JP3317753B2 - 膜分離装置及び膜モジュール - Google Patents

膜分離装置及び膜モジュール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体や液体を分離する
上で有用な膜分離装置及び膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、河川水や湖水の濾過、海水の淡水
化、原子力復水の瀘過、透析水の精製、血液瀘過、人工
透析、製薬用水や半導体用水の精製、果汁の濃縮や清浄
化、酵素や菌体の濃縮および濾過、し尿や排液の濾過、
ガス分離濃縮、液体の脱気、液液抽出、有機溶媒の回収
など様々な分野において、膜の透過性を利用した膜分離
が行われている。これらの膜分離には、通常、中空糸
型、スパイラル型、チューブ型、プリーツ型、プレート
・アンド・フレーム型などの膜モジュールを備えた膜分
離装置が用いられる。
【0003】一方、膜分離において、膜の破断などの事
故が生じると、膜の供給側から被処理流体がリークし、
未処理のまま膜の透過側へ流入する。特に、汚染された
被処理流体や粒状物を含む被処理流体を処理する場合に
は、透過成分の汚染が著しい。また、膜分離により濃縮
成分を利用する場合には、所定の膜分離効率を維持でき
ず、濃縮度が低下する。
【0004】この為、分離膜自体の耐久性を向上させる
ことが試みられているが、特に被処理流体を加圧して供
給する内圧方式などにおいては、十分な耐久性を有する
分離膜は得られていない。また、膜自体の欠陥ではな
く、装置上のトラブルや、膜モジュールの前段で行われ
る前処理などに起因して膜が損傷し、リークを引き起こ
すこともある。
【0005】そこで、膜分離装置全体として、リークを
伴うトラブルを速やかに検知し、装置の運転を制御する
必要が生じる。この様な膜モジュールからのリークを検
知する方法としては、例えば、(1)透過液の濁度によ
って検知する方法や、(2)透過液の微粒子数によって
検知する方法などが提案されている。しかしながら、こ
れらの方法は、いずれも、迅速な検出が困難であるとと
もに、濁度や微粒子数の検出方法は、清澄な被処理流体
には適用できない。そのため、適用できる被処理流体の
種類及び装置の用途が限定される。また、検出機器が高
価で装置のコスト高を招く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、分離膜が損傷したとしても、透過成分の汚染や濃縮
成分の濃縮率の低下を抑制できると共に、被処理流体の
種類に拘わらずトラブルを効率よく検出し、運転を制御
することができる膜分離装置及び膜モジュールを提供す
ることにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、安価で種々の
用途に適用することのできる膜分離装置及び膜モジュー
ルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、分離膜の透過側に、特定の分離能を有する第
二の分離膜を配すると共に、被処理流体の圧力又は流量
を検出する手段を設けることによって、前記目的を達成
できることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の膜分離装置は、被処理
流体を分離するための第一の分離膜と、第一の分離膜よ
りも大きな平均孔径を有し、第一の分離膜から透過した
流体が通過可能な第二の分離膜と、この第二の分離膜の
供給側及び/又は透過側の圧力又は流量を検出する手段
と、この検出手段からの検出信号に応答して、第一の分
離膜及び/又は第二の分離膜への流体の供給を制御する
制御手段とで構成されている膜分離装置であって、第一
の分離膜と第二の分離膜とがケーシング内に配設されて
モジュールを構成しており、このケーシングに前記検出
手段が装着され、前記ケーシングが、被処理流体を供給
する供給口と、第一の分離膜を透過しなかった成分を流
出させるための流出口と、第二の分離膜を透過した成分
を流出させるための流出口とを備えている
【0010】また、本発明の膜モジュールは、被処理流
体を分離するための第一の分離膜と、第一の分離膜より
も大きな平均孔径を有し、第一の分離膜から透過した流
体が通過可能な第二の分離膜と、この第二の分離膜の供
給側及び/又は透過側の圧力又は流量を検出する手段と
を備えている膜モジュールであって、第一の分離膜と第
二の分離膜とがケーシング内に配設され、このケーシン
グに前記検出手段が装着され、前記ケーシングが、被処
理流体を供給する供給口と、第一の分離膜を透過しなか
った成分を流出させるための流出口と、第二の分離膜を
透過した成分を流出させるための流出口とを備えてい
【0011】本明細書において、「平均孔径」とは、透
過成分のサイズに対応する平均径を意味する。例えば、
精密瀘過膜の場合、透過成分のサイズは平均孔径で表わ
すことができる。一方、例えば、限外瀘過膜や逆浸透膜
においては、孔径の測定が困難であるので、具体的に
は、限外瀘過膜の場合、透過成分のサイズは、通常分画
分子量で表わされ、また、逆浸透膜の場合、通常、食塩
排除率(食塩除去率)で表わされる。従って、本明細書
では、例えば、限外瀘過膜における分画分子量や逆浸透
膜における食塩排除率という透過成分のサイズを表わす
表現を含めて、便宜的に「平均孔径」という語を用い
る。
【0012】
【作用】前記膜分離装置や膜モジュールにおいては、第
二の分離膜又は分離膜エレメント(以下、分離膜又は分
離膜エレメントを総称して単に分離膜と称することがあ
る)の分離能が重要な役割を果たす。即ち、被処理流体
がリークしない通常の状態では、被処理流体は第一の分
離膜によって分離され、その透過した流体の少なくとも
一部が第二の分離膜に供給される。第二の分離膜は、第
一の分離膜よりも平均孔径が大きいため、前記流体は実
質的に分離されず、瀘過分離時に生じる圧力損失は小さ
い。
【0013】しかし、万一、第一の分離膜が損傷した際
には、その透過側に設けられた第二の分離膜は、特定の
大きさの成分が透過するのを規制する。すなわち、第一
の分離膜からリークした被処理流体中に含まれる特定の
大きさ以上の成分は、第二の分離膜により透過が規制さ
れるので、透過成分の汚染を抑制でき、トラブルによる
被害を最小限に止めることができる。
【0014】また、第二の分離膜による流体の瀘過分離
に伴なって圧力損失が生じる。すなわち、第二の分離膜
により流体を瀘過分離する際には、第二の分離膜の孔径
に応じた圧力損失と、透過が規制された成分が第二の分
離膜の孔を閉塞することによる圧力損失とが生じる。こ
のため、第一の分離膜から被処理流体がリークすると、
第二の分離膜において、供給側と透過側とで流体の圧力
差及び流量差が生じる。例えば、第二の分離膜の供給側
においては、定常時に比較して被処理流体の圧力及び流
量が増大し、第二の分離膜の透過側においては、被処理
流体の圧力及び流量が低下する。このような被処理流体
の圧力又は流量の変動は、リークに伴うトラブルに対応
し、このトラブルは検出手段により速やかに検出され
る。即ち、圧力検出手段や流量検出手段は、濁度や粒子
数の検出器に比べ、検出感度が高いので、リークを迅速
に検出できる。また、圧力検出手段や流量検出手段は安
価であり、膜分離装置及び膜モジュールのコストが低く
抑えられる。
【0015】そして、前記検出手段からの検出信号に応
答して、制御手段は、第一の分離膜及び/又は第二の分
離膜への流体の供給を制御するので、第一の分離膜から
のリークに対応して、透過成分の汚染、および濃縮成分
を利用する場合には濃縮度の低下を迅速に抑制できる。
【0016】また、第二の分離膜の有効な膜面積が、第
一の分離膜の有効な膜面積の50%以下である場合に
は、被処理流体中の固形粒子などの粗大成分が第二の分
離膜に迅速に蓄積され、通気又は通液性が大幅に低下す
る。そのため、透過成分の汚染を効率よく抑制できると
ともに、圧力の変化又は流量の変化の割合が大きくな
り、これらの検出がより確実かつ迅速に行える。尚、有
効な膜面積とは、実質的に通気又は通液性に関与する領
域を意味する。
【0017】
【発明の構成】以下、添付図面を参照しつつ、本発明を
より詳細に説明する。
【0018】図1は本発明の膜分離装置の一例を示す概
略図である。
【0019】前記膜分離装置は、一段目の瀘過分離を司
る第一の分離膜1を備えた第一のモジュール2と、この
第一のモジュール2の透過側(二次側)に、接続ライン
5を介して接続され、かつ第二の分離膜3を備えた第二
のモジュール4とで構成されている。前記第二の分離膜
3は、第一の分離膜1よりも大きな平均孔径を有してい
る。前記第一のモジュール2の供給側(一次側)には、
貯溜槽6に貯溜された被処理流体を供給するためのポン
プ7を備えた供給ライン8が接続されているとともに、
第一の分離膜1を透過しなかった成分(濃縮液)は循環
ライン9を通じて貯溜槽6に循環される。
【0020】前記第一のモジュール2の透過側と第二の
モジュール4の供給側とを接続する接続ライン5には、
流量を制御するための電磁バルブ10が設けられ、この
電磁バルブの上流側の接続ライン5からは、貯溜槽6へ
至る返送ライン11が分岐している。返送ライン11に
は、電磁バルブ12が設けられている。
【0021】そして、前記接続ライン5には、前記電磁
バルブ10,12の開閉を制御するための圧力検出器1
3が設けられている。図2に示すように、圧力検出器1
3からの検出信号は、基準値Vfと比較するための比較
回路14に与えられる。基準値Vfは、被処理流体がリ
ークしない通常の状態での圧力に対応して設定されてい
る。この比較回路14は、圧力検出器13からの検出値
Vが基準値Vfを越えたとき(V>Vf)、制御回路1
5のAND回路16に制御信号を与える。前記AND回
路16には、ポンプ7の制御回路18から、装置の作動
に伴う作動信号も与えられている。
【0022】前記AND回路16からの信号は、インバ
ータ17を介して、前記接続ライン5の電磁バルブ10
の開閉を制御するの駆動回路19に与えられるととも
に、返送ライン11の電磁バルブ12の開閉を制御する
ための駆動回路20にも与えられる。また、AND回路
16からの信号は、前記ポンプ7の制御回路18にも与
えられている。
【0023】このような膜分離装置では、ポンプ7を作
動させて第一及び第二のモジュール2,4により被処理
流体を処理する際、定常運転時には、返送ライン11の
バルブ12を閉じ、接続ライン5のバルブ10を開いて
運転し、第一のモジュール2を透過した成分は、接続ラ
イン5を通じて、第二のモジュール4に供給される。こ
のとき、第二の分離膜3は、被処理流体中の分離成分に
対する実質的な分離機能を有しないので、圧力損失を生
じさせることなく、前記透過成分は、第二の分離膜3を
透過して流出する。
【0024】万一、リークが生じた場合は、第一の分離
膜1からリークする被処理流体中に含まれる特定の大き
さ以上の成分は、第二の分離膜3の分離能によって透過
が規制されるので、透過成分の汚染を抑制できる。ま
た、透過が規制された成分が、第二の分離膜3の孔を閉
塞し、第二の分離膜3の供給側の被処理流体の圧力が高
くなる。
【0025】そして、圧力の増加、すなわち第一の分離
膜1からの被処理流体のリークを圧力検出器13が検出
すると、制御回路15は、前記比較回路14からの制御
信号及びポンプ7からの作動信号に応答して、電磁バル
ブ10,12を開閉するための駆動回路19、20に駆
動信号を与え、接続ライン5の電磁バルブ10を閉じ、
返送ライン11の電磁バルブ12を開く。また、AND
回路16からの信号に応答して、ポンプの制御回路18
はポンプ7の作動を停止させる。従って、第一の分離膜
1をリークした被処理流体が、第二の分離膜3の透過側
へ流入するのを抑制でき、透過成分の汚染が防止され
る。
【0026】図3は本発明の膜分離装置の他の例を示す
概略図である。図3に示す装置においては、第一の分離
膜21を備えた第一のモジュール22の透過側と、第二
の分離膜23を備えた第二のモジュール24の供給側と
は接続ライン25により接続され、この接続ライン25
から分岐した流出ライン31には、第二のモジュール2
4への流体の流量を制御するための電磁バルブ30が設
けられている。そして、前記第二のモジュール24の透
過側には、供給ライン28に設けられたポンプ27の作
動を制御するための流量検出器33が設けられている。
【0027】この例では、ポンプ27の作動による定常
運転時には、流出ライン31の電磁バルブ30の開閉度
を調節し、前記第一の分離膜21を透過した成分の一部
を接続ライン25を介して第二のモジュール24に供給
し、残部を流出ライン31を通じて流出している。前記
第一の分離膜21を透過しなかった成分は、循環ライン
29を通じて貯溜槽26に循環する。
【0028】また、この装置の電気的構成は、以下の点
を除いて、図2に示す電気的構成と共通する。すなわ
ち、(1)図2の接続ライン5の電磁バルブ10及び返
送ライン11の電磁バルブ12を、それぞれ開閉するた
めの駆動回路19,20を備えることなく、(2)流量
検出器33による検出値Vが、通常運転時の流量に対応
して設定された基準値Vf未満(V<Vf)となったと
き、比較回路14は制御回路15のAND回路16に制
御信号を与えるとともに、前記AND回路16から制御
回路18に前記ポンプ27の作動を停止するための制御
信号が与えられる。なお、ポンプ27の制御回路18に
は、AND回路16を経ることなく、比較回路14から
制御信号を直接与えてもよい。
【0029】このような装置では、例えば、貯溜槽26
の被処理液を第一のモジュール22で処理する際、万
一、第一の分離膜21からリークが生じた場合、第二の
分離膜23の孔の閉塞などに伴なって、第二のモジュー
ル24の透過側の流体の流量が低下する。そのため、前
記と同様に、AND回路16からの制御信号に応答し
て、ポンプの制御回路18はポンプ27の作動を停止さ
せる。
【0030】本発明の膜分離装置においては、第一の分
離膜で透過された透過成分の少なくとも一部を第二の分
離膜に供給すればよい。例えば、図3に示す膜分離装置
において、前記のように、透過成分の一部を第二の分離
膜の分離に供し、透過成分の残部を、第二の分離膜を介
することなく系外に流出してもよく、前記透過成分の全
量を第二の分離膜に供給してもよい。
【0031】なお、前記の例においては、分離膜を備え
た1つの第一及び第二のモジュールを直列に接続してい
るが、(1)直列に接続された複数の第一のモジュール
の間に、少なくとも1つの第二のモジュールを接続して
もよい。この場合には、第一の分離膜からリークした成
分が第二の分離膜を透過しても、第二の分離膜の下流側
に配された第一の分離膜により所定の成分を分離できる
ので、透過成分が汚染されることがない。
【0032】また、(2)直列に接続された第一及び第
二のモジュールを並列に配設してもよい。この場合、そ
れぞれの第一のモジュールの供給側には、共通する供給
ラインを接続し、それぞれの第二のモジュールの透過側
には、共通する流出ラインを接続してもよい。このよう
な装置では、並列に配設された複数の第一の分離膜によ
り被処理流体を効率よく分離できるだけでなく、万一、
第一の分離膜から被処理流体がリークしたとしても、直
列に接続された第一及び第二のモジュールで構成された
1つの系列の電磁バルブを閉じることにより、他の系列
にさほど大きな影響を与えることなく、被処理流体を処
理できる。
【0033】さらに、(3)上記(1)と(2)の態様
を組合せてもよい。すなわち、直列に接続された複数の
第一のモジュールの間に、少なくとも1つの第二のモジ
ュールを介在させて1つの処理系列を構成すると共に、
複数の前記処理系列を並列に接続してもよい。
【0034】前記の例では、第一の分離膜と第二の分離
膜とは、それぞれ、異なるモジュールを構成している
が、同一のモジュール、すなわち第一の分離膜および第
二の分離膜を備えたモジュールを構成してもよい。
【0035】さらに、本発明の膜分離装置において、比
較手段からの信号に応答して、制御手段は、前記電磁弁
とポンプの少なくとも一方の作動を制御すればよい。
【0036】本発明の膜モジュールは、瀘過分離機能を
有する第一の分離膜エレメントと、この第一の分離膜か
らのリークをキャッチするための第二の分離膜エレメン
トと、前記リークを検出するための圧力検出手段又は流
量検出手段とを備えている。このような膜モジュール
は、コンパクトであり、分離装置に装着するだけで、前
記と同様の膜分離装置を構成できる。
【0037】図4は第一の分離膜エレメント及び第二の
分離膜エレメントとして中空糸膜を用いた膜モジュール
の一例を示す概略断面図である。
【0038】前記膜モジュールは、複数の中空糸膜から
なる中空糸束で構成された第一の分離膜エレメント41
と、その透過側に配されていると共に、前記第一の分離
膜エレメント41よりも大きな平均孔径を有する複数の
中空糸膜からなる中空糸束で構成された第二の分離膜エ
レメント42とを備えている。
【0039】分離膜エレメント41,42の両端部は、
各々、その端面が開口した状態で封止固定部43により
固定され、ケーシング44内に配設されている。なお、
第一の分離膜エレメント41と、第二の分離膜エレメン
ト42は、封止固定部43の異なる領域で固定されてい
る。封止固定部43は、エポキシ樹脂、ポリウレタン等
のシール剤により分離膜エレメント41,42の間隙を
埋設し接着することにより形成されている。
【0040】前記ケーシング44の両端開口部には、蓋
体45a,45bが配設されていると共に、これらの蓋
体45a,45bの内面には、前記封止固定部43と接
触して封止し、かつ前記第一の分離膜エレメント41の
開口領域と、第二の分離膜エレメント42の開口領域と
を区画するための凸状隔壁46a,46bが形成されて
いる。
【0041】第一の分離膜エレメント41の中空部に被
処理流体を加圧して供給する内圧方式により膜分離する
ため、一方の蓋体45aのうち、前記第一の分離膜エレ
メント41の開口領域に対応する部位には、被処理流体
を第一の分離膜エレメント41の中空部へ供給するため
の供給口47aが形成され、第二の分離膜エレメント4
2の開口領域に対応する部位には、第二の分離膜エレメ
ント42を透過した成分を、中空部を通じて流出させる
ための流出口48aが形成されている。また、他方の蓋
体45bのうち、前記第一の分離膜エレメント41の開
口領域に対応する部位には、第一の分離膜エレメント4
1を透過しなかった濃縮成分を流出させるための流出口
47bが形成され、第二の分離膜エレメント42の開口
領域に対応する部位には、第二の分離膜エレメント42
を透過した成分を、中空部を通じて流出させるための流
出口48bが形成されている。
【0042】そのため、一方の蓋体45aの供給口47
aからの被処理流体は、第一の分離膜エレメント41の
中空部へ供給され、第一の分離膜エレメント41を透過
しなかった成分は、他方の蓋体45bの流出口47bか
ら流出する。また、第二の分離膜エレメント42は、第
一の分離膜エレメント41よりも大きな平均孔径を有す
るので、第一の分離膜エレメント41を透過した成分の
少なくとも一部は、大きな圧力損失を伴なうことなく、
第二の分離膜エレメント42の外面から中空部へ円滑に
流入し、中空部を通じて、蓋体45a,45bの流出口
48a,48bから流出する。第二の分離膜エレメント
42を透過する過程で、第一の分離膜エレメント41を
透過した成分は瀘過分離される。
【0043】そして、前記ケーシング44には、第一の
分離膜エレメント41を透過した成分を流出させるため
の流出口49が形成されているとともに、第二の分離膜
エレメント42の供給側、すなわち第一の分離膜エレメ
ント41の透過側の圧力を検出するため、前記流出口4
9には圧力検出器50が装着されている。
【0044】なお、前記封止固定部43とケーシング4
4と蓋体45a,45bとの間は、弾性O−リングやパ
ッキン等の封止手段によって気密に封止されている。ま
た、封止固定部43と、蓋体45a,45bの凸状隔壁
46a,46bとの間も、封止手段によって気密に封止
してもよい。
【0045】また、ケーシング44と封止固定部43と
の間、および封止固定部43と凸状隔壁46a,46b
との間は、前記封止手段に代えて、又はこれらの封止手
段とともに、接着剤、例えば、封止固定部の樹脂と同様
の樹脂などの封止手段により接合封止されていてもよ
い。
【0046】このような膜モジュールを用いると、第一
の分離膜エレメント41から被処理流体がリークする
と、前記と同様に、第二の分離膜エレメント42の瀘過
分離作用により、透過成分の汚染や濃縮成分の濃縮率の
低下が抑制されると共に、第二の分離膜エレメント42
の供給側、換言すると、第一の分離膜エレメント41の
透過側の圧力損失が大きくなる。そして、膜モジュール
内の圧力変動を、前記リークに対応させて、圧力検出器
50により検出できる。
【0047】このような膜モジュールを、例えば、図1
及び図2に示すような制御手段を備えた膜分離装置に装
着すると、前記圧力検出手段又は流量検出手段により速
やかにリークを検出し、制御手段を介して、膜モジュー
ルへの流体の供給や装置の運転を制御でき、安全性を高
めることができる。
【0048】図5は本発明の膜モジュールの他の例を示
す概略断面図である。なお、図4の膜モジュールと共通
する要素および部材には、同一符号を付して説明する。
【0049】図5に示す膜モジュールは、(1)被処理
流体が供給される側の一方の蓋体55aに凸条隔壁と流
出口とが形成されていない点、(2)第二の分離膜エレ
メント52の上記蓋体55a側の端部が封止固定部53
に埋設され、かつ端面開口部が閉塞されている点、およ
び(3)ケーシング54に1つの流出口が形成され、こ
の流出口に圧力検出器60が装着されている点を除き、
図4に示す膜モジュールと同様に構成されている。
【0050】図6は第一の分離膜エレメントとして中空
糸膜を用い、第二の分離膜エレメントとしてチューブ型
多孔体を用いた膜モジュールの例を示す概略断面図であ
る。なお、図5の膜モジュールと共通する要素および部
材には、同一符号を付して説明する。
【0051】この膜モジュールは、径大な円筒状の第二
の分離膜エレメント62の両端部が封止固定部63a,
63bの略中央部に埋設され、かつ両端開口部が閉塞さ
れている点、(2)第二の分離膜エレメント62の周囲
に、複数の中空糸からなる第一の分離膜エレメント61
が配設されている点、(3)ケーシング54の他方の端
部に配設された蓋体65bに、第一の分離膜エレメント
61の開口領域と第二の分離膜エレメント62の開口領
域とを区画し、かつ第二の分離膜エレメント62を透過
した成分の流路を構成する円筒状隔壁66bが形成され
ている点、(4)上記蓋体65bに、第一の分離膜エレ
メント61を透過しなかった濃縮成分を流出させるため
の2つの流出口67a,67bと、第二の分離膜エレメ
ント62を透過した成分を流出させるための流出口68
とが形成されている点を除き、図5に示す膜モジュール
と同様に構成されている。
【0052】図5〜図6の膜モジュールにおいても、前
記と同様に、被処理流体のリークに伴なう圧力や流量の
変動を検出手段により検出し、透過成分の汚染や濃縮成
分の濃縮度の低下を抑制できる。
【0053】図7は膜モジュールの他の例を示す概略断
面図である。この膜モジュールにおいては、中空円筒状
の第二の分離膜エレメント72内に、複数の中空糸の束
からなる第一の分離膜エレメント71が収容されてい
る。第一の分離膜エレメント71は、その両端面開口部
が、開口した状態で封止固定部73a,73bに固定さ
れ、第二の分離膜エレメント72の両端部は、封止固定
部73a,73bに端面が閉塞した状態で埋設されてい
る。前記封止固定部73a,73bは、第二の分離膜エ
レメント72を透過した成分を流出させるための流出口
79が形成されたケーシング74内に気密又は液密に配
設され、ケーシング74の両端部には蓋体75a,75
bが配設されている。
【0054】一方の蓋体75aには、第一の分離膜エレ
メント71の中空部へ被処理流体を供給するための供給
口77aが形成され、他方の蓋体75bには、第一の分
離膜エレメント71を透過しなかった濃縮成分を流出さ
せるための流出口77bが形成されている。さらに、前
記他方の蓋体75bには、前記第二の分離膜エレメント
72の中空部内であって、かつ第一の分離膜エレメント
71の非開口領域に対応する部位、すなわち供給側に
は、第一の分離膜エレメント71の開口領域と区画する
中空筒状の隔壁76bが形成され、この中空筒状の隔壁
76bに連通して、第一の分離膜エレメント71を透過
した成分を流出させるための流出口78bが形成されて
いる。この流出口78bには、第一の分離膜エレメント
71の透過側の圧力や流量を検出するための圧力検出器
80または流量検出器が設けられている。
【0055】このような膜モジュールにおいては、第一
の分離膜エレメント71の中空部に被処理流体が供給さ
れ、第一の分離膜エレメント71を透過した成分は、中
空円筒状の第二の分離膜エレメント72の中空部(供給
側)に供給され、第二の分離膜エレメント72を透過し
た成分は、第二の分離膜エレメント72の外側(透過
側)から、前記ケーシング74に設けられた流出口79
を経て流出する。そのため、リークが生じると、第二の
分離膜エレメント72の中空部内の圧力や流量が増大す
るとともに、圧力や流量の変動は、前記圧力検出器80
または流量検出器により検出される。
【0056】また、第一の分離膜エレメントが第二の分
離膜エレメント内に収容されているので、第一の分離膜
エレメントを第二の分離膜エレメントにより保護できる
とともに、膜モジュールの容積を小さくできる。
【0057】また、膜モジュールの第一の分離膜エレメ
ント71及び第二の分離膜エレメント72は、必要に応
じて、保護筒や保護ネット等の保護手段によって保護さ
れていてもよい。保護手段は、機械的強度の大きな形状
保持性を有する材料、例えば、プラスチック、金属、セ
ラミックス等で形成できる。
【0058】この様な膜モジュールにおいては、交換等
のメンテナンスを容易にするため、第一の分離膜エレメ
ント71や第二の分離膜エレメント72は、封止固定部
を備えたカートリッジを構成するのが好ましい。この場
合、分離膜エレメントが損傷したとしても、新たなカー
トリッジに容易に交換できる。
【0059】なお、前記第一の分離膜及び第二の分離膜
は、両端部に限らず、図5に示すように、少なくとも一
方の端面が閉塞されていてもよい。
【0060】本発明の膜分離装置及び膜モジュールにお
いては、前記とは逆に、中空糸で構成された第一の分離
膜(エレメント)の外面側(一次側)に被処理流体を供
給する外圧方式でもよい。この場合、第一の分離膜(エ
レメント)を備えた膜モジュールの下流側のうち、第一
の分離膜(エレメント)の端面開口領域に対応する部位
に、第二の分離膜(エレメント)と圧力検出手段又は流
量検出手段とを備えた第二の膜モジュールを連設し、第
一の分離膜(エレメント)の中空部(二次側)を第二の
分離膜(エレメント)の供給側又は透過側と連通させ、
圧力や流量の変動を前記検出手段により検出すればよ
い。
【0061】本発明の特色は、前記より明らかなよう
に、第一の分離膜(エレメント)と第二の分離膜(エレ
メント)とを特定の位置関係で組合せて配設する点にあ
る。
【0062】前記第二の分離膜(エレメント)は、前記
第一の分離膜(エレメント)よりも大きな平均孔径を有
し、特定の大きさの不純物が透過しない分離性能を有す
る。前記第二の分離膜(エレメント)の平均孔径は、第
一の分離膜の平均孔径よりも大きければよい。通常、第
一の分離膜の平均孔径に対して、2倍以上、好ましくは
5倍以上、更に好ましくは10倍以上であって、500
μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは
50μm以下である。第一の分離膜(エレメント)の平
均孔径に対する第二の分離膜(エレメント)の平均孔径
が2倍以下であると、第二の分離膜による定常運転時の
圧力損失が大きい。また、平均孔径が500μmを越え
ると、第二の分離膜(エレメント)による分離効率が小
さく、第一の分離膜(エレメント)をリークした被処理
流体による透過成分の汚染を抑制するのが困難になるば
かりでなく、リークによる圧力変化又は流量変化を迅速
に検出するのが困難になる。
【0063】第二の分離膜(エレメント)の平均孔径
は、その種類や装置の用途によって異なる。例えば、第
一の分離膜(エレメント)として、中空糸膜を採用し、
0.0005〜0.005μm程度の平均孔径を有する
ガス分離膜や逆浸透膜を用いる場合、第二の分離膜(エ
レメント)の平均孔径は、0.005〜10μm程度で
あればよく、第一の分離膜(エレメント)として、0.
001〜0.1μm程度の限外瀘過膜を用いる場合、第
二の分離膜(エレメント)の平均孔径は、0.01〜1
00μm程度であればよい。また、0.1〜8μm程度
の平均孔径を有するミクロ瀘過膜を用いる場合、第二の
分離膜(エレメント)の平均孔径は、1〜100μm程
度であればよい。
【0064】第二の分離膜(エレメント)は、通常、平
均孔径が0.1〜500μm、好ましくは、0.1〜1
00μm、更に好ましくは、0.1〜50μm程度の孔
を有している。第二の分離膜(エレメント)の孔径が
0.1μm未満であると、圧力損失が大きくなる。
【0065】好ましい第二の分離膜エレメントには、5
00μm以下、好ましくは0.01〜100μm、更に
好ましくは0.1〜50μm程度の多数の孔を有するス
キン層と支持体層とを備えた非対称膜からなり、第一の
分離膜エレメントを覆うように配された円筒状膜が含ま
れる。前記支持体層は、繊維の織布や不織布等で形成で
き、比較的大きな孔を有する多孔質層を構成する。前記
非対称膜からなる円筒状膜は、被処理流体の供給圧に対
する耐圧性が大きいので、第一の分離膜エレメントに対
する保護効果を有する。
【0066】更に、前記第二の分離膜(エレメント)の
有効な膜面積は、通常、第一の分離膜(エレメント)の
有効な膜面積の50%以下(例えば0.5〜50%)、
好ましくは1〜20%、更に好ましくは1〜10%程度
である。第二の分離膜(エレメント)の有効膜面積が前
記範囲を外れると、リーク時の被処理流体の圧力変化や
流量変化の割合が小さくなり、トラブルを迅速に検出す
るのが困難になる。また、50%を越えると、第一の分
離膜(エレメント)の損傷等に伴って透過成分が汚染さ
れ易くなる。
【0067】尚、流量検出手段を用いる場合、第二の分
離膜(エレメント)の有効な膜面積の下限は、流体が円
滑に流れる限り特に制限されず、例えば第一の分離膜
(エレメント)の有効な膜面積の0.1%以下でもよ
い。
【0068】本発明において、第一の分離膜(エレメン
ト)と第二の分離膜(エレメント)の型式及び素材は特
に限定されない。型式としては、例えば、中空糸型、ス
パイラル型、プレート・アンド・フレーム型、チューブ
型、プレート型等の膜モジュールや膜カートリッジなど
が挙げられる。なかでも、コンパクト性と膜自体の強度
の点から、第一の分離膜(エレメント)として中空糸膜
が好ましい。第二の分離膜(エレメント)としては、中
空糸膜やチューブ型多孔体膜等が好ましい。
【0069】第一の分離膜(エレメント)の素材として
は、例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1
等のオレフィン系ポリマー;ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデン
フルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体等のフッ素含有ポリマー;酢酸
セルロース等のセルロース系ポリマー;ポリ塩化ビニ
ル;ポリアクリロニトリル;ポリメタクリル酸メチル、
アクリロニトリル−メタクリル酸メチル共重合体等のア
クリル系ポリマー;シリコーン樹脂;ポリアミド;ポリ
イミド;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリフ
ェニレンオキサイド;ポリフェニレンスルフィド;ポリ
アリレート;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテ
ルイミド;ポリカーボネート;ポリビニルアルコール系
ポリマー等のポリマーなどが挙げられる。
【0070】また、第二の分離膜(エレメント)の素材
としては、上記のポリマーなどに加えて、通気又は通液
可能な種々の材料、例えば、織布や不織布、ステンレス
スチール等の金属やセラミックス等であってもよい。
【0071】これらの素材は、一種又は二種以上を用い
ることができる。多孔質とする方法も特に制限されず、
例えば、相分離、延伸等の慣用の膜形成方法のほか、焼
結、繊維状物の集合や織布等の方法が挙げられる。
【0072】分離膜としては、分離成分の種類や分離方
式に応じて種々の膜、例えば、非多孔質膜、多孔質膜、
複合膜や改質膜等が使用できる。また、第一の分離膜
(エレメント)と第二の分離膜(エレメント)の種類、
形状や素材は同一であってもよいし、異なっていてもよ
い。例えば、図6や図7に示すように、第一の分離膜エ
レメントに中空糸膜を用い、第二の分離膜エレメントに
チューブ型多孔体膜を用いて膜モジュールを構成しても
よい。その他、用途などに応じて、適宜組み合わせて用
いることができる。
【0073】第一の分離膜と第二の分離膜は、それぞ
れ、単独の膜であってもよいし、複数の膜モジュールや
膜エレメント等を組み合わせたものであってもよい。例
えば、本発明の膜モジュールは、複数の膜エレメント
が、ケーシング内に着脱可能に配設されたものであって
もよい。
【0074】第一の分離膜エレメント及び第二の分離膜
エレメントは、必要に応じて、有機溶剤による処理、プ
ラズマ放電処理、コロナ放電処理、イオン処理等の表面
処理を施した後、接着封止に供してもよい。
【0075】分離膜の端部を封止するシール剤(接着
剤)の種類は、限定されず、例えば、エポキシ樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン系ポリマ
ー、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等が挙げられる。
【0076】ケーシングの形状は、用途等に応じて適宜
選択できるが、通常、円筒状である場合が多い。ケーシ
ングの材質は、被処理流体や分離成分の種類などに応じ
て選択でき、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン等のプラスチック;ステンレススチー
ル等の金属;セラミックス等であってもよい。ケーシン
グは、通常、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ス
テンレススチール等で形成される場合が多い。
【0077】尚、前記図に示す実施例においては、圧力
検出手段や流量検出手段を用いるため、膜モジュールの
ケーシングにノズルなどは設けていないが、モジュール
内の気泡の除去等のためケーシングにノズルを設けても
よく、このようなノズルは開閉可能であってもよい。
【0078】本発明の他の特色は、前記のように第一及
び第二の分離膜(エレメント)と、圧力や流量の変動を
検出する検出手段とを組合せている点にある。圧力検出
手段または流量検出手段は、特に限定されず、被処理流
体の種類や分離方式等に応じて適宜選択することができ
る。
【0079】圧力検出手段としては、例えば、ブルトン
管式圧力検出器、キャパシスタンス式圧力センサ、半導
体ストレインゲージ式(ピエゾ抵抗効果型)圧力セン
サ、容量型圧力センサ等が挙げられる。中でも、ブルト
ン管式圧力検出器、半導体ストレインゲージ式圧力セン
サ等が好ましい。
【0080】なお、圧力検出手段を用いる場合は、第二
の分離膜の供給側及び透過側の少なくとも一方の圧力を
検出できればよいが、第二の分離膜の一次側(供給側)
と二次側(透過側)との被処理流体の圧力差を検出する
差圧式検出手段を用いると、リークをより高感度かつ速
やかに検出できるので好ましい。
【0081】流量検出手段としては、例えば、小型軽量
型電磁流量計やマイクロコンピュータを搭載したインテ
リジェント電磁流量計等の電磁流量計;伝播時間差方
式、ドップラー方式等の超音波流量計;圧電素子、歪み
ゲージ、サーミスタ、超音波センサ等の検出素子を備え
たカルマン渦流量計等が例示される。中でも、液体・気
体・蒸気の何れにも適用可能でき、非接触的に流量検出
できるカルマン渦流量計などが好ましい。
【0082】なお、流量検出手段は、第二の分離膜の供
給側、透過側のいずれにも配設できるが、第二の分離膜
の透過側に配設されることが多い。
【0083】被処理流体は、第一の分離膜の分離特性に
応じて選択でき、空気、酸素、窒素等の気体や液体を含
む流体が使用できる。液体としては、水、アルコール
類、エーテル類、エステル類、ケトン類、有機酸類、ア
ミン類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、脂環族
炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
【0084】本発明の膜分離装置及び膜モジュールは、
例えば、逆浸透、超瀘過、浸透気化、限外瀘過、精密瀘
過等の種々の分離方式を利用し、食品、排水処理、水の
精製、血液瀘過、ガス分離などの種々の分野において、
液体の分離、液体からの気体成分の分離、気体の分離等
に好適に使用できる。中でも、限外瀘過、精密瀘過や逆
浸透方式を利用し、懸濁物からの液体の分離等に好適に
使用できる。特に、原子力や火力発電用水の瀘過、排水
処理、浄水処理、人体液の瀘過など、リークした場合に
重大なトラブルを起こしやすい分野や大量処理を行う分
野に好適に用いられる。
【0085】
【発明の効果】本発明の膜分離装置及び膜モジュールに
よれば、第一の分離膜と第二の分離膜と圧力又は流量を
検出する手段とを備えているので、分離膜が損傷したと
しても、透過成分の汚染や濃縮成分の濃縮率の低下を抑
制できると共に、トラブルによる被害を最小限に止める
ことができる。また、圧力検出手段又は流量検出手段に
より、第一の分離膜からのリークを速かに検知できるの
で、被処理流体の種類に拘わらず、トラブルを効率よく
検出し、運転中止などを含めて制御でき、装置の安全性
や信頼性が高い。さらに、前記第二の分離膜の平均孔径
が第一の分離膜よりも大きいので、定常運転時には圧力
損失がなく、膜分離効率が低下することもない。
【0086】
【実施例】
実施例1〜4及び比較例1 図1に示す膜分離装置を用いて試験を行った。被処理流
体としては、濁度15度の河川水を用いた。比較回路1
4での基準値Vfは圧力1.0kg/cm2 Gに設定
し、圧力検出器13からの検出値VがVfを越えたと
き、駆動回路19,20が、制御回路15からの信号に
応答して、接続ライン5の電磁バルブ10を閉じ、返送
ライン11の電磁バルブ12を開くように設定した。
尚、第一のモジュール2及び第二のモジュール4として
は、下記のモジュールを表1に示すように組み合わせて
用いた。
【0087】第一のモジュール: A:スパイラル型逆浸透膜モジュール(膜面積:7
2 、合成高分子膜、食塩除去率:98%、平均孔径:
0.01μm以下)[ダイセル化学工業株式会社製、商
品名:SV04−DRA9810] B:中空糸型限外瀘過膜モジュール(膜面積:5m2
ポリエーテルスルホン膜、分画分子量:3万、平均孔
径:0.01μm以下)[ダイセル化学工業株式会社
製、商品名:FS10−FUS0382] C:中空糸型限外瀘過膜モジュール(膜面積:5m2
酢酸セルロース膜、分画分子量:15万、平均孔径:約
0.01μm) D:中空糸型精密瀘過膜モジュール(膜面積:3m2
ポリエーテルスルホン膜、平均孔径:0.1μm) 第二のモジュール: E:中空糸型精密瀘過膜モジュール(膜面積:0.3m
2 、ポリエーテルスルホン膜、平均孔径:0.2μm) F:チューブ型多孔質膜モジュール(膜面積:0.2m
2 、ポリメタクリル酸メチル膜、平均孔径:15μm)
[ダイセル化学工業株式会社製、商品名:パールコンM
80] 比較例1においては、第二のモジュールを配設すること
なく膜分離装置を用いた。
【0088】そして、実施例1については入口圧力15
kg/cm2 、回収率10%の条件、実施例2〜4及び
比較例1については入口圧力3kg/cm2 、回収率3
0〜80%の条件で、膜分離装置を30分間運転した
後、第一の分離膜を損傷させて運転し、何分後にリーク
を検知し装置が作動したかを測定した。結果を表1に示
す。
【0089】
【表1】 表1から明らかなように、実施例の膜分離装置では、い
ずれも13分以内にリークを検知し、装置が作動し、接
続ライン5の電磁バルブ10が閉じ、返送ライン11の
電磁バルブ12が開いた。そのため、第二のモジュール
4への原液の供給が停止し、第一の分離膜1からリーク
した被処理流体は、全量返送ライン11を通じて貯溜槽
6へ返送された。一方、比較例1の装置では、リークを
検知せず、装置が作動しなかった。また、実施例の装置
では、リークが生じても、第二の分離膜の透過水の濁度
は原水よりも低かった。
【0090】実施例5及び比較例2 図3に示す膜分離装置を用いて実施例1と同様の方法で
試験を行った。但し、第一の分離膜21の透過液の20
%が第二の分離膜23の原液として供給されるように、
電磁バルブ30の開閉度で調整した。第二の分離膜23
の透過液の流量を流量検出器33で検出し、透過液の流
量が通常運転時の30%に低下したときに、リークを検
知したとしてポンプ27を停止するように制御回路を設
定した。第一の分離膜を損傷させてから前記ポンプ27
が停止するまでの時間を測定したところ、表2に示す結
果を得た。
【0091】
【表2】 表2から明らかなように、実施例の膜分離装置では、速
やかにリークを検出し、装置を作動させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の膜分離装置を示す概略図であ
る。
【図2】図2は、図1の装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】図3は、本発明の膜分離装置の他の例を示す概
略図である。
【図4】図4は、本発明の膜モジュールを示す概略断面
図である。
【図5】図5は、本発明の膜モジュールの他の例を示す
概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の膜モジュールの更に他の例を
示す概略断面図である。
【図7】図7は、本発明の膜モジュールの他の例を示す
概略断面図である。
【符号の説明】
1、21…第一の分離膜 2、22…第一のモジュール 3、23…第二の分離膜 4、24…第二のモジュール 10、12、30…電磁バルブ 13、50、60、80…圧力検出器 14…比較回路 15…制御回路 33…流量検出器 41、61、71…第一の分離膜エレメント 42、62、72…第二の分離膜エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−183807(JP,A) 特開 昭60−25510(JP,A) 特開 平6−182164(JP,A) 実開 平6−21728(JP,U) 実開 平6−34730(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/58 B01D 61/12 B01D 61/22 B01D 65/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理流体を分離するための第一の分離
    膜と、第一の分離膜よりも大きな平均孔径を有し、第一
    の分離膜から透過した流体が通過可能な第二の分離膜
    と、この第二の分離膜の供給側及び/又は透過側の圧力
    又は流量を検出する手段と、この検出手段からの検出信
    号に応答して、第一の分離膜及び/又は第二の分離膜へ
    の流体の供給を制御する制御手段とで構成されている膜
    分離装置であって、第一の分離膜と第二の分離膜とがケ
    ーシング内に配設されてモジュールを構成しており、こ
    のケーシングに前記検出手段が装着され、前記ケーシン
    グが、被処理流体を供給する供給口と、第一の分離膜を
    透過しなかった成分を流出させるための流出口と、第二
    の分離膜を透過した成分を流出させるための流出口とを
    備えている膜分離装置
  2. 【請求項2】 被処理流体を分離するための第一の分離
    膜と、第一の分離膜よりも大きな平均孔径を有し、第一
    の分離膜から透過した流体が通過可能な第二の分離膜
    と、この第二の分離膜の供給側及び/又は透過側の圧力
    又は流量を検出する手段とを備えている膜モジュール
    あって、第一の分離膜と第二の分離膜とがケーシング内
    に配設され、このケーシングに前記検出手段が装着さ
    れ、前記ケーシングが、被処理流体を供給する供給口
    と、第一の分離膜を透過しなかった成分を流出させるた
    めの流出口と、第二の分離膜を透過した成分を流出させ
    るための流出口とを備えている膜モジュール
  3. 【請求項3】 第二の分離膜エレメントにおける流体の
    供給側と透過側との圧力差を検出する圧力検出手段を備
    えている請求項記載の膜モジュール。
  4. 【請求項4】 第二の分離膜エレメントの平均孔径が、
    第一の分離膜エレメントの2倍以上であって、かつ50
    0μm以下である請求項記載の膜モジュール。
  5. 【請求項5】 第二の分離膜エレメントの有効な膜面積
    が、第一の分離膜エレメントの有効な膜面積の50%以
    下である請求項記載の膜モジュール。
  6. 【請求項6】 第二の分離膜エレメントの平均孔径が、
    第一の分離膜エレメントの10倍以上であり、第二の分
    離膜エレメントの有効な膜面積が、第一の分離膜エレメ
    ントの有効な膜面積の1〜10%である請求項2記載の
    膜モジュール
  7. 【請求項7】 第一の分離膜エレメントが中空糸膜であ
    り、第二の分離膜エレメントが中空糸膜、チューブ型多
    孔体膜又は円筒状分離膜である請求項2記載の膜モジュ
    ール。
  8. 【請求項8】 第二の分離膜エレメントが、500μm
    以下の多数の孔を有するスキン層と支持体層とを備えた
    非対称膜であり、かつ第一の分離膜エレメントを覆うよ
    うに配された円筒膜である請求項2記載の膜モジュー
    ル。
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