JPH051876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本考案は真空インタラプタの軸心に沿う方向で
の長さを小さくした真空遮断器に関する。

Ｂ 考案の概要 本考案は、遮断器本体に複数の真空インタラプ
タを配設し、これに操作機構を介して駆動手段を
連動連結した真空遮断器において、 操作機構を構成する圧接バネを取付板と並列配
置し、かつ遮断バネを真空インタラプタの軸心及
び回動軸に直角に配置することにより、 真空インタラプタの軸心に沿う方向での真空遮
断器の長さを小さくしたものである。

Ｃ 従来の技術 配電盤の内部には遮断器が収納される。遮断器
としては、例えば第４図ａ，ｂに示す引出形遮断
器がある。

引出形遮断器は、車輪１を有する本体２と、三
相分の真空インタラプタ３と、本体２内に組み込
まれた図示しない駆動手段と、真空インタラプタ
３と駆動手段との間に介在する操作機構４等で構
成される。

夫々の真空インタラプタ３の図示しない固定リ
ード棒、可動リード棒には、接続用の外部導体
５，６が接続される。外部導体５，６の間の距離
Ｌを極間距離と称している。

本体２には可動リード棒の軸心と直角でかつ交
差しない回動軸７が設けられ、回動軸７の一側に
は駆動手段と係り合う入力アーム８が固着され
る。回動軸７の他側には三相分（３対）の出力ア
ーム９が固着され、夫々の対となる出力アーム９
の先端には第５図ａ，ｂに示すようにコの字形断
面を有する取付板１０がピン１１を介して回動自
在に取り付けられる。取付板１０には連結ロツド
１２が挿通され、その下端に形成された大径部１
２ａの長孔１２ｂに前記ピン１１が挿通されてい
る。連結ロツド１２の上端は絶縁ロツド１３を介
して可動リード棒と連結され、絶縁ロツド１３と
取付板１０との間に圧接バネ１４が介在する。

回動軸７の他側であつて取付板１０どうしの間
には一対の遮断アーム１５が固着され、本体２に
固定した固定ピン１６との間に遮断バネ１７が設
けられる。このほか、中央の一対の出力アーム９
の先端の真下には夫々ダンパ１９、ストツパ１８
が設けられる。

斯かる真空遮断器においては、駆動手段により
入力アーム８を矢印イの方向へ回動させてその状
態で入力アーム８を拘束すると、遮断バネ１７を
蓄勢しながら出力アーム９が反時計方向へ回動
し、真空インタラプタ３が投入される。このと
き、圧接バネ１４の働きで真空インタラプタ３内
の可動電極が固定電極に常時押圧され、導通が確
保される。入力アーム８の拘束を解除すると、遮
断バネ１７の放勢力で出力アーム９が時計方向へ
回動し、真空インタラプタ３が遮断される。この
とき、出力アーム９の先端がダンパ１９に当接し
て回動速度が緩和され、最後にストツパ１８に当
接して停止する。

Ｄ 考案が解決しようとする課題 近年、土地の高騰によつて配電盤の設置スペー
スを小さくせざるを得ず、そのため配電盤内に真
空遮断器を４段積みにする要求が高まつている。
一方、真空遮断器の外部導体が連結される配電盤
の断路部に、安全性確保のために金属シヤツター
を設けることが義務づけられ、そのため極間寸法
Ｌを大きくしなければならない。このため、遮断
器の高さを小さくしかつ極間寸法を大きくしなけ
ればならないが、従来の遮断器は遮断バネや圧接
バネが鉛直方向へ直列に配置されるため、斯かる
要求を満たすことができない。

そこで本考案は、斯かる課題を解決した真空遮
断器を提出することを目的とする。

Ｅ 課題を解決するための手段 斯かる目的を達成するための本考案の構成は、
複数の真空インタラプタを並列に遮断器本体に配
設し、真空インタラプタの並ぶ方向へ伸びる回動
軸を可動リード棒の近傍に回動自在に設け、回動
軸の半径方向での反可動リード棒側である一側に
は、駆動手段と係り合う入力アームの基端部を固
着し、他側には回動軸の長さ方向での各真空イン
タラプタと対応する位置に夫々出力アームの基端
部を固着し、出力アームの先端に回動自在に取付
板を設け、取付板における出力アームへの取付側
よりも反真空インタラプタ側に、可動リード棒の
外端を回動自在かつ軸心方向へ移動しうるように
連結するとともに可動リード棒を真空インタラプ
タへ向かつて付勢する圧接バネを設け、出力バネ
アームと略直角な遮断アームの基端部を回動軸に
固着し、真空インタラプタの軸心と回動軸との双
方に直角な方向に沿つて配置した遮断バネを遮断
アームの先端と遮断器本体との間に取り付けたこ
とを特徴とする。

Ｆ 作用 入力アームを一方向へ回動させると、遮断バネ
を蓄勢しながら回動軸が一方向へ回動し、真空イ
ンタラプタが投入される。この状態で入力アーム
を拘束すると、圧接バネの働きで真空インタラプ
タ内の一対の電極の接触が保持される。

入力アームの拘束を解くと、遮断バネの放勢力
によつて回動軸が他方向へ回動し、真空インタラ
プタが遮断される。

Ｇ 実施例 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。なお、本実施例は従来の真空遮断
器の一部を改良したものなので、従来と同一部分
には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分
のみを説明する。

(a) 実施例の構成 本考案による真空遮断器の構成を、第１図〜第
３図に基づいて説明する。

第１図ａ，ｂに示すように、真空インタラプタ
３の並ぶ方向へ伸びる回動軸７が、遮断器本体に
おける可動リード棒の近傍に回動自在に取り付け
られる。第１図ａ中の回動軸７の半径方向での左
側には、回動軸７を駆動するための一対の入力ア
ーム８の基端部が固着される。一対の入力アーム
８の間であつて先端には回転自在にコロ２９が設
けられる。回動軸７の右側には、第１図ｂに示す
ように回動軸７の長さ方向での各真空インタラプ
タ３と対応する位置に出力アームの基端部が固着
される。ここで出力アームは３対設けられるが、
中央の１対は後述する他の機能を果たすため長い
出力アーム３０が用いられ、両側の２対は従来と
同様の短い出力アーム９が用いられる。一対の出
力アーム９の先端と出力アーム３０の中間位置に
は、第２図に示すように横断面形状がコの字形の
取付板３１が設けられる。取付板３１は一対の出
力アーム９，３０の内側に配置され、その上部が
回動軸７と平行な一本のピン３２を介して回動自
在に支持される。そして、可動リード棒に絶縁ロ
ツド１３を介して連結された連結ロツド３３が回
動自在かつ軸心方向へ移動自在に取付板３１に結
合される。即ち、取付板３１の上部の挿通孔３１
ａに挿通した連結ロツド３３の下端には鉛直方向
へ長い長孔３３ａが形成され、長孔３３ａに挿通
されたピン３４の両端が取付板３１に支持され
る。連結ロツド３３の上部にも長孔３３ｂが形成
され、長孔３３ｂには前記ピン３２が挿通されて
いる。連結ロツド３３の中間位置にはバネ受け３
５が設けられ、バネ受け３５とピン３４との間に
は絶縁ロツド１３つまりは可動リード棒を真空イ
ンタラプタ３へ向かつて付勢する圧接バネ３６が
設けられる。

このほか、回動軸７には一対の遮断アーム３７
の基端部が固着される。第３図に示すように遮断
アーム３７は入力アーム８つまりは出力アーム
９，３０と略直角であり、本実施例では遮断アー
ム３７は入力アーム８と一体成形される。そし
て、真空インタラプタ３の軸心と回動軸７との双
方に直角な方向（図中の水平方向）に沿つて配置
した遮断バネ３８が遮断アーム３７と遮断器本体
との間に取り付けられる。即ち、以下のように構
成される。一端がピン３９を介して回動自在に支
持されたガイド板４０の他端に長孔４０ａが形成
され、遮断器本体に固定されたガイドピン４１が
長孔４０ａに挿通される。そして、ガイド板４０
の一端に形成した段部４０ｂと遮断器本体に固定
したバネ受け４２との間に、ガイド板４０に挿通
させた状態で圧縮バネとしての遮断バネ３８が設
けられる。なお、４３はバネ受けである。

中央の出力アーム３０が他の出力アーム９より
も長いのは一方の出力アーム３０の先端がダンパ
４４に当たり、他方の出力アーム３０の先端がス
トツパ４５に当たるようにするためである。遮断
器本体における出力アーム３０の先端と対応する
位置にはダンパ４４、ストツパ４５が取り付けら
れる。

なお、遮断アームは第３図中の回動軸７の上部
に設けてもよい。また、遮断バネとしては引張バ
ネを用いることも可能である。

(b) 実施例の作用 次に、真空遮断器の作用を説明する。

まず、真空インタラプタの投入について説明す
る。

図示しない駆動手段により入力アーム８を矢印
イの方向へ回動させると、第３図中の遮断アーム
３７が反時計方向へ回動する。このとき、案内板
４０がガイドピン４１と長孔４０ａとによつて案
内されて右方へ動き、遮断バネ３８が蓄勢され
る。これと同時に出力アーム９，３０の先端が上
動し、連結ロツド３３、絶縁ロツド１３を介して
可動リード棒が上動するので、真空インタラプタ
３が投入される。入力アーム８を図示しない拘束
手段で拘束することにより、投入状態が維持され
る。投入中においては、第２図に示す圧接バネ３
６が連結ロツド３３等を常時上方へ付勢するの
で、真空インタラプタ３内の電極どうしが相互に
圧接し合い、通電状態が確実に維持される。

次に、真空インタラプタの遮断について説明す
る。

前記拘束手段による入力アーム８の拘束を解除
すると、蓄勢されていた遮断バネ３８の放勢力で
遮断アーム３７、出力アーム９，３０が時計方向
へ回動される。そのため、可動リード棒が下動
し、真空インタラプタ３が遮断される。このとき
第１図ｂ中の右側の出力アーム３０の先端がダン
パ４４に当たるので衝撃が緩和され、その後に、
左側の出力アーム３０の先端がストツパ４５に当
たつて回動軸７の回動が停止する。

Ｈ 考案の効果 以上説明したように本考案による真空遮断器に
よれば、取付板の内部に取付板と並列に圧接バネ
を設け、かつ遮断バネを回動軸と真空インタラプ
タの軸心との双方に直角に配置したので、真空遮
断器を真空インタラプタの軸心方向に小さくする
ことができ、真空遮断器を四段積みにした配電盤
の提供が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案による真空遮断器の実
施例に係り、第１図ａは左側面図、第１図ｂは正
面図、第２図は第１図ｂの部分拡大図、第３図は
第１図ｂの−矢視図、第４図〜第５図は従来
の真空遮断器に係り、第４図ａは左側面図、第４
図ｂは正面図、第５図は第４図ｂの部分拡大図で
あり、第５図ａは左側面図、第５図ｂは正面図で
ある。 ３……真空インタラプタ、７……回動軸、８…
…入力アーム、９，３０……出力アーム、３…
…取付板、３２，３４……ピン、３３……連結ロ
ツド、３６……圧接バネ、３７……遮断アーム、
３８……遮断バネ、４４……ダンパ、４５……ス
トツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の真空インタラプタを並列に遮断器本体に
   配設し、真空インタラプタの並ぶ方向へ伸びる回
   動軸を可動リード棒の近傍に回動自在に設け、回
   動軸の半径方向での反可動リード棒側である一側
   には、駆動手段と係り合う入力アームの基端部を
   固着し、他側には可動軸の長さ方向での各真空イ
   ンタラプタと対応する位置に夫々出力アームの基
   端部を固着し、出力アームの先端に回動自在に取
   付板を設け、取付板における出力アームへの取付
   側よりも反真空インタラプタ側に、可動リード棒
   の外端を回動自在かつ軸心方向へ移動しうるよう
   に連結するとともに可動リード棒を真空インタラ
   プタへ向かつて付勢する圧接バネを設け、出力ア
   ームと略直角な遮断アームの基端部を回動軸に固
   着し、真空インタラプタの軸心と回動軸との双方
   に直角な方向に沿つて配置した遮断バネを遮断ア
   ームの先端と遮断器本体との間に取り付けたこと
   を特徴とする真空遮断器。