JPH051867U - 高圧シール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 高圧シールのシールリング摩耗時においても
締め直しを不要とし、また弾性の支持リングのプランジ
ャとの摩擦による摩耗を減少させる。 【構成】 高圧側から調整ばね３を用いてシールリング
６を加圧することにより、シールリングが摩耗しても締
め直しを不要とした。またシールリングに外接する外接
リング８を設け、シールリングの低圧側に外接リングの
外径より大きい外径を持つ中間リング９および支持リン
グ１０を背接することにより、プランジャ２に対する支
持リングの面圧を下げて支持リングの摩耗量を減少させ
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は高圧シールに係り、とくに流体圧力が数千ｋｇ／ｃｍ2にも及ぶ超高 圧を発生するプランジャ型ポンプに使用できるプランジャの高圧シールに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

図３の５０は従来から用いられている超高圧の流体を発生させるプランジャポ ンプの断面図である。 図３において、５１はポンプケース、５２はプランジャ、５４ａ及び５４ｂは 支持リング、５５は弾性リング、５６及び５７はシールリング、５３は位置ぎめ リング、５８は調整リング、６１はポートである。６２及び６３はチェック弁、 ６４、６５、６６は流体の吸入吐出用の配管である。

【０００３】 今、プランジャ５２を矢印Ｄ1の方向に動かせば、流体は矢印Ｅの方向からチ ェック弁６２を通り配管６５、６４、及びポート６１を経て室６０へ吸入される 。 次にプランジャ５２を矢印Ｄ2の方向に動かせば、室６０内の流体はポート６１ から配管６４、６６を経てチェック弁６３を押し開いて圧力流体として矢印Ｆの 方向へ吐出される。

【０００４】 プランジャ５２を上述のような往復動を繰り返すことによって、吐出側の流体 圧力は次第に高まり遂には超高圧に到達する。吐出圧が高圧化することによって 流体がプランジャの外周から洩れるのを防ぐため、支持リング５４ａ及び５４ｂ に挟まれた弾性リング５５及びシールリング５６及び５７からなるシール機構で シールしている。つまりくさび形をした弾性リング５５がシールリング５６をポ ンプケース５１の方へ、シールリング５７をプランジャ５２の方へ押しつけて室 ６０の高圧流体の洩れを防いでいる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、支持リング５４ｂがシールリング５７より早期に 摩耗して寿命となってしまうことである。これは支持リングに本来流体圧がかか りポンプケースとプランジャに圧接する際プランジャに対して必要以上の面圧が 生じてしまうことによるもので、これにより支持リングの摩耗が促進され寿命が 短くなる。さらに圧接の際円周方向で面圧にばらつきが生じた場合局所的に摩耗 が促進され、短寿命の要因となるのである。 さらに稼働中摩耗によりシールリ ングに厚さ方向に変化が生じた場合、増締めを必要としこれを行なわないと洩れ の要因となり、高圧流体は洩れる際熱を発生するためシールリングの摩耗促進又 は溶解の要因となり、短寿命の要因となる。 本考案は上記の欠点を解決した高 圧シールを提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述したような課題を解決するものとして、従来の弾性リング及びシールリン グに加えてシールリングの受圧面積より大きい受圧面積を有する支持リング、シ ールリングと支持リングの間に充分な強度をもつ中間リング、シールリングに外 接する適切な強度をもつ外接リング、及びシールリングの高圧側に調整ばねを用 いた構成とする。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案の１実施例を含む高圧ポンプの断面図で、図２は図１の本考案 部分の拡大図である。 図１において１はポンプケース、２はプランジャ、３は調整ばね、４は金属製 の円筒リング、５はゴム製かつ断面がくさび形の弾性リング、６は断面が三角形 の弾性シールリング及び７は断面が台形の弾性シールリング、８は比較的弾性の ある金属製の外接リング、９は金属製の中間リング、１０は樹脂製の支持リング 、１１は中間リング９と支持リング１０とを支持する金属製の支持リングで、プ ランジャ２の外周面との隙間を厳しく管理した内径をもつ。１２は金属製の調整 リングで支持リング１１を支持している。 ２０はポンプ室、２１はポート、２２は吸入側のチェック弁、２３は吐出側の チェック弁、２４はポート配管、２５は吸入がわの配管、２６は吐出側の配管で ある。

【０００８】 プランジャ２を矢印Ａのように出入させることにより、作動液はチェック弁２ ２、配管２５、ポート配管２４を通りポート２１から吸入され、ポンプ室２０で 加圧されてポート２１、ポート配管２４、配管２６、チェック弁２３を通って吐 出される。この作業が繰り返されることによって矢印Ｃ側には非常に高い圧力を 発生させることができる。

【０００９】 円筒リング４は調整ばね３の締め付け力を弾性リング５、シールリング６及び ７、外接リング８、中間リング９、支持リング１０に伝える。弾性リング５の両 くさび面にはポンプケース１側に弾性シールリング６、プランジャ２側に弾性シ ールリング７が装着されていて、弾性シールリング６はポンプケース内面に、弾 性シールリング７はプランジャ２の外周面に密着することによりポンプ室２０の 高圧をシールしている。

【００１０】 弾性シールリング７及び外接リング８の低圧側の面において中間リング９が装 着されており、さらに中間リング９の低圧側の面に樹脂製の支持リング１０に弾 性シールリング７において受圧した圧力を均一にかつ受圧面積比に反比例した値 の圧力を伝えている。

【００１１】 上述のように構成された高圧シールの初期接触圧力は、調整リング１２を回す ことにより中間リング９がポンプケース１に圧着され、中間リング９の高圧側に 装着された円筒リング４、弾性リング５、弾性シールリング６および７、外接リ ング８が初期の位置に装着されることにより調整ばね３が縮み、力を円筒リング ４、弾性リング５、弾性シールリング６および７、外接リング８、中間リング９ 、支持リング１０に伝えることによって発生する。

【００１２】 前記調整ばね３により弾性シールリング７および支持リング１０がプランジャ ２との摺動による摩耗によって厚さ方向に変化が生じた場合においても、ばね常 数の小さい調整ばねにすることにより、最初の組み付け時よりも若干小さいがほ とんど変わらない締め付け力を伝えることができる。 なお、中間リング９の形状は図２に点線で示したように断面を三角形または台 形にして、支持リング１０の摩耗による厚みからの補充を行いやすくしてもよい 。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の高圧シールは、調整ばねを採用することにより常 時弾性リング、シールリング、および中間リングや弾性の支持リングにほぼ一定 の締め付け力を与えることができ、増し締めを不要とした。 更に中間リングを採用することにより、弾性シールリングが受けた圧力を均一 に低圧側の弾性の支持リングに伝えられると共に、弾性の支持リングの受圧面積 を弾性シールリングの受圧面積より大きくすることにより、弾性の支持リングの プランジャに対する面圧を下げ、従ってその摩耗量も低減する。 上述したような特徴を有する本考案の高圧シールは実用的価値が極めて高いも のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の高圧シールを含む高圧ポンプの断面図
である。

【図２】本考案の高圧シールの断面図である。

【図３】本考案を使用しない従来の高圧シールを用いた
高圧ポンプの断面図である。

【符号の説明】

１ ポンプケース ２ プランジャ ３ 調整ばね ４ 円筒リング ５ 弾性リング ６ シールリング ７ シールリング ８ 外接リング ９ 中間リング １０ 支持リング １１ 支持リング １２ 調整リング

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 ポンプケース、往復運動をするプランジ
   ャと、弾性リング、複数のシールリング、支持リングな
   どからなる高圧シールを用いた高圧ポンプにおいて、弾
   性リング、シールリングの高圧側に調整ばねを設け、シ
   ールリングの外周に円筒形の外接リングを設け、シール
   リングの低圧側に背接する外接リングの外径より大きい
   外径を持つ中間リングを設け、さらに該中間リングに背
   接しかつ該外接リングの外径より大きい外径を持つ支持
   リングからなる高圧シール。