JPH0516134B2 - - Google Patents
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- JPH0516134B2 JPH0516134B2 JP58216001A JP21600183A JPH0516134B2 JP H0516134 B2 JPH0516134 B2 JP H0516134B2 JP 58216001 A JP58216001 A JP 58216001A JP 21600183 A JP21600183 A JP 21600183A JP H0516134 B2 JPH0516134 B2 JP H0516134B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J29/00—Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
- H01J29/86—Vessels; Containers; Vacuum locks
- H01J29/88—Vessels; Containers; Vacuum locks provided with coatings on the walls thereof; Selection of materials for the coatings
Landscapes
- Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Description
〔発明の技術分野〕
本発明は陰極線管に係わり、特にフアンネルか
らネツクにかけての外囲器の内部導電膜の組成に
関するものである。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 従来の陰極線管例えばカラー陰極線管は第1図
に示すような構造を有している。 即ちパネル1、フアンネル2、ネツク3からな
る外囲器内のパネル1内面には蛍光体層及びメタ
ルバツク層からなる蛍光面4が被着されると共に
シヤドウマスク5が蛍光面4に所定間隔をもつて
対設され、フアンネル2からネツク3にかけての
内面にはフアンネル3に設けられた陽極端子6に
導接する内部導電膜7が被着形成されている。ま
たネツク3内には電子銃8が内装され、この電子
銃8のコンバーゼンス電極9にはバルブスペーサ
ー10が内部導電膜7に導接するように設けられ
ていると共にゲツタサポート11を介してフアン
ネルゲツタ12がフアンネル2内壁に弾接するよ
うに設けられている。さらにフアンネル2外壁に
は外部導電膜13が形成されている。 このような陰極線管において内部導電膜7は第
1に陽極端子6に印加された高電圧をバルブスペ
ーサー10、コンバーゼンス電極9を介して電子
銃8の主電子レンズを形成する電極に印加する、
第2に図示しないコネクターを介して蛍光面4の
メタルバツク層及びシヤドウマスクへ高電圧を印
加する、第3にシヤドウマスク5などの管内部品
から反射された電子を吸収する、などの役目を有
している。次に外部導電膜13は通常接地され、
内部導電膜7と外部導電膜13との間の誘電体と
なるフアンネルガラスは高電圧に対する平滑コン
デンサとして作用する。ところで電子銃8を構成
する電極群は電子ビームを発生し静電レンズを形
成して集束し且つ加速するために接地電位から
20KV乃至30KVの高電圧の複数の電位が極めて
近接した各電極に印加されている。従つて何等か
の要因により高い電位差の部材間でフラツシユオ
ーバーを生じた場合、内部導電膜7を通して上記
平滑コンデンサが放電し大電流パルスが生ずるこ
とになる。このフラツシユオーバーによる電流パ
ルスは時として陰極線管に接続されている種々の
回路機器に大きな損傷を与える。このような現象
を防止するためには回路機器に特別の抵抗器を介
するか、または内部導電膜として一般に用いられ
ている50mm隔てた2点間の抵抗が数百Ω/50mmの
低抵抗である黒鉛を3KΩ乃至30KΩ/50mm程度に
高抵抗化することが考えられる。このような観点
から特公昭53−9400号公報では、黒鉛1、酸化鉄
12、アルカリ金属珪酸塩8及び水20の組成で
形成した内部導電膜が提案されている。またこれ
とは別に内部導電膜の被着強度及び膜強度の観点
から特開昭54−95170号公報では、酸化チタン/
グラフアイトを0.5以上6未満及び珪酸塩を0.4以
上とした内部導電膜が提案されている。 しかし乍ら酸化鉄を主体とする内部導電膜は潤
滑性を有し柔らかい黒鉛粒子が少ないため極めて
高い硬度を有する酸化鉄の特性が支配的となり、
その塗膜はバルブスペーサやフアンネルゲツタの
挿入接触時に接触部材の表面を削り落して耐電圧
特性を劣化させたり、導通不良を生じ易い。また
塗膜の接着力が強すぎるため熱膨張差によつて外
囲器のガラスクラツクを誘発する危険性があり好
ましくない。 一方酸化チタンを含む内部導電膜は本発明者等
による実験ではガス放出特性が悪くなる欠点を有
していることが確認された。これは酸化チタン個
有の特性のためか又は酸化チタンが混入すること
による塗膜状態が異なるためか不明ではあるが、
酸化チタン量が多くなる程ガス放出特性が悪くな
る傾向が明瞭に確認された。 〔発明の目的〕 本発明はフラツシユオーバーを防止するための
適度な抵抗値を有し乍ら、接着力、膜強度及びガ
ス特性等の基本的特性を満たした内部導電膜を有
する陰極線管を提供することを目的とする。 〔発明の概要〕 本発明は内部導電膜を、少なくとも酸化鉄及び
酸化鉄の貧導電物質と黒鉛の良導電物質及び珪酸
塩とを含み、黒鉛に対する酸化鉄の重量比が1乃
至3、同じく酸化チタンの重量比が0.5乃至2及
び同じく酸化鉄と酸化鉄の重量比が2.5乃至5の
組成とすることによつて、総合的に基本特性を満
足する内部導電膜を備えた陰極線管である。 〔発明の実施例〕 以下本発明の実施例について詳細に説明する。
尚本発明の実施例に適用される陰極線管の部材構
成自体は第1図に示すものと同様であるので部材
構成についての説明は省略する。 酸化鉄及び酸化チタンはいわゆる貧導電物質で
あり、両者共黒鉛に対する添加量を増すに従つて
その塗膜の電気抵抗は当然増大する。 第2図は黒鉛に対する酸化鉄と酸化チタンの重
量組成比を変えた時の400℃ベーキング後のフア
ンネル塗膜状態での50mm隔てた2点間の電気抵抗
の変化を示すものである。第2図に於て、(a)は酸
化鉄の、(b)は酸化チタンのそれぞれの特性を示
す。フラツシユオーバーを防止するためには
3KΩ乃至30KΩ/50mmの電気抵抗が必要であり、
このためには第2図から黒鉛に対する重量比は酸
化鉄の場合2.5以上、同じく酸化チタンの場合2
乃至3であればよいことがわかる。 しかし乍ら内部導電膜は前述のいくつかの基本
特性を満たすことが必要である。 第1にガス放出特性が良好なことである。陰極
線管の排気工程に於てガス放出特性が悪いと充分
な排気が行なわれず真空度が低下し電子ビームの
エミツシヨン特性に重大な影響を及ぼす。特にネ
ツク径が細い陰極線管ほどその影響は重大であ
る。第3図は第2図と同様黒鉛に対する酸化鉄と
酸化チタンの重量組成比を変えた時の排気工程後
における真空度を示すものである。第3図におい
て、(a)は酸化鉄の、(b)は酸化チタンのそれぞれの
特性を示す。第3図から明らかなように酸化チタ
ンの場合、2.0近傍以上では急激に真空度特性が
悪化する。従つて酸化チタンを重量比2を超えて
添加することはガス放出特性の点から好ましくな
い。また第2図からフラツシユオーバーの防止の
点から酸化チタンを2以下とすると顕著な効果が
得られなくなる。しかし、酸化チタンを2以下と
しても酸化鉄と組み合わせることによりフラツシ
ユオーバーを防止することができる。このときの
黒鉛に対する酸化チタンと酸化鉄の総量の重量比
が2.5以上であれば、酸化チタンを2以下として
もフラツシユオーバーを防止できる。一方酸化鉄
のみの場合、添加量が増加してもガス放出特性は
殆んど変化せず、ガス放出特性に関しては事実上
酸化鉄の混入は影響を及ぼさない。 第2に重要なことは塗膜の接着力及び硬度であ
る。即ち塗膜の接着力が弱い場合、塗膜粒子の剥
離、脱落が生じ易く耐電圧特性を著しく劣化させ
る。また塗膜の硬度が高すぎると塗膜への導線接
続を介する部材の削れが生じ同じく耐電圧特性を
著るしく劣化させる。 第4図は第2図と同様黒鉛に対する酸化鉄と酸
化チタンの重量組成比を変えた時の塗膜の接着力
を測定したものである。第4図において、(a)は酸
化鉄の、(b)は酸化チタンのそれぞれの特性を示
す。また接着力はセロテープを塗膜面に一定の圧
力で押しつけ、はがした後のセロテープ粘着面を
観察したもので、1cm2当りの剥離粒子が、Aは皆
無、Bは平均1〜3点、Cは4〜10点、Dは10〜
20点及びEは20点以上のランクとしたものであ
る。 第4図から明らかなように、酸化チタンの接着
力は若干の改善は認められるものの添加量の増加
に対して大きな変化はない。これに対して酸化鉄
の接着力は添加量の増加に伴つて大きく変化し著
るしい接着力の向上が認められる。しかし乍ら酸
化鉄自体は極めて高い硬度を有する金属酸化物で
あり、酸化鉄の添加量が多すぎると黒鉛の有する
潤滑効果が極端に押えられ酸化鉄の硬度特性が支
配的となり、バルブスペーサ、フアンネルゲツタ
及びパネルとフアンネルの導線接続素子等の挿入
接触時に接触部材の表面を削り落して逆に耐電圧
不良を生ずる恐れがある。このため酸化鉄の中に
酸化チタンの混入が必要となる。このときの混入
量は黒鉛に対する酸化チタンの重量比で少なくと
も0.5以上であれば良いことがわかつた。黒鉛に
対する酸化チタンの重量比が0.5以上であれば、
酸化鉄を入れ過ぎることによる塗膜の表面の削れ
を防止することができる。したがつて、前述のフ
ラツシユオーバー防止も考慮すると、黒鉛に対す
る酸化チタンの重量比は、0.5乃至2とすれば良
い。また接着力があまりにも強いと例えば最高
430℃にも達するベーキング工程で塗膜とガラス
外囲器との熱膨張の差によつて大きな歪が加わり
ガラスクラツクを発生したり、さらには導線接続
不良やアノードオープン等の発生の危険性を生ず
る。従つて黒鉛に対する酸化鉄の重量比は1乃至
3として接着力はB乃至Cのレベルを維持するこ
とが好ましい。また、黒鉛に対する酸化チタンと
酸化鉄の総量の重量比が5以下、即ち、黒鉛に対
する酸化チタンの重量比の上限2と、黒鉛に対す
る酸化鉄の重量比の上限3との和、以下であれば
酸化チタンと酸化鉄を組み合わせても上述した接
着力及びガス放出特性を満足することができる。
したがつて、前述のフラツシユオーバー防止を考
慮すると、黒鉛に対する酸化チタンと酸化鉄の総
量の重量比は2.5乃至5とすれば良い。 以上の種々の実験考察から黒鉛に対する重量比
が、酸化鉄1乃至3、酸化チタン0.5乃至2及び
酸化鉄と酸化チタン2.5乃至5の組成とすること
によつて全ての要求を満足する内部導電膜を有す
る陰極線管を得ることができた。第1表に之等の
観点に基いて組成例とその特性を示す。
らネツクにかけての外囲器の内部導電膜の組成に
関するものである。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 従来の陰極線管例えばカラー陰極線管は第1図
に示すような構造を有している。 即ちパネル1、フアンネル2、ネツク3からな
る外囲器内のパネル1内面には蛍光体層及びメタ
ルバツク層からなる蛍光面4が被着されると共に
シヤドウマスク5が蛍光面4に所定間隔をもつて
対設され、フアンネル2からネツク3にかけての
内面にはフアンネル3に設けられた陽極端子6に
導接する内部導電膜7が被着形成されている。ま
たネツク3内には電子銃8が内装され、この電子
銃8のコンバーゼンス電極9にはバルブスペーサ
ー10が内部導電膜7に導接するように設けられ
ていると共にゲツタサポート11を介してフアン
ネルゲツタ12がフアンネル2内壁に弾接するよ
うに設けられている。さらにフアンネル2外壁に
は外部導電膜13が形成されている。 このような陰極線管において内部導電膜7は第
1に陽極端子6に印加された高電圧をバルブスペ
ーサー10、コンバーゼンス電極9を介して電子
銃8の主電子レンズを形成する電極に印加する、
第2に図示しないコネクターを介して蛍光面4の
メタルバツク層及びシヤドウマスクへ高電圧を印
加する、第3にシヤドウマスク5などの管内部品
から反射された電子を吸収する、などの役目を有
している。次に外部導電膜13は通常接地され、
内部導電膜7と外部導電膜13との間の誘電体と
なるフアンネルガラスは高電圧に対する平滑コン
デンサとして作用する。ところで電子銃8を構成
する電極群は電子ビームを発生し静電レンズを形
成して集束し且つ加速するために接地電位から
20KV乃至30KVの高電圧の複数の電位が極めて
近接した各電極に印加されている。従つて何等か
の要因により高い電位差の部材間でフラツシユオ
ーバーを生じた場合、内部導電膜7を通して上記
平滑コンデンサが放電し大電流パルスが生ずるこ
とになる。このフラツシユオーバーによる電流パ
ルスは時として陰極線管に接続されている種々の
回路機器に大きな損傷を与える。このような現象
を防止するためには回路機器に特別の抵抗器を介
するか、または内部導電膜として一般に用いられ
ている50mm隔てた2点間の抵抗が数百Ω/50mmの
低抵抗である黒鉛を3KΩ乃至30KΩ/50mm程度に
高抵抗化することが考えられる。このような観点
から特公昭53−9400号公報では、黒鉛1、酸化鉄
12、アルカリ金属珪酸塩8及び水20の組成で
形成した内部導電膜が提案されている。またこれ
とは別に内部導電膜の被着強度及び膜強度の観点
から特開昭54−95170号公報では、酸化チタン/
グラフアイトを0.5以上6未満及び珪酸塩を0.4以
上とした内部導電膜が提案されている。 しかし乍ら酸化鉄を主体とする内部導電膜は潤
滑性を有し柔らかい黒鉛粒子が少ないため極めて
高い硬度を有する酸化鉄の特性が支配的となり、
その塗膜はバルブスペーサやフアンネルゲツタの
挿入接触時に接触部材の表面を削り落して耐電圧
特性を劣化させたり、導通不良を生じ易い。また
塗膜の接着力が強すぎるため熱膨張差によつて外
囲器のガラスクラツクを誘発する危険性があり好
ましくない。 一方酸化チタンを含む内部導電膜は本発明者等
による実験ではガス放出特性が悪くなる欠点を有
していることが確認された。これは酸化チタン個
有の特性のためか又は酸化チタンが混入すること
による塗膜状態が異なるためか不明ではあるが、
酸化チタン量が多くなる程ガス放出特性が悪くな
る傾向が明瞭に確認された。 〔発明の目的〕 本発明はフラツシユオーバーを防止するための
適度な抵抗値を有し乍ら、接着力、膜強度及びガ
ス特性等の基本的特性を満たした内部導電膜を有
する陰極線管を提供することを目的とする。 〔発明の概要〕 本発明は内部導電膜を、少なくとも酸化鉄及び
酸化鉄の貧導電物質と黒鉛の良導電物質及び珪酸
塩とを含み、黒鉛に対する酸化鉄の重量比が1乃
至3、同じく酸化チタンの重量比が0.5乃至2及
び同じく酸化鉄と酸化鉄の重量比が2.5乃至5の
組成とすることによつて、総合的に基本特性を満
足する内部導電膜を備えた陰極線管である。 〔発明の実施例〕 以下本発明の実施例について詳細に説明する。
尚本発明の実施例に適用される陰極線管の部材構
成自体は第1図に示すものと同様であるので部材
構成についての説明は省略する。 酸化鉄及び酸化チタンはいわゆる貧導電物質で
あり、両者共黒鉛に対する添加量を増すに従つて
その塗膜の電気抵抗は当然増大する。 第2図は黒鉛に対する酸化鉄と酸化チタンの重
量組成比を変えた時の400℃ベーキング後のフア
ンネル塗膜状態での50mm隔てた2点間の電気抵抗
の変化を示すものである。第2図に於て、(a)は酸
化鉄の、(b)は酸化チタンのそれぞれの特性を示
す。フラツシユオーバーを防止するためには
3KΩ乃至30KΩ/50mmの電気抵抗が必要であり、
このためには第2図から黒鉛に対する重量比は酸
化鉄の場合2.5以上、同じく酸化チタンの場合2
乃至3であればよいことがわかる。 しかし乍ら内部導電膜は前述のいくつかの基本
特性を満たすことが必要である。 第1にガス放出特性が良好なことである。陰極
線管の排気工程に於てガス放出特性が悪いと充分
な排気が行なわれず真空度が低下し電子ビームの
エミツシヨン特性に重大な影響を及ぼす。特にネ
ツク径が細い陰極線管ほどその影響は重大であ
る。第3図は第2図と同様黒鉛に対する酸化鉄と
酸化チタンの重量組成比を変えた時の排気工程後
における真空度を示すものである。第3図におい
て、(a)は酸化鉄の、(b)は酸化チタンのそれぞれの
特性を示す。第3図から明らかなように酸化チタ
ンの場合、2.0近傍以上では急激に真空度特性が
悪化する。従つて酸化チタンを重量比2を超えて
添加することはガス放出特性の点から好ましくな
い。また第2図からフラツシユオーバーの防止の
点から酸化チタンを2以下とすると顕著な効果が
得られなくなる。しかし、酸化チタンを2以下と
しても酸化鉄と組み合わせることによりフラツシ
ユオーバーを防止することができる。このときの
黒鉛に対する酸化チタンと酸化鉄の総量の重量比
が2.5以上であれば、酸化チタンを2以下として
もフラツシユオーバーを防止できる。一方酸化鉄
のみの場合、添加量が増加してもガス放出特性は
殆んど変化せず、ガス放出特性に関しては事実上
酸化鉄の混入は影響を及ぼさない。 第2に重要なことは塗膜の接着力及び硬度であ
る。即ち塗膜の接着力が弱い場合、塗膜粒子の剥
離、脱落が生じ易く耐電圧特性を著しく劣化させ
る。また塗膜の硬度が高すぎると塗膜への導線接
続を介する部材の削れが生じ同じく耐電圧特性を
著るしく劣化させる。 第4図は第2図と同様黒鉛に対する酸化鉄と酸
化チタンの重量組成比を変えた時の塗膜の接着力
を測定したものである。第4図において、(a)は酸
化鉄の、(b)は酸化チタンのそれぞれの特性を示
す。また接着力はセロテープを塗膜面に一定の圧
力で押しつけ、はがした後のセロテープ粘着面を
観察したもので、1cm2当りの剥離粒子が、Aは皆
無、Bは平均1〜3点、Cは4〜10点、Dは10〜
20点及びEは20点以上のランクとしたものであ
る。 第4図から明らかなように、酸化チタンの接着
力は若干の改善は認められるものの添加量の増加
に対して大きな変化はない。これに対して酸化鉄
の接着力は添加量の増加に伴つて大きく変化し著
るしい接着力の向上が認められる。しかし乍ら酸
化鉄自体は極めて高い硬度を有する金属酸化物で
あり、酸化鉄の添加量が多すぎると黒鉛の有する
潤滑効果が極端に押えられ酸化鉄の硬度特性が支
配的となり、バルブスペーサ、フアンネルゲツタ
及びパネルとフアンネルの導線接続素子等の挿入
接触時に接触部材の表面を削り落して逆に耐電圧
不良を生ずる恐れがある。このため酸化鉄の中に
酸化チタンの混入が必要となる。このときの混入
量は黒鉛に対する酸化チタンの重量比で少なくと
も0.5以上であれば良いことがわかつた。黒鉛に
対する酸化チタンの重量比が0.5以上であれば、
酸化鉄を入れ過ぎることによる塗膜の表面の削れ
を防止することができる。したがつて、前述のフ
ラツシユオーバー防止も考慮すると、黒鉛に対す
る酸化チタンの重量比は、0.5乃至2とすれば良
い。また接着力があまりにも強いと例えば最高
430℃にも達するベーキング工程で塗膜とガラス
外囲器との熱膨張の差によつて大きな歪が加わり
ガラスクラツクを発生したり、さらには導線接続
不良やアノードオープン等の発生の危険性を生ず
る。従つて黒鉛に対する酸化鉄の重量比は1乃至
3として接着力はB乃至Cのレベルを維持するこ
とが好ましい。また、黒鉛に対する酸化チタンと
酸化鉄の総量の重量比が5以下、即ち、黒鉛に対
する酸化チタンの重量比の上限2と、黒鉛に対す
る酸化鉄の重量比の上限3との和、以下であれば
酸化チタンと酸化鉄を組み合わせても上述した接
着力及びガス放出特性を満足することができる。
したがつて、前述のフラツシユオーバー防止を考
慮すると、黒鉛に対する酸化チタンと酸化鉄の総
量の重量比は2.5乃至5とすれば良い。 以上の種々の実験考察から黒鉛に対する重量比
が、酸化鉄1乃至3、酸化チタン0.5乃至2及び
酸化鉄と酸化チタン2.5乃至5の組成とすること
によつて全ての要求を満足する内部導電膜を有す
る陰極線管を得ることができた。第1表に之等の
観点に基いて組成例とその特性を示す。
【表】
以上のように本発明によれば、内部導電膜とし
ての全ての基本特性を満たし実用上何等支障のな
い陰極線管を提供することができる。
ての全ての基本特性を満たし実用上何等支障のな
い陰極線管を提供することができる。
第1図はカラー陰極線管の構成を示す概略断面
図、第2図,第3図及び第4図はそれぞれ黒鉛に
対する酸化鉄と酸化チタンの重量比を変化させた
時の電気抵抗、管排気後の真空度及び外囲器との
接着力を示す特性図である。 1……パネル、2……フアンネル、3……ネツ
ク、4……蛍光面、5……シヤドウマスク、6…
…陽極端子、7……内部導電膜、8……電子銃。
図、第2図,第3図及び第4図はそれぞれ黒鉛に
対する酸化鉄と酸化チタンの重量比を変化させた
時の電気抵抗、管排気後の真空度及び外囲器との
接着力を示す特性図である。 1……パネル、2……フアンネル、3……ネツ
ク、4……蛍光面、5……シヤドウマスク、6…
…陽極端子、7……内部導電膜、8……電子銃。
Claims (1)
- 1 パネル、フアンネル及びネツクからなる外囲
器の前記フアンネルからネツクにかけての内壁に
被着形成された内部導電膜を備えた陰極線管にお
いて、前記内部導電膜が少なくとも酸化鉄及び酸
化チタンの貧導電物質と黒鉛の良導電物質及び珪
酸塩とを含み、黒鉛に対する酸化鉄の重量比が1
乃至3、同じく酸化チタンの重量比が0.5乃至2
及び同じく酸化鉄と酸化チタンの重量比が2.5乃
至5の組成からなることを特徴とする陰極線管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21600183A JPS60109151A (ja) | 1983-11-18 | 1983-11-18 | 陰極線管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21600183A JPS60109151A (ja) | 1983-11-18 | 1983-11-18 | 陰極線管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60109151A JPS60109151A (ja) | 1985-06-14 |
JPH0516134B2 true JPH0516134B2 (ja) | 1993-03-03 |
Family
ID=16681747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21600183A Granted JPS60109151A (ja) | 1983-11-18 | 1983-11-18 | 陰極線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60109151A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5167992A (ja) * | 1974-12-10 | 1976-06-12 | Nippon Kokuen Kogyo Kk | Inkyokusenkandodenseinaimenhimakukeiseiyososeibutsu |
-
1983
- 1983-11-18 JP JP21600183A patent/JPS60109151A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5167992A (ja) * | 1974-12-10 | 1976-06-12 | Nippon Kokuen Kogyo Kk | Inkyokusenkandodenseinaimenhimakukeiseiyososeibutsu |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60109151A (ja) | 1985-06-14 |
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