JPH05188308A - 空間光変調器とその製法 - Google Patents

空間光変調器とその製法

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JPH05188308A
JPH05188308A JP18709892A JP18709892A JPH05188308A JP H05188308 A JPH05188308 A JP H05188308A JP 18709892 A JP18709892 A JP 18709892A JP 18709892 A JP18709892 A JP 18709892A JP H05188308 A JPH05188308 A JP H05188308A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、新規な構成の撓むことが出来る
はりを持つ空間光変調器及びその製法を提案することを
目的とする。 【構成】 基板に立設された上端解放の筒状支持柱に4
つの素子がクローバ状に丁番結合される。該各素子は基
板と素子との間に印加される電圧に応じて変形し、もっ
て入力光を変調する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は空間光変調器(光
弁)、更に具体的に云えば電子式にアドレスされる偏向
可能なはり(梁)を持つ空間光変調器に関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】空間光変調器(SLM)は入
射光を電気入力又は光入力に対応する空間パターンで変
調する変換器である。入射光の位相、強度、偏光又は方
向を変調することが出来、この光の変調は、種々の電気
光学効果又は磁気光学効果を持ついろいろな材料によ
り、並びに表面の変形によって光を変調する材料によっ
て行なうことが出来る。SLMは光情報処理、投射表示
装置及び静電印刷の分野で多数の用途がある。30 I
EEEトランスアクションズ・オン・エレクトロニック
・デバイセズ誌539頁(1983年)所載のL.ホー
ンベックの論文「128×128変形自在のミラー装
置」に引用された文献を参照されたい。
【0003】大形の明るい電子表示装置に使われる周知
のSLMはアイドホール(Eidophor)である。
これは能動的な光学素子として静電作用によって凹みの
出来る油膜を使う装置である。20J.SMPTE誌3
51頁(1953年)所載のE.バウマンの論文「ザ・
フィッシャー・ラージ・スクリーン・プロジェクション
・システム(アイドフォア)」参照。この装置では、連
続的な油膜を変調された電子ビームでラスタ式に走査し
て、油膜上の分解可能な各々の画素区域に沈積電荷の空
間的に周期的な分布を作り出す。この電荷分布により、
油膜の面と一定の電位に保たれた支持する基板との間の
静電引力により、各々の画素の中に位相回折格子が出来
る。この引力により、膜面が沈積電荷量に比例する量だ
け変形する。変形した油膜をキセノン・アーク灯からの
空間的にコヒーレントな光で照射する。油膜上の変調さ
れた画素に入射した光が局部的な位相格子の回折によ
り、個別の一組の規則的な間隔の次数になり、これを光
学系の一部分により、交互に透明及び不透明なバーの周
期的な配列で構成されたシュリーレン・ストッパに入射
させる。シュリーレン・ストッパのバーの間隔は、光の
通過の効率が高くなる様に、ストッパ平面に於ける回折
信号の次数の間隔と合う様に選ぶ。ライト・バルブの変
調していない領域に入射した光は、シュリーレン・スト
ッパの不透明なバーにより、投影レンズに達しない様に
遮られる。この為、シュリーレン結像装置によって、ラ
イト・バルブの変調されていない区域から投影スクリー
ン上に形成された像は暗いが、変調された電子ビームに
よって導入された位相摂動は、シュリーレン投影器によ
り、スクリーンの所で明るい光のスポットに変換され
る。電子照射による油の重合及び陰極の有機蒸気による
汚染に伴う数多くの技術的な難点があるにもかかわら
ず、この形式の油膜装置は、スクリーンに何千ルーメン
もの合計の光を必要とする場合に、殆んど世界的に使わ
れている装置になる点まで、開発に成功している。然
し、こういう装置は高価で嵩張り、部品の寿命が短い。
【0004】多数の非油膜形SLMも開発されていて、
偏向可能な素子を使う形式、偏光面回転形及び光散乱形
がある。これらの各形式のSLMは、金属、弾性体又は
弾性体−光導電体から成る反射層の変形、強誘電体、P
LZTセラミック及び液晶の偏光及び散乱の様な種々の
効果を用いている。例えば、299 Proc.SPI
E68頁(1981年)所載のR.スプレーグ他の論文
「レーザ印刷用の直線的な内部全反射空間光変調器」及
び299 Proc.SPIE76頁(1982年)所
載のR.スプレーグ他の論文「レーザ印刷用の一体化し
た内部全反射(TIR)空間光変調器」及び米国特許第
4,380,373号には、レーザ光を線状の証明に形
成して、光変調器の線形配列に通した後、光感知媒質に
結像する様にして、光感知面に非衝撃形に印刷する装置
が記載されている。この配列は、ニオブ酸リチウムの様
な電気光学結晶の全反射面にあてて配置した集積駆動素
子の上に作った電極及び駆動回路を持つ内部全反射空間
光変調器として構成されている。夫々2つの電極の間の
フリンジ電界によって発生された屈折率の局部的な変化
をシュリーレン読出光学系を用いて読出す。この光学系
がTIR界面を光感知媒質に結像する。これは1次元の
像であり、光感知媒質を線形配列の像の下でドラム上で
回転させて、印刷用の2次元の像(例えば1頁の本文)
を発生する。然し、SLM(ライト・バルブ)は、その
混成形の性格の為に、製造上の問題の影響を非常に受け
易い。フリンジ電界の強さ、従って変調された画素によ
って回折される光の量は、1/10ミクロン未満の、ア
ドレス電極と電気光学結晶面との間の空隙の厚さの変化
によって左右される。この為、ごく小さい粒子が結晶と
電極構造の間に捕捉されても、光感知面に於ける照明の
非一様性の問題を招く惧れがある。ライト・バルブの変
調区域及び非変調区域の間の境界にある画素に対する装
置の光学応答も、アドレス方式の性格の為に、変調領域
の中心近くにある画素に対する応答よりも目立って低
い。この技術に基づくプリンタはこれまで市場に登場し
ていない。
【0005】Proc.SID Symp.250(1
982年4月号)所載のM.リトル他の論文「CCDア
ドレス形液晶ライト・バルブ」には、シリコン・チップ
の前側にCCD区域アレーを持つと共に、チップの裏側
に液晶アレーを持つSLMが記載されている。アナログ
電荷データの完全なフレームが導入されるまで、CCD
に電荷が入力される。その後、この電荷をチップの裏側
に放出し、そこで電荷が液晶を変調する。この装置は、
前側から裏側への転送によって電荷が拡がる為に、著し
い一定のパターン雑音と分解能の劣化にわずらわされ
る。
【0006】1次元及び2次元の両方の配列に作ること
の出来る別の形式のSLMが変形可能なミラー(反射
鏡)である。変形可能なミラーは3種類に分けることが
出来る。即ち、弾性体、隔膜及び片持ちばりである。弾
性体方式では、メタライズした弾性体を空間的に変化す
る電圧によってアドレスすると、この電圧が弾性体の圧
縮を通じて表面の変形を生ずる。100又は200ボル
ト程度のアドレス電圧を必要とする為、弾性体は高密度
シリコン・アドレス回路と集積化する為の良好な候補で
はない。全般的には、24 IEEEトランスアクショ
ンズ・オン・エレクトロニック・デバイセズ誌930頁
(1977年)所載のA.ラカトス及びR.ベルゲンの
論文「無定形Se形RUTICONライト・バルブを用
いたTV投影表示装置」を参照されたい。
【0007】隔膜形の変形可能なミラーは種々の形式が
ある。1つの形式は、前に述べたアイドフォール装置の
油膜に代るものである。この装置では、支持格子構造に
より、陰極線管(CRT)のフェースプレートに薄い反
射膜を取付ける。アドレス動作は、アイドフォールと同
じく、ラスタ走査の電子ビームによって行なう。CRT
の硝子のフェースプレートの上に電子ビームによって沈
積された電荷が、一定電圧に保たれた膜を静電式にひき
つける。この引力により、膜が格子構造によって形成さ
れた井戸の中にたるみ、こうして変調された各々の画素
の場所でごく小さい球面鏡を形成する。この形式の変調
された画素から回折された光が、鏡面反射ビームの周り
に回転対称である比較的細い円錐に集中される。この
為、この形式のライト・バルブは、シュリーレン・スト
ッパと共に使われる。このシュリーレン・ストッパは、
ライト・バルブの変調されていない区域からの鏡面反射
の後、光学系によって形成された光源の像を遮る様に位
置ぎめされ且つそういう寸法の、1個の中心の遮蔽部で
構成される。変調された画素は、シュリーレン・ストッ
パの平面に光の円形パッチを生じ、これが中心の遮蔽部
より大きいが、それを中心としている。ストッパ効率、
即ち変調された画素のエネルギの内、シュリーレン・ス
トッパに遮られない部分は、変形可能な膜に基づく投影
器では、油膜アイドフォール投影器よりも一般的に幾分
低い。更に、この様な膜の変形し得るミラー装置は少な
くとも2つの大きな問題がある。比較的剛性の反射膜を
アドレスするのに高い電圧が必要であり、電子ビームの
ラスタと画素支持格子構造との間に僅かな整合外れがあ
ると、アドレスの問題を招く。この整合外れは、像のぼ
やけ並びに表示の明るさの非一様性の原因になる。
【0008】別の形式の膜形の変形し得るミラーが、3
0 IEEEトランスアクションズ・オン・エレクトロ
ニック・デバイセズ誌539頁(1983年)所載の
L.ホーンベックの論文及び米国特許第4,441,7
91号に記載されているが、シリコン・アドレス回路に
結合されたメタライズした重合体ミラーの配列で構成さ
れる混成集積回路である。下側にあるアナログ・アドレ
ス回路がミラー素子から空隙によって隔てられていて、
静電引力により、選ばれた画素でミラーの配列を変位さ
せる。この結果生ずる2次元の変位パターンが反射光に
対して対応する位相変調パターンを生ずる。このパター
ンはシュリーレン投影方法によってアナログの強度の変
化に変換することは出来るし、或いは光情報処理装置に
対する入力変換器として使うことが出来る。然し、膜形
の変形し得るミラーは、ごく小さい、ミクロン寸法の粒
子が膜と下側の支持構造の間に捕捉された時に起る様な
欠陥の影響を受け易いという製造上の問題がある。膜が
この様な捕捉された粒子の上のテントを形成し、このテ
ントの横方向の範囲は粒子自体の寸法よりもずっと大き
く、こういうテントがシュリーレン結像装置によって明
るいスポットとして結像される。
【0009】片持ちばりの変形し得るミラーは、変形可
能な片持ちばりの微小機械的な配列であり、何等かのア
ドレス手段によって静電式に個別に変形させて、入射光
を線形パターン又は面積パターンで変調することが出来
る。適当な投影光学系と共に使われた時、片持ちばりの
変形し得るミラーは、表示、光情報処理及び電子写真印
刷に用いることが出来る。真空蒸着によって硝子の上に
作られた金属の片持ちばりを用いた初期のものが、米国
特許第3,600,798号に記載されている。この装
置は、装置が一体化していない構造であることにより、
前側及び後側の硝子基板の整合を含めた製造上の問題が
ある。
【0010】片持ちばりの変形し得るミラー装置が、2
2 IEEEトランスアクションズ・オン・エレクトロ
ニック・デバイセズ誌765頁(1975年)所載の
R.トーマス他の論文「ザ・ミラー・マトリクス・チュ
ーブ:ア・ノーベル・ライト・バルブ・フォ・プロジェ
クション・ディスプレイ」と米国特許第3,886,3
10号及び同第3,896,338号に記載されてい
る。この装置は次の様にして作られる。サファイヤの基
板の上のシリコンの上に熱作用による2酸化シリコン層
を成長させる。この酸化物は、中心で結合された4つの
片持ちばりのクローバの葉形の配列のパターンにする。
酸化物にアンダカットが出来るまで、シリコンを等方性
に湿式エッチし、各々の画素の中に、中心のシリコン支
持柱によって支持された4つの酸化物の片持ちばりを残
す。次に、反射率を持たせる為、クローバの葉形の配列
をアルミニウムでメタライズする。サファイヤの基板の
上にデポジットされたアルミニウムが基準格子電極であ
り、これは直流バイアスに保つ。装置をアドレスするに
は、走査形電子ビームを用いる。この電子ビームがクロ
ーバの葉形のはりの上に電荷パターンをデポジットし、
静電引力によって、はりを基準格子に向って変形させ
る。消去は、密な間隔の外部格子に負のバイアスを加
え、エネルギの小さい電子で装置を溢れさせることによ
って行なわる。シュリーレン投影器を使って、はりの変
形を投影スクリーンに於ける明るさの変化に変換する。
この装置の重要な特徴は、クローバの葉形と云う形状
が、はりの間の開口から45°回転した方向にはりを撓
ませることである。この為、簡単な断面を持つシュリー
レン・ストッパを使って、固定の回折背景信号を遮って
も、変調された回折信号を減衰させることがない。この
装置は1吋あたり500個の画素という画素密度で製造
され、はりは4°まで撓ませることが出来る。光学系は
150ワットのキセノン・アーク灯、反射シュリーレン
光学系、及び5の利得を持つ2.5×3.5フィートの
スクリーンを用いた。35フィート・ルーメンのスクリ
ーンの明るさ、15対1のコントラスト比、及び48%
のはり回折効率で、テレビジョンの走査線400本の解
像度が実証された。1/30秒未満の書込み時間が達成
され、消去時間は書込み時間の1/10という短さであ
った。然し、この装置は、走査誤差による解像度の低
下、製造の歩留まりの悪さ、及び普通の投影形陰極線管
に較べて利点がないことを含めて問題がある。即ち、走
査毎の位置ぎめの精度が、個々の画素の書込みの再現性
が得られる程高くない。この結果、解像度が低下するこ
とにより、同等程度に書込まれた発光体に較べて、同じ
解像度を保つには、画素の数を少くとも4倍に増加する
ことが必要になる。更に、クローバの葉形の支持柱に対
するエッチ・ストッパがないこと、はりの湿式エッチン
グによってはりの破損が起ること、並びに酸化物のはり
上で応力ゼロの状態で通常引張り応力のかかったアルミ
ニウムを蒸着する必要があることの為、装置の歩留まり
が制限される。更に、この装置は、普通の投影形CRT
に較べて、明白なコスト又は性能の利点がない。
【0011】アドレス回路と共にシリコンの上に集積化
され、この為、前に説明した片持ちばり装置の高電圧回
路を用いた電子ビーム・アドレス及び真空外被を必要と
しない片持ちばりの変形し得るミラーが、31アプライ
ド・フィジックス・レターズ誌521頁(1977年)
所載のK.ピーターセンの論文「シリコンの上に作られ
た微小機械的な光変調器配列」及び米国特許第4,22
9,732号に記載されている。この内の最初の文献
は、飛込板形の片持ちばりの16×1の配列が記載され
ており、これは次の様にして作る。p+基板(又は埋込
み層)の上に厚さ約12ミクロンの<100>の向きの
シリコン(p形又はn形)のエピタキシャル層を成長さ
せる。このエピタキシャル層を約0.5ミクロンの厚さ
に酸化して、厚さ約500ÅのCr−Au被膜で覆う。
Cr−Auをエッチングによって除いて、接点パッド及
びアドレス線を形成し、飛込板形のメタライズ部分を構
成する。第2のマスク工程で、酸化物をメタライズ部分
の周りでくし形パターンでエッチングによって除く。最
後に、シリコン自体を120℃でエチレンジアミン及び
カテコールの溶液でエッチする。結晶軸に対するマスク
の正しい向きが保たれていれば、金属でコートされた酸
化物の飛込板がエッチによってアンダカットされ、シリ
コンから解放される。このエッチは異方性であるから、
くし形パターンの矩形包絡線を限定する<111>面に
よって、それ以上の横方向のエッチングが停止される。
更に、エッチヤントがp+材料によって抑制され、この
為飛込板の下の井戸の深さがエピタキシャル層の厚さに
よって限定される。基板と飛込板形のメタライズ部分の
間に直流電圧を印加すると、薄い酸化物の飛込板がエッ
チされた井戸に向って下向きに静電作用によって撓む。
長さ106ミクロン及び幅25ミクロンの飛込板は、閾
値電圧が約66ボルトであった。
【0012】2番目に引用した文献、即ち米国特許第
4,229,732号には、飛込板装置(メタライズし
た2酸化シリコンの片持ちばりの下に井戸を形成する為
のエッチ・ストッパとしての埋込みp+形層)と同様に
製造されるが、異なる構成を持つ装置が記載されてい
る。即ち、片持ちばりは、1つの隅で丁番結合された四
角なフラップの形をしている。フラップは、飛込板のよ
うに1次元の1列ではなく、2次元の配列を形成し、フ
ラップの下の井戸は接続されておらず、フラップに対す
るアドレス線は、行及び列のフラップの間でシリコンの
上面の上に形成することが出来る。勿論、フラップを隅
で丁番結合することは、米国特許第3,886,310
号及び同第3,896,338号のクローバの葉形の構
造からきたものであるが、完全なクローバの葉形の構造
を使うことが出来ない。これは、そうすると、クローバ
の葉形のフラップがシリコン表面から隔離された中心の
柱に丁番結合される為に、表面のアドレス線が出来ない
からである。更に、こういう装置は、密度の制約と小さ
な分数の活性区域の為に、解像度が不良で効率が低く、
製造の歩留まりが低く、アドレス回路の回折効果によっ
てコントラスト比が低下し、酸化物のフラップの充電効
果の為に残留像があるという問題がある。更に具体的に
云うと、アドレス回路が活性区域(フラップ)の周りに
押込められる。これは、p+形エッチ・ストッパまでエ
ピタキシャル層をエッチングによって除くことによっ
て、井戸が形成される為に、活性区域の下にアドレス回
路を配置する選択がとれないからである。この為、活性
区域が実質的に縮小しそれと共に回折効率が下がる。こ
れは、スクリーンの同じ明るさには、より多くの灯の電
力が必要であることを意味する。アドレス回路が余分の
面積を必要とする為、画素の寸法がフラップの面積より
大幅に増加し、その結果、達成し得る解像度が低下す
る。井戸を形成するのに必要な湿式エッチングは、電気
的にも機械的にも歩留まりが低くなることに通ずる。実
際、チップにダイス切りした後の様な湿式の清浄化がフ
ラップ及び飛込板を破壊する。これは、回転−洗滌/乾
燥サイクルの間、はりの下に捕捉された水が、表面から
回転してとび出す時に、はりを壊すからである。この代
りに、水を表面から蒸発させると、その後に残る表面の
残渣が、表面の漏れ電流を増加し、それが装置の変わり
易い動作を招く。更に、シリコン表面にあるアドレス回
路が入射光にさらされて変調され、トランジスタ・ゲー
トからの不所望の回折効果を生ずると共にコントラスト
比を下げる。更に、アドレス構造に漏れる光が光によっ
て発生された電荷を生じ、蓄積時間を短くする。最後
に、酸化物/金属のフラップは絶縁側が井戸を向いてお
り、井戸の前後に存在する強い電界の為に充電される。
これが残留(「バーンイン」)像を生ずる。この残留像
の問題を除く為に必要な交流駆動は、説明されているN
MOS駆動回路から供給することが出来ない。更に、最
大の安定な撓みを通越してフラップを撓ませると、フラ
ップが壊れ、井戸の底に付着する。この為、崩壊電圧よ
り高い電圧は絶対に避けなければならない。
【0013】変形の片持ちばり方式が24IBMジャー
ナル・オブ・リサーチ・アンド・ディベロップメント誌
631頁(1980年)所載のK.ピータセンの論文
「シリコン捩れ走査ミラー」及び4 IEEEエレクト
ロニック・デバイセズ・レターズ誌3頁(1983年)
所載のM.キャドマン他の論文「薄い金属膜を用いた新
しい微小機械的な表示装置」に記載されている。この方
式は、向い合った2つの隅で周囲の反射面に接続された
金属フラップを形成し、この接続部によって形成された
軸線に沿ってフラップを捩らせることによって動作す
る。フラップはその下にあるアドレス用の基板とモノリ
シックに形成されておらず、前に述べた変形し得る膜装
置と同様に、基板に対して接着されている。
【0014】上に引用した片持ちばりを記載した全ての
文献は、片持ちばり装置と共にシュリーレン投影光学系
を使うことを述べている。然し、こういう装置は達成し
得る光学的な性能の点で制約がある。第1に、結像レン
ズの開口直径が、信号エネルギだけを通過させるのに必
要な値よりも大きくしなければならない。この為、シュ
リーレン・ストッパの中心の遮蔽部の前後の全ての信号
エネルギを通過させる為に、レンズの速度を比較的高く
しなければならない(或いはこれと同等であるが、その
fナンバーを相対的に小さくしなければならない)。更
に、この作像形式では、信号がレンズの瞳の外側部分を
通過する。SLM上の任意の所定の点から出て、結像レ
ンズの瞳の一番外側の区域を通過する光線は、どんな結
像レンズの光学的な設計でも、十分に補正された焦点に
持って来るのが最も困難な光線である。外側の光線を良
好に制御すれば、結像レンズの中心を通る光線は自動的
によく補正される。従って、結像レンズについては、一
層高いレベルの光学的な設計の複雑さが要求される。第
2に、片持ちばりのSLMの軸外画素の十分に補正され
た像を結像レンズが形成し得る様な画角も制限されてい
る。どんなレンズの設計作業も、レンズの速度と良好な
像の品質でカバーし得る画角との間の兼合いである。高
速レンズは小さな視野にわたって作用する傾向があり、
広角レンズは比較的遅い傾向がある。シュリーレン結像
装置はその開口全体にわたって十分に補正されていなけ
ればならないし、この開口の直径が像を形成する光を通
過させるのに必要な値よりも大きいので、信号が遮蔽さ
れていない直径の一層小さいレンズの中心を通過する様
に異なる結像形式を工夫することが出来た場合よりも、
レンズによってカバーし得る画角は一層小さい。最後
に、所定の有限の速度を持つ結像レンズで、シュリーレ
ン・ストッパ形式を使うと、利用し得る光源の規模も制
限される。これによって撓ませた画素の像の所で、投影
スクリーン又は受光体に送出すことの出来る放射束密度
のレベルが制限される。この放射束密度のレベル、即
ち、単位面積あたりの送出されるエネルギは、光源のラ
ジアンス、光学系の透過率及び像を形成する光線の円錐
の立体角の積に関係する。光源のラジアンスは使う特定
の灯のみによって決定される。光学系の透過率は特定の
SLM/シュリーレン・ストッパ形式のストッパ効率と
表面透過損失とに関係する。然し、像を構成する光の円
錐の立体角は、信号エネルギで充たされた結像レンズの
瞳の面積に正比例する。結像レンズの瞳の中心区域を遮
蔽するシュリーレン・ストッパを使うと、利用し得る瞳
の面積が制限され、この為、所定の速度のレンズ並びに
所定のラジアンスの光源で達成し得る像平面の放射束密
度のレベルが制限される。これが、利用し得る最大の光
の円錐が、はりの撓み角に等しい開口角を持つという放
射束密度の基本的な制約の他にある。
【0015】この為、公知の片持ちばりのSLMは、画
素の分数活性区域をアドレス回路が制限すること、処理
工程によって歩留まりが低くなること、はりの膜の応力
に影響されること、はりの絶縁体の帯電効果、はりの崩
壊に対する過電圧の保護がないこと、コストの安い光学
系の設計と性能とが両立しないこと、及び面に対する非
平面状のアドレス回路の為の低いコントラスト比を含め
た問題がある。
【0016】
【問題点を解決する為の手段及び作用】この発明は撓む
ことが出来るはり及び電子式アドレス方式を持つ空間光
変調器と、大体最後の工程としてはりを処理用スペーサ
から解放するその製法に関する。これによって、処理の
際、はりが破損するという公知の方法の問題が解決され
る。好ましい実施例は、スペーサのプラズマ・エッチに
よってはりを解放する。このプラズマ・エッチは、基板
をチップにダイス切りする後に行なうことが出来、各々
のチップがSLMと柱上のはりとを形成する。別の好ま
しい実施例もスペーサをプラズマ・エッチするが、途中
までしか行なわず、こうしてスペーサをSLMの構造要
素として使うことが出来る様にする。こういう方法によ
り、基板アドレス方式を取入れたSLM構造が出来る様
になり、公知の方法の回折及び詰込みの問題が解決され
る。
【0017】
【実施例】この発明の撓むことが出来るはりを用いた空
間光変調器(SLM)は、典型的には画素の線形又は面
積配列で形成される。各々の画素は個別にアドレス可能
であって、撓むことが出来る反射片持ちばりを持ってい
る。画素はモノリシックのシリコンをベースとしたチッ
プの形に組合される。この発明の製法では、チップはシ
リコン・ウエーハを処理し、ウエーハをチップにダイス
切りした後、個々のチップを処理することによって製造
される。チップの寸法は用途に応じて変わる。例えば、
2400×1の画素の線形配列(これは1吋あたりドッ
ト300個のプリンタの部品にすることが出来る)を約
1300×250ミルのチップに作ることが出来、画素
は約12ミクロン平方である。SLMは画素が光を反射
することによって動作し、反射光は撓むことが出来るは
りの撓みを変えることによって変調される。以下の説明
は主にSLMの個々の画素に関するものであるが、図面
は見易くする為に略図で示してある。
【0018】この発明の第1の好ましい実施例の方法に
よって製造された撓むことが出来るはりを用いた空間光
変調器の第1の好ましい実施例の1個の画素が図1Aに
簡略斜視図で示されており、図1Bに側面断面図で示さ
れており、図1Cに平面図で示されている。画素は全体
を20で示してあるが、基本的には浅い井戸を覆うフラ
ップであって、基板22、スペーサ24、反射層26及
び層26内に形成されたフラップ28を含む。フラップ
28がプラズマ・エッチ・アクセス孔30を持ってい
る。画素20の典型的な寸法は次の通りである。フラッ
プ28は1辺が12乃至25ミクロンの四角であり、ス
ペーサ24は厚さが1乃至2.5ミクロンであり(この
為フラップ28の底面から基板22までの距離は1乃至
2.5ミクロンである)、層26は厚さが0.12ミク
ロン(1200Å)であり、孔30は2ミクロン平方で
あり、プラズマ・エッチ・アクセスすき間32は2ミク
ロン幅である。
【0019】基板22は5乃至10オームcmの比抵抗を
持つ<100>配向のシリコンである。スペーサ24は
絶縁体であるポジのフォトレジストである。層26は4
%の銅と合金化したアルミニウムである。この合金の熱
膨張係数はスペーサ24と大幅には違っておらず、これ
によって後で説明する様に、層26の上に層24をデポ
ジッションすることによって生ずる層24,26の間の
応力が最小になる。
【0020】層26及び基板22の間に電圧を印加する
ことにより、画素20を作動する。フラップ28及び基
板22の露出面が空隙キャパシタの2つの極板を形成
し、電圧によって2つの極板に誘起された反対の電荷
が、フラップ28を基板22に引きつける静電力を加え
る。この引力によってフラップ28は丁番区域34で曲
がり、基板22に向って撓む。図2はこの撓みを誇張し
て示すと共に、一番小さなすき間の領域に電荷が集中す
ることを示している。20乃至25ボルトの範囲内の電
圧では、撓みは1°乃至2°の範囲内である(撓みが1
°の場合、20ミクロンの寸法のフラップでは、丁番3
4から一番遠いフラップ28の隅は約0.5ミクロン垂
直に移動する)。この撓みが電圧の著しい非直線関数で
あることに注意されたい。これは、丁番34の曲げによ
って発生される復元力は撓みの大体直線関数であるが、
静電引力が、フラップ28の一番近い隅と基板22の間
の距離の逆数の対数に従って増加する為である(静電容
量が距離の減少と共に増加し、この為誘起される電荷が
量が増加すると共に一層接近することに注意された
い)。図3は電圧に対する撓みの依存性を示す。フラッ
プ28が不安定になって、すっかり曲がって基板22と
接触する電圧が崩壊電圧と呼ばれる。崩壊電圧より若干
小さい電圧では、撓みは大体電圧の直線関数(図3の点
線参照)であり、これがアナログ動作領域である。
【0021】フラップ28と基板22の間に電圧を印加
すること(云い換えれば、画素20をアドレスするこ
と)を、片持ちばりの空間光変調器の他の画素を考えた
時に起る回路の複雑性に関係なく例示したので、画素2
0は極めて簡単である。回路は後で述べる他の好ましい
実施例について説明する。ここでは、最初に画素20の
製造方法について説明する。
【0022】画素20の製造工程は次の通りである。
(1) 最初に5乃至10オームcmの比抵抗を持つ<100
>配向のシリコン基板を用いる(典型的には基板は直径
3吋の円形ウエーハの形をしている)。(2) 層を約2ミ
クロンの厚さにする場合、クロロベンゼンに不溶性のポ
ジのフォトレジスト層(例えばノンバラック樹脂をベー
スとしたレジスト)を回転付着する。この回転付着は、
厚手の回転付着層で発生する表面の波を避ける為に3段
階に分けて行なうべきである。即ち、約0.7ミクロン
のレジストを回転付着し、焼成し、別の0.7ミクロン
のレジストを回転付着し、再び焼成し、最後の0.7ミ
クロンのレジストを回転付着し、最後に焼成する。(3)
温度の不整合と、その為に金属層とレジスト層の間に起
る応力を最小限に抑える為に、室温に近い温度で、4%
の銅と合金化した0.12ミクロンのアルミニウム層を
スパッタリングによってデポジットする。(4) ポジのフ
ォトレジストを適用し、写真製版によってそのパターン
を定めて、プラズマ・エッチ・アクセス孔及びすき間を
限定する。(5) 露出したアルミニウム合金をプラズマ・
エッチし(例えば塩素−3塩化硼素−4塩化シリコンの
エッチ・ガスを使うことが出来る)、プラズマ・エッチ
・アクセス孔及びすき間を形成する。(6) この後の工程
の間の保護層として作用するPMMA(ポリメチルメタ
クリレート)層を回転付着する。(7) 基板をチップにダ
イス切りする(各チップがSLMになる)。(8) クロロ
ベンゼンを吹付けることによってPMMAを溶解し、直
ちに遠心分離によって、ダイス切りの破片を除去する。
ポジのレジストがPMMA現像剤に溶解しないことに注
意されたい。(9) チップの等方性プラズマ・エッチを行
なって、フラップの下からスペーサ(ポジのフォトレジ
スト)を除去し、こうして井戸を形成する。このエッチ
によってフラップの頂部にあるレジスト層も除去され、
チップの処理が完了する。ダイス切り作業の間も保護P
MMAの清浄化の間も、フラップがダイス切りの破片に
直接的に露出しないことに注意されたい。工程9の便利
なプラズマ・エッチは酸素を基本とする。酸素がPMM
A及びフォトレジストを急速にエッチかるが、シリコン
もアルミニウムもエッチしない。スペーサは約120℃
で軟化するので、このプラズマ・エッチは低温にしなけ
ればならない。
【0023】勿論、工程9のプラズマ・エッチは、監視
又は調時しなければならない。これは、フラップと基板
の間のスペーサの部分を越えてまでスペーサを除去し続
けると、最終的には反射層に対する支持体が除去され、
隣りの画素に入り込むからである。これがフラップにプ
ラズマ・エッチ・アクセス孔を設ける理由である。図4
A乃至図4Dに示す様に、スペーサの除去は向きに対す
る依存性がなく、フラップ28をアンダカットするのと
同じ速度で層26をアンダカットする。図4Aはエッチ
の初期段階を示す。左側部分は平面図であり、アンダカ
ットの水平方向の範囲を破線で示してある。右側部分は
側面断面図であり(断面は丁番を通るフラップの対角線
に沿っている)、プラズマ・エッチ・アクセス孔30の
効果を示している。図4B及び図4Cは相次ぐ段階を示
し、図4Dはエッチの完了した時を示す。図4Cから明
らかな様に、孔30は浅い井戸、即ち薄いスペーサ24
に対して最も効果がある。
【0024】プラズマ・エッチ工程9の精密な監視は次
の様に行なうことが出来る。チップの隅(1つ又は複
数)にある各々のエッチ制御構造は図5に示すパターン
にする。その頂部を平面図、その底部を側面断面図で示
してある。層26の残りの部分から隔離された層26の
矩形部分36はくり抜きばりと呼ばれ、数列形の増加す
る幅を持つ。スペーサのプラズマ・エッチによる除去の
際、チップの制御用の隅を明視野の顕微鏡の下で周期的
に観察する。図6はプラズマ・エッチが進行する時のく
り抜きばりがとる一連の位置を示している。明視野の顕
微鏡の下で観察した時、くり抜きばり36が最初は明る
く見え、くり抜きばり36の両側からのプラズマ・エッ
チによるアンダカットが出合うまで、引続いて明るく見
える。出合う時、くり抜きばり36はスペーサ24から
解放され、十分な角度だけ傾く。この時はり36が暗く
見える。プラズマ・エッチを続けると、はり36を支持
する三日月形のスペーサ24が除去され、はり36は中
間調を経由してから再び明るくなる。時間の関数として
エッチ制御構造を検査することにより、アンダカットの
程度並びに速度を精密に決定することが出来る。一旦は
り36が傾くと、はり36を支持する三日月形のスペー
サ24のエッチングは片側だけから行なわれるので、は
りはもはや有用な情報を持たない。従って、はり36を
再び明るく見える状態に持って来るのに要する余分の時
間は、SLMチップのフラップに対するアンダカット速
度を表わさない。くり抜きばりの臨界的な幅(スペーサ
が丁度フラップの下から全面的に離れる様にする様なは
りの傾きにする幅。図4D参照)は経験的に決定され
る。プラズマ・エッチのアンダカット速度が露出したス
ペーサ材料の面積に関係するので、簡単な形状で決まら
ない。プラズマ・エッチの進行度を監視する便宜の為、
この臨界的な幅の前後の或る分布した幅を持つはりが選
ばれる。
【0025】同じ処理を使うが、形の異なるフラップ2
8を持つ画素20を形成することも出来る。図7は種々
の代案の平面図である。勿論、プラズマ・エッチ・アク
セス孔の数はフラップ又は飛込板の寸法及びその下の井
戸の深さに関係する。フラップは主に丁番結合の点で曲
がるが、飛込板ははり全体に沿って曲がる。フラップは
略一定の角度で曲がるので、同等の寸法の飛込板よりも
回折効率が一層大きい。フラップの丁番は隅にあっても
よいし、或いは側面に沿っていてもよい。フラップの隅
の丁番は、フラップの周縁を限定するプラズマ・エッチ
・アクセスすき間に対して45°のシュリーレン・スト
ッパ又は45°の暗視野弁別を用いて、撓んだフラップ
のコントラストのよい投影像を発生することが出来る。
この弁別方式では、フラップの周縁の開口(プラズマ・
エッチ・アクセスすき間)からの全ての軸上回折光を遮
るが、フラップの45°の撓みからの軸外光を通過させ
る様な光学的なストッパを設計する。プラズマ・エッチ
・アクセス孔が殆んど等方性をもって光を回折するの
で、この光の幾分かがシュリーレン・ストッパの周りを
通る。然し、各々の孔が回折するのは、各々の画素に入
射する全部の光エネルギの小さな一部分にすぎず、この
エネルギの小さな端数しかストッパを通過しないので、
この結果起る劣化は無視し得る。
【0026】図7に示した代案の内の2つに示す様に、
丁番領域を延長することにより、フラップの撓み感度を
高めることが出来る。
【0027】略同じ方法により、種々の変形の画素20
を製造することが出来る。例えば図8Aは、導電基板4
2、絶縁性又は導電性の何れであってもよいスペーサ4
4、誘電体層46及び金属反射層48を含む画素40の
側面断面図てある。フラップ50が、層26のフラップ
20と同様に、層46,48に形成され、プラズマ・エ
ッチ・アクセス孔52及び丁番54を持っている。唯一
の拘束は、基板42又は誘電体46をエッチしないプラ
ズマにより、スペーサ44をエッチすることが出来なけ
ればならないことである。スペーサ44をプラズマ・エ
ッチによって除去してフラップ50の下に井戸を形成し
た後に、金属48をデポジットすることが出来るが、こ
うすると、図8Aに示す様に、井戸の底に金属のデポジ
ット56が残る。然し、金属のデポジット56は差支え
がなく、最後の処理工程として金属48をデポジッショ
ンすることにより、非常にきれいな応力のない面が保証
される。これは純粋なアルミニウムを使うことが出来る
様にし、従って非常に高い反射率が得られる。金属48
をエッチせずに、スペーサ44をエッチすることが出来
れば、スペーサ44を除去する前に、誘電体46及び金
属48の両方をデポジットしてパターンを定めることが
出来る。こうすると、金属のデポジット56が避けられ
る。更に、スペーサ44を除去するのに使ったプラズマ
・エッチによって基板42がエッチされる場合、スペー
サ層44を形成する前に、基板42の上にエッチ・スト
ッパ層を形成し、同じ処理工程を使うことが出来る。こ
のエッチ・ストッパ層は絶縁性であってよい。例えば、
エッチ・ストッパ層及び誘電体層46は両方共2酸化シ
リコンであってよく、スペーサ44はポリシリコンであ
ってよい。
【0028】画素40の複合フラップ(金属が誘電体の
上にある)は、井戸に存在する強い電界の為、誘電体と
空気の界面で充電作用が起る。この充電作用を避ける
為、交流搬送波にアドレス信号をのせることにより、井
戸の前後の電界を周期的に逆転しなければならない。こ
の方法は画素の線形配列に対しては目立った欠点はない
が、各々の画素の場所に能動性スイッチング素子を持つ
画素の面積配列では、交流アドレス方式はかなりの複雑
化になり、この様な金属/誘電体の複合フラップは避け
るべきである。飛込板の場合、並びに基板42の上に絶
縁性の絶縁性のエッチ・ストッパ層を使う場合にも、同
じ考慮が必要である。
【0029】画素20及び40では、はっきりと述べな
かったが、基板が導電性であってSLMの全ての画素に
対して共通である為、信号(アドレス)ははり(フラッ
プ又は飛込板)に印加することを必要とする。各々のは
りが、層26,48のパターンを定めることによって形
成された電極に接続される。このパターンを定めること
は、プラズマ・エッチ・アクセス孔及びすき間を形成す
る為に層26,48のパターンを定めるのと同じ工程で
行なうことが出来る。接続電極を持つ2,3の隣接する
画素の平面図を示した図9を参照されたい。勿論、これ
は、スペーサを除去するプラズマ・エッチの際、電極も
アンダカットされることを意味する。はりの下に井戸を
形成するプラズマ・エッチの後に、層26,48のパタ
ーンを定めることによって電極が形成される場合、はり
の破損により歩留まりの著しい低下が予想される。然
し、画素40について前に述べた様に、プラズマ・エッ
チ・アクセス孔及びすき間と電極の両方に対して誘電体
層46のパターンを定め、井戸を形成する為のスペーサ
44のプラズマ・エッチによる除去を行ない、その後で
金属48をデポジットすることが出来る。プラズマ・エ
ッチの際の誘電体のアンダカット作用の為、デポジット
した金属は短絡電極を形成せず、その代りに図8Bに示
す様に、電極の間の基板上にデポジットを残す。この様
なはりのアドレス方式は、画素の線形配列を持つSLM
に対しては実現可能であるが、面積配列を持つSLMで
は、SLMの面積の内、電極に割当てられる分が多過ぎ
て、画素に割当てられる分が少なすぎるので、使うこと
が出来ない。更に、電極の間のすき間(図9参照)が
(全体を画素に集束することの出来ない)入射光を回折
し、こういうすき間の直線寸法が大きいことと合せて、
光学系のレンズのフレアの為、シュリーレン・ストッパ
でも、この回折光が、SLM出力の固定パターンの雑音
として現われるのを完全に防ぐことが出来ない。
【0030】第2の好ましい実施例の画素60が図10
Aに側面断面図で示されており、はりの基板によるアド
レス作用を行なう。即ち、画素の配列内にあるはりは全
部電気的に相互接続されていて、信号電極がフラップの
下の井戸の底にある。これは、図9について説明した電
極のすき間が原因の回折を除くことが出来る。画素60
がシリコン基板62、絶縁層64、電極層66、スペー
サ68及び反射層70を持ち、この反射層の中にフラッ
プ72がプラズマ・エッチ・アクセス孔74及び丁番7
6と共に形成されている。絶縁層64は基板62の上に
成長させた2酸化シリコンであってよい。電極層はLP
CVDによってデポジットしたポリシリコンのパターン
を定めたものであってよい。スペーサは回転付着による
ポジのフォトレジストであってよい。反射層は4%の銅
と合金化したアルミニウムにして、スペーサ層68の上
にスパッタリングによってデポジットすることが出来
る。画素60の製造工程(図11A乃至図11Dに示
す)は画素20と同様であって、次の通りである。<1
00>配向の基板の上に厚さ約2000Åの熱酸化物層
を成長させる。ポリシリコンを3000Åの厚さにデポ
ジットし、面積抵抗率が約50オーム/スクエアになる
様に燐でドープする。電極パターンを用いてポリシリコ
ンをプラズマ・エッチする。次にポジのフォトレジスト
を3回の適用に分けて回転付着して焼成し、合計の厚さ
を約2.4ミクロンにする。非常に厚手の1層を回転付
着する時に起り得るレジストの表面の波を避ける為に、
この厚さを作り上げる為にレジストを3回に分けて適用
する。前の層がレジスト溶媒に溶解するのを防止する為
に、毎回の適用の間に約180℃に焼成することが必要
である。最後の層の後も、スペーサから過剰の溶媒を駆
逐する為に180℃の焼成が必要である。この最後の焼
成は、はりのパターンの写真製版の為のフォトレジスト
を焼成する際、はりの金属の下に溶媒の泡が形成するの
を避ける。その後、約1200Åの4%Cu:Al合金
を出来るだけ室温に近い基板温度で、スパッタリングに
よってデポジットする。一般的に、有機(物質)のスペ
ーサはアルミニウムよりも膨張係数が大きいので、ウエ
ーハがスパッタリング温度から冷却する時、はりの金属
が圧縮状態になり、その枢着点ではりの座屈を招くこと
がある。(この熱によって誘起された外来の圧縮は、デ
ポジッション過程自体から生ずる固有の圧縮とは別にあ
るものであることに注意されたい。)スペーサ材料とし
ては、ポジのレジストの方が、アルミニウムに一層近い
膨張係数を持つので、PMMAよりも好ましい。銅−ア
ルミニウム合金を選んだのは、写真製版用の焼成の際の
隆起部が形成されることに対する抵抗力と、はりの長期
間の動作後の疲労のし易さが小さい為である。ポジのレ
ジストをはりの金属の上に回転付着し、はりのパターン
内で現像する。はりの金属をプラズマ・エッチ(アルミ
ニウムをエッチする為の塩素に再結合剤を加えたもの)
して、プラズマ・エッチ・アクセス孔及びすき間を形成
する。はりの金属を限定し且つパターンを定める為のレ
ジストをウエーハの上に残す。厚さ約1.5ミクロンの
PMMAの保護層を回転付着し、ダイヤモンドのこを用
いてチップをダイス切りする。各々のチップをスピナー
にのせ、スピナーを低い回転速度(100rpm)から
高い回転速度(8000rpm)まで周期的にパルス駆
動する間、表面にPMMA溶媒を溢れさせる。このパル
ス動作は、ダイス切りの破片の除去が改善されるという
利点があり、このサイクルの低い回転速度部分の間、P
MMA層が軟化する。その後、回転速度を突然に高い回
転速度に高めると、軟化層及び埋込まれたダイス切り破
片が強い遠心力によって投げとばされる。全部のPMM
Aが除去されるまで、この回転サイクルを繰返すことに
より、プラズマ・エッチ・アクセス孔及びすき間に挟ま
って、近辺のプラズマ・エッチ速度に影響を与える惧れ
のあるダイス切り破片のない表面が保証される。チップ
は平面形プラズマ・エッチ装置の温度制御した陰極上で
酸素中でプラズマ・エッチする。温度は60乃至100
℃の範囲内に制御する。100℃より上では、スペーサ
が軟化して応力除去をすることがあり、冷却した時、は
りの金属が圧縮状態になる。60℃より低くなると、ア
ンダカット速度が著しく低下する。エネルギ密度及び圧
力は、アンダカット時間を最短にする為に、スペーサの
等方性エッチングが得られる様に選ぶ。はりをアンダカ
ットする初期段階の間、上に重なるポジのレジスト層を
エッチングによって除く。この結果、はりの機械的な破
損がなく、はりの金属に張力がかかった、きれいなアン
ダカットされたチップが得られる。
【0031】画素60の動作は画素20と同様である
が、信号が井戸の底にある電極66に印加され、フラッ
プ72及び基板62は両方共アースするか或いは直流バ
イアスする。この場合も、フラップ72及び電極66に
よって形成された空隙キャパシタの極板に誘起される電
荷が、静電力を加え、それがフラップ72を撓ませると
共に、丁番76の曲げによって発生された復元力がそれ
に対抗する。
【0032】画素60の変形は多数あって、直ぐに容易
に考えられるが、次のものがある。 (a) はりの形状は図7に示す様に、フラップ又は飛込
板であってよい。勿論、プラズマ・エッチ・アクセス孔
(ある場合)の数と場所は、はりの寸法、井戸の深さ、
及びはりをアンダカットしてもよい許容公差に関係す
る。 (b) はりは絶縁体の上の金属から成る複合体(例えば
画素40とその関連した説明参照)であってもよいし或
いは耐火物の上のアルミニウムの様な2種類の金属の複
合体(アルミニウムは反射率の為、耐火物は降伏応力を
高くする為)であってもよい。耐火金属のパターンを定
め、プラズマ・エッチを行なった後にアルミニウムをデ
ポジットすることが出来ることに注意されたい。これは
井戸の底にアルミニウムがデポジットされること(図8
とその説明参照)があっても差支えなく、アルミニウム
のパターンが生ずるのを避け、それによって、フォトレ
ジストの焼成中に起り得る隆起の成長又はその他の応力
除去効果が避けられるからである。 (c) スペーサ68はPMMAの様な回転付着する任意
の絶縁体であってよい。スペーサ68は、電極66にポ
リシリコンを用い、隔離の為、並びに電極66と同じ高
さにする為に、電極の間に酸化物を熱成長(LOCOS
又はSWAMI方式で十分である)場合に得られる様
に、アドレス電極66が平面状である場合、窒化シリコ
ンの様な同形にデポジットとした絶縁体であってもよ
い。 (d) 電極66はp形シリコンである基板62内のn+
形拡散部であってよい。電極を隔離する為に接合は逆バ
イアスする。絶縁体層64は、絶縁スペーサ68を使う
場合は省略することが出来る。 (e) スペーサ68と反射層70の間((b) の絶縁体の
上の金属から成る複合はり又は画素40の場合の様に)
又はスペーサ68と電極66の間に絶縁層が形成される
場合、スペーサ68はポリシリコンの様な導体であって
よい。例えば、(d) の拡散形電極では、スペーサ68の
デポジッションの前に、平面化用の酸化物78(LOC
OSプロセス)を形成することが出来る。図10B参
照。 (f) 電極66のスイッチングの為のトランジスタは、
導電スペーサ68の下に種々の方法で形成することが出
来る。例えば、図10Bに示す様に、電極66は図面の
左側に破線で示す様に、2つの部分に分けて形成し、電
界効果トランジスタのドレイン及びソースを形成して、
酸化物78がゲート酸化物となり、スペーサ68がゲー
トを含む様にすることが出来る。
【0033】上に述べた多くの変形は、画素20及び4
0にもそのままあてはまる。
【0034】全体を参照数字80で示す第3の好ましい
実施例の画素が図12A及び図12Bの側面断面図及び
平面図に示されている。画素80が基板82、絶縁層8
4、電極86、スペーサ88、及びフラップ92と丁番
94をその中に形成した反射層90を含む。電極86が
図12Bに破線で示されており、フラップ92の内、丁
番94から一番遠い部分の下に3角形の孔を持ってい
る。電極86内のこの孔は、不安定性及び崩壊が起る前
に、フラップ92がより大きく撓むことが出来る様にす
る。これは、引力を加える誘起された電荷が、この時フ
ラップ92の中心に一層近い所にあり、この為力が、丁
番から最も遠い隅の電荷の場合よりも、撓みの関数とし
て変化するのがそれ程急速でなくなるからである。K.
ピーターセンが開発した飛込板形のはりのモデル(25
IEEEトランスアクションズ・オン・エレクトロニ
ック・デバイセズ誌1241頁(1978年)所載の論
文「ダイナミック・マイクロメカニックス・オン・シリ
コン:テクニクズ・アンド・デバイセズ」)は、一様な
荷重では、最大の安定な撓みは、はりの長さに関係な
く、井戸の深さ(スペーサの厚さ)の約44%であると
述べられている。この為はりの自由端の下に孔を持つ電
極を使用を使うことにより、このモデルを使う場合のは
りの実効長は、はりの長さの端数にすぎず、この実効長
の末端は井戸の深さの44%まで安定に撓むことが出来
る。この意味する所は、はりの末端が一層大きく撓むと
いうことである。
【0035】第4の好ましい実施例の画素100が図1
3A及び図13Bに夫々断面図及び平面図で示されてい
る。画素100は基板102、絶縁層104、電極10
6、スペーサ108及び反射層110を持ち、電極10
6には図13Bに破線で示す3角形の孔が設けられてお
り、反射層110の中には、プラズマ・エッチ・アクセ
ス孔114及び捩れ丁番116を持つ捩れフラップ11
2が形成されている。画素100は画素80を作るのと
同様なプロセス工程によって製造される。2つの捩れ丁
番116を通る軸線に沿ってフラップ112を捩ること
により、画素100が動作する。捩れトルクは電極10
6に印加した信号によって生ずる。これが、電極106
に孔がある為、図13Aで見てフラップ112の左側部
分だけを引きつける。図13Aが捩れ軸線に沿って見た
図であり、この捩れが反時計廻りであることに注意され
たい。捩れ丁番のコンプライアンスは、捩れ丁番116
の長さと幅の比及び反射層110の厚さを変えることに
よって、調節することが出来る。
【0036】画素100が、フラップ112の周縁を限
定するプラズマ・エッチ・アクセスすき間に対して45
°の角度で撓み、前に述べた様にこれによって画素10
0と同様な画素で構成されたSLMからの反射光の光学
的な処理の際、45°のシュリーレン・ストッパ又は4
5°の暗視野弁別を使うことが出来る。単にフラップ1
12が反射層110の上下に撓み、この為同じ寸法のフ
ラップよりも安定な撓み角が一層大きい為に、画素10
0は曲げ形丁番のはりよりも、一層効率のよい回折作用
をする。前に述べた様に、最大の安定な撓みが、フラッ
プの隅が電極にどの位近づくかによって決定され、これ
が画素80について説明した飛込板のモデルでは、井戸
の深さの44%である。最後に、画素100はフラップ
112の両端が取付けられており、この為、捩れ軸線の
周りの回転は、反射層110内の応力勾配又は圧縮によ
って影響されない。この為、画素100は、1個の丁番
しか持たない片持ちばりの画素の場合よりも、層110
の一層広い範囲のデポジッション条件の下で動作し得
る。
【0037】撓むことが出来るはりのSLMに対する第
5の好ましい実施例の1個の画素が、図14Aに切欠き
斜視図で、図14Bに断面図で、そして図14Cに平面
図で示されている。この画素を全体的に120で示す
が、これは基本的に基板の上で中心柱に丁番結合された
4つのフラップから成るクローバの葉で構成されている
が、基板122、絶縁層124、フィールド・プレート
126、フラップ128、支持柱130及びフラップ・
アドレス拡散部132を持っている。支持柱130は円
柱形であって、隅の丁番134によって4つのフラップ
128を対称的に支持する。(図14C参照)。画素1
20の曲型的な寸法は次の通りである。フラップ128
は1辺の長さが12乃至25ミクロンの四角であり、フ
ラップの間のすき間は約1ミクロン幅であり、支持柱1
30の直径は1乃至2ミクロンで、高さが1乃至2.5
ミクロンである。フラップ128の厚さは約0.12ミ
クロン(1200Å)であり、絶縁層124の厚さは
0.15ミクロン(1500Å)であり、フィールド・
プレート126の厚さは約0.1ミクロン(1000
Å)である。
【0038】基板122は<100>配向のシリコン
で、比抵抗は5乃至10オームcmである。フラップ12
8及び支持柱130は、4%の銅と合金化した1個のア
ルミニウムである。この合金が、金属のデポジッション
及び処理の間、応力除去としてアルミニウムの隆起の成
長を最小限に抑えるが、それでも比較的高い反射率を持
っている。絶縁層124は2酸化シリコンであり、フィ
ールド・プレート126はアルミニウムである。
【0039】フラップ128及びフィールド・プレート
126の間に電圧を印加することによって、画素120
が動作する。フラップ128及びフィールド・プレート
126は空隙キャパシタの2つの極板を形成し、電圧に
よって2つの極板に誘起された反対の電荷が、フラップ
128をフィールド・プレート126に引きつける静電
力を加える。この力が丁番134の所でフラップ128
を曲げ、フラップを基板122の方に撓ませる。図15
はこの撓みを誇張して示す図であり、それと共に一番小
さなすき間の領域に集中する電荷を示している。20乃
至25ボルトの範囲内の電圧では、撓みは1乃至2°の
範囲内である。(1°の撓みでは、20ミクロンの寸法
のフラップでは、丁番134から一番遠いフラップ12
8の隅の垂直方向の移動は、約0.5ミクロンであ
る。)丁番134の曲げによって発生される復元トルク
が撓みの大体線形関数であるが、静電力によって加わる
トルクは、フィールド・プレート126と、丁番134
から一番遠いフラップ128の隅、即ち、フィールド・
プレート126に一番近い隅の間の距離の対数に近似的
に従って増加する為、この撓みが電圧に対して非常に比
直線性の強い関数であることに注意されたい。図16は
印加電圧に対する撓みの依存性を示している。フラップ
128が不安定になって、すっかり曲がってフィールド
・プレート126に接触する時の電圧を崩壊電圧と呼
ぶ。崩壊電圧より若干小さい電圧では、撓みが近似的に
電圧の線形関数(図16の点線参照)であり、これが画
素120のアナログ動作領域である。
【0040】画素120の製造工程が図17A乃至第1
7F図に示されており、次の通りである。(1) 最初の比
抵抗が5乃至10オームcm<100>配向のシリコン基
板を用いる。(典型的には基板は直径3吋の円形ウエー
ハの形をしている。)(2) 拡散線132、絶縁層124
及びフィールド・プレート126を標準的な打込み、デ
ポジッション及び写真製版方法によって形成する。(3)
ポジのフォトレジストの様に平面化用スペーサ140を
1乃至2.5ミクロンの厚さに回転付着する。(これが
フラップ28からフィールド・プレート26までの距離
になる。)孔142をあける様にそのパターンを定め
る。(4) 4%の銅とアルミニウムの合金を0.12ミク
ロンの厚さに、スペーサの上にスパッタリングによって
デポジットする。(5) フォトレジスト144を適用し、
写真製版によってそのパターンを定めて、フラップ12
8の間のすき間並びにその周縁を限定する。(6) 露出し
たアルミニウムを(例えば塩素、3塩化硼素及び4塩化
シリコンの混合物の中で)プラズマ・エッチして、フラ
ップ128の間のすき間及びその周縁を形成する。(7)
この後の工程の間に保護層として作用するポリメチル・
メタクリレート(PMMA)の層146を回転付着す
る。(8) 基板をチップにダイス切りする。(各チップが
SLMになる。)(9) クロロベンゼンを吹付けることに
よってPMMAを溶解し、直ちに遠心作用によって、ダ
イス切り破片148を除去する。ポジのフォトレジスト
がクロロベンゼンに溶解しないことに注意されたい。(1
0)チップを(酸素中で)プラズマ・エッチして、スペー
サ140を含めてポジのフォトレジストを除去し、こう
して画素を形成する。
【0041】支持柱130上の隣接するフラップ128
の間のすき間の幅と長さ(並びに柱130の直径と、フ
ラップ128及び柱130を形成する金属の厚さ)が、
丁番134の剛性を決定する。この為、画素120の感
度を調節することが出来る。フィールド・プレートが全
ての画素に対して共通電圧であって、隔離を必要としな
い為、図14C及び図17に破線で示す様に、画素12
0を配列に密に詰込むことが出来る。
【0042】支持柱130が、アルミニウムがシリコン
面をぬらすことにより、(拡散部132で)基板122
にしっかりと接着する。然し、この他の画素の形状も容
易に考えられ、支持柱130の基部に対する一層広い接
触が得られる。例えば、図18は画素160を断面図で
示している。画素160はp形シリコン基板162、n
+形ソース領域164、n+形ドレイン166、p+形
チャネル・ストッパ168、ゲート酸化物170、金属
ゲート172、金属接点174、支持柱176及びはり
178を持っている。隣りの画素のはり180も示され
ている。画素160は本質的に画素120と同じ工程に
よって製造されるが、アドレス用の電界効果トランジス
タ(ソース164、ドレイン166及びゲート172)
に伴う余分の工程がある点が異なる。然し、ゲート17
2の為の金属のデポジッションにより、金属接点174
もデポジットされ、その後の支持柱176のデポジッシ
ョンは、ソース164に対してではなく、金属接点17
4に対して行なわれる。ゲート172がフィールド・プ
レートでもあることに注意されたい。
【0043】普通、画素120のフラップ128及び画
素160のフラップ178を形成する為の金属のデポジ
ッションは、金属が圧縮されることにつながる。(スペ
ーサとの界面に於ける固有の圧縮と、場合によって、金
属がスペーサよりも膨張係数が小さいことによる外来性
の圧縮との両方がある。)然し、スペーサを完全に除去
すると、スペーサとの界面で金属の座屈が起る可能性が
なくなる。
【0044】画素120及び160のフラップに対する
交代的な支持柱が図19乃至図21に示されている。図
19A乃至図19Dは、支持柱190の製造工程を示
す。スペーサ(平面化用に回転付着するか、或いは基板
190の表面が平面化回路だけを持つ場合は、同形の)
を、支持柱190に対する場所でパターンを定める。図
19A参照。この図でスペーサを194で示してあり、
パターンを定めた円形孔196が示されている。支持柱
190に対する導電材料をスペーサ194の上に同形に
デポジットし又は蒸着し、パターンを定めて柱198を
限定する。図19B参照。このデポジッションの厚さは
孔196を適切にカバーする様に選ぶ。はり金属200
を蒸着し、スペーサ194及び柱198の両方をカバー
する。図19C参照。残りの処理は画素120と同じで
あり、図19Dに示す支持柱190及びフラップが出来
る。支持柱190が2種類の材料198及び200から
成る構造であることにより、フラップに対応する剛性を
持たせずに、支持柱を非常に剛性の強いものにすること
が出来ると共に、スペーサ孔の縁の上の支持柱の材料の
段のカバーが改善される。
【0045】図20A乃至図20Dは支持柱210の製
造工程を示す。支持柱130,176及び190と対称
的に、支持柱210はスペーサのデポジッションの前に
限定される。最初に、導電材料をデポジットし、パター
ンを定めて柱212を形成する。図20A参照。柱の材
料はポリシリコン、金属、又はスペーサを除去する最終
的なプラズマ・エッチでエッチされないその他の導体に
することが出来る。次に、柱212の高さに相当する厚
さに平面化用のスペーサ214を回転付着する。スペー
サ材料の平面化作用により、柱212の上の厚さが減少
する。図20B参照。次にスペーサ・マスク214をデ
ポジットし、パターンを定めて、柱212の上に孔21
8をあける。図20B参照。次に、柱212からスペー
サ材料がなくなるまで、露出したスペーサをプラズマ・
エッチする。図20C参照。その後、スペーサ・マスク
216を取去り、はり材料220を蒸着する。残りの工
程は前に述べた所と同じであり、これによって図20D
に示す支持柱210が出来る。
【0046】マスク・アライメントの許容公差の為、柱
198の頂部のフランジと孔218を大きめの寸法にす
ることが必要である為、支持柱190及び210が両方
共大きな実効直径を持つことに注意されたい。然し、支
持柱130は孔142が十分なテーパを持っていて、は
り金属が孔の段をカバーすることが出来る様になってい
ることを必要とする。孔の直径が過度に大きくなる程の
大きなテーパをつけて孔142をエッチしなければなら
ない場合、支持柱130は支持柱230に変更すること
が出来る。支持柱230の製造工程が図21図乃至図2
1Dに示されている。最初に、スペーサ232を回転付
着し、孔234のパターンを定める。図21A参照。次
に厚い金属層236をスペーサ232及び孔234の上
に蒸着する。図21B参照。この後、金属236を異方
性エッチにかけて、図1Cに示す柱238を残す。金属
236がアルミニウムである場合、塩素、3塩化硼素及
び4塩化シリコンの混合物内でのプラズマ・エッチを使
って、所望の異方性を達成することが出来る。最後に、
はり金属240をデポジットし、前に述べた処理によ
り、図21Dに示す支持柱230が得られる。支持柱2
30は厚い金属の円柱形柱238とはり金属層230と
の複合体である。柱238が、それより細いはり金属を
その下にあるアドレス構造に接続するのを、機械的にも
電気的にも助ける。
【0047】全体を250で示す第6の好ましい実施例
の画素が、夫々図22A乃至図22Cに切欠き斜視図、
側面断面図及び平面図で示されている。画素250は基
板252、スペーサ254及び金属層256を持ち、こ
の金属層の中にフラップ258及び丁番260が形成さ
れている。フラップ258がプラズマ・エッチ・アクセ
ス孔262を持ち、この孔は後で説明する様に、フラッ
プ258の下からスペーサ254を急速に除去するのを
助ける。画素250に対するアドレス回路をフラップ2
58の下方の基板252内に設けることが出来、フラッ
プ258を含む金属層256はSLM内にある全ての画
素に対する共通電圧に保つ。或いは基板252を共通電
圧にし、図22Cに破線で示す様に、金属層256を各
フラップに対して1つずつの電極に分割することによっ
てアドレス動作を行なってもよい。金属層256と基板
252の間の絶縁物を含むアドレス回路の細部は、図面
を見易くする為に省略してある。
【0048】図22A及び図22Bの右側部分に示す様
に、画素250には、金属256で覆われたスペーサ2
54の取囲む部分を形成することが出来る。画素250
は画素120を製造する場合と同様な工程によって製造
されるが、こういう取囲む部分のスペーサは、それに重
なる金属256がその保護をしている為、酸素内でのプ
ラズマ・エッチによって除去しない。図23A乃至図2
3Dは画素250を製造する為の処理工程を側面断面図
及び平面図で示している。最初に、その表面に形成した
回路(図面を見易くする為に示してない)と共に基板2
52を平面化用の回転付着スペーサ層254で覆う。基
板252の表面の回路が平面状でなくても、層254が
平面状の面を持つことに注意されたい。層254は、画
素120について前に述べた処理の場合と同じ様に、ポ
ジのフォトレジストであってよく、典型的には1乃至
2.5ミクロンの厚さである。その後、層254のパタ
ーンを定め、スパッタリング・デポジッション等によ
り、金属層256で覆う。図23B参照。次に金属層2
56のパターンを定めて、フラップ258の周縁及びプ
ラズマ・エッチ・アクセス孔262を限定する。このパ
ターンを定めるのは、スペーサ254によって大きな段
が入り込んでいる為、多重工程の多重層のレジストを用
いるプロセスである。金属層256がアルミニウム合金
である場合、このパターンを決めるのは塩素を基本とし
たプラズマ・エッチを使うのが便利である。図23C参
照。最後に、画素120の場合と同じく基板252をチ
ップにダイス切りし、その後酸素を基本としたプラズマ
・エッチにより、フラップ258の下からスペーサ25
4を除去する。図23D参照。図23Dに示すスペーサ
254が最後のエッチで除去されないことに注意された
い。これは、それが金属層256によって保護されてい
るからであり、この為、SLMの絶縁体又はその他の構
造素子として使うことが出来る。
【0049】画素250の幾つかの交代的な形状が図2
4A乃至図24Cに示されており、画素250の場合の
様に段の上ではなく、パターンを定めたスペーサ254
の平坦部分の上にあるフラップ258のパターンを示し
ている。この様なパターンにより、金属の縁264は基
板252に接着せず、もし金属256を圧縮状態(デポ
ジッションが非エピタキシャル性であることによる固有
の圧縮と、金属256及びスペーサ254の熱膨張係数
の違いと合せてデポジッションが高温であることによる
外来性の圧縮の両方)でデポジットされると、座屈する
ことがある。然し、フラップ258は、丁番260だけ
で拘束されていて、この丁番が最低モードの座屈のうら
ずけとなるにはその範囲が小さすぎる為に、フラップ2
58は座屈しない。更に、丁番260自体は基板252
に接着し、従って自由に座屈出来ず、この為、フラップ
258は平坦で基板252に対して平行なままである。
【0050】画素250の別の変形が図25に示されて
おり、これは基板252の上の2レベルの金属及び絶縁
物を含む。第1レベルの金属255は、フラップを形成
する領域(反面図に破線で示してある)に対応する孔を
持つ様にパターンを定める。次に平面化用スペーサ25
4を回転付着し、その中に丁番用の孔のパターンを定め
る。次に金属256をスペーサ254の上にデポジット
し、パターンを定めてフラップ258を限定する。最後
にスペーサ254を除去する。画素250のこの変形
は、全部のスペーサ254が除去される点で画素120
と非常によく似ている。
【0051】画素120,160及び250は何れも隅
の丁番を持っていて、この為、フラップの周縁によって
形成された軸線に対して45°回転した線に沿って曲が
る。この形状では、45°のシュリーレン・ストッパ又
は45°の暗視野弁別を用いて、撓んだフラップのコン
トラストの強い投影像を発生することが出来る。この弁
別方法では、フラップの周縁の開口及びそれがある場合
は周囲の覆われたスペーサ部分から来る全ての軸上回折
光を遮るが、フラップの45°の撓みから来る軸外光を
通過する様な光学的なストッパを設計する。プラズマ・
エッチ・アクセス孔及び丁番が略等方性で光を回折する
ので、この若干の光がシュリーレン・ストッパの周りを
通過する。然し、その結果生ずる劣化は、孔及び丁番が
回折するのは、各々の画素に入射する全部の光の内の小
さな一部分にすぎないので無視し得る。
【0052】全体を270で示す第7の好ましい実施例
の画素が図26A乃至図26Cに切欠き斜視図、側面断
面図及び平面図で示されている。画素270が基板27
2、フラップ276と丁番278を持つ金属層274、
及び絶縁層282によって基板272から隔離されたア
ドレス電極280を持っている。画素270は画素12
0及び250について前に説明したのと同様なプロセス
工程によって製造される。丁番278を通る軸線に沿っ
てフラップ278を捩ることにより、画素270が動作
する。捩れトルクは電極280に印加された信号から生
ずる。これは図26Bで見て、フラップ276の左側部
分だけを引きつける。即ち、図26Bはこの捩れ軸線に
沿って見た図であり、信号によって発生されたトルクが
反時計廻りの回転を生ずる。デポジッションによって起
るフラップ276の金属の圧縮が、丁番278の曲げ並
びに基板272に対してフラップ276を平行に保つこ
とによって除去される。
【0053】図27A及び図27Bは、画素120のフ
ィールド・プレートの変形を示しているが、これは画素
160,250及び270にも用いることが出来、次に
述べる様に、スペーサの所定の厚さ(即ち、フラップか
らフィールド・プレートまでの距離)に対し、フラップ
の撓み角を一層大きくとれる様にする。隅の丁番を持つ
フラップに対する静電力及び復元力の簡単なモデルか
ら、一亘信号電圧がフラップの内、丁番から最も遠い先
端をフィールド・プレートまでの距離の51%だけ撓め
る位に大きくなると、それ以上の電圧の増加はフラップ
を不安定にし、フィールド・プレートに対して崩壊する
ことが判る。この最大の安定なフラップ電圧を崩壊電圧
と名付けた図16の説明を想起されたい。同じ簡単なモ
デルから、静電力がフラップの内、丁番に一番近い半分
だけに加えられると、フラップの先端はフィールド・プ
レートまでの距離の83%だけ安定に撓ませることが出
来ることが判る。(勿論、この半分の作用状態のフラッ
プに対する崩壊電圧は、全体の作用状態のフラップに対
する崩壊電圧より高い。)この為、フィールド・プレー
ト126の内、先端の下にある部分を図27A及び図2
7Bに示す様に除去することにより、フラップ128は
一部分しか作用せず、これによって一層大きな安定な撓
みが得られる。更にこれによって同じ崩壊電圧に対し、
一層薄手のスペーサが使える。以上の説明の中で、寸
法、材料、構成等をいろいろ変更することが容易に考え
られよう。
【0054】更に以下の事項を開示する。
【0055】(1) (a) 層状構造に形成された複数個の
画素を有し、(b) 前記層状構造は基板、該基板上のス
ペーサ層、該スペーサ層上の反射層及び電気アドレス回
路を含んでおり、(c) 各々の前記画素は (i) 前記反射層内に形成された静電偏向可能な素子、
及び(ii) 前記スペーサ内に形成されていて、前記偏向
可能な素子並びに前記反射層の隣接部分の下方に配置さ
れた井戸を含んでおり、該井戸は前記基板及び前記反射
層の間で前記スペーサのプラズマ・エッチングによって
形成したことを特徴とする空間光変調器。
【0056】(2) 第1項に記載した空間光変調器に於
いて、(a) 前記スペーサが平面状にする為の回転付着
材料である空間光変調器。
【0057】(3) 第1項に記載した空間光変調器に於
て、(a) 前記画素の前記偏向可能な素子が電気的に相
互接続され(b) 前記アドレス回路が各々の画素に対
し、前記井戸の底で前記基板上にある電極を含んでいる
空間光変調器。
【0058】(4) 第1項に記載した空間光変調器に於
て、(a) 前記反射層が何等絶縁材料がないことを特徴
とする空間光変調器。
【0059】(5) 第1項に記載した空間光変調器に於
て、(a) 前記偏向可能な素子が少なくとも1つの孔を
持ち、該孔を介して前記スペーサの前記プラズマ・エッ
チングを進めることが出来る様にした空間光変調器。
【0060】(6) (a) 層状構造に形成された複数個の
画素を有し、(b) 該層状構造は基板、該基板上のスペ
ーサ層、該スペーサ層上の反射層及び電気アドレス回路
を含んでおり、(c) 各々の画素は (i) 前記反射層内に形成された静電偏向可能な素子、
及び(ii) 前記スペーサ層内に形成されていて、前記偏
向可能な素子並びに前記反射層の隣接部分の下方にある
井戸を含んでおり、(d) 前記スペーサ層が平面状にす
る為の回転付着材料である空間光変調器。
【0061】(7) (a) 層状構造に形成された複数個の
画素を有し、(b) 該層状構造は基板、該基板上のスペ
ーサ層、該スペーサ層上の反射層及び電気アドレス回路
を含んでおり、(c) 各々の前記画素は (i) 前記反射層内に形成された静電偏向可能な素子、
及び(ii) 前記スペーサ層内に形成されていて、前記偏
向可能な素子並びに前記反射層の隣接部分の下方にある
井戸を含んでおり、(d) 前記アドレス回路は、各々の
前記画素に対し、前記井戸の底で前記基板上にあって、
前記底の内、静電偏向の間、前記偏向可能な素子に最も
近い部分から離れた位置にある電極を含んでいる空間光
変調器。
【0062】(8) (a) 層状構造に形成された複数個の
画素を有し、(b) 該層状構造は基板、該基板上のスペ
ーサ層、該スペーサ層上の反射層及び電気アドレス回路
を含んでおり、(c) 各々の前記画素は、 (i) 前記反射層内に形成されていて、略四角の形であ
って、その対角線上で向い合う2隅の各々に前記反射層
の残りの部分に対する接続部を持つ静電偏向可能な素
子、及び(ii) 前記スペーサ層内に形成されていて、前
記偏向可能な素子並びに前記反射層の隣接部分の下方に
ある井戸を含んでおり、(d) 前記アドレス回路は、各
々の前記画素に対し、前記井戸の底で基板上にあって、
前記偏向可能な素子の内、前記接続部を通る対角線の片
側にある部分の下に配置された電極を含んでいる空間光
変調器。
【0063】(9) (a) 層状構造に形成された複数個の
画素を有し、(b) 該層状構造は基板、該基板上のスペ
ーサ層、該スペーサ層上の反射層及び電気アドレス回路
を含んでおり、(c) 各々の前記画素は、 (i) 前記反射層内に形成された静電偏向可能な素子、
及び(ii) 前記スペーサ層内に形成されていて、前記偏
向可能な素子並びに前記反射層の隣接部分の下方にある
井戸を含んでおり、(d) 前記反射層の底及び前記井戸
の底が共に電気導体である空間光変調器。
【0064】(10)(a) 層状構造に形成された複数個の
画素を有し、(b) 該層状構造は基板、該基板上のスペ
ーサ層、該スペーサ層上の反射層及び電気アドレス回路
を含んでおり、(c) 各々の前記画素は、 (i) 前記反射層内に形成された静電偏向可能な素子、
及び(ii) 前記スペーサ層内に形成されていて、前記偏
向可能な素子及び前記反射層の隣接部分の下方にある井
戸を含んでおり、 (d) 前記反射層は第1の材料から成る少なくとも第1
の部分層を第2の部分層の上に持っており、(e) 前記
井戸は該井戸を形成した後、前記第2の部分層の上に前
記第1の材料の略一様なデポジッションを特徴とする第
1の材料のデポジットを含んでいる空間光変調器。
【0065】(11)(a) 層状構造に形成された複数個の
画素を有し、(b) 該層状構造は基板、該基板上のスペ
ーサ層、該スペーサ層上の反射層及び電気アドレス回路
を含んでおり、(c) 各々の前記画素は、 (i) 前記反射層内に形成された静電偏向可能な素子、
及び(ii) 前記スペーサ層内に形成されていて、前記偏
向可能な素子及び前記反射層の隣接部分の下方にある井
戸を含んでおり、(d) 前記偏向可能な素子は丁番部分
によって前記反射層の残りの部分に接続された略四角の
部分を特徴としており、前記丁番部分は前記四角の部分
から前記残りの部分まで測った長さが前記丁番部分の幅
よりも大きい空間光変調器。
【0066】(12) 空間光変調器を作る方法に於て、
(a) 基板の上に電気アドレス回路を形成し、(b) 前
記基板の上並びに前記回路の上にスペーサ層をデポジッ
トし、(c) 該スペーサ層の上に反射層をデポジット
し、(d) 該反射層のパターンを定めて、該反射層の残
りの部分に接続された複数個の画素素子を限定し、(e)
前記スペーサ層をプラズマ・エッチして前記画素素子
の下に井戸を形成し、こうして前記画素素子を前記スペ
ーサ層から解放すると共に、該画素素子を前記アドレス
回路の信号によって静電偏向させることが出来る様にす
る工程から成る方法。
【0067】(13) 空間光変調器を作る方法に於て、
(a) 導電基板の上にスペーサ層をデポジットし、(b)
該スペーサ層の上に反射層をデポジットし、(c) 該
反射層のパターンを定めて複数個の画素素子及び電極を
限定し、(e) 前記スペーサ層をプラズマ・エッチして
前記画素素子の下に井戸を形成し、こうして該画素素子
をスペーサ層から解放すると共に該画素素子が前記電極
及び基板の間に印加された信号によって静電偏向出来る
様にする工程から成る方法。
【0068】(14) 空間光変調器を作る方法に於て、
(a) 電気アドレス回路を持つ基板の上にスペーサをデ
ポジットし、(b) 該スペーサに前記基板に達する柱孔
のパターンを定め、(c) 前記スペーサの上及び柱孔に
金属層をデポジットし、(d) 該金属層のパターンを定
めて偏向可能な素子を限定し、各々の素子は1つの前記
柱孔にデポジットした金属に丁番結合されており、(e)
前記スペーサを除去する工程から成る方法。
【0069】(15) 第14項に記載した方法に於て、前
記除去がプラズマ・エッチングによって行なわれる方
法。
【0070】(16) 空間光変調器を作る方法に於て、
(a) 反射材料及びスペーサの層の組合せの中に偏向可
能なはり及び支持構造を限定し、該反射材料は基板上の
前記スペーサの上にあり、(b) 前記限定したはりの上
に保護層を適用し、(c) 前記基板及び層をチップにダ
イス切りし、各々のチップが空間光変調器になるもので
あり、(d) 交互に前記保護層に対する溶媒を適用する
と共に前記チップを回転させて、前記保護層の内、前記
溶媒によって軟化し又は溶解した部分を脱落させ、(e)
前記スペーサの少なくとも一部分を除去して前記偏向
可能なはりを前記スペーサから解放する工程から成る方
法。
【0071】(17) 基板と上側層の間にあるスペーサの
プラズマ・エッチのアンダカットを監視する方法に於
て、(a) 前記上側層内の略矩形領域のパターンを定
め、該矩形領域は既知の幅の数列を持ち、(b) 前記領
域を光の下に周期的に観測し、(c) アンダカットを、
前記光に対するその反射率が変化した最も幅の広い矩形
領域の幅の約半分と決定する工程から成る方法。
【0072】(18) 偏向可能なはりを持つ空間光変調器
を作る方法に於て、(a) 電子式アドレス回路を持つ基
板の上にスペーサを適用し、(b) 該スペーサのパター
ンを定めて前記基板に達する柱孔を限定し、(c) 前記
スペーサの上及び柱孔に金属層をデポジットし、(d)
各々のはりが1つの柱孔の中で前記金属に丁番結合され
る様に前記金属に偏向可能なはりを限定し、(e) 前記
スペーサを取除く工程から成る方法。
【0073】(19) 第18項に記載した方法に於て、前
記取除くことがプラズマ・エッチによる方法。
【0074】(20) 偏向可能なはりを持つ空間光変調器
を作る方法に於て、(a) 電子式アドレス回路を持つ基
板の上にスペーサを回転付着し、(b) 該スペーサのパ
ターンを定めて前記基板に達する柱孔を限定し、(c)
前記スペーサの上及び柱孔に金属をデポジットし、(d)
前記柱孔の近辺を除き、前記スペーサから前記金属を
除去し、(e) 前記スペーサの上並びにメタライズした
柱孔に第2の金属層を適用し、(f) 前記第2の金属層
の中に偏向可能なはりを限定し、(g) 前記スペーサを
取除く工程から成る方法。
【0075】(21)(a) 電子式アドレス回路を持つ基板
の上に複数個の画素を有し、(b) 各々の画素は(i) 静
電偏向可能な反射素子、(ii)該素子を前記基板から離し
て保持する支持体を有し、(iii) 前記素子及び支持体は
共に電気導体であって、前記支持体が前記アドレス回路
に電気接続されている空間光変調器
【0076】(22)(a) 電子式アドレス回路を持つ基板
の上に複数個の画素を有し、(b) 各々の前記画素は1
個の金属片を含み、該金属片は、前記基板に取付けられ
た支持部分、該支持部分に接続された丁番部分及び該丁
番部分に接続されていて前記基板から離して保持される
偏向可能な部分を持っており、(c) 前記支持部分が前
記アドレス回路に電気接続され、前記偏向可能な部分が
前記アドレス回路に接続された電極の上方にある空間光
変調器。
【0077】(23) 第22項に記載した空間光変調器に
於て、(a) 前記1個の金属片が4個の四角なフラップ
の形をしており、各フラップが中心柱に対して隅で接続
されている空間光変調器。
【0078】(24) 第22項に記載した空間光変調器に
於て、(a) 前記電極が前記偏向可能な部分の内、前記
支持体の近くにある部分の下だけを伸びている空間光変
調器。
【0079】(25)(a) 電子式アドレス回路を持つ基板
の上に複数個の画素を有し、(b) 各々の前記画素は柱
及び丁番結合したフラップを含んでおり、(c) 前記柱
は前記基板に取付けられた第1の導電部分及び前記丁番
結合したフラップに隣接する、それと重なる金属部分を
持っている空間光変調器。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の好ましい実施例のSLM用画素を示す図
であって、Aは簡略斜視図、Bは側面断面図、Cは平面
図である。
【図2】図1の画素の動作を例示する図。
【図3】図1の画素の応答曲線を示すグラフ。
【図4】図1の画素を製造する第1の好ましい実施例の
方法のプラズマ・エッチ工程を示す図。
【図5】図1の画素に対するくり抜きばりのプラズマ・
エッチの範囲の制御を示す図。
【図6】図5のくり抜きばりの動作を示す図。
【図7】図1の画素に使うはりの種々の形状を示す図。
【図8】図1の画素の変形の簡略側面断面図。
【図9】線形配列のSLM内にある隣接した3つの画素
を示す簡略平面図。
【図10】第2の好ましい実施例の画素を示し、Aは簡
略側面断面図、BはAの画素の変形の簡略側面断面図。
【図11】第2の好ましい実施例の方法の工程を示す一
連の簡略側面断面図。
【図12】第3の好ましい実施例の画素を示し、Aは簡
略断面図、Bは平面図。
【図13】第4の好ましい実施例の画素を示し、Aは簡
略断面図、Bは平面図。
【図14】第5の好ましい実施例の画素を示し、Aは簡
略切欠き斜視図、Bは断面図、Cは平面図。
【図15】図14の画素の断面図で、はりの撓みを例示
している。
【図16】図14の画素に対する応答曲線を示すグラ
フ。
【図17】図14の画素の製造工程を示す図。
【図18】図14の画素の変形の断面図。
【図19】図14の画素の変形に対するプロセス工程を
示す図、
【図20】図14の画素の別の変形に対するプロセス工
程を示す図。
【図21】図14の画素の更に別の変形に対するプロセ
ス工程を示す図。
【図22】第6の好ましい実施例の画素を示し、Aは簡
略斜視図、Bは断面図、Cは平面図。
【図23】図22の画素を製造する為のプロセス工程を
示す図。
【図24】図22の画素の変形を示す図。
【図25】図22の画素の変形を示す図。
【図26】第7の好ましい実施例の画素を示す図。
【図27】第5、第6及び第7の好ましい実施例の画素
に適用し得る変形を示す図。
【符号の説明】
20 画素 22 基板 24 スペーサ 26 反射層 28 フラップ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気アドレス回路をもつ基板と、 該基板に立設される支持柱と、 該支持柱の上端へ丁番結合された導電性の素子とを備え
    て成り、該素子はそれと前記基板との間に印加される電
    圧に応じて変形する構成の空間光変調器。
  2. 【請求項2】 電気アドレス回路をもつ基板と、 該基板に立設される支持柱と、 該支持柱の上端へ丁番結合された導電性の素子とを備え
    てなる空間光変調器の製造方法であって、(a) 前記電
    気アドレス回路を持つ基板の上にスペーサをデポジット
    し、(b) 該スペーサに前記基板に達する孔のパターン
    を定め、(c) 前記スペーサの上へ及び前記支持柱を形
    成するために前記孔へそれぞれ金属層をデポジットし、
    (d) 前記スペーサ上の該金属層のパターンを定めて前
    記素子を形成し、(e) 前記スペーサを除去する工程か
    ら成る空間光変調器の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電基板と、 該基板に立設される支持柱と、 該支持柱の上端へ丁番結合された導電性の素子とを備え
    て成り、該素子はそれと前記基板との間に印加される電
    圧に応じて変形する構成の空間光変調器。
  4. 【請求項4】 導電基板と、 該基板に立設される支持柱と、 該支持柱の上端へ丁番結合された導電性の素子と、から
    なる空間光変調器の製造方法であって、(a) 前記導電
    基板の上にスペーサをデポジットし、(b) 該スペーサ
    に前記基板に達する孔のパターンを定め、(c) 前記ス
    ペーサの上へ及び前記支持柱を形成するために前記孔へ
    それぞれ金属層をデポジットし、(d) 前記スペーサ上
    の該金属層のパターンを定めて前記素子を形成し、(e)
    前記スペーサを除去する工程から成る空間光変調器の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(c) は、まず前記孔へ金属層を
    デポジットして前記支持柱を形成し、その後、前記スペ
    ーサの上へ前記金属層をデポジットすることを特徴とす
    る請求項4に記載の空間光変調器の製造方法。
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