JPH05178151A - プレフィルタ並びにガス発生剤の緩衝手段を有するエアバッグ用ガス発生器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】プレフィルタ並びにガス発生剤の緩衝手段を有
するエアバッグ用ガス発生器を提供する。 【構成】ハウジングと、ハウジング内に配置されるガス
発生装置と、ハウジングとエアバッグとを連通する開口
９とを有し、ガス発生装置は、一端側に底部が形成され
他端側が蓋部材により密閉され内部にガス発生剤１５と
その周囲に配設される金属製のプレフィルタ２０を収容
するキャニスタ容器１８を含み、衝撃により前記ガス発
生装置で発生するガスをエアバッグ内に導入して衝撃か
ら乗員を保護するガス発生器において、プレフィルタ並
びにガス発生剤の一端側端面とキャニスタ容器の底部と
の間に第１の緩衝部材２３が配置されると共に、他端側
端面とキャニスタ容器の蓋部材との間に第２の緩衝部材
２４が配置され、両緩衝部材は、少なくともプレフィル
タの外径に相当する外径を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、衝撃から乗員を保護す
るエアバッグ用のガス発生器に係り、特にそのキャニス
タ容器におけるプレフィルタ並びにガス発生剤の緩衝手
段に関する。

【０００２】

【従来の技術】プレフィルタは、図２に示すように、ガ
ス発生剤１５の周囲に配設され、ガス発生剤の燃焼ガス
をろ過してこれに混じる固形物を取り去り清浄なガスに
するためのものである。このプレフィルタ２０は、一般
に、細い針金を縦横に碁盤状に織ったものからなり、プ
レフィルタの軸方向端面２０ａは針金を切断して生じた
鋭利な切断面より構成されている。

【０００３】また、キャニスタ容器の底部３０とガス発
生剤１５の間には緩衝部材、すなわちクッション３１が
配設され、ガス発生剤に対する衝撃を吸収すると共に、
振動等によってガス発生剤１５が運動するのを抑止して
いるが、プレフィルタ２０に対してはこのような振動対
策は何等されていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のガス発生器にお
いては、プレフィルタの切断面が振動等により上下、左
右に運動し、そのために薄肉（一般に０．１〜０．２ｍ
ｍ）のキャニスタ容器が損傷を受ける虞がある。その結
果、キャニスタ容器のシール性が損われ、ガス発生剤が
吸湿し、ひいては緊急時のエアバッグの展開作動に悪影
響を及ぼす虞がある。

【０００５】よって、本発明は、上記従来技術の有する
問題点を解消するプレフィルタ並びにガス発生剤の緩衝
手段を有するエアバッグ用ガス発生器を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のプレフィルタ並
びにガス発生剤の緩衝手段を有するエアバッグ用ガス発
生器は、ハウジングと、該ハウジング内に配置されるガ
ス発生装置と、ハウジングとエアバッグとを連通する開
口とを有し、前記ガス発生装置は、一端側に底部が形成
され他端側が蓋部材により密閉され内部にガス発生剤と
該ガス発生剤の周囲に配設される金属製のプレフィルタ
を収容するキャニスタ容器を含み、衝撃により前記ガス
発生装置で発生するガスをエアバッグ内に導入して衝撃
から乗員を保護するガス発生器において、前記ガス発生
器は、プレフィルタ並びにガス発生剤の一端側端面とキ
ャニスタ容器の底部との間に第１の緩衝部材が配置され
ると共に、プレフィルタ並びにガス発生剤の他端側端面
とキャニスタ容器の蓋部材との間に第２の緩衝部材が配
置され、これら第１及び第２の緩衝部材は、少なくと
も、プレフィルタの外径に相当する外径を有することを
特徴とする。

【０００７】プレフィルタ並びにガス発生剤の両（上
下）端面側にそれぞれ緩衝部材が配置される。これによ
り、プレフィルタ並びにガス発生剤は、上下の緩衝部材
により弾性的に挟持され、これによりガス発生剤に対す
る衝撃を吸収すると共に、振動等によるプレフィルタ並
びにガス発生剤の上下左右の運動を抑止する。

【０００８】また、少なくともプレフィルタの外径に相
当する外径を有する第１及び第２の緩衝部材は、ガス発
生剤とプレフィルタの両者の緩衝部材を兼ねると共に、
プレフィルタの端面を全面的にカバーしてプレフィルタ
の鋭利な切断面が直接キャニスタ容器に当らないように
する。

【０００９】緩衝部材の材料として、従来ガス発生剤の
クッションとして使用されている例えば発泡プラスチッ
ク等から構成することができる。また、この場合、従来
のガス発生剤のクッションの径を大きくしたものをその
まま使用することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。

【００１１】図１は、本ガス発生器の半断面図である。
本ガス発生器におけるハウジングは、ディフューザシェ
ル１と、このディフューザシェル１と共に空間２を形成
するクロージャシェル３とからなる。ディフューザシェ
ル１とクロージャシェル３は、それぞれ、円形部１ａ及
び３ａとこの円形部の外周部に形成される周壁部１ｂ及
び３ｂとを有する。

【００１２】ハウジングの円形部１ａ及び３ａには、周
方向にリベット２６が複数配設され、これらリベット２
６はハウジングの周壁部近傍においてディフューザシェ
ル１とクロージャシェル３を互に接合している。

【００１３】空間２内には、点火装置と、キャニスタ容
器と、これをカバーするコンバスタカップとで構成され
るガス発生装置が配されている。

【００１４】空間２内は、メネジ部材１６により中央に
点火装置収容室４が画定され、その外側にコンバスタカ
ップ１４により燃焼室５が画定され、更にこの燃焼室５
を囲繞してクーラント・フィルタ室１９が形成されてい
る。クーラント・フィルタ室１９は、更にリテーナ１１
により上段と下段に画定されている。

【００１５】点火装置収容室４内には、点火装置を構成
するエンハンサ（伝火薬）６とスクイブ（点火器）１０
とが収容されている。伝火薬６はメネジ部材１６に装填
され、スクイブ１０はこのメネジ部材１６に螺合するオ
ネジ部材１７に装填されている。また燃焼室５内には、
ガス発生剤１５とその外周に配設されるプレフィルタ２
０を収容した環状のキャニスタ容器１８が、その内周を
メネジ部材１６の外周に嵌合させ、その外周をコンバス
タカップ１４の内周に嵌合させて収容されている。更に
クーラント・フィルタ室１９内には上段にフィルタ１２
が、下段にクーラント１３がそれぞれ収容されている。

【００１６】点火装置収容室４と燃焼室５の間には、伝
火薬６の火炎を燃焼室５に伝えるための開口７が設けら
れ、また燃焼室５とクーラント・フィルタ室１９間に
は、燃焼室５で発生したガスを導入するためのコンバス
タカップの噴出口１４ａが設けられ、更にまたクーラン
ト・フィルタ室１９とエアバッグ（図示せず）間には、
クーラント、フィルタを通過したガスを導入するための
開口９が設けられている。

【００１７】キャニスタ容器１８は、薄肉のアルミニウ
ム製容器で、中央部にメネジ部材１６が嵌入する中央孔
１８ｂを有する円筒形の部材で、一端側に底部１８ａが
形成され、他端側が蓋部材２１により密閉されている。
この容器の内部には、リング状のガス発生剤１５が装填
され、このガス発生剤１５とキャニスタ容器１８との間
の環状間隙２２内には、プレフィルタ２０が配設されて
いる。このプレフィルタ２０は、細い針金を縦横に碁盤
状に織ったものを環状に形成してなり、ガス発生剤１５
の外周に在って、ガス発生剤の燃焼ガスをろ過し、これ
に混じる固形物を取り除き清浄なガスにする。プレフィ
ルタの軸方向端面は、針金を切断して生じた鋭利な切断
面２０ａより構成されている。

【００１８】プレフィルタ２０並びにガス発生剤１５の
一端側端面とキャニスタ容器の底部１８ａとの間には第
１の緩衝部材２３が配置されると共に、プレフィルタ２
０並びにガス発生剤１５の他端側端面とキャニスタ容器
の蓋部材２１との間には第２の緩衝部材２４が配置され
ている。これら第１及び第２の緩衝部材２３，２４は、
発泡プラスチックから構成される環状の部材で、プレフ
ィルタ２０の外径よりも僅かに大きな外径を有する。す
なわち、従来のガス発生剤用のクッションをその径を大
きくして使用したものである。

【００１９】緩衝部材２３，２４は、プレフィルタ２０
の端面を全面的にカバーしなおかつ僅かにオーバーして
いる。これによって、プレフィルタの鋭利な端面及び外
縁が直接キャニスタ容器に当るのが阻止される。また、
上下両端面側に配置されるこれら緩衝部材２３，２４
は、プレフィルタ２０並びにガス発生剤１５を弾性的に
挟持している。これによって、ガス発生剤１５に対する
衝撃が吸収され、プレフィルタ並びにガス発生剤が振動
等により上下左右に運動するのが抑止される。

【００２０】衝撃によりセンサ（図示せず）が作動する
とスクイブ１０が発火し、これにより伝火薬６が着火す
る。これにより発生する高温・高圧の火炎は開口７を通
り、ガス発生剤を充填したアルミニウム製のキャニスタ
容器１８の壁を突き破り、内部のガス発生剤１５を着火
させる。容器１８内で発生したガスはプレフィルタ２０
を通過して浄化され、噴出口１４ａを通って均一に噴出
し、クーラント１３、フィルタ１２を通過して開口９を
経てエアバッグ内に流入する。

【００２１】

【発明の効果】本発明により、上下両端面側に配置され
る緩衝部材により、プレフィルタ並びにガス発生剤が弾
性的に挟持され、これによって、ガス発生剤１５に対す
る衝撃が吸収されると共に、プレフィルタ並びにガス発
生剤が振動等により上下左右に運動するのが抑止され
る。また、少なくともプレフィルタの外径に相当する外
径を有する緩衝部材により、ガス発生剤とプレフィルタ
の両者の緩衝部材を兼ねることができると共に、プレフ
ィルタの端面が全面的にカバーされるから、プレフィル
タの鋭利な切断面が直接キャニスタ容器に当ることが回
避される。その結果、キャニスタ容器が損傷を受ける虞
はなくなり、キャニスタ容器のシール性が確保され、常
にエアバッグの正常な作動が保証されるものである。

【００２２】本発明の緩衝部材は、従来のガス発生剤用
のクッションを利用することができ、その場合、ガス発
生剤のクッションとしての機能を維持しながら、なおか
つプレフィルタのカバー乃至は固定部材として機能する
ことができ、部品点数、コスト等の面で有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガス発生器の半断面図である。

【図２】従来のキャニスタ容器の部分断面図である。

【符号の説明】

１ ディフューザシェル ３ クロージャシェル ９ 開口 １５ ガス発生剤 １８ キャニスタ容器 １８ａ 底部 ２０ プレフィルタ ２１ 蓋部材 ２２ 環状間隙 ２３ 第１の緩衝部材 ２４ 第２の緩衝部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ハウジングと、該ハウジング内に配置され
   るガス発生装置と、ハウジングとエアバッグとを連通す
   る開口とを有し、前記ガス発生装置は、一端側に底部が
   形成され他端側が蓋部材により密閉され内部にガス発生
   剤と該ガス発生剤の周囲に配設される金属製のプレフィ
   ルタを収容するキャニスタ容器を含み、衝撃により前記
   ガス発生装置で発生するガスをエアバッグ内に導入して
   衝撃から乗員を保護するガス発生器において、 前記ガス発生器は、プレフィルタ並びにガス発生剤の一
   端側端面とキャニスタ容器の底部との間に第１の緩衝部
   材が配置されると共に、プレフィルタ並びにガス発生剤
   の他端側端面とキャニスタ容器の蓋部材との間に第２の
   緩衝部材が配置され、これら第１及び第２の緩衝部材
   は、少なくとも、プレフィルタの外径に相当する外径を
   有することを特徴とするプレフィルタ並びにガス発生剤
   の緩衝手段を有するエアバッグ用ガス発生器。