JPH05178896A - 新規なタンパク質、それをコードする遺伝子及びその産生方法 - Google Patents

新規なタンパク質、それをコードする遺伝子及びその産生方法

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JPH05178896A
JPH05178896A JP3184859A JP18485991A JPH05178896A JP H05178896 A JPH05178896 A JP H05178896A JP 3184859 A JP3184859 A JP 3184859A JP 18485991 A JP18485991 A JP 18485991A JP H05178896 A JPH05178896 A JP H05178896A
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chondromodulin
protein
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cartilage
dna
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JP3184859A
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Fujio Suzuki
不二男 鈴木
Yuji Kai
祐司 開
Hideho Tanaka
秀穂 田中
Akito Uesono
昭人 上園
Atsushi Kondo
淳 近藤
Yutaka Teranishi
豊 寺西
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Mitsubishi Kasei Corp
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    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/51Bone morphogenetic factor; Osteogenins; Osteogenic factor; Bone-inducing factor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 【構成】 牛胎児軟骨から精製された、分子量が約2
6,000ダルトンで120個または121個のアミノ
酸から成るコンドロモデュリンタンパク質(ChM)及
びそのcDNAを分離取得し、該遺伝子を発現ベクター
に組込み、異種細胞によりChMを生産させた。 【効果】 ChMは軟骨細胞増殖作用かつ血管内皮細胞
増殖抑制作用を有するため、骨折及び各種軟骨疾患の治
療薬として、また癌等の腫瘍に対する治療薬として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なタンパク質、それ
をコードする遺伝子、形質転換体、その産生方法ならび
にその用途に関する。詳しくは、軟骨細胞の増殖及び分
化機能の誘導を促す作用を有するタンパク質コンドロモ
デュリン−I及びそれをコードする遺伝子(cDNA)
と、少なくともタンパク質発現に必要なプロモーター配
列、シグナルペプチド様配列、コンドロモデュリン−I
がコードされたDNA配列及びターミネーター配列を有
する発現ベクターにより形質転換された形質転換体、さ
らにその形質転換体を培養することによりかかるコンド
ロモデュリン−Iを発現させる方法、ならびにタンパク
質コンドロモデュリン−Iを有効成分とする骨折、各種
軟骨疾患に対する治療効果を有する薬剤、癌等の腫瘍に
対する治療効果を有する薬剤としてのコンドロモデュリ
ン−Iタンパク質の用途に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする問題点】哺乳
類の大部分の骨(頭蓋骨等の平板な骨は除く)は胎児期
にまず軟骨原基が出現した後、軟骨細胞の増殖と分化、
プロテオグリカンや2型、9型、10型コラーゲン等の
軟骨原基の産生を経て、毛細血管の侵入と共に軟骨基質
が分解して、基質小胞を中心とする石灰化が始まり、最
後は骨に置換する、いわゆる“内軟骨性骨化”という仕
組みによって作られる。従って軟骨代謝は骨の形成、特
に長軸方向への伸長において非常に重要な役割を演じて
いる。
【0003】この一連の過程において種々のホルモンや
成長因子が関与している。この中にはインスリン様増殖
因子(IGF1,IGF2)、繊維芽細胞増殖因子(F
GF)、成長ホルモン、癌細胞増殖因子(TGF−β)
などが含まれる。これらの他に軟骨細胞の増殖、分化機
能の促進作用を有する因子が軟骨中に存在することが知
られていた。しかし、これまでこの因子の単一バンドま
での精製はなされておらず、その生理活性を明確に示す
ことはなされていなかった。Peter J.Neam
ら(The Journal of Biologic
al Chemistry、Vol.265.No.1
7、9628−9633,1990)は牛軟骨より、軟
骨内に存在する構成タンパク質を同定する目的でコンド
ロモデュリンと極めて類似したアミノ酸配列を持つ糖タ
ンパク質を分離した。しかし彼らはこのタンパク質の生
物学的機能の解明には至っていない。一方、かかるタン
パク質の実用的な利用のためには大量の軟骨由来のタン
パク質を必要とするが、これを軟骨組織から調製するこ
とは工業的に必ずしも容易ではない。
【0004】また骨折の治癒、各種軟骨疾患の治癒過程
においては、軟骨細胞の増殖、分化機能の発現が重要で
ある。骨折治癒過程においては、骨折部位における炎症
反応、骨膜由来細胞の増殖に続き、軟骨細胞が出現、増
殖し、軟骨細胞外基質を合成した後に、石灰化し、骨組
織に置換されて骨折治癒が完成する。すなわち骨折部位
での軟骨組織の形成は骨折修復時の骨組織の基礎であ
る。また軟骨破壊、損傷を伴う軟骨疾患からの回復過程
においては軟骨細胞の増殖が重要なことは明白である。
【0005】さらには癌組織の増殖、転移においてはエ
ネルギー獲得のために組織内への血管侵入が必須であ
る。この増殖、転移の抑制には血管浸潤を抑制すること
が重要である。しかしこれら疾患に対する軟骨細胞増
殖、血管浸潤抑制能を有する有効な薬剤は現在まで存在
しない。
【0006】
【問題点を解決するための手段】そこで本発明者らは、
このコンドロモデュリンタンパク質を組換えDNA技術
により大量に生産すべく鋭意検討を重ね、かかる目的に
有用な新規タンパク質及びそれをコードする遺伝子をは
じめて分離取得し、この遺伝子を発現ベクターに組み込
み、異種細胞によりコンドロモデュリンタンパク質を生
産させるに至った。さらに骨折、各種軟骨疾患、癌等に
対する有効な治療薬を得る目的で、それに有用なタンパ
ク質コンドロモデュリンの生理活性を解明するに至り、
本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明の要旨は、下記の理化学的
性質を有することを特徴とする新規なタンパク質コンド
ロモデュリン−I、それをコードする遺伝子、形質転換
体、その産生方法及びその用途に存する。 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動による分子量
が約26,000ドルトンである。 軟骨細胞を単独または繊維芽細胞増殖因子共存下で
増殖させる活性を有する。 軟骨細胞を分化機能を促進する活性を有する。
【0008】以下本発明をさらに詳細に説明するに、本
発明の新規なタンパク質コンドロモデュリン−I(以
下、「コンドロモデュリンタンパク質」と略す)は、例
えば後述の実施例に詳述するように牛胎児軟骨を破砕
し、それを遠心分離した上清を限外濾過膜により分画、
濃縮したものを、Sephacryl S200カラム
等による分子ふるいクロマトグラフィーによりさらに分
画したのち、YMC pack C4カラムクロマトグ
ラフィー等により溶出条件を変えて繰り返し精製するこ
とによって得られる。精製された本発明の蛋白質はSD
S−ポリアクリルアミド電気泳動による分子量が約2
6,000ドルトンであり、軟骨細胞を単独または繊維
芽細胞増殖因子共存下で増殖させる活性及び軟骨細胞の
分化機能を促進する活性を有する。
【0009】また、本発明のコンドロモデュリンタンパ
ク質は、配列番号:1に示すような120個または12
1個のアミノ酸からなるタンパク質であり、軟骨細胞の
増殖及び分化機能促進活性を損なわない範囲で一部のア
ミノ酸を除去、置換、修飾または追加するなどの改変を
行ったものも、本発明のタンパク質に含まれる。上記の
タンパク質をコードする遺伝子(cDNA)としては、
例えば、配列番号:2に示すような塩基配列を有するも
のが挙げられる。
【0010】本発明のコンドロモデュリンタンパク質を
コードする遺伝子DNA断片は例えば、次のような方法
によって得られる。本発明のタンパク質をコードする遺
伝子を含有するcDNAライブラリーとしては、牛胎児
軟骨cDNAライブラリーから利用でき、これは公知の
常法によって作製される。このcDNAライブラリーか
らλファージを富沢らの方法(「バクテリオファージの
実験」、岩波書店、99〜174、1970年)により
大腸菌に感染させ培養する。形成されたプラークを部分
cDNA断片あるいは決定した本発明のタンパク質の部
分アミノ酸配列に対応する塩基配列を持つDNA断片を
プローブとしてプラークハイブリダイゼーション法
(「モレキュラークローニング」、コールドスプリング
ハーバーラボラトリー、320〜328、1982年)
によって選択し、目的とするcDNAを得ることができ
る。
【0011】このプラークハイブリダイゼーション法に
使用するプローブには、ポリメラーゼチェイン反応(以
下、「PCR」と略す)法によって得られるコンドロモ
デュリンタンパク質をコードする遺伝子の部分cDNA
断片が用いられる(サイエンス〔Science〕、2
39、487〜491、1988年)。例えば配列番
号:1のアミノ酸配列の1〜7番目に対応する+鎖DN
Aプライマー5’GAA/GTTA/GGTA/C/G
/TAGA/GAAA/GATA/C/TA/GT3’
(20ヌクレオチド)及び5’GAA/GCTA/C/
G/TGTA/C/G/TAGA/GAAA/GATA
/C/TA/GT3’(20ヌクレオチド)と、アミノ
酸配列の93〜98番目に対応する−鎖DNAプライマ
ー5’TGA/GTAA/GTTA/GTAA/C/G
/TGGCCA3’(17ヌクレオチド)を用いてPC
Rを行い、配列番号:3に示した290bpDNA断片
を作製し、プローブとして用いる。またコンドロモデュ
リンタンパク質のアミノ酸配列より推定されるDNA配
列に基づき合成したオリゴヌクレオチドをプローブとし
て用いてもよい。
【0012】さらに上記のスクリーニング陽性のプラー
クから富沢らの方法によりファージを増殖させ、そのも
のからT.Maniatisらの方法(「モレキュラー
・クローニング」、コールド・スプリング・ハーバー・
ラボラトリー、85、1982年)によりDNAを調製
し、適切な制限酵素、例えばBamHI等で切断後、p
UC18等のプラスミドにクローンし、Sangerら
のジデオキシ法(プロシーディングス オブ ナショナ
ル アカデミー サイエンス ユー エス エー〔Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA〕、74、
5463、1977年)によって目的cDNAセグメン
トの塩基配列が決定できる。
【0013】このようにして決定されるcDNA断片の
塩基配列(配列番号:2)は、配列番号:1に示す精製
したコンドロモデュリンタンパク質の部分アミノ酸配列
(1〜7番目及び93〜98番目)に対応する塩基配列
を含む120個または121個のアミノ酸からなるタン
パク質をコードしている全長360または363ヌクレ
オチド長からなる断片であり、成熟コンドロモデュリン
タンパク質の全長構造遺伝子を含んでいる。この本発明
によるcDNA断片は配列番号:1に示すアミノ酸配列
をコードする限り、その塩基配列を改変したものも含ま
れる。
【0014】上記のようにして得られるcDNA断片は
その5’末端を修飾して、あるいは前駆体遺伝子を付加
して公知の発現ベクターにそれ自体公知の方法でプロモ
ーターの下流に挿入され、次いで上記のcDNAが挿入
された発現ベクターは、大腸菌、酵母、動物細胞宿主
等、公知の細胞中にそれ自体公知の方法で導入される。
本発明のコンドロモデュリンタンパク質の産生方法につ
き詳細に説明すると、発現ベクターとしては上記のよう
にして得られたコンドロモデュリンタンパク質をコード
するDNAを転写できる位置にプロモーターを含有して
いるものが使用される。例えば大腸菌、枯草菌等の微生
物を宿主とするときは、発現ベクターはプロモーター、
リボゾーム結合(SD)配列、コンドロモデュリンタン
パク質遺伝子、転写終結因子、及びプロモーターを制御
する遺伝子より成ることが好ましい。
【0015】プロモーターとしては、大腸菌、ファージ
等由来のもの、例えばトリプトファン合成酵素(tr
p)、ラクトースオペロン(lac)、ラムダファージ
L 、PR 、T5 初期遺伝子P25、P26プロモーター等
が挙げられる。また、これらは例えばpacプロモータ
ー(アグリカルチュラル アンド バイオロジカル ケ
ミストリー(Agric.Biol.Chem.)52
巻983−988頁(1988))のように独自に改
変、設計された配列でもよい。
【0016】リボゾーム結合配列としては、大腸菌、フ
ァージ等由来のものでもよいが、合成により作成した1
6SリボゾームRNAの3’末端領域に相補的な配列を
4塩基以上連続して持つコンセンサス配列を持ったもの
でもよい。転写終結因子は必ずしも必要ではないが、ρ
非依存性のもの、例えばリポプロテインターミネータ
ー、trpオペロンターミネーター等を有している方が
好ましい。
【0017】さらにこれらの発現に必要な因子の発現プ
ラスミド上での配列順序は、5’上流からプロモータ
ー、SD配列、コンドロモデュリンタンパク質遺伝子、
転写終結因子の順に並ぶことが望ましい。発現ベクター
として使用できるものとしては、市販のpKK233−
2(ファルマシア社製)等がある。また、融合蛋白とし
て発現させる発現ベクターpGEXシリーズ(ファルマ
シア社製)等も同様にして使用できる。
【0018】宿主の形質転換法としては、常法に従い行
うことができる。形質転換体の培養は、モレキュラー
クローニング(Molecular Cloning、
1982)に記載の方法を参考にして行うことができ
る。培養温度としては、28℃から42℃が適当であ
る。また真核生物、例えば昆虫細胞、動物(哺乳類)細
胞等においても発現ベクターを構成する基本的な単位は
前述(微生物)のものと変わらないが、以下のようなも
のが好ましい。
【0019】昆虫細胞としては、例えばインビトロジェ
ン社のバキュロウイルス発現マニュアルであるマックス
バック(MAXBACTM、BACULOVIRUS E
XPRESSION SYSTEM MANUAL V
ERSION 1.4)に従い、このキットを使用す
る。この時、発現量を上げるためにポリヘドリンのプロ
モーターから開始コドンまでの距離を変えることが好ま
しい。
【0020】動物細胞としては、プロモーターがSV4
0初期プロモーター、SV40後期プロモーター、アポ
リポプロテインE遺伝子プロモーター等が利用される。
具体的には、発現ベクターpKCR(プロシーディング
ス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス
ユー エス エー、78、1528、(1981))
あるいはpBPV MTl(プロシーディングス オブ
ナショナル アカデミー オブ サイエンス ユー
エス エー、80、398、(1983))等を基本的
な最低限の機能を失わない程度に改変、設計し(例えば
Nature,307巻604頁(1984)に記載さ
れているようにクローニングサイトを導入する、等)、
使用することができる。
【0021】発現ベクターで形質転換される動物細胞と
しては、CHO細胞、COS細胞、マウスL細胞、マウ
スC127細胞、マウスFM3A細胞等が挙げられる。
大腸菌等の微生物、昆虫細胞、および動物細胞で発現さ
せて得られる該組換えポリペプチドは、例えばコンドロ
モデュリンタンパク質の一部配列を含む合成ペプチドに
対するウサギ抗血清との免疫学的反応性により、コンド
ロモデュリンタンパク質であることが確認される。かか
る方法としては、常法であるウェスタンブロッティング
法が利用できる。
【0022】上記宿主中で上記cDNAが発現して得ら
れるコンドロモデュリンタンパク質は、公知の方法で宿
主から単離、精製される。コンドロモデュリンの生理活
性は例えば次のようにして測定される。軟骨細胞増殖活
性の評価のための細胞取得、培養、及び評価方法は鈴木
らの方法(Methods in Enzymolog
y,146,313−320,1987)に従って行
う。すなわちウサギより肋骨成長軟骨を分離し、初代軟
骨細胞を96穴プレートを用いて培養した。細胞がコン
フルエントに達した後、0.6から200ng/mlの
コンドロモデュリン及び0.4ng/mlの繊維芽細胞
増殖因子を加え、〔 3H〕チミジンの取り込みを測定し
た。図2にその結果を示す。200ng/mlのコンド
ロモデュリンを加えたときに、増殖因子非添加時の約2
8倍、0.4ng/mlの繊維芽細胞増殖因子のみ添加
時の約2.2倍の放射性チミジンの取り込みが見られ、
コンドロモデュリンが強力な軟骨細胞の増殖促進効果を
有していることが明らかとなった。
【0023】血管浸潤抑制の指標となる血管内皮細胞の
増殖抑制は大動脈内皮細胞の〔 3H〕チミジンの取り込
みの抑制として測定される。牛大動脈内皮細胞にコンド
ロモデュリンを添加して、細胞内に取り込まれる
3H〕チミジンの量を測定したところ、以下に示す通
り、コンドロモデュリンは内皮細胞への放射能の取り込
みを明らかに抑制し、血管内皮細胞の増殖を抑える活性
を有していることが明らかとなった。
【0024】このコンドロモデュリンは1ngから10
0μgを骨折部位、軟骨疾患部位にコラーゲン、アテロ
コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸、ポリエチレング
リコール、ポリ乳酸、骨セメント、ハイドロキシアパタ
イト、セラミックス、炭素繊維、フィブリン糊等の外科
手術用生体接着剤等の生体適合性担体に混合、含浸、塗
布することにより局所的に外科手術によって投与する、
または局所的に注入する、または静脈中、皮下へ投与す
ることにより骨折、各種軟骨疾患の治療薬として有用で
ある。
【0025】さらに、得られるコンドロモデュリンタン
パク質、コンドロモデュリン様タンパク質、またはこれ
を含むタンパク質は1ngから50mgを癌組織に注
入、または静脈中、皮下へ投与することにより癌の治療
薬として有効である。
【0026】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらにより詳
細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以
下の実施例によって限定されるものではない。
【0027】実施例1 コンドロモデュリンタンパク質
の精製及び部分アミノ酸配列決定 牛胎児軟骨5kgを原料に用いた。数mm角に破砕した
軟骨を10倍量(体積/重量)の緩衝液A(1Mグアニ
ジン塩酸、0.1M6−アミノ−n−カプロン酸、0.
02M2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸pH
6.0)にポリトロンを用いてホモゲナイズした。この
ホモゲネートを4℃で48時間撹拌して抽出を行ったの
ち、10,000g、20分間遠心分離して上清を回収
した。この上清に冷アセトンを終濃度45%になるよう
にゆっくりと加え、生じた沈殿を4,000rpm、3
0分間の遠心分離で除去した。この上清に終濃度65%
になるように冷アセトンをゆっくりと加え、生じた沈殿
を4,000rpm、30分間の遠心分離により回収し
た。このアセトン45〜65%画分のペレットを6リッ
トルの緩衝液B(4Mグアニジン塩酸、0.1M 6−
アミノ−n−カプロン酸、1M NaCl、0.02M
トリス塩酸pH8.0)に4℃で溶解した。10,00
0rpm、30分間の遠心により不溶物を沈殿させて除
去し、上清をアミコンXM300限外ろ過膜により分画
した。限外ろ過膜通過画分を次にアミコンXM50限外
ろ過膜にて分画し、通過画分をさらにアミコンYM10
限外ろ過膜にて500mlまで濃縮した。
【0028】この濃縮液30mlをSephacryl
S200カラム(直径2.6cm、長さ100cm)
を使い、溶出液に緩衝液Bを用いて分子篩クロマトグラ
フィーを行い分画した。溶出液230mlから310m
lの間を集め、蒸留水に対して4℃で2日間透析した。
透析終了した液を緩衝液C(0.15M NaCl、
0.03%CHAPS(界面活性剤)、0.025Mリ
ン酸ナトリウム、pH7.4)で平衡化したヘパリン−
Toyopearlカラムにて分画した。すなわち緩衝
液Cにてカラムを十分洗浄した後、0.5M NaCl
を含む緩衝液Cで溶出し、ついで1.2M NaClを
含む緩衝液Cで溶出した。この1.2M溶出画分を0.
1%TFA(トリフルオロ酢酸)を含む20%アセトニ
トリル/イソプロピルアルコール(3/7、体積/体
積)で平衡化したYMCpack C4カラム(AP−
802 S−5 300A C4、0.46×15c
m)に添加し、同有機溶媒濃度20%から70%までの
40分間の濃度勾配溶出を行い、各ピークを分取した。
蛍光分光測定(励起:280nm、最大吸収:345n
m)による溶出パターンを図1に示す。このうち14分
に溶出した画分を真空状態で乾燥後、50%TFA60
μlに溶解しポリブレン処理したグラスフィルターに添
加し、Applied Biosystems社製47
0A型シークエンサーでエドマン分解し、シークエンス
を決定した。フェニルチオヒダントイン(PTH)アミ
ノ酸の同定は三菱化成社製“MCIgel ODS 1
Hu”(0.46×15cm)カラムを用い、酢酸緩衝
液(10mM酢酸緩衝液pH4.7、0.01%SD
S、38%アセトニトリル)による単一溶媒溶出法を流
速1.2ml/分、温度43℃で行い、PTHアミノ酸
の検出は269nmの吸光度で行った。また精製したコ
ンドロモデュリンタンパク質を5M尿素を含む50mM
トリス塩酸緩衝液pH9.0に溶解し、リジルエンドペ
プチダーゼ(和光純薬製)により酵素:基質=1:20
0で、37℃6時間作用させペプチド断片を得、同様に
シークエンサーによりエドマン分解した。この結果、こ
のタンパク質のアミノ酸配列は下記の通りであることが
明らかとなった。
【0029】N末端 Glu−Leu−Val−Arg−Lys−Ile−V
al/Met−Thr−Xaa−Glu−Thr−Th
r−Arg−Arg−Leu−Arg−Ser−Gly
−Pro−Gln−Gly−Gly−Pro−Ala−
Pro−Gly−Arg−Pro (上記式中、Xaaは不明であることを示す。)
【0030】リジルエンドペプチダーゼ断片 Ile−Val−Glu−Pro−Leu−Gly−G
ly−Tyr−Asp−Pro−Trp−Pro−Ty
r−Asn−Tyr−Gln−Gly−Ser−Arg
−Ser−Ala またこの精製したコンドロモデュリンタンパク質を1
2.5%SDSポリアクリルアミド電気泳動により解析
したところ、分子量は約26,000ドルトンであるこ
とが明らかとなった。
【0031】実施例2 コンドロモデュリン蛋白質の活
性の評価 評価のための細胞の取得、培養、及び評価方法は鈴木ら
の方法(Methods in Enzymolog
y,146,313−320、1987年)に従って行
った。すなわち400〜600gの若いニュージーラン
ド兎より肋骨成長軟骨を分離し、分離した細胞をHa
m’s F−12培地とダルベッコ修飾培地の1:1混
合培養液(以下「FAD培養液」と称す)に、10%牛
胎児血清を加えたものに対し、105 細胞/mlとなる
よう懸濁した。この細胞懸濁物0.1mlを、タイプI
コラーゲン溶液(50μg/ml)で一夜コートし、F
AD培養液で一度洗浄した96穴培養プレートに蒔き、
5%二酸化炭素を含む空気存在下に37℃で培養した。
培地は一日置きに交換した。
【0032】DNA合成のアッセイは以下のごとく行っ
た。すなわち上記細胞が96穴プレート中でコンフルエ
ントに達した後、細胞を0.3%牛胎児血清を含むFA
D培養液で24時間培養した。次に培養液を0.06〜
20ngコンドロモデュリンタンパク質、0.04ng
FGF(繊維芽細胞増殖因子)、0.3%牛胎児血清
を含むFAD培養液0.1mlを加え22時間培養し
た。さらに10μlの〔 3H〕チミジン(130μCi
/ml)を加え、4時間培養した後、細胞を氷冷した燐
酸緩衝食塩水(20mM燐酸緩衝液pH7.0、0.1
5M塩化ナトリウム)で3回洗った。これを5%トリク
ロロ酢酸で抽出し、さらにエタノール:エーテル=3:
1(体積比)で抽出した。抽出後の沈殿を0.3M水酸
化ナトリウムに溶解し、これを1/20容の6M塩酸で
中和したものをシンチレーションカウンターで放射活性
を測定した。
【0033】図2にその結果を示す。200ng/ml
のコンドロモデュリンタンパク質を加えたときに、FG
F非添加時の約28倍、0.4ng FGF添加時の約
2.2倍の放射性チミジンの取り込みが見られ、コンド
ロモデュリンタンパク質が強力な軟骨細胞の増殖促進効
果を有していることが明らかとなった。
【0034】実施例3 コンドロモデュリンの血管内皮
細胞増殖抑制 コンドロモデュリン蛋白質の血管内皮細胞に対する効果
は、ウシ大動脈内皮細胞を用いて行われた。ウシ大動脈
内皮細胞2×103 /ウェルになるように96穴プレー
トに0.1mlの20%ウシ新生児血清を含むαMEM
培地と共に播種した。CO2 インキュベーター中で37
℃で48時間、培養した後、培地を新しいものに換える
と同時に0から3μg/mlのコンドロモデュリン蛋白
質を加えた。さらに37℃で12時間培養を続けた後、
3H〕チミジンを1μCi/ウェルになるように加
え、37℃で4時間、放射能の取り込みを行わせた。セ
ルハーベスターで細胞を回収しLKBβプレートを用い
て、放射能を測定した。その結果を以下に示す。結果よ
り明らかなようにコンドロモデュリンは血管内皮細胞の
増殖を抑制する効果を有している。
【0035】
【表1】 コンドロモジュリン 濃度(μg/ml) 3 1 0.45 0.15 0.068 0.023 0.001 ─────────────────────────────────── [ 3H]チミジン取 り込みのコントロー 24.2 36.4 40.4 74.5 59.2 71.6 60.1 ルに対する量(%)
【0036】実施例4 PCR法によるコンドロモデュ
リン蛋白質の部分cDNA断片の調製 基質となる牛胎児軟骨cDNAは常法に従って作製され
る。すなわち10gの牛成長軟骨よりグアニジン塩酸法
(ProNAS,74,3399−3403,197
7)に従い、ポリAを有するRNAを以下のごとく調製
した。
【0037】牛胎児成長軟骨10gを8Mグアニジン塩
酸、10mM酢酸ナトリウム(pH5.5)、0.5m
M DTT(ジチオスレイトール)からなる溶液60m
l中で破砕し、遠心分離後、上清に50%体積相当のエ
タノールを加え−20℃に30分間放置後、遠心分離し
てRNAを含む画分を沈殿として回収した。このRNA
の沈殿を7Mグアニジン塩酸、10mM酢酸ナトリウム
(pH5.5)、20mM EDTA、1mM DTT
からなる溶液30mlに溶解し50%体積相当のエタノ
ールを加えて−20℃に30分間放置後、遠心分離して
RNA画分を沈殿として回収した。さらにもう一度同様
の操作を行い、得られたRNA沈殿を20mM EDT
A12.5mlに溶解した。ブタノール:クロロホルム
=1:4で抽出し、水層に37.5mlに4M酢酸ナト
リウム(pH5.5)を加え、−15℃に一晩置いた
後、遠心操作によりRNA画分を沈殿として回収した。
【0038】この操作を3回繰り返して得られたRNA
6mgを、20mMトリス塩酸(pH7.5)、1mM
EDTAからなる溶液2.25mlに溶解し、65
℃、5分間インキュベートした後、氷中で急冷した。こ
れに0.25mlの5M NaClを加え、オリゴ(d
T)セルロースカラム(P−L Biochemica
l社製)クロマトグラフィー(カラム体積0.5ml)
にかけた。カラムに吸着したポリAを有するmRNAを
オートクレーブ滅菌した蒸留水で溶出し、ポリAを有す
るmRNA104μgを得た。cDNA合成はアマーシ
ャム社のcDNA合成システムプラスを用いて行った。
すなわち10μlポリA RNA(10μg)、10μ
lファーストストランド合成反応用バッファー、2.5
μlピロリン酸ナトリウム溶液、2.5μlヒト胎盤リ
ボヌクレアーゼインヒビター、5μlデオキシリボヌク
レオチド三リン酸混液、2.5μlオリゴ(dT)プラ
イマー、2.5μl滅菌蒸留水を加え45μlとした。
静かに混和後、5μl逆転写酵素(100ユニット)を
加え、混和し50μlとした。42℃で45分間反応さ
せた後氷上に置いた。
【0039】上記の反応液に93.5μlセカンドスト
ランド合成反応用バッファー、5μl大腸菌リボヌクレ
アーゼH、32.8μl大腸菌DNAポリメラーゼI、
43.7μl滅菌蒸留水を加え計225μlの系とし、
12℃60分間、22℃60分間、70℃10分間反応
させた。さらに2.5μl T4ポリメラーゼ(10ユ
ニット)を加え37℃10分間反応させた。得られた2
本鎖DNA2μgをエタノール沈殿として回収した。
【0040】この様にして得られたcDNA2μgを2
00μlの滅菌蒸留水に溶解しこれを基質cDNAとし
た。PCRはパーキン・エルマー・シータス・DNA・
サーマル・サイクラー(Perkin・Elmer・C
etus・DNA・Thermal Cycler)を
使用して、使用説明書に基づき、ジーンアンプキット
(Gene Amp DNA Amplificati
on ReagentKit、宝酒造製)を使って行っ
た。すなわち基質cDNA2μl(20ng相当量)、
10倍濃度の反応緩衝液〔500mM塩化カリウム、1
00mMトリス塩酸pH8.3、15mM塩化マグネシ
ウム、0.1%(w/v)ゼラチン〕10μl、1.2
5mM 4dNTP 16μl、40μMプライマー#
1として配列番号:1のアミノ酸配列の1−7番目に対
応する+鎖DNAプライマー5’GAA/GTTA/G
GTA/C/G/TAGA/GAAA/GATA/C/
TA/GT 3’(20ヌクレオチド)及びプライマー
#2として5’GAA/GCTA/C/G/TGTA/
C/G/TAGA/GAAA/GATA/C/TA/G
T 3’(20ヌクレオチド)各5μl、配列番号:1
のアミノ酸配列の93−98番目に対応する−鎖DNA
プライマーを#3プライマーとして(40μM)5’T
GA/GTAA/GTTA/GTAA/C/G/TGG
CCA 3’(17ヌクレオチド)5.5μl、Taq
DNAポリメラーゼ0.5μlを加え100μlの系と
する。反応は94℃、10分間の前処理後、94℃1分
(変性ステップ)、44℃1.5分間(アニーリングス
テップ)、72℃2分間(伸長ステップ)のインキュベ
ーションを35サイクル行った。得られた反応液をフェ
ノール:クロロホルム=1:1で抽出し、エタノール沈
殿を行った。この沈殿を20μlの滅菌蒸留水に溶解
し、5%アクリルアミド電気泳動を行い、290bpの
バンドを常法に従って切り出しDNAフラグメントを回
収し、エタノール沈殿を行った。DNA沈殿を16μl
滅菌蒸留水に溶解し、10倍濃度のT4DNAポリメラ
ーゼ緩衝液(0.33Mトリス−酢酸pH7.9、0.
66M酢酸カリウム、0.1M酢酸マグネシウム、5m
M DTT)2μl、1.25mM4dNTP 1μ
l、T4DNAポリメラーゼ1μl(6ユニット)を加
え20μlの系とし37℃で30分間反応させ、2本鎖
の平滑末端を得た。このDNAフラグメントをpUC1
8ベクターのSmaI部位に挿入してデュポン社の蛍光
DNAシーケンサーを用いてその塩基配列を決定した。
その結果核PCRフラグメントの塩基配列は配列番号:
3に示す通りであり、290bpDNAフラグメントが
コードするアミノ酸配列のうち5’側から28アミノ酸
が配列番号:1の1〜28番目のアミノ酸に、また3’
側から15アミノ酸が配列番号:1の83〜95番目の
アミノ酸に相当し、精製コンドロモデュリンタンパク質
から決定したアミノ酸配列に一致した。
【0041】実施例5 牛コンドロモデュリンタンパク
質の完全長cDNAのスクリーニング スクリーニングを行うλファージcDNAライブラリー
としては牛胎児軟骨cDNA−λgt10ライブラリー
を用いた。このcDNAライブラリーは実施例1で作製
したcDNAをアマーシャム社cDNAクローニングシ
ステムを用いてλgt10ファージに組み込んで構築し
た。すなわち二本鎖牛胎児軟骨cDNA2μgを蒸留水
13.5μlに溶解し、2μlのL/Kバッファー、
2.5μlのEcoRIアダプター、2μlのT4DN
Aリガーゼ(5ユニット)を加えてよく混和後15℃で
一夜インキュベートした。このライゲートされたDNA
をTE緩衝液(10mMトリス塩酸pH7.4、1mM
EDTA)で平衡化したキット付属のカラムで未反応
アダプターを除去して、アダプターがライゲートされた
cDNAのみを回収した。回収したcDNA溶液770
μlに86μlのL/K緩衝液、10μlのT4カイネ
ース(80ユニット)を加えて37℃で30分間反応さ
せた。反応後フェノール:クロロホルム=1:1で2
回、クロロホルム:イソアミルアルコール=24:1で
2回抽出した後、ブタノールで220μlまで濃縮して
20μlの4M酢酸ナトリウムpH5.5、5,500
μlのエタノールを加えてエタノール沈殿としてDNA
を回収した。
【0042】回収したDNAを40μlの蒸留水に溶解
した。このDNA溶液4μlに2μlのλgt10アー
ム、1μlのL/K緩衝液、2μlの蒸留水、1μlの
ライゲースを加えて15℃で一夜インキュベートした。
アダプターが結合したcDNAはストラタジーン社のギ
ガパックゴールドパッケージングキットを用いてλファ
ージ粒子中にパッケージングした。すなわち4μlのc
DNA溶液(80ng相当)を使い、キット付属の説明
書にしたがって反応を行った。反応液50μlのファー
ジ希釈溶液(100mM NaCl、8mM塩化マグネ
シウム、50mMトリス塩酸pH7.5、0.01%ゼ
ラチン)と20μlのクロロホルムを加えファージのス
トックとした。完成したバンクのタイターはNM514
菌を用いたときに2.4×106 プラーク形成単位/m
lであった。コンドロモデュリンタンパク質cDNAの
スクリーニングはこのバンクを増幅させたものを用いて
行った。得られた増幅バンクのタイターはNM514菌
を用いたときに2×1011プラーク形成単位/mlであ
った。
【0043】バンクのスクリーニングはクローニングシ
ステムの説明書に従い、直径15cmのプレートを用い
て行った。5.4×105 クローンのファージを大腸菌
NM514株に感染させ直径15cmのシャーレ中のL
B軟寒天培地(LB軟寒天培地;1%酵母抽出物、0.
5%バクトトリプトン、0.5%塩化ナトリウム、0.
7%アガロースをオートクレーブしたもの)中で1枚当
り2.0×104 クローンの割合で27枚分を37℃で
7.5時間培養した。次に培地中のλファージクローン
を市販のニトロセルロース膜であるBA85(S&S
社)上に移し取り、以下に説明するプラークハイブリダ
イゼーションを行った。すなわち、1枚のシャーレあた
りニトロセルロース膜2枚の割合でファージ粒子を移し
取り、そのようにしてできたニトロセルロース膜を0.
1M水酸化ナトリウム−1.5M塩化ナトリウムが染み
込んだ濾紙上に2分間静置し、続いて1.5M塩化ナト
リウム、0.5Mトリス−塩酸pH7.4が染み込んだ
濾紙上で5分間静置した。次に、2×SSC(2倍SS
C溶液)でこのニトロセルロース膜を洗浄し、乾いた濾
紙上で風乾した後、80℃で2時間静置した。
【0044】こうして処理したニトロセルロース膜は、
2×SSCで一度洗浄し、次にニトロセルロース膜1枚
当り、1.5mlのハイブリダイゼーション液〔6×S
SC、0.1%SDS,5×Denhardt(50倍
濃度のDenhardt;1%牛血清アルブミン、1%
ポリビニルピロリドン、1%フィコール400)、10
μg/ml鮭精子DNA〕に62℃で2時間浸した。次
に、実施例4で作製した290bpDNA断片をアマー
シャム社ランダムプライマーDNAラベリングキットを
用いて、キット付属の説明書に従って32P標識した。こ
うしてできあがった32P標識DNA断片を含むハイブリ
ダイゼーション液(1μCi/ml)中で、上述のフィ
ルターを62℃で20時間保温した。その後ニトロセル
ロース膜を取り出し6×SSC、0.1%SDS溶液中
で室温で15分間洗浄し、さらに2×SSC、0.1%
SDS溶液中で62℃で30分間、2回洗浄してオート
ラジオグラフィーをとった。
【0045】2枚1組のニトロセルロース膜のオートラ
ジオグラフィー上のポジティブなシグナルが一致したプ
ラークは約1300個あった。これらのポジティブプラ
ークのシングルプラークアイソレーションを上述と同様
なプラークハイブリダイゼーションにより行い、10個
のポジティブなファージを得た。これらファージはプラ
ークをガラス管で打ち抜きSMG緩衝液(50mMトリ
ス−塩酸pH7.5、100mM塩化ナトリウム、10
mM塩化マグネシウム、0.01%ゼラチン)500μ
lに懸濁し、10μlのクロロホルムを加えて冷蔵保存
した。
【0046】実施例6 cDNA断片のサブクローニン
グ及び塩基配列の決定 これらのλファージクローンから以下のように、DNA
を抽出しプラスミドベクターpUC18、pUC19に
サブクローニングを行った。すなわち、SMG緩衝液に
懸濁してあるλファージクローン2×105 プラーク形
成単位と大腸菌NM514株3×107 を37℃で15
分間置くことにより感染させた。これを実施例2で述べ
た方法により15cmのLBプレートにまき、37℃で
8時間培養した。このプレートを4℃に1時間置いたの
ち、8mlのSMG緩衝液を加え、4℃で2.5時間振
とうした。このライゼートに2滴のクロロホルムを加え
かくはんし2,000rpm、10分間遠心分離した。
この上清に1μl/mlになるように牛すい臓のDNa
seIを加え室温に30分間置いて、大腸菌ゲノムのD
NAを消化した。これに1Mになるように塩化ナトリウ
ムを加え氷上に30分間置いた後、9,300rpmで
10分間遠心分離し上清を回収した。この上清3mlに
3gのポリエチレングリコール8000を溶解し氷上に
1時間置いた後、9,300rpm、10分間遠心分離
してファージ粒子を回収した。回収したファージを3m
lのSMG緩衝液に懸濁し、等量のクロロホルムを加え
てかくはんし2200rpmで15分間遠心した。この
上清に2.25gの塩化セシウムを溶解し、日立SW5
5Tiローターで38,000rpm、15℃で19時
間遠心したファージ粒子のバンドをチューブ側面より2
1G注射針を差し込むことにより回収した。このファー
ジ懸濁液を1リットルの10mM塩化ナトリウム、50
mMトリス塩酸pH8.0、10mM塩化マグネシウム
に対して、2回、1時間ずつ透析した後、EDTAを2
0mMになるように加え、さらにプロテナーゼKを50
μg/mlになるようにSDSを0.5%になるように
加えて56℃に1時間置いてファージタンパク質を消化
した。これを等量のフェノールで1回、等量のフェノー
ル:クロロホルム=1:1で1回、同じく等量のクロロ
ホルムで1回抽出し、15,000rpm、1分間遠心
操作を行い、水層を回収した。
【0047】ファージDNAをエタノール沈殿により回
収し、25μlの滅菌蒸留水に溶解した。このDNA溶
液から1.5μlを採り、制限酵素BamHIで消化し
てアガロース電気泳動で挿入cDNA断片の長さを解析
した。最も挿入断片の長かったクローンのDNA20μ
lをBamHIで切断し挿入cDNA断片をクローニン
グベクターpUC18のBamHIサイトにクローニン
グした(ペラスミドpUCHM26)。クローニングさ
れたDNAをBamHI/BglIIで切断し、約0.
5kbおよび約0.9kbのcDNA断片をpUC18
BamHIサイトに再度クローニングして、デュポン
社蛍光DNAシーケンサーを使って塩基配列を決定した
ところ、配列番号:2に示すような塩基配列が得られ
た。すなわちコンドロモデュリンタンパク質のN末端ア
ミノ酸配列を含む121または120アミノ酸をコード
している全長363または360塩基対からなるコンド
ロモデュリンタンパク質をコードするcDNAが得られ
た。
【0048】実施例7 コンドロモデュリン−Iタンパ
ク質発現プラスミドの構築 実施例6で得たコンドロモデュリン−IcDNA(バイ
オケミカルバイオフィジカルリサーチコミニュケーショ
ン(Biochem.Biophys.Res.Com
un.)175巻91頁(1991))を含むプラスミ
ドpUCHM26を常法(「モレキュラークローニン
グ」、コールドスプリングハーバーラボラトリー、86
−96頁(1982))により調製した。次に該プラス
ミドDNA10μgを制限酵素ScaIで消化し、得ら
れたDNA断片をフェノール/クロロホルム抽出を行
い、エタノール沈殿により該DNA断片を精製し10μ
lの水に溶解した。次にこのDNA断片のScaI切断
点に8塩基よりなるEcoRIリンカー(5'GGAAT
TCC3')をManiatisらの方法(「モレキュラ
ークローニング」、396頁(1982)に従い導入し
プラスミドpUCHM261を得た。
【0049】次にプラスミドpUCHM261DNA1
0μgを制限酵素EcoRIで消化し、コンドロモデュ
リン−I前駆体のコーディング領域を含む約1.25k
bDNA断片を0.8%アガロースゲルに電気泳動する
ことにより他のDNA断片と分離し、該DNA断片をM
aniatisらの方法(「モレキュラークローニン
グ」、164頁(1982))に従いアガロースゲルか
ら精製した。一方、0.05μgの発現ベクターpKC
R H2(Nature,307巻,604頁(198
4))DNAを制限酵素EcoRIで部分消化し、フェ
ノール/クロロホルム抽出後、エタノール沈殿により精
製した。これをバクテリアルアルカリホスファターゼに
より脱燐酸化処理し、フェノール/クロロホルム抽出と
エタノール沈殿により精製し10μlの水に溶解した。
【0050】以上のようにして調製されたpKCR H
2ベクター0.01μgとコンドロモデュリン−IcD
NAEcoRI断片0.1μgをDNAライゲーション
キット(宝酒造6021)を用いて結合させた。この反
応液を用いて大腸菌HB101株を形質転換し、Man
iatisらの方法(「モレキュラークローニング」、
365−381頁(1982))に従い解析することに
よりコンドロモデュリン−IcDNAが順方向に連結し
たプラスミドpKCRCHM1(図3)と該pKCRC
HM1とは、ウシコンドロモデュリンI遺伝子(図中b
−ChM−Iで示す)の挿入が逆向きであるpKCRC
HM3を得た。
【0051】実施例8 コンドロモデュリン−Iタンパ
ク質の産生と精製 実施例7により構築されたコンドロモデュリン−I発現
用プラスミドpKCRCHM1および3を用いてAus
ubelらの方法(カレント・プロトコール・イン・モ
レキュラー・バイオロジー(Current Prot
ocols in Molecular Biolog
y)、グリーンパブリッシングアソシエイツアンドウイ
リーインターサイエンス(Greene Publis
hingAssociates and Wiley−
Interscience)9・1・1章〜9・1・4
章(1987))を基にCOS細胞をトランスフェクシ
ョンした。
【0052】すなわちまず直径9cmのシャーレの中で
FCS(牛胎児血清)が10%入ったERDF培地(極
東製薬社製)中でCOS細胞をセミコンフルエントな状
態になるまで培養した。次にシャーレから培地を除きそ
こにDNA溶液を滴加するが、DNA溶液は予め次に示
す手順に従って調製した。まず直径9cmのシャーレ1
枚につき300μlの2×HEBS溶液(2×HEBS
溶液;1.6%塩化ナトリウム、0.074%塩化カリ
ウム、0.05%燐酸水素二ナトリウム12水塩、0.
2%デキストロース、1%HEPES(pH7.0
5))と10μgのプラスミドDNAを加え滅菌された
水で570μlに合わせた溶液をエッペンドルフ遠心管
中に準備する。次に該DNA溶液に30μlの2.5M
の塩化カルシウム溶液を滴加しながらボルテックスミキ
サーを用い数秒間激しく混和する。これを室温で30分
間放置するが、その間およそ10分おきにボルテックス
ミキサーで混和する。この様にしてできたDNA溶液を
前述の細胞にかけて室温で30分間静置した。
【0053】その後FCSが10%入ったERDF培地
9mlをシャーレに入れて37℃、5%CO2 存在下で
4〜5時間培養した。次にシャーレから培地を除き5m
lの1×TBS++溶液(1×TBS++溶液;25m
Mトリス−塩酸(pH7.5)140mM塩化ナトリウ
ム、5mM塩化カリウム、0.6mM燐酸水素二ナトリ
ウム、0.08mM塩化カルシウム、0.08mM塩化
マグネシウム)で細胞を洗浄し、1×TBS++溶液を
除去した後グリセロールを20%含む1×TBS++溶
液を5ml細胞にかけて室温で1〜2分間静置した後上
清を除去した。その後5mlの1×TBS++溶液で細
胞を再び洗浄しFCSが10%入ったERDF培地10
mlをシャーレに入れて37℃、5%CO2 存在下で培
養し、48時間が経過した時点で培地を回収した。この
培地を1500rpm、2分間遠心分離し、その上清を
緩衝液C(0.15M NaCl、0.03%CHAP
S(界面活性剤)、0.025Mリン酸ナトリウム、p
H7.4)で平衡化したヘパリン−Toyopearl
カラムにて分画した。すなわち緩衝液Cにてカラムを十
分洗浄した後、0.5M NaClを含む緩衝液Cで溶
出し、ついで1.2M NaClを含む緩衝液Cで溶出
した。この1.2M溶出画分をセントリコン−10(ア
ミコン社製)で濃縮した。
【0054】この様にして得られた試料10μl(培養
液1ml相当)を0.1%SDS−12.5%ポリアク
リルアミドゲル(70×85×1mm)に添加した。そ
の際、マーカー蛋白質としてBioRad社製“PRE
STAINED SDS−PAGE STANDARD
S”(低分子量用)を添加した。電極液としてトリス緩
衝液(25mMトリス塩酸 pH8.3、192mMグ
リシン、0.1%SDS)を用い、30mAの定電流で
45分間泳動後、常法により該ゲルをS&S社製ニトロ
セルロースフィルター(商品名、BA−85、ポアサイ
ズ0.45μm)と重ね、ゲル側を陰極、ニトロセルロ
ースフィルター側を陽極として145mAの定電流を4
5分間印加して転写した。次にこのフィルターを5%
(w/v)のスキムミルクを含むTBST緩衝液(20
mMトリス塩酸 pH8.0、150mM NaCl、
0.05%Tween20)に1時間浸した。これをT
NT緩衝液(20mMトリス塩酸 pH7.4,2mM
EDTA、0.14M NaCl、0.05%Twe
en20)で2回軽く洗浄後、100μlのウサギ抗ペ
プチド抗体(成熟型コンドロモデュリン−Iの8番目の
Thrから34番目のProにCysを付加した合成ペ
プチドに対する抗体)を含む10mlのTBST緩衝液
に浸し、4℃で1夜静置した。これをTNT緩衝液で1
5分間ずつ3回洗浄後、TBST緩衝液で2000倍に
希釈したパーオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギ抗体(Bi
oRad社製)と37℃で1時間反応させた。
【0055】次にこのフィルターTNT緩衝液で15分
間ずつ4回洗浄後蒸留水で軽く洗浄し、50mlのパー
オキシダーゼ発色液(40ml H2 O、30mg4−
クロ−1−ナフトール、10mlメタノール、20μl
過酸化水素水)に浸して発色させた。その結果、プラス
ミドpKCRCHM1および3で形質転換したCOS細
胞の上清より得られたいずれの画分も精製したコンドロ
モデュリンタンパク質の電気泳動パターンと一致し、組
換えコンドロモデュリンタンパク質は精製コンドロモデ
ュリンタンパク質であることが同定された。
【0056】実施例9 組換えコンドロモデュリンタン
パク質の活性の評価 実施例8で得られた組換えコンドロモデュリンタンパク
質の活性を実施例2に記載の方法と同様に行った。図4
にその結果を示す。0.3%(培養上清約100μl)
のコンドロモデュリンタンパク質を加えたときに、FG
F非添加時の約20倍、0.4ngFGF添加時の約
3.0倍の放射性チミジンの取り込みが見られ、組換え
コンドロモデュリンタンパク質が強力な軟骨細胞の増殖
促進効果を有していることが明らかとなった。
【0057】
【発明の効果】本発明のコンドロモデュリンタンパク質
は、骨折や各種の軟骨疾患等の治療薬として、また癌等
の腫瘍に対する治療薬として有用であり、遺伝子組換え
の手法を用いることにより、効率良く生産することがで
きる。
【0058】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:120−121 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 生物名:ウシ 組織の種類:胎児軟骨 配列 Glu−Leu−Val−Arg−Lys−Ile−AAA−Thr−Thr− 1 BBB−Thr−Thr−Arg−Arg−Leu−Arg−Ser−Gly− 10 Pro−Gln−Gly−Thr−Pro−Ala−Pro−Gly−Arg− 19 Pro−Asn−Asn−Gly−Thr−Arg−Pro−Ser−Val− 28 Gln−Glu−Asp−Ala−Glu−Pro−Phe−Asn−Pro− 37 Asp−Asn−Pro−Tyr−His−Gln−CCC−Glu−Gly− 46 Glu−Ser−Met−Thr−Phe−Asp−Pro−Arg−Leu− 55 Asp−His−Glu−Gly−Ile−Cys−Cys−Ile−Glu− 64 Cys−Arg−Arg−Ser−Tyr−Thr−His−Cys−Gln− 73 Lys−Ile−DDD−Glu−Pro−Leu−Gly−Gly−Tyr− 82 His−Pro−Trp−Pro−Tyr−Asn−Tyr−Gln−Gly− 91 Cys−Arg−Ser−Ala−Cys−Arg−Val−Ile−Met− 100 Pro−Cys−Ser−Trp−Trp−Val−Ala−Arg−Ile− 109 Leu−Gly−Met−Val 118 (上記式中AAAはMetまたはVal、BBBはGl
uまたはThr、CCCは欠失またはGln、DDDは
CysまたはVal)
【0059】
【配列表】配列番号:2 配列の長さ:363−366 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:ウシ 組織の種類:胎児軟骨 配列 GAA CTG GTA AGA AAA ATC OTG ACC 24 ACA 12G ACC ACA AGA AGA CTA CGC 48 AGC GGC CCT CAG GGC ACC CCA GCC 72 CCT GGA AGA CCA AAC AAC GGA ACC 96 AGA CCC AGC GTC CAA GAG GAC GCA 120 GAG CCC TTC AAC CCA GAC AAC CCT 144 TAC CAC CAG 345 GAA GGA GAA AGC 168 ATG ACA TTC GAC CCC AGA CTG GAT 192 CAT GAA GGA ATC TGC TGT ATA GAA 216 TGC AGG AGG AGC TAC ACC CAC TGC 240 CAG AAG ATC 678 GAG CCT CTG GGG 264 GGC TAC CAC CCA TGG CCC TAT AAC 288 TAC CAG GGC TGC CGT TCC GCC TGC 312 AGA GTC ATC ATG CCC TGT AGC TGG 336 TGG GTG GCC CGC ATC CTG GGC ATG 360 GTG TGA 366 (上記中0はGまたはAを、1はAまたはGを、2はC
またはAを、3は欠失またはGを、4は欠失またはC
を、4は欠失またはAを、5は欠失またはGを、6はT
またはGを、7はGまたはTを、8はT,G,Aまたは
Cを表す)
【0060】
【配列表】配列番号:3 配列の長さ:290 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:ウシ 組織の種類:胎児軟骨 配列 GAGTTGGTCAGGAAGATAATGACCACAGAGAC 32 CACAAGAAGACTACGCAGCGGCCCTCAGGGCA 64 CCCCAGCCCCTGGAAGACCAAACAACGGAACC 96 AGACCCAGCGTCCAAGAGGACGCAGAGCCCTT 128 CAACCCAGACAACCCTTACCATCAGGAAGGAG 160 AAAGCATGACATTCGACCCCAGACTGGATCAT 192 GAAGGCATCTGCTGTATAGAATGCAGGAGGAG 224 CTACACCCACTGCCAGAAGATCTGTGAGCCTC 256 TGGGGGGCTACCACCCATGGCCCTATAACTAC 288 CA 290
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンドロモデュリンタンパク質の精製
過程における、YMCpackC4カラムによる分画パ
ターンを表す図面である。
【図2】本発明のコンドロモデュリンタンパク質のDN
A合成活性を測定した結果を表す図面である。
【図3】本発明のコンドロモデュリンタンパク質を発現
するベクターpKCRCHM1の構築を表す図面であ
る。
【図4】組換えコンドロモデュリンタンパク質の培養上
清の活性評価結果を表す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 15/06 8619−4H C12N 5/10 15/12 ZNA C12P 21/02 H 8214−4B //(C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 上園 昭人 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 近藤 淳 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 寺西 豊 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有することを特徴
    とする新規なタンパク質コンドロモデュリン−I。 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動による分子量
    が約26,000ドルトンである。 軟骨細胞を単独または繊維芽細胞増殖因子共存下で
    増殖させる活性を有する。 軟骨細胞を分化機能を促進する活性を有する。
  2. 【請求項2】 配列番号1に記載のアミノ酸配列で表さ
    れることを特徴とする請求項1記載のタンパク質コンド
    ロモデュリン−I。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のタンパク質コンドロモデ
    ュリン−Iをコードする遺伝子。
  4. 【請求項4】 配列番号2に記載の塩基配列で表される
    ことを特徴とする請求項3記載の遺伝子。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4記載の遺伝子に
    よりコードされるポリペプチドを発現し得る組換え発現
    ベクターで、宿主細胞を形質転換させて得られた形質転
    換体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の形質転換体を培養してタ
    ンパク質コンドロモデュリン−Iを産生させる方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載のタンパク質コ
    ンドロモデュリン−Iを有効成分とする軟骨細胞増殖
    剤。
  8. 【請求項8】 請求項1または2に記載のタンパク質コ
    ンドロモデュリン−Iを有効成分とする抗腫瘍剤。
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