JPH0515984A - 異材継手用クラツド材およびその製造方法 - Google Patents

異材継手用クラツド材およびその製造方法

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JPH0515984A
JPH0515984A JP6212291A JP6212291A JPH0515984A JP H0515984 A JPH0515984 A JP H0515984A JP 6212291 A JP6212291 A JP 6212291A JP 6212291 A JP6212291 A JP 6212291A JP H0515984 A JPH0515984 A JP H0515984A
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thickness
clad
bonding
insert
based alloy
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JP6212291A
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English (en)
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Haruhiko Kajimura
治彦 梶村
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】Fe基合金またはNi基合金の第一の材料5とZr系
材料またはTi系材料の第二の材料6と、その中間にある
インサート材7-1または7-1 および7-2 とからなる異材
継手用クラッド材およびその製造方法。第二の材料6の
上に厚さ 0.2μm 以上のTa、NbまたはHfからなる気相蒸
着層、あるいは一層目に第二の材料6と同種で厚さ 0.2
μm 以上のZr若しくはTiからなる気相蒸着層と二層目に
厚さ 0.2μm 以上のTa、NbまたはHfからなる気相蒸着層
を形成させ、次いで第一の材料5と合わせて 700〜950
℃(二層の場合には 650〜950 ℃)の範囲内で熱間圧延
接合することによりそれぞれ厚さ 0.1μm 以上のインサ
ート材7-1 または7-1 と7-2 を有するクラッド材とす
る。 【効果】 クラッド材の接合界面に金属間化合物が殆ど
存在せず、しかも接合強度が高いので、高腐食環境下に
おいて接合界面での耐食性と接合強度に優れた異材継手
用クラッド材となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Fe基合金またはNi基
合金の第一の材料と、Zr系材料またはTi系材料の第二の
材料と、その第一の材料と第二の材料との中間にある気
相蒸着層のインサート材とからなるクラッド材およびそ
の製造方法に係わり、特に高腐食環境下における接合界
面での耐食性と接合強度に優れた異材継手用クラッド材
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Zr系材料またはTi系材料は高耐食性金属
であるが、同時に極めて高価な金属でもある。従って、
Fe基合金またはNi基合金では耐食性が不十分な、極めて
腐食性の強い環境下で使用される装置、配管等の材料と
してZr系材料またはTi系材料が供され、通常の腐食環境
下ではFe基合金またはNi基合金が使用される。このよう
に経済性を考慮しながら使い分ける方法が有利である。
【0003】図1は、Fe基合金またはNi基合金とZr系材
料またはTi系材料の接続において、異材継手用クラッド
材を使用する理由を説明する模式図である。前記のよう
にFe基合金またはNi基合金とZr系材料またはTi系材料を
使い分けると自ずから、Fe基合金またはNi基合金とZr系
材料またはTi系材料の接合部が生じる。しかし、図1の
(a) に示すようにFe基合金またはNi基合金からなる機器
部1とZr系材料またはTi系材料からなる機器部2を直接
溶融溶接すると、溶融溶接部3に非常に脆弱な金属間化
合物(例えばZrFe2 、TiFe、ZrCr2 、TiCr2 等)が多量
に生成し、溶融溶接部3の耐食性と接合強度が著しく劣
化する。これを防止するために、拡散溶接等の非溶融溶
接法によって予め溶接された異材継手用クラッド材が使
用される。図1の(b) では第一の材料5、第二の材料6
および一層のインサート材7-1 からなる異材継手用クラ
ッド材4を使用し、図1の(c) では第一の材料5、第二
の材料6および二層のインサート材7-1 、7-2 からなる
異材継手用クラッド材4を使用して、それぞれ機器部1
と機器部2を接合している。第一の材料5は機器部1と
同一の材質、即ち、Fe基合金またはNi基合金であり、第
二の材料6は機器部2と同一の材質、即ち、Zr系材料ま
たはTi系材料である。このように機器部1と第一の材料
5、および機器部2と第二の材料6を同一の材質にすれ
ば、通常の溶融溶接を行っても溶融溶接部3には脆弱な
金属間化合物は生成しない。
【0004】クラッド材の第一の材料が炭素鋼あるいは
低合金鋼で、第二の材料がTiである場合のインサート材
としては、炭素の拡散を抑えるためにNiが一般に使用さ
れている。しかし、クラッド材の第一の材料がステンレ
ス鋼のような高合金鋼またはNi基合金で、第二の材料が
Zr系材料またはTi系材料である場合にインサート材の材
質としてNiを使用すると、熱間圧延接合、拡散接合等の
熱間接合を行う際に第二の材料側の接合界面にZr−Ni
系、Ti−Ni系の金属間化合物(例えば、ZrNi、TiNi)が
生成し、第二の材料側の接合界面での耐食性と接合強度
が極めて低くなる。またインサート材の材質としてTi系
材料を使用すると、クラッド材の接合界面での接合強度
は良好であるが、熱間接合を行う際に第一の材料側の接
合界面にTi−Fe系、Ti−Ni系の金属間化合物(例えば、
TiFe、TiNi)が生成し、第一の材料側の接合界面での耐
食性は不十分になる。
【0005】第一の材料がステンレス鋼のような高合金
鋼またはNi基合金で、第二の材料がZr系材料またはTi系
材料であるクラッド材(以下、この種のクラッド材を、
単に「クラッド材」と記載する)は高腐食環境下で使用
されるので、高い耐食性と高い接合強度を要求される。
特に、クラッド材の接合界面での優れた耐食性と高い接
合強度が主要性能として必要になる。
【0006】クラッド材の接合界面での耐食性と接合強
度を改善するために、インサート材の材質およびクラッ
ド材の接合方法に種々の工夫がなされている。本願出願
人らは先に、特開昭62−220291号公報、特開昭62−2202
92号公報、特開昭63−230333号公報および特開平2−16
9191号公報のなかで、インサート材としてTaまたはNbを
用い、板状あるいは箔状のインサート材を第一の材料と
第二の材料との間に介在させて熱間圧延接合をする方
法、または第一の材料とインサート材を非溶融溶接(爆
着、摩擦溶接、拡散接合、熱間圧延接合等)により接合
し、第二の材料とインサート材との間を溶融溶接あるい
は非溶融溶接により接合する方法を開示した。これらの
方法により、クラッド材の接合界面での耐食性および接
合強度をかなり改善することができる。しかし、これら
の方法によるクラッド材を腐食性の高い環境下で使用す
ると、微小領域ではあるが第一の材料側の接合界面に依
然として耐食性に劣る部分があることがわかった。
【0007】クラッド材の耐食性と接合強度の向上につ
いて、更に詳しく検討した結果、以下のことが判明し
た。インサート材として板状あるいは箔状のTaまたはNb
を用いてクラッド材を製造する時、TaまたはNbが高融点
であるので加熱温度を高くして接合すると、また加熱と
熱間加工を繰り返すと第一の材料側の接合界面に金属間
化合物(例えばZrFe2 、TiFe)が多く生成する。そして
生成する金属間化合物の量が多くなるほど高腐食環境下
における第一の材料側の接合界面での耐食性が劣化す
る。
【0008】一方、クラッド材を製造する時、第一の材
料側の接合界面に金属間化合物が殆ど発生しない程度に
まで加熱温度を下げると、第二の材料とインサート材と
の接合が不十分となり、接合強度が不足する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】第一の材料がFe基合金
またはNi基合金で、第二の材料がZr系材料またはTi系材
料の異材継手用クラッド材において、TaまたはNbのイン
サート材を用い、接合強度を確保する製造条件でクラッ
ド材を製造すると、NiやTiのインサート材を使用するよ
り金属間化合物の生成は極めて少なくなるが、依然とし
て微小の金属間化合物が第一の材料側の接合界面に生成
している。このクラッド材を腐食性の高い環境下で使用
すると第一の材料側の接合界面での腐食が問題になる。
【0010】本発明の目的は、加熱温度を比較的低くし
て熱間圧延接合を行っても、第二の材料側の接合界面で
の十分な接合強度が得られ、第一の材料側の接合界面で
の耐食性を損なうことのない異材継手用クラッド材およ
びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】図2に本発明のクラッド
材の断面図を模式的に示す。図2の(a) はクラッド材の
インサート材が一層の場合、(b) は二層の場合である。
【0012】本発明は、Fe基合金またはNi基合金の第一
の材料5と、Zr系材料またはTi系材料の第二の材料6
と、その第一の材料5と第二の材料6との中間にあるイ
ンサート材7-1 、または7-1 および7-2 とからなるクラ
ッド材およびその製造方法を要旨とし、その特徴は下記
の、、およびにある。
【0013】 インサート材7-1 が厚さ 0.1μm 以上
のTa、NbまたはHfからなる気相蒸着層であること。
【0014】 第二の材料6の上に厚さ 0.2μm 以上
のTa、NbまたはHfからなるコーティング層を気相蒸着法
により形成させ、そのコーティング層を挟むようにして
第一の材料5と合わせ、その後初回の加熱温度を 700〜
950 ℃の範囲内として熱間圧延接合すること。
【0015】 第一の材料5側のインサート材7-1 が
厚さ 0.1μm 以上のTa、NbまたはHfからなる気相蒸着層
であり、第二の材料6がZr系材料であるときは第二の材
料6側のインサート材7-2 が厚さ 0.1μm 以上のZrから
なり、第二の材料6がTi系材料であるときは第二の材料
6側のインサート材が厚さ 0.1μm 以上のTiからなる気
相蒸着層であること。
【0016】 Zr系材料の第二の材料6の上に厚さ
0.2μm 以上のZrからなるコーティング層を、あるいはT
i系材料の第二の材料6の上に厚さ 0.2μm 以上のTiか
らなるコーティング層を気相蒸着法により形成させ、更
に前記コーティング層の上に厚さ0.2μm 以上のTa、Nb
またはHfからなるコーティング層を気相蒸着法により形
成させ、次いでそれらのコーティング層を挟むようにし
て第一の材料5と合わせ、その後初回の加熱温度を 650
〜950 ℃の範囲内として熱間圧延接合すること。
【0017】
【作用】図2の(a) に示すように、インサート材7-1 の
材質をTa、NbまたはHfにする理由は、第二の材料6側の
接合界面に金属間化合物を生成させないばかりでなく、
第一の材料5側の接合界面にも金属間化合物を生成させ
にくいからである。即ち、Ta、Nb又はHfとFe基合金また
はNi基合金との間に生じる金属間化合物の共晶温度は13
00℃以上と高いので、加熱温度が 950℃以下の熱間圧延
接合では、その金属間化合物の生成量は極めて微量であ
り、耐食性への影響は少ないのである。
【0018】図2の(b) に示すように、インサート材(7
-1および7-2)を二層とするのは、第一の材料5側の接合
界面に金属間化合物を生成させない効果を増すため、お
よび第一の材料5とインサート材 7-1との間の接合強度
を増すためである。このとき第二の材料6がZr系材料で
あるときは第二の材料6側のインサート材の材質をZrと
し、第二の材料6がTi系材料であるときは第二の材料6
側のインサート材の材質をTiとする理由は、このように
すると第一の材料5側の接合界面に生成する微量の金属
間化合物を更に極微量とするために、 950℃以下の加熱
温度の中でもより低温側で熱間圧延接合を行うことがで
きるからである。即ち、第二の材料6側の接合界面での
接合強度は、第二の材料6と高融点(約3000℃)金属で
あるTa、NbまたはHfとの接合よりも第二の材料6と同一
材質のZrまたはTiとの接合の方が高くなる。従って、比
較的低温側で熱間圧延接合を行っても必要な接合強度を
確保できるのである。加熱温度を低くして熱間圧延接合
を行うほど、第一の材料5側の接合界面に金属間化合物
が生成するのを抑制できる。
【0019】Ta、NbまたはHfのインサート材の厚みが
0.1μm より薄いと、高温で高腐食性の環境下での使用
中に、第一の材料側の接合界面での金属間化合物が第二
の材料に直接接触したり、あるいはTa、NbまたはHfのイ
ンサート材に亀裂が生じ、第一の材料が第二の材料に直
接接触して第一の材料と第二の材料とからなる非常に脆
弱な金属間化合物(例えばZrFe2 、TiFe等)が生成する
という問題が生じる。即ち、高腐食環境下においてクラ
ッド材の耐食性が低下することになる。従って、Ta、Nb
またはHfのインサート材の厚みを 0.1μm 以上とする。
厚みの上限は特に定めないが、経済性の点から10μm 以
下とするのが望ましい。
【0020】ZrまたはTiのインサート材の厚みが 0.1μ
m より薄いと、高温で高腐食性の環境下での使用中にT
a、NbまたはHfのインサート材が第二の材料に直接接触
し、第二の材料側の接合界面での接合強度が低下すると
いう問題が生じる。即ち、高腐食環境下においてクラッ
ド材の接合強度が低下することになる。従って、Zrまた
はTiのインサート材の厚みを 0.1μm 以上とする。厚み
の上限は特に定めないが、経済性の点から10μm 以下と
するのが望ましい。
【0021】コーティング層を気相蒸着法により形成さ
せる理由はつぎのとおりである。第一の材料側の接合界
面に金属間化合物を生成させないためには、 950℃以下
の加熱温度の中でもできるだけ低温側で熱間圧延接合を
行えばよい。しかし、低温側で熱間圧延接合を行うほ
ど、第二の材料側の接合界面での接合強度が低下する。
【0022】熱間圧延接合する前に第二の材料側の接合
界面に金属間化合物を生成させない方法で、第二の材料
とインサート材とを強固に密着させておけば、熱間圧延
接合においては、第一の材料側の接合界面での接合強度
を確保しつつ、第一の材料側の接合界面に金属間化合物
を生成させないことに重点を置くのみでよい。従って、
950 ℃以下の加熱温度の中でもより低温側で熱間圧延接
合を行うことができる。
【0023】熱間圧延接合する前に第二の材料側の接合
界面に金属間化合物を生成させることなく、第二の材料
とインサート材とを強固に密着させる最適な方法が気相
蒸着法である。気相蒸着法によれば、各元素を第二の材
料に原子レベルで結合させることができ、板や箔等を接
触させておくだけ (熱間接合の前には全く結合していな
い) に比較して、熱間接合前に格段に優れた接合強度を
付与することができる。
【0024】気相蒸着法は、イオンプレーティング、ス
パッタリング、真空蒸着またはイオンミキシングが望ま
しい。
【0025】本発明のクラッド材の製造方法において、
ZrまたはTiのコーティング層の厚みを 0.2μm 以上とす
るのは、それより薄いと均一なコーティング層が形成さ
れず、 950℃以下の加熱温度の中でもより低温側で熱間
圧延接合を行ったときに第二の材料側の接合界面での接
合強度が不十分になるからである。また、熱間圧延接合
の場合の圧下率は通常50%以下であるから、圧延前のコ
ーティング層の厚みを0.2 μm以上にしておけば、圧延
後のクラッド材においてインサート材の厚みを前記の
0.1μm 以上にすることができる。従って、ZrまたはTi
のコーティング層の厚みを 0.2μm 以上とする。厚みの
上限についての制約は特にないが、経済性の点から20μ
m 以下とするのが望ましい。
【0026】同じようにTa、NbまたはHfのコーティング
層の厚みが 0.2μm より薄いと、均一なコーティング層
が形成されず、熱間圧延接合を行ったときに第一の材料
側の接合界面に金属間化合物が生成するのを抑制できな
くなり、また、熱間圧延接合後のTa、NbまたはHfのイン
サート材の厚みが 0.1μm 以上にならないという問題が
生じる。従って、Ta、NbまたはHfのコーティング層の厚
みを 0.2μm 以上とする。この場合も厚みの上限につい
ての制約は特にないが、経済性を考慮すると20μm 以下
であるのが望ましい。
【0027】熱間圧延接合を行うときの初回の加熱温度
を、Ta、NbまたはHfのインサート材のみの場合に 700〜
950 ℃とし、Ta、NbまたはHfのインサート材に加えてZr
またはTiをもインサート材とする場合に 650〜950 ℃と
する理由は次のとおりである。950 ℃を超える温度に加
熱して初回の熱間圧延接合を行うと、第一の材料側の接
合界面に金属間化合物が生成し易く、その接合界面での
耐食性が低下する。初回の加熱温度が 700℃より低い場
合には、熱間圧延接合を行っても第二の材料側の接合界
面での接合強度が不十分になる。但し、Ta、NbまたはHf
のインサート材に加えてZrまたはTiをもインサート材と
する場合には、初回の加熱温度を 650℃までの比較的低
温に加熱して熱間圧延接合を行っても第二の材料側の接
合界面での接合強度を確保することができる。なお、ク
ラッド材を複数回加熱し圧延する場合には、2回目以降
の加熱温度を初回の加熱温度以下とするのが望ましい。
すでに1回目の熱間圧延で第二の材料は接合されている
ので、初回の加熱温度よりも高い温度に加熱すると金属
間化合物が生成しやすいからである。
【0028】
【実施例】表1にクラッド材の第一の材料であるFe基合
金(ステンレス鋼 JIS SUS304L)およびNi基合金(イン
コネル 690・・商品名)、表2にクラッド材の第二の材
料であるZr系材料(純Zr、Zr合金)およびTi系材料(純
Ti)のそれぞれの化学組成を掲げる。
【0029】材質が純Zr、Zr合金または純Tiで、外径2
7.8mmの中実棒にTa、NbまたはHfを気相蒸着法により所
定の厚みにコーティングした。また、前記材質と寸法の
中実棒に純Zrまたは純Tiを気相蒸着法により所定の厚み
にコーティングし、次いでTa、NbまたはHfを気相蒸着法
により所定の厚みにコーティングした。
【0030】材質がSUS304L またはインコネル 690で、
外径40mm、肉厚 6mmの管に上記のコーティングがなされ
た中実棒を挿入し、10-3torrの真空条件下で前記の管の
管端を溶接密閉して組立素材とした。
【0031】上記の組立素材を所定の温度に加熱した
後、所定の外径減少率で3個のコーン型ロールを有する
傾斜圧延機により熱間圧延接合を行った。
【0032】表3−1、表3−2および表3−3に、ク
ラッド材の第一の材料、第二の材料、コーティング層の
材質と厚みおよびコーティング方法、熱間圧延接合を行
ったときの加熱温度と外径減少率、並びに製品になった
クラッド材のインサート材の厚みおよび第二の材料側の
接合界面での接合強度(以下、単に「接合界面での接合
強度」という)と第一の材料側の接合界面での腐食深さ
(以下、単に「接合界面での腐食深さ」という)を併記
する。
【0033】接合界面での接合強度は次のようにして求
めた。まず、、図3に示すように、圧延接合された丸棒
から外側材を接合界面から半径方向に 0.5mm内側まで一
部削り取り、φD2−φD3=1.0 mmの試験片を作製した。
これをφD4が、φD3<φD4<φD1の関係にある治具に載
せて、上から荷重をかける剪断試験に付し、接合面と平
行に剥離するに要した単位面積当たりの力を求めた。
【0034】接合界面での腐食深さを求める試験は、8
NのHNO3にCr6+イオンを0.2g/l添加した沸騰温度の液中
に、円筒形クラッド材を厚さ3mmに輪切りした試験片を
120時間浸漬し、その後、接合界面の断面を光学顕微鏡
で観察することにより行った。
【0035】気相蒸着法として、イオンプレーティング
(表中の記号「IP」で示す)、スパッタリング(表中の
記号「SP」で示す)およびイオンミキシング(表中の記
号「IM」で示す)を採用した。
【0036】試験No.1〜9 は本発明例である。第二の材
料の上にTa、NbまたはHfを気相蒸着法によりコーティン
グし、その後第一の材料と合わせて 700〜950 ℃の範囲
内で一回の熱間圧延接合を行ってクラッド材を製造した
場合である。インサート材が厚み 0.1μm 以上のTa、Nb
またはHfからなる気相蒸着層であるので接合界面での接
合強度が極めて大きく、しかも接合界面での腐食深さが
極めて浅い。
【0037】試験No. 10〜13は、試験No.1〜9 に対応す
る比較例である。試験No. 10は、コーティング層の厚み
を0.2μm より薄くしたので、製品になったクラッド材
のインサート材の厚みも 0.1μm 未満になり、その結果
接合界面での腐食深さが極めて深い。試験No. 11は、熱
間圧延接合を行う前の加熱温度を 700℃未満としたから
接合界面での接合強度が本願発明例のほぼ半分以下であ
る。試験No. 12は、加熱温度が950 ℃を超えて熱間圧延
接合を行ったので接合界面での腐食深さがかなり深い。
試験No. 13は、インサート材が気相蒸着層ではなく箔状
のTaで、加熱温度を本発明例の程度に低くして熱間圧延
接合を行ったので、接合界面での接合強度が本願発明例
のほぼ半分以下である。
【0038】試験No. 14〜22は本発明例である。まず第
二の材料の上にZrまたはTiを気相蒸着法によりコーティ
ングし、次いでその上にTa、NbまたはHfを気相蒸着法に
よりコーティングし、その後第一の材料と合わせて 650
〜950 ℃の範囲内で一回の熱間圧延接合を行ってクラッ
ド材を製造した場合である。インサート材が厚み 0.1μ
m 以上のZrまたはTiからなる気相蒸着層と厚み0.1μm
以上のTa、NbまたはHfからなる気相蒸着層であるので接
合界面での接合強度が極めて大きく、しかも接合界面で
の腐食深さが極めて浅い。
【0039】試験No. 23〜27は、試験No. 14〜22に対応
する比較例である。試験No. 23〜24は、インサート材が
Taの気相蒸着層のみであり、ZrまたはTiの気相蒸着層で
ない。それにもかかわらず、加熱温度を 650℃以上では
あるが 700℃未満にして熱間圧延接合を行ったので、接
合界面での接合強度が本願発明例のほぼ半分以下であ
る。試験No. 25は、コーティング層の厚みを0.2μm よ
り薄くしたので、製品になったクラッド材のインサート
材の厚みも 0.1μm 未満になり、その結果接合界面での
腐食深さが極めて深い。試験No. 26は、 950℃を超える
温度に加熱して熱間圧延接合を行ったので接合界面での
腐食深さが極めて深い。試験No. 27は、 650℃より低い
温度に加熱して熱間圧延接合を行ったので接合界面での
接合強度が本願発明例のほぼ半分以下である。
【0040】試験No. 28〜32は本発明例である。複数回
の熱間圧延接合を行ったにも拘わらず接合界面での腐食
深さが極めて浅い。
【0041】試験No. 33は、試験No. 28〜32に対応する
比較例である。インサート材が気相蒸着層ではなく箔状
のTaであり、接合界面での接合強度を確保するために、
加熱温度を比較的高くして2回の熱間圧延接合を行った
ので、接合界面での接合強度は目標どおりであるが、接
合界面での腐食深さが極めて深い。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3−1】
【0045】
【表3−2】
【0046】
【表3−3】
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、比較的低い
加熱温度での熱間圧延接合を行うことにより、クラッド
材の接合界面での金属間化合物の生成を効果的に抑制し
つつ、しかも高い接合強度のクラッド材を製造すること
ができる。従って、本発明の異材継手用クラッド材は、
高腐食環境下において接合界面での耐食性と接合強度に
優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fe基合金またはNi基合金とZr系材料またはTi系
材料の接続を説明する模式図である。(a) は直接溶融溶
接、(b)、(c) はそれぞれ一層、二層のインサート材か
らなる異材継手用クラッド材を使用した溶接である。
【図2】本発明のクラッド材の断面を模式的に示したも
のである。(a) 、(b) はクラッド材のインサート材がそ
れぞれ一層、二層の場合である。
【図3】クラッド材の接合強度を評価するための剪断試
験方法を説明する断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe基合金またはNi基合金の第一の材料
    と、Zr系材料またはTi系材料の第二の材料と、上記第一
    の材料と第二の材料との中間にある1層のインサート材
    とからなるクラッド材であって、そのインサート材が厚
    さ 0.1μm 以上のTa、NbまたはHfからなる気相蒸着層で
    あることを特徴とする異材継手用クラッド材。
  2. 【請求項2】 Zr系材料またはTi系材料の上に厚さ 0.2
    μm 以上のTa、NbまたはHfからなるコーティング層を気
    相蒸着法により形成させ、そのコーティング層を挟むよ
    うにしてFe基合金またはNi基合金と合わせ、その後初回
    の加熱温度を700 〜950 ℃の範囲内として熱間圧延接合
    することを特徴とする請求項1に記載の異材継手用クラ
    ッド材の製造方法。
  3. 【請求項3】 Fe基合金またはNi基合金の第一の材料
    と、Zr系材料またはTi系材料の第二の材料と、上記第一
    の材料と第二の材料との中間にある2層のインサート材
    とからなるクラッド材であって、上記第一の材料側のイ
    ンサート材が厚さ 0.1μm 以上のTa、NbまたはHfからな
    る気相蒸着層であり、上記第二の材料がZr系材料である
    ときは、上記第二の材料側のインサート材が厚さ 0.1μ
    m 以上のZrからなり、上記第二の材料がTi系材料である
    ときは、上記第二の材料側のインサート材が厚さ 0.1μ
    m 以上のTiからなる気相蒸着層であることを特徴とする
    異材継手用クラッド材。
  4. 【請求項4】 Zr系材料の上に厚さ 0.2μm 以上のZrか
    らなるコーティング層を、あるいはTi系材料の上に厚さ
    0.2μm 以上のTiからなるコーティング層を気相蒸着法
    により形成させ、さらに前記コーティング層の上に厚さ
    0.2μm 以上のTa、NbまたはHfからなるコーティング層
    を気相蒸着法により形成させ、次いでそれらのコーティ
    ング層を挟むようにしてFe基合金またはNi基合金と合わ
    せ、その後初回の加熱温度を 650〜950 ℃の範囲内とし
    て熱間圧延接合することを特徴とする請求項3に記載の
    異材継手用クラッド材の製造方法。
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