JPH05173567A - アンサンブル音合成装置と楽音合成装置 - Google Patents

アンサンブル音合成装置と楽音合成装置

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JPH05173567A
JPH05173567A JP3339229A JP33922991A JPH05173567A JP H05173567 A JPH05173567 A JP H05173567A JP 3339229 A JP3339229 A JP 3339229A JP 33922991 A JP33922991 A JP 33922991A JP H05173567 A JPH05173567 A JP H05173567A
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JP3339229A
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Daisuke Mori
大輔 森
Katsuhiko Hayashi
克彦 林
Masahiro Nakanishi
雅浩 中西
Takahiro Sugaya
隆宏 菅谷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子楽器に使用されるアンサンブル音合成装
置と楽音合成装置において、アンサンブル音あるいは楽
器音としての音色の不自然性を解決し、自然な演奏音を
合成する。 【構成】 周波数変調部41〜43で周波数変調された音高
データに対応して発音チャンネル 301〜303 から出力さ
れる波形データは加算器323 で加算されてアンサンブル
音が合成される。周波数演算部40は時間変化する周波数
変調データF2,F3とから周波数変調データF1を演
算出力し、周波数変調部41〜43により音高データが相互
に関係する周波数変調データF1〜F3に従って周波数
変調されるので、各波形データが融和した音高変動の少
ないアンサンブル音が合成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器のうちで、自
然楽器と同様な音色を合成する楽音合成装置や、特にア
コースティックな、すなわち、複数の自然楽器を同時に
演奏することにより得られるいわゆるアンサンブル的な
音色を合成するアンサンブル音合成装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電子楽器のいわゆる発音チャンネ
ルにはディジタル技術による合成方式が導入されて、合
成音の品質の向上が著しい。発音チャンネルに使用され
る合成方式としては、自然楽器の楽音波形をそのまま記
憶しておいて、再生すべき音高に比例した速度で再生す
るいわゆるPCM方式に準じた方式が多く使用されてい
るが、自然楽器の実際の発音形態に対応した合成方式も
数多く提案されている。複数の発音チャンネルを使用し
て自然な楽器音や複数の単一楽器により同時に同一音高
音を演奏する斉奏音いわゆるアンサンブル音を合成する
技術、単一の発音チャンネルにより自然な楽器音やアン
サンブル音を合成する技術、また、単一の発音チャンネ
ルとエフェクタ技術を使用して、アンサンブル効果(コ
ーラス効果)を合成する技術も数多く提案されている。
【0003】なお、以下においては、単一の楽器音を合
成することのできる1つのあるいは複数の発音チャンネ
ルから構成される合成装置を楽音合成装置として、アン
サンブル音あるいはアンサンブル効果を合成することの
できる1つのあるいは複数の発音チャンネルから構成さ
れる合成装置をアンサンブル音合成装置とする。
【0004】複数の発音チャンネルを使用して自然な楽
器音を合成する技術は、例えば特開昭53−13441
8号公報に、アンサンブル音を合成する技術は特開昭5
2−82413号公報に記載されており、単一の発音チ
ャンネルによりアンサンブル音を合成する技術は、特開
昭57−58195号公報に記載されている。また、こ
のような技術に使用される発音チャンネルに用いる合成
方式は、たとえば、特開昭52−121313号公報、
特開昭62−109093号公報、特開平2−3044
91号公報、文献(“On theoscillati
onof musical instrument
s”,M.E.McIntyreR.T.Schuma
cher J.Woodhouse共著,J.Acou
st.Soc.Am 74(5),November
1983 p1325−p1345記載)に詳述されて
いる。
【0005】以下、図面を参照しながら上述のアンサン
ブル音合成装置と楽音合成装置について説明する。図20
は、複数の楽器により同時に同一音高音を演奏する斉奏
音いわゆるアンサンブル音を合成する従来のアンサンブ
ル音合成装置と、複数の発音チャンネルを使用して単一
の楽器音を合成する従来の楽音合成装置との構成をまと
めて示すものである。図20において、 301〜303 は発音
チャンネル、 304は発音制御部、 305は補間係数発生
部、 310〜318 は乗算器、 320〜323 は加算器である。
【0006】以上のように構成されるアンサンブル音合
成装置と楽音合成装置について、以下その動作について
説明する。発音制御部304 は、入力される発音情報Aに
したがって各発音チャンネル301〜303 に対して、発音
のオンオフデータ、ダンプデータ、音高データを出力す
る。各発音チャンネル 301〜303 は、全て同じ楽器の楽
器音を合成するもので、発音制御部304 から発音オンオ
フデータのオンデータが入力されると、入力される音高
データに対応する音高の楽音の合成を開始し、それぞれ
合成した波形データを出力する。各発音チャンネル 301
〜303 から出力された波形データはそれぞれ乗算器 316
〜318 において所定の補間係数I1、I2、I3を乗算
された後に加算器323 において加算されて、ディジタル
/アナログ変換器(以下、DA変換器)やアンプ、スピ
ーカ等で構成されるサウンドシステム(図示せず)へ合
成楽音として出力される。なお、発音制御部304 から出
力されるダンプデータは各発音チャンネル 301〜303 の
出力の減衰量を決定するデータであり、各発音チャンネ
ル 301〜303 は、発音オンオフデータがオフデータにな
ると、ダンプデータに対応した減衰量にしたがってその
波形データ出力を次第に減衰させて発音を終了する。ま
た、発音制御部304 は、発音チャンネル 301〜303 に対
して現在の発音を即時に終了させて、次の楽音の発音を
させたいときには、ダンプデータとして減衰量の非常に
大きな値を出力することにより、いわゆるファーストダ
ンプと呼ばれる急速発音停止を行うこともでき、このよ
うにして次に発音させたい楽音の発音遅れを短縮するこ
とができる。そのような目的のためには、図20には図示
していないが発音チャンネル 301〜303 に対して次の発
音を指示可能か否かをモニタするために、一般には各発
音チャンネル 301〜303 の発音状態を示すデータが各発
音チャンネルから出力されている。
【0007】複数の発音チャンネルにより、複数の単一
楽器により同時に同一音高音を演奏したようなアンサン
ブル音を合成する場合には、各発音チャンネル 301〜30
3 からは同じ音色の波形データが出力されるものとす
る。この時、デチューンデータD1の値を1とし,デチ
ューンデータD2とD3の値を1近傍の小数値としてお
くことにより、各発音チャンネル 301〜303 から出力さ
れる波形データの音高はそれぞれわずかに異なるので、
それらの波形データがお互いに干渉し合うために比較的
長い周期のビート音が聞こえることとなり、この効果に
よりアンサンブル的な効果が得られる。但し、補間係数
I1,I2,I3の値は全て1とする。なお、より心地
よいアンサンブル感を実現するため低周波発振データL
FO1,LFO2,LFO3の値を3〜5Hz程度の互
いに異なる低周波発振データとする。
【0008】複数の発音チャンネルにより、単一の楽器
音を合成する場合には、自然楽器音から時間経過にした
がって切り取った3つの波形W1とW2とW3とをそれ
ぞれ発音チャンネル301 と302 と303 とから出力するよ
うにして、乗算器 316〜318において乗算する補間係数
I1,I2,I3を図21の(a)(b)(c)に示すよ
うに変化させると、波形W1から波形W2へ、波形W2
から波形W3へと変化する単一の楽器音が合成されるこ
ととなる。ここで、補間係数発生部305 は、発音制御部
304 から出力される発音オンオフデータのオンデータに
したがって、図21に示すように時間変化する補間係数I
1、I2、I3を出力し、乗算器 310〜312 で音高デー
タに乗じられるデチューンデータD1,D2,D3は全
て値“1”とし、加算器320 〜322 において値“1”に
加算される低周波発振データLFO1、LFO2,LF
O3は全て値“0”とする。なお、出力する楽音にビブ
ラートを付与したい時には、加算器 320〜322 に入力す
る低周波発振データLFO1とLFO2とLFO3の値
を全て共通とし、3〜5Hz程度の正弦波あるいは三角
波などの形状を有する低周波発振データとする。
【0009】以上のように使用される発音チャンネルの
構成について説明する。PCM方式の発音チャンネルの
構成を図22に示す。図22において、201 ,202,203 は
アドレス発生器、211 はダンプメモリ、212 はエンベロ
ープメモリ、213 は波形メモリ、220 ,221 ,222 は乗
算器、230 はAND回路である。
【0010】図22において、アドレス発生器201 はアド
レス増分値としてダンプデータが入力されその値は通常
(ダンプオフ)値“0”となっている。アドレス発生器
202は、アドレス増分値として値“1”が与えられ、ア
ドレス発生器203 は、アドレス増分値として音高データ
が入力される。
【0011】各アドレス発生器 201〜203 は、発音制御
部304 から入力される発音オンオフデータがオンデータ
(値“0”)になると、アドレス値を値“0”にリセッ
トした後に、上述のように設定されたアドレス増分値を
アドレス値としてサンプリング周波数に対応するクロッ
クに従って順次に累算することによりアドレスを更新す
る。なお、アドレス発生器 201と202 はアドレス更新を
開始する前に発音状態信号として値1を出力するものと
し、AND回路230 からは発音状態データ値“1”が出
力されるものとする。アドレス発生器203 は予め定めら
れたアドレス長分、例えば9ビット分のアドレス更新を
した後に再びその上位ビットをリセットしてアドレス更
新をする。アドレス発生器 201と202 は予め定められた
アドレス長分のアドレス更新をした後にアドレス更新を
終了し、発音状態信号0を出力する。アドレス発生器20
1 のアドレス増分値は値“0”なので、実質的にアドレ
ス更新は行われず、発音制御部304 から出力されるダン
プデータが値“0”でなくなり、かつ、発音オンオフデ
ータがオフデータ(値“1”)になると、乗算器220 の
出力が値“0”でなくなる。即ち、ダンプオンになると
実質的なアドレス更新がなされることとなる。
【0012】アドレス発生器203 は、予め波形メモリ21
3 に記憶させる波形データが図23(c)に示すように 5
12個の波形データの時、この波形データを順次に読み出
すために必要なアドレスは0〜511 の9ビットとなる。
アドレス値とアドレス増分値とを加算した結果が9ビッ
トアドレスを超えるときには10ビット目に桁上がりする
状態となるが波形メモリは9ビットアドレス長分なので
10ビット目は無視してよい。なお、音高データは通常小
数部を含むので、アドレス累算は小数部10ビット程度を
含む固定小数点演算により実施され、アドレス累算値の
整数部をアドレス値として出力する。
【0013】音高データにより指示された音高が 62.5
Hzのときに、図23(c)に示す波形(データ数 512
)を出力する場合には、サンプリング周波数を32kH
zとすると1周期 512個の波形データを読み出すために
音高データは値 1.0が与えられる。1オクターブ上の 1
30Hzの音高の時には音高データの値は 2.0とし、音高
データの値が 1.5の時には、 93.75Hzの音が合成され
ることとなる。アドレス発生器203 はアドレス値をカウ
ントアップし続けることにより、波形メモリ213からは
図23(c)に示す波形が繰り返し出力されることとな
る。
【0014】アドレス発生器202 は、エンベロープメモ
リ212 に対して、サンプリング周波数に対応するクロッ
クにしたがってそのアドレス値を1づつカウントアップ
したアドレスを供給することによって、例えば図23
(b)に示すようなエンベロープデータ(アドレス0〜
511 )を出力させることとなり、アドレス値が 511と
なるとアドレス更新を終了し、発音状態信号値“0”を
出力する。なお、出力する楽音がピアノの様な減衰楽音
でなく、トランペットのような定常楽音の場合には、エ
ンベロープメモリ212 に記憶しているエンベロープデー
タの最終値(アドレス 511)が値0でないので、このよ
うな楽音を出力する場合には、発音状態信号値“0”は
出力しないようにする。
【0015】アドレス発生器201 は、ダンプデータの値
が“0”でなくなり、かつ、発音オンオフデータがオフ
データ(値“1”)になると乗算器220 の出力が値
“0”でなくなる。即ち、ダンプオンの状態になるとア
ドレス発生器201 は、ダンプデータの値をアドレス増分
値としてサンプリング周波数に対応するクロックに従っ
て、アドレス増分値を累算してアドレス値を出力する。
ダンプメモリ211 に対して、アドレスを供給することに
よって、例えば図23(a)に示すようなダンプデータ
(アドレス“0〜63”)を出力させる。ここで、サンプ
リング周波数が32kHzで、アドレス増分値が値1とす
れば2ミリ秒で63点のダンプデータを出力し、減衰する
ことになる。ダンプデータの値を変化させることによ
り、減衰までの時間長が制御されることとなる。減衰時
間を緩やかにするためにアドレス発生器203 と同様にし
て、アドレス累算に小数部を有する固定小数演算を実施
してもよい。また、アドレス発生器201 はアドレス発生
器202 と同様に、アドレス値が“63”となってからはア
ドレス更新を終了し、発音状態信号として値“0”を出
力するものとする。AND回路230 は、アドレス発生器
201 とアドレス発生器202 とから出力される2つの発音
状態信号の値がどちらも“1”の時だけ発音状態データ
として値“1”を出力し、それ以外の時には使用可能な
発音チャンネルとして発音状態データ値“0”を出力す
る。
【0016】以上のようにして、波形メモリ213 から繰
り返し出力される波形データは、乗算器222 によってエ
ンベロープデータと乗算されて出力波形データが合成さ
れる。乗算器222 の出力は、乗算器221 によってダンプ
データと乗算されるが、通常はダンプのデータは“1”
であり、発音途中において発音を終了させる場合に乗算
器222 の出力を急速に減衰させるために使用される。
【0017】自然楽器の実際の発音形態に対応した合成
方式の発音チャンネルの構成を図24に示す。図24につい
て説明する前に、図25〜図27を参照しながら、原理につ
いて説明する。
【0018】図25は、クラリネットの断面図を示す。図
25において左端Jはマウスピースに対応しており、その
リード部分が口腔圧力qm を有する口によって覆われて
いるものとする。なお、全てのトーンホールは塞がれて
いるものとする。口腔圧力qm とリード直下の管内圧力
qとの圧力差によって、リード付近には流速fが発生す
る。流速fは管内の特性インピーダンスzを介して、進
行波圧力qo (=f・z)を形成する。進行波圧力qo
は、図25の左端Jから右端U(開口端部)まで進行した
後に、右端Uにおいて、放射および反射が起きる。反射
波圧力qi は、進行波圧力qo と、図27に示すような反
射係数r(t)とを畳み込み演算することによって得る
ことができる。反射波圧力qi は、管内を右端Uから左
端Jへ進行し、リード直下の管内圧力q(=qo +qi
)が変動することによって、図26のような関係から口
腔圧力qm と管内圧力qとから決まる流速fがリード付
近に発生することとなる。上述の動作を繰り返すことに
よりクラリネットの発音が繰り返されることとなる。こ
こで、図26は、リード直下の管内圧力qと口腔圧力qm
と流速fとの関係を示しており、qr はリードの復元力
に打ち勝ってリードとマウスピースの隙間を閉じるため
に必要とされる圧力に対応するものである。また、図27
の反射係数rは、クラリネットが4分の1波長管である
ことから、出力する音高の時間周期をTとすると、左端
Jから右端U、更に、右端Uにおける反射によって、右
端Uから左端Jまでの往復経路に相当する時間長T/2
のところに反射のピークが集中していることがわかる。
【0019】図24において、120 は駆動部、121 は変換
部、122 は可変遅延部、123 はチャンネル制御部、124
はダンプ制御部である。以上のように構成される発音チ
ャンネルについて以下その動作を説明する。
【0020】まず、音高データと発音オンオフデータの
オンデータが入力されると、チャンネル制御部123 は発
音オンデータに対応して可変遅延部122 に対してリセッ
ト信号を出力した後に各部に対してオン信号を出力し、
各部の動作が開始される。駆動部120 は出力する楽音が
ピアノなどのパーカッシブ音のときにはイニシャルタッ
チ、クラリネットなどのノンパーカッシブ音のときには
アフタータッチのいずれかのデータqm をチャンネル制
御部123 から出力されるオン信号がオンの間出力し、オ
ン信号がオフのときには零値を出力する。変換部121 へ
の駆動入力であるデータqm を、駆動部120 の出力とし
て適当な値とするためにスケーリングをしてもよい。
【0021】変換部121 は、例えば図28のように構成さ
れる。図28において、130 はF(q)テーブル、131 は
乗算器、132 と133 は加算器である。以上のように構成
される変換部121 において、直前に出力した進行波圧力
qo と可変遅延部122 から出力される反射波圧力qi と
は加算器133 によって加算され、加算結果はリード直下
の管内圧力qとして出力される。F(q)テーブル130
は図26の関係にしたがって、入力される管内圧力qに対
応する流速fを出力する。F(q)テーブル130 から出
力される流速fは、乗算器131 において、管の特性イン
ピーダンスzと乗算された後に加算器132 において反射
波圧力qi と加算されて進行波圧力qoとして出力され
る。
【0022】可変遅延部122 は例えば図29のように構成
される。図29において、160 は反射係数発生部、161 〜
163 は単位遅延器、171 〜174 は乗算器、165 は加算器
である。
【0023】反射係数発生部160 は、クラリネットの管
形状に基づいて算出された図27に示すような反射係数r
(t)を基準クロックCf秒毎にサンプリングすること
によって得られる反射係数r(i・Cf)を下記第1式
に基づいて演算した後に、各乗算器171 〜174 へ供給す
るものとする。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、PとRとはクラリネットの管の反
射特性によって決定される定数であり、Tは音高データ
に対応した音高における1周期波形の時間長である。ま
た、NZは 161〜163 に示す単位遅延器の個数であり、
171〜174 の乗算器の個数よりも1だけ少ない正整数で
ある。ここで、クラリネットの出力する最低音を例えば
100Hzとし、基準クロックCfの周波数を 20 KHz
とすると、NZは4分の1波長管の場合には下記第2式
のように決定することができる。
【0026】
【数2】
【0027】入力端子 181へ入力された進行波圧力qo
は、単位遅延器 161〜163 において順次に時間遅延を受
ける。進行波圧力qo と単位遅延器 161〜163 の出力
は、反射係数発生部160 から供給される反射係数を乗数
とする乗算器 171〜174 でそれぞれ乗算された後に、加
算器165 においてすべて加算される。即ち、進行波圧力
qo と反射係数との畳み込み演算がなされて反射波圧力
qi が得られる。以上のようにして図29の出力端子180
から出力される反射波圧力qi は、変換部121 へ出力さ
れる。
【0028】上述したように変換部121 から出力される
進行波圧力qo は、ダンプ制御部124 において上述した
PCM方式の発音チャンネルのダンプデータの処理と同
様にして、チャンネル制御部123 から入力されるオン信
号がオンで、かつ、ダンプデータの値が“0”(ダンプ
オフ)の時は、ダンプ制御部124 からそのまま波形デー
タとしてダンプ制御部124 からサウンドシステムへ出力
されて、発音状態データ値“1”が出力される。また、
チャンネル制御部123 から入力されるオン信号がオフ、
あるいはダンプデータの値が“0”でない時(ダンプオ
ン)に進行波圧力qo は、ダンプ制御部124 において次
第に減衰させられながら波形データとして出力され、減
衰が終了すると発音状態データ値“0”が出力される。
【0029】以上のようにして、波形データはダンプ制
御部124 からクラリネットの楽音としてサウンドシステ
ムへ出力されこととなる。他のバイオリンの弦、パイプ
オルガン等の楽器についても上述したクラリネットと同
様の動作によって楽音が合成される。
【0030】なお、ここでは可変遅延部122 が反射係数
を非巡回型のフィルタの係数として構成するようにした
が、文献(”Extensions of the K
arplus−Strong Plucked−Str
ing Algorithm” David A.Ja
ffe ,Julius O.Smith共著、Com
puter Music Journal,Vol7.
2 Summer 1983)に記載されているよう
に、単純に音高に対応した可変遅延として、整数個の単
位遅延器と小数遅延量を全域通過型フィルタにより実現
することもできる。
【0031】図30は、単一の発音チャンネルを使用して
複数の楽器により同時に同一音高音を演奏する斉奏音い
わゆるアンサンブル音を合成する従来の楽音合成装置の
構成を示すものである。図30において、301 は発音チャ
ンネル、330 は可変遅延部、340 と341 は加算器であ
る。
【0032】以上のように構成された従来のアンサンブ
ル音合成装置について、以下に説明する。発音チャンネ
ル301 から出力された波形データは、可変遅延部330 を
経て、時間遅延されたの値に加算器341 で、時間遅延し
ていない波形データと加算されて出力される。可変遅延
部330 は、低周波発振データLFO4に加算器340 で値
“1”を加算された値により可変遅延量を制御される。
即ち、予め定められた基準となる時間遅延量を 0.1秒と
するとき、加算器340 の出力が 0.5,1.0, 1.5と変化す
ると、可変遅延部330 の時間遅延量は 0.05 , 0.1 , 0.
15 秒に変化するので、結果をして可変遅延部330 にお
いて波形データは周波数変調を受けた後に、加算器341
において変調を受けていない波形データと加算されるこ
ととなり、加算器341 の出力は、複数の発音チャンネル
によりアンサンブル音を合成したときと同様の結果を得
ることができる。
【0033】なお、可変遅延部330 などを用いずに、単
に発音チャンネル内の波形メモリにアンサンブル音の波
形を記憶させておき、その波形を読み出すアンサンブル
音合成装置、あるいはピアノのような一つの楽器音の立
ち上がりから立ち下がりまでのすべての波形を記憶させ
て読み出す、また、トランペットなどの定常的な楽器音
の立ち上がりから定常部までの波形を記憶させて読み出
し、定常部の波形を繰り返し読みだすような楽音合成装
置も提案されている。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
では、アンサンブル音を合成する時に、複数の単一楽器
による同一音高音を演奏するようなアンサンブル音しか
合成できない。あるいは、単に音高のチューニングをず
らして得られる一つのアンサンブル音として融和しない
人工的なアンサンブル音しか合成できない。また、実際
に演奏されたアンサンブル音を波形メモリに記憶するの
で自然なアンサンブル音を合成できるが多くの波形メモ
リを必要とし、予め記憶したアンサンブル音しか合成で
きないという問題点を有している。
【0035】また、自然な楽器音を合成するためには多
くの波形メモリを必要とする、あるいは、実際に演奏さ
れた楽器音しか自然な楽器音として合成できないという
問題点を有している。
【0036】本発明は上記問題点を解決するため、複数
の単一の楽器を同時に演奏することにより得られるアン
サンブル的な音色変動を示す楽器音やいわゆるアンサン
ブル音を合成するアンサンブル音合成装置を提供するこ
とを第1の目的とする。
【0037】また、演奏される自然楽器と同様な音色変
動をする楽器音を合成する楽音合成装置を提供すること
を第2の目的とする。さらに、本発明は上記問題点を解
決するため、複数の楽器を同時に演奏することにより得
られるアンサンブル的な音色変動を示す楽器音やいわゆ
るアンサンブル音を合成するアンサンブル音合成装置を
提供することを第3の目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のアンサン
ブル音合成装置は、N個よりも少ないM個の時間変化す
る周波数変調データから(N−M)個の周波数変調デー
タを演算出力する演算部と、前記演算部から出力される
N個の周波数変調データに対応して音高データを変調す
るN個の周波数変調部と、前記N個の周波数変調部から
出力される周波数変調された音高データに対応した音高
音の波形データを出力するN個の発音チャンネルとを設
けたことを特徴とする。
【0039】請求項2記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の時間変化する周波数変調デ
ータから(N−M)個の周波数変調データを演算出力す
る演算部と、前記演算部から出力される(N−M)個の
周波数変調データを時間遅延させる(N−M)個の遅延
部と、前記M個の時間変化する周波数変調データと前記
遅延部から出力される(N−M)個の周波数変調データ
とに対応して音高データを変調するN個の周波数変調部
と、前記N個の周波数変調部から出力される周波数変調
された音高データに対応した音高音の波形データを出力
するN個の発音チャンネルとを設けたことを特徴とす
る。
【0040】請求項3記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の時間変化する周波数変調デ
ータを時間遅延させるM個の遅延部と、前記M個の遅延
部から出力されるM個の周波数変調データから(N−
M)個の周波数変調データを演算出力する演算部と、前
記演算部から出力されるN個の周波数変調データに対応
して音高データを変調するN個の周波数変調部と、前記
N個の周波数変調部から出力される周波数変調された音
高データに対応した音高音の波形データを出力するN個
の発音チャンネルとを設けたことを特徴とする。
【0041】請求項4記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項2と請求項3記載のアンサンブル音合成装置
において、複数の遅延部の遅延時間長が互いに異なるこ
とことを特徴とする。
【0042】請求項5記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項1〜請求項4記載のアンサンブル音合成装置
において、N個の発音チャンネルは互いに異なる種類の
楽器音の波形データを出力することを特徴とする。
【0043】請求項6記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項1〜請求項4記載のアンサンブル音合成装置
において、N個の周波数変調部は入力される互いに異な
った音高データを周波数変調することを特徴とする。
【0044】請求項7記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項1〜請求項4記載のアンサンブル音合成装置
において、N個の周波数変調部は入力される互いに異な
った音高データを周波数変調し、かつ、前記N個の発音
チャンネルは互いに異なる種類の楽器音の波形データを
出力することを特徴とする。
【0045】請求項8記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の時間変化する遅延長データ
から(N−M)個の遅延長データを演算出力する演算部
と、音高データに対応した音高音の波形データを出力す
る発音チャンネルと、M個の遅延長データと前記演算部
から出力される(N−M)個とからなるN個の遅延長デ
ータに対応して波形データを時間遅延させるN個の可変
遅延部とを設けたことを特徴とする。
【0046】請求項9に記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の時間変化する遅延長データ
から(N−M)個の遅延長データを演算出力する演算部
と、前記演算部から出力される(N−M)個の遅延長デ
ータを時間遅延させる(N−M)個の遅延部と、音高デ
ータに対応した音高音の波形データを出力する発音チャ
ンネルと、前記M個の時間変化する遅延長データと前記
遅延部から出力される(N−M)個の遅延長データとに
対応して波形データを時間遅延させるN個の可変遅延部
とを設けたことを特徴とする。
【0047】請求項10に記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の時間変化する遅延長データ
を時間遅延させるM個の遅延部と、前記M個の遅延部か
ら出力されるM個の遅延長データから(N−M)個の遅
延長データを演算出力する演算部と、音高データに対応
した音高音の波形データを出力する発音チャンネルと、
前記演算部から出力されるN個の遅延長データに対応し
て波形データを時間遅延させるN個の可変遅延部とを設
けたことを特徴とする。
【0048】請求項11に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項9と請求項10記載のアンサンブル音合成装置
において、複数の遅延部の遅延時間長が互いに異なるこ
とことを特徴とする。
【0049】請求項12に記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の時間変化する振幅変調デー
タから(N−M)個の振幅変調データを演算出力する演
算部と、アンサンブル音を形成するためのN個の波形デ
ータを前記演算部から出力されるN個の振幅変調データ
に対応して振幅変調するN個の振幅変調部とを設けたこ
とを特徴とする。
【0050】請求項13に記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の振幅変調データから(N−
M)個の振幅変調データを演算出力する演算部と、前記
演算部から出力される(N−M)個の振幅変調データを
時間遅延させる(N−M)個の遅延部と、アンサンブル
音を形成するためのN個の波形データを前記M個の時間
変化する振幅変調データと前記遅延部から出力される
(N−M)個の振幅変調データとに対応して振幅変調す
るN個の振幅変調部とを設けたことを特徴とする。
【0051】請求項14に記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の時間変化する振幅変調デー
タを時間遅延させるM個の遅延部と、前記M個の遅延部
から出力されるM個の振幅変調データから(N−M)個
の振幅変調データを演算出力する演算部と、アンサンブ
ル音を形成するためのN個の波形データを前記演算部か
ら出力されるN個の振幅変調データに対応して振幅変調
するN個の振幅変調部とを設けたことを特徴とする。
【0052】請求項15に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項13と請求項14において、複数の遅延部の遅延
時間長が互いに異なることを特徴とする。請求項16に記
載のアンサンブル音合成装置は、請求項13,請求項14,
請求項15において、アンサンブル音を形成するためのN
個の波形データは互いに異なる種類の楽器音の波形デー
タであることを特徴とする。
【0053】請求項17に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項13,請求項14,請求項15において、アンサン
ブル音を形成するためのN個の波形データは互いに異な
る音高の波形データであることを特徴とする。
【0054】請求項18に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項13,請求項14,請求項15において、アンサン
ブル音を形成するためのN個の波形データは互いに異な
る種類の楽器音、かつ、互いに異なる音高の波形データ
であることを特徴とする。
【0055】請求項19に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項1〜請求項18において、演算部における変調
データの演算が加減算のみであることを特徴とする。請
求項20に記載のアンサンブル音合成装置は、請求項1〜
請求項18において、演算部における変調データの演算が
入力される変調データに対して時定数を有した漸近的演
算であることを特徴とする。
【0056】請求項21に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項20において、時定数の値により合成されるア
ンサンブル音の音色を変化させることを特徴とする。請
求項22に記載の楽音合成装置は、音高データに対応した
音高音の波形データを出力する第1と第2の発音チャン
ネルと、ノイズ性の周波数変調データを発生する周波数
変調データ発生部と、前記周波数変調データに対応して
前記第2の発音チャンネルに入力される音高データを変
調する周波数変調部と、与えられる振幅変調データに対
応して前記第2の発音チャンネルから出力される波形デ
ータを変調する振幅変調部と、前記第1の発音チャンネ
ルから出力される波形データと前記振幅変調部から出力
される波形データとを加算する加算器とを設けたことを
特徴とする。
【0057】請求項23に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項1〜請求項21において、発音チャンネルを請
求項22記載の楽音合成装置で構成したことを特徴とす
る。請求項24に記載の楽音合成装置は、請求項22におい
て、周波数変調データと前記振幅変調データのレベルに
より合成される楽器音の音色を変化させることを特徴と
する。
【0058】請求項25に記載の楽音合成装置は、音高デ
ータに対応した音高音の波形データを出力する発音チャ
ンネルと、ノイズ性の遅延長データを出力する遅延長デ
ータ発生部と、前記遅延長データに対応して前記発音チ
ャンネルから出力される波形データを時間遅延させる可
変遅延部と、与えられる振幅変調データに対応して前記
可変遅延部から出力される波形データを変調する振幅変
調部と、前記発音チャンネルから出力された波形データ
と前記振幅変調部から出力された波形データとを加算す
る加算器とを設けたことを特徴とする。
【0059】請求項26記載の楽音合成装置は、音高デー
タに対応した音高音の波形データを出力する発音チャン
ネルと、与えられる振幅変調データに対応して前記発音
チャンネルから出力される波形データを変調する振幅変
調部と、ノイズ性の遅延長データを出力する遅延長デー
タ発生部と、前記遅延長データに対応して前記振幅変調
部から出力される波形データを時間遅延させる可変遅延
部と、前記発音チャンネルから出力された波形データと
前記可変遅延部から出力された波形データとを加算する
加算器とを設けたことを特徴とする。
【0060】請求項27に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項1〜請求項21において、発音チャンネルを請
求項25と請求項26記載の楽音合成装置として構成したこ
とを特徴とする。
【0061】請求項28に記載のアンサンブル音合成装置
は、請求項25,請求項26,請求項27において、遅延長デ
ータと前記振幅変調データのレベルにより合成される楽
器音の音色を変化させることを特徴とする。
【0062】請求項29に記載のアンサンブル音合成装置
は、N個よりも少ないM個の時間変化する周波数変調デ
ータから(N−M)個の周波数変調データを演算出力す
る演算部と、前記演算部から出力されるN個の周波数変
調データに対応して音高データを変調するN個の周波数
変調部と、前記N個の周波数変調部から出力される周波
数変調された互いに異なる音高データに対応した音高で
あり、かつ異なる種類の楽器音の波形データを出力する
N個の発音チャンネルとを設けたことを特徴とする。
【0063】
【作用】請求項1の構成によると、演算部は与えられた
M個の変調データから(N−M)個の変調データを演算
出力し、N個の周波数変調部はM個の変調データと演算
された(N−M)個の変調データとのそれぞれに対応し
て音高データを変調し、N個の発音チャンネルがN個の
変調された音高データに対応した音高音を合成するの
で、時間変化するM個の変調された音高音の波形データ
と、それらの音高音に対応した変調を受けた(N−M)
個の音高音の波形データとの融和したアンサンブル音が
合成されることとなる。
【0064】請求項2の構成によると、演算部は時間変
化するM個の変調データから(N−M)個の変調データ
を演算出力し、遅延部は演算部から出力される(N−
M)個の変調データを予め定める時間長だけ遅延させて
から出力し、N個の周波数変調部はM個の変調データと
時間遅延された(N−M)個の変調データとのそれぞれ
に対応して音高データを変調し、N個の発音チャンネル
がN個の変調された音高データに対応した音高音を合成
するので、時間変化するM個の変調された音高音の波形
データと、それらの音高音への応答時間に相当する時間
遅延を有し、かつ、対応する変調を受けた(N−M)個
の音高音の波形データとの融和したアンサンブル音が合
成されることとなる。
【0065】請求項3の構成によると、遅延部は与えら
れたM個の変調データを予め定める時間長だけ遅延させ
てから出力し、演算部は時間遅延されたM個の変調デー
タから(N−M)個の変調データを演算出力し、N個の
周波数変調部はM個の変調データと演算された(N−
M)個の変調データとのそれぞれに対応して音高データ
を変調し、N個の発音チャンネルがN個の変調された音
高データに対応した音高音を合成するので、時間変化す
るM個の変調された音高音の波形データと、それらの音
高音への応答時間に相当する時間遅延を有し、かつ、対
応する変調を受けた(N−M)個の音高音の波形データ
との融和したアンサンブル音が合成されることとなる。
【0066】請求項8の構成によると、発音チャンネル
は音高データに対応した音高音を合成し、波形データを
出力する。他方において、演算部は与えられたM個の遅
延長データから(N−M)個の遅延長データを演算出力
し、N個の可変遅延部はM個の遅延長データと演算され
た(N−M)個の遅延長データとのそれぞれに対応して
発音チャンネルから入力される波形データを時間遅延さ
せるので、N個の可変遅延部からN個の時間遅延された
波形データが出力される。時間変化するM個の時間遅延
された波形データとそれらに対応する時間遅延を受けた
(N−M)個の波形データとの融和したアンサンブル音
が合成されることとなる。
【0067】請求項9の構成によると、発音チャンネル
は音高データに対応した音高音を合成し、波形データを
出力する。他方において、演算部は時間変化するM個の
遅延長データから(N−M)個の遅延長データを演算出
力し、遅延部は演算部から出力される(N−M)個の遅
延長データを予め定める時間長だけ遅延させてから出力
し、N個の可変遅延部はM個の遅延長データと時間遅延
された(N−M)個の遅延長データとのそれぞれに対応
して発音チャンネルから入力される波形データを時間遅
延させるので、N個の可変遅延部からN個の時間遅延さ
れた波形データが出力される。時間変化するM個の時間
遅延された波形データと、それらの波形データへの応答
時間に相当する時間遅延を有し、かつ、対応する(N−
M)個の時間遅延された波形データとの融和したアンサ
ンブル音が合成されることとなる。
【0068】請求項10の構成によると、発音チャンネル
は音高データに対応した音高音を合成し、波形データを
出力する。他方において、遅延部は与えられたM個の遅
延長データを予め定める時間長だけ遅延させてから出力
し、演算部は時間遅延されたM個の遅延長データから
(N−M)個の遅延長データを演算出力し、N個の可変
遅延部はM個の遅延長データと演算された(N−M)個
の遅延長データとのそれぞれに対応して発音チャンネル
から入力される波形データを時間遅延させるので、N個
の可変遅延部からN個の時間遅延された波形データが出
力される。時間変化するM個の時間遅延された波形デー
タと、それらの波形データへの応答時間に相当する時間
遅延を有し、かつ、対応する(N−M)個の時間遅延さ
れた波形データとの融和したアンサンブル音が合成され
ることとなる。
【0069】請求項12の構成によると、演算部は与えら
れたM個の振幅変調データから(N−M)個の振幅変調
データを演算出力し、アンサンブル音を形成するための
N個の波形データをN個の振幅変調データに従ってそれ
ぞれ振幅変調するので、時間変化するM個の振幅変調さ
れた波形データと、それらの波形データに対応した変調
を受けた(N−M)個の波形データとの融和したアンサ
ンブル音が合成されることとなる。
【0070】請求項13の構成によると、演算部は時間変
化するM個の変調データから(N−M)個の振幅変調デ
ータを演算出力し、遅延部は演算部から出力された(N
−M)個の振幅変調データを予め定める時間長だけ遅延
させてから出力し、アンサンブル音を形成するためのN
個の波形データをN個の振幅変調データに従ってそれぞ
れ振幅変調するので、時間変化するM個の振幅変調され
た波形データと、それらの波形データへの応答時間に相
当する時間遅延を有し、かつ、対応する振幅変調を受け
た(N−M)個の波形データとの融和したアンサンブル
音が合成されることとなる。
【0071】請求項14の構成によると、遅延部は与えら
れたM個の振幅変調データを予め定める時間長だけ遅延
させてから出力し、演算部は時間遅延されたM個の変調
データから(N−M)個の振幅変調データを演算出力
し、アンサンブル音を形成するためのN個の波形データ
をN個の振幅変調データに従ってそれぞれ振幅変調する
ので、時間変化するM個の振幅変調された波形データ
と、それらの波形データへの応答時間に相当する時間遅
延を有し、かつ、対応する振幅変調を受けた(N−M)
個の波形データとの融和したアンサンブル音が合成され
ることとなる。
【0072】請求項25の構成によると、音高データが第
1の発音チャンネルと周波数変調部とに入力されると、
周波数変調部は周波数変調データ発生部から出力される
ノイズ性の周波数変調データに従って音高データを変調
する。変調された音高データは第2の発音チャンネルに
入力される。第1と第2の発音チャンネルはそれぞれ入
力される音高データと変調された音高データとに対応す
る音高音を合成し、それぞれ波形データを出力する。振
幅変調部は、与えられた振幅変調データに従って、第2
の発音チャンネルから出力された波形データを振幅変調
して出力する。第1の発音チャンネルから出力される波
形データと振幅変調部から出力される変調された波形デ
ータとは加算器において加算して合成されるので、与え
られた音高データに対応する音高音の波形データが、周
波数変調と振幅変調とを受けた波形データにより時間的
に変動を受けた楽器音が合成されることとなる。
【0073】請求項26の構成によると、発音チャンネル
は音高データに対応した音高音を合成し、波形データを
出力する。他方において、振幅変調部は与えられた振幅
変調データに従って発音チャンネルから出力される波形
データを振幅変調して出力する。可変遅延部は、遅延長
データ発生部から出力されるノイズ性の遅延長データに
従って、振幅変調部で振幅変調された波形データを時間
遅延させて出力する。発音チャンネルから出力される波
形データと可変遅延部から出力される波形データとは加
算器において加算して合成されるので、発音チャンネル
から出力された波形データが、振幅変調と時間遅延とを
受けた波形データにより時間的に変動を受けた楽器音が
合成されることとなる。
【0074】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について、図面
を参照しながら説明する。第1の実施例は本発明の第1
の目的を達成するものである。
【0075】図1は本発明の第1の実施例のアンサンブ
ル音合成装置のブロック図で、請求項1に記載のよう
に、『N個よりも少ないM個の時間変化する周波数変調
データから(N−M)個の周波数変調データを演算出力
する演算部と、前記演算部から出力されるN個の周波数
変調データに対応して音高データを変調するN個の周波
数変調部と、前記N個の周波数変調部から出力される周
波数変調された音高データに対応した音高音の波形デー
タを出力するN個の発音チャンネル』を有している。
【0076】図1において、40は演算部としての周波数
演算部、41〜43は周波数変調部、50は振幅演算部、51〜
53は振幅変調部である。なお、発音チャンネル 301〜30
3 と加算器323 は従来例の構成と同じものである。
【0077】従来例と同様にして発音制御部(図示せ
ず)から発音オンオフデータとダンプデータと音高デー
タとが出力されると、音高データは周波数変調部41〜43
で変調を受けた後に発音チャンネル 301〜303 へ変調さ
れた音高データとして出力される。
【0078】発音チャンネル 301〜303 から出力される
波形データは、同じ音色の波形データが出力されるもの
とする。周波数変調部41〜43は従来例と同様にして図2
のように構成することができる。図2において、乗算器
313 と加算器320 は従来例の構成と同じものである。
【0079】図2の構成により、従来例と同様の動作に
より音高データが周波数変調データに従って周波数変調
されることになるが、周波数変調データの値が大きな時
には聴感上の変調量との違いが大きくなる。即ち、人間
の聴感は周波数を対数的にとらえるので、周波数を上下
に同じ周波数間隔だけ変動させても周波数を上げた時よ
りも下げた時の方が大きく変動するように感じる。それ
故に、周波数変調データの値が大きな時には、周波数変
調部41〜43は図3のように構成されることが知られてい
る。図3において、324 は加算器、600 はリニア・ログ
変換器、601 はログ・リニア変換器である。
【0080】音高データはリニア・ログ変換器600 で対
数変換された後に、加算器324 で周波数変調データと対
数加算されて、ログ・リニア変換器601 でリニアに変換
されて変調された音高データとして出力される。本実施
例においては、周波数変調部41〜43はこの図3に示すよ
うに構成されるものとする。
【0081】ここで、図1に示したアンサンブル音合成
装置に従来例の低周波発信データLFO1,LFO2,
LFO3と同様の周波数変調データF2、F3が入力さ
れると、周波数演算部40は下記第3式に従った演算によ
りF1を算出し出力する。つまり、周波数変調データF
1は、周波数変調データF2とF3によって周波数変調
される音高との均衡を保ち、音高が安定するように決定
される。
【0082】
【数3】
【0083】つまり、周波数変調部41〜43はそれぞれ周
波数変調データF1、F2、F3にしたがって音高デー
タを変調することとなる。発音チャンネル 301〜303
は、発音オンオフデータとダンプデータと周波数変調部
41〜43から出力される変調された音高データとがそれぞ
れ入力されると、従来例と同様の動作により波形データ
を出力する。出力された波形データは、それぞれ振幅変
調部51〜53において振幅変調された後に加算器323 で加
算された後にアンサンブル音として出力される。
【0084】従来例の低周波発信データLFO1,LF
O2,LFO3と同様の振幅変調データE2、E3が入
力されると、振幅演算部50は下記第4式に従った演算に
よりE1を算出し出力する。つまり、振幅変調データE
1は、振幅変調データE2とE3によって振幅変調され
る波形データとの均衡を保ち、音量が安定するように決
定される。
【0085】
【数4】
【0086】人間の聴感は、音量感についても周波数と
同様に対数的にとらえるので、図3に示すように周波数
変調部41〜43と同様にして振幅変調部51〜53を構成でき
るが、振幅変調データは通常かなり小さな値を使用する
ので、図2に示した周波数変調部41〜43と同様の構成を
すれば良い。
【0087】以上のようにして、3個の振幅変調部51〜
53から出力される波形データは独自に周波数変調と振幅
変調とを受けた2つの波形データと、それらに従属して
決定される周波数変調と振幅変調とを受けた1つの波形
データとなるので、加算器323 によって加算される3つ
の波形データは、互いに関連する変調を受けた構成音か
ら形成されるアンサンブル音となる。
【0088】なお、この第1実施例においては、発音チ
ャンネル 301〜303 から出力される波形データは同じ音
色の波形データが出力されるものとしたが、各波形デー
タの干渉による音色変動に関して高域周波数成分の干渉
が目立つことを防ぐために、発音チャンネルから出力す
る波形データは高域周波数成分の少ない波形にするな
ど、各発音チャンネルから出力される波形をわずかに異
ならせるようにしてもよい。また、上述の周波数変調と
振幅変調は、それぞれ音高変動と音量変動に独立に寄与
するので、いづれか一方の変調を時間変化させた場合に
も独自に効果を得ることができ、請求項12に記載のよう
に『N個よりも少ないM個の時間変化する振幅変調デー
タから(N−M)個の振幅変調データを演算出力する演
算部と、アンサンブル音を形成するためのN個の波形デ
ータを前記演算部から出力されるN個の振幅変調データ
に対応して振幅変調するN個の振幅変調部』を設けて振
幅変調するだけでもアンサンブル効果が得られ、これは
以下に説明する各実施例においても同様である。
【0089】以上のように第1の実施例によれば、周波
数演算部40と振幅演算部50における演算を第3式と第4
式のようにしたので、簡単な演算で音高と音量の変動が
少なく、複数の波形データが互いに融和したアンサンブ
ル音を合成することができる。
【0090】なお、以上においては説明を簡単にするた
めに周波数演算部40と振幅演算部50へ入力される変調デ
ータと出力される変調データの数はそれぞれ2入力1出
力としたが、実際のアンサンブル音の合成のためには、
さらに多くのM個の時間変化する変調データ入力と(N
−M)個の変調出力とがなされる。
【0091】以下、本発明の第2の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第2の実施例は本発明の第
2の目的を達成するものである。図4は本発明の第2の
実施例のアンサンブル音合成装置のブロック図である。
図4において、60,61は演算部である。なお、その他の
構成は図1に示した第1の実施例の構成と同じものであ
る。
【0092】図5は演算部60,61の構成図である。図5
において、 610〜612 は加算器、621 は乗算器、630 は
単位遅延器、641 は出力端子、 642,643 は入力端子で
ある。
【0093】以上のように構成される演算部60,61の動
作について述べる。変調データH2とH3とが入力端子
642,643 の各々に入力されると、変調データH2とH
3とは加算器610 で加算された後に、加算器611 におい
て単位遅延器630 の出力H1′と加算される。加算器61
1 の出力は予め与えられた乗数(−V)を乗算器621 で
乗じられた後に、加算器612 において単位遅延器630 か
ら出力されるH1′と加算されて、変調データH1が演
算される。なお、単位遅延器630 は演算された変調デー
タH1の値を単位時間遅延させた後に出力するものと
し、また、乗数Vは値1以下の正の小数とする。
【0094】以上のようにして、演算部60,61におい
て、変調データH1は下記第5式のような演算が実行さ
れることとなる。
【0095】
【数5】
【0096】従って、新たに演算される変調データH1
は、直前に演算した変調データの値H1′を起点とし
て、新たに入力される時間変化する変調データH2とH
3の和に対して、乗数Vの速度で漸近するように演算さ
れる。つまり、乗数Vは第5式において、目標値となる
H2とH3の和に漸近するための時定数として寄与する
こととなる。このため、実際のアンサンブル音の演奏時
と同様に、変調データH2とH3とによって変調される
ような演奏を聴きながら、その演奏に合うようにするた
めに人間の音楽的な応答に要する時定数を有する変調デ
ータH1により、音高あるいは音量を変化させることが
できる。また、乗数Vの値を“0”に近づけることによ
り、音楽的応答性の悪い、即ち、調音(他の演奏音の音
高、音量の状態を的確に把握する)の良くない演奏を、
また、乗数Vの値を“1”に近づけることにより、音楽
的応答性の良い、即ち、調音の良い演奏を実現すること
ができる。
【0097】以上のように構成され動作する演算部60,
61は、それぞれ図1に示した第1の実施例の周波数変調
部40と振幅変調部50と同様に、演算した周波数変調デー
タF1と振幅変調データE1とを周波数変調部41と振幅
変調部51とに送出するので、第1の実施例と同様に振幅
変調部51〜53から出力される波形データは加算器323に
おいて加算されてアンサンブル音として出力される。
【0098】なお、第1の実施例における周波数演算部
40と振幅演算部50と第2の実施例における演算部60,61
とは、2つの変調データ入力と1つの変調データ出力と
を有するようにしたが、発音チャンネル数を増して、下
記第6式のように入力される変調データH2とH3とH
4とから1つの出力変調データH1を演算するようにし
て3入力1出力としても良いし、下記第7式のように入
力される変調データH2とH3とH4とH5とから2つ
の出力変調データH0とH1とを演算するようにして4
入力2出力としても良いし、また、下記第8式のように
入力される変調データH2とH3とから出力変調データ
H0とH1とを演算するようにして、出力変調データH
0とH1とを関係づけることもできる。このことは、以
下に示す各実施例においても同様である。
【0099】
【数6】
【0100】
【数7】
【0101】
【数8】
【0102】以上のように第2の実施例によれば、演算
部60,61における演算を第5式のようにしたので、乗数
Vの値を“0.0”から“1.0”の間で調整すること
によって、入力される時間変化する変調データH2とH
3とに対応して変化する変調データH1の音楽的応答性
を変化でき、かつ、音高と音量の変動の少ないアンサン
ブル音を合成することができる。
【0103】以下、本発明の第3の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第3の実施例は、本発明の
第1の目的を達成するものである。図6は本発明の第3
の実施例のアンサンブル音合成装置のブロック図で、請
求項3に記載のように、『N個よりも少ないM個の時間
変化する周波数変調データを時間遅延させるM個の遅延
部と、前記M個の遅延部から出力されるM個の周波数変
調データから(N−M)個の周波数変調データを演算出
力する演算部と、前記演算部から出力されるN個の周波
数変調データに対応して音高データを変調するN個の周
波数変調部と、前記N個の周波数変調部から出力される
周波数変調された音高データに対応した音高音の波形デ
ータを出力するN個の発音チャンネル』を有している。
【0104】図6において、71〜74は遅延部である。な
お、その他の構成は図1に示した第1の実施例の構成と
同じものである。遅延部71〜72は、それぞれ入力される
周波数変調データF2とF3とを、予め定められた時間
遅延長だけ時間遅延させてから周波数演算部40へ出力す
る。また、遅延部73,74は、それぞれ入力される振幅変
調データE2とE3とを、予め定められた時間遅延長だ
け時間遅延させてから振幅演算部41へ出力する。
【0105】遅延部71〜74に予め定める時間遅延長と
は、アンサンブル音演奏の際に、他の演奏者の演奏音が
発生されてから音響空間を伝搬して人間の耳に到達し、
その音高や音量を認識するまでの時間遅延に対応するも
のであり、数10ミリ秒程度の値とすることが望ましく、
また、各々の時間遅延長を異なるように設定することに
より自然なアンサンブル音を得ることができる。
【0106】このような遅延部71〜74は、整数個の単位
遅延器を接続することにより構成できることが知られて
おり、サンプリング周波数が32kHzの時に20ミリ秒の
遅延部を構成するには 640個の単位遅延器を接続するこ
ととなる。
【0107】以上のようにして、時間遅延された周波数
変調データF2とF3と振幅変調データE2とE3は、
それぞれ周波数演算部40と振幅変調部50とに入力され、
以下、第1の実施例と同様の動作によって、アンサンブ
ル音が合成されることとなるが、加算器323 において
は、周波数変調データF2と振幅変調データE2とによ
り変調された波形データと、周波数変調データF3と振
幅変調データE3とにより変調された波形データと、時
間遅延された周波数変調データF1と振幅変調データE
1とにより変調された波形データとが加算されることと
なる。
【0108】なお、第3の実施例においても、周波数演
算部40と振幅演算部50を第2の実施例記載の演算部60,
61と同様に構成しても良い。以上のように第3の実施例
によれば、周波数変調データF2とF3と振幅変調デー
タE2とE3との時間変動に対して、各遅延部は、それ
ぞれの変調データを異なる時間遅延長だけ時間遅延させ
るので、周波数演算部40と振幅演算部50において演算さ
れる周波数変調データF1と振幅変調データE1は、実
際のアンサンブル音演奏時と同様にして演奏される音響
空間的に配置された他の楽器音の変調を聴きながら演奏
音の周波数と振幅とをそれらの楽器音に融和させるよう
にするために要する時間応答が実現されることとなる。
【0109】第3の実施例では周波数変調と振幅変調の
両方の変調を掛けたが、請求項14に記載のように、『N
個よりも少ないM個の時間変化する振幅変調データを時
間遅延させるM個の遅延部と、前記M個の遅延部から出
力されるM個の振幅変調データから(N−M)個の振幅
変調データを演算出力する演算部と、アンサンブル音を
形成するためのN個の波形データを前記演算部から出力
されるN個の振幅変調データに対応して振幅変調するN
個の振幅変調部』を設けて振幅変調するだけでもアンサ
ンブル効果が得られる。
【0110】以下、本発明の第4の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第4の実施例は、本発明の
第1の目的を達成するものである。図7は本発明の第4
の実施例のアンサンブル音合成装置のブロック図で、請
求項2に記載のように、『N個よりも少ないM個の時間
変化する周波数変調データから(N−M)個の周波数変
調データを演算出力する演算部と、前記演算部から出力
される(N−M)個の周波数変調データを時間遅延させ
る(N−M)個の遅延部と、前記M個の時間変化する周
波数変調データと前記遅延部から出力される(N−M)
個の周波数変調データとに対応して音高データを変調す
るN個の周波数変調部と、前記N個の周波数変調部から
出力される周波数変調された音高データに対応した音高
音の波形データを出力するN個の発音チャンネル』を有
している。
【0111】図7において、75,76は遅延部である。な
お、その他の構成は図1に示した第1の実施例の構成と
同じものである。遅延部75,76は、第1の実施例と同様
にして周波数演算部40と振幅演算部50から出力される周
波数変調データF1と振幅変調データE1とを時間遅延
させて、周波数変調部41と振幅変調部51とに出力し、以
下、第1の実施例と同様にして加算器323 からアンサン
ブル音が出力されることとなる。ここで、遅延部75,76
における時間値延長は、数10ミリ秒とすることが望まし
い。
【0112】なお、第4の実施例においても、周波数演
算部40と振幅演算部50を第2の実施例記載の演算部と同
様に構成しても良い。遅延部の数は演算により求める変
調データの数と同じだけ使用するが、演算により求める
変調データは演算に用いる変調データの数よりも少ない
場合が多いので第3の実施例に比べて遅延部の数が少な
く構成できる。また、複数の遅延部を用いる場合には第
3の実施例と同様にして各遅延部における遅延時間長を
異ならせることにより同様の効果が得られる。
【0113】以上のように第4の実施例によれば、周波
数変調データF2とF3と振幅変調データE2とE3と
の時間変動に対して、周波数演算部と振幅演算部におい
て演算される周波数変調データF1と振幅変調データE
1は、それぞれ遅延部で時間遅延するようにしたので、
実際のアンサンブル音演奏時と同様にして演奏される他
の楽器音の変調を聴きながら演奏音の周波数と振幅とを
それらの楽器音に融和させるようにするために要する時
間応答が簡単に実現されることとなる。
【0114】第4の実施例では周波数変調と振幅変調の
両方の変調を掛けたが、請求項13に記載のように、『N
個よりも少ないM個の振幅変調データから(N−M)個
の振幅変調データを演算出力する演算部と、前記演算部
から出力される(N−M)個の振幅変調データを時間遅
延させる(N−M)個の遅延部と、アンサンブル音を形
成するためのN個の波形データを前記M個の時間変化す
る振幅変調データと前記遅延部から出力される(N−
M)個の振幅変調データとに対応して振幅変調するN個
の振幅変調部』とを設けて振幅変調するだけでもアンサ
ンブル効果が得られる。
【0115】以下、本発明の第5の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第5の実施例は、本発明の
第1の目的を達成するものである。図8は本発明の第5
の実施例のアンサンブル音合成装置のブロック図で、請
求項8に記載のように、『N個よりも少ないM個の時間
変化する遅延長データから(N−M)個の遅延長データ
を演算出力する演算部と、音高データに対応した音高音
の波形データを出力する発音チャンネルと、M個の遅延
長データと前記演算部から出力される(N−M)個とか
らなるN個の遅延長データに対応して波形データを時間
遅延させるN個の可変遅延部』を有している。
【0116】図8において、80は遅延演算部、81〜83は
可変遅延部である。なお、振幅演算部50、振幅変調部51
〜53、発音チャンネル301 、加算器323 は図1に示した
第1の実施例の構成と同じものである。
【0117】第1の実施例と同様にして発音制御部(図
示せず)から発音オンオフデータとダンプデータと音高
データとが出力されると、発音チャンネル301 は波形デ
ータを出力する。
【0118】従来例の低周波発信データLFO1,LF
O2,LFO3と同様の遅延時間変調データR2、R3
が入力されると遅延演算部80は下記第9式に従った演算
によりR1を算出し出力する。つまり、遅延時間変調デ
ータR1は、遅延時間変調データR2とR3によって変
調される波形データの遅延時間長の総和の均衡を保つよ
うに決定される。
【0119】
【数9】
【0120】可変遅延部81〜83は、図9のように構成す
ることができる。図9において、77は遅延部、78は変調
部である。変調部78は、図10のように構成される。図10
において、612 は加算器である。
【0121】予め定めた基準とする遅延時間長Lと遅延
時間変調データRとは加算器612 で加算されて、整数部
LDIおよび小数部LDFとから形成される遅延長デー
タLDとして出力される。
【0122】遅延部77は、図11のように構成されること
が知られている。図11において、701 は読み書き可能な
メモリ、702 はアドレッサ、703 はライトレジスタ、70
4 はリードレジスタ、705 は制御部、706 はオールパス
フィルタ(全域通過型フィルタ)、710 〜713 は加算
器、720 〜722 は乗算器である。
【0123】制御部705 は、変調部77から入力される遅
延長データLDの整数部データLDIと、小数部データ
LDFと下記第10式により演算される係数データFRA
Cとを出力する。
【0124】
【数10】
【0125】ライトレジスタ703 とリードレジスタ704
とは、メモリ701 のアドレス空間内を順次に繰り返しア
クセス可能なアドレス用レジスタであり、ライトレジス
タ703 は、サンプリング周波数に対応するクロック毎に
書き込みアドレスを出力する。出力された書き込みアド
レスは加算器711 で“1”だけインクリメントされて再
びライトレジスタ703 に格納される。一方、リードレジ
スタ704 はサンプリング周波数に対応するクロック毎に
読み出しアドレスを出力した後に、加算器710におい
て、ライトレジスタ703 から出力される書き込みアドレ
スの値から、制御部705 より出力される整数部データL
DIを減じた値を格納する。
【0126】アドレッサ702 はライトレジスタ703 から
書き込みアドレスが出力されると、メモリ701 に対し
て、入力される波形データの書き込みアドレスを出力し
て、波形データをメモリ701 内に記憶させる。また、ア
ドレッサ702 はリードレジスタ704 から読み出しアドレ
スが出力されると、メモリ701 に対して読み出しアドレ
スを出力して、メモリ701 内に記憶していた波形データ
を出力させる。メモリ701 から出力される波形データ
は、オールパスフィルタ706 において、単位時間遅延よ
りも小さな時間遅延を付与されて出力されることとな
る。
【0127】可変遅延部81〜83における遅延時間長の瞬
時変動値、即ち、増減の微分値は、波形データに対して
は周波数変調的な変動を与える。つまり、可変遅延部8
2,83に入力される遅延時間変調データR2とR3の変
動に対して、それらの変動の積分値が安定するように遅
延時間変調データR1が演算されるので、遅延時間変調
データR1は遅延時間変調データR2とR3とから合成
される瞬時変動値のトレンドに対応する変化を示すこと
となる。従って、可変遅延部81〜83はそれぞれ遅延時間
変調データR1、R2、R3により、発音チャンネル30
1 から出力される波形データの音高を変調することとな
り、以下、第1の実施例と動作により、3つの波形デー
タの音高変動の積分値が一定になるように制御されたア
ンサンブル音が加算器323 から出力されることとなる。
【0128】なお、第5の実施例においても、遅延演算
部80と振幅演算部50を第2の実施例記載の演算部と同様
に構成しても良い。以上のようにして、第5の実施例に
よれば遅延演算部における演算を第9式のようにしたの
で、簡単な演算により、独自に遅延時間長が時間変化す
る複数の可変遅延部の変調データに対して演算される従
属的な可変遅延部の変調データが、独自に遅延時間長が
時間変化する複数の可変遅延部の変調データのトレンド
に対して演算されるので、各可変遅延部から出力される
波形データは各々の変調データによる変動を示しながら
も、大きな概周期的な安定感のある音高変動を有するア
ンサンブル音が得られることとなる。
【0129】以下、本発明の第6の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第6の実施例は、本発明の
第1の目的を達成するものである。図12は本発明の第6
の実施例のアンサンブル音合成装置のブロック図で、請
求項10に記載のように、『N個よりも少ないM個の時間
変化する遅延長データを時間遅延させるM個の遅延部
と、前記M個の遅延部から出力されるM個の遅延長デー
タから(N−M)個の遅延長データを演算出力する演算
部と、音高データに対応した音高音の波形データを出力
する発音チャンネルと、前記演算部から出力されるN個
の遅延長データに対応して波形データを時間遅延させる
N個の可変遅延部』を有している。
【0130】図12において、77〜78は遅延部である。な
お、遅延部73,74、遅延演算部80、可変遅延部81〜83、
振幅演算部50、振幅変調部51〜53、発音チャンネル301
、加算器323 は図6に示す第3の実施例および図8に
示す第5の実施例の構成と同じものである。
【0131】遅延部77,78は、それぞれ入力される遅延
時間変調データR2とR3とを予め定められた時間遅延
長だけ時間遅延させてから遅延演算部80へ出力する。ま
た、遅延部73,74は、第3の実施例と同様にして、それ
ぞれ入力される振幅変調データE2とE3とを、予め定
められた時間遅延長だけ時間遅延させてから振幅演算部
41へ出力する。
【0132】遅延部73,74と遅延部77,78に予め定める
時間遅延長とは、アンサンブル音演奏の際に、他の演奏
者の演奏音が発生されてから音響空間を伝搬して人間の
耳に到達し、その音高や音量を認識するまでの時間遅延
に対応するものであり、数10ミリ秒程度の値とすること
が望ましく、また、各々の時間遅延長は異なるように設
定することにより自然なアンサンブル音を得ることがで
きる。
【0133】このような遅延部77,78は、第3の実施例
と同様にして構成することができる。以上のようにし
て、時間遅延された遅延時間変調データR2とR3と振
幅変調データE2とE3は、それぞれ遅延演算部80と振
幅変調部50とに入力され、以下、第5の実施例と同様の
動作によって、アンサンブル音が合成されることとなる
が、加算器323 においては、遅延時間変調データR2と
振幅変調データE2とにより変調された波形データと、
遅延時間変調データR3と振幅変調データE3とにより
変調された波形データと、時間遅延された遅延時間変調
データR1と振幅変調データE1とにより変調された波
形データとが加算されることとなる。
【0134】なお、第6の実施例においても、遅延演算
部80と振幅演算部50を第2の実施例記載の演算部と同様
に構成しても良い。以上のように第6の実施例によれ
ば、遅延時間変調データR2とR3と振幅変調データE
2とE3との時間変動に対して、各遅延部は、それぞれ
の変調データを異なる時間遅延長だけ時間遅延させるの
で、遅延演算部と振幅演算部において演算される遅延時
間変調データR1と振幅変調データE1は、実際のアン
サンブル音演奏時と同様にして演奏される音響空間的に
配置された他の楽器音の変調を聴きながら演奏音の周波
数と振幅とをそれらの楽器音に融和させるようにするた
めに要する応答のための時間を有し、かつ、演算される
従属的な可変遅延部の変調データが、独自に遅延時間長
が時間変化する複数の可変遅延部の変調データのトレン
ドに対して演算されるので、各可変遅延部から出力され
る波形データは各々の変調データによる変動を示しなが
らも、大きな概周期的な安定感のある音高変動を有する
アンサンブル音が得られることとなる。
【0135】以下、本発明の第7の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第7の実施例は、本発明の
第1の目的を達成するものである。図13は本発明の第7
の実施例の楽音合成装置のブロック図で、請求項9に記
載のように、『N個よりも少ないM個の時間変化する遅
延長データから(N−M)個の遅延長データを演算出力
する演算部と、前記演算部から出力される(N−M)個
の遅延長データを時間遅延させる(N−M)個の遅延部
と、音高データに対応した音高音の波形データを出力す
る発音チャンネルと、前記M個の時間変化する遅延長デ
ータと前記遅延部から出力される(N−M)個の遅延長
データとに対応して波形データを時間遅延させるN個の
可変遅延部』を有している。
【0136】図13において、79は遅延部である。なお、
遅延部76、遅延演算部80、可変遅延部81〜83、振幅演算
部50、振幅変調部51〜53、発音チャンネル301 、加算器
323は図7に示した第4の実施例および図8に示した第
5の実施例の構成と同じものである。
【0137】遅延部79は、第5の実施例と同様にして遅
延演算部80と振幅演算部50から出力される遅延時間変調
データR1と振幅変調データE1とを時間遅延させて、
可変遅延部81と振幅変調部51とに出力し、以下、第5の
実施例と同様にして加算器323 からアンサンブル音が出
力されることとなる。ここで、遅延部79における時間値
延長は、第4の実施例と同様に数10ミリ秒とすることが
望ましい。
【0138】なお、第7の実施例においても、遅延演算
部80と振幅演算部50を図4に示した第2の実施例の演算
部60,61と同様に構成しても良い。遅延部の数は演算に
より求める変調データの数と同じだけ使用するが、演算
により求める変調データは演算に用いる変調データの数
よりも少ない場合が多いので第3の実施例に比べて遅延
部の数が少なく構成できる。また、複数の遅延部を用い
る場合には第3の実施例と同様にして各遅延部における
遅延時間長を異ならせることにより同様の効果が得られ
る。
【0139】以上のように第7の実施例によれば、遅延
時間変調データR2とR3と振幅変調データE2とE3
との時間変動に対して、遅延演算部と振幅演算部におい
て演算される遅延時間変調データR1と振幅変調データ
E1は、それぞれ遅延部で時間遅延するようにしたの
で、実際のアンサンブル音演奏時と同様にして演奏され
る他の楽器音の変調を聴きながら演奏音の周波数と振幅
とをそれらの楽器音に融和させるようにするために要す
る応答のための時間を有し、かつ、演算される従属的な
可変遅延部の変調データが、独自に遅延時間長が時間変
化する複数の可変遅延部の変調データのトレンドに対し
て演算されるので、各可変遅延部から出力される波形デ
ータは各々の変調データによる変動を示しながらも、大
きな概周期的な安定感のある音高変動を有するアンサン
ブル音が得られることとなる。
【0140】以下、本発明の第8の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第8の実施例は、本発明の
第2の目的を達成するものである。図14は本発明の第8
の実施例の楽音合成装置のブロック図で、請求項22に記
載のように、『音高データに対応した音高音の波形デー
タを出力する第1と第2の発音チャンネルと、ノイズ性
の周波数変調データを発生する周波数変調データ発生部
と、前記周波数変調データに対応して前記第2の発音チ
ャンネルに入力される音高データを変調する周波数変調
部と、与えられる振幅変調データに対応して前記第2の
発音チャンネルから出力される波形データを変調する振
幅変調部と、前記第1の発音チャンネルから出力される
波形データと前記振幅変調部から出力される波形データ
とを加算する加算器』を有している。
【0141】図14において、47は周波数変調データ発生
部、380 は加算器、381 は乗算器である。なお、周波数
変調部42、発音チャンネル 301,302 は図1に示した第
1の実施例の構成と同じものである。
【0142】第1の実施例と同様にして発音制御部(図
示せず)から発音オンオフデータとダンプデータと音高
データとが出力されると、音高データは周波数変調部42
で変調を受けた後に発音チャンネル302 へ変調された音
高データとして出力され、発音チャンネル 301〜302 は
波形データを出力する。発音チャンネル302 から出力さ
れた波形データは乗算器381 で予め定めた乗数CAを乗
算された後に、加算器380 で発音チャンネル301 から出
力された波形データと加算されて、単一の楽器音として
出力される。
【0143】周波数変調データ発生器47の構成を図15に
示す。図15において、800 はノイズ発生器、850 は乗算
器である。ノイズ発生器800 から出力されるノイズデー
タは、乗算器850 において予め定めた乗数CFを乗じた
後に、周波数変調データとして発音チャンネル302 へ出
力される。ノイズ発生器800 から出力されるノイズデー
タは、平均値が0.0 で最大振幅値が 1.0に正規化されて
いるホワイトノイズ等のノイズ性のデータであり、ここ
では、いわゆる1/fノイズと呼ばれる自然界に多く存
在するのゆらぎに対応するノイズを発生するものとす
る。このようなノイズデータは、ノイズ発生器800 を図
16に示すように構成できることが知られている。図16に
おいて、801 はホワイトノイズ発生器、802 は低域通過
フィルタである。ホワイトノイズ発生器801 から出力さ
れるホワイトノイズは周波数当りのパワーが一定である
ので、−3dB/Oct.の減衰特性を有する低域通過
フィルタ802 を通過することにより、いわゆる1/fノ
イズとして出力される。
【0144】また、ノイズ発生器800 は従来例の波形メ
モリ213 とアドレス発生器203 と同様の構成により波形
メモリ213 に1/fノイズを記憶させておき、これを繰
り返し読み出すようにしてもよい。
【0145】以上のようにしてノイズ発生器800 から出
力されるノイズデータは、乗算器850 で乗数CFを乗算
される。ここで、予め定める乗数CFとは、ノイズ性の
周波数変調データの振幅値を決定するものであり、音高
を 0.2〜 1.0%程度変動させるために、周波数変調部42
が図2のように構成される時には、乗数CFの値を“0.
002〜0.01”とする。乗算器850 の出力は、周波数変調
データ発生部47の周波数変調データ出力として周波数変
調部42に入力されるので、音高データは周波数変調され
て発音チャンネル302 に入力される。発音チャンネル30
2 の出力する波形データは、乗算器381 において乗数C
Aを乗算される。ここで、予め定めた乗数CAとは、加
算器380 において、変調を受けていない発音チャンネル
301 から出力される波形データに対して、周波数変調さ
れた発音チャンネル302 の出力波形データを加算して変
動させるためのレベルを制御する乗数であり、通常3〜
4%程度の変動が望ましいので乗数CAの値は“ 1.03
〜1.04”とする。
【0146】以上のようにして、発音チャンネル301 か
ら出力される波形データは、周波数変調およびレベル制
御された波形データと加算されるので、合成される単一
の楽器音は、スペクトル変動を伴う楽器音となる。乗数
CFと乗数CAは、単一楽器音演奏時の、演奏の不安定
さに起因した微少なスペクトル変動量を制御する乗数で
あり、乗数CFは値“0”、乗数CAは値“1”に近い
ほど演奏の安定した上級の演奏者の演奏音に近い楽器音
を合成することができる。ここで、演奏の不安定さと
は、吹奏楽器における呼気の安定性あるいは口や手によ
る楽器支持の不安定さ等のことを表わしている。
【0147】なお、周波数変調データ発生部47は図17に
示すように構成してもよい。図17において、851 は加算
器、803 は低周波発振器である。なお、ノイズ発生器80
0 と乗算器850 は、図15に示したと同じものである。こ
の構成により、乗算器850 から出力される周波数変調デ
ータは、低周波発振器803 から出力される低周波発振デ
ータと加算器851 において加算されるので、周波数変調
データ発生部47から出力される周波数変調データは、低
周波発振データによりゆっくりと大きく変動しながら乗
算器850 の出力によるノイズ的微小変動を示すようにな
り、演奏者のビブラート表現と演奏音の不安定さに起因
する微小変動を同時に実現することができる。
【0148】なお、第8の実施例においては、乗算器85
0 における乗数をCAとしたが、周波数変調データ発生
部47から出力されるような時間的に変動するノイズ性の
振幅変調データとしてもよい。
【0149】以上のように第8の実施例によれば、同時
に発音する2つの発音チャンネルから出力される2つ波
形データのうちで、一方の波形データをノイズ性の周波
数変調データを用いた周波数変調と振幅変調を受けた波
形データとすることにより、他方の波形データに微少な
スペクトル変動を与え、単一楽器音としての自然な変動
を実現し、周波数変調と振幅変調の変調の深さを制御す
ることにより、演奏者の演奏の不安定さ、いいかえるな
らば、熟練度に応じた変動を実現することが出来る。
【0150】以下、本発明の第9の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第9の実施例は本発明の第
2の目的を達成するものである。図18は本発明の第9の
実施例の楽音合成装置のブロック図で、請求項25に記載
のように、『音高データに対応した音高音の波形データ
を出力する発音チャンネルと、ノイズ性の遅延長データ
を出力する遅延長データ発生部と、前記遅延長データに
対応して前記発音チャンネルから出力される波形データ
を時間遅延させる可変遅延部と、与えられる振幅変調デ
ータに対応して前記可変遅延部から出力される波形デー
タを変調する振幅変調部と、前記発音チャンネルから出
力された波形データと前記振幅変調部から出力された波
形データとを加算する加算器』を有している。
【0151】図18において、48は遅延長データ発生部、
380 は加算器、381 は乗算器である。なお、可変遅延部
82、発音チャンネル301 は図8に示した第5の実施例の
構成と同じものである。
【0152】第1の実施例と同様にして発音制御部(図
示せず)から発音オンオフデータとダンプデータと音高
データとが出力されると、発音チャンネル301 は波形デ
ータを出力する。発音チャンネル301 から出力された波
形データは可変遅延部82で時間遅延されてから、乗算器
381 で予め定めた乗数CAを乗算された後に、加算器38
0 で発音チャンネル301 から出力された波形データと加
算されて、単一の楽器音として出力される。
【0153】遅延長データ発生部48は、図14に示した第
8の実施例の周波数変調データ発生部47と同様に構成さ
れるものとする。したがって、可変遅延部82は遅延長デ
ータ発生部48から出力されるノイズ性の遅延時間変調デ
ータに対応した遅延時間長を波形データに付与すること
となる。
【0154】なお、この第9の実施例においては乗算器
850 における乗数をCAとしたが、遅延時間変調データ
発生部48から出力されるような時間的に変動するノイズ
性の振幅変調データとしてもよい。
【0155】以上のように第9の実施例によれば、一つ
の発音チャンネルから出力される波形データと、該波形
データを可変遅延部においてノイズ性の遅延時間変調デ
ータを用いた周波数変調し、かつ、振幅変調した波形デ
ータとを加算して単一の楽器音を合成するようにしたの
で、発音チャンネル数を増加させることなく発音チャン
ネル一つで微少なスペクトル変動をする波形データが合
成されて単一楽器音としての自然な変動を実現し、周波
数変調と振幅変調の変調の深さを制御することにより、
演奏者の演奏の不安定さ、いいかえるならば、熟練度に
応じた変動を実現することができる。
【0156】以下、本発明の第10の実施例について、図
面を参照しながら説明する。第10の実施例は本発明の第
3の目的を達成するものである。図19は本発明の第10の
実施例のアンサンブル音合成装置のブロック図で、請求
項29に示すように、『N個よりも少ないM個の時間変化
する周波数変調データから(N−M)個の周波数変調デ
ータを演算出力する演算部と、前記演算部から出力され
るN個の周波数変調データに対応して音高データを変調
するN個の周波数変調部と、前記N個の周波数変調部か
ら出力される周波数変調された互いに異なる音高データ
に対応した音高であり、かつ異なる種類の楽器音の波形
データを出力するN個の発音チャンネル』を有してい
る。
【0157】また、この第10の実施例は請求項1の構成
を備えており、請求項2,請求項3,請求項4の構成を
採用できる。第1の実施例では各発音チャンネルは同一
の種類の楽器音の波形データを出力したが、この第10の
実施例では請求項5に記載のように、『N個の発音チャ
ンネルは互いに異なる種類の楽器音の波形データを出力
する』。また、第1の実施例では各発音チャンネルに入
力されるデータが同じであったが、この第10の実施例で
は各発音チャンネルに入力されるデータが独立してい
る。
【0158】図19において、402 ,403 は発音チャンネ
ルである。なお、周波数演算部40、周波数変調部41〜4
3、振幅演算部50、振幅変調部51〜53、発音チャンネル3
01 、加算器323 は図1に示した第1の実施例の構成と
同じものである。
【0159】発音チャンネル 402,403 は、第1の実施
例の発音チャンネル301 と同様に構成されるが、ここで
は、出力する楽器音は楽器の種類が異なるものとする。
つまり、発音チャンネル301 ,402 ,403 は、互いに異
なる楽器の楽器音の波形データを出力するものとする。
【0160】従来例と同様にして、3つの発音制御部
(図示せず)から発音オンオフデータとダンプデータと
それぞれ異なる音高データとが出力されると、各発音チ
ャンネル301 ,402 ,403 は、それぞれ周波数変長部41
〜43において周波数変調された音高データと入力される
発音オンオフデータとダンプデータとに従った波形デー
タを出力し、以下、第1の実施例と同様の動作により、
加算器323 から調和の取れたアンサンブル音が出力され
ることとなる。
【0161】なお、第10の実施例においては、各発音チ
ャンネルから出力される楽器の種類が異なるものとした
が、同じ楽器の種類として、異なる音高データを与えス
トリング系のコントラバス、チェロ、ビオラ、バイオリ
ンから成るアンサンブル音を合成するようにしてもよ
い。また、各発音チャンネルから出力される楽器の種類
が異なるが音高データは同一としてもよい。
【0162】以上のように第10の実施例によれば、複数
の異なる楽器音を発音する発音チャンネルに対して、複
数の異なる音高データの各周波数変調データが互いに独
立には時間変化しないようにしたので、複数の単一種類
の楽器で同じ音高の音を同時に演奏するような従来の狭
義のアンサンブル音の定義には無い複数の種類の楽器に
よる複数の音高音が調和した合奏音(アンサンブル音)
を実現できる。
【0163】なお、第10の実施例における互いに独立な
入力を有する発音チャンネル301 ,402 ,403 を用い
て、第2〜第7の実施例と同様に構成することによっ
て、複数の種類の楽器による複数の音高音が調和した豊
かなアンサンブル音を合成することもできる。
【0164】なお、以上において第8の実施例と第9の
実施例の楽音合成装置を、第1〜第7と第10の実施例の
アンサンブル音合成装置を構成する発音チャンネルとし
て使用することにより、より一層自然なアンサンブル音
が合成されることを付け加えておく。
【0165】上記の第1の実施例〜第10の実施例では、
サウンドシステムへ出力される合成音を加算器で加算し
た後に単一のサウンドシステムへ出力するものとして説
明したが、加算器を使用せずに、複数のサウンドシステ
ムへ独立して出力するように構成して音響空間的に加算
して豊かな音色を実現するようにしてもよい。
【0166】
【発明の効果】各請求項に記載のアンサンブル音合成装
置は、N個の変調データの中から、Nより少ないM個の
時間変化する変調データを使用して他の(N−M)個の
変調データを演算するようにしたので、N個の変調デー
タが互いに調和して合成された、自然なアンサンブル音
が得られることとなる。
【0167】各請求項に記載の楽音合成装置は、単一の
楽器音を合成する2つの波形データのうちの、一方の波
形データをノイズ性の変調波データにより周波数変調し
て他方の波形データと合成するようにしたので、周波数
変調の深さ(レベル)と変調された波形データのレベル
を調整するだけで、演奏者の演奏技術に応じた自然な楽
器音が得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるアンサンブル音
合成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における周波数変調部(振幅変調部)の内
部構成を示すブロック図である。
【図3】図1における周波数変調部(振幅変調部)の内
部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施例におけるアンサンブル音
合成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4における演算部の内部構成を示すブロック
図である。
【図6】本発明の第3の実施例におけるアンサンブル音
合成装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施例におけるアンサンブル音
合成装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第5の実施例におけるアンサンブル音
合成装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図8における可変遅延部の内部構成を示すブロ
ック図である。
【図10】図9における変調部の内部構成を示すブロック
図である。
【図11】図9における遅延部の内部構成を示すブロック
図である。
【図12】本発明の第6の実施例におけるアンサンブル音
合成装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第7の実施例におけるアンサンブル音
合成装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第8の実施例における楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
【図15】図14における周波数変調データ発生部の内部構
成を示すブロック図である。
【図16】図15におけるノイズ発生器の内部構成を示すブ
ロック図である。
【図17】図14における周波数変調データ発生部の内部構
成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第9の実施例における楽音合成装置の
構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第10の実施例におけるアンサンブル音
合成装置の構成を示すブロック図である。
【図20】従来の楽音合成装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図21】図20における補間係数発生部の出力補間係数の
波形図である。
【図22】図20の発音チャンネル(PCM方式)の構成を
示すブロック図である。
【図23】図22の発音チャンネルの各メモリの記憶波形図
である。
【図24】図20の発音チャンネル(発音形態対応方式)の
構成を示すブロック図である。
【図25】クラリネットの断面図である。
【図26】図25のクラリネットのfq関係図である。
【図27】図25のクラリネットの反射係数特性図であ
る。
【図28】図20の変換部の構成を示すブロック図である。
【図29】図20の可変遅延部の構成を示すブロック図であ
る。
【図30】従来の楽音合成装置の構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
40 周波数演算部〔演算部〕 47 周波数変調データ発生部 48 遅延長データ発生部 41 〜 43 周波数変調部 50 振幅演算部 51 〜 53 振幅変調部 60 〜 61 演算部 71 〜 79 遅延部 78 変調部 80 遅延演算部 81 〜 83 可変遅延部 301 〜303 発音チャンネル 402 ,403 発音チャンネル 313 乗算器 320 〜324 加算器 380 加算器 381 乗算器 600 リニア・ログ変換器 601 ログ・リニア変換器 610 〜612 加算器 621 乗算器 630 単位遅延器 701 メモリ 702 アドレッサ 703 ライトレジスタ 704 リードレジスタ 705 制御部 706 オールパスフィルタ 710 〜714 加算器 720 〜722 乗算器 800 ノイズ発生器 801 ホワイトノイズ発生器 802 低域通過フィルタ 803 低周波発信器 850 乗算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 隆宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N個よりも少ないM個の時間変化する周
    波数変調データから(N−M)個の周波数変調データを
    演算出力する演算部と、前記演算部から出力されるN個
    の周波数変調データに対応して音高データを変調するN
    個の周波数変調部と、前記N個の周波数変調部から出力
    される周波数変調された音高データに対応した音高音の
    波形データを出力するN個の発音チャンネルとを設けた
    アンサンブル音合成装置。
  2. 【請求項2】 N個よりも少ないM個の時間変化する周
    波数変調データから(N−M)個の周波数変調データを
    演算出力する演算部と、前記演算部から出力される(N
    −M)個の周波数変調データを時間遅延させる(N−
    M)個の遅延部と、前記M個の時間変化する周波数変調
    データと前記遅延部から出力される(N−M)個の周波
    数変調データとに対応して音高データを変調するN個の
    周波数変調部と、前記N個の周波数変調部から出力され
    る周波数変調された音高データに対応した音高音の波形
    データを出力するN個の発音チャンネルとを設けたアン
    サンブル音合成装置。
  3. 【請求項3】 N個よりも少ないM個の時間変化する周
    波数変調データを時間遅延させるM個の遅延部と、前記
    M個の遅延部から出力されるM個の周波数変調データか
    ら(N−M)個の周波数変調データを演算出力する演算
    部と、前記演算部から出力されるN個の周波数変調デー
    タに対応して音高データを変調するN個の周波数変調部
    と、前記N個の周波数変調部から出力される周波数変調
    された音高データに対応した音高音の波形データを出力
    するN個の発音チャンネルとを設けたアンサンブル音合
    成装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の遅延部の遅延時間長が互いに
    異なることことを特徴とする請求項2と3記載のアンサ
    ンブル音合成装置。
  5. 【請求項5】 前記N個の発音チャンネルは互いに異な
    る種類の楽器音の波形データを出力することを特徴とす
    る請求項1と2と3と4記載のアンサンブル音合成装
    置。
  6. 【請求項6】 前記N個の周波数変調部は入力される互
    いに異なった音高データを周波数変調することを特徴と
    する請求項1と2と3と4記載のアンサンブル音合成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記N個の周波数変調部は入力される互
    いに異なった音高データを周波数変調し、かつ、前記N
    個の発音チャンネルは互いに異なる種類の楽器音の波形
    データを出力することを特徴とする請求項1と2と3と
    4記載のアンサンブル音合成装置。
  8. 【請求項8】 N個よりも少ないM個の時間変化する遅
    延長データから(N−M)個の遅延長データを演算出力
    する演算部と、音高データに対応した音高音の波形デー
    タを出力する発音チャンネルと、M個の遅延長データと
    前記演算部から出力される(N−M)個とからなるN個
    の遅延長データに対応して波形データを時間遅延させる
    N個の可変遅延部とを設けたアンサンブル音合成装置。
  9. 【請求項9】 N個よりも少ないM個の時間変化する遅
    延長データから(N−M)個の遅延長データを演算出力
    する演算部と、前記演算部から出力される(N−M)個
    の遅延長データを時間遅延させる(N−M)個の遅延部
    と、音高データに対応した音高音の波形データを出力す
    る発音チャンネルと、前記M個の時間変化する遅延長デ
    ータと前記遅延部から出力される(N−M)個の遅延長
    データとに対応して波形データを時間遅延させるN個の
    可変遅延部とを設けたアンサンブル音合成装置。
  10. 【請求項10】 N個よりも少ないM個の時間変化する遅
    延長データを時間遅延させるM個の遅延部と、前記M個
    の遅延部から出力されるM個の遅延長データから(N−
    M)個の遅延長データを演算出力する演算部と、音高デ
    ータに対応した音高音の波形データを出力する発音チャ
    ンネルと、前記演算部から出力されるN個の遅延長デー
    タに対応して波形データを時間遅延させるN個の可変遅
    延部とを設けたアンサンブル音合成装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の遅延部の遅延時間長が互いに
    異なることことを特徴とする請求項9と請求項10記載の
    アンサンブル音合成装置。
  12. 【請求項12】 N個よりも少ないM個の時間変化する振
    幅変調データから(N−M)個の振幅変調データを演算
    出力する演算部と、アンサンブル音を形成するためのN
    個の波形データを前記演算部から出力されるN個の振幅
    変調データに対応して振幅変調するN個の振幅変調部と
    を設けたアンサンブル音合成装置。
  13. 【請求項13】 N個よりも少ないM個の振幅変調データ
    から(N−M)個の振幅変調データを演算出力する演算
    部と、前記演算部から出力される(N−M)個の振幅変
    調データを時間遅延させる(N−M)個の遅延部と、ア
    ンサンブル音を形成するためのN個の波形データを前記
    M個の時間変化する振幅変調データと前記遅延部から出
    力される(N−M)個の振幅変調データとに対応して振
    幅変調するN個の振幅変調部とを設けたアンサンブル音
    合成装置。
  14. 【請求項14】 N個よりも少ないM個の時間変化する振
    幅変調データを時間遅延させるM個の遅延部と、前記M
    個の遅延部から出力されるM個の振幅変調データから
    (N−M)個の振幅変調データを演算出力する演算部
    と、アンサンブル音を形成するためのN個の波形データ
    を前記演算部から出力されるN個の振幅変調データに対
    応して振幅変調するN個の振幅変調部とを設けたアンサ
    ンブル音合成装置。
  15. 【請求項15】 前記複数の遅延部の遅延時間長が互いに
    異なることを特徴とする請求項13と請求項14記載のアン
    サンブル音合成装置。
  16. 【請求項16】 前記アンサンブル音を形成するためのN
    個の波形データは互いに異なる種類の楽器音の波形デー
    タであることを特徴とする請求項13と請求項14と請求項
    15記載のアンサンブル音合成装置。
  17. 【請求項17】 前記アンサンブル音を形成するためのN
    個の波形データは互いに異なる音高の波形データである
    ことを特徴とする請求項13と請求項14と請求項15記載の
    アンサンブル音合成装置。
  18. 【請求項18】 前記アンサンブル音を形成するためのN
    個の波形データは互いに異なる種類の楽器音、かつ、互
    いに異なる音高の波形データであることを特徴とする請
    求項13と請求項14と請求項15記載のアンサンブル音合成
    装置。
  19. 【請求項19】 前記演算部における変調データの演算が
    加減算のみであることを特徴とする請求項1〜請求項18
    記載のアンサンブル音合成装置。
  20. 【請求項20】 前記演算部における変調データの演算が
    入力される変調データに対して時定数を有した漸近的演
    算であることを特徴とする請求項1〜請求項18記載のア
    ンサンブル音合成装置。
  21. 【請求項21】 前記時定数の値により合成されるアンサ
    ンブル音の音色を変化させることを特徴とするとする請
    求項20記載のアンサンブル音合成装置。
  22. 【請求項22】 音高データに対応した音高音の波形デー
    タを出力する第1と第2の発音チャンネルと、ノイズ性
    の周波数変調データを発生する周波数変調データ発生部
    と、前記周波数変調データに対応して前記第2の発音チ
    ャンネルに入力される音高データを変調する周波数変調
    部と、与えられる振幅変調データに対応して前記第2の
    発音チャンネルから出力される波形データを変調する振
    幅変調部と、前記第1の発音チャンネルから出力される
    波形データと前記振幅変調部から出力される波形データ
    とを加算する加算器とを設けた楽音合成装置。
  23. 【請求項23】 前記発音チャンネルが請求項22記載の楽
    音合成装置として構成されることを特徴とする請求項1
    〜請求項21記載のアンサンブル音合成装置。
  24. 【請求項24】 前記周波数変調データと前記振幅変調デ
    ータのレベルにより合成される楽器音の音色を変化させ
    ることを特徴とする請求項22記載の楽音合成装置。
  25. 【請求項25】 音高データに対応した音高音の波形デー
    タを出力する発音チャンネルと、ノイズ性の遅延長デー
    タを出力する遅延長データ発生部と、前記遅延長データ
    に対応して前記発音チャンネルから出力される波形デー
    タを時間遅延させる可変遅延部と、与えられる振幅変調
    データに対応して前記可変遅延部から出力される波形デ
    ータを変調する振幅変調部と、前記発音チャンネルから
    出力された波形データと前記振幅変調部から出力された
    波形データとを加算する加算器とを設けた楽音合成装
    置。
  26. 【請求項26】 音高データに対応した音高音の波形デー
    タを出力する発音チャンネルと、与えられる振幅変調デ
    ータに対応して前記発音チャンネルから出力される波形
    データを変調する振幅変調部と、ノイズ性の遅延長デー
    タを出力する遅延長データ発生部と、前記遅延長データ
    に対応して前記振幅変調部から出力される波形データを
    時間遅延させる可変遅延部と、前記発音チャンネルから
    出力された波形データと前記可変遅延部から出力された
    波形データとを加算する加算器とを設けた楽音合成装
    置。
  27. 【請求項27】 前記発音チャンネルが請求項25と請求項
    26記載の楽音合成装置として構成されることを特徴とす
    る請求項1〜請求項21記載のアンサンブル音合成装置。
  28. 【請求項28】 前記遅延長データと前記振幅変調データ
    のレベルにより合成される楽器音の音色を変化させるこ
    とを特徴とする請求項25と請求項26と請求項27記載の楽
    音合成装置。
  29. 【請求項29】 N個よりも少ないM個の時間変化する周
    波数変調データから(N−M)個の周波数変調データを
    演算出力する演算部と、前記演算部から出力されるN個
    の周波数変調データに対応して音高データを変調するN
    個の周波数変調部と、前記N個の周波数変調部から出力
    される周波数変調された互いに異なる音高データに対応
    した音高であり、かつ異なる種類の楽器音の波形データ
    を出力するN個の発音チャンネルとを設けたアンサンブ
    ル音合成装置。
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