JPH0518237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、部品点数が少なく、組立及び分解の
容易な膨脹式ゴムボートに関するものである。

〔従来の技術〕

キールにより底布を伸展するようにし、且つ不
使用時にコンパクトに纏め得るようにした組立式
の膨脹式ゴムボートとしては、例えば、特公昭50
−34317号公報のものが知られている。該公報に
記載の膨脹式ゴムボートは、床板（床部）を、複
数枚の分割床板を直列に連結して形成すると共
に、キールを、複数本の分割キール直列に連結し
て形成し、キールを床板に係止して床板と底布と
の間に装着することにより、底布の伸展を行うよ
うになしてある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記公報に記載の膨脹式ゴムボ
ートにおいては、分割キールと分割床板とが別個
に形成されているため、部品点数が多く、且つ膨
脹式ゴムボートの組立及び分解に際し、キールの
組立及び分解、床板の組立及び分解、並びに、キ
ールと床板との係止及びその解除が必要で、労力
を要する問題があつた。

従つて、本考案の目的は、上記の問題点を解決
し、部品点数が少なく、組立及び分解の容易な組
立式の膨脹式ゴムボートを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、複数枚の分割床板、底布、複数本の
分割キール及びトランサムを有し、該分割キール
を直列に連結してキールを形成し、該キールによ
り上記底布を伸展するようにした膨脹式ゴムボー
トにおいて、上記分割床板にそれぞれ上記分割キ
ールを一体的に結合し、又上記分割床板の分割キ
ール結合相当部分に、分割キールの内部に達する
凹溝を形成し、隣接する凹溝間に亘つて連結部材
を嵌入し、該連結部材を隣接する分割キールにそ
れぞれボルト及びナツトによつて緊結することに
より、上記分割床板及び上記分割キールを相互に
着脱可能に連結し、又上記トランサムに、上記凹
溝に嵌入されてボルト及びナツトにより上記分割
キールに緊結される第１結合部を有するステーを
設けると共に、下縁部中央部に上記凹溝に嵌入さ
れてボルト及びナツトにより上記分割キールに緊
結される第２結合部を設けて、上記トランサムを
上記分割床板に着脱可能に結合したことを特徴と
する膨脹式ゴムボートを提供することによつて上
記の目的を達成したものである。

〔実施例〕

以下、本考案の膨脹式ゴムボートを図面に示す
実施例について説明する。

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は
気柱及び底布を点線で示すそのＡ−Ａ線断面図、
第３図はその床板及びトランサムの分解平面図、
第４図はそのトランサムの背面図で、これらの図
面において、１は船体の両側部に配され船首にお
いて合体させゴム引布よりなる気柱、２は気柱の
下面に脹架されたゴム引布よりなる底布で、これ
らは、従来の膨脹式ゴムボートと同様に構成して
ある。

また、３は２枚の分割床板で、分割床板３に
は、それぞれ分割キール４を一体的に結合してあ
り、分割キール４を相互に連結することにより、
気柱１と底布２との間に側縁部が挿入される単一
の床板（床部）を２枚の分割床板３で形成し、且
つ、底布２を伸展する単一のキールを２本の分割
キール４で形成し得るようになしてある。

実施例における上記分割床板３及び上記分割キ
ールについて更に詳述すると、これらは繊維強化
樹脂補強体（FRP）により一体的に形成してあ
り、分割床板３の分割キール結合相当部分には、
分割キール４の内部に達する凹溝５を形成してあ
る。そして、隣接する分割床板３及び分割キール
４の連結は、それぞれの凹溝５間に亘つて連結部
材６を嵌入し、該連結部材６を隣接する分割キー
ル４にそれぞれボルト７及びナツト８で緊結する
ことにより行い得るようになしてある。

また、９はトランサムで、最後部の分割床板３
に着脱可能に結合し得るようになしてある。即
ち、トランサム９は、ステー１１を有し、ステー
１１の先端部の第１結合部１２を最後部の分割床
板３の凹溝５に嵌入してボルト７及びナツト８に
より該当する分割キール４に緊結し得るようにな
してある。又、トランサム９の下縁部中央部に
は、最後部の分割床板３の凹溝５に嵌入してボル
ト７及びナツト８により該当する分割キール４に
緊結し得る第２結合部１３を突設してある。この
第２結合部１３は凹溝５からの船体内への浸水を
防止する機能を有する。そして又、トランサム９
は、従来品と同様にその両側部を気柱１のゴム座
１０に嵌入して気柱１に対しても固定し得るよう
になしてある。尚、トランサム９の下縁部又はこ
れに当接する分割床板３表面には、必要に応じ水
密を図るためのゴム座を設けることができる。
又、水密の観点から、最後部の分割床板３には、
その後端部まで凹溝５を設けてなくても良い。

上述の如く構成された膨脹式ゴムボートの組立
は、分割キール４を連結部材６、ボルト７及びナ
ツト８を用いて連結し、分割床板３を底布上に配
置した状態で気柱１を膨脹させ、前後の分割床板
３の両縁部を気柱１と底布２との間に確実に挿入
した後、トランサム９を、その下縁部中央部の第
２結合部１３及びステー１１の第１結合部１２を
介して最後部の分割床板３に固定すると共に、ゴ
ム座１０を介して気柱１に固定することにより行
うことができる。この場合、分割床板３それぞれ
には分割キールが一体的に結合してあるため、分
割キール４の連結と同時に分割床板３の連結もで
きる。又、膨脹式ゴムボートの分解は、このよう
な組立の逆手順で行うことができる。

尚、本考案の膨脹式ゴムボートは上述の実施例
に制限されるものではなく、例えば、分割床板、
従つてまた分割キールの数を４つ以上としても良
い。又、分割床板を折り畳み可能に蝶番で連結し
たり、隣接する分割床板端面に段差等を設けて分
割床板の結合をより確実にしたりすることもでき
る。

〔考案の効果〕

叙上の如く、本考案の膨脹式ゴムボートは、分
割床板にそれぞれ分割キールを一体的に結合し、
且つ上記分割床板の分割キール結合相当部分に、
分割キールの内部に達する凹溝を形成し、隣接す
る凹溝間に亘つて連結部材を嵌入し、該連結部材
が隣接する分割キールにそれぞれボルト及びナツ
トによつて緊結することにより、上記分割床板及
び上記分割キールを相互に着脱可能に連結してい
るため、従来品の如くこれらを別個に形成したも
のに比べて部品点数が少ないと共に、分割板及び
分割キールの組立及び分解に際して、従来品の如
くキール及び床板をそれぞれ別個に組立及び分解
したり、キールと床板との係止及びその解除を行
う必要がなく、分割キールを相互に連結したりそ
の解除を行うだけで良いため、膨脹式ゴムボート
の組立及び分解を極めて容易に行うことができる
という絶大な実用的効果を奏するものである。

又、トランサムに、凹溝に嵌入されてボルト及
びナツトにより分割キールに緊結される第１結合
部を有するステーを設けると共に、下縁部中央部
に凹溝に嵌入されてボルト及びナツトにより分割
キールに緊結される第２結合部を設けて、上記ト
ランサムを分割床板に着脱可能に結合したので、
分解時には嵩脹らず、また組立時に凹溝から船体
内への浸水を防止することができるという絶大な
実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は
気柱及び底布を点線で示すそのＡ−Ａ線断面図、
第３図はその床板及びトランサムの分解平面図、
第４図はそのトランサムの背面図である。 ２……底布、３……分割床板、４……分割キー
ル、５……凹溝、６……連結部材、７……ボル
ト、８……ナツト、９……トランサム、１１……
ステー、１２……第１結合部、１３……第２結合
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数枚の分割床板、底布、複数本の分割キール
   及びトランサムを有し、該分割キールを直列に連
   結してキールを形成し、該キールにより上記底布
   を伸展するようにした膨脹式ゴムボートにおい
   て、 上記分割床板にそれぞれ上記分割キールを一体
   的に結合し、 又上記分割床板の分割キール結合相当部分に、
   分割キールの内部に達する凹溝を形成し、隣接す
   る凹溝間に亘つて連結部材を嵌入し、該連結部材
   を隣接する分割キールにそれぞれボルト及びナツ
   トによつて緊結することにより、上記分割床板及
   び上記分割キールを相互に着脱可能に連結し、 又上記トランサムに、上記凹溝に嵌入されてボ
   ルト及びナツトにより上記分割キールに緊結され
   る第１結合部を有するステーを設けると共に、下
   縁部中央部に上記凹溝に嵌入されてボルト及びナ
   ツトにより上記分割キールに緊結される第２結合
   部を設けて、上記トランサムを上記分割床板に着
   脱可能に結合し たことを特徴とする膨脹式ゴムボート。