次のよ
うな各種のものが試みられている。
【0007】窪みの形状を知る計測手段としては、断面
SEMや平面SEM、平面TEM(透過型電子顕微鏡)
や断面TEM等が挙げられる。また、0.2%以上の不純
物の検出および形状観察には、X線検出器を持つEPM
A(電子線照射X線分光器)、オージェ電子エネルギー
分光器(AES;Auger Electron Energy Analyzer)お
よびX線検出器を備えた分析TEM等が挙げられる。
【0008】これらSEM、TEM、EPMA、AES
等およびESCA(光照射二次電子エネルギー分光器)
等の物理計測手段では、微細な形状で平坦なものの観察
や、0.2%以上の不純物や生成物の検出や分析を行うこ
とができる。
【0009】しかしながら、半導体デバイスで問題とな
る0.1%以下の微量ないしはppmやpptのオーダの
極微量不純物(半導体デバイスの製造工程は、すべてク
リーンルーム内で実施され、かつ製造する機械もすべて
防塵処理や発塵防止対策が施されているため、0.2%以
上も含まれる不純物は殆ど混入しない)は分析計測装置
の感度が不足するため、もはや不純物の同定も検出も不
可能である。
【0010】このような場合、高検出感度をもつことで
仕様範囲が最近拡大したSIMS(二次イオン質量分析
計;Secondary Ion Spectrometer、IMAともいう)な
らびにSEM機能付きSIMSを利用すれば、全元素に
ついての検出機能、イオンエッチングによる表面から深
さ方向への分析機能、SEM観察、SIM(ScanningIo
n Microscope または Secondary Ion Microscope)観察
により、平坦な部分の場合には、μm以下の微小部分で
も不純物の検出や構成元素の同定ができるため、不良解
析やプロセス条件の設定等には、SIMS単独でも上述
したSEM、AES、ESCA、TEM等との併用によ
っても非常に有効である。
【0011】しかしながら、これらの従来からのSE
M、TEM、EPMA、AES、ESCA、SIMS等
の物理計測手段では、内径が0.5μm以下で深さが0.5
μm以上の狭く、かつ相対的に深い窪みや溝の側壁や底
面について元素分析や微量不純物分析を試みることは、
照射する一次粒子が窪みや溝へ入射することができて
も、一次粒子が衝突することにより放出される二次粒子
が窪みや溝から外部へ放射されることが非常に困難なた
め、二次粒子から判る固体表面の情報を得ることは非常
に困難である。
【0012】すなわち、高性能サブミクロンデバイスの
ような、縦横が0.5μm以下で深さが0.5μm以下とい
った狭く、かつ深い窪みの内部については、一次粒子の
入射方向と検出すべき二次粒子の取り出し方向とが30
度以上であり(45度や60度の場合がない)、二次粒
子の信号を検出することが困難である。
【0013】ただし、非常に稀な例ではあるが、解析を
必要とする狭く、かつ深い窪みの箇所について破断面な
いしはイオンミーリングやメカノケミカルによる研磨法
で断面を露出させてやることにより、深い窪みや狭い溝
が切り開かれた状態を作り出すことができる時には、斜
め方向や横方向から物理分析や観察が可能となり、不良
解析やプロセス評価、解析が実行できることがある。
【0014】しかしながら、上記の場合には分析試料に
対して何らかの処理を施すことが必要となり、他からの
汚染の混入や付着があるので、真の状態を調べることは
困難である。そのため、試料に前処理を施さないで表面
分析すべき方法の開発が必要となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】半導体デバイスや半導
体材料で平坦な試料については、前述したように、SE
M、XMA(EPMA)、AES、ESCA、SIMS
などの物理計測手段が有効利用されている。
【0016】しかしながら、半導体デバイスや半導体材
料で凸凹のあるもの、段差のあるもの、深い溝や窪みの
あるものについては、上記の物理計測手段では評価、解
析を行うことは困難である。これらのことを図を参照し
て簡単に説明する。
【0017】図8および図9は、従来の物理分析技術で
平坦な試料3の表面に適用する場合の例である。試料3
の表面に対して、一次粒子2が斜め方向から試料に入射
(図8)、またはほぼ垂直方向から入射(図9)した
時、二次粒子2の検出系は、それぞれ機械的な配置から
考えて、前者の場合は試料3の表面から垂直方向へ放出
された二次粒子2を、また、後者の場合は試料3の斜め
方向へ放出された二次粒子2をいずれも分析した後、検
出したり、または分析しないで検出する方法をとる。
【0018】この場合、従来技術の装置では、一次粒子
1の試料3表面に対する照射方向と二次粒子2の取り出
し方向とで30度から60度位の角度を必要とするた
め、深い窪みの側壁や底面の元素分析ができなかった。
【0019】従来方法で、試料3の形状が図10に示す
ような断面である場合には、分析希望箇所が窪みの側壁
(3Aまたは3C)や底面(3B)であるので、一次粒
子1を照射した時には、二次粒子2が放出されても、窪
みの上面に近い部分からのものや、底面近くからでも上
方に運動エネルギーを有する粒子のみが検出されたり、
ないしは分析後検出することができる。
【0020】しかし、図10で側壁3A、3Cからの二
次粒子2は、大部分が窪みから脱出できずに再度側壁に
衝突したり、底面Bに衝突したりして、本来二次粒子2
が有する特長(イオン化状態、運動エネルギー、方向
性、荷電数等)を失ってしまったり、または脱出したと
しても、上記特長を失ってしまうため、実質的には、狭
く、かつ深い窪みや溝の内面分析は困難である。
【0021】同様に、図10の一次粒子1と試料3の底
面3Bとの関係では、底面3Bの中心部には一次粒子1
を照射することは困難であり、従って、底面3Bの分析
を実施することは困難である。
【0022】上記の状態の試料3に対しては、図11に
示すように、一次粒子1に対して試料3を傾斜させる方
法や、図9に示した一次粒子1と試料3との関係の分析
装置(図12)を選べば、分析、評価が実施できそうで
あるが、実際は、図10に示すように、二次粒子2が窪
みから脱出できなかったり、または前記した特長を失っ
た状態で脱出するため、分析、評価を実行できないのが
実状である。
【0023】上述したように、窪みや溝の内面(側壁や
底面)の分析を希望する時には、従来技術では一次粒子
がその内面に照射することと、その際に放出する二次粒
子の特長を維持したままの状態で検出することが同時に
満足された時にはじめて、上記希望事項が満足されるこ
とになる。
【0024】そこで、本発明の目的は、深い窪みや溝の
内面の元素分析や微量不純物分析を可能とする技術を提
供することにある。
【0025】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0026】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
次のとおりである。
【0027】上記目的は、一次粒子が試料の窪みの内面
と衝突した時に放出される二次粒子を再び試料の内面に
接触させない条件で窪みから引き出すことにより達成す
ることができる。
【0028】例えば、一次粒子1および二次粒子2がと
もにイオンビームである場合を例に考える。一次イオン
ビームのエネルギーが10.5KeVでO2 + イオンである
時、放出される二次イオンビームの初速エネルギー(初
速度の大きさ)は0〜百数十KeVである。
【0029】そこで、前記図10〜図12のような窪み
のある試料3を考えると、試料3の表面と窪みの底面3
Bとの間に電圧を印加することにより、二次イオンビー
ムを窪みの外部へ移動させることができる。一旦、外部
に出てくれば、図8や図9のように、従来技術がそのま
ま有効活用できることになる。ただし、図10〜図12
で、一次イオンビームが分析希望箇所へ照射されること
が絶対条件として必要である。
【0030】上記の説明では、電圧を試料3の表面と窪
みの底面3Bとに印加する方法を述べたが、磁場を単独
に印加したり、電場と磁場とを重畳させたりしてもよ
い。
【0031】すなわち、一次イオンビームがO2 + で1
0.5KeVの時、二次イオンビームが持つ運動エネルギー
は0〜百数十KeVであるので、試料3に対して軸方向に
弱い磁場を設ければ、一次イオンビームの軌道は磁場の
有無に関わらずあまり変化しないが、二次イオンビーム
は螺旋運動を描きながら進むために窪みの底面3Bから
放出されても側壁3A,3Cには衝突せず、窪みの外側
まで出てくることもある。そして一旦、窪みの外側まで
出れば、後は従来技術により、二次粒子の元素分析やエ
ネルギー分析が実行できる。
【0032】また、前記した一次粒子1および二次粒子
2はいずれもイオンビームの場合であるが、この関係は
電子ビーム、オージェ電子や他の荷電粒子にも適用する
ことができる。
【0033】
【作用】試料の表面と窪みの底面ないしはその下側の部
分の間に電位を設けるように電圧を印加してやる。その
例を図1で説明する。
【0034】まず、試料3に形成された窪みの底面3B
の下側の低抵抗層4と試料3の表面の低抵抗層5との間
に電圧発生器6からの電圧〔V〕を印加する。ここで、
分析、評価を希望する箇所が底面3Bであるとする。こ
の状態では、試料3の窪みの内部では丁度、低抵抗層
4,5間に電場が印加された形となる。
【0035】ここで、一次粒子1(例えば一次イオンビ
ームO2 + ) を10.5KeVで底面3Bに照射すると、試
料3から二次粒子2(ここでは二次イオンビーム)が放
出される。二次粒子2が正イオンであれば、数 eV〜数
十 eVの運動エネルギーを有し、ある方向に飛び出した
時、前記電場が窪みの内部に存在するので、丁度、図1
の上向きの力をこの正イオンが受けることになり、従来
技術ならばこの二次イオンビームが窪みの側壁3Cに衝
突して中性化し、窪みから脱出できなかったものが、本
発明では、図1に示すような曲がった軌道を描きながら
窪みの外側に脱出することが可能となる。
【0036】ここでは、二次粒子2がすべてこのように
脱出することができる訳ではないが、低抵抗層4,5間
に印加する電圧の大きさを二次粒子2の電荷数や運動エ
ネルギーの大きさとの関係で調節することにより、窪み
から脱出する二次粒子2の割合を高めることができる。
【0037】このようにして試料3の窪みから脱出した
二次粒子2は、従来技術により評価、解析が可能とな
る。試料3が半導体基板や導体のようなものである場合
には、図2に示すように、試料3の表面の低抵抗層5と
裏面の低抵抗層7との間に電圧を印加することにより、
試料3の内部に電位勾配を発生させることができる。
【0038】これにより、窪みの内部にも電位勾配がで
きるので、前記図1で説明した場合と同様、従来技術で
は窪みの中から脱出できなかった二次粒子2が窪みの外
側に脱出され、これを分析、評価に利用することが可能
となる。
【0039】また、電場と共に磁界を試料3に印加して
も、二次粒子2を窪みの外側に導き出すことが可能であ
る。
【0040】図3はその一例である。一次粒子1は、そ
のエネルギーが10.5KeVと大きいため、試料3に対し
て印加された磁界8の影響を受け難いが、運動エネルギ
ーが数 eV〜数十 eVの二次粒子2はこの磁界8の影響
をまともに受けるため、磁界がない従来技術では窪みの
内部から出てこられなかった二次粒子2でも、この電場
と磁界8とにより、試料3の底面3Bや側壁3A,3C
から螺旋運動を描きながら窪みの外側に脱出することが
できる。
【0041】
【実施例1】本発明の一実施例である窪み(あるいは
溝)の側壁、底面の分析・評価用固体表面元素分析装置
を図4により説明する。
【0042】図4に示すように、まず、デュオプラズマ
トロン型のイオン源9または表面電離型のイオン源10
から発生する一次粒子(入射粒子)1を一次イオン質量
分離器11で質量分析して高純度化し、偏向電場内側電
極12および偏向電場外側電極13によって形成される
偏向電場により曲げた後、シリコン基板等からなる試料
3の窪みの底面3Bに照射する。
【0043】その際、底面3Bから放出される二次粒子
(出射粒子)2を電場(電圧発生器6により試料3の低
抵抗層4,5間に電圧を印加して形成したもの)により
窪みから外部へ導き出した後、二次粒子偏向電場内側電
極14および二次粒子偏向電場外側電極15によって二
次イオン加速電圧を与えると共に、一次粒子1とは反対
方向に偏向させる。
【0044】次に、二次粒子元素分析用電場内側電極1
6および二次粒子元素分析用電場外側電極17によって
形成される電場と、二次粒子元素分析用電磁場発生器1
8によって形成される磁場とを組み合わせた二重集束型
質量分析計25で質量分析し、二次粒子2の元素を同定
する。なお、図中の19は二次粒子検出用スリット、2
0は二次電子増倍管、21は二次粒子検出用増幅器であ
る。
【0045】上記の説明は、一次粒子1としてO2 +
そのエネルギーを10.5KeV、試料3としてシリコン基
板、二次粒子として負イオンを利用し、二次イオン加速
電圧を4.5kV、電圧発生器6の電圧を300Vとした
例であるが、これに限定されるものではなく、例えば一
次粒子1としてCs+ (エネルギー;5.5KeV)、二次
粒子2として負イオン(二次イオン加速電圧として4.5
kV)を利用した場合でも、窪み、孔、溝、凹部等の底
面や側壁の分析が可能である。
【0046】本実施例の分析により、試料3の窪みの底
面3Bには炭化水素化合物やシリコン酸化物が形成され
ていたことが判明した。そして、これらの除去が実施さ
れた後では、上記炭化水素化合物やシリコン酸化物がな
くなっていることが再確認できた。
【0047】図5は、不良品〔接続孔を通じて接触抵抗
が大となったもの〕と良品(接触抵抗が小さく、導通の
とれたもの)につき、本実施例の分析方法によって実際
に接続孔の分析を行った結果である。(a)は不良品、
(b)は良品の例である。
【0048】図5(a)に示すように、不良品では、接
続孔の表面でSi+ とO+ とが検出され、これが表面か
ら深さ約200Åまで続き、それ以降はO+ イオンは検
出されないが、Si+ はある分布で検出された。
【0049】他方、図5(b)に示すように、良品で
は、図5(a)の約200Åより深い部分とほぼ同じ状
態であった。これらの比較より、不良品では、表面にシ
リコン酸化物が形成され、これがコンタクト導通不良の
原因であることが判明した。
【0050】
【実施例2】図6は、窪みの側壁、底面の分析・評価用
固体表面元素分析装置の他の実施例である。前記実施例
と異なる点は、一次粒子1と二次粒子2との正、負電荷
の符号が同じになっていることである。
【0051】すなわち、一次粒子(O2 + イオン)1を
偏向電場内側電極12、偏向電場外側電極13によって
曲げた後、シリコン基板等からなる試料3の窪みの底面
3Bに照射し、その際放出される正電荷の二次粒子2を
加速する。これにより、二次粒子2は一次粒子1と電荷
の符号が同じであるため、電極12,13によって一次
粒子1と同じ方向に偏向された後、その加速電圧が一次
粒子1のそれよりも大きいため、より小さい軌道半径を
描きながら二次粒子偏向電場内側電極14および二次粒
子偏向電場外側電極15によって形成される電場を通過
し、二重集束型質量分析計25によって質量分析され、
その元素同定が行われる。
【0052】本実施例は、二次粒子2の電荷を一次粒子
(O2 + イオン) 1の電荷と同じ正とした場合の例であ
る。電圧発生器6による試料3への印加電圧は、試料3
の導電性、厚み、窪みの底面3Bの相対位置等によりそ
の大きさが決まる。また、二次粒子2として正イオンを
使うか、負イオンを使うかにより、試料3への印加電圧
の正負が決定される。
【0053】
【実施例3】図7は、窪み(あるいは溝)の側壁、底面
の分析・評価用固体表面元素分析装置の他の実施例であ
り、特に、評価を希望する箇所に厚い絶縁膜を有する試
料向けに適用したものである。
【0054】図7に示すように、本実施例の装置は、前
記実施例1,2の装置に絶縁物分析用電子線供給源22
と電磁場23とを追加し、一次粒子1と同時に上記絶縁
物分析用電子線供給源22から電子線24を試料3の窪
みの底面3Bに照射できるようになっている。
【0055】すなわち、窪みの底面3Bに500Å以上
の厚い絶縁物があると、そこが一次粒子1の照射で正に
帯電するため、二次粒子2の元素分析ができないが、本
実施例によれば、この正に帯電した部分に電子線24を
照射することにより、帯電が中和されるため、試料3が
導電性である時と同様、元素分析を安定に実施すること
が可能となる。
【0056】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0057】前記実施例では、一次粒子や二次粒子がイ
オンビームである場合について述べたが、一次粒子や二
次粒子が電子ビームや他の荷電ビームである場合にも適
用することができる。
【0058】また、前記実施例の固体表面元素分析装置
において、一次粒子照射系と二次粒子分析系の間に挟み
込む偏向電場の角度を種々選択することにより、その配
置も状況に応じて適当に選択することができるので、こ
れまでに開発されている二重集束型(セクター型)、四
重枢型、ないしは飛行時間型(TOF型)等のSIMS
で、試料に電位を印加できるようにし、かつ前記偏向電
場を一次粒子と二次粒子と試料との間に置くようにすれ
ば、窪み、孔、溝の内側(側面、底面)の分析が実行で
きるように改造することができる。
【0059】
【発明の効果】本願によって開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下の通りである。
【0060】半導体デバイスでは、微細化、高集積化が
進むにつれて立て方向および横方向が0.5μm以下に微
細化されると同時に、高さ方向、つまり三次元的にも細
かいパターンになる。そのため、三次元的に複雑な段差
や窪み、溝などが数多く形成されたり、平坦化のために
孔埋めが行われたり等して最終的に高速でかつ消費電力
が少なく、また記憶容量の大きなものが、つまり軽薄短
小のものが製作されつつある。
【0061】しかしながら、これら複雑な段差、窪み、
溝などがある箇所は、信号の伝達箇所であったり、保管
場所であったり等デバイスの特性を決める最も重要な接
点の一つである。それにもかかわらず、そのような段
差、窪み、溝などは一般の平坦な、ないしは比較的平坦
な箇所の表面とは物質が異なったり、汚染が付着しやす
かったり、または汚染が除去され難いなどのため、電気
的特性不良を招きやすい箇所である。
【0062】サブミクロンテバイスの開発においては、
これまでの設計技術やプロセス技術がそのまま適用でき
ることは少なくなりつつある。そのため、実際にデバイ
スを試作した上で、不良解析を進める必要があった。特
に、不良原因が解明できれば、その対策もまた鮮明にな
ると推定できる。
【0063】これに対して、従来できなかった、接続
孔、トレンチ構造の凹部、複雑な段差のある配線での窪
み、溝等の内側や底面の元素分析や不純物分析が可能と
なれば、上記した不良発生原因が鮮明になったり、重要
な足掛かりを得ることができるので、不良原因を解消で
きる具体的対策が明白になる。
【0064】従って、本発明によれば、サブミクロンテ
バイスの開発を効率よく進めることができるようになる
ので、製品の歩留り向上や製品原価の低減を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明する試料断面と試料への電
圧印加の関係を示す要部断面図である。
【図2】本発明の作用を説明する試料断面と試料への電
圧印加の関係を示す要部断面図である。
【図3】本発明の作用を説明する試料断面と試料への電
圧および磁界印加の関係を示す要部断面図である。
【図4】本発明の一実施例である固体表面元素分析装置
の概略図である。
【図5】試料の接続孔の表面から深さ方向に元素分析し
た時の二次イオンの強度分布を示し、(a)は不良品に
ついてのもの、(b)は良品についてのものである。
【図6】本発明の他の実施例である固体表面元素分析装
置の概略図である。
【図7】本発明の他の実施例である固体表面元素分析装
置の概略図である。
【図8】試料表面における一次粒子と二次粒子との関係
を示す要部断面断面である。
【図9】試料表面における一次粒子と二次粒子との関係
を示す要部断面断面である。
【図10】従来技術では分析が困難な場合の試料形状と
一次粒子と二次粒子との関係を示す要部断面図である。
【図11】従来技術では分析が困難な場合の試料形状と
一次粒子と二次粒子との関係を示す要部断面図である。
【図12】従来技術では分析が困難な場合の試料形状と
一次粒子と二次粒子との関係を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 一次粒子(入射粒子) 2 二次粒子(出射粒子) 3 試料 3A 側壁 3B 底面 3C 側壁 4 低抵抗層 5 低抵抗層 6 電圧発生器 7 低抵抗層 8 磁界 9 イオン源(デュオプラズマトロン型) 10 イオン源(表面電離型) 11 一次イオン質量分離器 12 偏向電場内側電極 13 偏向電場外側電極 14 二次粒子偏向電場内側電極 15 二次粒子偏向電場外側電極 16 二次粒子元素分析用電場内側電極 17 二次粒子元素分析用電場外側電極 18 二次粒子元素分析用電磁場発生器 19 二次粒子検出用スリット 20 二次電子倍増管 21 二次粒子検出用増幅器 22 絶縁物分析用電子線供給源 23 電磁場 24 電子線 25 二重集束型質量分析計

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次粒子の照射方向と二次粒子の取り出
    し方向とを同一にするか、または両者の開き角を45度
    以下にしたことを特徴とする固体表面元素分析装置。
  2. 【請求項2】 一次粒子照射系および二次粒子分析系と
    試料との間に偏向電場を設けたことを特徴とする請求項
    1記載の固体表面元素分析装置。
  3. 【請求項3】 試料の表面と裏面との間に電圧を印加す
    る電圧印加手段を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の固体表面元素分析装置。
  4. 【請求項4】 試料の近辺に磁界を形成する磁界形成手
    段を備えたことを特徴とする請求項1記載の固体表面元
    素分析装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5481109A (en) * 1992-09-28 1996-01-02 Hitachi, Ltd. Surface analysis method and apparatus for carrying out the same
US5877498A (en) * 1992-09-28 1999-03-02 Hitachi, Ltd. Method and apparatus for X-ray analyses

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