JPH05184812A - 脱気用中空糸膜モジュール - Google Patents

脱気用中空糸膜モジュール

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JPH05184812A
JPH05184812A JP172492A JP172492A JPH05184812A JP H05184812 A JPH05184812 A JP H05184812A JP 172492 A JP172492 A JP 172492A JP 172492 A JP172492 A JP 172492A JP H05184812 A JPH05184812 A JP H05184812A
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Hiroyuki Fujiki
浩之 藤木
Hisao Anzai
久雄 安西
Yasuhiro Kamine
靖弘 加峯
Nobuyuki Kikuya
信之 菊屋
Takayuki Hirai
孝之 平井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 中空糸膜の中空部に液体を流し、中空糸膜の
外周部を減圧下に保って液体中の溶存気体を除去するた
めの脱気用中空糸膜モジュール中に、中空糸膜の液体導
入端部から液体放出端部へ至る間に各中空糸膜に連通す
る液体合流室を少なくとも一つ配設する。 【効果】 液体合流室において、中空糸膜を流れる液体
の層流が乱され、境膜が破壊されるので、脱気用中空糸
膜モジュールの脱気性能が大幅に向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱気性能を向上させた
脱気用中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体中、例えば水中の溶存酸素を
脱気する方法として、例えば特開平2−265604号
公報では、物理的脱気手段とパラジウム触媒を用いる化
学的溶存酸素除去手段とを備える溶存酸素除去装置を用
いる方法が開示されている。この方法のうち物理的脱気
手段では溶存ガスの完全除去が困難で、かつ除去時間が
長い。一方、化学的溶存酸素除去手段においては、薬品
を使用するため人体への悪影響が考えられる。
【0003】これを解決するために、特開平3−169
303号公報では、複合中空糸膜を用いて、水溶液と接
する多孔質層と反対側の多孔質層側を減圧にして水溶液
中の溶存ガスを除去する溶存ガスの除去法が開示されて
いる。しかしながら、中空糸膜を用いて脱気を行う場
合、中空糸膜内部を流れる液体は中空糸膜の内径が小さ
いため、通常使用される圧力条件領域では層流として流
れる。その結果、中空糸膜内部を通過する液体には徐々
にその中に脱気されない部分と、溶存酸素の濃度勾配を
持つ部分(境膜)が生じ、脱気性能が低下するという問
題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来の問題点を解決した優れた脱気性能を有する簡易
な構造の脱気用中空糸膜モジュールを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、中
空糸膜の中空部に液体を流し、中空糸膜の外周部を減圧
下に保って液体中の溶存気体を除去するための脱気用中
空糸膜モジュールにおいて、該モジュール内の各中空糸
膜の液体導入端部から液体放出端部へ至る間に各中空糸
膜に連通する液体合流室が少なくとも一つ配設されてな
ることを特徴とする脱気用中空糸膜モジュールである。
【0006】
【作用】本発明の脱気用中空糸膜モジュールでは、脱気
用の中空糸膜の糸長方向の中間部に少なくとも1つの液
体合流室を形成することにより、中空糸膜内部を通過す
る液体が形成する層流を乱し、境膜を破壊して脱気効率
を向上させる。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の脱気用中空
糸膜モジュールにつき説明する。図1は、本発明の脱気
用中空糸膜モジュールの一例を示す模式断面図である。
【0008】本発明の脱気用中空糸膜モジュールは、基
本的には、液体入口1、液体出口2及び脱気口3を有す
るハウジング4内に、中空糸膜5がポッティング材6で
固定されて構成されてなるものであり、更にハウジング
内には少なくとも一つの液体合流室7が形成される。ハ
ウジング4内における中空糸膜の外周部に臨む空間は、
脱気室8を構成する。
【0009】液体合流室7は、液体入口1近傍の中空糸
膜の液体導入端部9と液体出口2近傍の中空糸膜の液体
放出端部10との中間に少なくとも1個配設され、この
液体合流室7は各中空糸膜を流れて脱気された液体を合
流させて、中空糸膜内を流れるうちに形成された液体中
の境膜を破壊した後、再度液体を各中空糸膜に分配して
流して脱気を進めるために配設されたものである。した
がって、ハウジング内の全ての中空糸膜の中空部がこの
液体合流室と連通する必要はないが、できるだけ多くの
中空糸膜が液体合流室と連通していることが望ましい。
また、液体合流室の大きさは、中空糸膜内を流れる層流
を乱し、境膜が破壊できればよいので特に限定されな
い。
【0010】また、後述する実施例にも示されるよう
に、ハウジング内に配設される中空糸膜の有効脱気機能
部(脱気室に臨んでいる部分の中空糸膜)の長さが等し
い場合には、液体合流室の数が多い程脱気効率が向上す
るので、モジュール作製上の繁雑さと、使用時の流体の
圧損の許す範囲で液体合流室の数が多いことが望まし
い。また、液体合流室は、中空糸膜の有効脱気機能部の
中間点にできるだけ近い位置に配設するほうが脱気効率
は向上する。なお、液体合流室の配設個数に応じて脱気
室の数は増すが、この場合、各脱気室をモジュール内で
連通させれば、脱気口の数は一つですみ、脱気室を減圧
にする操作も容易に実施できるので好ましい。
【0011】本発明の脱気用中空糸膜モジュールに用い
る中空糸膜としては、水が漏れ出さない程度の細孔径を
有する多孔質層のみからなるもの、細孔のない均質層の
みからなるものおよび多孔質層と均質層の組合せによる
ものなどを用いることができるが、ガス透過機能を持つ
均質層と補強機能を持つ多孔質層から構成される複合中
空糸膜を用いるのが好ましい。
【0012】かかる複合中空糸膜の均質層を構成するポ
リマー素材としては、ガス透過性の優れたシリコンゴム
系ポリマーを始めとして、ポリジメチルシロキサン、シ
リコンとポリカーボネートの共重合体等のシリコンゴム
系ポリマー、ポリ−4−メチルペンテン−1、線状低密
度ポリエチレン等のポリオレフィン系ポリマー、パーフ
ルオロアルキル系ポリマー等のフッ素含有ポリマー、エ
チルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリ−4−ビニルピリジン、ウレタン
系ポリマーおよびこれらポリマー素材の共重合体あるい
はブレンド体等の各種ポリマーを挙げることができる。
【0013】また、多孔質層を構成するポリマー素材と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−3−メ
チルブデン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポ
リオレフィン系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、ポリス
チレン、ポリエーテルエーテルケトン等の疎水性ポリマ
ーが挙げられる。
【0014】均質層を構成するポリマー素材と、多孔質
層を構成するポリマー素材との組合せについては特に限
定されず、異種のポリマーはもちろん同種のポリマーで
あってもよい。均質層が多孔質層で物理的に挟まれたサ
ンドイッチ構造を有するものの場合には、両膜間の接着
性が悪くとも、実用上の弊害は生じない。
【0015】多孔質層は、均質層を補強し保護する機能
を主としているので、複合中空糸膜全体としてのガス透
過能に大きな制約を加えない程度の細孔を有するもので
あれば、その細孔の大きさ等については特に制限されな
い。
【0016】このような複合中空糸膜は、例えば多重円
筒型の紡糸ノズルを用いて、均質層を形成するポリマー
と、多孔質層を形成するポリマーとを交互にかつ均質層
を形成するポリマーがサンドイッチされるよう配置して
溶融紡糸し、次いで均質層の部分を多孔質化することな
く、多孔質層の部分だけが多孔質化される条件で延伸す
る方法によって製造することができる。
【0017】以下、実施例により、本発明をより具体的
に説明する。
【0018】実施例1 多孔質中空糸膜(ポリエチレン多層複合中空糸膜、MH
F200M、三菱レイヨン(株)製)を用い、液体合流
室を1つ有する図1のような構造の脱気用中空糸膜モジ
ュールを作製した。この脱気用中空糸膜モジュール中
を、下記の条件で水を通過させ、水中の溶存酸素濃度
(単位:ppm)を測定し、脱気性能を評価した。結果
を図5に示した。 水(脱気前)の平均溶存酸素濃度 7.62ppm 平均水温 28.23℃ 減圧側平均真空度 59.1Torr 真空ポンプ出ガスの平均酸素濃度 31.30vol % 中空糸膜内径 200μm 中空糸膜厚 25μm 中空糸膜有効長 260mm(l1 =130mm、l2 =130mm) 中空糸膜本数 11,520本 通水量 1リットル/min. 実施例2 図2に示すような液体合流室を2つ有する脱気用中空糸
膜モジュールを用いた以外は、実施例1と同様の条件に
よりモジュールの脱気性能を測定した。なお、中空糸膜
有効長はl3 =l4 =l5 =260/3mmである。評
価結果を図5に示した。
【0019】実施例3 図3に示すような液体合流室を3つ有する脱気用中空糸
膜モジュールを用いた以外は、実施例1と同様の条件に
よりモジュールの脱気性能を測定した。なお、中空糸膜
有効長はl6 =l7 =l8 =l9 =260/4mmであ
る。評価結果を図5に示した。
【0020】実施例4 l1 =10mm、l2 =250mmであることを除いて
は実施例1と全く同様な図1に示すような脱気用中空糸
膜モジュールを用いた以外は、実施例1と同様の条件に
よりモジュールの脱気性能を測定した。評価結果を図5
に示した。
【0021】実施例5 l1 =250mm、l2 =10mmであることを除いて
は実施例1と全く同様な図1に示すような脱気用中空糸
膜モジュールを用いた以外は、実施例1と同様の条件に
よりモジュールの脱気性能を測定した。評価結果を図5
に示した。
【0022】実施例6 l1 =200mm、l2 =60mmであることを除いて
は実施例1と全く同様な図1に示すような脱気用中空糸
膜モジュールを用いた以外は、実施例1と同様の条件に
よりモジュールの脱気性能を測定した。評価結果を図5
に示した。
【0023】実施例7 l1 =60mm、l2 =200mmであることを除いて
は実施例1と全く同様な図1に示すような脱気用中空糸
膜モジュールを用いた以外は、実施例1と同様の条件に
よりモジュールの脱気性能を測定した。評価結果を図5
に示した。
【0024】比較例1 図4に示すような液体合流室のない従来のタイプの脱気
用中空糸膜モジュールを用いた以外は、実施例1と同様
の条件によりモジュールの脱気性能を測定した。なお、
中空糸膜有効長はl0 =260である。評価結果を図5
に示した。
【0025】
【発明の効果】本発明により、脱気性能が大幅に向上し
た脱気用中空糸膜モジュールが提供され、ボイラー配管
の防錆、ビル・マンションの水道給水配管の赤水防止、
高集積度半導体製造用超純水の溶存酸素除去及び食品関
係の用途に有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱気用中空糸膜モジュールの一例を示
す模式断面図である。
【図2】本発明の脱気用中空糸膜モジュールの他の一例
を示す模式断面図である。
【図3】本発明の脱気用中空糸膜モジュールの他の一例
を示す模式断面図である。
【図4】従来の脱気用中空糸膜モジュールの一例を示す
模式断面図である。
【図5】各種の脱気用中空糸膜モジュールを使用して脱
気性能を測定した際のモジュール通水量と、モジュール
通過水のモジュール出口における酸素濃度の関係を示し
たグラフである。
【符号の説明】
1 液体入口 2 液体出口 3 脱気口 4 ハウジング 5 中空糸膜 6 ポッティング材 7 液体合流室 8 脱気室 9 液体導入端部 10 液体放出端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊屋 信之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 平井 孝之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜の中空部に液体を流し、中空糸
    膜の外周部を減圧下に保って液体中の溶存気体を除去す
    るための脱気用中空糸膜モジュールにおいて、該モジュ
    ール内の各中空糸膜の液体導入端部から液体放出端部へ
    至る間に各中空糸膜に連通する液体合流室が少なくとも
    一つ配設されてなることを特徴とする脱気用中空糸膜モ
    ジュール。
JP00172492A 1992-01-08 1992-01-08 脱気用中空糸膜モジュール Expired - Lifetime JP3224409B2 (ja)

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