JPH05162762A - 液体金属用容器のタップホールの閉鎖装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 製鉄または冶金容器の分配器のタップホール
の閉鎖装置に関し、耐火材料の取替えのコストを下げ、
また、固定板に対する可動板の滑りを改善する。 【構成】 鋳込みオリフィスがあけられた固定板、およ
び少なくとも１つの鋳込みオリフィスがあけられた可動
板を備える閉鎖装置において、可動板は、固定板の摩擦
表面に対する摩擦表面を有しつつ、固定板に対して滑動
するように取付けられている。固定板１０は、金属プレ
ート１１を含む。このプレートは、平らな外表面１０Ａ
を有し、かつ鋳込みオリフィス１５があけられた耐火材
料製の摩耗部品１４が置かれている切抜部１３を備え
る。摩耗部品１４の内面１０Ｂは、固定板の可動板との
摩擦表面が大部分の金属表面１０Ａと小部分の耐火表面
１０Ｂからなるように、プレート１１の平らな外表面１
０Ａとすれすれとされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、製鉄または冶金容器、
例えば取り鍋、鋳塊鋳型、または連続鋳造の分配器のタ
ップホールの閉鎖装置、より詳しくは可動板を有する装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来のタ
ップホールの閉鎖装置は、主として、容器の底部の下に
固定された金属カセットの中に置かれた耐火材料製の板
と、下記のような、これもまた耐火材料製の可動板とか
らなる。この可動板は、固定板の鋳込みオリフィスを塞
ぐかまたは、これが備えられている鋳込みオリフィス
を、固定板の鋳込みオリフィスの正面にもってくるよう
にするために、並進運動または回転運動によって移動さ
せられることができるように、固定板に対して取付けら
れている。

【０００３】液体金属の鋳込みの間、金属の噴流は、容
器の耐火材料製の内部取り鍋ノズルの湯口を経て流れ、
閉鎖装置の固定板および可動板の耐火材料製要素内の鋳
込みオリフィスを通過する。溶融金属は、湯口の壁を腐
食させ、液体金属の高い温度の作用によって、固定板お
よび可動板の耐火要素内の鋳込みオリフィスの壁のかな
り急速な摩耗を生じる。さらには、温度の作用によっ
て、耐火板の製造に用いられているバインダの脱炭が生
じる。これは、これら２つの板の摩擦表面の破損を引起
こし、この破損によって、各々の鋳込みの際、固定耐火
板に対する可動耐火板の滑りが妨げられる。

【０００４】鋳込みオリフィスの周りの耐火材料の摩耗
および摩擦表面の破損によって、数回の鋳込みの後、か
なり規則的に耐火板を取替える必要がある。これらの取
替えは、当然、耐火材料の場合コストが高い。本発明の
目的は、１つには、これらの取替えのコストを安くする
ことであり、もう１つには、固定部分に対する可動板は
滑りを改善することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に従い、製鉄また
は冶金容器のタップホールの閉鎖装置によって、これら
の目標は達成される。この装置は、下記の点で優れてい
る。すなわち、固定板は金属プレート(platine metall
ique)からなっている。このプレートは、平らな外部表
面を有しており、かつ少なくとも１つの鋳込みオリフィ
スがあけられた耐火材料製の摩耗部品が置かれている切
抜部(decoupe)を有する。摩耗部品の内部面は、固定板
の可動板との摩擦表面が、大部分の金属表面と、小部分
の耐火表面からなるように、このプレートの平らな外部
表面とすれすれに現われる。

【０００６】特別な実施態様において、摩耗部品は、切
断部の壁に備えられた対応縁部と共同作用を行なう縁部
を有する。

【０００７】本発明によって、数回の鋳込み後、金属プ
レートを保持しつつ、摩耗部品のみを取替えるだけで十
分である。このことは、従来の閉鎖装置を用いた場合の
ように、固定板をそっくり全部取替えなければならない
場合よりもかなり便利であり、時間がかからず、コスト
が安い。従って、単に摩耗部品の取替えを行なうだけ
で、多数回の鋳込みに同じ金属プレートを用いることが
できる。

【０００８】このプレートはその内部表面に冷却室を有
することが有利である。さらに金属プレートは、冷却流
体を流すために、切断部の周辺に沿って延びているくび
れ部を有していてもよい。

【０００９】本発明による閉鎖装置の可動板は、金属プ
レートからなり、このプレートには、少なくとも１つの
鋳込みオリフィスが通過している耐火材料製の摩耗部品
が中に置かれた、少なくとも１つの切抜部があけられて
いる。

【００１０】可動板の摩耗部品の摩擦表面が、大部分金
属製の固定表面に対して滑るという事実によって、この
滑りはより容易に行なわれ、可動耐火摩耗部品の表面の
摩耗が少ない。耐火表面の破損の減少、および本発明に
よる固定板に対する可動板の滑りの改善の他に、さらに
金属プレートおよび固定板の摩耗部品の冷却が加わる。

【００１１】以下の記載を読めば、本発明のその他の側
面が明らかになる。以下の記載において、本発明は、添
付図面によってより詳細に示される。

【００１２】

【実施例】図１を参照すると、本発明によるタップホー
ルの閉鎖装置の実施例が示されているのがわかる。この
装置は、鋳塊鋳型の底部(１)の下に取付けられている。
この鋳塊鋳型はタップホール(２)を有し、このタップホ
ールは、それ自体知られているように、鋳塊鋳型の底部
の耐火被覆(４)内に作られた、耐火材料製の内部取り鍋
ノズル(３)によって形成されている。タップホールの閉
鎖装置は、鋳塊鋳型の下に固定されている固定板と、そ
れ自体知られている(図示されていない)駆動メカニズム
の作用によって固定板に対して滑ることができるように
取付けられている可動板とを備える。

【００１３】固定板はまず図２〜６によって説明され
る。鋳塊鋳型の下に、金属の組立てカセット(cassette
de montage)(５)が固定されている(図１では一部が
見えている)。このカセットの中に、平らな水平外面(１
０Ａ)を有する、磨かれた表面のあるステンレス鋼製の
金属プレート(１１)が備えられている。示されている例
では、金属部品(１１)は、その内面で突き出ている垂直
周辺縁部(１２)を有するものが形成されている。プレー
ト(１１)には、切抜部(１３)が形成されている。この切
抜部には、耐火材料製の部品(１４)が取付けられてい
る。この部品には、円筒オリフィス(１５)が貫設されて
おり、この円筒オリフィスは、鋳塊鋳型または他の冶金
または製鉄容器のタップホール(２)と整合する位置に来
る。耐火部品(１４)の上部面は、調整蓋(rondelle de
calibrage)の下に作られることになっている。この調
整蓋は、内部取り鍋ノズルの端部に備えられている。部
品(１１)および(１４)の平面の形状は、どんなものであ
ってもよい。切抜部(１３)の内部水平断面形状と、部品
(１４)の外部水平断面形状は、好ましくは溝内での耐火
部品(１４)の運動を妨げるように選ばれる。図４，５及
び６は部品(１１)および(１４)の断面形状の例を示す。

【００１４】耐火部品(１４)の周囲に、縁部(１６)が備
えられており、この縁部は切抜部(１３)の側壁上に効果
的に形成された対応縁部(１７)と共同作用を行なうため
のものである。耐火部品(１４)は、外面(１０Ｂ)を備え
る。これは、可動板との摩擦表面として作用する総表面
積と比較して表面積が狭く、金属プレート(１１)の外表
面(１０Ａ)とすれすれに現われる。この摩擦表面は大部
分、金属製である。

【００１５】鋳込み回数が増すにつれて腐食されるの
は、鋳込みオリフィスが形成されている耐火部品(１４)
であるので、この耐火部品(１４)のみを取替えるだけで
十分である。このことは、従来の構造の場合のように、
プレート全体を取替えなければならない場合よりもかな
り便利であり、時間がかからず、かつコストも安い。従
って、耐火部品(１４)または摩耗部品を取替えるだけ
で、多数回の鋳込みに対して同じ金属プレートが使用で
きる。これは、投資費用の面でかなり経済的である。

【００１６】図１〜３に示された実施態様において、耐
火部品(１４)はスカート(１８)を備える。このスカート
は、内部取り鍋ノズルの調整蓋内に備えられているくり
こみに嵌まるように、この部品の上に突き出ている。こ
れによって、耐火摩耗部品(１４)の取替えの際、この調
整蓋を壊さないようにすることができる。これに対し
て、既知の構造においては、調整蓋は一般に、従来の耐
火板が嵌まっている突き出た目張り材を備える。この目
張り材は、耐火板の取替えの際に破壊されることが多
い。

【００１７】示されている好ましい実施態様において、
金属プレート(１１)は、内部表面に冷却室(３０)を生じ
るように、縁部(１２)を備えて形成されているのが有利
である。この冷却室は、くびれ部(３１)と連通してい
る。このくびれ部は、冷却流体、例えば空気を流通させ
るために切抜部(１３)の周囲に沿って、従って耐火部品
(１４)の周囲に沿って延びている。この冷却流体は、例
えば流体の供給源に連結された導管(３２)によって注入
されてもよい。この冷却流体は、排出オリフィス例えば
(３３)を経て排出されてもよい。このようにして、耐火
部品(１４)は溶融金属の鋳込み中に冷却されており、こ
のようにして、高温の作用による耐火材料の破損が減少
する。同時に、プレート(１１)および耐火部品(１４)の
温度の低下は、これらの側にある可動板の温度の低下を
も引起こす。プレート(１１)に作られているオリフィス
(１９)によって、プレート(１１)の外面(１０Ａ)の方へ
冷却流体の効果的な通過が可能になる。すなわち可動板
との摩擦表面へ、冷却流体を送ることができ、このよう
にして固定板(１１)〜(１４)に対する可動板の滑りが改
善される。耐火材料の粉塵の除去のために、有利には放
出溝(３４)がプレートの側面縁部(１２)内に備えられて
いてもよい(例えば図４では、これが３つ示されてい
る)。これらは、固定板に対する可動板の摩擦のため
に、可動板から取り外される。

【００１８】金属プレート(１１)および耐火部品(１４)
は、様々な実施方法で製作されてもよいのはもちろんで
ある。図１および図２は、例えば耐火部品が、突き出た
スカート(１８)を備えている実施態様を示している。図
７および図８は、耐火部品(１４)がその上部面に突出部
を備えない、他の２つの実施態様を示す。その他に、こ
れら２つの変形実施方法において、金属プレート(１１)
の外部面は、摩擦表面の周りの空気の流通を促進するた
め、および金属摩擦表面積を減少させるために、空洞部
(３６)と連通したくびれ部(３５)を備える。図８の実施
態様は、耐火部品(１４)の周辺縁部が逆になっていると
いう点で、図７のものとはさらに異なる。図７の実施例
において、耐火部品(１４)は、プレート(１１)の内部面
の近くに置かれている。耐火摩耗部品(１４)の取替えに
は、金属プレート(１１)の取外しが必要である。これら
２つの部品は、容器の下に固定されている組立てカセッ
ト内に、共に取付けられていなければならない。これに
対して図８の実施態様を用いた場合、耐火摩耗部品(１
４)は、金属プレート(１１)の取外しを行なわずに取替
えることができる。

【００１９】タップホールの閉鎖装置の可動板も、本発
明によれば、摩耗部品を用いて製作できる。図９および
図１０に、実施例が示されている。図９は上面図であ
り、図１０は断面図である。可動板は、例えば磨かれた
表面を有するステンレス鋼製の金属プレートを含む。こ
れは、鋳込みオリフィス(２５)が通っている耐火材料製
部品(２４)がぴったりと嵌まる少なくとも１つの切抜部
(２３)を備える。示されている実施態様において、耐火
部品(２４)は、２つの鋳込みオリフィス(２５)を備えて
形成されている。しかしながらオリフィスの数は、２つ
でなくともよい。耐火部品(２４)は、金属プレート(２
１)の上部表面に備えられている、垂直な周辺縁部(２
２)の内部に形成された縁部上にある。

【００２０】耐火部品(２４)の上部面(２０)は、周辺縁
部(２２)の端からわずかにはみ出ている。この面は、金
属プレート(２１)が、それ自体知られた駆動メカニズム
と組合わされた組立てカセット(６)内に取付けられてい
る場合(図１参照)、固定板の摩擦面(１０)にもたれた摩
擦面を構成する。従って可動板(２１)〜(２４)が製鉄ま
たは冶金容器上に置かれる時、鋳込みオリフィス(２５)
は、固定板の鋳込みオリフィス(１５)および容器のタッ
プホール(２)と整合している。もう１つの鋳込みオリフ
ィスまたは複数の他の鋳込みオリフィスは、待機中の予
備オリフィスとして働き、これらは、並進運動または回
転運動によって、可動板の固定板に対する滑りによっ
て、タップホール(２)の下の作動位置に、すぐに配置さ
れるようになっている。可動板の外部面上の鋳込みオリ
フィス(２５)を取囲むスリーブ(２７)は、外部取り鍋ノ
ズル(図示されていない)の連結のためのものである。

【００２１】耐火材料製の部分が、鋳込みオリフィスを
取囲む摩耗部分に限定されている、本発明による固定板
の構成のように、前記のような可動板の構成は、従来の
構成よりも、使用済み耐火要素の取替えのコストをかな
り安くするに役立つという利点を有する。同様に、耐火
部品(２４)の摩擦表面の摩耗は、従来の構成よりも少な
いということを指摘する必要がある。これは、この場合
この表面が、大部分、金属表面(１０Ａ)に対して摩擦す
るからである。これはさらに、互いに対して、熱い部品
の滑りを促進する。切抜部(２３)への耐火摩耗部品(２
４)の配置を容易にするため、かつこの摩耗部品の取外
しを容易にするため、切抜部(２３)の歯面は、図１１に
示されているように、効果的に斜めになっていてもよ
い。

【００２２】前記の本発明の実施態様は、例として挙げ
られた実施例であり、本発明はこれらの実施例にまった
く限定されないことはもちろんである。同等のあらゆる
修正、あらゆる変形例およびあらゆる配列が、本発明の
枠内に含まれると考えられなければならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 鋳塊鋳型の下に取付けられた、本発明による
装置の実施例の断面図である。

【図２】 特に図１で示された固定板を示す。

【図３】 図１で示された固定板および可動板の分解断
面図である。

【図４】 図２で示された固定板の平面図である。

【図５】 図２で示された固定板を構成する部品の平面
図である。

【図６】 図２で示された固定板を構成する部品の平面
図である。

【図７】 本発明による固定板の変形実施例を示す。

【図８】 本発明による固定板の変形実施例を示す。

【図９】 図１で示された可動板の上面図である。

【図１０】 図９のＸ−Ｘ線に沿う断面図である。

【図１１】 図１０で示された可動板の変形実施例を示
す。

【符号の説明】

１ 底部、２ タップホール、３ 内部取り鍋ノズル、
４ 耐火被覆、５ 組立てカセット、６ カセット、１
０ 摩擦面、１０Ａ 水平外面、１０Ｂ 外面、１１
金属プレート（金属部品）、１２ 垂直周辺縁部、１３
切抜部、１４耐火材料製の部品、１５ 円筒オリフィ
ス、１６ 縁部、１７ 対応縁部、１８ スカート、１
９ オリフィス、２０ 上部面、２１ 金属プレート、
２２垂直周辺縁部、２３ 切抜部、２４ 耐火材料製部
品、２５ 鋳込みオリフィス、３０冷却室、３１ くび
れ部、３２ 導管、３３ 排出オリフィス、３４放出
溝、３５ くびれ部、３６ 空洞部。

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 製鉄または冶金容器のタップホールの閉
   鎖装置であって、容器のタップホールの下に取付けられ
   た固定板、および固定板の摩擦表面に対する摩擦表面を
   有しつつ、固定板に対して移動させられることができる
   ように、固定板に対して取付けられている可動板を備え
   る装置において、固定板が、平らな外表面(１０Ａ)を有
   し、かつ少なくとも１つの鋳込みオリフィス(１５)があ
   けられた耐火材料製の摩耗部品(１４)が置かれている切
   抜部(１３)を備える金属プレート(１１)からなり、摩耗
   部品(１４)の内面(１０Ｂ)は、固定板の可動板との摩擦
   表面が、大部分の金属表面(１０Ａ)と、小部分の耐火表
   面(１０Ｂ)とからなるように、プレート(１１)の平らな
   外表面(１０Ａ)とすれすれに現われることを特徴とする
   装置。
2. 【請求項２】 摩耗部品(１４)が、切抜部(１３)の壁に
   備えられた、対応縁部(１７)と共同作用を行なう縁部
   (１６)を備えることを特徴とする、請求項１による装
   置。
3. 【請求項３】 プレート(１１)が、その内部面に冷却室
   (３０)を備えることを特徴とする、請求項１または２に
   よる装置。
4. 【請求項４】 冷却室(３０)が、プレート内に備えられ
   たオリフィス(１９)によって、プレート(１１)の外面
   (１０Ａ)と連通することを特徴とする、請求項３による
   装置。
5. 【請求項５】 プレート(１１)が、冷却流体を流すため
   の切抜部(１３)の周辺部に沿って延びているくびれ部
   (３１)を備えることを特徴とする、請求項１〜４のうち
   の１つによる装置。
6. 【請求項６】 プレート(１１)は、粉塵のための少なく
   とも１つの放出溝(３４)が形成されている側面縁部(１
   ２)を備えることを特徴とする、請求項１〜５のうちの
   １つによる装置。
7. 【請求項７】 摩耗部品(１４)が、鋳込みオリフィス
   (１５)の周りの部品の上部面に突き出ているスカート
   (１８)を備えることを特徴とする、請求項１〜６のうち
   の１つによる装置。
8. 【請求項８】 金属プレート(１１)が、製鉄または冶金
   容器に固定された金属の組立てカセット(５)内に取付け
   られていることを特徴とする、請求項１〜７のうちの１
   つによる装置。
9. 【請求項９】 可動板は、少なくとも１つの鋳込みオリ
   フィス(２５)が通っている、耐火材料製の摩耗部品(２
   ４)が置かれている少なくとも１つの切抜部(２３)があ
   けられた、金属プレート(２１)からなることを特徴とす
   る、請求項１〜８のうちの１つによる装置。
10. 【請求項１０】 金属プレート(２１)が、固定板のプレ
    ート(１１)に対してプレート(２１)を移動させるための
    駆動メカニズムと組合わされた、金属の組立てカセット
    (６)内に置かれていることを特徴とする、請求項９によ
    る装置。