JPH05185377A - 液圧式打撃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 打撃ピストン５を往復動可能に案内するシリ
ンダ１内の打撃ピストン５とチゼル４との間に摺動可能
に中間ピストン６を設け、シリンダ１内に中間ピストン
６の打撃ピストン５の方向への移動限定手段１ｃを形成
し、打撃ピストン５の所定ストローク範囲ではシリンダ
１内に中間ピストン６と打撃ピストン５との間に密閉さ
れる圧力室８を形成し、圧力室８に発生する高圧流体を
介して打撃ピストン５はチゼル４を打撃する。 【効果】 打撃ピストンとチゼルとの間には打撃の際に
金属衝突を生じることが防止され、振動、騒音が大幅に
低減され、作業現場の環境を向上することが可能になっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、打撃ピストンを往復動
させてチゼルを打撃する液圧打撃装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の液圧式打撃装置では、図２に示す
ように、シリンダ５１内の打撃ピストン５２の位置に対
応してコントロールバルブ５３のコントロールピストン
５４が切り換わり、打撃ピストン５２が上昇、下降動を
繰返し、下降時にチゼル５５の頭部を打撃ピストン５２
が直接打撃することにより、力を伝達してチゼル５５の
先端でコンクリート等を破砕することが知られている。

【０００３】斯る従来の液圧式打撃装置では、打撃ピス
トン５２が直接チゼル５５の頭部を打撃するため、打撃
時に金属同志が衝突し、チゼル５５は大きく振動し、そ
の振動が液圧式打撃装置の下部ケース５６を介して全体
に伝達され、チゼル及び液圧式打撃装置全体から大きな
振動及び騒音が発生した。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解消し、振動及び騒音が少なく、作業現場の
環境を向上することが可能な液圧式打撃装置を提供する
ことを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題
を、液圧流路を切り換えるコントロールバルブと、該コ
ントロールバルブの切換動により往復動される打撃ピス
トンと、該打撃ピストンに打撃されるチゼルとを有する
液圧式打撃装置において、前記打撃ピストンを往復動可
能に案内するシリンダ内の前記打撃ピストンと前記チゼ
ルとの間に摺動可能に中間ピストンが設けられ、前記シ
リンダ内に前記中間ピストンの前記打撃ピストンの方向
への移動を限定する移動限定手段が形成されることと、
前記打撃ピストンの所定ストローク範囲では前記シリン
ダ内に前記中間ピストンと前記打撃ピストンとの間に密
閉される圧力室が形成され、該圧力室に発生する高圧流
体を介して前記打撃ピストンは前記チゼルを打撃するこ
とを特徴とする液圧式打撃装置により解決した。

【０００６】

【作用】本発明により、打撃ピストンは液圧式打撃装置
のシリンダの内部を下降する際、中間ピストンとの間に
形成される密閉した圧力室に突入し、圧力室内の流体を
圧縮して高圧力を発生させ、打撃ピストンの下降動は高
圧流体を介して中間ピストンに伝達され、中間ピストン
は高圧流体を介して伝達される打撃力を直接接触してい
るチゼルに伝達する。打撃ピストンは中間ピストン及び
チゼルに直接衝突することがなく、振動及び騒音が大幅
に低減されることが出来る。

【０００７】中間ピストンは、チゼルと別体ではなく一
体とすることもできる。

【０００８】

【実施例】本発明の詳細を図１に示す実施例に基づいて
説明する。

【０００９】図１において、液圧式打撃装置、例えば油
圧ブレーカはシリンダ１と該シリンダ１に固定されるブ
レーカ下部ケース２及びシリンダカバー３とを有する。

【００１０】ブレーカ下部ケース２にはチゼル４が上下
往復動可能に支持される。

【００１１】シリンダ１には打撃ピストン５と中間ピス
トン６が夫々往復動可能に収容され、中間ピストン６は
大径部６ａと打撃ピストン５とほぼ同径の小径部６ｂと
を有し、大径部６ａの下端部がチゼル４に接触するよう
に中間ピストン６は配置される。シリンダ１には、打撃
ピストン５及び中間ピストン６の小径部６ｂが摺動する
第１中空円筒部１ａと、中間ピストン６の大径部６ａが
摺動する第２中空円筒部１ｂが形成され、第１中空円筒
部１ａと第２中空円筒部１ｂの境界をなす段部１ｃが中
間ピストン６の上昇動を限定する手段を形成する。中間
ピストン６の大径部６ａが段部１ｃに当接する上昇端に
あるとき、チゼル４も上昇端にあり、中間ピストン６の
下端部とチゼル４の頭部が接触状態を保つように形成さ
れる。必要によっては、中間ピストン６とチゼル４とを
一体に形成することも可能である。

【００１２】シリンダ１の第１中空円筒部１ａには、打
撃ピストン５の往復動ストロークの所定範囲、例えば下
降端の付近に第１圧力室７と第２圧力室８が形成され
る。第１圧力室７は、第１流路９により低圧流路１０に
接続され、必要によってはアキュムレータ１１に接続す
るように構成することもできる。第２圧力室８は打撃ピ
ストン５と中間ピストン６との間に密閉される圧力室と
して形成される。

【００１３】打撃ピストン５のシリンダ１内での上下往
復動の際、第１圧力室７は容積変化に応じて低圧流路１
０又はアキュムレータ１１により流体、例えば作動油等
の補給、排出ができるようにしてある。打撃ピストン５
は下降動の際、流体を低圧流路１０又はアキュムレータ
１１に排出する状態で第１圧力室７を通過し第２圧力室
８に突入する。打撃ピストン５が第２圧力室８に突入す
ると、第２圧力室内の流体は密閉状態の中で打撃ピスト
ン５により圧縮され、高圧を発生する。打撃ピストン５
の下降動は、第２圧力室８内の圧力流体を介して中間ピ
ストン６に伝達され、中間ピストン６の下降動は接触す
るチゼル４に伝達される。

【００１４】中間ピストン６が所定位置以上に下降しす
ぎると、第２圧力室８は環状溝１７を介して低圧流路１
０に連通し、流体は排出される爲、圧力が低下し、打撃
ピストン５の下降動はチゼル４には伝達されない。

【００１５】打撃ピストン５の上昇動の際は、第１圧力
室７では打撃ピストン５の移動に応じて流体が低圧流路
１０又はアキュムレータ１１から補給される。

【００１６】打撃ピストン５の往復動の制御は、高圧流
路１２を介して高圧源より供給される流体を打撃ピスト
ン５の受圧面積の小なる第１受圧面１３に供給し、同時
にコントロールバルブ１４のコントロールピストン１５
の切り換えにより、打撃ピストン５の受圧面積の大なる
第２受圧面１６に作用する圧力が高圧、低圧に切り換わ
ることにより行なわれる。コントロールピストン１５の
切り換えは、打撃ピストン５の位置に応じて、コントロ
ールバルブ１４に対する高圧流と低圧流の流路を切り換
えることにより行う。コントロールバルブ１４による打
撃ピストン５の往復動制御は既に公知であるので詳しい
説明は省略する。

【００１７】打撃ピストン５は下降動の際、中間ピスト
ン６及びチゼル４には直接当接することなく、第２圧力
室８内に発生する高圧流体を介して打撃を加えるので、
金属同志の衝突が防止され、振動及び騒音が大幅に低減
可能になり、作業現場の環境を向上することが可能にな
った。

【００１８】

【発明の効果】本発明により、圧力室内に発生する高圧
流体を介して打撃ピストンは中間ピストン及びチゼルを
打撃するため、金属同志の衝突が解消され、チゼル及び
打撃装置全体からの振動及び騒音が大幅に低減されるこ
とが出来た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る液圧式打撃装置の断面図である。

【図２】従来の液圧式打撃装置の断面図である。

【符号の説明】

１ シリンダ １ｃ 移動限定手段 ４ チゼル ５ 打撃ピストン ６ 中間ピストン ７ 第１圧力室 ８ 第２圧力室

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液圧流路を切り換えるコントロールバル
   ブと、該コントロールバルブの切換動により往復動され
   る打撃ピストンと、該打撃ピストンに打撃されるチゼル
   とを有する液圧式打撃装置において、 前記打撃ピストンを往復動可能に案内するシリンダ内の
   前記打撃ピストンと前記チゼルとの間に摺動可能に中間
   ピストンが設けられ、前記シリンダ内に前記中間ピスト
   ンの前記打撃ピストンの方向への移動を限定する移動限
   定手段が形成されることと、前記打撃ピストンの所定ス
   トローク範囲では前記シリンダ内に前記中間ピストンと
   前記打撃ピストンとの間に密閉される圧力室が形成さ
   れ、該圧力室に発生する高圧流体を介して前記打撃ピス
   トンは前記チゼルを打撃することを特徴とする液圧式打
   撃装置。
2. 【請求項２】 前記中間ピストンは前記チゼルと一体に
   形成されることを特徴とする請求項１に記載の液圧式打
   撃装置。