JPH05180199A - 流体移送装置 - Google Patents

流体移送装置

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JPH05180199A
JPH05180199A JP14447592A JP14447592A JPH05180199A JP H05180199 A JPH05180199 A JP H05180199A JP 14447592 A JP14447592 A JP 14447592A JP 14447592 A JP14447592 A JP 14447592A JP H05180199 A JPH05180199 A JP H05180199A
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JP
Japan
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arm
wing
fluid transfer
transfer device
flow path
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Application number
JP14447592A
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English (en)
Inventor
Michihisa Tsutahara
道久 蔦原
Yukichi Kimura
雄吉 木村
Yasunari Okamoto
康令 岡本
Toru Iwata
透 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Weis−Foghメカニズムを機械的に簡単な機
構で疑似的に再現し、もって二次元的な流れを高効率で
且つ低騒音で達成し得るようにした流体移送装置を提供
する。 【構成】 流体が移送される流路2内に、板状の翼4を
少なくとも一つ以上装着したアーム5を、該翼4が上記
流路2を横切るようにして配置するとともに、該アーム
5をモータ10によって回転駆動されるクランク6の回
転運動により、上記翼4が上記流路2の流れ方向に対す
る翼各を順次連続的に変化させながら該流路2を横切っ
て移動するように揺動させることで、該翼4に“蜂の羽
ばたき運動"に近似した動きを行わせ、もってWeis−F
oghメカニズムを再現したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、流路内で翼を該流路
を横切る方向に往復動させることにより流体を移送し得
るようにした流体移送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より二次元的な流れを実現する流体
移送装置として、例えば空気調和機においてはクロスフ
ローファンが多用されている。ところが、このようなク
ロスフローファンにおいては、シロッコファンとかプロ
ペラファン等の三次元的な流れを実現するファンに比し
てその効率が悪い、低騒音化を図るにはファン径を大き
くすることが有効であるがこのようにした場合にはその
設置スペースが大きくなる、舌部とかスクロール部等の
ファン回りの形状がファン性能に大きく影響することか
らこれらが設計上の制約となる、等の諸問題があること
が予てより指摘されている。
【0003】このようなことから、全く新しいタイプの
流体移送装置の開発が望まれており、これに応えるもの
として例えば、特開昭64ー107000号公報に開示
されるようにいわゆるWeis−Foghメカニズムにより二
次元的流れを高い効率で且つ低い騒音で実現するように
したものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このWeis
−Foghメカニズムは、蜂の羽ばたき機構の観察によっ
て発見された新しい推進方法であり、上掲公知例にも示
されるように、二枚の翼を流路内に配置するとともに、
これらを該流路に直交する方向に向けて相互に接離する
ように平行移動させるとともに、そのストロークの両端
部においてそれぞれその翼角を変更させるようにしたも
のである。
【0005】ところが、このような翼の運動を厳密に機
械的に再現しようとするとその駆動機構が非常に複雑で
且つ高速運転が困難であることから、現在までのところ
実機への適用例は見当たらず、また上掲公知例において
もその具体的駆動機構については何等明示されていな
い。このようなことから、Weis−Foghメカニズムを簡
便な方法により実現し得るような技術の開発が要請され
ているところである。
【0006】そこで本願発明は、構造が簡単で且つ高速
運転が可能な機構によってWeis−Foghメカニズムを再
現し、もって二次元的な流れを高効率で且つ低騒音で達
成し得るようにした流体移送装置を提供せんとしてなさ
れたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、請求項1記載の発
明では、図1〜図24に例示するように、流体が移送さ
れる流路2内に、板状の翼4を少なくとも一つ以上装着
したアーム5を、該翼4が上記流路2を横切るようにし
て配置するとともに、該アーム5をモータ10によって
回転駆動されるクランク6の回転運動により、上記翼4
が上記流路2の流れ方向に対する翼角を順次連続的に変
化させながら該流路2を横切って移動するように揺動さ
せることを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明では、図1〜図12に
例示するように、請求項1記載の流体移送装置におい
て、上記アーム5の一端を上記クランク6の揺動端に連
結する一方、他端を上記流路2の流れ方向に略直交する
方向にスライド可能とされたスライダー8に連結させた
ことを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明では、図8及び図9に
例示するように、請求項2記載の流体移送装置におい
て、上記流路2内にその流通方向に前後して複数のアー
ム5,5,・・を配置するとともに、該各アーム5,5,・
・をそれぞれ相互に回転位相の異なるクランク6,6,・
・によって揺動させる如く構成したことを特徴としてい
る。
【0010】請求項4記載の発明では、図10〜図12
に例示するように、請求項2記載の流体移送装置におい
て、上記流路2内にその流通方向に略直交する方向に所
定間隔をもって二つのアーム5,5を配置するととも
に、該各アーム5,5をそれぞれ相互に逆位相のクラン
ク6,6によって揺動させる如く構成したことを特徴と
している。
【0011】請求項5記載の発明では、図12に例示す
るように、請求項4記載の流体移送装置において、複数
のアーム5,5,・・を上記流路2の流れ方向に略直交す
る方向に所定間隔をもって配置するとともに、該各アー
ム5,5,・・をそれぞれ駆動する各クランク6,6,・・
が隣合うもの相互間においてそれぞれ逆位相に設定した
ことを特徴としている。
【0012】請求項6記載の発明では、図13に例示す
るように、請求項1記載の流体移送装置において、上記
アーム5の一端を上記クランク6の揺動端に連結する一
方、他端を上記流路2側に枢支されたリンク11の揺動
端に連結したことを特徴としている。
【0013】請求項7記載の発明では、図14〜図23
に例示するように、請求項1記載の流体移送装置におい
て、上記アーム5を上記流路2の流れ方向に略直交する
方向に配置された支点ピン17によって揺動可能に枢支
する一方、該アーム5の揺動端には上記翼4を装着する
とともに、該翼4の装着点を翼長方向における中心に対
してオフセットさせたことを特徴としている。
【0014】請求項8記載の発明では、図14及び図1
5に例示するように、請求項7に記載の流体移送装置お
いて、上記翼4と上記アーム5の端部との間に、該アー
ム5に対する上記翼4の翼角を所定角度以下に規制する
規制部材31,32を設けたことを特徴としている。
【0015】請求項9記載の発明では、図16及び図1
7に例示するように、請求項7記載の流体移送装置にお
いて、上記翼4を可撓性材料で構成するとともに、上記
アーム5の端部に対して回動可能に支持せしめたことを
特徴としている。
【0016】請求項10記載の発明では、図18及び図
19に例示するように、請求項7記載の流体移送装置に
おいて、上記翼4を可撓性材料で構成するとともに、上
記アーム5の端部に対して固定せしめたことを特徴とし
ている。
【0017】請求項11記載の発明では、図20〜図2
2に例示するように、請求項7記載の流体移送装置にお
いて、上記アーム5と上記クランク6とを、リンクバー
15を介して連結したことを特徴としている。
【0018】請求項12記載の発明では、図21に例示
するように、請求項11記載の流体移送装置において、
上記アーム5に突起部20を形成するとともに、該突起
部20の先端部に上記リンクバー15を連結したことを
特徴としている。
【0019】請求項13記載の発明では、図22に例示
するように、請求項11記載の流体移送装置において、
上記リンクバー15の一端を上記アーム5の上記翼4を
装着した端部に連結したことを特徴としている。
【0020】請求項14記載の発明では、図23に例示
するように、請求項7記載の流体移送装置において、上
記アーム5に、その軸方向にスライド可能なスライダー
23を設けるとともに、該スライダー23と上記クラン
ク6とを連結したことを特徴としている。
【0021】請求項15記載の発明では、図24に例示
するように、請求項2記載の流体移送装置において、上
記アーム5に翼4を回転可能に支持せしめたことを特徴
としている。
【0022】
【作用】本願各発明ではかかる構成とすることによりそ
れぞれ次のような作用が得られる。
【0023】(a) 請求項1記載の発明では、モーター
10によりクランク6を回転させることにより、アーム
5はこれに取り付けられた翼4を流路2の流れ方向に対
する翼角を順次連続的に変化させながら該流路2を横切
って移動する如く揺動し、該翼4の“蜂の羽ばたき運
動"に近似した動きが実現され、これにより該翼4の翼
面においは流体の移送仕事(例えば、ファンにあっては
送風作用)が行なわれることになる。
【0024】(b) 請求項2記載の発明では、翼4を備
えたアーム5は、その一端側がクランク6によって回転
せしめられるとともに、その他端がスライダー8によっ
て上記流路2の流れ方向に略直交する方向において往復
動せしめられることで、該アーム5はその翼角を連続的
に変化させながら上記流路2の流れに略直交する方向に
往復動し、これによって上記(a)記載の如き上記翼4の
“蜂の羽ばたき運動"に近似した動きが実現されるもの
である。
【0025】(c) 請求項3記載の発明では、上記(b)記
載の作用に加えて、流路2の流れ方向に前後して複数の
アーム5,5,・・を配置するとともに、該各アーム5,
5,・・を駆動するクランク6,6,・・の回転位相を異
ならせていることから、流れ方向前方側のアーム5に設
けられた翼4と後方側のアーム5に設けられた翼4とに
よって流体の移送仕事が多段階に行なわれるものであ
る。
【0026】(d) 請求項4及び5記載の発明では、上
記(b)記載の作用に加えて、翼4を備えた複数のアーム
5,5を流路2の流れ方向に略直交する方向に配置する
とともにこれらを駆動するクランク6,6を逆位相に設
定しているので、この各アーム5,5の間に壁がなくと
も“鏡像の原理"によって壁が存在すると同様の流体移
送仕事が実現されるものである。
【0027】(e) 請求項6記載の発明では、翼4を備
えたアーム5は、その一端側がクランク6によって回転
せしめられるとともに、その他端がリンク11の揺動作
用に伴って上記流路2の流れ方向に略直交する方向にお
いて弧状軌跡をもって往復動せしめられることで、該ア
ーム5はその翼角を連続的に変化させながら上記流路2
の流れに略直交する方向に往復動し、これによって上記
(a)記載の如き上記翼4の“蜂の羽ばたき運動"に近似し
た動きが実現されるものである。
【0028】(f) 請求項7記載の発明では、アーム5
がクランク6の回転運動に伴って流路2を横切るように
して揺動すると、その揺動端に装着された翼4も上記流
路2を横切るように移動するが、この場合、該翼4は、
その装着点が翼長方向における中心(重心)に対してオフ
セットされていることから、その移動に伴って移動方向
前方側の翼面に作用する流体圧と、これと逆方向に作用
する慣性力との差分に対応した上記装着点回りのモーメ
ントを受ける。この結果、該翼4は、上記アーム5の流
路2内でこれを横切る方向に往復動する場合、その一方
側から他方側への移動の初期においては上記流体圧が慣
性力よりも大きいことから遅れ側に傾斜した翼角をとる
とともに移動の進行に伴って次第にその翼角が減少推移
するが、他方側寄りに移動した時点では逆に上記流体圧
よりも慣性力が大きくなることから今までとは逆に進み
側に傾斜した翼角をとることとなり、これによって該翼
4の“蜂の羽ばたき運動"に近似した動きが実現され、
所定の流体の移送仕事が行なわれるものである。
【0029】(g) 請求項8記載の発明では、上記(f)に
記載した作用が行なわれる場合、上記翼4の翼角によっ
て移送仕事の効率が変動するが、この時、上記アーム5
に対する翼4の翼角を規制部材31,32によって所定
値(例えば、最も効率的な移送仕事が実現できる値)以下
に規制することで、該翼4による移送能力を最大限引き
出すことが可能ならしめられるものである。
【0030】(h) 請求項9記載の発明では翼4そのも
のを可撓性材料で形成したことによる該翼4の撓曲作用
と該翼4をアーム5の揺動端に回動可能に装着したこと
による回動作用との組み合わせによって、また請求項1
0記載の発明では翼4そのものを可撓性材料で形成した
ことによる該翼4の撓曲作用によって、ともに該翼4の
翼角を上記流体圧と慣性力との相対関係により一層容易
に対応させることが可能となり、上記(g)記載の作用が
より確実に実現されるものである。
【0031】さらに、このように翼4が撓曲変形する
と、その翼後縁においては翼角が流体の流れ方向に可及
的に近似し、該翼後縁部分での流体の剥離が効果的に抑
制されるものである。
【0032】(i) 請求項11記載の発明では、上記(f)
記載の作用に加えて、アーム5をリンクバー15を介し
てクランク6に連結しているため、該リンクバー15の
アーム5への取付位置あるいは長さを変化させることで
上記アーム5の揺動形態を種々設定することができるも
のである。
【0033】(j) 請求項12記載の発明では、アーム
5に設けた突起部20とクランク6とをリンクバー15
を介して連結しているため、上記突起部20の長さある
いは形成位置を変化させることで、上記(i)に記載した
と同様に、上記アーム5の作動形態を種々設定すること
ができるものである。
【0034】(k) 請求項13記載の発明では、上記(i)
記載の作用に加えて、上記リンクバー15がアーム5の
翼4を装着した部位に直接連結されていることから、上
記クランク6の回転運動が直接的に翼4部分に伝達され
ることとなり、例えばこの回転運動を揺動するアーム5
を介して翼4に伝達する場合に比して、該翼4の振動が
抑制されるものである。
【0035】(l) 請求項14記載の発明では、上記(f)
記載の作用に加えて、上記アーム5に設けたスライダー
23を介して該アーム5とクランク6とを連結している
ので、例えばリンクを介する場合に比して、揺動部分を
よりコンパクトに形成することが可能となるものであ
る。
【0036】(m) 請求項15記載の発明では、上記(b)
記載の作用に加えて、アーム5に対して翼4が回転可能
に支持されているため、該翼4はアーム5の揺動変位の
みならずこれに作用する流体圧と慣性力によってもその
翼角が変化せしめられることとなり、例えば該翼4をア
ーム5に介して固定した場合のように該翼4の翼角がア
ーム5の行程によって一義的に設定される場合に比し
て、該翼4による流体移送仕事がより促進されることに
なるものである。
【0037】
【発明の効果】従って、本願各発明の流体移送装置によ
れば、翼4を取り付けたアーム5を流路2内で揺動させ
るという簡単な構成で該翼4に“蜂の羽ばたき運動"に
近似した動きを確実に行わしめ、これによってWeis−
Foghメカニズムを再現するようにしているので、流路
2内に二次元的な流れを高効率で且つ低騒音で実現する
ことができ、結果的に流体移送の能率向上に寄与できる
ものである。
【0038】さらに、請求項2〜15記載の発明では、
このような基本的効果に加えてそれぞれ下記する如き特
有の効果も得られるものである。
【0039】(ア) 請求項2記載の流体移送装置によれ
ば、翼4が設けられたアーム5の一端をクランク6に、
他端をスライダー8に、それぞれ連結し、該クランク6
の回転運動によって上記アーム5を揺動させて上記翼4
に“蜂の羽ばたき運動"に近似した動きを起こさせるよ
うにしているので、該クランク6の回転半径の選択によ
って上記翼4の作動形態を容易に変更設定することがで
き、被移送流体の移送条件に応じて最適な作動形態を得
ることができ、その汎用性が高められるという効果が得
られる。
【0040】(イ) 請求項3記載の流体移送装置によれ
ば、流体の移送仕事を流路2の流れ方向に前後して配置
した複数の翼4によって多段階に行うようにしているの
で、例えばこれを単一とした場合に比して、移送流体の
脈動が抑制され安定した移送作用が確保されるととも
に、より高い静圧を得て移送能力の向上を図ることが可
能ならしめられるものである。
【0041】(ウ) 請求項4及び5記載の流体移送装置
によれば、翼4を備えた複数のアーム5,5,・・を流路
2の流れ方向に直交する方向に配置するとともにこれら
を逆位相とされたクランク6,6,・・によって駆動する
ことで、該各翼4,4,・・相互間に“鏡像の原理"に基
づく流体特性、即ちこれらの間に壁がなくても壁がある
と同様の流れ状態を現出させるようにしているので、流
路2の通路面積の大小に影響されることなく常に良好な
流体移送性能を確保することができるものである。
【0042】(エ) 請求項6記載の流体移送装置によれ
ば、アーム5を支点ピン17回りに揺回動させることで
翼4の“蜂の羽ばたき運動"に近似した動きを実現する
ようにしているので、例えば該アーム5を全体的に揺動
させる場合に比して、該アーム5の支持構造が簡単とな
り、それだけ装置のコンパクト化あるいは低コスト化が
図れるものである。
【0043】(オ) 請求項7記載の流体移送装置によれ
ば、アーム5の端部に装着された翼4をその翼面に作用
する流体圧とアーム5の揺動に伴う慣性力との差分に応
じて発生するモーメントの大きさに対応して自動的にそ
の翼角が変更されるように構成しているので、移送流体
の移送条件に対応した効率的に移送作業が可能となり、
移送能力のより一層の向上が図れるという効果が得られ
る。
【0044】(カ) 請求項8記載の流体移送装置によれ
ば、上記翼4の翼角を適宜に規制し得るようにしている
ことから、この規制値を適正に設定することで上記(オ)
記載の効果がより一層確実に得られることになるもので
ある。
【0045】(キ) 請求項9及び10記載の流体移送装
置によれば、上記翼4を可撓性材料で構成しその撓曲変
形作用を利用して該翼4の翼角を変化させるようにして
いるので、上記(カ)記載の場合よりもさらに高い移送能
力が確保されることとなる。また、翼4の撓曲変形によ
り翼後縁部分での流体の剥離が抑制されることから、騒
音の発生が少なくなり、それだけ装置の静粛運転が可能
ならしめられるものである。
【0046】(ク) 請求項11〜14記載の流体移送装
置によれば、アーム5をリンクバー15あるいはスライ
ダー23を介してアーム5に連結することで、アーム5
の作動態様、即ち、翼4の作動態様を容易に選択して移
送流体の性状に対応した移送作業を実現することができ
るとともに、そのコンパクト化が促進されるものであ
る。
【0047】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて本願
発明を具体的に説明する。
【0048】第1実施例 図1及び図2には、本願の請求項1及び2記載の発明の
実施例にかかる流体移送装置としてのファン1が示され
ている。このファン1は、簡単で且つ高速運転が可能な
機構によって“蜂の羽ばたき運動"に近似した所謂Weis
−Foghメカニズムを再現して二次的な流れを高効率で
且つ低騒音のもとで実現しようとするものであって、流
路2内に配置される後述の翼ユニットXと、該翼ユニッ
トXの各翼4,4,・・をその翼角を連続的に変化させな
がら流路2を横切って往復動させるための後述の駆動機
構Yとを備えて構成されている。
【0049】上記翼ユニットXは、図2に示すように、
所定の翼弦長をもち且つ流線形断面を有する所定長さの
三枚の翼4,4,・・を、所定長さをもつ一対のアーム
5,5に対して、その厚さ方向に所定間隔をもって平行
に装着して構成される。そして、この翼ユニットXの各
翼4,4,・・は、上記アーム5,5を後述の駆動機構Y
に連結せしめた状態で、上記流路2内にこれを通路幅方
向に横切るようにして取り付けられる。尚、この各翼
4,4,・・は、後述のようにその厚さ方向に往復運動を
することによりその両面がそれぞれ選択的に正圧面とな
ることから、その軸線に対して対称な断面形状をもつ対
称翼とされている。
【0050】上記駆動機構Yは、上記流路2の流路側壁
3の下部位置に回転可能に支持され且つモーター10に
よって回転駆動されるとともにその回転中心から所定量
偏心して配置されたクランクピン7を介して上記アーム
5の一端を回動可能に連結せしめる円板状のクランク6
と、該流路側壁3の上部位置で且つ上記クランク6と上
下方向において重合する位置に上下方向に向けて配置さ
れたガイドレール9に対して摺動可能に嵌合装着される
とともに上記アーム5の他端を回転可能に連結せしめた
スライダー8とを有し、これらクランク6とスライダー
8及び上記アーム5の三者でクランク機構を構成してい
る。
【0051】そして、この駆動機構Yは、上記クランク
6の回転運動をアーム5を介してスライダー8にその上
下方向への往復運動として伝達し、該アーム5をその傾
斜角を変化させながら上下方向に往復動させることで所
定の揺動運動を実現するようになっている。従って、こ
の揺動するアーム5に装着された上記各翼4,4,・・
は、該アーム5の揺動に伴なう機械的作用によりその翼
角を連続的に変化させながら上記流路2を上下方向に往
復動し、これにより“蜂の羽ばたき運動"に近似した動
きを実現するものである。
【0052】尚、この実施例においては、上記アーム5
と各翼4,4,・・との取付角をほぼ90°に設定してい
るが、これは上記クランクピン7が上死点から下死点側
に移動する場合と、逆に下死点から上死点側に移動する
場合の双方において該各翼4,4,・・の流路2の流れに
対する翼角(換言すれば、各翼4,4,・・の送風能力)が
同じになるようにするためである。
【0053】また、この実施例においては、図1に示す
ように、上記翼ユニットXの両側にそれぞれ配置される
二つの駆動機構Y,Yのうち、その一方の駆動機構Yの
みをモーター10によって直接駆動し、他方の駆動機構
Yはこれを上記翼ユニットXを介して上記一方の駆動機
構Yにより駆動するようにしているが、他の実施例にお
いては、例えば上記翼ユニットXの長さが比較的長いよ
うな場合には、各翼4,4,・・にかかる力(ねじり力)を
軽減するとい観点から、両方の駆動機構Y,Yをそれぞ
れ専用のモーター10,10によって同期駆動させるこ
ともできる。
【0054】続いて図3〜図6を参照してこのファン1
の作動状態を説明する。先ず、図3に示す第1の行程で
は、クランクピン7が下死点位置にあり、この状態にお
いては翼ユニットXの各翼4,4,・・は流路2の下部位
置においてその流れに平行な状態にあり、従って該各翼
4,4,・・による流通抵抗は可及的に少ならしめられて
いる。
【0055】この第1の行程から、クランク6がモータ
ー10によって矢印方向に回転駆動されて図4に示す第
2の行程に移行すると、アーム5が送風方向前方に向っ
て上向きに傾斜変位するとともにその傾斜角が連続的に
変化することから、このアーム5に支持された各翼4,
4,・・は、その上面における翼角を「小→大→小」へと
連続的に変化させながら流路2を横切って上方側へ移動
せしめられ、この間に所定の送風作用を行う。そして、
この送風作用は、上記クランクピン7が上死点に達する
第3の行程(図5参照)まで継続される。
【0056】また、この第3の行程に達した時点におい
ては、各翼4,4,・・による送風作用は消滅するが、該
各翼4,4,・・は再び流路2の流れに対して平行とされ
ることから、これらが先の送風作用によって発生した空
気流の流通抵抗となることが少なく、このため送風脈動
が可及的に防止されるものである。
【0057】さらにクランク6が回転し、クランクピン
7が上死点から下死点側に移行する第4の行程(図6参
照)においては、上記アーム5が流路2の流れ方向前方
に向って下向き傾斜し且つその傾斜角が連続的に変化す
ることから、該アーム5に装着された上記各翼4,4,・
・は、その下面における翼角を「小→大→小」と連続的に
変化させながら下方に移動し、この間に所定の送風作用
を行う。そして、この送風作用は、上記クランクピン7
が再び下死点に達するまで継続される(図3参照)。
【0058】このようにアーム5の揺動に伴ってこれに
装着された各翼4,4,・・がその翼角を連続的に変化さ
せながら流路2内で上下方向に往復動せしめられること
により、連続的な送風作用が実現されるものである。
【0059】尚、図7には上記実施例の変形例を示して
いる。即ち、このファン1は、上記実施例のものがクラ
ンクピン7をアーム5の一端側に配置していたのに対し
て、このクランクピン7をアーム5の中間位置に配置し
たものである。このようにした場合には、アーム5の揺
動角を同じとする時にはクランク6の径寸法を小さくで
きることから、ファン1のコンパクト化の促進という点
において特に有利である。
【0060】第2実施例 図8には本願の請求項1,2及び3記載の発明の実施例
にかかるファン1が示されている。この実施例のもの
は、上記第1実施例のものが流路2内に翼ユニットX及
びこれに連結される駆動機構Y(以下、この一組のユニ
ットをファンユニットという)を一組だけ配置していた
のに対して、流路2内にその流れ方向に前後して二つの
ファンユニットZ1,Z2を配置したものである。そし
て、この場合、この二つのファンユニットZ1,Z2の取
付方向を上下反対とするとともに、これらを相互に逆位
相で回転させるようにしている。
【0061】このように構成した場合には、二つのファ
ンユニットZ1,Z2においてそれぞれ所定の送風作用が
なされることから、単一のファンユニットを設けたもの
に比してより大きな静圧が得られるとともに、これらが
逆位相で回転することから送風脈動がより一層抑制され
安定した送風作用が実現されるものである。
【0062】尚、この実施例においては二つのファンユ
ニットZ1,Z2を上下逆方向に配置しているが、他の実
施例においては、図9に示すように、これらを同方向に
配置し、且つ同方向において所定の回転位相をもって揺
動させるようにすることもできるものであり、この場合
にもより大きな静圧で且つ送風脈動を抑制した安定的な
送風作用が実現できるものである。
【0063】また、上記第1及び第2実施例においては
翼ユニットXをアーム5に三枚の翼4,4,・・を装着し
て構成しているが、本願発明はこれに限定されるもので
はなく、要求される送風量あるいは静圧等に応じて適宜
に設定し得るものであって、例えば翼の枚数については
翼ユニットXを一枚の翼4で構成したり、あるいは4枚
以上の翼4,4,・・で構成したりすることもできること
は勿論である。また、翼4の翼弦長についても同様であ
る。
【0064】第3実施例 図10には本願の請求項1,2及び4記載の発明の実施
例にかかるファン1が示されている。この実施例のファ
ン1は、上記第1実施例において説明したと同様の構成
をもつ翼ユニットXで構成される一対のフアンユニット
1,Z2を、流路2内にその流れ方向に直交する方向に
所定間隔をもって配置するとともに、その揺動方向を相
互に逆方向にし且つ回転位相を同位相に設定したもので
ある。
【0065】このようにした場合には、“鏡像の原理"
によって各フアンユニットZ1,Z2の間に壁がなくても
壁が有ると同様の流体移送特性が得られることから、特
に流路2の通路面積が大きくて単一のファン1のみでは
対応し切れないような場合に好適である。
【0066】また、図11に示すものは上記実施例の変
形例であって、各フアンユニットZ 1,Z2の取付方向を
上下反対にしたものであり、これにより得られる作用効
果は上記実施例のものと同様である。
【0067】第4実施例 図12には、本願の請求項1,2,4及び5記載の発明の
実施例にかかるファン1が示されている。この実施例の
ものは、上記第3実施例の場合よりもさらに流路2の通
路面積が大きい場合に対処するためのものであって、こ
の点からして該第3実施例の発展例ともいうべきもので
ある。具体的には、流路2内に、上記各実施例と同様構
造の六つのフアンユニットZ1〜Z6を該流路2の流れ方
向に直交する方向にそれぞれ所定間隔をもって配置した
ものである。従って、上記第3実施例のものと同様の作
用効果が期待できるものである。
【0068】尚、この実施例においては、特に第1フア
ンユニットZ1と第2フアンユニットZ2の間、第3フア
ンユニットZ3と第4フアンユニットZ4の間、及び第5
フアンユニットZ5と第6フアンユニットZ6の間にそれ
ぞれ仕切壁12A〜12Cを配置しているが、この各仕
切壁12A〜12Cは上述のように“鏡像の原理"から
して設けなくとも設けたと同様の作用効果が得られるこ
とは勿論である。また、同様の理由から、第2フアンユ
ニットZ2と第3フアンユニットZ3の間、及び第4フア
ンユニットZ4と第5フアンユニットZ5の間にもそれぞ
れ仕切壁13A,13Bを設けても良い。
【0069】第5実施例 図13には、本願の請求項1及び6記載の発明の実施例
にかかるファン1が示されている。この実施例のファン
1は、上記第1実施例のファン1がアーム5の一端をス
ライダー8に連結して流路2の流れ方向に直交する方向
へ移動させるようにしていたのに対して、該アーム5の
一端を、その一端が流路2の流路側壁3に枢支されたリ
ンク11の他端に連結し、該アーム5の一端をリンク1
1の揺動に伴って円弧状軌跡を描きながら上下方向へ移
動するようにしたものである。
【0070】従って、この実施例のものにおいても、上
記第1実施例のものと同様の作用効果が期待できること
は勿論であるが、それに加えて、リンク構造としたこと
によりこれをスライダー構造とする場合に比して構造が
簡単となり、それだけコストダウンに寄与できるという
効果が得られるものである。
【0071】第6実施例 図14には、本願の請求項1,7及び8記載の発明の実
施例にかかるファン1が示されている。この実施例のフ
ァン1は、翼4に“蜂の羽ばたき運動"に近似した動き
を与えることで送風作用を得るという基本的構成は上記
各実施例のものと同様であるが、該翼4に“蜂の羽ばた
き運動"を与えるための具体的構成において上記各実施
例のものとは大きく異なっている。
【0072】即ち、この実施例のファン1は、流路2の
流れに直交する方向に向けて取付けられた支点ピン17
に対して所定長さのアーム5の中間部を回転可能に枢支
せしめるとともに、該アーム5の両揺動端にそれぞれ翼
支持ピン18を介して後述する翼4を回転可能に装着し
て構成されている。また、上記アーム5は、上記支点ピ
ン17に取り付けたリンクレバー16及びこれに連結さ
れたリンクバー15を介してクランク6に連結され、該
クランク6の回転運動に伴って同図に実線図示する位置
と鎖線図示する位置の間で揺動せしめられるようになっ
ている。
【0073】上記翼4は、図15に示すように、その一
端4a側から他端4b側に向けて翼厚が漸減するような流
線状断面形状を有している。そして、この翼4は、その
翼長方向における重心位置Gよりも一端4aにオフセッ
トした位置を上記アーム5の揺動端に対する装着点とし
ている。
【0074】このように構成されたファン1において
は、上記アーム5が上記支点ピン17を中心として上下
方向に揺動すると、その両揺動端にそれぞれ設けられた
上記各翼4,4がそれぞれ“蜂の羽ばたき運動"に近似し
た動きをし、これによって所定の送風作用が行なわれる
ものである。
【0075】即ち、上記アーム5が揺動すると、その両
揺動端はそれぞれ上記流路2内において上下方向に往復
動し、これに伴って該揺動端に装着された翼4は上記流
路2を横切る方向に移動する。この場合、この翼4は、
その重心に慣性力が作用する他に、上記流路2内の空気
圧をその翼面に受け、しかもこの慣性力と翼面に作用す
る空気圧の方向は逆方向となる。従って、上述のよう
に、該翼4の上記アーム5に対する装着点がその重心位
置からオフセットされていると、該翼4には、上記支点
ピン17回りに上記慣性力と翼面圧との差分の大きさに
対応したモーメントが生じることとなる。
【0076】そして、このモーメントは、例えばアーム
5の揺動位置が図14に実線図示する位置から鎖線図示
する位置側に移動する場合、その移動の初期においては
紙面下方側に向って作用する慣性力が翼4の下面側に紙
面上方側に向って作用する空気圧よりも小さいことか
ら、該翼4は上記支点ピン17を中心として反時計回り
のモーメントを受け、同図に実線図示するように上方向
きに大きな翼角をもつこととなる。
【0077】この状態からアーム5の揺動が進行する
と、上記空気圧の大きさはほとんど変化しないが慣性力
は次第に大きくなるため、上記モーメントが次第に減少
し上記翼4の翼角が次第に小さくなる。そして、中間位
置を過ぎるころから上記空気圧と慣性力の関係が反転
し、上記モーメントの方向が逆方向に変化し、上記翼4
は下方向きの翼角をとることになる。このようにアーム
5の揺動に伴って翼4の翼角が連続的に変化することに
より、該翼4の“蜂の羽ばたき運動"に近似した動きが
実現され、所定の送風作用が行なわれるものである。
【0078】尚、上述のように、上記翼4をアーム5の
揺動端に対して回動可能に装着することで“蜂の羽ばた
き運動"に近似した動きによる送風作用が得られる訳で
あるが、この翼4による送風作用(即ち、静圧上昇能力)
は、流路2の流れ方向に対する翼4の翼角αが余り大き
くなると低下するということが本願発明者らの実験によ
って確認された。そして、効率的な静圧上昇能力が得ら
れる翼角は最大45°程度であり、望ましくは30°程
度であることも知見された。従って、上記ファン1にお
ける送風能力を高めるためには、図15に鎖線図示する
ように、請求項8記載の発明を適用して、上記アーム5
と翼4の間に、上記翼角αを適正角に規制するスプリン
グ31あるいは索32(特許請求の範囲中の規制部材に
該当する)を設ければ良い。
【0079】第7実施例 図16には、本願の請求項1,7及び9記載の発明の実
施例にかかるファン1が示されている。この実施例のフ
ァン1は、上記6実施例のファン1の変形例の一つであ
って、上記翼4の構成が異なる以外は、該第6実施例の
ものと同様の構成である。即ち、この実施例において
は、上記翼4を剛体ではなく適度の可撓性をもつ可撓性
材料で構成し、これを上記アーム5の揺動端に対して回
動可能に装着したものである。
【0080】このようにすると、図16及び図17に示
すように、上記アーム5の揺動に伴って上記翼4が上下
方向に移動する場合、該翼4は単に支点ピン17を中心
として回動するのみではなく上記モーメントの大きさに
応じて湾曲状に撓みを生じる。従って、翼後縁における
翼角は、例えばこれが上記第6実施例のもののように剛
体構造である場合に比して、送風方向に可及的に近付く
ことから、該翼後縁における空気の剥離現象が可及的に
抑制され、それだけ静粛運転が実現されるものである。
尚、この実施例においても、上記アーム5と翼4の間に
スプリング31あるいは索32を設けて最大翼角を規制
するようにしても良いことは勿論である。
【0081】第8実施例 図18及び図19には、本願の請求項1,7及び10記
載の発明の実施例にかかるファン1が示されている。こ
の実施例のファン1は、上記第7実施例の変形例の一つ
であって、該第7実施例のものが可撓性で構成された翼
4を回転可能にアーム5の揺動端に装着していたのに対
して、この実施例では該翼4をアーム5の揺動端に対し
て固定的に装着したものである。従って、この実施例の
ものにおいては、上記支点ピン17部分における回転作
用がないことから、例えば翼4にかかるモーメントが同
じとした場合には上記第7実施例のものよりは大きく撓
曲変形することとなるが、これによって得られる作用効
果は第7実施例のものとほぼ同様である。
【0082】第9実施例 図20には、本願の請求項1,7及び11記載の発明の
実施例にかかるファン1が示されている。この実施例の
ファン1は、上記第6実施例のファン1におけるアーム
5の駆動機構の変形例を示すものであって、上記第6実
施例のものがリンクレバー16とリンクバー15を介し
て直接支点ピン17を回転させるようにしていたのに対
して、レバー状のクランク6の先端とアーム5の中間位
置とをリンクバー15によって連結したものである。こ
のようにした場合には、駆動力伝達部材の点数減少及び
連結部の数の減少とによって、上記翼4の振動を低減さ
せることができ、延いては静粛運転に寄与し得るもので
ある。
【0083】第10実施例 図21には、本願の請求項1,7,11及び12記載の発
明の実施例にかかるファン1が示されている。この実施
例のファン1は、上記第9実施例のファン1の変形例の
一つであって、アーム5の中間部に側方へ突出する突起
部20を一体形成し、該突起部20の先端部とクランク
6とをリンクバー15によって連結したものである。
【0084】このようにした場合には、上記第9実施例
と同様に、上記第8実施例のものよりも駆動力伝達部材
の点数及び連結部の数を減少させることができ、それだ
け静粛運転の実現に寄与できるものである。
【0085】第11実施例 図22には、本願の請求項1,7,11及び12記載の発
明の実施例にかかるファン1が示されている。この実施
例のファン1も、上記第9実施例のファン1の変形例の
一つであって、上記リンクバー15をアーム5の揺動端
の翼装着部に直接連結したものである。
【0086】このようにした場合には、上記第9及び1
0実施例のものよりも連結部の数をさらに減少させるこ
とができ、より一層高い静粛性を実現することが可能と
なるものである。
【0087】第12実施例 図23には、本願の請求項1,7及び14記載の発明の
実施例にかかるファン1が示されている。この実施例の
ものは、上記第9〜第11実施例のものとは異なり、ク
ランク6の先端に形成したスライダー23を、上記アー
ム5に形成したガイド溝22内に摺動可能に係入させ、
該クランク6の回転に伴って上記スライダー23を上記
ガイド溝22内で摺動変位させることで上記アーム5を
揺動させるようにしたものである。
【0088】このようにした場合には、上記第9〜第1
1実施例のようにリンクバー15が不要である分だけ駆
動部分の形状をよりコンパクトに形成することができ、
特に通路面積が小さい流路2に適用する場合に好適な構
造となる。
【0089】第13実施例 図24には、本願の請求項1及び15記載の発明の実施
例にかかるファン1が示されている。この実施例のもの
は、上記第1実施例におけるアーム5に、上記第6実施
例における翼4を適用したものである。即ち、スライダ
ー8に沿って流路2の流れ方向に直交する方向へ移動す
るアーム5に、翼4,4,・を回動可能に装着したもので
ある。
【0090】従って、この実施例のファン1において
は、上記第6実施例のファン1におけると同様の作用効
果が期待できるものである。また、この実施例の変形例
として、例えば図24の翼4に変えて、第7あるいは第
8実施例の如き可撓性材料からなる翼4を装着したもの
も考えられる。
【0091】尚、上記各実施例においては流体移送装置
としてファンを例にとって説明したが、本願発明はこれ
に限定されるものではなく、例えばこれをポンプ等にも
適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施例にかかるファンの正面図
である。
【図2】図1のII−II縦断面図である。
【図3】図1に示したファンの作動説明図である。
【図4】図1に示したファンの作動説明図である。
【図5】図1に示したファンの作動説明図である。
【図6】図1に示したファンの作動説明図である。
【図7】図1に示したファンの変形例を示す断面図であ
る。
【図8】本願発明の第2実施例にかかるファンの断面図
である。
【図9】図8に示したファンの変形例を示す断面図であ
る。
【図10】本願発明の第3実施例にかかるファンの断面
図である。
【図11】図10に示したファンの変形例を示す断面図
である。
【図12】本願発明の第4実施例にかかるファンの断面
図である。
【図13】本願発明の第5実施例にかかるファンの断面
図である。
【図14】本願発明の第6実施例にかかるファンの断面
図である。
【図15】図14の要部拡大図である。
【図16】本願発明の第7実施例にかかるファンの断面
図である。
【図17】図16の要部拡大図である。
【図18】本願発明の第8実施例にかかるファンの断面
図である。
【図19】図18の要部拡大図である。
【図20】本願発明の第9実施例にかかるファンの断面
図である。
【図21】本願発明の第10実施例にかかるファンの断
面図である。
【図22】本願発明の第11実施例にかかるファンの断
面図である。
【図23】本願発明の第12実施例にかかるファンの断
面図である。
【図24】本願発明の第13実施例にかかるファンの断
面図である。
【符号の説明】
1はファン(流体移送装置)、2は流路、3は流路側壁、
4は翼、5はアーム、6はクランク、7はクランクピ
ン、8はスライダー、9はガイドレール、10はモータ
ー、Xは翼ユニット、Yは駆動機構、Z1及びZ2はファ
ンユニットである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 透 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が移送される流路(2)内に、板状の
    翼(4)を少なくとも一つ以上装着したアーム(5)を、該
    翼(4)が上記流路(2)を横切るようにして配置するとと
    もに、該アーム(5)をモータ(10)によって回転駆動さ
    れるクランク(6)の回転運動により、上記翼(4)が上記
    流路(2)の流れ方向に対する翼角を順次連続的に変化さ
    せながら該流路(2)を横切って移動するように揺動させ
    ることを特徴とする流体移送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記アーム(5)は、
    その一端が上記クランク(6)の揺動端に連結される一
    方、他端が上記流路(2)の流れ方向に略直交する方向に
    スライド可能とされたスライダー(8)に連結されている
    ことを特徴とする流体移送装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記流路(2)内にそ
    の流通方向に前後して複数のアーム(5),(5),・・を配
    置するとともに、該各アーム(5),(5),・・をそれぞれ
    相互に回転位相の異なるクランク(6),(6),・・によっ
    て揺動させる如く構成したことを特徴とする流体移送装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、上記流路(2)内にそ
    の流通方向に略直交する方向に所定間隔をもって二つの
    アーム(5),(5)を配置するとともに、該各アーム(5),
    (5)をそれぞれ相互に逆位相のクランク(6),(6)によ
    って揺動させる如く構成したことを特徴とする流体移送
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、複数のアーム(5),
    (5),・・が上記流路(2)の流れ方向に略直交する方向
    に所定間隔をもって配置されるとともに、該各アーム
    (5),(5),・・をそれぞれ駆動する各クランク(6),
    (6),・・が隣合うもの相互間においてそれぞれ逆位相
    に設定されていることを特徴とする流体移送装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、上記アーム(5)は、
    その一端が上記クランク(6)の揺動端に連結される一
    方、他端が上記流路(2)側に枢支されたリンク(11)の
    揺動端に連結されていることを特徴とする流体移送装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、上記アーム(5)は上
    記流路(2)の流れ方向に略直交する方向に配置された支
    点ピン(17)によって揺動可能に枢支される一方、該ア
    ーム(5)の揺動端には上記翼(4)が装着されるととも
    に、該翼(4)の装着点が翼長方向における中心に対して
    オフセットされていることを特徴とする流体移送装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、上記翼(4)と上記ア
    ーム(5)の端部との間に、該アーム(5)に対する上記翼
    (4)の翼角を所定角度以下に規制する規制部材(31,3
    2)が設けられていることを特徴とする流体移送装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、上記翼(4)が可撓性
    材料で構成されるとともに、上記アーム(5)の端部に対
    して回動可能に支持されていることを特徴とする流体移
    送装置。
  10. 【請求項10】 請求項7において、上記翼(4)が可撓
    性材料で構成されるとともに、上記アーム(5)の端部に
    対して固定されていることを特徴とする流体移送装置。
  11. 【請求項11】 請求項7において、上記アーム(5)と
    上記クランク(6)とが、リンクバー(15)を介して連結
    されていることを特徴とする流体移送装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、上記アーム(5)
    に突起部(20)が形成されるとともに、該突起部(20)
    の先端部に上記リンクバー(15)が連結されていること
    を特徴とする流体移送装置。
  13. 【請求項13】 請求項11において、上記リンクバー
    (15)の一端が上記アーム(5)の上記翼(4)を装着した
    端部に連結されていることを特徴とする流体移送装置。
  14. 【請求項14】 請求項7において、上記アーム(5)
    に、その軸方向にスライド可能なスライダー(23)が設
    けられるとともに、該スライダー(23)と上記クランク
    (6)とが連結されていることを特徴とする流体移送装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項2において、上記アーム(5)に
    翼(4)が回転可能に支持されていることを特徴とする流
    体移送装置。
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Cited By (3)

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CN102180245A (zh) * 2011-04-02 2011-09-14 王志成 内齿啮合平桨叶船舶推进装置
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KR20160077029A (ko) * 2013-07-09 2016-07-01 호리간 코포레이션 코달 사이클을 사용한 추진체

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