JPH0515964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、噴霧器の薬液を加圧する圧力容器に
最適な安全弁に関する。

従来技術 噴霧器は、薬液タンクを兼ねた耐圧容器中を、
空気ポンプによつて加圧するか、若しくは、密閉
した耐圧容器中に、薬液ポンプによつて、薬液を
圧入するかして、これら圧力容器から成る薬液加
圧室内の加圧薬液を噴口に導いて、作物等に散布
するように構成されているものが多い。本考案
は、この種の薬液加圧室をなす圧力容器に取り付
ける開閉栓を兼ねた安全弁に関するものである。

このような噴霧器による薬液散布が終了して、
コツクを閉じて、薬液の放出を停止させても、薬
液を圧送する薬液加圧室内は、まだ高圧であるた
め、噴霧器を洗浄したりする為には、薬液加圧室
内を大気圧まで下げてからでないと、取り外しや
分解ができない。しかしながら、一般に薬液加圧
室内が高圧の場合は、その圧力容器に設けられて
いる開口部に螺合している蓋は、内圧を受けて固
着してしまうため、指で開けることは困難な場合
が多かつた。従つて、仕方なく、不要な薬液散布
をして圧を下げるなどの操作をせざるを得なかつ
た。

考案の目的 本考案は、このような事情に対処してなされた
ものであつて、噴霧器の薬液加圧室をなす圧力容
器の破裂などの危険を防止する為の安全弁に、必
要に応じて、圧力容器内を大気に開放できる開閉
機能を付与した新規安全弁を提供することを目的
とするものである。

考案の構成 本考案の要旨は、噴霧器の薬液加圧室をなす圧
力容器側に設けた開口部に気密に螺合可能な蓋体
の内側に、圧力容器内に向かつて突出する円筒部
を形成し、該円筒部の一端を閉塞している前記蓋
体の中央部と、円筒部の他側、即ち、圧力容器側
閉塞部の中央部とに穿設された挿通孔には、両端
付近に抜け止め用突起を有する開閉ロツドが遊挿
されており、前記円筒部内側には、前記開閉ロツ
ドの外周面と、該外周面に対面する円筒部内周面
とに、気密に摺接するシール部材が収納されてお
り、このシール部材は、バネにより付勢されて、
円筒部の前記圧力容器側閉塞部に圧接しており、
前記開閉ロツドには、適所に通気道を設けて、該
ロツドを圧力容器側に一杯に押し込んだ際には、
圧力容器内を該通気道を介して大気に連通せしめ
ることができ、且つ、該ロツドを引き出しておい
て用いると、圧力容器内圧により、シール材がバ
ネ圧に抗して、一定距離だけ移動すると、圧力容
器内が通気道を介して、大気に連通して安全弁と
して機能するように構成した点にある。以下、実
施例に基ずいて、詳細に説明する。

第１図において、圧力容器１は、手動空気ポン
プによつて加圧される、薬液タンクを兼ねた薬液
加圧室で、その壁面を筒状に突出させて設けた開
口部２の外周面に設けた雄ねじ部２ａに、内周面
に雌ねじ部３ａを有する蓋体３が、Ｏリング４に
より気密に螺合することができ、この蓋体３の内
側に、一端にフランジ５ａと他端に円筒内側に突
出する突縁から成る閉塞部５ｂを有する円筒部５
が形成されている。該円筒部５は、蓋体３を圧力
容器の開口部２に螺着して締め付けた際に、開口
部端縁２ｂと蓋体３とにより、Ｏリング４を介し
て、挟圧保持されて固定されるようになつてい
る。円筒部５のフランジ側開口端を閉塞する蓋体
の中央部と、円筒部５の圧力容器側閉塞部５ｂの
中央部には、夫々、挿通孔３ｂ、５ｃが穿設され
ており、この両挿通孔３ｂ，５ｃを通して、開閉
ロツド６が遊挿されている。開閉ロツド６は、円
筒部５の軸方向の長さに比べて、十分に長く設定
されており、その両端付近には、挿通孔３ｂの直
径よりも大きな抜け止め用突起６ａ，６ｂが設け
られている。円筒部５の内側には、開閉ロツド６
の外周面６ｃと、円筒部内周面５ｄとに摺動自在
に接するシール部材としてのＯリング７が嵌挿さ
れており、このＯリング７を、コイルバネ８が、
開閉ロツドに遊嵌している押さえリング９を介し
て付勢して、閉塞部５ｂに圧接している。開閉ロ
ツド６の周面には、該ロツドを第１図のように、
圧力容器外にほぼ一杯に引き出している状態で、
圧力容器内圧により、Ｏリング７がコイルバネ８
に抗して上昇し、許容限界圧に達したときの上昇
位置を、始点１０ａとする通気道としての溝１０
が、刻設されており、該溝１０は、つまみを兼ね
た抜け止め用突起６ａの方向に、適当な長さに設
けられている。ロツドの長さは、開閉ロツド６
を、圧力容器内に向かつて一杯に押し込んだ場合
に、溝１０の始点１０ａが、シール部材としての
Ｏリング７より圧力容器内側に位置せしめること
ができるように決められて成るものである。１１
は、通気孔である。

第２図は、本考案の他の実施例であつて、第１
図に示した実施例との相違点を中心に説明する
と、この実施例においては、圧力容器２１の壁面
を容器内方に筒状に陥入させて形成した開口部２
２に、パツキン２４によつて気密に螺合する蝶ね
じ状の蓋体２３の内側に蓋体と一体的に円筒部２
５が形成され、円筒部の圧力容器側の閉塞部２５
ｂの中央部と、蓋体２３の中央部とを貫通して、
開閉ロツド２６が遊挿されている。開閉ロツド２
６には、圧力容器の許容圧力限界に対応する位置
に一端が開口し、他端が、該ロツドの大気側端部
２６ａに開口する通気道３０が穿設されて成るも
のである。２８はコイルバネ、２９は通気孔、２
７は開閉ロツドと円筒部２５とに摺接するシール
部材である。

実施例１と実施例２の使用方法は全く同一であ
つて、安全弁として使用する場合には、開閉ロツ
ドを大気側に引き出して使用し、必要に応じて、
圧力容器内を、大気圧に戻す場合には、開閉ロツ
ドを圧力容器中に押し込んで、該容器内に大気を
導入し、常圧に戻すように用いる。

効 果 本願考案は、従来二つの部品によつて構成され
ていたものを一体化することにより、製造及び取
付の費用が大幅に節約されると共に、操作も容易
である。更に、実施例２に示すように、円筒部
と、蓋体とを一体化すれば、噴霧器の薬液加圧室
を兼ねた薬液タンクの薬液注入口を塞ぐ蓋として
の役割も果たすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す断面図であ
る。第２図は、本考案の他の実施例を示す断面図
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 噴霧器の薬液加圧室をなす圧力容器側に設けた
   開口部に気密に螺合可能な蓋体の内側に、圧力容
   器内に向かつて突出する円筒部を形成し、該円筒
   部の一端を閉塞している前記蓋体の中央部と、円
   筒部の圧力容器側閉塞部の中央部とに穿設された
   挿通孔には、両端付近に抜け止め用突起を有する
   開閉ロツドが遊挿されており、前記円筒部内側に
   は、前記開閉ロツドの外周面と該外周面に対面す
   る円筒部内周面とに、同時に、気密に摺動自在に
   接触するシール部材が、収納されており、該シー
   ル部材は、バネによつて、付勢されて、円筒部の
   前記圧力容器側閉塞部に圧接しており、前記開閉
   ロツドには、該ロツドの、圧力容器内側の一端か
   ら所定距離をおいた中途から、開閉ロツドの他端
   側に向けて、通気道を設けてあることを特徴とす
   る圧力容器の開閉栓を兼ねた安全弁。