JPH0517612B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は光学的情報記録再生装置に関し、特に
トラツキング信号及びクロツク信号を得る為のト
ラツクが設けられたカード状の光学的情報記録媒
体に用いる装置に関する。本発明において光学的
情報記録再生装置とは、前記の如き媒体に情報を
記録する装置、媒体に記録された情報を再生する
装置および記録と再生とを両方共行う装置を示
す。

〔従来技術〕

従来、光を用いて情報を記録し、また記録され
た情報を読出す媒体の形態としてデイスク状、カ
ード状、テープ状等各種のものが知られている。
これらの内、カード状に形成された光学的記録媒
体（以下光カードと称す）は、小型・軽量で持ち
運びに便利な大記憶容量の媒体として、大きな需
要が見込まれている。

ところで、上記の光カードは、記録情報に従つ
て変調され、微小スポツトに絞つた光ビームで、
カード上を走査することによつて、光学的に検出
可能な記録ピツト列（情報トラツク）として情報
が記録される。この際、情報トラツクの交叉等の
トラブルを生ずる事なく、正確に情報を記録して
いく為には、前記光ビームの照射位置を、走査方
向と垂直な方向で制御（オートトラツキング、以
下ATと称す）する必要があつた。また、走査速
度の変動を補正する為には、クロツク信号を得る
必要もあつた。そこで、本出願人がドレクスラ・
テクノロジ社（Drexler Technology
Corporation）から受けた技術開示によれば、カ
ード上に予めトラツキング信号及びクロツク信号
を得る為のトラツクを形成した光カードが提案さ
れている。このような光カードの第１の例を第９
図に示す。

第９図Ａは光カードの概略平面図である。ここ
で、光カード３１には予めクロツク信号が記録さ
れて断続的な破線状に形成されたクロツクトラツ
ク３２₁，３２₂，３２₃，３２₄，……が等間隔で
配置されている。そしてクロツクトラツクの間に
は、情報を記録する為の記録領域３４₁，３４₂，
３４₃，……が設けられている。

第９図Ｂは光カード３１の記録面の拡大図を示
す。この光カードに情報を記録する際には、光ヘ
ツドより３本のビームを照射し、各々のビームを
微小なスポツトS₁，S₂，S₃として集光せしめる。
そしてこれらのスポツトは、光カードと光ヘツド
との相対的な移動によつて、矢印ａ方向に走査さ
れ、記録領域３４₁には真中のスポツトS₂によつ
て記録ピツト３５のように情報が記録される。ま
た、スポツトS₁或いはS₃のいずれかの反射光は光
ヘツド内の検出手段に導かれ、所謂プツシユプル
等、周知の方法を用いてトラツキング信号が検出
される。このトラツキング信号に基づいて、スポ
ツトS₁，S₂，S₃の走査方向に垂直方向（ｂ方向）
の位置を一体に移動させて、常にスポツトS₁がク
ロツクトラツク３２₁上を正確にトレースするよ
うに制御する。従つて、記録ピツト３５はクロツ
クトラツク３２₁に沿つて正確に形成され、情報
トラツクの交叉等を防止出来る。また同時にスポ
ツトS₁或いはS₃の反射光からはクロツク信号が再
生され、記録信号のクロツクとして用いられる。
また、情報の再生も同様にして行われる。

しかしながら、一般に光カードにおいては、記
録或いは再生におけるカードの転送速度が遅い
為、前記クロツクトラツクの不連続性によるトラ
ツキング信号の変動の周波数がATのサーボ帯域
に近く、ATに悪影響を与える欠点があつた。

そこで、上記欠点を解決した光カードの第２の
例が前述の技術開示に提案されている。これを第
１０図に示す。第１０図Ａは概略平面図で、光カ
ード４１には予め記録領域４４₁，４４₂，……を
挟んで、一方の側にはクロツクトラツク４２₁，
４２₂，４２₃，……が、また他方の側にはトラツ
キングトラツク４３₁，４３₂，４３₃，……が
夫々形成されている。ここでトラツキングトラツ
ク４３₁，……は連続した線状の形態を持つ。

第１０図Ｂに光カード４１の記録面の拡大図を
示す。この光カードも基本的には第９図の例と同
様に３つのスポツトが矢印ａ方向に走査され、ス
ポツトS₂によつて記録ピツト４５が記録される。
ただ本例では、スポツトS₃でトラツキングトラツ
ク４３₁，４３₂，……をトレースすることによつ
てトラツキング信号を得ている。また、クロツク
信号は、クロツクトラツク４２₁，４２₂，……に
照射されるスポツトS₁から得ている。従つて、本
例ではクロツク信号とは全く独立にトラツキング
信号が検出でき、正確なATが可能である。

ところが、光カード４１では第９図の例に比べ
て、トラツキングトラツクを設ける領域が必要で
あり、面積当りの記録容量の減少はまぬがれなか
つた。

〔発明の概要〕

本発明の目的は、新規な構成の光カードを用い
ることによつてかかる従来技術の欠点を解決し、
正確なATを行いながら、高密度な情報の記録、
再生を可能にした光学的情報記録再生装置を提供
することにある。

本発明の上記目的は、トラツキング信号を発生
する、各々連続した線状からなる複数のトラツキ
ングトラツクと、前記トラツキングトラツクと交
互に配置され且つクロツク信号を発生する、各々
断続した破線からなる複数のクロツクトラツク
と、前記各々のトラツク間毎に配置された情報を
記録するための記録領域とを有し、 前記隣接した二つの記録領域間には、前記トラ
ツキングトラツクとクロツクトラツクのどちらか
一方のトラツクのみが配置されていることを特徴
とするカード状の光学的情報記録媒体に情報を記
録又は再生する光学的情報記録再生装置であつ
て、前記媒体上に照射されるべく第一、第二、第
三の三本のビームを発生する手段と、前記第一の
ビームを前記記録領域に照射し、情報を記録又は
再生する手段と、前記第二及び第三のビームのい
ずれか一方をトラツキングトラツクに照射し、ト
ラツキング信号を検出する手段と、前記他方のビ
ームを前記クロツクトラツクに照射し、クロツク
信号を検出する手段と、前記記録領域とトラツキ
ングトラツク若しくはクロツクトラツクとの相対
位置関係に応じて、前記トラツキング信号検出手
段からクロツク信号を、そして前記クロツク信号
検出手段からトラツキング信号を検出する様前記
検出手段各々の検出機能を切り替える手段 とを備えることを特徴とする光学的情報記録再生
装置によつて達成される。

〔実施例〕

第１図は本発明の装置を用いる光カードの概略
平面図である。図において、光カード１には予め
クロツク信号が記録されて断続的な破線状に形成
されたクロツクトラツク２₁，２₂，２₃，……と、
連続した線状に形成されたトラツキングトラツク
３₁，３₂，……とが交互に等間隔で配置されてい
る。そして各々のトラツク間毎に情報を記録する
為の記録領域４₁，４₂，４₃，……が設けられて
いる。即ち、光カード１はクロツクトラツクとト
ラツキングトラツクとの間の全てに記録領域を有
している。

第２図及び第３図は、本発明の光学的情報記録
再生装置の実施例の構成を説明する図で、第２図
は斜視図、第３図は側方断面図である。半導体レ
ーザ等の光源１１から発したビームはコリメータ
レンズ１２によつて平行化され、回折格子によつ
て３本のビームに分けられる。これらのビーム
は、対物レンズ１４により、第１図の如き光カー
ド１に結像され、各々ビームスポツトS₁，S₂，S₃
を形成する。ここで光カード１は不図示の駆動手
段によつて矢印Ｒ方向に移動され、前記ビームス
ポツトによつて、トラツキングトラツク及びクロ
ツクトラツクの延びている方向に走査される。

ビームスポツトS₁，S₂，S₃の反射光は再び対物
レンズを通過し、ミラー１５によつて反射され、
集光レンズ１６により焦点面に置かれた光検出器
１７，１８，１９により夫々投影される。これら
の光検出器は、第４図のように図に示したＺ方向
に並んで配置されている。また光検出器１７，１
９の受光面はＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄのように４分割され
ている。

次に、前述の装置を用いて光カードに情報を記
録する際の動作を第５図で説明する。第５図は光
カードの記録面の拡大図を示す。まず、記録領域
４₁に情報を記録する場合には、スポツトS₁，S₂，
S₃を夫々クロツクトラツク２₁、記録領域４₁、ト
ラツキングトラツク３₁に照射する。これらのス
ポツトは前述のような光カード１の移動によつ
て、矢印ａ方向に走査される。スポツトS₁からの
反射光は前述の光検出器１７に入射し、クロツク
信号が再生される。また、スポツトS₃からの反射
光は光検出器１９に入射し、所謂プツシユプル法
によつてトラツキング信号が検出される。即ち、
光検出器の受光面は第４図のようにトラツキング
トラツクの長さ方向に対応するｙ軸方向に対し、
Ａ，ＣとＢ，Ｄとに分かれている。従つて、スポ
ツトS₃がトラツキングトラツク３₁に対しずれる
と、Ａ，ＣとＢ，Ｄとに入射する光強度に差を生
じ、これらの受光面からの信号を比較することに
よつてトラツキング信号が得られるものである。
このトラツキング信号に基づき、不図示のトラツ
キング手段（例えば、第２図において対物レンズ
１４をＺ方向に動かす手段など）によつて、スポ
ツトS₁，S₂，S₃は走査方向に垂直方向（ｂ方向）
に一体に移動され、ATがなされる。そして、記
録領域４₁にはスポツトS₂によつてトラツキング
トラツク３₁に沿つて正確に記録ピツト５が記録
されていく。

また、上記記録において、光検出器１９はAT
と同時に、スポツトが光カードの記録面に正確に
結ばれるように制御（オートフオーカシング以下
AFと称す）する為のフオーカシング信号も検出
する。この検出原理を第６図で簡単に説明する。
第６図において第３図と共通の部材には同一の符
号を付し、詳細な説明は省略する。スポツトS₃を
形成する入射光２０は図のように、光カードの記
録面２１に対して斜めに入射し、その反射光２２
はスポツトが正確に記録面上に合焦されている場
合には、入射光２０と平行になつてミラー１５に
入射し、検出面２３に導かれる。ところが、焦点
位置に対して、記録面が２１，２１″のように上
下にずれると、反射光は夫々２２′，２２″のよう
に入射光とは非平行となり、検出面２３において
照射位置がｙ方向に移動する。従つて、このよう
なｙ方向の光強度分布の変化を、検出面２３に置
かれた光検出器１９の受光面Ａ，ＢとＣ，Ｄの出
力差として検知することによつてフオーカシング
信号が得られる。このフオーカシング信号に従つ
て、対物レンズ１４を光軸方向に動かしAFを行
う。

次に、記録領域４₂に情報を記録する場合には、
第２図において光学系と光カードとをＺ方向に相
対的に移動させる等の方法によつて、第５図のよ
うにスポツトS₁，S₂，S₃が夫々トラツキングトラ
ツク３₁、記録領域４₂、クロツクトラツクS₃を走
査するように配置する。そして、スポツトS₁から
の反射光を光検出器１７で受けてAT，AFを行
いながら、スポツトS₃から光検出器１９によつて
クロツク信号を再生し、スポツトS₂で情報を記録
していく。

このように、本発明においては、２個のスポツ
トを排他的に各々トラツキングトラツクとクロツ
クトラツクの読み出しに用い、前述のような動作
の切り換えにより、全ての記録領域に情報の記録
を可能にしたものである。

このように記録された情報の再生も、前述の装
置を用いて、記録時と同様にして行行われる。光
カードの記録面には第７図のようにクロツクトラ
ツク２₁，２₂，……及びトラツキングトラツク３
_１，……の間に、記録ピツト列から成る情報トラ
ツク２５₁，２５₂，……が形成されている。まず
情報トラツク２５₁の情報を読み出す場合には、
スポツトS₁，S₂，S₃で夫々クロツクトラツク２₁、
情報トラツク２５₁、トラツキング３₁を矢印ａ方
向に走査し、光検出器１７でクロツク信号を再生
し、光検出器１９でATとAFを行いながら光検
出器１８によつて情報トラツク２５₁に記録され
た情報を読み出す。また情報トラツク２５₂の再
生ではスポツトS₁，S₂，S₃で夫々トラツキングト
ラツク３₁、情報トラツク２５₂、クロツクトラツ
ク２₂を矢印ａ方向に走査し、光検出器１９でク
ロツク信号を再生し、光検出器１７でATとAF
を行いながら光検出器１８によつて情報トラツク
２５₂に記録された情報を読み出す。このような
動作の切り換えによつて、光カードのどの領域に
記録された情報も再生することが出来る。

第８図は、前述の光検出器１７，１８，１９か
らの信号処理系の具体例を示すブロツク図であ
る。ここでは記録領域に予めトラツク毎のアドレ
ス信号が記録されている例を示す。図中、５０は
読み出した信号からアドレス信号Adと再生信号
RFとを分離する分離回路、５１はアドレス信号
Adに応じてスイツチSW₁，SW₂の開閉をコント
ロールする制御回路、５２，５３，５４，５５，
５６，６２，６３，６４，６５，６６は加算アン
プ、５７，５８，６７，６８は減算アンプ、C₁
〜C₉は端子である。前述の第５図において、記
録領域４₁に記録を行う場合には、まず光検出器
１８でアドレス信号Adが読み読み出され、この
アドレス信号Adによつて走査する記録領域とト
ラツキングトラツクとの配置（トラツキングトラ
ツクが記録領域のどちら側にあるか）判断され、
制御回路５１によつてスイツチW₁を端子C₂側に、
スイツチSW₂を端子C₈側に接続する。従つて、
端子C₁には加算アンプ５３，５６，５２を通し
て光検出器１７の受光面Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの出力和
がクロツク信号CLとして得られ、不図示の処理
回路を通して基準信号としてスポツトS₂による記
録を制御する。また、端子C₆には加算アンプ６
３，６６及び減算アンプ６８を通して、光検出器
１９の受光面Ａ，Ｃの出力和とＢ，Ｄの出力和と
の差がトラツキング信号ATとして得られる。こ
の信号ATは端子C₆より不図示のトラツキングサ
ーボ回路に供給される。また、端子C₉には加算
アンプ６４，６５及び減算アンプ６７を通して、
光検出器１９の受光面Ａ，Ｂの出力和とＣ，Ｄの
出力和との差がフオーカシング信号AFとして得
られる。この信号AFは端子C₉より不図示のフオ
ーカスサーボ回路に供給される。

記録領域４₂に記録を行う場合には、アドレス
信号Adの変化によつて制御回路５１は、スイツ
チSW₁を端子C₃側に、スイツチSW₂を端子C₇側
に接続する。そして、同様にして端子C₁にトラ
ツキング信号AT、端子C₆にクロツク信号CL、
端子C₄にフオーカシング信号AFが得られる。

また、第７図のように情報の再生を行う場合に
も、記録の場合と全く同様の切り換え動作が行わ
れる。ここで、光検出器１８で読み出される再生
信号RFは、分離回路でアドレス信号Adと分離さ
れ、端子C₅から取り出される。

本発明によれば、どの記録領域で情報を記録或
いは再生する場合でも、記録領域のいずれか一方
の側にトラツキングトラツクによつてトラツキン
グ信号が検出出来る為、クロツク信号に影響され
ない正確なATを行うことが可能である。また、
トラツク間毎に記録領域を有するので、高密度な
情報の記録、再生が可能である。

本発明は、前述の実施例以外にも種々の応用が
可能である。例えば、第８図のアドレス信号によ
る切り換えを、各々の光検出器でトラツキングト
ラツクかクロツクトラツクかを判断して切り換え
るようにしても良い。また、トラツキング信号及
びフオーカシング信号の検出方法も実施例のもの
に限定されず、周知のいかなる方法を用いてもか
まわない。更に、記録、再生を行うスポツトの光
検出器によつてフオーカシング信号を検出するよ
うにしても良い。ここで、フオーカシング信号の
検出方法は実施例のような方式でも、所謂非点収
差法など他の方法を用いても良い。尚、この場合
には他の２個の光検出器はクロツク信号或いはト
ラツキング信号を検出するだけの２分割センサに
することも出来る。

本発明は、前述のような記録及び再生を行う装
置だけではなく、記録専用装置、再生専用装置に
も適用が可能である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の光学的情報記録
再生装置は、光カードに照射した３個のビームス
ポツトの内、２個のスポツトから夫々独立にトラ
ツキング信号を検出する手段と、記録領域に応じ
てこれら検出手段の動作を切り換えて用いる手段
を設けたことによつて、光カード上の各トラツク
を有効に記録、再生に使用でき、しかも高精度の
ATを可能にする効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置を用いる光カードの概略
平面図、第２図及び第３図は夫々本発明の装置の
一実施例の構成を示す概略図、第４図は第２図の
装置における光検出器の配置を示す図、第５図は
第２図の装置による情報の記録の様子を説明する
図、第６図は第２図の装置におけるフオーカシン
グ信号の検出原理を説明する図、第７図は第２図
の装置による情報の再生の様子を説明する図、第
８図は第２図の装置における信号検出回路の構成
例を示すブロツク図、第９図Ａ，Ｂ及び第１０図
Ａ，Ｂは夫々従来の光カードの例を説明する図で
ある。 １……光カード、１１……光源、１２……コリ
メータレンズ、１３……回折格子、１４……対物
レンズ、１５……ミラー、１６……集光レンズ、
１７，１８，１９……光検出器、S₁，S₂，S₃……
スポツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ トラツキング信号を発生する、各々連続した
   線状からなる複数のトラツキングトラツクと、 前記トラツキングトラツクと交互に配置され且
   つクロツク信号を発生する、各々断続した破線か
   らなる複数のクロツクトラツクと、 前記各々のトラツク間毎に配置された情報を記
   録するための記録領域とを有し、 前記隣接した二つの記録領域間には、前記トラ
   ツキングトラツクとクロツクトラツクのどちらか
   一方のトラツクのみが配置されていることを特徴
   とするカード状の光学的情報記録媒体に情報を記
   録又は再生する光学的情報記録再生装置であつ
   て、 前記媒体上に照射されるべく第一、第二、第三
   の三本のビームを発生する手段と、 前記第一のビームを前記記録領域に照射し、情
   報を記録又は再生する手段と、 前記第二及び第三のビームのいずれか一方をト
   ラツキングトラツクに照射し、トラツキング信号
   を検出する手段と、 前記他方のビームを前記クロツクトラツクに照
   射し、クロツク信号を検出する手段と、 前記記録領域とトラツキングトラツク若しくは
   クロツクトラツクとの相対位置関係に応じて、前
   記トラツキング信号検出手段からクロツク信号
   を、そして前記クロツク信号検出手段からトラツ
   キング信号を検出する様前記検出手段各々の検出
   機能を切り替える手段 とを備えることを特徴とする光学的情報記録再生
   装置。