JPH05178876A - 抗炎症・抗アレルギー作用を有するオリゴ糖誘導体 - Google Patents

抗炎症・抗アレルギー作用を有するオリゴ糖誘導体

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JPH05178876A
JPH05178876A JP3346911A JP34691191A JPH05178876A JP H05178876 A JPH05178876 A JP H05178876A JP 3346911 A JP3346911 A JP 3346911A JP 34691191 A JP34691191 A JP 34691191A JP H05178876 A JPH05178876 A JP H05178876A
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oligosaccharide
solvate
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salt
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JP3346911A
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Inventor
Nobuo Osawa
澤 伸 雄 大
Yasuo Takahashi
橋 靖 雄 高
Kazuo Kato
藤 和 夫 加
Kazumi Nishijima
島 和 三 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子、ガラクトサミン誘導体または
特定の基を表し、R2からR8は同一または異なって水素
原子または特定の基を表し、R9は、水素原子、グルク
ロン酸誘導体または特定の基を表し、nは0から4の整
数を表す)で表される構成単糖単位2〜8個からなるオ
リゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩の溶媒和
物、およびそれらを有効成分として含有する抗アレルギ
ー剤、抗炎症剤またはヒアルロニダーゼ阻害剤。 【効果】本発明のオリゴ糖誘導体は、抗アレルギー作
用、抗炎症作用およびヒアルロニダーゼ阻害作用を有
し、医薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗炎症・抗アレルギー
作用を有するオリゴ糖誘導体である、構成単糖単位2〜
8個からなるグルクロン酸誘導体およびガラクトサミン
誘導体を有するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物ま
たは塩の溶媒和物に関してであり、さらにそれを有効成
分とするヒアルロニダーゼ阻害剤、アレルギー性疾患剤
および抗炎症剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既存の抗アレルギー剤、抗炎症剤として
は、例えば、抗ヒスタミン剤であるジフェンヒドラミ
ン、クロルフェニラミンなど、気管支喘息治療剤である
クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、副腎皮質ス
テロイド剤であるヒドロコルチゾン、プレドニゾロンな
ど、非ステロイド抗炎症剤であるインドメタシン、メフ
ェナム酸などがある。しかし、これらの薬剤は、臨床上
問題となる副作用を有している。例えば抗ヒスタミン剤
は鎮静作用、眠気、口渇、悪心および嘔吐などの副作用
を示すことが知られており、副腎皮質ステロイドは副腎
皮質機能障害などの強い副作用を示すことが知られてい
る。副作用が少なく、活性の強い薬物が望まれているの
が現状である。
【0003】近年、既存の抗アレルギー剤であるクロモ
グリク酸ナトリウム(以下、DSCGと略す)、トラニ
ラスト、既存の抗炎症薬である、アスピリン、インドメ
タシンなどにヒアルロニダーゼ阻害作用があり、その阻
害作用が治療効果の一翼を担っていることが示唆されて
いる[ケミカル ファーマシチカル ブリテン(Che
m.Pharm.Bull.)33巻、642頁(19
85年)および炎症4巻、437頁(1984年)]。
従って、ヒアルロニダーゼの活性を阻害する化合物を探
究することは、新しい抗アレルギー作用、抗炎症作用を
有する化合物を見いだす一つの指標となり得るものであ
る。
【0004】ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸を加水
分解する作用を有する酵素である。ヒアルロン酸は、ム
コ多糖の一種で、D−グルクロン酸とN−アセチル−D
−グルコサミンから構成され、動物組織の細胞間質に多
く、関節液、皮膚その他の結合組織に存在し、微生物や
毒物の侵入、伝播および癌細胞の転移の防止などに役だ
っていると考えられている。また、ヒアルロン酸は脊椎
動物の卵細胞の外膜にも存在し、授精に際してヒアルロ
ニダーゼで分解されると、精子の侵入が可能となる。
【0005】一方ヒアルロニダーゼは、起炎酵素の一種
であると考えられており、炎症およびアレルギー、特に
I型アレルギー反応に関与し、肥満細胞からの脱顆粒反
応を支配する酵素であるともいわれている。また、哺乳
動物では精子に存在し、授精に関与していることが知ら
れている。また、ある種の病原菌は、ヒアルロニダーゼ
を分泌し、結合組織のヒアルロン酸を分解しながら組織
に侵入することが知られている。従って、ヒアルロニダ
ーゼを阻害する化合物は、抗アレルギー作用、抗炎症作
用をはじめとして、例えば、避妊作用、癌転移抑制およ
び抗菌作用などの分野での利用が期待できる。
【0006】本発明は、ヒアルロニダーゼ阻害作用、抗
アレルギー作用および抗炎症作用を有し、医薬として有
用なオリゴ糖に関するものであり、関連する先行技術と
しては次のようなものがある。バイオケミカル アンド
バイオフィジカル リサーチ コミュニケーション
(Biochem.Biophys.Res.Comm
un)25巻、239頁(1966年)は、NMRによ
る糖のコンホメーション同定に関するものであり、グル
クロン酸(以下、適宜GlcAと略す)およびN−アセ
チルガラクトサミン(以下、適宜GalNAcと略す)
からなるGlcA(β1−3)GalNAc(β1−
4)GlcA(β1−3)GalNAcが開示されてい
るが、医薬としての用途の記載はない。カルボハイドレ
ート リサーチ(Carbohydr.Res.)15
巻、300頁(1970年)は、GlcA(β1−3)
GalNAcの記載があるが、塩基性条件による加水分
解に関するもので、医薬としての用途の記載はない。西
ドイツ特許DE2521765には、D−グルクロン酸
が鼻および胃などの粘膜の炎症および二次的に生じるア
レルギー性皮膚炎、乾癬などに有効であるとの記載があ
るが、具体的な薬理データの開示はない。さらに、単糖
のみの開示であり、オリゴ糖に関する記載はない。フラ
ンス特許FR2449452には、抗アレルギー、抗炎
症および抗ヒスタミン作用を有するガラクツロン酸メチ
ルの記載があるが、具体的な薬理データの開示はない。
また、単糖のみの開示であり、オリゴ糖に関する記載は
ない。特表昭59−501906号公報には、血栓症、
動脈硬化症などに有効なガラクトサミンとウロン酸の交
互配列を有するオリゴ糖およびその製法が記載されてい
るが、ヒアルロニダーゼ阻害作用、抗アレルギー作用お
よび抗炎症作用に関する記載はない。特開昭62−27
402号公報には、ガラクトサミンとウロン酸の交互配
列を有するグリコサミノグリカンの硫酸化方法および該
硫酸化グリコサミノグリカンのうち、特に、構成単糖単
位数が8以下の物質が、糸球体腎炎、リューマチ様関節
炎及びアレルギー症状として現れるある種の遅発感覚過
敏性症状のごとき特定形態の免疫不均衡に起因する障害
の治療に有用である旨の記載がある。しかしながら、ア
レルギー性疾患モデルに対する有効性、ヒアルロニダー
ゼ阻害作用などについては開示がない。また、硫酸化さ
れていないグリコサミノグリカンについては、原料とし
ての記載があるのみで、その薬理活性についても何も開
示がない。特開昭62−36394号公報には、育毛剤
などとして有効なエステル化ウロン酸とヘキソサミンの
交互配列を有する偶数オリゴ糖の記載があるが、奇数の
オリゴ糖については記載がなく、また、ヒアルロニダー
ゼ阻害作用、抗アレルギー作用および抗炎症作用の記載
はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗炎
症・抗アレルギー作用を有するオリゴ糖誘導体を提供す
るものである。さらに本発明は、該オリゴ誘導体を少な
くとも1つの有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤、
アレルギー性疾患治療剤および抗炎症剤を提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは化学合成したフラグメントおよび各種
ムコ多糖を切断、単離したフラグメントの性状および薬
理作用について検討した結果、本発明のオリゴ糖誘導体
に、強力な抗アレルギー作用、抗炎症作用およびヒアル
ロニダーゼ阻害作用を見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち、本発明の第1態様は、下記式
(I)で表される構成単糖単位2〜8個からなる、グル
クロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体を有するオ
リゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物
を提供するものである。式(I)
【化6】 [式(I)中、R1 は水素原子、保護基または下記式
(II)を表す。(ただし、R1 が水素原子または保護
基である場合、OR1 はグルクロン酸誘導体のCOOR
4 に対してトランス結合またはシス結合であってもよ
い。また、R1 が式(II)である場合、式(II)
【化7】 式(II)中、R10、R12およびR13は同一または異な
って水素原子または保護基を表し、R11は、アジド基ま
たは下記式(III)を表す。式(III)
【化8】 式(III)中、R14およびR15は、同一または異なっ
て水素原子または保護基を表す):式(I)中、R2
らR8 は同一または異なって水素原子または保護基を表
す:式(I)中、R9は、水素原子、保護基または下記
式(IV)を表す。式(IV)
【化9】 (式(IV)中、R16からR19は同一または異なって水
素原子または保護基を表す):式(I)中、nは0から
4の整数を表す。(ただし、nが0のとき、R1は式
(II)で表される基であり、R9は式(IV)で表さ
れる基である。nが4のとき、R1およびR9は同一また
は異なって水素原子または保護基である。):式(I)
〜(IV)中、保護基は互いに同一または異なっていて
もよく、置換されていてもよい炭素原子数1から8の直
鎖または分枝鎖のアルキル、置換されていてもよい炭素
原子数2から8の直鎖または分枝鎖のアルケニル、置換
されていてもよい炭素原子数1から8の直鎖または分枝
鎖のアシル、置換されていてもよい芳香族アシル、また
は、置換されていてもよい芳香族アルキルである。また
さらに、R11を除くR1 からR19の任意の保護基2つが
一緒になって、置換されていてもよい炭素原子数3から
8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原子数3
から8の環状アルキリデン、置換されていてもよいベン
ジリデン、または、置換されていてもよいフタロイルで
ある。]
【0010】特に、前記構成単糖単位が2、3または4
個からなる場合に好適である。
【0011】本発明の第2態様は、第1態様に記載のグ
ルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体を有する
オリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩の溶媒和
物を少なくとも1つの有効成分とするヒアルロニダーゼ
阻害剤を提供する。
【0012】さらに、本発明の第3態様は、第1態様に
記載のグルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体
を有するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩
の溶媒和物を少なくとも1つの有効成分とするアレルギ
ー性疾患治療剤および抗炎症剤を提供する。
【0013】以下、本発明の第1態様について詳しく説
明する。
【0014】本発明の構成単糖単位2〜8個からなる、
グルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体を有す
るオリゴ糖は、下記式(I)で表される化合物である。
【0015】式(I)
【化10】 [式(I)中、R1 は水素原子、保護基または下記式
(II)を表す。(ただし、R1 が水素原子または保護
基である場合、OR1 はグルクロン酸誘導体のCOOR
4 に対してトランス結合またはシス結合であってもよ
い。また、R1 が式(II)である場合、
【0016】式(II)
【化11】 式(II)中、R10、R12およびR13は同一または異な
って水素原子または保護基を表し、R11は、アジド基ま
たは下記式(III)を表す。
【0017】式(III)
【化12】 式(III)中、R14およびR15は、同一または異なっ
て水素原子または保護基を表す):式(I)中、R2
らR8 は同一または異なって水素原子または保護基を表
す:式(I)中、R9は、水素原子、保護基または下記
式(IV)を表す。
【0018】式(IV)
【化13】 (式(IV)中、R16からR19は同一または異なって水
素原子または保護基を表す):
【0019】式(I)中、nは0から4の整数を表す。
(ただし、nが0のとき、R1は式(II)で表される
基であり、R9は式(IV)で表される基である。nが
4のとき、R1およびR9は同一または異なって水素原子
または保護基である。):式(I)〜(IV)中、保護
基は互いに同一または異なっていてもよく、置換されて
いてもよい炭素原子数1から8の直鎖または分枝鎖のア
ルキル、置換されていてもよい炭素原子数2から8の直
鎖または分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭
素原子数1から8の直鎖または分枝鎖のアシル、置換さ
れていてもよい芳香族アシル、または、置換されていて
もよい芳香族アルキルである。またさらに、R11を除く
1 からR19の任意の保護基2つが一緒になって、置換
されていてもよい炭素原子数3から8のアルキリデン、
置換されていてもよい炭素原子数3から8の環状アルキ
リデン、置換されていてもよいベンジリデン、または、
置換されていてもよいフタロイルである。]
【0020】すなわち、本発明のオリゴ糖は、式(I)
〜(IV)で表され、下記式(VI)で示されるD−ガ
ラクトサミン誘導体と下記式(VII)で示されるD−
グルクロン酸誘導体が交互に直鎖状に結合した構造から
なるオリゴ糖である。具体例としては、2糖類、3糖
類、4糖類をはじめとして、5糖類、6糖類、7糖類、
8糖類がある。
【0021】式(VI)
【化14】 [式(VI)中、N1 は窒素含有基を表し、R′は水素
原子または保護基を表す。]
【0022】式(VII)
【化15】 [式(VII)中、R′は水素原子または保護基を表
す。]式(I)において、nは0から4の整数を表す
が、nが0のときR1 は式(II)で表される基であ
り、R9 は式(IV)で表される基である。すなわち、
下記式(VIII)で表されるオリゴ糖である。
【0023】式(VIII)
【化16】
【0024】本発明で言う保護基とは、セオドラ ダブ
リュー グリーン(Theodora W.Green
e)著、プロテクティブ グループ イン オルガニッ
クシンセシス(Protective Groups
in Organic Synthesis)(第2
版、1991年)に表されている各種の保護基を含むも
のである。
【0025】上記式(I)〜(IV)中で示される保護
基は、置換されていてもよい炭素原子数1から8の直鎖
または分枝鎖のアルキルとしては例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第三級ブチル、
ペンチル、オクチル、メトキシメチル(MOM)、第三
級ブチルチオメチル、1−エトキシエチル、シロキシメ
チルまたは2−メトキシエトキシメチル(MEM)など
を表し、置換されていてもよい炭素原子数2から8の直
鎖または分枝鎖のアルケニルとしては例えば、エテニ
ル、1−プロペニル、2−プロペニル、ブテニルまたは
オクテニルなどを表し、置換されていてもよい炭素原子
数1から8の直鎖または分枝鎖のアシルとしては例え
ば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バ
レリルまたはピバロイル、またはハロゲン化アシルなど
を表し、ハロゲン化アシルとしては例えば、クロロアセ
チル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフ
ルオロアセチルなどを表し、置換されていてもよい芳香
族アシルとしては例えば、ベンゾイル、パラクロロベン
ゾイルなどを表し、置換されていてもよい芳香族アルキ
ルとしては例えば、置換されていてもよいベンジル、置
換されていてもよいジフェニルメチルまたは置換されて
いてもよいトリフェニルメチルなどを表し、置換されて
いてもよいベンジルとしては例えば、4−メトキシベン
ジルなどを表す。さらに、式(I)〜(IV)中で示さ
れる保護基は、R11を除くR1 からR19の任意の保護基
2つが一緒になって、1つの保護基を表してもよく、そ
の時、保護基は、置換されていてもよい炭素原子数3か
ら8のアルキリデンとしては例えば、プロピリデン、ブ
チリデンまたはオクチリデンなどを表し、置換されてい
てもよい炭素原子数3から8の環状アルキリデンとして
は例えば、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデンま
たはシクロヘブチリデンなどを表し、加えて、置換され
ていてもよいベンジリデンまたは置換されていてもよい
フタロイルなどを表す。水酸基の保護基としては置換さ
れていてもよい炭素原子数1から8の直鎖または分枝鎖
のアシル、置換されていてもよい芳香族アルキル、置換
されていてもよい炭素原子数2から8の直鎖または分枝
鎖のアルケニルまたは置換されていてもよいベンジリデ
ンなどが好ましく、さらに好ましくはアセチル、ベンジ
ル、1−プロペニルまたはベンジリデンなどを表し、ア
ミノ基の保護基としては、置換されていてもよい炭素原
子数1から8の直鎖または分枝鎖のアシルまたは置換さ
れていてもよいフタロイルなどが好ましく、さらに好ま
しくはアセチルまたはフタロイルなどを表し、カルボキ
シル基の保護基としては、置換されていてもよい炭素原
子数1から8の直鎖または分枝鎖のアルキルまたは置換
されていてもよい芳香族アルキルなどが好ましく、さら
に好ましくは、メトキシメチル、メチルまたはジフェニ
ルメチルなどを表す。上記保護基は、同一のオリゴ糖中
で互いに同一でも異なっていてもよく、任意に選ばれ
る。
【0026】本発明のオリゴ糖は、構成単糖単位、すな
わち糖鎖を構成する六員環構造をもつ糖残基が2〜8個
であるオリゴ糖であるが、構成単糖単位は2、3および
4個である場合が好ましい。
【0027】具体例として、構成単糖単位が2個である
1−プロペニル 4−O−(3,4,6−トリ−O−ア
セチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−2,3−ジ−O−ベンジル−α−
D−グルコピランウロン酸メチルエステル、1−プロペ
ニル 4−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2
−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−ガラクトピラ
ノシル)−2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコ
ピランウロン酸ジフェニルメチルエステルおよびO−β
−D−グルコピランウロノシル−(1→3)−2−アセ
タミド−2−デオキシ−D−ガラクトピラノース;[G
lcA(β1−3)GalNAc]N−アセチルコンド
ロシン等があり、さらに、構成単糖単位が4個であるO
−β−D−グルコピランウロノシル−(1→3)−O−
2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラ
ノシル−(1→4)−O−β−D−グルコピランウロノ
シル−(1→3)−2−アセタミド−2−デオキシ−D
−ガラクトピラノース;[GlcA(β1−3)Gal
NAc(β1−4)−GlcA(β1−3)GalNA
c]等がある。
【0028】また、本発明のオリゴ糖は前記式(I)に
おいて、R1 が前記式(II)で表される基であり、R
2 からR4 およびR6 からR8 が水素原子であり、R5
がアセチル基であり、R9 が水素原子または前記式(I
V)で表される基であり、かつ、前記式(II)におい
て、R10、R12、R13が水素原子であり、かつ、前記式
(III)において、R14がアセチル基であり、R15
水素原子であり、かつ、前記式(IV)において、R16
からR19が水素原子である場合、すなわち、下記式(I
X)または(X)で表されるオリゴ糖である場合に好適
である。
【0029】式(IX)
【化17】 [式(IX)中、Acはアセチル基を表す。nは式
(I)で定義した通りである。]
【0030】式(X)
【化18】 [式(X)中、Acはアセチル基を表し、nは式(I)
で定義した通りである。]
【0031】また本発明のオリゴ糖は、前記式(I)に
おいて、R9 が水素原子または保護基であり、nが1で
ある場合、すなわち下記式(XI)で表されるオリゴ糖で
ある場合、好適である。
【0032】式(XI)
【化19】 [式(XI)中、R1 からR9 は前記式(I)に定義した
通りである。]
【0033】さらにこの場合、式(XI)において、R1
が水素原子または下記式(V)で表される基であり、R
2 からR4 およびR6 からR9 が水素原子であり、R5
がアセチル基である場合、すなわち下記式(XII )また
は(XIII)で表されるオリゴ糖である場合、特に好適で
ある。式(XII )は4−O−(2−アセタミド−2−デ
オキシ−β−D−ガラクトピラノシル)−D−グルコピ
ランウロン酸;[GalNAc(β1−4)GlcA]
を表し、式(XIII)はO−2−アセタミド−2−デオキ
シ−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−O−β
−D−グルコピランウロノシル−(1→3)−2−アセ
タミド−2−デオキシ−D−ガラクトピラノース;[G
alNAc(β1−4)GlcA(β1−3)GalN
Ac]である。
【0034】式(XII )
【化20】
【0035】式(XIII)
【化21】
【0036】本発明のオリゴ糖は、金属イオン、例え
ば、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウ
ムイオン等や、アンモニウムイオン、ハロゲン化イオ
ン、例えば塩素イオン、臭素イオン等や、錯イオン、例
えば六シアノ鉄(III)イオン等との塩であってもよ
い。またさらに、該オリゴ糖および該オリゴ糖の塩は、
溶媒例えば水、有機溶媒、緩衝液などとの溶媒和物であ
ってもよい。本発明の第1態様のオリゴ糖は、強力なヒ
アロニダーゼ阻害作用を示す特徴がある。さらに、ヒス
タミン遊離抑制作用、アナフィラキシー気道収縮抑制作
用、受動皮膚アナフィラキシー(PCA)反応抑制作用
などが認められる。
【0037】以下に本発明のオリゴ誘導体の製造方法の
一例を述べるが、さらなる具体例は実施例で記載する。
本発明のオリゴ誘導体は、単糖を出発原料として、以下
のような方法で、化学的に合成することができる。オリ
ゴ糖の合成に用いられる化合物は、D−ガラクトサミン
構造を有する下記式(XIV ):
【0038】式(XIV )
【化22】 (式(XIV )中、Rは脱離基またはOR′で表される基
を表し、R′は水素原子または保護基を表し、N1 は窒
素含有基を表す)で表される基本単位およびD−グルク
ロン酸構造を有する、下記式(XV):
【0039】式(XV)
【化23】 (式中(XV)中、Rは脱離基またはOR′で表される基
を表し、R′は水素原子または保護基を表す)で表され
る基本単位とするものであり、これら基本単位を適宜反
応させ、必要に応じてさらに適宜処理することにより本
発明のオリゴ糖が合成される。
【0040】合成に用いる基本単位のいずれか一つはア
ルコールであり、このアルコール官能基の水酸基が式
(XIV )の場合には3、4または6位のいずれかに存在
し、式(XV)の場合には2、3または4位のいずれかに
存在している。残りの基本単位の一方は、活性化された
アノマー炭素を有している。これら2つの基本単位を用
いることにより、本発明の構造を有するグリコシル結合
を形成させ、二糖類を得ることができる。同様にして、
さらに式(XIV )の化合物または式(XV)の化合物を適
宜反応させることにより、本発明の構成単糖単位数を有
するオリゴ糖を合成することができる。式(XIV )中の
窒素含有基N1 は、好ましくはN−フタルイミドもしく
はアジド基を有しているか、または、アミンの官能基前
駆体またはアミン誘導体、特に、N−アシル、より詳細
にはN−アセチル等を有している方がよい。式(XV)の
化合物のカルボキシル基は、グリコシル反応の際にはア
ルキル、置換アルキル、置換されていてもよい芳香族ア
ルキル等で保護されていることが望ましい。また、この
カルボキシル基は、中性糖をグリコシル化に用い、グリ
コシル結合を形成後、第一級アルコールの選択的脱保護
および酸化によっても得ることができるカルボキシル基
でもよい。
【0041】基本単位のうち、グリコシル反応に関与す
る、活性化されたアノマー炭素を有する基本単位は、そ
のアノマー炭素以外のすべての位置が、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基またはこれらの前駆体を保持し、こ
れらが同一または異なる保護基によって保護されている
ものを用いる。また一方、グリコシル結合形成に関与す
る水酸基を有する基本単位は、その水酸基以外のすべて
の位置が水酸基、アミノ基、カルボキシル基またはこれ
らの前駆体を保持し、これらが同一または異なる保護基
によって保護されているものを用いる。グリコシル反応
に用いるアノマー炭素の活性化された基本単位には、ハ
ロゲン化グリコシル誘導体、イミドエステル糖誘導体、
1,2−O−(1−アルコキシアルキリデン)糖誘導
体、1−O−アセチル誘導体、1−O−スルホニル糖誘
導体、グリカール糖誘導体等があり、これらは常法によ
り合成することができ、もう一方の基本単位の水酸基
と、無水条件下、縮合反応を行うことができる。ハロゲ
ン化糖誘導体とアルコールとの間の縮合反応は、コーニ
ングス−クノール(Koenigs−Knorr)法が
有利であり、最も適している。ハロゲン化物としては、
臭化物または塩化物が適している。グリコシル反応の際
の溶媒は、有機溶媒で処理し、特にジクロロエタン、ジ
クロロメタン、ニトロメタン等が適している。
【0042】使用する触媒は、一般に、銀塩または水銀
塩、例えばトリフルオロメタンスルホン酸銀(銀トリフ
ラート)、炭酸銀、酸化銀、臭化水銀、シアン化水銀を
使用する。また、2,4,6−コリジンのような陽子受
容体も使用され、存在し得る水および/または形成され
たハロゲン化水素酸の捕捉体、例えばモレキュラーシー
ブ4Aも使用される。グリコシル反応は、0℃以下で、
窒素またはアルゴンのような不活性ガス雰囲気下に、2
種の基本単位を混合し、室温〜40℃の範囲で反応させ
るのが適当である。これらの条件に従い、2種の基本単
位を化学量論に従って縮合し、グリコシル化生成体を得
ることができる。得られたグリコシル化生成体は、好ま
しい条件下で脱保護もしくはアミノ基、カルボキシル基
の前駆体をアミノ基、カルボキシル基に変換し、目的と
するオリゴ糖を得る。オリゴ糖の遊離のカルボキシル基
は陽イオン交換樹脂を用いて容易に塩化することができ
る。一般的にはナトリウム塩であるが、カリウム、リチ
ウム、マグネシウムおよびカルシウム等の塩の形成も可
能である。脱離基とは、縮合反応により脱離する基を表
し、例えば、ハロゲン原子、アセチル基、トリフリル基
などを表す。水酸基およびカルボキシル基の保護に使用
する保護基については、前述したが、一般にエーテル、
アセタール、環状アセタールおよびエステル等が用いら
れる。具体例として、エーテルとはO−アルキル、O−
アルケニル、O−アラルキルなどであり、いずれも置換
されていてもよい。環状アセタールとは2つの水酸基を
保護するもので、O−アルキリデン、O−環状アルキリ
デン、O−ベンジリデンなどであり、いずれも置換され
ていてもよい。エステルとは、O−アシル、O−ハロゲ
ン化アシル、O−スルホニル、有機ホウ素酸エステル、
リン酸化合物、炭素エステル、オルトエステル等で、例
えばO−アセチル、O−ベンゾイル、O−クロロアセチ
ル、トシル、メシル等である。アミノ基の保護基は、こ
れらに加えて、フタロイルなどがある。
【0043】また、本発明のオリゴ糖は、コンドロイチ
ン、コンドロイチン硫酸または、哺乳動物の軟骨基質、
血管内皮細胞、肥満細胞または脳などに含まれるコンド
ロイチン硫酸プロテオグリカン、尿中トリプシンインヒ
ビター(以下UTIと記す。)などの、コンドロイチン
またはコンドロイチン硫酸を有するグリコサミノグリカ
ンなどを出発原料として以下の方法によっても得ること
ができる。例えば、UTIを出発原料とする場合には、
UTIを、メタロエンドペプチダーゼで処理することに
より糖ペプチドであるフラグメント1が得られる。この
フラグメント1をアルカリ処理することにより、糖鎖フ
ラグメント2が得られる。さらに、フラグメント2をノ
イラミニダーゼ処理することによりフラグメント3が得
られる。このフラグメント3をさらに低分子量化する目
的で、適当な条件でヒアルロニダーゼ処理することによ
り、非還元末端にD−グルクロン酸を有し、構成単糖単
位の数が偶数(例えば4、6、8個など)であるフラグ
メント4が得られる。フラグメント4を、β−グルクロ
ニダーゼ処理することにより、非還元末端にN−アセチ
ル−D−グルコサミンを有し、構成単糖単位の数が奇数
(例えば3、5、7個など)であるフラグメント5が得
られる。フラグメント5を、N−アセチル−β−ヘキソ
サミニダーゼ処理することにより、非還元末端にD−グ
ルクロン酸を有し、構成単糖単位の数が偶数(例えば
2、4、6個など)であるフラグメント6が得られる。
なお上記の各工程で得られるフラグメントは、常法によ
るゲル濾過の手法を用いて、容易に精製し、目的とする
オリゴ糖を得ることができる。
【0044】これらのオリゴ糖は、コンドロイチン硫
酸、コンドロイチンなどのムコ多糖を出発原料として
も、同様に得ることができる。なお、出発原料となるコ
ンドロイチン硫酸は、市販のものを購入するか、また
は、例えばバイオケミカル プレパレーションス(Bi
ochem.Preparations)10巻、52
頁(1963年)に記載された方法により、軟骨から抽
出して得ることもできる。コンドロイチンは、市販のも
のを購入するか、または例えばカルボハイドレートリサ
ーチ(Carbohyd.Res.)46巻、87頁
(1976年)に記載の方法に準じて、コンドロイチン
硫酸を脱硫することにより得ることができる。また、こ
れらのムコ多糖の化学的分解により、あるいは単糖から
化学的に合成することにより得ることもできる。また、
得られたフラグメントを適宜化学処理することにより、
任意の置換基を有するオリゴ糖を合成することもでき
る。例えば、N−アセチルコンドロシンは、ジャーナル
オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Bio
l.Chem.)240巻、992頁(1965年)に
記載された方法によりコンドロイチン硫酸から得られた
コンドロシンまたは市販のコンドロシンを出発原料とし
て、同文献に記載された方法により合成することができ
る。一般に、ムコ多糖をヒアルロニダーゼで処理した場
合、その主生成物は非還元末端にD−グルクロン酸を有
し、構成単糖単位が偶数個のフラグメントであり、ヒア
ルロニダーゼ処理のみでは、構成単糖単位が奇数個のフ
ラグメントを定量的に得ることはできない。本発明で
は、ヒアルロニダーゼ処理に、β−グルクロニダーゼお
よびN−アセチル−β−ヘキソサミニダーゼを適宜組み
合わせることにより、任意の構成糖数を有する偶数個お
よび奇数個のフラグメントを得る方法をも開示するもの
である。また、ムコ多糖を、上記の方法で処理して得ら
れたフラグメントは、酵素の認識部位の特異性から、還
元末端はD−ガラクトサミン残基となる。還元末端がD
−グルクロン酸のフラグメントは、単糖から化学合成す
ることにより得ることができる。また、化学合成では、
単糖または二糖を適宜縮合させることにより、適当な鎖
長を有するオリゴ糖を定量的に得ることができる。
【0045】本発明のオリゴ糖誘導体は、コンドロイチ
ン硫酸、ヒト尿由来の物質であるUTIなどを出発原料
として得ることができる。コンドロイチン硫酸は、腎
炎、腰痛などの治療薬として上市されており、UTI
は、急性膵炎、急性循環不全などの治療薬として上市さ
れている。本発明のオリゴ糖は、これらを分解、精製す
ることによっても得られるものであり、その際、本発明
のオリゴ糖の安全性は高い。
【0046】次に、本発明の第2態様について述べる。
本発明の第2態様は第1態様に記載のグルクロン酸誘導
体およびガラクトサミン誘導体を有するオリゴ糖、該オ
リゴ糖の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも
1つの有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤である。
第2態様の阻害剤中に含まれる、第1態様のオリゴ糖の
含有量は、目的とする阻害作用の効果により適宜選択さ
れる。第2態様に含まれてもよい他の成分については、
阻害剤の作用を失活しないものであればよい。本発明の
第2態様である阻害剤のヒアルロニダーゼ阻害作用は、
以下に示す実験例などにより確認することができる。
【0047】また、本発明の第3態様は第1態様に記載
のグルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体を有
するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩の溶
媒和物を少なくとも1つの有効成分とするアレルギー性
疾患治療剤および抗炎症剤である。第3態様のアレルギ
ー性疾患治療剤および抗炎症剤中に含まれる、第1態様
のオリゴ糖の含有量は、目的とする抗アレルギー性作用
および抗炎症作用の効果により適宜選択される。第3態
様に含まれてもよい他の成分については、抗アレルギー
性作用および抗炎症作用を失活しないものであればよ
い。本発明の第3態様の抗アレルギー性作用および抗炎
症作用は、以下に示す実験例などにより確認することが
できる。
【0048】本発明の第2態様のヒアルロニダーゼ阻害
剤および第3態様のアレルギー性疾患治療剤および抗炎
症剤は、本発明の第1態様のオリゴ糖を、一般的に用い
られる適当な担体または溶媒の類、例えば必要に応じて
滅菌水や植物油、更には生理学的に許容し得る溶媒や溶
解補助剤(例えばアルコール、グリセリン、プロピレン
グリコール)などを用い、賦形剤、結合剤、潤沢剤、着
色剤、香味剤、懸濁化剤または乳化剤(例えばポリソル
ベート80やアラビアゴムなど)、等を適宜選択組み合
わせて種々の剤形としてもよい。こうした剤形として
は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、坐剤、
シロップ剤、吸入剤、軟膏剤、乳濁剤、懸濁剤、点眼用
液剤、水性若しくは非水性の注射剤、乳濁性若しくは懸
濁性の注射剤、用時溶解または懸濁して用いる注射用製
剤などが挙げられる。
【0049】また、本発明の第2態様のヒアルロニダー
ゼ阻害剤および第3態様のアレルギー性疾患治療剤およ
び抗炎症剤は、経口または非経口(例えば静脈内投与、
筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与、経皮吸収または経
粘膜吸収等)を問わず患者に投与される。成人における
一日投与量は、前記オリゴ糖に換算して0.1mg〜5
000mg、好ましくは、0.5mg〜1000mg、
さらに好ましくは5〜500mgであるが、患者の体
重、症状あるいは投与経路に応じて適宜増減することが
でき、また全量を1回ないし2〜6回に分割して投与す
ることや点滴静注なども可能である。
【0050】以下に本発明の代表化合物のいくつかを例
示し、第2態様に記載のヒアルロニダーゼ阻害作用およ
び第3態様に記載の抗アレルギー性作用および抗炎症作
用を実験例1〜5によって示す。実施例1、2、3、
7、8、9で合成され、実験例1〜5で用いられる化合
物名および式と、比較化合物を列挙する。
【0051】実施例1の化合物:式(XII )
【化24】 [式(XII )中、Acはアセチル基を表す。]4−O−
(2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガラクトピ
ラノシル)−D−グルコピランウロン酸;[GalNA
c(β1−4)GlcA]
【0052】実施例2の化合物:式(XVI )
【化25】 [式(XVI )中、Acはアセチル基、Meはメチル基、
Bnはベンジル基、Phtはフタロイル基を表す。]1
−プロペニル4−O−(3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−ガラク
トピラノシル)−2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−
グルコピランウロン酸メチルエステル
【0053】実施例3の化合物:式(XVII)
【化26】 [式(XVII)中、Acはアセチル基、Bnはベンジル
基、Phtはフタロイル基、Phはフェニル基を表
す。]1−プロペニル 4−O−(3,4,6−トリ−
O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−
D−ガラクトピラノシル)−2,3−ジ−O−ベンジル
−α−D−グルコピランウロン酸ジフェニルメチルエス
テル
【0054】実施例7の化合物:式(XVIII )
【化27】 [式(XVIII )中、Acはアセチル基を表す。]O−β
−D−グルコピランウロノシル−(1→3)−O−2−
アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシ
ル−(1→4)−O−β−D−グルコピランウロノシル
−(1→3)−2−アセタミド−2−デオキシ−D−ガ
ラクトピラノース;[GlcA(β1−3)GalNA
c(β1−4)−GlcA(β1−3)GalNAc]
【0055】実施例8の化合物:式(XIII)
【化28】 [式(XIII)中、Acはアセチル基を表す。]O−2−
アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシ
ル−(1→4)−O−β−D−グルコピランウロノシル
−(1→3)−2−アセタミド−2−デオキシ−D−ガ
ラクトピラノース;[GalNAc(β1−4)Glc
A(β1−3)GalNAc]
【0056】実施例9の化合物:式(XIX )
【化29】 [式(XIX )中、Acはアセチル基を表す。]O−β−
D−グルコピランウロノシル−(1→3)−2−アセタ
ミド−2−デオキシ−D−ガラクトピラノース;[Gl
cA(β1−3)GalNAc];N−アセチルコンド
ロシン 比較化合物:クロモグリク酸ナトリウム(DSCG)
【0057】実験例1:ヒアルロニダーゼ阻害作用 本発明のオリゴ糖誘導体である実施例1、7、8、9の
化合物を含む0.15M塩化ナトリウム添加50mM酢
酸緩衝液(pH4.0)0.1mlにヒアルロン酸1.
67mg/mlを含む同緩衝液0.3mlを加え、37
℃、5分間、ついでヒアルロニダーゼ(スプラーゼ;持
田製薬社製)3000U/mlを含む同緩衝液0.1m
lを加え、10分間インキュベートした後、0.8Mホ
ウ酸緩衝液(pH9.7)0.1mlを加え、沸騰水浴
上で、3分間煮沸した。この液に1%ジメチルアミノベ
ンズアルデヒドを含む酢酸3mlを加え、37℃、20
分間インキュベートし、3000rpm、5分間遠心分
離した上清の、波長585nmにおける吸光度(tes
tA585nm)を測定した。前記オリゴ糖を同量含有
する0.15M塩化ナトリウム添加50mM酢酸緩衝液
(pH4.0)0.1mlを37℃、5分間、ついでヒ
アルロニダーゼ3000U/mlを含む同緩衝液0.1
mlを加え、10分間インキュベートした後、ヒアルロ
ン酸1.67mg/mlを含む同緩衝液0.3mlおよ
び0.8Mホウ酸緩衝液(pH9.7)0.1mlを加
え、沸騰水浴上で、3分間煮沸した。この液に1%ジメ
チルアミノベンズアルデヒドを含む酢酸3mlを加え、
37℃、20分間インキュベートし、3000rpm、
5分間遠心分離した上清の、波長585nmにおける吸
光度(blankA585nm)を測定した。test
A585nmとblankA585nmとの差をsam
pleΔA585nm、本発明の化合物を添加しないで
同様に測定した場合の値をcontrolΔA585n
mとし、次式により本発明の化合物のヒアルロニダーゼ
に対する阻害率(%)を算出した。 阻害率={(controlΔA585nm−samp
leΔA585nm)/controlΔA585n
m}×100 種々濃度の本発明の化合物を用いて、ヒアルロニダーゼ
阻害活性を測定した。前記オリゴ糖を1.5mg/ml
を適用したときの阻害率(%)を表1に示した。
【0058】 表1に示すように、本発明の化合物は、ヒアルロニダー
ゼ阻害作用を示した。
【0059】実験例2:ヒスタミン遊離抑制作用 体重250〜300gの雄性ウィスター系ラットにジャ
ーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)
114巻、1473頁(1975年)に記載された方法
により調製したヘパリン10U/mlを含むマストセル
・カルチャード・メディウム(以下MCMと略す)10
mlを腹腔内投与し、約90秒間腹部をマッサージした
後、腹腔からMCMを回収し、600rpm、4℃、3
分間遠心分離して細胞を集めた。細胞を0.05%トル
イジンブルーにて染色した後、光学顕微鏡下で計数し、
肥満細胞数が5×104個/mlになるようにMCMを
加え、肥満細胞浮遊液とした。肥満細胞浮遊液1mlに
種々の濃度の本発明の化合物を含むMCM0.5mlお
よびコンパウンド(Compound)48/80
0.3μg/mlを含むMCM0.5mlを加え、37
℃、10分間インキュベートした後、冷生理食塩液3m
lを加え、600rpm、4℃、10分間遠心分離し
た。上清1.5mlに1M過塩素酸1.0mlを加え、
氷冷下、15分間インキュベートした後、12000r
pm、0℃、20分間遠心分離し、上清を採取した。上
清2mlに塩化ナトリウム3gを加え、6M水酸化ナト
リウムにてpHを13.0に調整した後、n−ブタノー
ル:クロロホルム=3:2の溶液3.5mlを加え、1
5分間振盪した。3000rpm、5分間遠心分離し、
上層を採取した。上層3mlにヘプタン3mlおよび
0.1M塩酸1.5mlを加え、15分間振盪し、30
00rpm、5分間遠心分離した後、下層を採取した。
下層1mlを1M水酸化ナトリウムにてpHを12.6
に調整し、0.2%オルトフタルアルデヒドを含むメタ
ノール0.1mlを加えて、0℃、40分間インキュベ
ートした後、0.25M硫酸にてpHを3.0に調整し
た。ついで、励起波長360nm、測定波長440nm
の蛍光強度を測定した後、ヒスタミン10〜270ng
/mlを含む塩化ナトリウム溶液(pH12.6)のオ
ルトフタルアルデヒド反応液の蛍光強度より、作成した
標準曲線により、ヒスタミン含量を算出した。種々の濃
度の本発明の実施例7、8、9の化合物を含むMCMを
用いて算出したヒスタミン含量を[Test]、本発明
の化合物を添加しないで同様に測定した場合の値を[C
ontrol]とし、次式によりヒスタミン遊離抑制率
を算出した。 ヒスタミン遊離抑制率(%)=100×([Contr
ol]−[Test])/[Control] ヒスタミン遊離抑制率を縦軸に、本発明の化合物の濃度
の対数値を横軸にとり、阻害曲線を作成した後、ヒスタ
ミン遊離に対する50%抑制濃度を算出し、IC50値
とした。結果を表2に示した。
【0060】 表2に示すように、本発明の化合物は、肥満細胞からの
ヒスタミン遊離抑制作用を示した。本発明の化合物のヒ
スタミン遊離抑制作用は、いずれもDSCGよりも強力
であった。
【0061】実験例3:気道収縮抑制作用(ラット) 体重200〜250g雄性ウィスター系ラットに抗オボ
アルブミン(以下OAと略す)マウス血清5.0ml/
kgを静脈内投与し、1日後、ペントバルビタールナト
リウム麻酔下に、気管にカニューレを挿入した。気管カ
ニューレに小動物用人工呼吸器(SN480−7、シナ
ノ製作所)およびトランスジューサー(LPU−0.1
−350−0−II,日本光電)を連結して人工呼吸を
行なった。OA4mg/kgを静脈内投与した後、カニ
ューレ側枝からの余剰空気圧を測定した。測定終了時に
気管を閉塞し、この時の空気圧を100%とした時の余
剰空気圧の割合を算出し、気道収縮率とした。本発明の
実施例1、7、8、9の化合物もしくはDSCGは生理
食塩水に溶解して種々の濃度に調製し、OA投与の1分
前に大腿静脈より投与した。結果を表3に示した。
【0062】 表3に示すように、本発明の化合物は、ラットにおいて
気道収縮抑制作用を示した。
【0063】実験例4:気道収縮抑制作用(モルモッ
ト) 体重250〜350gの雄性ハートレー系モルモットに
抗OAモルモット血清1ml/kgを腹腔内投与し、1
日後ウレタン麻酔下に気管にカニューレを挿入した。気
管カニューレに小動物人工呼吸器(SN480−7、シ
ナノ製作所)およびブロンコスパスム・トランスジュー
サー(7020、Ugo Basile)を連結して人
工呼吸を行った。臭化パンクロニウム1mg/kgの静
注により自発呼吸を停止させた後、OA10mg/ml
生理食塩水溶液をネブライザー(TUR−3200、日
本光電)により30秒間吸入させアナフィラキシー性気
道収縮反応を惹起させ、側路よりのエアー・オーバーフ
ロー量をトランスジューサーを介して記録した。測定終
了後に気管を閉塞し、これを最大反応として被験薬によ
る反応の百分率を求めた。なお、本発明の化合物は5%
アラビアゴム水溶液に懸濁し、OA投与の1時間前に経
口投与した。結果を表4に示した。
【0064】 表4に示すように、本発明の化合物は、モルモットにお
いて気道収縮抑制作用を示した。
【0065】実験例5:マウス受動皮膚アナフィラキシ
ー(以下PCAと略す)反応抑制作用 体重20〜40gの雄性ddy系マウスの背部皮内に抗
OAマウス血清50μlを投与し、2時間後にOA0.
5mgを含む0.5%エバンスブルー溶液0.5mlを
静脈内投与した。30分後にマウスを屠殺し、抗体投与
部位に生じる色素漏出部位の直径が5mm以上のものを
PCA反応陽性として判定した。なお、本発明の化合物
は5%アラビアゴム水溶液に懸濁し、OA投与の1時間
前に経口投与した。本発明の実施例2の化合物および実
施例3の化合物に、PCA反応抑制作用が認められた。
【0066】以上の実験例1〜5から明らかなように、
本発明の化合物は、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ラット
肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用、ラットおよび
モルモットアナフィラキシー気道収縮抑制作用、マウス
PCA反応抑制作用を示し、安全性も高い。従って、本
発明の化合物は、慢性関節リウマチ、変形性関節症、腰
痛症、気管支喘息、結膜炎、アレルギー性鼻炎、アトピ
ー性皮膚炎、過敏症、枯草熱(花粉症)、血管神経性浮
腫、蕁麻疹、中耳炎、アレルギー性胃腸炎、食物アレル
ギーおよび薬物アレルギーなどの各種炎症性疾患および
アレルギー性疾患の治療に極めて有用である。なお、本
発明の化合物は、動物実験において、最大100mg/
kgまで投与しても、死亡例および毒性学的異常所見は
認められなかった。従って、本発明の化合物は、安全性
の高い、強力なヒアルロニダーゼ阻害剤、ひいては強力
な抗アレルギー剤、抗炎症剤を提供するものである。
【0067】
【実施例】以下に本発明の抗炎症・抗アレルギー作用を
有するオリゴ糖誘導体のオリゴ糖の製造方法を実施例に
よって具体的に示すが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。各例について、必要に応じて 1H−
NMRスペクトル(δ値、ppm)、13C−NMRスペ
クトル(δ値、ppm)、MASSスペクトル、IRス
ペクトルデータ(KBr錠剤法)などを記載した。な
お、NMRスペクトルデータは、特記しない限り、CD
Cl3 中、TMSを内部標準物質として測定した数値を
記載した。
【0068】実施例1: 4−O−(2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−D−グルコピランウロン酸の製造 工程1 ハンス・ポールセン(Hans Paulsen)らの
方法[カーボハイドレート・リサーチ(Carbohy
drate Res.)100巻、143頁(1982
年)]に従い、3,4,6−トリ−O−アセチル−2−
デオキシ−2−フタルイミド−α−D−ガラクトピラノ
シルブロミドを合成した。
【0069】工程2 ジョセフ・キス(Joseph Kiss)らの方法
[ジャーナル・オブ・カーボハイドレーツ・ヌクレオシ
ド・ヌクレオチド(J.Carbohydrates
Nucleosides Nucleotides)4
巻、101頁(1977年)]に従い、ベンジル2,3
−ジ−O−ベンジル−4,6−O−ベンジリデン−α−
D−グルコピラノシドを合成した。
【0070】工程3 工程2で合成した化合物188g、パラトルエンスルホ
ン酸一水和物39g、メタノール1.75l、水0.7
5lを混合し、3時間還流した。反応液を放冷後、減圧
下に濃縮し、反応液を約1/3量とし、クロロホルム5
00mlで3回抽出した。クロロホルム層を合わせ、
水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒のクロロホルムを減圧下に留去し、残渣をヘキ
サンで洗浄し、結晶を得た。さらに酢酸エチル−ヘキサ
ンより再結晶して、ベンジル2,3−ジ−O−ベンジル
−α−D−グルコピラノシド32gを得た。 NMR(δppm):7.35−7.25(15H),
5.11−4.45(7H),3.9−3.4(6H)
【0071】工程4 パラメトキシベンジルアルコール27.2gと47%臭
化水素酸54.6mlを混合し、室温で15分間撹拌し
た。反応液をジエチルエーテル200mlで3回抽出し
た。ジエチルエーテル層を合わせ、冷飽和炭酸水素ナト
リウム溶液、冷水で洗浄後、塩化カルシウムで乾燥し
た。溶媒のジエチルエーテルを減圧下留去し、無色の油
状のパラメトキシベンジルブロミドを得た。工程3で得
た化合物20gをトルエン580mlに懸濁し、酸化ビ
ス[トリ−n−ブチルすず(IV)]15.3gを加
え、2時間還流した。その間、ディーンスターク管で水
を除きながら約300mlのトルエンを留去した。反応
液の温度を80℃に放冷し、上記調製したパラメトキシ
ベンジルブロミドおよび臭化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム10gを加え、アルゴン雰囲気下に80℃で3時
間撹拌した。放冷後、クロロホルム2lで希釈した後、
10%炭酸水素カリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた
油状の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エ
ーテル−ヘキサン)で精製し、ベンジル2,3−ジ−O
−ベンジル−6−O−(4′−メトキシベンジル)−α
−D−グルコピラノシド13.5gを得た。 NMR(δppm):7.36−7.19(17H),
6.85(d,2H),5.08−4.45(9H),
3.79(S,3H)3.77−3.46(6H),
2.46(dd,1H)
【0072】工程5 工程4で得られた化合物7.1gを無水1,2−ジクロ
ロエタン45mlに溶解し、モレキュラーシーブ4A
6.2gおよび2,4,6−コリジン1.68mlを加
え、室温で1.5時間撹拌した。銀トリフラート3.5
2gを加えた後、反応液を−25℃に冷却し、工程1で
得た化合物6.8gの1,2−ジクロロエタン溶液35
mlを滴加した。反応液を室温に戻し、2時間撹拌し
た。さらに40℃で2時間撹拌した。放冷後、反応液を
ジクロロメタンで希釈し、不溶物を濾去後、10%チオ
硫酸ナトリウム溶液、冷水、1M塩酸、飽和炭酸水素ナ
トリウム溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた残渣15.9g
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エーテル−ヘ
キサン)で精製し、ベンジル2,3−ジ−O−ベンジル
−4−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−2−フタルイミド−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−6−O−(4′−メトキシベンジル)−α−D−
グルコピラノシド9.2gを得た。 NMR(δppm):7.9−7.6(4H),7.4
2−7.13(17H),6.85(d,2H),5.
75−3.3(22H),3.81(s,3H),2.
10(s,3H),1.96(s,3H),1.81
(s,3H)Mass(M++1):988
【0073】工程6 工程5で得られた化合物14gを無水メタノール1.2
lに溶解し、アルゴン雰囲気下、氷冷し、0〜2℃とし
た。1Mナトリウムメトキシド/メタノール溶液12.
8mlを滴加した。反応液を4℃で1時間撹拌後、反応
液をダウエックス50Wで中和した。ダウエックス50
Wを濾去後、溶媒を減圧留去し、ベンジル2,3−ジ−
O−ベンジル−4−O−(2−デオキシ−2−フタルイ
ミド−β−D−ガラクトピラノシル)−6−O−(4′
−メトキシベンジル)−α−D−グルコピラノシドを得
た。本化合物は未精製のまま工程7に用いた。 NMR(δppm):7.9−7.6(4H),7.4
1−7.19(17H),6.83(d,2H),5.
3−3.0(22H),3.79(s,3H)
【0074】工程7 工程6で得られた化合物861mgをメタノール75m
lに溶解し、ヒドラジン一水和物395mgを加え、2
8時間還流した。溶媒を減圧下留去し、残渣にピリジン
10ml、無水酢酸7mlを加えて、室温で16時間撹
拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をジクロロメタンで
希釈し、10%硫酸水素カリウム水溶液で2回洗浄後、
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ジクロロメタン)で精製し、ベンジル2,3−ジ
−O−ベンジル−4−O−(2−アセタミド−3,4,
6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−ガラ
クトピラノシル)−6−O−(4′−メトキシベンジ
ル)−α−D−グルコピラノシド773mgを得た。 NMR(δppm):7.36−7.22(17H),
6.96(d,2H),5.22(d,1H),5.0
−4.2(14H),3.82(s,3H),3.8
(1H),3.7−3.4(7H),2.07(s,3
H),1.98(s,3H),1.96(s,3H),
1.73(s,3H)
【0075】工程8 工程7で得られた化合物12.6gをジクロロメタン1
87mlに溶解し、水9.4mlを加えた後、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン4.1
2gを加えた。室温で2時間撹拌した後、反応液をジク
ロロメタン630mlで希釈し、水19ml(2回)、
飽和炭酸水素ナトリウム溶液190ml(2回)、水1
25mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製
し、ベンジル2,3−ジ−O−ベンジル−4−O−(2
−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−
デオキシ−β−D−ガラクトピラノシル)−α−D−グ
ルコピラノシド8gを得た。 NMR(δppm):7.43−7.16(15H),
5.8−5.6(1H),5.2−4.4(11H),
4.1−3.5(10H),2.10(s,3H),
1.98(s,3H),1.93(s,3H),1.9
1(s,3H)Mass(M++1):780
【0076】工程9 工程8で得られた化合物4gをアセトン115mlに溶
解し、−5℃に冷却した後、三酸化クロム1.4gの
3.5M硫酸溶液6.9mlを徐々に加えた。−5℃で
1時間撹拌後、室温で2.5時間撹拌した。反応液に水
50mlを加え、クロロホルムで抽出した。クロロホル
ム層を合わせ、洗液が中性になるまで水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、ベ
ンジル2,3−ジ−O−ベンジル−4−O−(2−アセ
タミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキ
シ−β−D−ガラクトピラノシル)−α−D−グルコピ
ラノシドウロン酸3.7gを得た。 NMR(δppm):7.51−7.14(15H),
6.4−3.4(19H),2.17−1.94(12
H)
【0077】工程10 工程9で得られた化合物3.7gをジメチルホルムアミ
ド6mlに溶解し、クロロメチルメチルエーテル0.3
5ml、トリエチルアミン0.64mlを加え、室温で
1時間撹拌した。さらに、クロロメチルメチルエーテル
0.17ml、トリエチルアミン0.32mlを加え、
室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロ
メタンで抽出した。ジクロロメタン層を飽和炭酸水素ナ
トリウム溶液、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を減圧下留去し、ベンジル2,3−ジ−O
−ベンジル−4−O−(2−アセタミド−3,4,6−
トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−ガラクト
ピラノシル)−α−D−グルコピラノシドウロン酸メト
キシメチルエステル4gを得た。本化合物には、溶媒の
ジメチルホルムアミドがわずかに残存しているが、その
まま工程11に用いた。 NMR(δppm):7.4−7.2(15H),5.
95(d,1H),5.5−3.7(20H),3.5
5(s,3H),2.10(s,3H),1.97(6
H),1.93(s,3H)
【0078】工程11 工程10で得られた化合物4gをメタノール270ml
に溶解し、10%パラジウム−炭素3.7gを加えた。
水素ガスを吹き込みながら、室温で3時間撹拌した後、
38℃で5時間撹拌した。さらに、水素ガス雰囲気下で
室温で終夜撹拌した。反応液からパラジウム−炭素を濾
去後、溶媒を減圧下留去した。残渣を減圧乾燥し、4−
O−(2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシル)−D
−グルコピランウロン酸メトキシメチルエステル2gを
得た。 NMR(δppm):5.5−3.0(18H),3.
49(s,3H),2.14(s,3H),2.08
(s,3H),1.96(s,3H),1.89(s,
3H)
【0079】工程12 工程11で得られた化合物1.9gをピリジン20ml
に溶解し、無水酢酸14mlを加え、室温で16時間撹
拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をジクロロメタンに
溶解し、10%硫酸水素カリウム溶液で2回、水で1回
洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下
溶媒を留去し、アセチル2,3−ジ−O−アセチル−4
−O−(2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセ
チル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシル)−
D−グルコピラノシドウロン酸メトキシメチルエステル
1.9gを得た。 NMR(δppm):6.32(d,1H),5.8−
3.8(14H),3.56(s,3H),2.17−
1.94(21H)
【0080】工程13 工程12で得られた化合物0.4gをメタノール40m
lに溶解し、1M塩酸を8滴加えた後40℃で6.5時
間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、アセチル2,3−ジ
−O−アセチル−4−O−(2−アセタミド−3,4,
6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−ガラ
クトピラノシル)−D−グルコピラノシドウロン酸0.
28gを得た。 NMR(δppm):5.35(1H),4.2−3.
4(12H),2.2−1.9(21H)
【0081】工程14 工程13で得られた化合物0.28gを無水メタノール
28mlに溶解し、1Mナトリウムメトキシド−メタノ
ール溶液0.39mlを氷冷下加えた。さらに1Mナト
リウムメトキシド−メタノール溶液0.39mlを加
え、5〜10℃で2.5時間撹拌した。反応液をダウエ
ックス50Wで中和した後、ダウエックス50Wを濾去
し、減圧下溶媒を留去した。残渣をバイオゲルP−2を
用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、本発明
のオリゴ糖である表題化合物4−O−(2−アセタミド
−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシル)−D−
グルコピランウロン酸77mgを得た。 NMR(D2O;δppm):5.23−3.1(19
H),1.97(s,3H)13 CNMR(D2O;δppm):177.4,10
4.0,98.7,94.7,82.5,63.5,5
4.9,24.9 Mass(M+ −1):396 IR(cm-1):3350,2900,1740,16
30,1370,1040
【0082】実施例2: 1−プロペニル2,3−ジ−O−ベンジル−4−O−
(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2
−フタルイミド−β−D−ガラクトピラノシル)−α−
D−グルコピラノシドウロン酸メチルエステルの製造 工程1 実施例1工程1と同様にして、3,4,6−トリ−O−
アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−α−D−
ガラクトピラノシルブロミドを合成した。
【0083】工程2 特開昭59−10599号公報に記載の方法に従って、
1−プロペニル2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グ
ルコピラノシドウロン酸メチルエステルを合成した。
【0084】工程3 工程1で得られた化合物3.07g、工程2で得られた
化合物2.4g、銀トリフラート1.59g、2,3,
6−コリジン0.76ml、モレキュラーシーブ4A
2.8gを無水1,2−ジクロロエタン35mlに懸濁
し、実施例1工程5と同様の方法により、本発明のオリ
ゴ糖である表題化合物1.7gを得た。 NMR(δppm):7.91−7.66(4H),
7.40−7.15(10H),5.94−3.82
(18H),3.57(s,3H),2.11(s,3
H),1.95(s,3H),1.80(s,3H),
1.52(dt,3H)13 CNMR(δppm):170.0,169.9,1
69.5,168.9,134.0,131.7,12
8.3,128.1,127.9,127.8,12
7.1,126.6,97.8,97.2,74.7,
73.2,60.7,52.4,51.9,20.4,
20.3,12.2,9.3
【0085】実施例3: 1−プロペニル2,3−ジ−O−ベンジル−4−O−
(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2
−フタルイミド−β−D−ガラクトピラノシル)−α−
D−グルコピラノシドウロン酸ジフェニルメチルエステ
ルの製造 工程1 実施例1工程1と同様にして、3,4,6−トリ−O−
アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−α−D−
ガラクトピラノシルブロミドを合成した。
【0086】工程2 特開昭59−10599号公報に記載の方法に従って、
アリル4−O−アセチル−2,3−ジ−O−ベンジル−
α−D−グルコピラノシドウロン酸を合成した。
【0087】工程3 工程2で得られた化合物44.6gをジエチルエーテル
150mlに溶解し、室温で撹拌しながら、原料が消失
するまでジフェニルジアゾメタンを加えた。シリカゲル
を加え、2〜3分撹拌し、過剰のジフェニルジアゾメタ
ンを分解した後、シリカゲルを除去した。溶媒を減圧下
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン−ジエチルエーテル)で精製し、アリル4−
O−アセチル−2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グ
ルコピラノシドウロン酸ジフェニルメチルエステル3
8.4gを得た。 NMR(δppm):7.35−7.2(20H),
6.2−5.7(1H),5.4−3.5(14H),
1.47(s,3H)
【0088】工程4 工程3で得られた化合物36.9gをエタノール830
ml、ベンゼン355mlおよび水118mlの混液に
溶解し、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタ
ン1.18gを加え、還流した。還流下に塩化トリフェ
ニルホスフィンロジウム(I)3.82gを加え、4時
間還流した。反応終了後、不溶物を濾去し、溶媒を減圧
下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン−ジエチルエーテル)で精製し、1−プロ
ペニル4−O−アセチル−2,3−ジ−O−ベンジル−
α−D−グルコピラノシドウロン酸ジフェニルメチルエ
ステル30.2gを得た。 NMR(δppm):7.3−7.15(20H),
6.0(1H),5.3−3.5(11H),1.6
(dt,3H),1.5(d,3H)
【0089】工程5 工程4で得られた化合物29.6gをメタノール320
mlに溶解し、室温撹拌下、2Mナトリウムメトキシド
−メタノール溶液12.8mlを加え、室温で1時間撹
拌した。ダウエックス50Wを約30ml加え、室温で
10分間撹拌し、反応を停止させた。ダウエックス50
Wを濾去後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−ジエチルエーテ
ル)で精製し、1−プロペニル2,3−ジ−O−ベンジ
ル−α−D−グルコピラノシドウロン酸ジフェニルメチ
ルエステル11.4gを得た。 NMR(δppm):7.4−7.2(20H),6.
2−6.0(1H),5.45−3.1(11H),
1.65(dd,3H)
【0090】工程6 工程1で得られた化合物、工程5で得られた化合物を用
い、実施例1工程5と同様の方法で、本発明のオリゴ糖
である表題化合物0.3gを得た。 NMR(δppm):7.9−7.7(4H),7.4
−7.2(20H),6.0−3.5(19H),2.
11(s,3H),1.97(s,3H),1.81
(s,3H),1.5(dt,3H)
【0091】実施例4: ベンジル2,3−ジ−O−ベンジル−4−O−(3,
4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタ
ルイミド−β−D−ガラクトピラノシル)−D−グルコ
ピラノシドウロン酸ベンジルエステルの製造 工程1 実施例1工程1と同様にして、3,4,6−トリ−O−
アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−α−D−
ガラクトピラノシルブロミドを合成した。
【0092】工程2 実施例1工程2および工程3と同様にして、ベンジル
2,3−ジ−O−ベンジル−D−グルコピラノシドを合
成した。
【0093】工程3 工程2で得られた化合物42gを無水ピリジン200m
lに溶解し、室温で撹拌しながらトリチルクロライド2
9.9gを加えた。100℃で2時間撹拌後、室温まで
放冷し、無水酢酸155.8mlを加え、室温で終夜撹
拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣にクロロホルム50
0mlを加え、10%硫酸水素カリウム、水、飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を減圧下留去し、油状のベンジル4−O−アセチル−
2,3−ジ−O−ベンジル−6−O−トリチル−D−グ
ルコピラノシド83gを得た。
【0094】工程4 工程3で得られた化合物68.5gをクロロホルム50
0mlに溶解し、氷浴で0℃に冷却した。三フッ化ホウ
素−メタノール錯体の20%メタノール溶液94mlを
30分かけて滴加し、0〜10℃で5時間撹拌した。反
応液を水に注ぎ、有機層を分取した。有機層を水で2
回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、さらに洗液
が中性になるまで水で洗浄し、続いて飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジ
クロロメタン−ヘキサン)で精製し、ベンジル4−O−
アセチル−2,3−ジ−O−ベンジル−D−グルコピラ
ノシド37gを得た。 NMR(δppm):7.4−7.2(15H),5.
0−4.5(9H),3.7−3.5(4H),1.9
5(s,3H)
【0095】工程5 工程4で得られた化合物37gをアセトン600mlに
溶解し、塩化ナトリウム−氷浴で−5℃まで冷却した。
撹拌下、三酸化クロム21gを3.5M硫酸94mlに
溶解した溶液を滴加した。滴加終了後、反応液を室温に
戻し、室温で3時間撹拌した。反応液に水500mlを
加え、クロロホルム500mlで3回抽出した。クロロ
ホルム層を合わせ、洗液が中性を示すまで洗浄し、続い
て飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を減圧下留去し、ベンジル4−O−アセチ
ル−2,3−ジ−O−ベンジル−D−グルコピラノシド
ウロン酸40gを得た。
【0096】工程6 工程5で得られた化合物20gをジエチルエーテル20
0mlに溶解し、フェニルジアゾメタン溶液を加えた。
溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン−ジエチルエーテル)で精製し、
ベンジル4−O−アセチル−2,3−ジ−O−ベンジル
−D−グルコピラノシドウロン酸ベンジルエステル1
1.2gを得た。
【0097】工程7 工程6で得られた化合物11.2gをメタノール130
mlに溶解し、1Mナトリウムメトキシド−メタノール
溶液13.7mlを加えた。室温で1.5時間撹拌した
後、ダウエックス50を加え中和した。ダウエックス5
0Wを濾去し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−ジエチルエー
テル)で精製し、ベンジル2,3−ジ−O−ベンジル−
D−グルコピラノシドウロン酸ベンジルエステル2.0
gを得た。 NMR(δppm):7.35−7.2(20H),
5.3−2.8(14H)
【0098】工程8 工程1で得られた化合物3.8g、工程7で得られた化
合物3.8g、銀トリフラート1.94g、2,3,6
−コリジン0.93ml、モレキュラーシーブ4A
3.4gを、無水1,2−ジクロロエタン45mlに懸
濁し、実施例1工程5と同様の方法により本発明のオリ
ゴ糖である表題化合物1.1gを得た。 NMR(δppm):7.8−7.7(4H),7.4
−7.1(20H),5.8−3.5(20H),2.
1(s,3H),1.95(s,3H),1.8(s,
3H)
【0099】実施例5: ベンジル2,3−ジ−O−ベンジル−4−O−(2−デ
オキシ−2−フタルイミド−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−D−グルコピラノシドウロン酸ベンジルエステル
の製造 実施例4で得られたベンジル2,3−ジ−O−ベンジル
−4−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−2−フタルイミド−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−D−グルコピラノシドウロン酸ベンジルエステル
1.0gを無水メタノール430mlに溶解し、食塩−
氷浴を用いて0℃まで冷却後、1Mナトリウムメトキシ
ド−メタノール溶液1.3mlを加え、5時間撹拌し
た。ダウエックス50Wを加えて中和後、ダウエックス
50Wを濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−ジエ
チルエーテル)で精製し、本発明のオリゴ糖である表題
化合物0.9gを得た。 NMR(δppm):7.8−7.7(4H),7.4
−7.2(20H),5.0−3.4(20H)
【0100】実施例6: O−(2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシル)−
(1→4)−O−(2,3−ジ−O−アセチル−β−D
−グルクロン酸メチル)−(1→3)ベンジル 2−ア
ジド−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−β−
D−ガラクトピラノシドの製造 工程1 実施例1工程8と同様にして、ベンジル2,3−ジ−O
−ベンジル−4−O−(2−アセタミド−3,4,6−
トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−D−ガラクト
ピラノシル)−α−D−グルコピラノシド8gを合成し
た。
【0101】工程2 工程2で得られた化合物3.65gを用い、実施例1工
程9と同様の条件で酸化反応を行った。反応液に水15
0mlを加えて、クロロホルムで抽出した。クロロホル
ム層を合わせ、洗液が中性になるまで水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去した
後、残渣をジエチルエーテル100mlに溶解し、室温
で、ジアゾメタンのジエチルエーテル溶液を適量加え
た。過剰のジアゾメタンを、酢酸を小量加えて分解した
後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、ベ
ンジル4−O−(2−アセタミド−3,4,6−トリ−
O−アセチル−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノ
シル)−2,3−ジ−O−ベンジル−α−D−グルコピ
ラノシドウロン酸メチルエステル2.8gを得た。 NMR(δppm):7.4−7.2(15H),5.
5(d,1H),5.25(t,1H),5.1−3.
4(16H),3.82(s,3H),2.11(s,
3H),1.98(s,3H),1.95(6H)
【0102】工程3 工程2で得られた化合物2.7gをメタノール180m
lに溶解し、10%パラジウム−炭素2.5gを加え、
水素ガスを吹き込みながら、40℃で2.5時間撹拌し
た。反応液からパラジウム−炭素を濾去後、溶媒を減圧
下留去し、残渣1.5gを得た。残渣1.32gをピリ
ジン13mlに溶解し、氷冷下無水酢酸9.1mlを加
えた後、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し
た後、残渣をジクロロメタンに溶解し、10%硫酸水素
カリウム溶液で2回、水で1回洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチ
ル)で精製し、アセチル4−O−(2−アセタミド−
3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−β−
D−ガラクトピラノシル)−2,3−ジ−O−アセチル
−D−グルコピラノシドウロン酸メチルエステル1.5
4gを得た。 NMR(δppm):6.3−3.9(13H),3.
83(s,3H),2.17−1.92(21H)13 CNMR(δppm):170.2,169.9,1
69.5,169.2,168.5,168.3,16
7.9,100.3,91.6,75.5,74.4,
72.0,70.6,70.2,69.8,66.5,
61.1,53.0,51.5,23.1,20.4
【0103】工程4 工程3で得られた化合物50mgを無水酢酸40μlに
溶解した。氷冷下25%臭化水素酸−酢酸溶液0.2m
lを加え、0〜5℃で1時間、室温で2時間撹拌した。
反応液をクロロホルムで希釈し、冷水、冷飽和炭酸水素
ナトリウム溶液、冷水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、白色結晶の2,3
−ジ−O−アセチル−1−ブロモ−1−デオキシ−4−
O−(2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−2−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル)−β
−D−グルコピラノシルウロン酸メチルエステル50m
gを得た。 NMR(δppm):6.57−3.7(13H),
3.85(s,3H),2.14−1.93(18H)
【0104】工程5 ピエール・シネイ(Pierre Siney)らの方
法[カーボハイドレート・リサーチ(Carbohyd
rate Res.)155巻、131頁(1986
年)]に従い、ベンジル 2−アジド−4,6−O−ベ
ンジリデン−2−デオキシ−β−D−ガラクトピラノシ
ドを合成した。
【0105】工程6 工程5で得られた化合物265mg、シアン化水銀84
0mg、よう化水銀449mg、モレキュラーシーブ4
A 3.41gおよびベンゼン−ニトロメタン(1:
1)混合溶媒47mlを混合し、室温で1時間撹拌した
後、工程4で得られた化合物568.6mgをベンゼン
−ニトロメタン(1:1)混合溶媒11.7mlに溶解
した溶液を加えた。反応液を70℃で1.5時間撹拌
後、反応液中の不溶物を濾去し、不溶物を酢酸エチルで
洗浄した。濾液と洗液を合わせ、10%よう化カリウム
水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタ
ノール)で精製し、粗精製物を得た。これをさらに、高
速液体クロマトグラフィー(ヘキサン−エタノール)で
精製し、表題化合物6.7mgを得た。 NMR(δppm):7.6−7.3(10H),5.
5−3.3(23H),3.81(s,3H),2.0
6−1.93(18H)13 CNMR(δppm):170.4,169.8,1
68.7,136.9,129.1,128.5,12
8.3,128.1,126.1,122.1,10
3.0,101.0,100.6,100.4,97.
2,96.2,66.5,61.7,61.3,53.
0,51.2,51.1,29.8,,20.7,2
0.5 IR(cm-1):2812,2117,1610,13
70,1240,1066,1050
【0106】実施例7: O−β−D−グルコピランウロノシル−(1→3)−O
−2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガラクトピ
ラノシル−(1→4)−O−β−D−グルコピランウロ
ノシル−(1→3)−2−アセタミド−2−デオキシ−
D−ガラクトピラノース;[GlcA(β1−3)Ga
lNAc(β1−4)−GlcA(β1−3)GalN
Ac]の製造 UTI(ウリナスタチン;持田製薬社製)116000
U/mlを含む生理食塩液51.8mlにメタロエンド
ペプチダーゼ(生化学工業社製)0.72U/mlを含
む0.1Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH1
0.0)63.6mlを加え、37℃、3時間インキュ
ベートした後、0.1M重炭酸アンモニウムにて平衡化
したセファクリルS−200(ファルマシア社製)を充
填したカラム(5×87cm)を用いてゲル濾過した画
分のヒアルロニダーゼ阻害活性を測定し、ヒアルロニダ
ーゼ阻害画分を集めて凍結乾燥し、フラグメント1とし
た。フラグメント1、1124mgに0.5M水酸化ナ
トリウム112.4mlを加え、25℃、24時間イン
キュベートした後、6M塩酸にてpH7.0に調整し
た。この液を凍結乾燥によって、20mlに濃縮した
後、0.1M重炭酸アンモニウムにて平衡化したセファ
デックスG−75(ファルマシア社製)を充填したカラ
ム(5×87cm)を用いてゲル濾過した画分のヒアル
ロニダーゼ阻害活性を測定し、ヒアルロニダーゼ阻害活
性を有する画分を集めて凍結乾燥し、フラグメント2と
した。フラグメント2、21.2mg/mlを含む0.
1M酢酸緩衝液(pH5.0)24.1mlにノイラミ
ニダーゼ(シグマ社製)20U/mlを含む同緩衝液
1.5mlを加え、37℃、24時間インキュベートし
た後、0.1M重炭酸アンモニウムにて平衡化したセフ
ァデックスG−50(ファルマシア社製)を充填したカ
ラム(5×88cm)を用いてゲル濾過した。各画分の
ヒアルロニダーゼ阻害活性を測定し、ヒアルロニダーゼ
阻害活性画分を集めて凍結乾燥し、フラグメント3とし
た。フラグメント3、10mg/mlを含む0.15M
塩化ナトリウム添加50mM酢酸緩衝液(pH4.0)
40mlにヒアルロニダーゼ(スプラーゼ;持田製薬社
製)100000U/mlを含む同緩衝液1.2mlを
加え、37℃、24時間インキュベート、ついで、沸騰
水浴上で、10分間加熱した後、0.1M重炭酸アンモ
ニウムにて平衡化したバイオゲルP−6(バイオラッド
社製)を充填したカラム(2.6×100cm)を用い
てゲル濾過した。各画分のヒアルロニダーゼ阻害活性を
測定し、分子量500〜1500のヒアルロニダーゼ阻
害画分を集めて凍結乾燥した。凍結乾燥粉末150mg
を超純水3.0mlにて溶解し、超純水にて平衡化し、
高速液体クロマトグラフィーシステム(ALC/GPC
204,ウォータース社製)に装着させたモノQ(ファ
ルマシア社製)を充填したカラム(1.0×10cm)
に吸着させた後、0−0.2M塩化ナトリウムによる直
線濃度勾配溶出を行なった。0.075M塩化ナトリウ
ム溶出画分をバイオゲルP−2(バイオラッド社製)を
充填したカラムにて脱塩した後、凍結乾燥し、本発明の
オリゴ糖である表題化合物77.6mgを得た(フラグ
メント3からの収率;19.4%)。 分子量:776
【0107】ウロン酸含量およびガラクトサミン含量
を、以下の方法で測定した。得られた表題化合物50も
しくは100μg/mlを含む超純水0.5mlに0.
025Mホウ酸ナトリウムを含む硫酸2.5mlを加
え、沸騰水浴上で、10分間、さらに、カルバゾール
1.25mg/mlを含む無水メタノール0.1mlを
加え、15分間加熱した後、波長530nmにおける吸
光度を測定し、D−グルクロン酸4〜40μg/mlを
含む超純水を標準物質とした時の吸光度より、ウロン酸
含量を算出した。表題化合物0.2mgに6M塩酸0.
4mlを加え、減圧封管中、110℃、6時間加熱し
た。塩酸を減圧留去し、残渣を超純水0.5mlに溶解
した後、アミノ酸自動分析機を用いて、ガラクトサミン
含量を測定した。測定結果は以下の通りであった。 [結果]ウロン酸含量(%):44.5 ガラクトサミン含量(%):48.8 ウロン酸について、以下の確認試験を行った。得られた
表題化合物0.5mgに4M塩酸0.2mlを加え、減
圧封管中、110℃、6時間加熱した。塩酸を減圧留去
し、超純水0.1mlに溶解した後、その液10μlを
用い、n−ブタノール:酢酸:水=44:16:40を
展開液として、シリカゲル薄層クロマトグラフィーを行
った後、アニスアルデヒド−硫酸発色法によって、糖の
検出を行った。得られた結果を以下にRf値として示し
た。なお、標準物質として、D−ガラクトサミン(シグ
マ社製)、D−ガラクツロン酸(半井化学社製)、D−
グルクロン酸(半井化学社製)およびD−グルクロノラ
クトン(半井化学社製)を用いた。 表題化合物0.24(D−グルクロン酸) 0.32(D−ガラクトサミン) 0.43(D−グルクロノラクトン) 標準物質 D−グルクロン酸:0.24 D−ガラクトサミン:0.31 D−ガラクツロン酸:0.26 D−グルクロノラクトン:0.44
【0108】実施例8: O−2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−ガラクト
ピラノシル−(1→4)−O−β−D−グルコピランウ
ロノシル−(1→3)−2−アセタミド−2−デオキシ
−D−ガラクトピラノース;[GalNAc(β1−
4)GlcA(β1−3)GalNAc]の製造 実施例7の化合物10.5mg/mlを含む0.1M酢
酸緩衝液(pH5.0)5225μlにβ−グルクロニ
ダーゼ(シグマ社製)100000U/mlを含む同緩
衝液275μlを加え、37℃、48時間インキュベー
トした後、0.1M重炭酸アンモニウムにて平衡化した
バイオゲルP−2(バイオラッド社製)を充填したカラ
ム(2.6×100cm)を用いてゲル濾過し、分子量
800〜400の画分を集めて凍結乾燥した。凍結乾燥
粉末40mgを超純水0.8mlにて溶解し、超純水に
て平衡化し、高速液体クロマトグラフィーシステム(A
LC/GPC 204、ウォータース社製)に装着させ
たポリアニオンSI(ファルマシア社製)を充填したカ
ラム(0.5×5.0cm)に吸着させた後、0−0.
2M塩化ナトリウムによる直線濃度勾配溶出を行なっ
た。0.1M塩化ナトリウム溶出画分をバイオゲルP−
2(バイオラッド社製)を充填したカラムを用いて脱塩
した後、凍結乾燥し、本発明のオリゴ糖である表題化合
物を得た(実施例7の化合物からの収率;34.7
%)。 分子量:600 実施例7と同様の方法により、ウロン酸含量およびガラ
クトサミン含量を測定した。 ウロン酸含量(%):25.2 ガラクトサミン含量(%):64.8
【0109】実施例9: O−β−D−グルコピランウロノシル−(1→3)−2
−アセタミド−2−デオキシ−D−ガラクトピラノー
ス;[GlcA(β1−3)GalNAc]の製造 実施例8の化合物3mg/mlを含む超純水60μlに
N−アセチル−β−ヘキソサミニダーゼ125U/ml
を含む0.1Mクエン酸−燐酸緩衝液(pH4.0)2
40μlを加え、37℃、48時間インキュベートした
後、0.1M重炭酸アンモニウムにて平衡化したバイオ
ゲルP−2(バイオラッド社製)を充填したカラム
(2.6×100cm)を用いてゲル濾過した。分子量
200〜600の画分を集めて凍結乾燥し、本発明のオ
リゴ糖である表題化合物を得た(実施例8の化合物から
の収率;50.0%)。 分子量:397 実施例7と同様の方法により、ウロン酸含量およびガラ
クトサミン含量を測定した。 ウロン酸含量(%):39.8 ガラクトサミン含量(%):35.4
【0110】次に、本発明の化合物を含有する製剤の実
施例を実施例A〜Dにおいて示すが、本発明は以下の実
施例に限定されるものではない。各実施例A〜Dに用い
られる本発明のオリゴ誘導体である化合物は、上述の実
施例1、7、8、9の表題化合物である。
【0111】実施例A:錠剤 実施例7の化合物 10g ポリエチレングリコール6000 10g ラウリル硫酸ナトリウム 1.5g コーンスターチ 3g 乳糖 25g ステアリン酸マグネシウム 0.5g 上記成分を秤量した後、ポリエチレングリコール600
0を70〜80℃に加温し、これに実施例7の化合物、
ラウリル硫酸ナトリウム、コーンスターチおよび乳糖を
加え混合後そのまま冷却する。固化した混合物を粉砕器
にかけ造粒する。本顆粒をステアリン酸マグネシウムと
混合後圧縮打錠して重量250mgの錠剤とする。
【0112】実施例B:錠剤 実施例8の化合物 30g 乳糖 55g ポテト澱粉 12g ポリビニルアルコール 1.5g ステアリン酸マグネシウム 1.5g 上記成分を秤量した後、実施例8の化合物、乳糖、ポテ
ト澱粉を均一に混合する。この混合物にポリビニルアル
コールの水溶液を加え、湿式顆粒造粒法により顆粒を調
製する。この顆粒を乾燥し、ステアリン酸マグネシウム
を混合した後圧縮打錠して重量200mgの錠剤とす
る。
【0113】実施例C:カプセル剤 実施例1の化合物 10g 乳糖 25g コーンスターチ 5g 微結晶セルロース 9.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g 上記成分をそれぞれ秤量した後、ステアリン酸マグネシ
ウム以外の4成分を均一に混合する。ステアリン酸マグ
ネシウムを加えた後さらに数分間混合する。混合粉体を
No.1のハードカプセルに200mgずつ充填し、カ
プセル剤とする。
【0114】実施例D:散剤 実施例9の化合物 20g 乳糖 79g ステアリン酸マグネシウム 1g 上記成分をそれぞれ秤量した後、均一に混合して20%
散剤とする。
【0115】実施例E:坐剤 実施例1の化合物 100g ポリエチレングリコール1500 180g ポリエチレングリコール4000 720g 実施例1の化合物を乳鉢でよく研磨して微細な粉末とし
た後、熔融法によって1gの直腸坐剤とする。
【0116】実施例F:注射剤 実施例8の化合物 0.1g 塩化ナトリウム 0.9g 水酸化ナトリウム 適量 注射用滅菌蒸留水 100ml 上記成分をそれぞれ秤量した後、注射用滅菌蒸留水に溶
解し、濾過滅菌後10mlアンプルに5mlずつ分注
し、熔封して注射剤とする。
【0117】
【発明の効果】本発明のオリゴ誘導体は、強力なヒアル
ロニダーゼ阻害作用を示し、また、ラット肥満細胞から
のヒスタミン遊離抑制作用、ラットおよびモルモットに
おけるアナフィラキシー気道収縮抑制作用、マウスPC
A反応抑制作用など、炎症、アレルギーおよび喘息など
の実験動物モデルにおいて顕著な治療効果を示し、安全
性も高い。従って、これらのオリゴ誘導体は、慢性関節
リウマチ、変形性関節症、腰痛症、気管支喘息、結膜
炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、過敏症、枯
草熱(花粉症)、血管神経性浮腫、蕁麻疹、中耳炎、ア
レルギー性胃腸炎、食物アレルギーおよび薬物アレルギ
ーなどの各種炎症性疾患およびアレルギー性疾患の治療
に極めて有用である。また、本発明は、このような優れ
たオリゴ誘導体を製造するうえで有用な製造方法を提供
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07H 13/06 15/10 (72)発明者 西 島 和 三 東京都新宿区四谷一丁目7番地 持田製薬 株式会社内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)で表される構成単糖単位2〜
    8個からなる、グルクロン酸誘導体およびガラクトサミ
    ン誘導体を有するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物
    または塩の溶媒和物。式(I) 【化1】 [式(I)中、R1 は水素原子、保護基または下記式
    (II)を表す。(ただし、R1 が水素原子または保護
    基である場合、OR1 はグルクロン酸誘導体のCOOR
    4 に対してトランス結合またはシス結合であってもよ
    い。また、R1 が式(II)である場合、式(II) 【化2】 式(II)中、R10、R12およびR13は同一または異な
    って水素原子または保護基を表し、R11は、アジド基ま
    たは下記式(III)を表す。式(III) 【化3】 式(III)中、R14およびR15は、同一または異なっ
    て水素原子または保護基を表す):式(I)中、R2
    らR8 は同一または異なって水素原子または保護基を表
    す:式(I)中、R9は、水素原子、保護基または下記
    式(IV)を表す。式(IV) 【化4】 (式(IV)中、R16からR19は同一または異なって水
    素原子または保護基を表す):式(I)中、nは0から
    4の整数を表す。(ただし、nが0のとき、R1は式
    (II)で表される基であり、R9は式(IV)で表さ
    れる基である。nが4のとき、R1およびR9は同一また
    は異なって水素原子または保護基である。):式(I)
    〜(IV)中、保護基は互いに同一または異なっていて
    もよく、置換されていてもよい炭素原子数1から8の直
    鎖または分枝鎖のアルキル、置換されていてもよい炭素
    原子数2から8の直鎖または分枝鎖のアルケニル、置換
    されていてもよい炭素原子数1から8の直鎖または分枝
    鎖のアシル、置換されていてもよい芳香族アシル、また
    は、置換されていてもよい芳香族アルキルである。また
    さらに、R11を除くR1 からR19の任意の保護基2つが
    一緒になって、置換されていてもよい炭素原子数3から
    8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原子数3
    から8の環状アルキリデン、置換されていてもよいベン
    ジリデン、または、置換されていてもよいフタロイルで
    ある。]
  2. 【請求項2】前記式(I)〜(IV)において、R1
    水素原子または前記式(II)で表される基であり、R
    2からR4およびR6からR8が水素原子であり、R9が水
    素原子または前記式(IV)で表される基であり、
    10、R12、R13およびR15からR19が水素原子であ
    り、R5およびR14がアセチル基である請求項1に記載
    のグルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体を有
    するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩の溶
    媒和物。
  3. 【請求項3】前記構成単糖単位が2個である請求項1に
    記載のグルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体
    を有するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩
    の溶媒和物。
  4. 【請求項4】前記構成単糖単位が3個である請求項1に
    記載のグルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体
    を有するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩
    の溶媒和物。
  5. 【請求項5】前記構成単糖単位が4個である請求項1に
    記載のグルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体
    を有するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩
    の溶媒和物。
  6. 【請求項6】前記式(I)において、R9が水素原子ま
    たは保護基であり、nが1である請求項1に記載のグル
    クロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体を有するオ
    リゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩の溶媒和
    物。
  7. 【請求項7】前記式(I)において、R1からR4および
    6からR9が水素原子であり、R5がアセチル基である
    請求項6に記載のグルクロン酸誘導体およびガラクトサ
    ミン誘導体を有するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和
    物または塩の溶媒和物。
  8. 【請求項8】前記式(I)において、R1が下記式
    (V):式(V) 【化5】 で表される基であり、R2からR4およびR6からR9が水
    素原子であり、R5がアセチル基である請求項6に記載
    のグルクロン酸誘導体およびガラクトサミン誘導体を有
    するオリゴ糖、該オリゴ糖の塩、溶媒和物または塩の溶
    媒和物。
  9. 【請求項9】請求項1に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖の
    塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの有
    効成分とするヒアロニダーゼ阻害剤。
  10. 【請求項10】請求項2に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  11. 【請求項11】請求項3に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  12. 【請求項12】請求項4に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  13. 【請求項13】請求項5に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  14. 【請求項14】請求項6に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  15. 【請求項15】請求項7に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  16. 【請求項16】請求項8に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  17. 【請求項17】請求項1に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするアレルギー性疾患治療剤および抗炎症
    剤。
  18. 【請求項18】請求項2に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするアレルギー性疾患治療剤および抗炎症
    剤。
  19. 【請求項19】請求項3に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするアレルギー性疾患治療剤および抗炎症
    剤。
  20. 【請求項20】請求項4に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするアレルギー性疾患治療剤および抗炎症
    剤。
  21. 【請求項21】請求項5に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするアレルギー性疾患治療剤および抗炎症
    剤。
  22. 【請求項22】請求項6に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするアレルギー性疾患治療剤および抗炎症
    剤。
  23. 【請求項23】請求項7に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするアレルギー性疾患治療剤および抗炎症
    剤。
  24. 【請求項24】請求項8に記載のオリゴ糖、該オリゴ糖
    の塩、溶媒和物または塩の溶媒和物を少なくとも1つの
    有効成分とするアレルギー性疾患治療剤および抗炎症
    剤。
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