JPH0516195A - 射出成形の制御方法及び制御装置 - Google Patents

射出成形の制御方法及び制御装置

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JPH0516195A
JPH0516195A JP3201245A JP20124591A JPH0516195A JP H0516195 A JPH0516195 A JP H0516195A JP 3201245 A JP3201245 A JP 3201245A JP 20124591 A JP20124591 A JP 20124591A JP H0516195 A JPH0516195 A JP H0516195A
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JP
Japan
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injection
molding
plunger
molding material
mold
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JP3201245A
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English (en)
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Kazunori Takeno
一記 武野
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Nok Corp
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、成形品の重量安定性及び形
状安定性を向上させることができる射出成形の制御方法
及び射出成形の制御装置を提供することである。 【構成】 本発明では、プランジャ12の位置に応じて
ゴム材9の体積弾性率Kが変化すると仮定し、ノズル8
から射出されるゴム材の実際の射出流量値qを算出し、
その値に基づき金型6内に充填されるゴム材の充填量を
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品の重量安定性及
び形状安定性を向上させた射出成形の制御方法及び射出
成形の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本来、射出成形の目的は金型のキャビテ
ィ形状を成形品に正確に転写するという点にある。これ
を実現するためには、射出工程において、金型のキャビ
ティ容積に対して過不足無く材料を充填することがまず
必要となる。これを達成するための従来の手法として、
射出プランジャの速度制御性を向上させるように、フィ
ードバックゲインを射出圧または金型内圧に応じて変化
させる手法や、充填完了時に射出プランジャの停止位置
精度を向上させる等の手法が採用されている。これらの
手法を代表する公知例として各々特開昭58−1112
8号公報及び特開昭57−191035号公報が挙げら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公報に開示してある二つの手法は、共通して、射出プラ
ンジャの位置または速度制御精度の向上を図った手法で
ある。したがって、例えばゴム材などの弾性を有する成
形用材料で射出成形する場合には、成形用材料に特有の
弾性による射出流量の変化を考慮していないため、充填
量の正確な制御を行うには、限界がある。つまり、充填
量の計量完了時点で、シリンダ内に供給されたゴム材等
の弾性を有する成形材料は、空気が混入することによ
り、見かけの体積弾性率が通常の樹脂材料に比べてかな
り小さい。このため、射出工程におけるプランジャの移
動距離に相当する容積が、そのまま射出量と等しくはな
らない。このような点が、上記2つの手法では考慮され
ていないことから、充填量の正確な制御が困難であると
言う問題点を有している。本発明は、このような実状に
鑑みてなされ、成形品の重量安定性及び形状安定性を向
上させることができる射出成形の制御方法及び射出成形
の制御装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明では、プランジャの位置に応じて成形
材料の体積弾性率が変化すると仮定し、ノズルから射出
される成形材料の実際の射出流量値を算出し、その値に
基づき金型内に充填される成形材料の充填量を制御す
る。
【0005】
【作用】ゴム材等の成形材料の体積弾性率は、成形材料
中に混入している空気が成形材料の圧縮と共に圧縮さ
れ、シリンダ内での成形材料の充填状態が疎から密へ変
化するという理由から、プランジャの移動に伴い変化す
ることが本発明者によって見い出されている。本発明で
は、このような考えに基づき、射出成形時の射出流量を
制御しているので、金型への充填量を正確に制御するこ
とが可能となる。また、射出流量を時間の関数として任
意に設定できるので、金型内部のキャビティ各部の成形
材料の流れ場をある程度制御することが可能となり、成
形材料中のミクロな粒子の配向形成に良好な影響を及ぼ
す。
【0006】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づき説
明する。図1は本発明の一実施例に係る射出成形の制御
装置の概略構成図、図2は本発明の一実施例に係る制御
方法で制御された場合の射出流量と充填量の関係を示す
グラフ、図3は図1に示す装置をさらに具体化した場合
の概略構成図、図4は射出成形装置の要部を示す断面
図、図5は本発明の制御方法の効果を示すグラフであ
る。図4に示すように、射出成形装置2は、キャビティ
4が形成してある金型6と、金型のキャビティ4内にノ
ズル8から成形材料としてのゴム材9を射出する射出機
10とを有する。射出機10には、ゴム材9をノズルか
ら射出させるためのプランジャ12を有する。プランジ
ャ12は、例えば圧力シリンダ14で駆動される。圧力
シリンダ14内には、油圧などの流体圧が導入され、プ
ランジャ12を駆動するようになっている。
【0007】次に、このような射出成形装置2を用いて
行われる本発明の一実施例に係る射出成形の制御方法に
ついて説明する。本実施例の制御方法では、ゴム材9の
射出流量(dq/dt)は、プランジャ12の移動速度(dz/
dt)と、ゴム材9の弾性による体積収縮を考慮して、マ
クロ的に下記の数式Aで表現している。
【数1】 上記式において、ゴム材9の見かけの体積弾性率Kは、
数式Dに示すように、プランジャ位置Zの関数として表
した。これは、プランジャ12の移動に伴って、ゴム材
中に混入している空気が圧縮される過程でKが変化する
という考え方に基づく。また、この体積弾性率Kは、式
Dに示す通り、Zに関する2次式で近似するが、式中の
定数A、B、Cは、ノズル8を閉じた状態で、短いスト
ロークの圧縮を、実際に用いる射出機10で行い、オン
ラインでゴム材9の圧力P及び体積Vをサンプリング検
出し、数式B,Dを用いて最小2乗近似することにより
求められる。なお、体積弾性率Kは、ゴム材9の種類に
より異なることはもちろん、同一材料であっても成形材
料の混練の状態、空気の含有率によっても異なるため、
実際に用いる射出機10により決定することが望まし
い。このように成形材料としてのゴム材の体積弾性率が
プランジャ位置に応じて変化し、その変化した体積弾性
率を用いて実際の射出流量を算出すると言う考えに基づ
き、射出成形の制御を行うための制御装置の概略を図1
に示す。図1に示す制御装置20では、射出機10内の
ゴム材9の成形圧力Pを検出するための圧力センサ22
と、プランジャ12の押し出し位置を検出する位置セン
サ24とを有する。これらセンサ22,24でサンプリ
ング検出された検出値は、射出流量算出用回路26,2
8へ送られ、現時点での実際の射出流量(dq/dt)が算
出される。この実際の射出流量(dq/dt)は、目標とす
る射出流量(dqd/dt)と比較回路30で比較される。比
較回路30で比較された比較値は、コントローラ32へ
送られる。コントローラ32は、その比較値に基づき、
圧力シリンダ14へ送られる油圧を制御するサーボバル
ブ34をフィードバック制御する。
【0007】本実施例では、コントローラ32は、PD
コントローラであり、図中の符号Kdは、微分ゲインで
あり、Kpは比例ゲインである。各リアルタイムでの制
御目標値としての射出流量dqd/dtは、例えば図2に
示すように、総射出流量、すなわち充填量をQとした場
合に、目標の充填量Qが射出流量の時間積分として得ら
れるように、決定される。図2に示す例では、射出開始
時と完了時に低速で射出を行うように計画した例である
が、本発明方法によれば、キャビティ4の形状を考慮し
て任意のパターンに設計することも可能である。
【0008】次に、上記制御系を実現するためのハード
ウエア及びソフトウエア構成の概略を図3に基づき説明
する。図に示すように、射出流量の制御は、サーボバル
ブ34で油圧ポンプ36からの油圧をコントロールする
ことにより、プランジャ12を駆動して行う。この油圧
制御系のサーボループは、約10msec以下の周期が
望ましいため、制御のためのコントローラは、高速性を
考慮し、VMEバスで連結されたマルチCPU構成とす
る。すなわち、CPU#2において、油圧のサーボ制御
を分担している。また、CPU#1では、目標流量qd
の算出と、A/Dコンバータ38、D/Aコンバータ4
0及びカウンタ42での入出力の処理を分担している。
なお、CPU#1及び#2は、約1MFLOPSのパフ
ォーマンスのCPUカードを使用することができる。こ
のように、処理別にCPUを割り当て、分散処理を行う
ことにより、効率の良い、またI/Oの拡張性に富んだ
システムを構築することが可能となる。なお、図3に示
すように、A/Dコンバータ38は、アンプ44を介し
て圧力センサ22に接続してある。また、D/Aコンバ
ータ40は、アンプ46を介してサーボバルブ34に接
続してある。カウンタ42は、位置センサ24に接続し
てある。また、油圧ポンプ36の吐出配管系には、リリ
ーフバルブ48が連結してある。
【0009】本発明は、上述した実施例に限定されるも
のではなく、本発明の範囲内で種々に改変することが可
能である。例えば、上述し実施例では、成形材料とし
て、ゴム材を用いるようにしたが、これに限らず、プラ
ンジャの移動により体積弾性率が変化する全ての成形材
料に本発明の方法及び装置を適用して用いることが可能
である。
【0010】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、プランジャの位置に応じて成形材料の体積弾性率が
変化するという考えに基づき、射出成形時の射出流量を
制御しているので、金型への充填量を正確に制御するこ
とが可能となる。また、射出流量を時間の関数として任
意に設定できるので、金型内部のキャビティ各部の成形
材料の流れ場をある程度制御することが可能となり、成
形材料中のミクロな粒子の配向形成に良好な影響を及ぼ
す。したがって、バリやヒケのない成形品を成形するこ
とが可能になると共に、成形品の重量安定性や形状安定
性が大幅に向上する。図1,3に示すような制御装置を
用いて実際に射出成形を行い、直径50mmのリング板状
のゴム成形品をサンプルとして20個成形したところ、
本発明の方法及び装置では、図5(B)に示すように、
成形品の重量のばらつきの平均は、約1.2%であっ
た。これに対し、比較例として、従来の方法及び装置で
同じような条件で重量のばらつきを調べたところ、ばら
つきの平均は、約7.6%であった。さらに、形状寸法
安定性についても比較を行ったところ、本発明では、外
形寸法のばらつきが±0.7%であるのに対し、比較例
では、±4.1%であった。上述した実験結果から、本
発明の有用性が確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る射出成形の制御
装置の概略構成図である。
【図2】図2は本発明の一実施例に係る制御方法で制御
された場合の射出流量と充填量の関係を示すグラフであ
る。
【図3】図3は図1に示す装置をさらに具体化した場合
の概略構成図である。
【図4】図4は射出成形装置の要部を示す断面図であ
る。
【図5】図5は本発明の制御方法の効果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
4 キャビティ 6 金型 8 ノズル 9 ゴム材(成形材料) 10 射出機 12 プランジャ 20 射出成形装置 22 圧力センサ 24 位置センサ q 射出流量 As スクリュ断面積 Z プランジャ位置 Vo 軽量完了時の見かけのゴム材の体積 A、B、C 定数
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 射出成形の制御方法及び制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品の重量安定性及
び形状安定性を向上させた射出成形の制御方法及び射出
成形の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本来、射出成形の目的は金型のキャビテ
ィ形状を成形品に正確に転写するという点にある。これ
を実現するためには、射出工程において、金型のキャビ
ティ容積に対して過不足無く材料を充填することがまず
必要となる。これを達成するための従来の手法として、
射出プランジャの速度制御性を向上させるように、フィ
ードバックゲインを射出圧または金型内圧に応じて変化
させる手法や、充填完了時に射出プランジャの停止位置
精度を向上させる等の手法が採用されている。これらの
手法を代表する公知例として各々特開昭58−1112
8号公報及び特開昭57−191035号公報が挙げら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公報に開示してある二つの手法は、共通して、射出プラ
ンジャの位置または速度制御精度の向上を図った手法で
ある。したがって、例えばゴム材などの弾性を有する成
形用材料で射出成形する場合には、成形用材料に特有の
弾性による射出流量の変化を考慮していないため、充填
量の正確な制御を行うには、限界がある。つまり、充填
量の計量完了時点で、シリンダ内に供給されたゴム材等
の弾性を有する成形材料は、空気が混入することによ
り、見かけの体積弾性率が通常の樹脂材料に比べてかな
り小さい。このため、射出工程におけるプランジャの移
動距離に相当する容積が、そのまま射出量と等しくはな
らない。このような点が、上記2つの手法では考慮され
ていないことから、充填量の正確な制御が困難であると
言う問題点を有している。本発明は、このような実状に
鑑みてなされ、成形品の重量安定性及び形状安定性を向
上させることができる射出成形の制御方法及び射出成形
の制御装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明では、プランジャの位置に応じて成形
材料の体積弾性率が変化すると仮定し、ノズルから射出
される成形材料の実際の射出流量値を算出し、その値に
基づき金型内に充填される成形材料の充填量を制御す
る。
【0005】
【作用】ゴム材等の成形材料の体積弾性率は、成形材料
中に混入している空気が成形材料の圧縮と共に圧縮さ
れ、シリンダ内での成形材料の充填状態が疎から密へ変
化するという理由から、プランジャの移動に伴い変化す
ることが本発明者によって見い出されている。本発明で
は、このような考えに基づき、射出成形時の射出流量を
制御しているので、金型への充填量を正確に制御するこ
とが可能となる。また、射出流量を時間の関数として任
意に設定できるので、金型内部のキャビティ各部の成形
材料の流れ場をある程度制御することが可能となり、成
形材料中のミクロな粒子の配向形成に良好な影響を及ぼ
す。
【0006】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づき説
明する。図1は本発明の一実施例に係る射出成形の制御
装置の概略構成図、図2は本発明の一実施例に係る制御
方法で制御された場合の射出流量と充填量の関係を示す
グラフ、図3は図1に示す装置をさらに具体化した場合
の概略構成図、図4は射出成形装置の要部を示す断面
図、図5は本発明の制御方法の効果を示すグラフであ
る。図4に示すように、射出成形装置2は、キャビティ
4が形成してある金型6と、金型のキャビティ4内にノ
ズル8から成形材料としてのゴム材9を射出する射出機
10とを有する。射出機10には、ゴム材9をノズルか
ら射出させるためのプランジャ12を有する。プランジ
ャ12は、例えば圧力シリンダ14で駆動される。圧力
シリンダ14内には、油圧などの流体圧が導入され、プ
ランジャ12を駆動するようになっている。
【0007】次に、このような射出成形装置2を用いて
行われる本発明の一実施例に係る射出成形の制御方法に
ついて説明する。本実施例の制御方法では、ゴム材9の
射出流量(dq/dt)は、プランジャ12の移動速度
(dz/dt)と、ゴム材9の弾性による体積収縮を考
慮して、マクロ的に下記の数式Aで表現している。
【数1】 上記式において、ゴム材9の見かけの体積弾性率Kは、
数式Dに示すように、プランジャ位置Zの関数として表
した。これは、プランジャ12の移動に伴って、ゴム材
中に混入している空気が圧縮される過程でKが変化する
という考え方に基づく。また、この体積弾性率Kは、式
Dに示す通り、Zに関する2次式で近似するが、式中の
定数A、B、Cは、ノズル8を閉じた状態で、短いスト
ロークの圧縮を、実際に用いる射出機10で行い、オン
ラインでゴム材9の圧力P及び体積Vをサンプリング検
出し、数式B,Dを用いて最小2乗近似することにより
求められる。なお、体積弾性率Kは、ゴム材9の種類に
より異なることはもちろん、同一材料であっても成形材
料の混練の状態、空気の含有率によっても異なるため、
実際に用いる射出機10により決定することが望まし
い。このように成形材料としてのゴム材の体積弾性率が
プランジャ位置に応じて変化し、その変化した体積弾性
率を用いて実際の射出流量を算出すると言う考えに基づ
き、射出成形の制御を行うための制御装置の概略を図1
に示す。図1に示す制御装置20では、射出機10内の
ゴム材9の成形圧力Pを検出するための圧力センサ22
と、プランジャ12の押し出し位置を検出する位置セン
サ24とを有する。これらセンサ22,24でサンプリ
ング検出された検出値は、射出流量算出26,28へ
送られ、現時点での実際の射出流量(dq/dt)が算
出される。次に、この実際の射出流量(dq/dt)
目標とする射出流量(dq/dt)との偏差を算出す
る。この偏差はコントローラ32へ送られる。コントロ
ーラ32は、その偏差に基づき、圧力シリンダ14へ送
られる油圧を制御するサーボバルブ34をフィードバッ
ク制御する。
【0008】本実施例では、コントローラ32は、PD
コントローラであり、図中の符号Kdは、微分ゲインで
あり、Kpは比例ゲインである。各リアルタイムでの制
御目標値としての射出流量dq/dtは、例えば図2
に示すように、総射出流量、すなわち充填量をQとした
場合に、目標の充填量Qが射出流量の時間積分として得
られるように、決定される。図2に示す例では、射出開
始時と完了時に低速で射出を行うように計画した例であ
るが、本発明方法によれば、キャビティ4の形状を考慮
して任意のパターンに設計することも可能である。
【0009】次に、上記制御系を実現するためのハード
ウエア及びソフトウエア構成の概略を図3に基づき説明
する。図に示すように、射出流量の制御は、サーボバル
ブ34で油圧ポンプ36からの油圧をコントロールする
ことにより、プランジャ12を駆動して行う。この油圧
制御系のサーボループは、約10msec以下の周期が
望ましいため、制御のためのコントローラは、高速性を
考慮し、VMEバスで連結されたマルチCPU構成とす
る。すなわち、CPU#2において、油圧のサーボ制御
を分担している。また、CPU#1では、目標流量q
の算出と、A/Dコンバータ38、D/Aコンバータ4
0及びカウンタ42での入出力の処理を分担している。
なお、CPU#1及び#2は、約1MFLOPSのパフ
ォーマンスのCPUカードを使用するのが適当である
このように、処理別にCPUを割り当て、分散処理を行
うことにより、効率の良い、またI/Oの拡張性に富ん
だシステムを構築することが可能となる。なお、図3に
示すように、A/Dコンバータ38は、アンプ44を介
して圧力センサ22に接続してある。また、D/Aコン
バータ40は、アンプ46を介してサーボバルブ34に
接続してある。カウンタ42は、位置センサ24に接続
してある。また、油圧ポンプ36の吐出配管系には、リ
リーフバルブ48が連結してある。
【0010】本発明は、上述した実施例に限定されるも
のではなく、本発明の範囲内で種々に改変することが可
能である。例えば、上述し実施例では、成形材料とし
て、ゴム材を用いるようにしたが、これに限らず、プラ
ンジャの移動により体積弾性率が変化する全ての成形材
料に本発明の方法及び装置を適用して用いることが可能
である。
【0011】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、プランジャの位置に応じて成形材料の体積弾性率が
変化するという考えに基づき、射出成形時の射出流量を
制御しているので、金型への充填量を正確に制御するこ
とが可能となる。また、射出流量を時間の関数として任
意に設定できるので、金型内部のキャビティ各部の成形
材料の流れ場をある程度制御することが可能となり、成
形材料中のミクロな粒子の配向形成に良好な影響を及ぼ
す。したがって、バリやヒケのない成形品を成形するこ
とが可能になると共に、成形品の重量安定性や形状安定
性が大幅に向上する。図1,3に示すような制御装置を
用いて実際に射出成形を行い、直径50mmのリング板
状のゴム成形品をサンプルとして20個成形したとこ
ろ、本発明の方法及び装置では、図5(B)に示すよう
に、成形品の重量のばらつきの平均は、約1.2%であ
った。これに対し、比較例として、従来の方法及び装置
で同じような条件で重量のばらつきを調べたところ、ば
らつきの平均は、約7.6%であった。さらに、形状寸
法安定性についても比較を行ったところ、本発明では、
外形寸法のばらつきが±0.7%であるのに対し、比較
例では、±4.1%であった。上述した実験結果から、
本発明の有用性が確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る射出成形の制御
装置の概略構成図である。
【図2】図2は本発明の一実施例に係る制御方法で制御
された場合の射出流量と充填量の関係を示すグラフであ
る。
【図3】図3は図1に示す装置をさらに具体化した場合
の概略構成図である。
【図4】図4は射出成形装置の要部を示す断面図であ
る。
【図5】図5は本発明の制御方法の効果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】 4 キャビティ 6 金型 8 ノズル 9 ゴム材(成形材料) 10 射出機 12 プランジャ 20 射出成形装置 22 圧力センサ 24 位置センサ q 射出流量 As スクリュ断面積 Z プランジャ位置 Vo 軽量完了時の見かけのゴム材の体積 A、B、C 定数

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム等の弾性を有する成形材料を射出機
    のノズルから金型内にプランジャで押し出して射出成形
    を行うに際して、金型内に充填される成形材料の充填量
    を制御する射出成形の制御方法において、 上記プランジャの位置に応じて成形材料の体積弾性率が
    変化すると仮定し、ノズルから射出される成形材料の実
    際の射出流量値を算出し、その値に基づき金型内に充填
    される成形材料の充填量を制御することを特徴とする射
    出成形の制御方法。
  2. 【請求項2】 ゴム等の弾性を有する成形材料を射出機
    のノズルから金型内にプランジャで押し出して射出成形
    を行うに際して、金型内に充填される成形材料の充填量
    を制御する射出成形の制御装置において、 射出機内の成形材料の圧力を検出する圧力検出手段と、 上記プランジャの押し出し位置を検出する位置検出手段
    と、 上記プランジャの位置に応じて成形材料の体積弾性率が
    変化すると仮定し、上記圧力検出手段及び位置検出手段
    で逐次検出される検出値に基づき、ノズルから射出され
    る成形材料の実際の射出流量値を算出し、その算出値に
    基づき金型内に充填される成形材料の充填量を制御する
    制御手段とを有する射出成形の制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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