JPH0515959A - ステツピングシリンダのロツド位置制御方法 - Google Patents

ステツピングシリンダのロツド位置制御方法

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JPH0515959A
JPH0515959A JP19590091A JP19590091A JPH0515959A JP H0515959 A JPH0515959 A JP H0515959A JP 19590091 A JP19590091 A JP 19590091A JP 19590091 A JP19590091 A JP 19590091A JP H0515959 A JPH0515959 A JP H0515959A
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JP
Japan
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pulse
stepping cylinder
deviation
output
rod
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JP19590091A
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Kazuharu Hanazaki
一治 花崎
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステッピングシリンダのロッド位置制御に際
し、負荷側での摩擦抵抗に起因する出力ロッドの動作遅
れを抑制し、応答性の更なる向上を図る。 【構成】 ステッピングシリンダの駆動源となるパルス
モータの駆動回路80に駆動パルスを出力する第1,第2
のパルス発生器23,24を設け、これらに、必要とされる
位置変更量Sを端数補正してなる補正変更量S′を与え
る。第1のパルス発生器23は、この補正変更量S′に相
当する数を所定数だけ超えるパルスを有するパルス列を
駆動回路80に出力し、また第2のパルス発生器24は、第
1のパルス発生器23の出力終了後に、前記所定数のパル
スを有する逆向きのパルス列を駆動回路80に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、連続鋳造用の
鋳型内部における湯面レベル制御の実施に際して該鋳型
への注湯量の調節手段として用いられているステッピン
グシリンダのロッド位置を高精度に制御する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造設備の操業に際し、鋳型内部の
湯面レベルを所定の目標レベルに保つべく行われる湯面
レベル制御は、前記鋳型内での溶鋼の冷却,凝固状態を
安定化させ、製品鋳片の品質を向上させると共に、ブレ
ークアウト等、操業の休止を強いる各種の不都合の発生
を未然に防止するために極めて重要なものである。
【0003】この湯面レベル制御は、鋳型への注湯を行
う注湯ノズルに、スライディングノズル、ストッパ装置
等の開閉手段を付設する一方、鋳型内部の湯面レベルを
逐次検出し、これと前記目標レベルとの偏差を解消すべ
く前記開閉手段の開度を調節して、鋳型への注湯量を加
減する手順にて行われる。
【0004】前記開閉手段の開度調節は、一般的に、油
圧サーボシリンダとサーボ弁とを備えた油圧サーボ系に
より行われている。ところがこの場合、鋳型の直上に位
置するサーボシリンダの近くに耐熱性に劣るサーボ弁を
配し得ないため、両者を接続する長寸の油圧配管を要
し、またサーボシリンダとサーボ弁との間の位置変動を
吸収するため、前記油圧配管としてフレキシブルチュー
ブを用いざるを得ないことから、サーボ弁からの送給油
圧がフレキシブルチューブの拡張及びこれの内部の滞留
油の圧縮に供され、サーボ弁の動作に応じてサーボシリ
ンダが動作するまでの間、即ち、湯面の変動が生じてか
ら該湯面の調整動作がなされるまでの間のタイムラグが
大きく、応答性の向上に限界があって、近年における鋳
込速度の高速化の要求に対応し得ないという難点があ
る。
【0005】この難点を解消するため近年、サーボ弁と
サーボシリンダとの組み合わせに換えて、前記開閉手段
の駆動にステッピングシリンダを用いた連続鋳造設備が
実用化されている。ステッピングシリンダは、前記開閉
手段の開閉力を発生する油圧シリンダにパルスモータに
よって駆動される制御スプールを付設し、該制御スプー
ルと前記油圧シリンダの出力ロッドとが油圧力によりバ
ランスするように動作する直動形のアクチュエータであ
り、油圧配管が実質的に不要となることから、湯面レベ
ル制御における応答性の大幅な向上が実現される。
【0006】この種の連続鋳造設備における湯面レベル
制御は、湯面レベルの検出値と目標レベルとの偏差を解
消すべく前記パルスモータを回転駆動し、ステッピング
シリンダのロッド位置を制御することにより達成される
が、このとき、前記偏差を解消すべく発せられる位置型
の制御指令をそのまま用いることはできず、湯面レベル
の検出結果に基づいて制御指令を発する上位のコントロ
ーラ(開度制御部)を速度型に更新する方法、又は開度
制御部からの位置型の指令を速度型の指令に変換してパ
ルスモータに出力する下位のコントローラ(シリンダ制
御部)を設ける方法のいずれかが採用される。
【0007】これらのうち前者の方法は、新規に計画さ
れる連続鋳造設備には有効であるが、油圧サーボ系によ
り開度調節を行っていた既存の連続鋳造設備をステッピ
ングシリンダによる調節に改造する場合、コントローラ
の更新のために長期間の操業停止を強いられるという難
点があり、一般的には後者の方法、即ち位置型の指令を
速度型の指令に変換するシリンダ制御部を設ける方法が
採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さて、従来における前
記シリンダ制御部は、ステッピングシリンダの現状のロ
ッド位置と上位のコントローラから与えられる目標位置
との偏差を求め、この偏差の大きさに対応する数のパル
スと、この偏差の方向(正負)に対応する向きとを有す
るパルス列を出力する構成となっている。
【0009】図5は、シリンダ制御部が出力するパルス
列に対するステッピングシリンダの制御スプール及び出
力ロッドの挙動を示すタイムチャートである。本図に明
らかな如く、パルスモータの回転により直接的に駆動さ
れる制御スプールは、前記パルス列の発振周期に相当す
る一定の速度(傾き)を有して目標位置に速やかに達
し、該位置に正しく整定する挙動を示すが、この制御ス
プールの動作に連動する出力ロッドの挙動には、これの
出力端に連結された負荷側の摩擦抵抗の影響による遅れ
が生じる。
【0010】即ち、ステッピングシリンダの出力ロッド
は、制御スプールの動作開始に応じてその動作を開始す
るまでの間に、負荷側の静摩擦抵抗に抗するための所定
の時間遅れを生じ(図のA領域)、その後は、負荷側で
の動摩擦抵抗に抗して制御スプールと略等しい速度にて
動作し(図のB領域)、更に制御スプールの位置が整定
した後においては、該制御スプールとの間に形成される
作動油の送給油路が自身の動作に伴って減少し推進力が
弱化することから、除々に速度を減じつつ目標位置に到
達する(図のC領域)挙動を示す。
【0011】制御スプールの応答速度は、パルスモータ
の応答速度に略等しく、50mm/sec〜100mm/sec 程度の高
速応答が可能であり、また、連続鋳造設備の湯面レベル
制御の実施中に開閉手段における開度変更量、即ちステ
ッピングシリンダのロッド位置変化量の最大値は±0.5m
m 程度であることから、図5におけるA領域及びB領域
の合計所要時間は 0.005( 0.5/100)〜0.01(0.5/50)
sec となるのに対し、制御スプールの停止後に出力ロッ
ドが目標位置に達するまでの時間、即ち前記C領域の所
要時間は通常 0.2〜0.25secにも達し、前述の如く行わ
れるロッド位置制御においては、C領域における所要時
間が応答性の向上を阻害する要因となっている。
【0012】図5に明らかな如くC領域における所要時
間は、前記A領域での所要時間を短縮し、制御スプール
の停止時、即ちB領域からC領域への移行点における出
力ロッドと制御スプールとの間の位置誤差を小さくする
ことにより短縮できるが、A領域の所要時間は、前述の
如く、負荷側での静摩擦力に抗して出力ロッドが動作を
開始するまでの時間、即ち負荷側の状態によって定まる
時間であり、これを操作することはできない。
【0013】またC領域における時間短縮は、制御スプ
ールの停止後に出力ロッドの動作に伴って生じる作動油
の送給油路の減少程度を緩和すること、即ち、制御スプ
ールと出力ロッドとの相対動作に対する流量特性を大き
くすることによっても達成される。ところがこの場合、
パルスモータの回転に伴う制御スプールのわずかな移動
により多量の作動油がシリンダ内に送り込まれる結果と
なり、ハンチングを招来して、出力ロッドの動作が不安
定となる新たな難点が生じる。
【0014】なお以上の難点は、連続鋳造設備における
湯面レベル制御に限らず、位置型の指令に従ってステッ
ピングシリンダのロッド位置制御を行う各種の用途にお
いて全く同様に生じるものである。
【0015】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、出力ロッドが所定の目標位置に整定するまでの
時間を短縮して、位置型の指令に従うステッピングシリ
ンダのロッド位置制御を、可及的に高い応答性にて実現
する制御方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るステッピン
グシリンダのロッド位置制御方法は、パルスモータの回
転に応じた動作をなすステッピングシリンダのロッド位
置を検出し、所定の目標位置との偏差を求め、この偏差
を解消すべく発信される駆動パルスにより前記パルスモ
ータを回転駆動するステッピングシリンダのロッド位置
制御方法において、前記駆動パルスは、前記偏差の方向
に対応する向きに発せられ、該偏差の大きさに相当する
数を所定数超えるパルス数を有する第1のパルス列と、
これの発信後に前記偏差の方向と異なる向きに発せら
れ、前記所定数のパルスを有する第2のパルス列とから
なることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明においては、ステッピングシリンダの現
状のロッド位置と目標位置との偏差を求めた後、この偏
差に対応する向きに、この偏差の大きさに相当する数よ
りも所定数だけ多いパルスを有する第1のパルス列を発
し、ステッピングシリンダの制御スプールを本来の目標
位置を超えて移動させ、この移動に遅れて動作する出力
ロッドの制御スプールの停止時における動作位置を本来
の目標位置に近づけておき、この後更なる出力ロッドの
動作により目標位置に達する前に、前記所定数のパルス
を有する第2のパルス列を逆向きに発して制御スプール
を目標位置にまで戻し、出力ロッドの動作位置をこの目
標位置に整定させる。
【0018】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は本発明に係るステッピングシリンダ
のロッド位置制御方法(以下本発明方法という)の連続
鋳造設備の湯面レベル制御における実施状態を示す模式
図である。
【0019】図中Tは、その内部に溶鋼3を貯留するタ
ンディッシュである。該タンディッシュTの下方に適長
離隔した位置には筒形をなす鋳型Mが配してあり、該鋳
型Mの内部には、タンディッシュTの底面にその基端を
開口させた浸漬ノズル4が延設されている。而して、タ
ンディッシュT内の溶鋼3は、浸漬ノズル4を介して鋳
型Mに注入され、該鋳型Mの内壁との接触により冷却さ
れて外側を凝固シェル50にて被覆された鋳片5となり、
鋳型Mの下方に連続的に引抜かれる。そしてこの引抜き
の間に更に冷却されて、内側にまで凝固が進行した後に
適宜の寸法に切断され、圧延等の後工程における素材と
なる製品鋳片が得られる。
【0020】浸漬ノズル4の中途には、これの長手方向
と略直交する面内でのゲート板60の摺動により該浸漬ノ
ズル4を開閉して、鋳型Mへの注湯量を調節するスライ
ディングノズル6が固設してある。スライディングノズ
ル6のゲート板60は、パルスモータ8を一体的に備えた
ステッピングシリンダ7の出力ロッドの先端に連結して
ある。また、鋳型M内部の湯面レベルは、該鋳型M内に
滞留する溶鋼3の表面に臨ませたレベル検出器9にて検
出されるようになしてある。
【0021】公知の如くステッピングシリンダ7は、パ
ルスモータ8の回転に応じて位置決めされる制御スプー
ルを内蔵し、該制御スプールと出力ロッドとが油圧力に
よりバランスするように動作する直動形のアクチュエー
タであり、出力ロッドの進退動作に伴うゲート板60の摺
動によりスライディングノズル6の開度調節がなされ、
鋳型Mへの注湯量が加減される。
【0022】以上の如き構成の連続鋳造設備における湯
面レベル制御は、レベル検出器9による湯面レベルの検
出結果に基づいてパルスモータ8の駆動回路80に駆動指
令を与え、ステッピングシリンダ7のロッド位置を制御
することにより行われる。この制御を行うための制御装
置は、上位の位置型コントローラである開度制御部1
と、下位の速度型コントローラであり、本発明方法に従
った動作をなすシリンダ制御部2とを備えてなる。
【0023】上位の開度制御部1には、レベル検出器9
により検出された鋳型M内の現状の湯面レベルと、予め
設定された目標レベルとの偏差が逐次与えられており、
開度制御部1は、この偏差を用いたPID演算を所定の
制御周期毎に実施し、前記偏差を解消するために必要な
目標開度を求め、この結果を開度指令としてシリンダ制
御部2に出力する動作をなす。
【0024】シリンダ制御部2は、開度制御部1から与
えられた位置型の開度指令を用い、これを実現するため
に必要なパルスモータ8の回転方向及び回転量を決定
し、この結果をパルスモータ8の駆動回路80に、速度型
の指令、具体的にはパルスモータ8を正転方向又は逆転
方向に駆動するパルス列として出力する動作をなす。
【0025】図2は、シリンダ制御部2の内部構成を示
すブロック図である。本図に示す如くシリンダ制御部2
は、加算器20,21、除算器22、第1のパルス発生器23、
第2のパルス発生器24、及び積算カウンタ25を備えてな
り、開度制御部1から与えられる開度指令は、積算カウ
ンタ25の出力として後述の如く得られる現状のロッド位
置のフィードバック信号と共に加算器20に与えられてお
り、該加算器20は両者の偏差Sを求め、この結果を加算
器21に与える。
【0026】前記偏差Sは、前記開度指令を実現するた
めに必要なスライディングノズル6の開度変更量、即ち
ステッピングシリンダ7におけるロッド位置変更量であ
り、加算器21は、この位置変更量Sに後述の如く発生す
る端数S″を加算し、得られた補正変更量S′を除算器
22に出力する。除算器22には、一回のパルス出力に応じ
たパルスモータ8の単位回転により生じるステッピング
シリンダ7のロッド位置変化量、即ち、ステッピングシ
リンダ7の分解能nが設定されており、除算器22は、加
算器21から与えられる補正変更量S′を前記分解能nに
て除算し、得られた商Nを第1,第2のパルス発生器2
3,24に出力すると共に、除算の結果として生じた端数
S″を加算器21にフィードバック出力する。
【0027】以上の過程において、除算器22が出力する
商Nの絶対値は、補正変更量S′を得るためにパルスモ
ータ8に与えるべきパルス数を、前記商Nの正負は、パ
ルスモータ8の回転方向を示している。第1のパルス発
生器23は、前記商Nの絶対値に後述の如く決定される超
過数δを加えた数のパルスを有し、前記商Nの正負によ
り定まるパルスモータ8の回転方向と同向きの第1のパ
ルス列を発生してパルスモータ8の駆動回路80に出力す
る動作をなし、また第2のパルス発生器24は、第1のパ
ルス発生器23の出力が終了し、後述する所定の遅延時間
Δtが経過した後に、前記超過数δに等しいパルス数を
有し、前記商Nの正負により定まるパルスモータ8の回
転方向とは逆向き、即ち、第1のパルス発生器23の発生
パルスとは逆向きの第2のパルス列を発生し、同じく駆
動回路80に出力する動作をなし、駆動回路80を経て与え
られるこれらのパルス列によりパルスモータ8が回転駆
動されて、ステッピングシリンダ7のロッド位置が制御
される。
【0028】なお、第1,第2のパルス発生器23,24の
出力パルスは、積算カウンタ25にて逐次積算され、ステ
ッピングシリンダ7の現状のロッド位置、即ち、スライ
ディングノズル6の現状の開度を示す信号として前記加
算器20にフィードバックされている。またパルス発生器
23,24が発生するパルス列の周波数は、パルスモータ8
を可及的に大きい速度にて駆動して応答性を向上せしめ
るべく、該パルスモータ8の自起動周波数が採用されて
いる。
【0029】また前記除算器22での除算は、加算器20の
出力である位置変更量Sに前回の除算により生じた端数
S″を加算した補正変更量S′に対して行われるから、
各制御機会において発生する端数S″が切捨てられるこ
とがなく、開度制御部1から順次与えられる開度指令が
精度良く実現される。
【0030】シリンダ制御部2の以上の動作によりパル
スモータ8は、目標となる補正変更量S′の大きさに対
応する数を超過数δだけ超えるパルス数を有し、この
S′の正負に対応する向きに発せられる第1のパルス列
により駆動され、次いで前記遅延時間Δtが経過した後
に、前記超過数δに等しいパルス数を有して第1のパル
ス列と逆向きに発せられる第2のパルス列にて駆動され
ることになる。
【0031】図3は、以上の如くパルスモータ8を駆動
した場合、即ち本発明方法を実施した場合におけるステ
ッピングシリンダ7の制御スプール及び出力ロッドの挙
動を示すタイムチャートである。本図に明らかな如く、
パルスモータの回転により直接的に駆動される制御スプ
ールは、第1のパルス列の出力開始と共に速やかに移動
を開始し、現状位置から前記補正変更量S′だけ離れた
位置にある正規の目標位置を前記超過数δに対応する長
さ(δ×n)だけ超えた仮の目標位置に達し、該位置に
前記Δtの間停止した後、第2のパルス列の作用により
逆向きに移動して、正規の目標位置に整定する挙動を示
す。
【0032】一方、ステッピングシリンダ7の出力ロッ
ドは、これに連結された負荷側の摩擦抵抗、具体的に
は、スライディングノズル6のゲート板60における摩擦
抵抗の影響により、前述した制御スプールの挙動に遅れ
を有して追随する。即ち、第1のパルス列に応じた制御
スプールの動作開始に伴って出力ロッドが動作を開始す
るまでの間に、ゲート板60の静摩擦抵抗に抗するための
時間遅れを生じ(図のA領域)、その後の出力ロッド
は、ゲート板60の動摩擦抵抗に抗して制御スプールと略
等しい速度にて動作し(図のB領域)、更に制御スプー
ルが停止した後においては、該制御スプールとの間に形
成される作動油の送給油路が自身の動作に伴って減少し
推進力が弱化することから、その速度を減じつつ制御ス
プールの停止位置に漸近(図のC領域)する挙動を示
す。
【0033】前述の如く、第1のパルス列の発信停止に
伴う制御スプールの停止位置は、正規の目標位置を超え
た位置としてあるから、図3に明らかな如く、制御スプ
ールの停止時、即ち、前記B領域からC領域への移行時
における出力ロッドの位置は正規の目標位置に近くな
る。その後、C領域内での出力ロッドの動作中に制御ス
プールが第2のパルス列の作用により逆向きに移動し、
正規の目標位置に直ちに整定するから、出力ロッドもま
たこれに追随して動作し、図中に2点鎖線にて示す先の
停止位置への漸近線から外れ、正規の目標位置に漸近し
て該目標位置に整定する。
【0034】このとき、第1のパルス列による動作後に
おける制御スプールの停止位置は、前記超過数δの大き
さに依存し、またこの停止時、即ち、前記B領域からC
領域への移行時におけるロッド位置を決定する。従っ
て、制御スプールの停止時におけるロッド位置が正規の
目標位置をやや下回るようにδを設定し、しかもその後
の前記C領域での動作中、ロッド位置が正規の目標位置
に達する前にて、前記第2のパルス列による制御スプー
ルの逆向きの移動が生じるようになした場合、この時点
でのロッド位置が正規の目標位置に極めて近いことか
ら、ステッピングシリンダ7の出力ロッドは、制御スプ
ールの整定後速やかに目標位置に整定することとなる。
【0035】以上の如き本発明方法においては、前記超
過数δの適正な設定が重要である。図4は、δの設定手
順の説明図である。まず、図4(a)に示す如く、連続
的なパルス列により制御スプールを動作させ、これに追
随する出力ロッドの挙動を調べ、ロッド位置が所定の目
標位置に達した時点での制御スプールと出力ロッド間の
位置偏差Δを求める。次いで図4(b)に示す如く、こ
の偏差Δの1/2相当分を前記目標位置からの超過量と
して加え、これに相当する第1のパルス列の出力と、こ
れの終了後前記遅延時間Δtだけ待って、前記Δ/2に
相当するパルス数を有する第2のパルス列の出力とを行
い、出力ロッドの応答を調べる。
【0036】第1のパルス列の出力終了後、遅延時間Δ
tを介さず第2のパルス列の出力を行った場合、前記位
置偏差Δの1/2がδの最適値となる。ところが、第1
のパルス列による駆動の後、直ちに逆向きの第2のパル
ス列にてパルスモータ8を駆動する場合、第1のパルス
列の停止後にに生じるダンピング振動の方向と第2のパ
ルス列による駆動方向とが逆となり、パルスモータ8の
回転位置が、所望の位置から大きく外れる脱調現象が発
生し、以降の制御が行えなくなる。前記遅延時間Δt
は、この脱調を回避するために不可欠なものであり、前
記ダンピング周期の略半周期分に相当する時間としてあ
る。
【0037】そしてこの遅延時間Δtの存在により、前
記δの最適値はΔ/2とは若干異なることとなる。そこ
で図4(b)中に破線及び一点鎖線にて示す如く、目標
位置からの超過量を、前記Δ/2の 0.9〜1.1 倍程度の
範囲内においてステッピングシリンダ7の分解能を単位
として種々に設定し、同様の過程を繰り返して夫々にお
ける出力ロッドの応答を調べ、応答時間が最小なものを
超過数δの最適値として選定する。
【0038】超過数δ及び遅延時間Δtの最適化は、鋳
込スタート前に冷間にて行えばよく、このように選定さ
れた最適値を用いて本発明方法を実施した場合、図3と
図5との比較により明らかな如く、制御スプールの動作
開始時点から出力ロッドが目標位置に整定するまでの時
間、即ち、前記A,B,C領域全体の所要時間が大幅に
短縮されることとなり、ステッピングシリンダ7のロッ
ド位置を極めて高い応答性にて制御し得ることとなる。
【0039】なお本実施例においては、連続鋳造設備に
おける鋳型内の湯面レベル制御における本発明装置の適
用例について説明したが、本発明装置の適用範囲はこれ
に限るものではなく、位置型の指令に従ってステッピン
グシリンダを制御することが要求されるあらゆる用途に
適用可能なことは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明方法において
は、現状のロッド位置と目標位置との偏差を求めた後、
まずこの偏差の大きさを超過するパルス数を有し、前記
偏差の方向に対応する向きの第1のパルス列により、次
いで、前記超過分に相当する数のパルス数を有し、逆向
きの第2のパルス列によりパルスモータが駆動され、こ
のパルスモータに連動する制御スプールが、本来の目標
位置を超えた位置にて一旦停止し、次いで目標位置に復
帰する動作をなすから、負荷側の摩擦抵抗の影響により
制御スプールの動作に遅れて動作する出力ロッドは、制
御スプールの停止時に目標位置に近い位置にまで達し、
次いで生じる制御スプールの復帰動作により目標位置に
向けて漸近することとなり、この漸近に要する時間が大
幅に短縮されて、位置型の指令に従うステッピングシリ
ンダのロッド位置制御を高い応答性にて実現し得る等、
本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造設備の湯面レベル制御における本発明
方法の実施状態を示す模式図である。
【図2】本発明方法に従った動作をなすシリンダ制御部
の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明方法の実施時における制御スプール及び
出力ロッドの挙動を示すタイムチャートである。
【図4】本発明方法の実施時における制御スプール及び
出力ロッドの挙動を示すタイムチャートである。
【図5】従来のロッド位置制御方法の実施時における制
御スプール及び出力ロッドの挙動を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】 1 開度制御部 2 シリンダ制御部 4 浸漬ノズル 6 スライディングノズル 7 ステッピングシリンダ 8 パルスモータ 9 レベル検出器 23 第1のパルス発生器 24 第2のパルス発生器 M 鋳型 T タンディッシュ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 パルスモータの回転に応じた動作をなす
    ステッピングシリンダのロッド位置を検出し、所定の目
    標位置との偏差を求め、この偏差を解消すべく発信され
    る駆動パルスにより前記パルスモータを回転駆動するス
    テッピングシリンダのロッド位置制御方法において、前
    記駆動パルスは、前記偏差の方向に対応する向きに発せ
    られ、該偏差の大きさに相当する数を所定数超えるパル
    ス数を有する第1のパルス列と、これの発信後に前記偏
    差の方向と異なる向きに発せられ、前記所定数のパルス
    を有する第2のパルス列とからなることを特徴とするス
    テッピングシリンダのロッド位置制御方法。
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