JPH05174634A - 耐放射線性ケーブル - Google Patents
耐放射線性ケーブルInfo
- Publication number
- JPH05174634A JPH05174634A JP35623091A JP35623091A JPH05174634A JP H05174634 A JPH05174634 A JP H05174634A JP 35623091 A JP35623091 A JP 35623091A JP 35623091 A JP35623091 A JP 35623091A JP H05174634 A JPH05174634 A JP H05174634A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- radiation
- insulating layer
- metal coating
- cable
- resistant cable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、安定した絶縁特性を有し、かつ可
撓性の改善された、原子力燃料再処理プラント、高速増
殖炉などの高放射線施設などにおいて用いて有用な耐放
射線性ケーブルを提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、かゝる目的を達成するため、金属
導体１上に耐放射線添加剤の添加されたポリオレフィン
組成物からなる絶縁層２を施し、さらにこの上に鉛など
の金属被覆３を施してなり、この絶縁層２により絶縁特
性と可撓性の改善を図るとと共に、絶縁層２と金属被覆
３との組み合わせにより高い耐放射線性を有する優れた
耐放射線性ケーブルが得られる。
撓性の改善された、原子力燃料再処理プラント、高速増
殖炉などの高放射線施設などにおいて用いて有用な耐放
射線性ケーブルを提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、かゝる目的を達成するため、金属
導体１上に耐放射線添加剤の添加されたポリオレフィン
組成物からなる絶縁層２を施し、さらにこの上に鉛など
の金属被覆３を施してなり、この絶縁層２により絶縁特
性と可撓性の改善を図るとと共に、絶縁層２と金属被覆
３との組み合わせにより高い耐放射線性を有する優れた
耐放射線性ケーブルが得られる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、耐放射線性ケーブル
（電線も含む）、特に、原子力関連の設備などにおいて
用いて有用なケーブルに関するものである。
（電線も含む）、特に、原子力関連の設備などにおいて
用いて有用なケーブルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、原子力発電所などの原子力関連設
備では、使用条件が苛酷で、耐環境性の大きなケーブル
の提供が望まれ、なかでも耐放射線性においては、高い
特性が要求されている。
備では、使用条件が苛酷で、耐環境性の大きなケーブル
の提供が望まれ、なかでも耐放射線性においては、高い
特性が要求されている。
【０００３】現在、原子力発電所では、ケーブルの施設
後４０年間の耐用年数を想定して設計し、通常絶縁被覆
材料として、主として有機物材料である、架橋ポリエチ
レン、難燃架橋ポリエチレン、難燃エチレン−プロピレ
ン（ＥＰ）ゴム、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）などが用い
られている。
後４０年間の耐用年数を想定して設計し、通常絶縁被覆
材料として、主として有機物材料である、架橋ポリエチ
レン、難燃架橋ポリエチレン、難燃エチレン−プロピレ
ン（ＥＰ）ゴム、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）などが用い
られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記通常の
有機絶縁被覆材料を用いたケーブルでは、放射線劣化の
限界が照射線量で２ＭＧｙ程度であるため、原子力関連
設備のうち高放射線施設（原子力燃料再処理プラント、
高速増殖炉など）では、照射線量が１０ＭＧｙ程度にも
達することもあり、使用に耐えないという欠点があっ
た。
有機絶縁被覆材料を用いたケーブルでは、放射線劣化の
限界が照射線量で２ＭＧｙ程度であるため、原子力関連
設備のうち高放射線施設（原子力燃料再処理プラント、
高速増殖炉など）では、照射線量が１０ＭＧｙ程度にも
達することもあり、使用に耐えないという欠点があっ
た。
【０００５】このため、従来、金属導体上にＭｇＯ、Ａ
ｌ2 Ｏ3 などの粉末材料の絶縁層を施し、さらにこの上
に金属被覆を施した無機絶縁（ＭＩ）電線が耐放射線性
に優れた電線として使用されているが、このＭＩ電線の
場合、ＭｇＯ、Ａｌ2 Ｏ3 などの粉末材料の吸湿性によ
り電線端末から吸湿して絶縁性が低下すること、可撓性
が乏しく配線作業性が悪いこと、端末加工時などの口出
し加工性が悪いことなどの問題があった。
ｌ2 Ｏ3 などの粉末材料の絶縁層を施し、さらにこの上
に金属被覆を施した無機絶縁（ＭＩ）電線が耐放射線性
に優れた電線として使用されているが、このＭＩ電線の
場合、ＭｇＯ、Ａｌ2 Ｏ3 などの粉末材料の吸湿性によ
り電線端末から吸湿して絶縁性が低下すること、可撓性
が乏しく配線作業性が悪いこと、端末加工時などの口出
し加工性が悪いことなどの問題があった。
【０００６】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものである。
てなされたものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】かゝる本発明の特徴とす
る点は、金属導体上に耐放射線添加剤の添加されたポリ
オレフィン組成物からなる絶縁層を施し、さらにこの上
に金属被覆を施してなる耐放射線性ケーブルにある。
る点は、金属導体上に耐放射線添加剤の添加されたポリ
オレフィン組成物からなる絶縁層を施し、さらにこの上
に金属被覆を施してなる耐放射線性ケーブルにある。
【０００８】
【作用】この耐放射線性の絶縁層と金属被覆との組み合
わせにより、可撓性の改善が図られた、高絶縁性の耐放
射線性ケーブルが得られる。
わせにより、可撓性の改善が図られた、高絶縁性の耐放
射線性ケーブルが得られる。
【０００９】
【実施例】図１は、本発明に係る絶縁ケーブルの一実施
例を示したものである。この図において、１は銅線やア
ルミ線、あるいは錫、銀、ニッケルなどのメッキ銅線な
どの撚線（単線も可）などからなる金属導体、２は耐放
射線添加剤の添加されたポリオレフィン組成物からなる
絶縁層、３は金属被覆、４は介在、５は外層シースであ
る。
例を示したものである。この図において、１は銅線やア
ルミ線、あるいは錫、銀、ニッケルなどのメッキ銅線な
どの撚線（単線も可）などからなる金属導体、２は耐放
射線添加剤の添加されたポリオレフィン組成物からなる
絶縁層、３は金属被覆、４は介在、５は外層シースであ
る。
【００１０】上記ポリオレフィン組成物は、そのベース
樹脂として、エチレン−エチルアクリレート共重合体
（ＥＥＡ）、エチレン−酢酸ビニル共重合体（ＥＶ
Ａ）、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−α
オレフィン−ジェン共重合体などを用い、これらの樹脂
の単独または併用物の１００重量部に対して、芳香族化
合物などからなる耐放射線添加剤を、５〜５０重量部添
加し、好ましくは架橋してなる。
樹脂として、エチレン−エチルアクリレート共重合体
（ＥＥＡ）、エチレン−酢酸ビニル共重合体（ＥＶ
Ａ）、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−α
オレフィン−ジェン共重合体などを用い、これらの樹脂
の単独または併用物の１００重量部に対して、芳香族化
合物などからなる耐放射線添加剤を、５〜５０重量部添
加し、好ましくは架橋してなる。
【００１１】上記耐放射線添加剤の芳香族化合物として
は、例えばナフチルアミン系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物、ｐ−フェニレンジアミン系化合物、ヒンダ
ートアミン系化合物、ビスフェノール系化合物、ベンゾ
フェノン系化合物、トリスフェノール系化合物、フェニ
ルフォスファイト系化合物、ポリフェノール系化合物、
ジフェニルアミン系化合物、モノフェノール系化合物、
チオビスフェノール系化合物、ヒンダートフェノール系
化合物などが挙げられ、その配合量を上記５〜５０重量
部としたのは、５重量部未満では所望の耐放射線性が得
られず、また、５０重量部を越えても増量分に対応した
耐放射線性の向上がなく、かえって、組成物の機械的特
性や加工性を低下させたり、コスト上昇を招くからであ
る。
は、例えばナフチルアミン系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物、ｐ−フェニレンジアミン系化合物、ヒンダ
ートアミン系化合物、ビスフェノール系化合物、ベンゾ
フェノン系化合物、トリスフェノール系化合物、フェニ
ルフォスファイト系化合物、ポリフェノール系化合物、
ジフェニルアミン系化合物、モノフェノール系化合物、
チオビスフェノール系化合物、ヒンダートフェノール系
化合物などが挙げられ、その配合量を上記５〜５０重量
部としたのは、５重量部未満では所望の耐放射線性が得
られず、また、５０重量部を越えても増量分に対応した
耐放射線性の向上がなく、かえって、組成物の機械的特
性や加工性を低下させたり、コスト上昇を招くからであ
る。
【００１２】また、上記金属被覆３としては、鉛やアル
ミニウムなどの塑性加工の可能な材料を用いるとよく、
特に放射線の遮蔽効果からすると、鉛の使用が望まし
い。
ミニウムなどの塑性加工の可能な材料を用いるとよく、
特に放射線の遮蔽効果からすると、鉛の使用が望まし
い。
【００１３】また、上記介在４としては、ガラスロービ
ンクなどの無機繊維材料や耐放射性に優れた芳香族化合
物、例えばポリイミド材料、フェノール系材料などを用
い、さらに、外層シース５としては、金属被覆３と同様
な材質を用いるとよい。そして、より優れた可撓性を得
るためにはコルゲート化して被覆するとよい。
ンクなどの無機繊維材料や耐放射性に優れた芳香族化合
物、例えばポリイミド材料、フェノール系材料などを用
い、さらに、外層シース５としては、金属被覆３と同様
な材質を用いるとよい。そして、より優れた可撓性を得
るためにはコルゲート化して被覆するとよい。
【００１４】このようにしてなる耐放射線性ケーブルの
場合、先ず、耐放射線添加剤の添加されたポリオレフィ
ン組成物からなる絶縁層２の柔軟性により可撓性の改善
が図られると同時に、添加された耐放射線添加剤により
優れた耐放射線性が得られる。また、この絶縁層２のポ
リオレフィン組成物には、もちろん吸湿性がないため、
従来の無機粉末絶縁体を有するＭＩ電線のような吸湿な
どの問題はまったくなく、結果として、長期にわたって
安定した高い絶縁性が得られる。また、この絶縁層２自
体が高い耐放射線性を有する上に、この絶縁層２の外側
は、さらに鉛などの金属被覆３で覆われているため、極
めて高い耐放射線性が得られる。
場合、先ず、耐放射線添加剤の添加されたポリオレフィ
ン組成物からなる絶縁層２の柔軟性により可撓性の改善
が図られると同時に、添加された耐放射線添加剤により
優れた耐放射線性が得られる。また、この絶縁層２のポ
リオレフィン組成物には、もちろん吸湿性がないため、
従来の無機粉末絶縁体を有するＭＩ電線のような吸湿な
どの問題はまったくなく、結果として、長期にわたって
安定した高い絶縁性が得られる。また、この絶縁層２自
体が高い耐放射線性を有する上に、この絶縁層２の外側
は、さらに鉛などの金属被覆３で覆われているため、極
めて高い耐放射線性が得られる。
【００１５】なお、上記実施例では、金属導体１上にポ
リオレフィン組成物からなる絶縁層２、金属被覆３を施
した芯線の３本を束ねたケーブルについて述べたが、も
ちろん、本発明は、これに限定されなず、必要により芯
線数を増減したり、あるいは１本の単線、所謂耐放射線
性電線とすることも可能である。また、通常の電線で用
いる構成（半導電層など）を採用することも可能であ
る。さらに、必要により、ポリオレフィン組成物に種々
の難燃剤を併用添加して、難燃化を図ることも可能であ
る。
リオレフィン組成物からなる絶縁層２、金属被覆３を施
した芯線の３本を束ねたケーブルについて述べたが、も
ちろん、本発明は、これに限定されなず、必要により芯
線数を増減したり、あるいは１本の単線、所謂耐放射線
性電線とすることも可能である。また、通常の電線で用
いる構成（半導電層など）を採用することも可能であ
る。さらに、必要により、ポリオレフィン組成物に種々
の難燃剤を併用添加して、難燃化を図ることも可能であ
る。
【００１６】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
係る耐放射線性ケーブルによれば、次のような効果が得
られる。
係る耐放射線性ケーブルによれば、次のような効果が得
られる。
【００１７】（１）この耐放射線性ケーブルにあって、
耐放射線添加剤の添加されたポリオレフィン組成物から
なる絶縁層と鉛などの金属被覆との組み合わせにより、
高い耐放射線性が得られ、照射線量が１０ＭＧｙ程度に
も達することのある、高放射線施設（原子力燃料再処理
プラント、高速増殖炉など）でも十分使用に耐え得るケ
ーブルが提供される。
耐放射線添加剤の添加されたポリオレフィン組成物から
なる絶縁層と鉛などの金属被覆との組み合わせにより、
高い耐放射線性が得られ、照射線量が１０ＭＧｙ程度に
も達することのある、高放射線施設（原子力燃料再処理
プラント、高速増殖炉など）でも十分使用に耐え得るケ
ーブルが提供される。
【００１８】（２）また、ポリオレフィン組成物からな
る絶縁層には、適度の柔軟性があるため、従来のＭＩ電
線に比較して、大幅な可撓性の改善が図られる。
る絶縁層には、適度の柔軟性があるため、従来のＭＩ電
線に比較して、大幅な可撓性の改善が図られる。
【００１９】（３）もちろん、このポリオレフィン組成
物からなる絶縁層には、従来のＭＩ電線の無機粉末絶縁
体のように吸湿性がないため、長期にわたって安定した
高絶縁性のケーブルが得られる。
物からなる絶縁層には、従来のＭＩ電線の無機粉末絶縁
体のように吸湿性がないため、長期にわたって安定した
高絶縁性のケーブルが得られる。
【００２０】（３）さらに、ポリオレフィン組成物から
なる絶縁層は、従来手法（例えば押出など）により被覆
でき、従来のＭＩケーブルに比較して、製造が容易で、
かつ安価である。特に、金属被覆が鉛の場合、低温度で
の加工ができ、大きな製造上および使用上の利点が得ら
れる。
なる絶縁層は、従来手法（例えば押出など）により被覆
でき、従来のＭＩケーブルに比較して、製造が容易で、
かつ安価である。特に、金属被覆が鉛の場合、低温度で
の加工ができ、大きな製造上および使用上の利点が得ら
れる。
【００２１】（４）また、金属導体部分は、従来と同様
の導体であるため、従来のアルミナ絶縁アルミ線とは異
なり、簡単な口出しが可能となる。
の導体であるため、従来のアルミナ絶縁アルミ線とは異
なり、簡単な口出しが可能となる。
【図１】本発明に係る耐放射線性ケーブルの一実施例を
示した断面図である。
示した断面図である。
１ 金属導体 ２ ポリオレフィン組成物からなる絶縁層 ３ 金属被覆 ５ 外層シース
Claims (1)
- 【請求項１】 金属導体上に耐放射線添加剤の添加され
たポリオレフィン組成物からなる絶縁層を施し、さらに
この上に金属被覆を施してなることを特徴とする耐放射
線性ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35623091A JPH05174634A (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 耐放射線性ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35623091A JPH05174634A (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 耐放射線性ケーブル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05174634A true JPH05174634A (ja) | 1993-07-13 |
Family
ID=18447998
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35623091A Pending JPH05174634A (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 耐放射線性ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05174634A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006127858A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-18 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 耐放射線ケーブル |
| WO2019152464A1 (en) * | 2018-02-05 | 2019-08-08 | Rhombus Holdings Llc | Physical structure for a tunable sensor system for particle detection |
-
1991
- 1991-12-24 JP JP35623091A patent/JPH05174634A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006127858A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-18 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 耐放射線ケーブル |
| WO2019152464A1 (en) * | 2018-02-05 | 2019-08-08 | Rhombus Holdings Llc | Physical structure for a tunable sensor system for particle detection |
| US10802164B2 (en) | 2018-02-05 | 2020-10-13 | Rhombus Holdings Llc | Method and apparatus for performing pattern recognition for a tunable sensor system to detect neutron and gamma particles |
| US10935676B2 (en) | 2018-02-05 | 2021-03-02 | Rhombus Holdings Llc | Physical structure for a tunable sensor system for particle detection |
| US10969504B2 (en) | 2018-02-05 | 2021-04-06 | Rhombus Holdings Llc | Component configuration for a robust tunable sensor system for a high radiation environment |
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