JPH05174422A - 書換え可能型光情報記録媒体 - Google Patents

書換え可能型光情報記録媒体

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JPH05174422A
JPH05174422A JP3338753A JP33875391A JPH05174422A JP H05174422 A JPH05174422 A JP H05174422A JP 3338753 A JP3338753 A JP 3338753A JP 33875391 A JP33875391 A JP 33875391A JP H05174422 A JPH05174422 A JP H05174422A
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JP
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erasing
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JP3338753A
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English (en)
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Yasushi Miyazono
泰 宮園
Shuji Yoshida
修治 吉田
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C13/00Digital stores characterised by the use of storage elements not covered by groups G11C11/00, G11C23/00, or G11C25/00
    • G11C13/0002Digital stores characterised by the use of storage elements not covered by groups G11C11/00, G11C23/00, or G11C25/00 using resistive RAM [RRAM] elements
    • G11C13/0004Digital stores characterised by the use of storage elements not covered by groups G11C11/00, G11C23/00, or G11C25/00 using resistive RAM [RRAM] elements comprising amorphous/crystalline phase transition cells

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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いコントラスト比を伴った記録・消去を1
6 回以上にわたって安定に繰り返すことのできる書換
え可能型光情報記録媒体を提供する。 【構成】 本発明の書換え可能型光情報記録媒体は、基
板上に、記録層を有し、この記録層は、一般式 [(GeTe)x (Sb2 Te3 1-x 100-A SbA (ただし式中、Aは20〜80 mol%であり、xは0.
25〜1である)で表される成分を含有するものであ
り、かつ、この記録層の少なくとも上面に、Y2 3
含有する保護層を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、書換え可能型光情報記
録媒体に係り、詳しくは光を照射し、記録層の構造変化
(相変化)に伴う反射率(あるいは透過率)の変化を生
じさせることにより記録を行い、加えて、記録部分に再
度、光照射を行い可逆的に元の状態に戻すことにより記
録の消去が可能な書換え可能型光情報記録媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】書換え可能型光情報記録媒体は、高い記
録密度を特長とするため、大容量記録装置への応用が期
待されている。
【0003】一般に、書換え可能型光情報記録媒体は、
その記録層の非晶質と結晶質の間の相変化の際に起こる
反射率の変化を利用し、記録を行うものである。すなわ
ち、非晶質の状態が記録状態に相当し、結晶化すれば、
記録が消去されたことになる。
【0004】この種の書換え可能型光情報記録媒体にお
いて先ず要求されるのは、 (a).非晶質(記録)状態における反射率と結晶質
(消去)状態における反射率との差が十分に大きいこと
である。この反射率の差は、記録及び消去の際のレーザ
ーのパワー、並びにそのレーザーの照射時間によって多
少変化するが、例えば、コントラスト比Cを、 C=(VC −VA )/VC ×100(%) [ここにVA は非晶質状態の光電変換素子出力電圧(記
録信号)を、VC は結晶質状態の光電変換素子出力電圧
(消去信号)を意味する。]と定義すると、コントラス
ト比が25%以上、好ましくは30%以上であることが
必要とされる。
【0005】次に、光情報記録媒体が書換え可能な光情
報記録媒体として実用に供するためには、 (b).一定の情報を記録し、それを消去して新たな情
報を記録するという操作を繰り返し行なってもコントラ
スト比等の性質において初期の性能を維持できるもので
なければならず、例えばコンピューターの外部メモリ用
としては、この繰り返し回数が106 回以上であること
が必要とされる。
【0006】さらに、光情報記録媒体としては、 (c).一定の情報を記録したままで長期間の保存に耐
えるものでなければならず、実用的には、通常の保存条
件で10年以上の保存に耐えるものであることが必要と
される。換言すると、情報が記録された非晶質状態が、
例えば室温で10年間安定に維持されることが必要とさ
れる。これはガラス材料の物性面からみると熱的安定性
ということになるが、この熱的安定性は結晶化温度(T
x)と結晶化の活性化エネルギー(E)で決まり、前記
の程度の安定性を得るためには、Tx=120℃以上、
E=2.0eV以上であることが必要とされる。
【0007】ところで一般に、書換え可能型光情報記録
媒体への情報の記録は、レーザ光を約1μm φに集光し
て記録膜に照射して記録膜の照射部分を溶融し、急冷し
て非晶質状態にすることで行なわれ、また、記録されて
いる情報の消去は、レーザ光の出力を前記記録時よりも
小さくして記録膜に照射し、記録膜の融点よりも低温
で、かつガラス転位点よりも高い温度に加熱するととも
に、その照射時間を前記記録時よりも長くすることによ
り結晶質状態にすることで行なわれる。
【0008】すなわち、このような書換え可能型光情報
記録媒体においては、記録時におけるレーザ光の照射時
間は十分に短時間にすることができるが、消去時におけ
るレーザ光の照射時間は、記録膜が有効に結晶化される
までに一定以上の時間を要することから比較的長い時間
が必要である。
【0009】この記録あるいは消去に要する時間の長短
は、この種の書換え可能型光情報記録媒体の性能を決め
る極めて重要な因子の一つであり、消去に要する時間が
長いとそれだけ性能が落ちることになるので、この消去
時間をできるだけ短くすることが要請される。例えば、
消去時間として数μsec 以上必要であった従来のもので
は、1μm φに集光される記録専用のレーザ装置と、一
つの部分に照射される時間を長くするためにビームを長
楕円状にした消去専用のレーザ装置(例えば、半導体レ
ーザ装置が用いられる)との2つのレーザ装置が必要で
あったが、消去時間を、例えば0.2μsec 以下にする
ことができれば、これら記録・消去を1つのレーザ装置
で行なうことができるようになり、光ヘッドの軽量・小
型化、アクセスタイムの短縮化等も可能となる。従って
書換え可能型光情報記録媒体は、(d).結晶化時間が
短かく、消去時間が例えば0.2μsec 以下と短いもの
であることも要請される。
【0010】従来より、種々の光情報記録媒体が開発さ
れており、例えば、特開昭62−222442号公報に
は下記の一般式で表わされる組成の合金膜を記録層に有
する書換え可能型記録媒体が開示されている。一般式: (Mv1-x Tex 1-y My (ただし、一般式におけるx,yはそれぞれ55 at.%
≦x≦65 at.%、y≦20 at.%であり、MvはV族
元素であり、Mは、Ag,Al,As,Au,Bi,C
u,Ga,Ge,In,Pb,Pd,Pt,Sb,S
e,Si,SnおよびZnからなる群から選ばれた少な
くとも一種の元素を表わす)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭62−
222442号公報の書換え可能型光情報記録媒体で
は、高いコントラスト比を伴った記録・消去を105
超えて安定に行うことができないという問題点がある。
したがって、本発明の目的は、上記の条件(a),
(b),(c)および(d)のすべてを満たし、高いコ
ントラスト比を伴った記録・消去を106 回以上にわた
って安定に繰り返すことのできる書換え可能型光情報記
録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、本発明の書換え可能
型光情報記録媒体は、基板上に、記録層を有し、この記
録層は、一般式 [(GeTe)x (Sb2 Te3 1-x 100-A SbA (ただし式中、Aは20〜80 mol%であり、xは0.
25〜1である)で表される成分を含有するものであ
り、かつ、この記録層の少なくとも上面に、Y2 3
含有する保護層を有することを特徴とする。また、本発
明の書換え可能型光情報記録媒体においては、記録層中
の上記Sbの0〜15 at.%をBiに、上記Teの0〜
15at.%をSeに置換することおよび/または保護層中
の上記Y2 3 の0〜85 mol%をZnSに置換するこ
とが可能である。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
書換え可能型光情報記録媒体は、基板上に記録層を有す
る。ここに「基板上に記録層を有する」とは基板上に直
接記録層を設ける場合および基板上に下地層などを設け
たのち、記録層を設ける場合の両者を含む意味である。
【0014】記録層の組成範囲は、これを必須の3成分
(Ge,Te,Sb)で表すと図1の斜線部となる。以
下、上記記録層の組成の限定理由を図1にもとづいて説
明する。図においての部分、すなわち一般式中のAが
80 at.%を超え、Sbの含有量が多くなりすぎると、
非晶質化するために要する冷却速度が極めて速くなるた
め、非晶質化が難しくなり、記録を安定に行うことが困
難となる。また、図の部分、すなわちAが20 at.%
未満では、結晶化温度(Tx)が低くなり好ましくな
い。したがって、Aは20〜80 at.%とする。好まし
くは25〜75 at.%、より好ましくは30〜70 at.
%である。
【0015】図1においての部分、すなわちGeTe
の含有量が多くなりすぎると、非晶質化と結晶質化の間
に生ずる体積変化が大きくなるため、記録層が割れるこ
ともあり、記録・消去の繰り返し精度が悪化する。また
の部分、すなわちSb2 Te3 の含有量が多くなりす
ぎると、結晶化温度(Tx)が低くなり一定の情報を記
録したままで長期間の保存に耐えることが難しくなると
ともに、結晶質化が難しくなるため記録の消去時間が長
くなる。さらにの部分、すなわちxが1を超えると、
上記したの部分の問題点やの部分の問題点が表れや
すく、またの部分、すなわちxが0.25未満では上
記したの部分の問題点やの部分の問題点が表れやす
い。したがって、xは0.25〜1に限定される。好ま
しくは、0.30〜0.90である。
【0016】本発明によれば、記録層の上記Sbの一部
をBiで置換することによって記録の消去時間をさらに
短縮させる効果がある。しかし、Sbの15 at.%を超
える量をBiで置換すると、結晶化温度(Tx)の低下
を引き起し、一定の情報を記録したままでの長期間の保
存が難しくなり、加えて記録時におけるレーザーのパワ
ーが高くなりすぎ好ましくない。したがって、Biの置
換量は記録層の組成のSbの15 at.%以下(好ましく
は12 at.%以下)とする。
【0017】また本発明によれば、記録層の上記Teの
一部をSeで置換することによって記録の際のレーザの
パワーを小さくし、また記録の消去時間をさらに短縮す
る効果がある。しかし、Teの15 at.%を超える量を
Seで置換すると、記録層の相分離が生じ、記録・消去
の繰り返し精度が悪化する上に、記録の消去時間が長く
なる。したがって、Seの置換量は、記録層の組成のT
eの15 at.%以下(好ましくは12%以下)とする。
【0018】さらに、本発明の書換え可能型光情報媒体
においては、上記組成を有する記録層の少なくとも上面
に、Y2 3 を含有する誘電体物質からなる保護層が設
けられる。この保護層は、非晶質(記録)状態と結晶質
(消去)状態との間のコントラスト比を大きくするとと
もに、記録・消去の繰り返しを106 回以上にわたって
安定に行うことに大きく貢献する。この効果を奏する理
由は完全に解明されていないが、コントラスト比が改善
された理由は、上記保護層の熱伝導率が高いため、記録
の冷却速度が十分大きくなり、非晶質化(記録)が容易
となるためと考えられる。また、繰り返し精度が改善さ
れた理由は、上記保護層が前記記録層に対して付着力が
高いこと、融点が高く熱的に安定であること、及び保護
層を形成した後の残留応力が小さいためと考えられる。
【0019】また、上記保護層中のY2 3 の一部をZ
nSに置換することによって、前記Y2 3 の保護層の
効果を損なうことなく、記録の際におけるレーザのパワ
ーを削減させること(換言すれば、記録感度を良くする
こと)ができる。この効果を発揮させるためにはZnS
を保護層中10 mol%以上(望ましくは20 mol%以
上、さらに望ましくは30 mol%以上)含有させること
が好ましい。しかしながら、ZnSを保護層中に85 m
ol%を超えて含有させると、記録・消去の繰り返し精度
が悪化するためZnS保護層中の含有量は85 mol%以
下(望ましくは80 mol%下)に限定される。さらに、
上記保護層は、記録・消去の繰り返しによる基板の劣化
や記録層の湿気による劣化を防ぐ効果も有する。
【0020】次に、本発明の書換え可能型光情報記録媒
体の製法について述べると、先ず、基板として、ガラス
基板またはプラスチック基板を用意し、この上に所望に
よりY2 3 などからなる下地層を設けた後、通常のス
パッタリング法、真空蒸着法等によって前記一般式のG
eTeSb含有材料からなる記録層及びY2 3 を含有
する保護層を形成する。
【0021】スパッタリング法を用いる場合、記録層用
のスパッタターゲットとしては、例えば、以下のように
して合成したものを用いる。すなわち、純度5以上のG
e,Te,Sb,Se及びBi等を、透明石英ガラス製
のアンプル中に所定の組成となるようにして入れ、次に
これを10-6Torrの真空に排気して封じる。次いでこれ
を回転溶融炉で850℃で15時間よく混合しながら溶
融し、しかる後、冷却してスパッタターゲット合金母材
を得る。このスパッタターゲット合金母材を研磨して例
えば75〜100mm、厚さ5mm程度の円盤状のターゲッ
トを形成する。
【0022】記録層及び保護層の成膜のためのスパッタ
リング法としては、例えば高周波マグネトロンスパッタ
リング法が用いられ、これは高周波マグネトロン型スパ
ッタ装置に前記記録層用合金製のスパッタターゲットあ
るいは保護層用スパッタターゲットを取付け、所定の真
空度(例えば5×10-7〜2×10-6Torr)で、Arガ
スを所定の分圧(例えば1〜10mTorr)となるように
導入し、高周波電力(例えば記録層では10〜100
W、保護層では100〜500W)を印加することによ
って行われる。
【0023】
【作用】本発明の書換え可能型光情報記録媒体におい
て、前記一般式で表される組成のGeTeSb含有材料
からなる記録層は、結晶状態の結晶系が六方晶であるこ
とがX線回折により確認されている。そして、前記のY
2 3 を含有する保護層の熱伝導性が良いため、記録層
の非晶質化(記録化)の際に、非晶質化されずに残る結
晶の割合が極めて小さい。したがって、コントラスト比
を例えば25%以上の如く高くすることができる。従っ
て、前記条件(a)を満足する。
【0024】また、前記記録層においては、非晶質(記
録)状態と結晶質(消去)状態とを交互に例えば106
回以上繰り返しても、相分離により非晶質状態と結晶質
状態の組成とがそれぞれ最初と最後で大きく変化せず安
定であり、加えて記録層と保護層との付着力が高く、ま
た残留応力が小さいため、106 回以上の記録・消去の
可逆的繰り返しが可能であり、前記条件(b)も満足す
る。
【0025】さらに、前記記録層においては結晶化温度
(Tx)が例えば、120℃以上と高く、結晶化の活性
化エネルギー(E)も例えば、2.0eV以上と高いの
で、非晶質状態の熱的安定性にすぐれており、室温で1
0年以上の保存が可能である。またY2 3 含有保護層
の融点も高く、熱的に安定である。したがって、前記条
件(c)も満足する。
【0026】さらに、前記一般式で表される組成のGe
TeSb含有材料からなる記録層においては、前記保護
層の熱伝導性が良いために、結晶時において結晶化され
ずに残存する非晶質の割合が非常に少ないので、記録、
消去の相変化において分相を伴わず、その結果、消去時
間を、例えば0.2μsec 以下の如く極めて短くするこ
とができる。したがって、前記条件(d)も満足する。
【0027】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0028】(実施例1)基板として、石英ガラス基板
を用い、この基板上に、マグネトロンスパッタ法により
膜厚120nmのY2 3 膜を形成した。次にスパッタタ
ーゲットとして、一般式 [(GeTe)x (Sb2 Te3 1-x 100-A SbA (ただし式中、Aは60 at.%であり、xは0.67で
あり、さらにSbの4.4 at.%がBiに、Teの0〜
15 at.%がSeにそれぞれ置換されている)で表され
る組成の合金製ターゲットを用い、これを高周波マグネ
トロン型スパッタ装置内の所定位置に取り付け、2×1
-6Torr以下の真空度で、Arガスを5×10-3Torrの
分圧となるように導入し、50W以下の高周波電力を印
加することにより、前記のY2 3 膜付き基板上に5元
合金からなる膜厚20nmの記録層を形成した。
【0029】次にこの記録層の上に、高周波マグネトロ
ンスパッタ法により膜厚20nmのY2 3 からなる保護
層を形成した。さらに、この保護層の上に、高周波マグ
ネトロンスパッタ法により膜厚100nmのAl金属層を
形成し、書換え可能型光情報記録媒体を得た。このよう
にして作製した書換え可能型光情報記録媒体は、その記
録層が非晶質状態と、結晶質状態の中間の状態になって
いるため、記録に先立ってこれを結晶質状態にする必要
がある。これは初期化と呼ばれ、本実施例では以下のよ
うにして行った。すなわち、前記記録層に半導体レーザ
パルスを照射してこれを溶融、急冷し、非晶質化するこ
とによって前記中間状態を解消し、しかる後これを弱い
光で加熱する(その際、Al金属層の上部を100nmの
前記と同様の保護層で覆うようにした。また真空中で加
熱してもよい。)ことによって結晶化した。
【0030】この初期化の光情報記録媒体について、コ
ントラスト比、記録・消去の繰り返し回数、結晶化温度
(Tx)及び結晶化の活性化エネルギー(E)並びに記
録の消去時間を求めたところ、下記の通りであり、全て
の物性について満足すべきものであった。
【0031】 コントラスト比 30% 繰り返し回数 4×106 回 結晶化温度(Tx) 179℃ 結晶化の活性化エネルギー(E) 2.6eV 消去時間 <0.2μsec なお、上述の各物性の測定方法は下記の通りである。
【0032】コントラスト比(%)…従来技術のところ
で述べたように、 C=(VC −VA )/VC ×100(%) により求めた。
【0033】繰り返し回数…記録した後、その反射率
(Ra)を測定し、次に消去した後、その反射率(R
c)を測定する。これを繰り返し、コントラスト比が2
5%まで低下したところまでの回数をもって繰り返し回
数とした。
【0034】なお、上述のコントラスト比と繰り返し回
数の測定においては、記録の際の830nmのレーザのパ
ワー及び照射時間をそれぞれ21.5mW、0.05μse
c 、消去の際の830nmのレーザのパワー及び照射時間
をそれぞれ10.5mW、0.10μsec として行った。
【0035】結晶化温度(Tx)…理学電気(株)製の
高感度示差走査熱量計DSC8240Bにより測定した
(昇温速度10℃/min )。
【0036】結晶化の活性化エネルギー(E)…5,1
0及び20℃/min の少なくとも3種類の昇温温度を用
いて結晶化温度を求め、キッシンジャープロットにより
算出した。
【0037】消去時間…21.5mWの出力を有するレー
ザビームを記録層に照射し、溶融・急冷して非晶質化し
た後、これにパルス幅を0.05μsec づつ順次増加さ
せた10.5mWの出力を有する結晶化(消去)レーザパ
ルスを照射して各部分を次々と結晶化させる。結晶化処
理が終わったら、次にこの結晶化処理を施した部分に
0.5mW、1μsec の再生用レーザパルスを順次照射し
ていき、その反射率を測定する。反射率の強度が飽和す
る部分における前記結晶化レーザパルスのパルス幅を求
めれば(前記結晶化レーザの照射位置と前記再生用レー
ザの照射位置とを対応づけておくことにより求めること
ができる)、それがすなわちこの条件下での求めるべき
消去時間である。このような測定をレーザ出力を変えて
種々行い、各条件下における消去時間を求め、こうして
求めた消去時間のうち最小のものをこの記録層の消去時
間とした。
【0038】(実施例2〜9)記録層の材料を表1及び
表2で示したように種々変動させた以外は実施例1と同
様にして8種の光情報記録媒体を得た。得られた実施例
2〜9の光情報記録媒体は、その各種物性を表−1及び
表−2に示すように、コントラスト比が25%を超え、
繰り返し回数が106 回を超え、結晶化温度が120℃
を超え、結晶化の活性化エネルギーが2.0eVを超え、
消去時間が0.02μsec 未満であって、実施例1の光
情報記録媒体と同様に優れていた。
【0039】(実施例10〜13)保護層の材料を表2
で示したように種々変動させた以外は実施例1同様にし
て4種の光情報記録媒体を得た。得られた実施例10〜
13の光情報記録媒体は、その各種物性を表−2に示す
ように、コントラスト比が25%を超え、繰り返し回数
が106 回を超え、結晶化温度が120℃を超え、結晶
化の活性化エネルギーが2.0eVを超え、消去時間が
0.02μsec 未満であって、実施例1の光情報記録媒
体と同様に優れていた。
【0040】さらに、記録の際のレーザパワーにおい
て、実施例1の光情報記録媒体は21.5mW必要だった
のに対し、実施例10〜13の光情報記録媒体では、実
施例10が17.9mW、実施例11が14.0mW、実施
例12が14.0mW、実施例13が14.4mWと小さく
することができた。すなわち、実施例10〜13の光情
報記録媒体は、記録感度が優れたいた。
【0041】(比較例1)保護層の材料をZnSとした
以外は実施例1と同様にして光情報記録媒体を得た。得
られた比較例1の光情報記録媒体は、その各種物性を表
−3に示すように、コントラスト比を保った繰り返し回
数も2×105 回にとどまり、また記録の際に必要とす
るレーザのパワーも22.5eWと高く記録感度が弱く、
実施例1の光情報記録媒体に比べはるかに劣っていた。
【0042】(比較例2)記録層の材料を表−3に示す
ようにxを小さくし、Seを所定量より多く含有させて
光情報記録媒体を得た。得られた比較例2の光情報記録
媒体は、その各種物性を表−3に示すように、繰り返し
回数は105 回にとどまり、また消去時間が1μsec を
超え、実施例1の光情報記録媒体に比べはるかに劣って
いた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】 なお、記録層の組成は光電子分光法で、保護層の組成は
EDAXによりそれぞれ確認した。記録層及び保護層の
組成はいずれも設定値とほぼ等しく、ずれは最大でも5
%程度であった。
【0046】なお、実施例では、基板は石英ガラスを用
いたが、他のもの例えばポリカーボネートやPMMAと
いった樹脂等でも良い。
【0047】なお、実施例では、成膜はマグネトロンス
パッタ法によって行ったが、直流スパッタ法、真空蒸着
法、スピンコート法及びプラズマCVD法等でも良い。
マグネトロンスパッタ法においても、スパッタターゲッ
トとして、GeTe、Sb2 Te3 、ZnS、Y
2 3 、Sb、Ge、Te等の板を別々にとり、それら
を同時にスパッタする等の方法でも良い。
【0048】さらに、実施例1〜13では、保護層上に
Al金属層を設けたが、この理由は、第一に金属層は熱
伝導性に優れていることから記録層の急冷が容易となり
記録化(非晶質化)の感度をさらに良くすることが可能
となるためであり、第二に金属層は記録層を透過したレ
ーザ光を反射させることからレーザ光を記録層に有効に
取り入れることが可能となるためである。金属層はAl
の他に、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Pd、Ag、
Ir、Pt、Au等の金属やその合金を用いることがで
きる。また、これらの金属層を設けなくても、本発明の
情報記録媒体の記録・消去の機能は充分に優れているも
のである。
【0049】また、レーザ光を基板側から記録膜に照射
する構造に何ら限定されるものではなく、例えば、その
逆側(記録層の上面側)からレーザ光を入射させるよう
にしてもさしつかえない。その際、基板材料は透明な材
質に限定されず、Al合金、Ni合金等の金属材料や、
サイアロン等のセラミック材料を用いることもできる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の書換え可能
型光情報記録媒体は、(a)記録状態と消去状態におけ
るコントラスト比が大きく、(b)記録・消去を106
回を超え極めて多数回繰り返し安定に行うことができ、
(c)記録を長期間安定に保存することができ、(d)
記録の消去時間が短い、等の種々の利点を有し、高いコ
ントラスト比を伴った記録・消去を106 回以上にわた
って安定に繰り返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の書換え可能型光情報記録媒体におけ
る記録層の組成範囲の限定理由を説明するための図であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に記録層を有し、この記録層は、
    一般式 [(GeTe)x (Sb2 Te3 1-x 100-A SbA (ただし式中、Aは20〜80 at.%であり、xは0.
    25〜1である)で表される成分を含有するものであ
    り、 かつ、この記録層の少なくとも上面に、Y2 3 を含有
    する保護層を有することを特徴とする書換え可能型光情
    報記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録層中のSbの0〜15 at.%をBi
    に、Teの0〜15at.%をSeに、置換することを特
    徴とする請求項1記載の書換え可能型光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 保護層中のY2 3 の0〜85 mol%を
    ZnSに置換することを特徴とする請求項1または2記
    載の書換え可能型光情報記録媒体。
JP3338753A 1991-12-20 1991-12-20 書換え可能型光情報記録媒体 Pending JPH05174422A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6996052B1 (en) 1998-09-09 2006-02-07 Mitsubishi Chemical Corporation Optical information recording medium and optical recording method
WO2010041373A1 (ja) * 2008-10-06 2010-04-15 パナソニック株式会社 情報記録媒体とその製造方法、及びスパッタリングターゲット

Cited By (3)

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