JPH05159488A - ヘッド位置認識方法、速度演算方法およびヘッド移動速度制御装置 - Google Patents

ヘッド位置認識方法、速度演算方法およびヘッド移動速度制御装置

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JPH05159488A
JPH05159488A JP32595391A JP32595391A JPH05159488A JP H05159488 A JPH05159488 A JP H05159488A JP 32595391 A JP32595391 A JP 32595391A JP 32595391 A JP32595391 A JP 32595391A JP H05159488 A JPH05159488 A JP H05159488A
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JP
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head
servo
track
speed
signal
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Application number
JP32595391A
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English (en)
Inventor
Ryosuke Shimizu
亮輔 清水
Tetsuo Takaoka
哲郎 高岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転可能な記録媒体のシーク時間を増大させ
ず装置全体の性能向上が得られるへッド位置認識および
速度演算方法とヘッド移動速度制御装置の実現。 【構成】 記録媒体の周方向に離散的なサーボセクタ2
を埋め込み形成し、そのサーボセクタ2には24トラック
を周期とする4種類のサーボパターンを設けるか、以前
演算したヘッド距離をもとに現在のサーボセクタで求め
られるベき真のヘッド移動距離の範囲を推定し、演算さ
れるヘッド速度を真のヘッド移動速度となるよう補正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転可能な記録媒体の
任意の情報トラックにデータヘッドをアクセスさせる時
のヘッド位置認識方法、速度演算方法およびヘッド移動
速度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスク装置では記録媒体一
面に書かれたサーボ情報を頼りに目標のデータトラック
へヘッドを位置決めするサーボ面サーボ方式が広く採用
されている。しかし、この方式ではサーボ面とデータ面
との信頼関係によりデータヘッドの位置決めを行なって
いるため、種々の環境変化、例えば装置内の温度変化な
どによりオフトラックが生じ易く本質的にトラック密度
を高めにくいという欠点があった。そこで、最近ではデ
ータ面上にサーボ情報を書き込み、記録再生時の信頼性
を向上させるデータ面サーボ方式が注目されている。そ
の一つにセクタサーボ方式がある。この方式はデータ面
の各センタの先頭に位置決め用のサーボセクタを予め埋
め込み形成しておき、任意のデータトラックが選択され
た際にサーボセクタのサーボ情報をもとに各データトラ
ックにヘッドを追従させるという方式である。ところ
が、この方式では、サーボセクタにはトラック追従制御
のための情報しか無いため、ヘッドを高速で移動させる
ためには別途位置検出器を設けるとか、ヘッド位置情報
をサーボ面から供給しなければならないという欠点を有
している。また、サーボセクタのサーボ情報だけで高速
アクセス時にも十分な位置情報を得ようとすると、デー
タセクタに対してサーボセクタの記録媒体面に占める割
合が増加し、記憶容量が著しく低下するという問題点を
有している。そこで、サーボセクタ内にトラック番号を
コード化して記録しておき、この情報をもとにヘッドの
アクセスを行うという方式が提唱されている(特開昭51
−131607号公報)。この方式は、シーク時にヘッドが通
過するトラックの位置情報(アドレス情報)を離散的に得
ることにより、セクター間の平均的速度を求め、指令速
度と比較することにより速度制御を行っている。そのた
め、機構的にも簡素で、かつ積層する記録媒体枚数が少
ない場合でもコストパフォーマンスが良いので最近広く
用いられている。
【0003】また、トラックの位置情報(アドレス情報)
により、セクター間の平均的速度を求めて速度制御を行
っている方式(特開昭51−131607号公報)の欠点である速
度制御特性を改善する方式も提案されている(特願平2
−39979号)。図9は、上記特願平2−39979号にて提案
されているサーボセクタの一具体例(サーボパターン)で
あり、回転可能な記録媒体上の情報トラックに予め埋め
込まれた離散的なサーボセクタを示している。図9にお
いて、2はサーボセクタ、3はデータセクタ、5はデー
タヘッドである。このサーボセクタ2には、自動利得制
御(以下、AGCという)信号を得るためのバースト部1
8、サーボセクタを検出するためのイレース部19、トラ
ックアドレス情報を得るためのトラックコード20、追従
制御時にデータヘッドのオントラックからの位置ずれ情
報を得る位置情報21が設けられている。イレース部19は
記録媒体の情報トラックにおいて最大の消去時間を持つ
ように、また、位置情報21はバースト信号αとバースト
信号βから構成され、サーボセクタ2の各トラックに対
して半トラックのずれを以て設定されている。なお、こ
のサーボセクタについて書き込みは禁止されている。さ
て、上記トラックコード20には、トラックコード20の始
まりを示すシンクビットS、ガードゾーンとデータゾー
ンおよびデータゾーンの種類を判別する3つのダイビッ
トパターンA,B,Cからなるゾーン弁別部20a、3ト
ラックを周期とする3位相のダイビットパターンG,
H,Iからなる第1のサーボパターン20b、12トラック
を周期とし、かつ3トラックのずれを持つ2つのダイビ
ットパターンD,Eからなる第2のサーボパターン20
c、6トラックを周期とし第2のサーボパターンとの間
で少なくとも、1.5トラックのずれを持つダイビットパ
ターンFからなる第3のサーボパターン20dが埋め込み
形成されている。
【0004】データトラックに対して記録再生動作を行
う際には、サーボセクタ2に対してデータヘッド5は隣
接する2トラックにまたがって走行する。今、データヘ
ッド5が記録媒体上の第6番目のトラック位置にいたと
すると、データヘッド5が再生する波形は図10に示すよ
うになる。すなわち、バースト部18においては所定の基
準信号、イレース部においては無信号、そして、トラッ
クコード20においてはシンクビット位置Sで、ゾーン弁
別位置A,B,Cで、第2のサーボパターン位置D,E
で、第3のサーボパターン位置Fで、第1のサーボパタ
ーン位置G,H,Iで、さらに、位置情報21の位置では
バースト信号α位置およびバースト信号位置βで、各々
のサーボパターンに応じた信号を得る。このとき、デー
タヘッド5はサーボセクタ2において2つのトラックを
半分ずつまたがって走行することから、片方にのみパタ
ーンが存在する場合、両側にパターンが存在する場合と
比べてその出力は約1/2になる。特願平2−39979号
では、この再生波形A〜Iの内D,E,F,G,H,I
を用いて12トラック周期のサーボパターンのどの位置に
データヘッドが位置しているかを認識する方法および装
置を表示している。まず、D,E,Fの2値化信号(例
えばデータヘッド5の場合は、L,H,H)を用いて、
テーブル引き等の手段によりデータヘッドの存在してい
る位置を12トラックから3トラックにまで限定する。次
にG,H,Iの再生信号をピークホールドした後、G>
H,H>I,I>G、の2値化情報を(例えばデータヘ
ッド5の場合は、H,L,H)を作成する。そしてこの
2値化信号を用いて、テーブル引き等の手段により上記
限定された3トラックから更にデータヘッドの存在する
位置をトラック幅の1/2の領域にまで限定する。さら
に、上記G>H,H>I,I>G、の2値化情報をもと
に、G,H,Iのピークホールド値の最大と最小の値を
示す信号を選別する(例えばデータヘッド5の場合は、
最大がG,最小がH)。そして、最小のピーク値を示す
信号(例えばH)にピークホールド値が最大になった場合
の約半分の値のオフセットを加える。そして、再度ピー
クホールド値が3つのピークホールドの値の中で2番目
の値を示している信号(例えばI)と上記オフセットを加
えた信号(例えばH+オフセット)とで、(H+オフセッ
ト)>Iの比較を行う。この、比較により、上記限定さ
れた1/2トラックから更にデータヘッドの存在する位
置をトラック幅の1/4の領域にまで限定する。その結
果、D,E,F,G,H,I信号を用いて、データヘッ
ドが12トラック周期のサーボパターンのどの位置に位置
しているかをトラック幅の1/4の分解能で、48(=12
*4)分割したサブトラックコードにて認識することが
可能となる。
【0005】特願平2−39979号に示すヘッド位置決め
装置は、上記ヘッド位置情報認識方法を用いて、目標ト
ラックに対するヘッドの位置決め動作を行っている。す
なわち、目標トラックに対して速度制御を用いてヘッド
位置決め動作を行う場合、サーボセクタを通過する毎に
得られるサーボパターンからの再生信号より、ヘッドが
12トラック周期のサーボパターンのどの位置に位置して
いるかを認識する。そして、サーボセクタを通過する毎
に、1サンプル前に検出したヘッドの位置と現在サンプ
ルしたヘッドの位置から、サンプル間のヘッドの移動し
た距離を求め、そのヘッドの移動した距離をサンプル周
期で除算することにより、サンプル間のヘッドの平均移
動速度を求める。ヘッドを速度制御にて目標トラックへ
の位置決めする際には、予め目標トラックとの相対的な
距離に応じて目標トラックに安定突入可能な目標速度が
サーボセクタ毎に指令される。よって、速度制御系は、
目標速度と上記サンプル間のヘッドの平均移動速度との
差を帰還することにより構成される。例えば、速度制御
時に、1サンプル前のヘッド位置が12トラック周期のサ
ーボセクタの中でサブトラックコード2の領域に位置し
ており、現在サブトラックコード20の領域に位置してい
るとする。すると、その時のヘッドのサンプル間の平均
移動速度Vは、1サンプル前のサブトラックコードをS
TCo、現在サンプルしたサブトラックコードをST
n、トラックピッチXtp、サーボセクタのサンプリン
グ周期をTsとすると数1で表わされる。
【0006】
【数1】
【0007】今仮に、Xtp=12μm、Ts=300μsecとす
ると、V=18cm/sというヘッドの平均移動速度が判明
する。このようにして、ヘッドの平均移動速度を求め、
上記目標トラックまでの距離に応じた目標速度と減算
し、この値を帰還情報とすることにより速度制御系は構
成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特願平2−39979号の
サーボパターンは、12トラック周期で構成されている。
そのため、ヘッドのサーボセクタ間での移動距離が12ト
ラックを越えるような場合には、ヘッドのサーボセクタ
間での平均移動速度を正しく計算できないことになる。
例えば、速度制御時で、高速走行時に1サンプル前のヘ
ッド位置が12トラック周期のサーボセクタの中でサブト
ラックコード2の領域に位置しており、現在サブトラッ
クコード3の領域に位置しているとする。すると、その
時のヘッドのサンプル間の平均移動速度Vは、本来サー
ボセクタ間での移動距離が48サブトラックコード+1=
49サブトラックコードであるから、V=49cm/sと検出
されなければならない。しかしながら、前記数1を用い
れば、V=1cm/sとなってしまう。すなわち、誤った
速度検出にて目標速度との誤差演算を行うため、速度制
御系を正しく構成できないばかりかシークエラーを引き
起こす原因となる。よって、ヘッドのサーボセクタ間で
の移動距離を12トラックに制限すると、最高速度が低く
抑えられることとなり、目標トラックまでのシーク時間
を増大させてしまうという問題を有している。例えば、
上記トラックピッチXtp=12μm、サンプル周期Ts=30
0μsecの場合、最高速度Vmax=48cm/sとなる。通
常、3.5インチハードディスク装置の場合、平均アクセ
ス時間十数msecの要求により最高速度は約1m/s程
度に設定してある。勿論、サンプル周期Tsを短くすれ
ば最高速度を大きくすることは可能であるが、記録媒体
上のサーボセクタの占める割合が増大し、データの記録
容量を少なくしてしまう。また、トラックピッチXtp
大きくすれば、同様に最高速度を大きくすることは可能
であるが、記録媒体上に設けるトラック数を減少させて
しまい、データの記録容量を少なくしてしまう。よっ
て、ヘッドのサーボセクタ間での移動距離を12トラック
に制限することは、シーク時のヘッド移動速度の検出範
囲に大きな課題が存在し、それが、ヘッド位置決め装置
全体の性能を向上す上で大きな問題となっている。本発
明は上記従来の問題を解決するものであり、シーク時間
を増大させず、装置全体の性能向上が得られるヘッド位
置認識方法、速度演算方法およびヘッド移動速度制御装
置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明のへッド位置認識方法、速度演算方法および
ヘッド位置決め装置は、以下のような方法あるいは構成
を備えている。すなわち、回転可能な記録媒体の周方向
にサーボセクタを離散的に形成し、上記サーボセクタに
は3トラックを周期とする少なくとも3位相の第1のサ
ーボパターンと、少なくとも24トラックを周期とし且つ
互いに少なくとも6トラックのずれを持ち少なくとも2
位相のパターンからなる第2のサーボパターンと、12ト
ラックを周期としかつ互いに3トラックのずれを持ち少
なくとも2位相のパターンからなる第3のサーボパター
ンと、6トラックを周期とし第3のサーボパターンとの
間で少なくとも1.5トラックのずれを持つ第4のサーボ
パターンとからなる4種類のサーボパターンを形成し、
少なくとも24トラック周期のどの位置にヘッドが位置し
ているかを、前記第2のサーボパターンを用いて多くと
も10トラックの範囲にまで弁別し、さらに、第3と第4
のサーボパターンを用いて3トラックの範囲にまで弁別
し、さらに第1のサーボパターンを用いてヘッド位置を
1トラック以下の領域にまで弁別する方法か、もしく
は、少なくとも記録面を2面以上備えた記録媒体のそれ
ぞれの面の周方向に離散的なサーボセクタを形成し、上
記サーボセクタにはNトラック周期(Nは整数)のサーボ
パターンを設け、上記Nトラック周期のサーボパターン
は復号処理によりM個(M≧N)の刻みのサブトラックコ
ードに分割され、サーボセクタを通過する毎にヘッドで
時系列的に検出されるトラックコードは前記復号処理に
よりサブトラックコードにまで弁別され、P個前(Pは
整数)に通過したサーボセクタで検出されたトラックコ
ードから復号されたサブトラックコードとの差分からヘ
ッド移動距離を求め、このヘッド移動距離をもとにヘッ
ドの記録媒体径方向の移動速度を演算するようにし、ヘ
ッド移動速度を演算する際にはP個前に通過したサーボ
セクタで演算されたヘッド移動距離に第1のオフセット
を加えた第1のヘッド移動距離と、前記P個前に通過し
たサーボセクタで演算されたヘッド移動距離から第2の
オフセットを減じた第2のヘッド移動距離とを作成し、
現在のサーボセクタにて演算されるヘッド移動距離が、
上記第1のヘッド移動距離よりも大きいときは上記演算
されたヘッド移動距離からMを減じた値を真のヘッド移
動距離とし、また、上記現在のサーボセクタにて演算さ
れるヘッド移動距離が、上記第2のヘッド移動距離より
も小さいときは上記演算されたヘッド移動距離にMを加
えた値を真のヘッド移動距離としてヘッド移動速度を演
算する方法か、もしくは、回転可能な記録媒体の周方向
に形成された離散的なサーボセクタと、上記記録媒体の
情報を少なくとも再生可能なデータヘッドと、上記デー
タヘッドの再生信号から前記離散的なサーボセクタに含
まれているサーボ情報を取り出すサーボ情報復調手段
と、上記データヘッドと
【0010】
【外4】
【0011】できるよう構成したヘッド位置情報認識手
段と、上記ヘッド位置情報認識手段の出力により目標ト
ラックまでの距離に応じてトラックアクセス速度指令を
出力する速度指令手段と、上記ヘッド位置情報認識手段
の出力によりデータヘッドの記録媒体半径方向の移動速
度を求める速度演算手段と、データヘッドを上記記録媒
体半径方向の任意の位置に移動させるポジショナ手段と
を備え、トラックアクセス制御は前記速度指令手段と速
度演算手段との速度誤差に基づく信号をポジショナ手段
に帰還することにより構成している。
【0012】
【作用】したがって、本発明のヘッド位置認識方法は、
記録媒体上の周方向に離散的なサーボセクタを埋め込み
形成し、そのサーボセクタには24トラックを周期する4
種類のサーボパターンを設け、速度制御時に、ヘッドの
サーボセクタ間での移動距離が24トラックまでへッドの
サーボセクタ間での平均移動速度を正しく計算できるよ
うに構成している。例えば、上記トラックピッチXtp
12μm、サンプル周期Ts=300μsecの場合、サーボパタ
ーンを少なくとも24トラック周期とすることにより、最
高速度Vmax=96cm/sとすることができる。よって、
サーボセクタ間でのヘッド移動距離算出限界を向上し、
速度検出範囲が従来方式の2倍にすることが可能とな
る。その結果、より高速で短時間のトラックシーク(ア
クセス)性能を実現することが可能になるという作用が
ある。
【0013】また、本発明の速度演算方法は、P個前に
通過したサーボセクタから現在通過中のサーボセクタま
でのヘッド移動距離を基にヘッド移動速度を演算する方
法であり、上記P個前に通過したサーボセクタで演算さ
れたヘッド移動距離に第1のオフセットを加えた第1の
ヘッド移動距離と、上記P個前に通過したサーボセクタ
で演算されたヘッド移動距離から第2のオフセットを減
じた第2のヘッド移動距離とを作成し、現在のサーボセ
クタにて演算されるヘッド移動距離が、上記第1と第2
のヘッド移動距離との間にないときは、上記演算された
ヘッド移動距離にMを減じた値もしくはMを加えた値を
真のヘッド移動距離としてヘッド移動速度を演算する方
法である。この方法は、サーボセクタが短い繰り返し周
期しかもたないサーボパターンで形成されていても、以
前演算したヘッド移動距離をもとに現在のサーボセクタ
で求められるべき真のヘッド移動距離の範囲を推定し、
数1で演算されるヘッド移動速度を真のヘッド移動速度
となるよう補正する機能を有している。その結果、サー
ボパターンの繰り返し周期にヘッド移動速度の上限が制
限されることなくヘッド移動速度を演算できるため、よ
り高速で短時間のトラックシーク(アクセス)性能を実現
することが可能になるという作用がある。
【0014】さらに、上記ヘッド位置認識方法と速度演
算方法を用いたヘッド移動速度制御装置は、離散的に形
成したサーボセクタに少なくとも24トラックを周期とす
る4種類のサーボパターンを設けたことによる速度検出
範囲の増大という利点と、サーボパターン繰り返し周期
に制限されることなくヘッド移動速度のダイナミックレ
ンジを拡大できるという利点を合わせ持っている。よっ
て、より高速で短時間のトラックシーク(アクセス)性能
を実現することが可能になるという作用がある。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例のヘッド位置認識方法、
速度演算方法およびヘッド移動速度制御装置について、
図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実
施例における回転可能な記録媒体1上の情報トラックに
予め埋め込まれた離散的なサーボセクタの一具体例(サ
ーボパターン)である。図1において、2はサーボセク
タ、3はデータセクタ、5はデータヘッドである。この
サーボセクタ2には、AGC信号を得るためのバースト
部18、サーボセクタを検出するためのイレース部19、ト
ラックアドレス情報を得るためのトラックコード20、追
従制御時にデータヘッドのオントラックからの位置ずれ
情報を得る位置情報21が設けられている。イレース部19
は記録媒体の情報トラックにおいて最大の消去時間を持
つように、また、位置情報21はバースト信号αとバース
ト信号βから構成され、サーボセクタ3の各トラックに
対して半トラックのずれを以て設定されている。なお、
このサーボセクタについて書き込みは禁止されている。
さて、上記トラックコード20には、トラックコード20の
始まりを示すシンクビットS、ガードゾーンとデータゾ
ーンおよびデータゾーンの種類を判別する3つのダイビ
ットパターンA,B,Cからなるゾーン弁別部20a、3
トラックを周期とする3位相のダイビットパターンG,
H,Iからなる第1のサーボパターン20b、24トラック
を周期としかつ6トラックのずれを持つ2つのダイビッ
トパターンM,Nからなる第2のサーボパターン20c、1
2トラックを周期としかつ3トラックのずれを持つ2つ
のダイビットパターンD,Eからなる第3のサーボパタ
ーン20d、6トラックを周期として第3のサーボパター
ンとの間で少なくとも1.5トラックのずれを持つダイビ
ットパターンFからなる第4のサーボパターン20eが埋
め込み形成されている。ここで、図1では、2つのダイ
ビットパターンからなる第2のサーボパターン20cと第
3のサーボパターン20dおよび第4のサーボパターン20e
は第1のサーボパターン20bの片側に配置されている
が、第1,第2,第3,第4のサーボパターンは任意の
順番に形成されてもかまわない。そして、データトラッ
クに対して記録再生動作を行う際には、サーボセクタ2
に対してデータヘッド5は隣接する2トラックにまたが
って走行する。
【0016】今、データヘッド5が記録媒体上の第6番
目のトラック位置にいたとすると、データヘッド5が再
生する波形は図2に示すようになる。すなわち、バース
ト部18においては所定の基準信号、イレース部19におい
ては無信号、そして、トラックコード20においてはシン
クビット位置Sで、ゾーン弁別位置A,B,Cで、第2
のサーボパターン位置M,Nで、第3のサーボパターン
D,Eで、第4のサーボパターン位置Fで、第1のサー
ボパターン位置G,H,Iで、さらに、位置情報21の位
置ではバースト信号α位置およびバースト信号位置β位
置で、各々のサーボパターンに応じた信号を得る。この
とき、データヘッド5はサーボセクタ2において2つの
トラックを半分ずつまたがって走行することから、片方
のトラックにのみパターンが存在する場合、両側にパタ
ーンが存在する場合と比べてその出力は約1/2にな
る。図2では位置S,A,B,C,M,N,E,F,
G,Iで出力1、位置D,Hで出力0、バースト位置
α,βで出力1/2となる再生信号を得る。この再生信
号をデータヘッド5の記録媒体上のトラック位置によっ
て変わることは言うまでもない。本発明では、このよう
にして得られる第1から第4までのサーボパターン20
b,20c,20d,20eに従ってデータヘッド5の記録媒体に
対するトラック位置を次のようにして高精度に検出し、
選択された目標トラックに対してシーク動作を行なって
ヘッド位置決めが行なわれる。
【0017】図3は、データヘッド5が図2に示すよう
なサーボセクタを記録媒体の内周から外周に向かって低
速移動させたときの再生波形の理想的な出力状態推移を
示している。図3における各再生信号の傾斜部は、デー
タヘッド5は有限の幅を持っているため、ヘッドが各ダ
イビットパターンを横切る際のヘッド幅に対するダイビ
トパターンの占める割合に応じた出力値により定まる。
また、図3における00から23までの番号は図1に示
した24トラット周期のトラック番号に対応し、aからx
までのアルファベットはデータトラックとは半トラック
ピッチずれた24トラック周期のサーボトラック番号を示
している。ここで、第2,第3および第4のサーボパタ
ーンから得られる再生信号M,N,D,E,Fは予め設
定されたレベルを境に2値化処理し、第1のサーボパタ
ーンから得られる再生信号G,H,Iは各々の再生出力
をピークホールドした後、各々の値を比較して2値化情
報とし、再生信号M,N,D,E,F,G,H,Iより
の上記2つの2値化情報を第1番目の2値化情報とし、
次に上記第1番目の2値化情報の値にしたがって前記
G,H,I信号の内最も低い値をホールドしている信号
に予め設定したオフセットを付加して、対応する信号と
の比較を再度行って第2番目の2値化情報とし、上記第
1番目の2値化情報と第2番目の2値化情報とよりデー
タヘッド5のサーボトラック上の位置をトラック幅の1
/(22)まで微細に認識する。まず、第2のサーボパタ
ーンM,Nは、各々24トラックを周期とし、かつ6トラ
ックのずれを待ち、6トラックが相互に重なっており、
その再生信号からM信号とN信号を得る。よって再生信
号が理想的であれば、M信号とN信号の再生出力だけで
24トラックのうちの6トラックを限定することが可能で
ある。しかしながら、ヘッドには有限の幅が存在し再生
出力がディジタル的には変化しない点、再生波形が記録
媒体やデータヘッドの応答特性に影響される点等から、
限定可能なトラックの領域は6トラックより広がる。す
なわち、図3に示すように2値化されたM信号とN信号
だけで限定できる領域は、それぞれの再生信号のHから
Lへの遷移、およびLからH信号への遷移を含めて7ト
ラックとなる。勿論、M信号とN信号の繰り返し周期を
24トラックより大きくとれば、M信号とN信号によって
限定できるトラックの領域はひろがる。例えば、M信号
とN信号の繰り返し周期を36トラックにし、9トラック
のずれを持ち9トラックが相互に重なるよう構成すれ
ば、M信号とN信号だけで限定できるトラックの領域は
10トラックとなる。なお、M信号とN信号の繰り返し周
期は、次なるD信号とE信号の繰り返し周期が12トラッ
クであることにより12の倍数、例えば48とか60にするこ
とも考えられる。しかしながら、M信号とN信号の繰り
返し周期を48トラックにした場合、M信号とN信号で限
定できる領域がそれぞれの再生信号のHからLへの遷
移、およびLからH信号への遷移を含めると13トラック
となってしまう。よって、次なるD,E,F信号を用い
て更にヘッド位置に微細な認識を進めることができなく
なる。この結果、M信号とN信号の繰り返し周期は36ト
ラックを限度とする。
【0018】上記2値化された24トラック周期のM信号
とN信号を用いて、24トラックから7トラックまで限定
した後(36トラック周期の場合は、36トラックから10ト
ラックまで限定できる)に、更にD,E,F信号を用い
てサーボパターンに対するヘッドの位置の限定を行う。
第3のサーボパターンD,Eは、各々12トラックを周期
とし、かつ3トラックのずれを持ち、3トラックが相互
に重なっており、その再生出力からD信号とE信号を得
る。よって、再生信号が理想的であればD信号とE信号
の再生出力だけで12トラックのうちの3トラックを限定
することが可能である。しかしながら、ヘッドには有限
の幅が存在し再生出力がディジタル的には変化しない
点、再生波形が記録媒体やデータヘッドの応答特性に影
響される点等からディジタル的に12トラックの中から3
トラックを限定することは難しい。そこで、6トラック
を周期とし、DパターンもしくはEパターンと1.5トラ
ックの相互の重なりを持つ第4のサーボパターンFを設
けた。そのため、第4のサーボパターンFは、D信号も
しくはE信号の傾斜部において必ず“L”レベルか
“H”レベルとなる。以上、24トラックを周期とするサ
ーボセクタにおいて、サーボトラック毎にM信号,N信
号,D信号,E信号,F信号の2値化情報を表1に示
す。
【0019】
【表1】
【0020】*マークは、信号検出時のデータヘッドの
位置により2値化出力が“L”レベルになるか“H”レ
ベルになるか定まらない領域である。上記表1において
理解できるように信号Dもしくは信号Eどちらかのレベ
ルが不定のときには、信号Fのレベルが“L”レベルも
しくは“H”レベルに確定しているよう構成されてい
る。よって、信号M,信号N,信号D,信号E,信号F
のレベルが検出されれば、データヘッド5が24トラック
の内のどの3トラック内に位置しているかを限定でき
る。なお、表1ではM信号,N信号を24トラック周期と
しているため、M,N,D,E,Fの5ビットで表され
る全ての場合(例えば、HLLLL等)が表1には存在し
ていない。
【0021】次に、第1のサーボパターンから得られる
再生信号G,H,Iより、上記限定された3トラック内
のどの位置にデータヘッド5が位置しているかを判定す
る。図4,図3と同様に、データヘッド5が図1に示す
ようなサーボセクタを記録媒体の内周から外周に向かっ
て低速移動させたときの信号G,信号H,信号Iの再生
信号の理想的な出力状態推移を示している。図4では、
データヘッド5がサーボトラックcからgまでを移動し
た状態を拡大して図示してあり、かつ信号G,H,Iを
重ねて図示している。また、信号G,H,Iの出力のピ
ーク値を規格化(最大を1とする)した状態で示してい
る。今、信号M,N,D,E,Fの検出コードが
“H”,“L”,“H”,“H”,“L”であるとする
と、表1から理解できるようにデータヘッドはサーボセ
クタ内のトラックd,e,fのどこかに位置しているこ
とになる。仮に信号G,H,Iからの再生信号のピーク
値が、図4に示すように各々22,23,24であるとする
と、G信号の値>H信号の値、H信号の値>I信号の
値、I信号の値>G信号の値となることがわかる。すな
わち、G信号の値>H信号の値、H信号の値>I信号の
値、I信号の値>G信号の値という比較を行なった場
合、その答えは、“H”,“H”,“L”となる。この
答えより、G,H,I各々のピーク値の大きさはH,
G,Iの順に大きいと判別される。その結果、図4から
もわかるように、データヘッドの位置は、G信号が最も
大きいということにより、d,e,fの3トラックの内
のeトラック内に、かつ、H信号の値>I信号の値より
e2(図4)の領域に位置していることが判別する。
【0022】次に、1番目の2値化情報(M信号,N信
号,D信号,E信号,F信号,G信号,H信号,I信号
が各々“H”,“L”,“H”,“H”,“L”,
“H”,“H”,“L”)に基づき、G,H,I信号の
内最もピーク値の低いI信号にオフセットを付加する。
第1回目のオフセット値は、G,H,Iの最大のピーク
値を1に規格化した場合、約0.5相当である。I信号に
0.5のオフセットを付加した後には、I信号のピーク値
は、図4において24から25の位置へ移動する。その後、
再度、H信号の値>I信号の値という比較を行なった場
合、その答えは、“L”となる。その答えの内、H信号
の値>I信号の値(0.5のオフセット付加後)の比較が、
データヘッドのさらに詳しい位置を判別するために有用
である。つまり、H信号の値>I信号の値(0.5のオフセ
ット付加後)の比較を行なった場合の答えが“H”とな
れば、H信号のピーク値はI信号のピーク値より0.5以
上大きいことになり、答えが“L”となればH信号のピ
ーク値とI信号のピーク値の差は0.5より小さいことに
なる。すなわち、データヘッドの位置は、上記e2の領
域の内の前半部(e03)か後半部(e04)かが判別でき
ることになる。今回、H信号の値>I信号の値の答え
は、“L”であるから、H信号のピーク値とI信号のピ
ーク値の差は0.5より小さいから、図4からもわかるよ
うに、データヘッドの位置は、図4に示すe2の領域の
内のe03の領域に位置していることが判別する。この
ようにして、第2番目の2値化情報によりデータヘッド
のサーボセクタ内のトラックに対する相対的位置関係
が、トラック幅の1/(22)まで詳細に判別することが
可能となる。さらに、I信号に-0.25のオフセットを付
加して、H信号の値>I信号の値(0.5-0.25のオフセッ
ト付加後)の比較を行ない、第3番目の2値化情報を作
成すれば、データヘッドのサーボセクタ内のトラックに
対する相対的位置関係が、トラック幅の1/(23)まで
詳細に判別することが可能となる。以上のようにして、
第N番目の2値化情報に従って、G信号,H信号もしく
はI信号に数2で与えられるオフセットを付加すること
により、データヘッドの
【0023】
【外5】
【0024】
【数2】
【0025】以上、サーボセクタにおける3トラック周
期のG信号,H信号,I信号による、G信号の値>H信
号の値、H信号の値>I信号の値、I信号の値>G信号
の値の第1番目の2値化情報を表2にまとめる。なお、
2値化情報が“H”,“H”,“H”もしくは“L”,
“L”,“L”となることは有り得ないので、表には存
在しない。
【0026】
【表2】
【0027】例えば、表1よりデータヘッドはサーボセ
クタ内のトラックd,e,fのどこかに位置していると
する。すると、図4で示した位置にデータヘッドが位置
しているならば、G>H,H>I,I>Gの答えは
“H”,“H”,“L”であるから表2よりデータヘッ
ドはe2の領域に位置していることが判別する。次に、
トラック幅の1/4まで詳細に判別するために2番目の
2値化情報を作成するが、どの信号にオフセットを付加
するかは表3に示すようになる。
【0028】
【表3】
【0029】1番目の2値化情報の内のG>H,H>
I,I>Gが“H”,“H”,“L”であるならば、信
号G,H,IはG,H,Iの順にそのピーク値が大きい
ことになり、オフセット(0.5)を付加するのは、I信号
となる。表3を用いると、G>H,H>I,I>Gの答
が“*”,“H”,“L”の場合は、1回目のオフセッ
トを付加する信号名はI信号となっており上記の結果と
合致しているのが分かる。よって、表3を用いれば、1
回目のオフセットの付加する信号名を判別する。さら
に、オフセットを付加したのち再度G>H,H>I,I
>Gの比較を行うことにより、2番目の2値化情報が得
られ、トラック幅の1/(22)までデータへッドの位置
を判別することが可能となる。表4に2番目の2値化情
報による領域判別の結果を示す。なお、$マークは、オ
フセットを付加した信号名、*マークは、関係無しの意
味である。上記例の場合、2番目の意味がある2値化情
報、すなわちH>Iは“H”となるので、表4よりデー
タへッドはe03領域に位置していることが判別する。
【0030】
【表4】
【0031】さらに、トラック幅の1/(23)までデー
タへッドの位置を判別するためには、2番目の2値化情
報が“H”か、“L”かによって、1回目のオフセット
を付加した信号にさらに2回目のオフセット0.25を加え
るか、また、0.25を減じるかに分かれる。また、2番目
の2値化情報を作成するために比較した他方に0.25を付
加しても良い。例えば、上記例の場合であれば、0.5を
付加したI信号のピーク値から0.25を減じた後、再生H
>Iの比較を行うか、H信号に0.25を付加して再度H>
Iの比較を行うことになる。答が、“H”ならばe03
領域の後半部、“L”ならばe03領域の前半部にデー
タヘッドが位置していることが判別し、トラック幅の1
/(23)までデータへッドの位置を判別することが可能
となる。いずれにせよ、再生信号G,H,Iのピーク値
の最も低い値を示すものに、
【0032】
【外6】
【0033】置を判別することが可能となる。以上のよ
うにM信号とN信号を用いることにより、位置認識のダ
イナミックレンジを24トラック周期に拡大することがで
きる。
【0034】図5は、本発明の第2の実施例のサーボセ
クタの具体例(サーボパターン)であり、36トラック繰り
返しのサーボパターンを使用した時の例である。図5に
おいて、図1の同番号の項目は同じものである。図5に
おけるトラックコード20には、トラックコード20の始ま
りを示すシンクビットS、一周に一回のインデックス位
置を示すためのインデックスパターンI,ガードゾーン
とデータゾーンおよびデータゾーンの種類を判別する3
つのダイビットパターンA,B,Cからなるゾーン弁別
部20a、3トラックを周期とする3位相のダイビットパ
ターンG,H,Iとダイビットパターンを記録媒体の径
方向に一直線になるよう並べたインラインパターンのパ
ッドPとで形成される第1のサーボパターン20b、36ト
ラックを周期としかつ6トラックのずれを持つ2つのダ
イビットパターンM,Nからなる第2のサーボパターン
20c,12トラックを周期としかつ3トラックのずれを持
つ2つのダイビットパターンD,Eからなる第3のサー
ボパターン20d、6トラックを周期とし第3のサーボパ
ターンとの間で少なくとも1.5トラックのずれを持つダ
イビットパターンFからなる第4のサーボパターン20e
が埋め込み形成されている。ここで、図5では、図1と
異なり第2,第3,第4,第1のサーボパターンの順に
形成されている。それは、データヘッド5が高速で目標
トラックヘアクセスする際に、高速でサーボセクタを横
切ることによりトラックコード誤検出を生ずる可能性を
少なくするためである。すなわち、データヘッド5が移
動している時は、ヘッドはサーボセクタを斜めに横切る
ことになる。そして、高速でサーボセクタを横切る程斜
めに横切る角度は大きくなる。すると、データヘッド5
がイレース部19直後のサーボパターンを横切ったときの
サーボセクタの径方向の位置と、位置情報21の直前のサ
ーボパターンを横切った時のサーボセクタの径方向の位
置とが微妙に異なってくる。例えば、データヘッド5が
1.2m/sで走行し、ヘッドがトラックコード20の領域
を通過する時間を12μsとすると、ヘッドがイレース部1
9直後のサーボパターンを横切ったときのサーボセクタ
の径方向の位置と、位置情報21の直前のサーボパターン
を横切った時のサーボセクタの径方向の位置とは、14.4
μmも誤差を生じることになる。これは、サーボセクタ
周期を300μsとすると、速度誤差4.8cm/sに相当す
る。しかしながら、トラックコード20は図5に示される
ようにある時間幅を持っている。そのため、第1から第
4までのサーボパターンを同一箇所に形成することは不
可能である。よって、最も良い方法は、ヘッド移動時に
おいて高速時に重要なサーボパターンから順に並べるこ
とである。すなわち、図5に示すように、36トラック周
期の第2のサーボパターン、12トラック周期の第3のサ
ーボパターン、6トラック周期の第4のサーボパター
ン、3トラック周期の第1のサーボパターンの順に並べ
ることにより、上記速度誤検出を最小限に抑えることが
可能となる。また、上記繰り返し周期の大きい第2,第
3のサーボパターンにおいて誤検出が生じた際には、ヘ
ッドの位置認識において大きな誤差が生じるという理由
からも上記第2,第3,第4,第1のサーボパターンの
順に並べることが最善である。加えて、高速時ほど速度
検出誤差に対して許容範囲が広く、低速時ほど速度検出
誤差に対する許容範囲が狭いという速度制御時の検出誤
差に対する特性を満たしている。
【0035】次に、図5に示されている第1のサーボパ
ターンは、記録媒体の周方向に形成したダイビットパタ
ーンを記録媒体の径方向に一直線になるよう並べたイン
ラインパターンのパッドPと3位相のサーボパターン
G,H,Iとで構成されている。この、インラインパタ
ーンのパッドPは、サーボパターンGのピークホールド
値をより正確にするために設けた。サーボパターンGの
ピークホールド値は図4に示すように規格化された値を
0〜1という値をとるのが理想的である。ところが、例
えば、図1でのデータセクタ3におけるデータトラック
21もしくは22では、サーボパターンGよりも記録媒体周
方向においてイレース部19側に長い無信号領域が存在す
る。すると、磁気記録再生波形の特性上サーボパターン
Gの波形にDC成分が重畳されることになる。その結
果、サーボパターンGのピークホールド値のオフセット
が生じ、データヘッド5のサーボセクタに対する位置を
弁別する際の位置誤差を生じることとなる。ところが、
図5に示すサーボパターンにおいては、サーボパターン
Gのイレース部19側にインラインパッドPを設けたた
め、上記DC成分が重畳されることなく、ピークホール
ド値にオフセットが生じない。その結果、正しくヘッド
5のサーボセクタに対する位置を弁別することが可能と
なる。
【0036】図5に示す36トラック繰り返しサーボパタ
ーンから、ヘッドのサーボセクタに対する相対的位置関
係を弁別するための複合方法は、基本的には図1の24ト
ラック繰り返しサーボパターンの場合と同様である。す
なわち、第2のサーボパターンを用いて多くとも10トラ
ックの範囲にまで弁別し、更に、第3と第4のサーボパ
ターンを用いて、3トラックの範囲にまで弁別し、更に
第1のサーボパターンを用いてヘッド位置をトラック幅
の1/4の領域にまで弁別するという複合処理は同じで
ある。よって表5を用いてヘッドのサーボセクタに対す
る相対位置を36トラックのなかから3トラックにまで弁
別した後は、サーボセクタにおけるS00は表2および
表4におけるa1,a2,a01,a02,a03,a
04で示される領域と、S01は表2および表4におけ
るb1,b2,b01,b02,b03,b04で示さ
れる領域と、S02は表2および表4におけるc1,c
2,c01,c02,c03,c04で示される領域と
同様である。よって、S03〜S23までは、表2およ
び表4におけるd〜xと同様と考えられる。また、第1
のサーボパターンは3トラックを基本単位としているの
で、S24以降も3トラック毎に複合方法は繰り返して
考えたらよく、S24〜S35は表2および表4におけ
るa〜lのサーボセクタが繰り返されると考えられる。
その結果、図5に示すようにM信号とN信号を36トラッ
ク周期に形成した場合は、微細な位置認識のダイナミッ
クレンジを36トラックに拡大できることは言うまでもな
い。よって、例えば上記トラックピッチをXtp=12μ
m、サンプル周期をTs=300μsecとした場合、サーボパ
ターンを少なくとも24トラック周期とすることにより、
最高速度Vmax=96cm/sとすることができる。また、
サーボパターンを少なくとも36トラック周期とすること
により、最高速度Vmax=144cm/sとすることができ
る。よって、サーボセクタ間でのヘッド移動距離算出限
界が向上し、速度検出範囲が従来方式の2倍もしくは3
倍にすることが可能となる。その結果、より高速で短時
間のトラックシーク(アクセス)性能を実現することが可
能になる。また、上記最高速度を向上させることによっ
て高速で短時間のトラックシーク性能を実現するという
利点に比べて、特願平2−39979号が提案しているサー
ボパターンに、サーボパターンM,Nを加えることによ
って生じるサーボ領域の増大という欠点は、無視できる
程度である。なぜならば、サーボパターンにM信号とN
信号を加えることにより生じるデータ領域の縮小は、容
量換算でたかだか0.1〜0.2%程度であり、設計の中で吸
収できる範囲だからである。
【0037】
【表5】
【0038】次に、本発明の速度演算方式について説明
する。図6は本発明の速度演算方式を説明したフローチ
ャートである。図6において、ヘッド移動速度はV、ト
ラックピッチをXtp、サーボセクタのサンプリング周期
をTs、サーボパターンの周期をN、上記Nトラック周
期のサーボパターンの刻みをM,P個前のサーボセクタ
のサブトラックコードをSTC0、(2*P)個前のサー
ボセクタからP個前のサーボセクタまでのヘッド移動距
離をXSTC0、現在サンプルしたサブトラックコード
をSTCn、P個前のサーボセクタから現在のサーボセ
クタまでの(数1)の計算よるヘッド移動距離をXSTC
n、P個前のサーボセクタから現在のサーボセクタまで
の真のヘッド移動距離をRXSTCn、第1オフセット
をA*P、第2オフセットをB*Pとしている。まず、
ステップS100にてサーボセクタを通過する毎に、Nト
ラック周期のサーボパターンのどの位置にヘッドが存在
しているかを認識できるトラックコードSTCnを検出
する。すると、ステップS101にて、現在のサーボセク
タにて検出したサブトラックコードSTCnとP個前の
サーボセクタのサブトラックコードSTC0とを引き算
して、P個のサーボセクタ間にヘッドの移動したヘッド
移動距離XSTCnを求める。次に、ステップS102にて
上記求めたヘッド移動距離XSTCn≧0かどうかを調
べる。これは、P個前のサーボセクタにて検出されたサ
ブトラックコードが大きな値で、現在検出されたサブト
ラックコードが小さな値であった時に、ヘッド移動距離
を負の値にしないためである。もし、XSTCn<0の
場合は、上記単なる引き算によって求めたヘッド移動距
離を正の値にするためステップS103の操作、すなわち
XSTCn=XSTCn+Mの操作を行う。更に、ステッ
プS101もしくはステップS103にて求めたヘッド移動距
離が真のヘッド移動距離の上限以内かどうかを、ステッ
プS104にて弁別する。すなわち、この操作は、P個前
のサーボセクタから現在通過中のサーボセクタまでの真
のヘッド移動距離は、(2*P)個前のサーボセクタから
P個前のサーボセクタまでのヘッド移動距離XSTC0
にヘッド移動用アクチュエータの加速度とサーボセクタ
間の周期によって求められるヘッド移動距離変化分(A
*P)を加えた値以内であるという考えに基づいてい
る。仮に、XSTC0+(A*P)≧XSTCnを満たして
いる場合は次に進み、そうでない場合は、XSTCn
らMを減じた(S105)後再度ステップS104の動作を繰り
返す。そして、ステップS106では、ステップS101もし
くはステップS103にて求めたヘッド移動距離が真のヘ
ッド移動距離の下限以上かどうかを弁別する。すなわ
ち、この操作は、ステップS104と同様に、P個前のサ
ーボセクタから現在通過中のサーボセンタまでの真のヘ
ッド移動距離は、(2*P)個前のサーボセクタからP個
前のサーボセクタまでのヘッド移動距離XSTC0にヘ
ッド移動用アクチュエータの加速度とサーボセクタ間の
周期によって求められるヘッド移動距離変化分(B*P)
を加えた値以上であるという考えに基づいている。仮
に、XSTCn≧XSTC0+(B*P)を満たしている場
合は次に進み、そうでない場合は、XSTCnにMを加
えた(S107)後再度ステップS106の動作を繰り返す。そ
の結果、ステップS106までを通過したヘッド移動速度
(XSTCn)は、真のヘッド移動速度と判定できるの
で、ステップS108にて真のヘッド移動速度RXSTCn
とXSTCnとを置き換える。そして、ステップS109
てヘッド移動速度を演算し、ステップS110で(2*P)
個前のサーボセクタからP個前のサーボセクタまでのヘ
ッド移動距離(XSTC0)と、上記現在の真のヘッド移
動距離(RXSTCn)とを来るべき次のサーボセクタに
て再度ヘッド移動動作速度演算するために入れ換える。
【0039】以上が本発明の速度演算方法であるが、具
体例にて更に詳細に説明する。例えば、12トラック周期
(N=12)のサーボパターンを0から47までの48個の刻み
のサブトラックコードで分割しているとする(M=48)。
また、トラックピッチXtp=12μm、サンプル周期Ts
300μsec、P=1とする。すると、サーボパターンの周
期は144μmとなり、1サブトラックコードは3μmとな
る。そして、ヘッド移動用アクチュエータの加速度を最
大28Gとすると、サーボセクタ間に移動可能なヘッド移
動距離変化分はほぼ12.3μmであり、ほぼ4サブトラッ
クコードに値する。よって、第1のオフセットAおよび
第2のオフセットBは、余裕を考慮して6サブトラック
コード程度に設定する。今、仮に45cm/s程度の速度で
ヘッドが移動していて、1サンプル前のヘッド位置が12
トラック周期のサーボセクタの中でサブトラックコード
2の領域に位置しており、現在がサブトラックコード3
の領域に位置しているとする。すると、トラックピッチ
tp=12μm、サンプル周期Ts=300μsecの場合、前記
数1を用いれば、V=1cm/sとなってしまう。しかし
ながら、通常、速度は滑らかに変化するはずであり、30
0μsec程度の短いサーボセクタ周期で、かつ数十G程度
の加速度の加速度でいきなり1cm/sになることはあり
得ない。そこで、図6に示す速度検出方法を用いる。ス
テップS101によりXSTCn=1サブトラックコードと
演算され、ステップS104は、XSTC0+A(45+6)≧
XSTCn(1)となり条件を満たしているのでステップS
106へと進む。ステップS106では、XSTCn(1)≧XS
TC0−B(45−6)を満たしていないので、ステップS
107XSTCn(49)=XSTCn(1)+M(48)の操作を行
い、サブトラックコードでのヘッド移動距離XSTCn
=49を得る。結果、ステップS108にてヘッド移動速度4
9cm/sという真のヘッド移動速度を得ることができ
る。また、仮に、95cm/s程度の速度でヘッドが移動し
ている場合であっても、ステップS106の判定にて、ま
ずステップS107の操作を行い、XSTCn=49となる
が、再度ステップS106にて判定を行うが、XSTCn(4
9)≧XSTC0−B(95−6)となり、条件を満たしてい
ないので更にもう一度ステップS107の操作を行う。結
果、ステップS107のXSTCn(97)=XSTCn(49)+
M(48)の操作がおこなわれ、XSTCn=97を得る。結
果、ステップS109にてヘッド移動速度97cm/sのいう
真のヘッド移動速度を得ることができる。また、負の速
度に対してもステップS104の判定とステップS105の操
作を設けることにより対応できる方法となっている。以
上この方法、サーボセクタが短い繰り返し周期しかもた
ないサーボパターンで形成されていても、以前演算した
ヘッド移動距離を基に現在のサーボセクタで求められる
べき真のヘッド移動距離の範囲を推定し、演算されるヘ
ッド移動速度を真のヘッド移動速度になるよう補正する
機能を有している。その結果、サーボパターンの繰り返
し周期にヘッド移動速度の上限が制限されることなくヘ
ッド移動速度を演算できるため、より高速で短時間のト
ラックシーク(アクセス)性能を実現することが可能にな
るという機能がある。なお、時系列に検出するトラック
コードが、同様に回転している異なる記録再生面のサー
ボセクタからであっても上記速度演算方法が有効である
ことは言うまでもない。
【0040】次に、上記説明してきた24トラック周期の
4種類のサーボパターンを用いたヘッド移動速度制御装
置について説明する。図7は本発明の第1の実施例にお
けるヘッド移動速度制御装置の基本ブロック図である。
図7において、1は磁気ディスクなどの回転可能な記録
媒体でスピンドルモータ(図示せず)によって回転する。
2は記録媒体面に予め埋め込まれた(記録された)24トラ
ック周期のサーボ情報を記録してある周方向に離散的な
サーボセクタ、3はデータを記録するデータセクタであ
る。4は記録媒体面に設けられた情報トラックである。
5はこの情報トラック上の情報を読み書き可能なデータ
ヘッド、6はこのデータヘッドを選択された情報トラッ
クに移動(アクセス)させるVCM(Voice Coil Moto
r)ポジショナ、7はデータヘッドからの再生信号を増幅
する増幅器、8は再生信号の中から離散的に存在するサ
ーボセクタを検出してその情報を抜き出すサーボ情報復
調器、9はデータヘッドの通過する情報トラック内の位
置を±1/2トラックのダイナミックレンジで検出する
トラック内位置デコーダ、10は24トラック周期もしくは
36トラック周期のM信号からI信号までを用いてデータ
ヘッドの情報トラックに対する相対的位置関係をトラッ
【0041】
【外7】
【0042】を選択された情報トラックに移動(アクセ
ス)させるトラックアクセス制御時に、目標トラックま
での距離もしくは目標トラックまでのトラック数に応じ
て目標速度を指令する速度指令器である。通常速度指令
器はROMテーブル等で実現されるが、目標トラックま
での距離もしくは目標トラックまでのトラック数を計測
する毎に関数演算して出力するものであっても良い。12
はデータヘッドがサーボセクタを通過する毎に、ヘッド
位置情報認識装置からの分解能の高いヘッド位置情報を
入力して上記速度演算方法に基づきデータヘッドの記録
媒体半径方向の移動速度を演算する速度演算手段、13は
上記速度指令器11と速度演算手段12との出力を誤差演算
する誤差増幅器である。この誤差増幅器13の出力は補償
器14、スイッチ16を介して、補償器14の出力に応じてV
CMポジショナに電流を供給する電流ドライバ17に供給
されトラックアクセス制御ループが構成される。また、
選択された情報トラックにデータヘッドを追従させる追
従制御ループは、トラック内位置デコーダの出力を補償
器15、スイッチ16を介して電流ドライバ17に供給するこ
とにより構成される。
【0043】この図7の基本ブロック図から理解できる
ように本発明のヘッド位置認識方法および速度演算方法
を備えたヘッド移動速度制御装置は、データヘッドのト
ラックアクセス(シーク)における位置認識および速度制
御の方法にかかわっており、主には、記録媒体上の周方
向に離散的に埋め込まれた24トラックもしくは36トラッ
ク周期のサーボパターンと、そのパターンよりデータヘ
ッドの通過するトラックの相対的位置関係をより1トラ
ック以下まで検出し、上記サーボパターンと速度演算手
段により実現されるヘッド移動速度制御装置にかかわっ
ている。その結果、離散的に形成したサーボセクタに少
なくとも24トラックを周期とする4種類のサーボパター
ンを設けたことによる速度検出範囲の増大という利点
と、サーボパターン繰り返し周期に制限されることなく
ヘッド移動速度のダイナミックレンジを拡大できるとい
う利点を合わせ持っている。よって、より高速で短時間
のトラックシーク(アクセス)性能を実現することが可能
になる。
【0044】図8は、本発明の一実施例におけるヘッド
移動速度制御装置のヘッド位置情報認識装置10とサーボ
情報復調器8をさらに詳しく説明したブロック図であ
る。データヘッド5によって記録媒体から検出した信号
は、プリアンプ7によって増幅した後、サーボセクタ2
の中に埋め込まれたバースト部18等を用いて出力値を規
格化するAGCアンプに伝えられる。サーボ情報復調器
18は、AGCアンプ38と、AGCアンプ38によって規格
化した信号を定められたしきい値にて2値化する2値化
回路39と、連続した2値化信号の中から最もその間隔の
長いイレース部19を見つけ出すイレース部検出器40と、
イレース部19を検出すると同時にカウンタをスタートし
て、サーボセクタ2に埋め込み形成してあるトラックコ
ード20の信号A〜Iおよびトラック内位置情報を示すα
バースト、βバーストを検出するためのゲートを発生
し、かつデータセクタ3と次にくるサーボセクタを判別
するゲートを発生するセクタカウンタおよびゲート発生
器41より構成されている。トラック内位置デコーダ9
は、セクタカウンタおよびゲート発生器41よりゲート指
令を受け、トラック内位置情報を示すαバースト、βバ
ーストだけをAGCアンプより受取り、(αバースト−
βバースト)の演算を行って、追従制御時にデータヘッ
ドのトラック内位置を検出する。また、ヘッド位置情報
認識装置10は、セクタカウンタおよびゲート発生器41よ
りゲート指令を受け、2値化回路39により2値化された
信号のうち信号A,B,C,D,E,Fの2値化情報を
一時的に記憶しておく記憶回路36と、セクタカウンタお
よびゲート発生器41よりゲート指令を受け、AGCアン
プ38によって規格化された信号のうち信号G,H,Iの
ピーク値を各々保持するピークホールダG26、ピーク
ホールダH27およびピークホルダI28と、ピークホー
ルダGのピーク値とピークホルダHのピーク値を比較す
る比較器29と、ピークホールダHのピーク値とピークホ
ルダIのピーク値を比較する比較器30と、ピークホール
ダIのピーク値とピークホールダGのピーク値を比較す
る比較器31と、比較器29,30,31の2値化情報を保持し
記憶回路36の2値化情報と併せて第1番目の2値化情報
を構成する第1ラッチ32と、第1ラッチ32の内容に応じ
てピークホールダG,H,Iのどれに第1回目のオフセ
ットを付加するかを前記表3のデコード方式に従い決定
するオフセットデコーダと、上記オフセットデコーダの
指令に従って所定のオフセット値をピークホールダG,
H,Iのどれか1つに付加するオフセット付加器34と、
オフセット付加器34によりオフセットを付加されたピー
クホールダと対応するピークホールダとの比較結果を保
持して第2番目の2値化情報を形成する第2ラッチ33
と、さらに、第2番目の2値化情報の結果にしたがっ
て、第2回目のオフセットを付加すべきピークホルダの
選定と付加すべき第2回目のオフセット値をオフセット
付加器に指令し、第2回目のオフセット値を付加したピ
ークホルダと対応するピークホルダとの比較を行い、第
3番目の2値化情報を第3ラッチに形成し、さらに、上
記動作を繰り返して、第N番目の2値化情報を第Nラッ
チに35に形成し、結果上記第1ラッチから第Nラッチま
での2値化情報を用いてデータヘッドのサーボトラック
に対する
【0045】
【外8】
【0046】
【外9】
【0047】詳細に判別することが可能になる。よっ
て、トラックアクセス制御時に、データヘッドの移動速
度を従来のN倍の高い分解能で認識でき、精度の高い速
度制御を可能にする。なお、ヘッド位置情報判別要素37
は、上記表1,表2,表3,表4を用いたデータヘッド
の位置判別をROMテーブル等を利用したハードウェア
で行っても良いし、また、μCPU等を利用したソフト
ウェアで行っても良い。また、この時のヘッド位置情報
判別要素37は、ROMテーブル等のハードウェアだけで
構成することも可能であるが、1チップμCPU等のハ
ードウェアとソフトウェアを用いて構成しても良い。
【0048】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように本発明の
ヘッド位置認識方法は、記録媒体上の周方向に離散的な
サーボセクタを埋め込み形成し、そのサーボセクタには
少なくとも24トラックを周期する4種類のサーボパター
ンを設け、速度制御時に、ヘッドのサーボセクタ間での
移動距離が24トラックまでのヘッドのサーボセクタ間で
の平均移動速度を正しく計算できるように構成してい
る。例えば、上記トラックピッチXtp=12μm、サンプ
ル周期をTs=300μsecの場合、サーボパターンを少な
くとも24トラック周期とすることにより、最高速度V
max=96cm/sとすることができる。また、サーボパタ
ーンを36トラック周期とすることにより、最高速度V
max=144cm/sとすることができる。よって、サーボセ
クタ間でのヘッド移動距離算出限界が向上し、速度検出
範囲が従来方式の2倍もしくは3倍にすることが可能と
なる。その結果、より高速で短時間のトラックシーク
(アクセス)性能を実現することが可能になるという効果
がある。また、実施例の説明の中でも述ベたように、新
たに追加したサーボパターンM,Nによって生じるサー
ボ領域の増大は、容量換算でたかだか0.1〜0.2%程度で
あり、設計で吸収可能な範囲である。また、本発明の速
度演算方法は、P個前に通過したサーボセクタから現在
通過中のサーボセクタまでのヘッド移動距離をもとにヘ
ッド移動速度を演算する方法であった。上記P個前に通
過したサーボセクタで演算されたヘッド移動距離に第1
のオフセットを加えた第1のヘッド移動距離と、上記P
個前に通過したサーボセクタで演算されたヘッド移動距
離から第2のオフセットを減じた第2のヘッド移動距離
とを作成し、現在のサーボセクタにて演算されるヘッド
移動距離が、上記第1と第2のヘッド移動距離との間に
ないときは、上記演算されたヘッド移動距離にMを加え
た値を真のヘッド移動距離としてヘッド移動速度を演算
する方法である。この方法は、サーボセクタが短い繰り
返し周期しかもたないサーボパターンで形成されていて
も、以前演算したヘッド移動距離を基に現在のサーボセ
クタで求められるベき真のヘッド移動距離の範囲を推定
し、数1で演算されるヘッド移動速度を真のヘッド移動
速度となるよう補正する機能を有している。その結果、
サーボパターンの繰り返し周期にヘッド移動速度の上限
が制限されることなくヘッド移動速度を演算できるた
め、より高速で短時間のトラックシーク(アクセス)性能
を実現することが可能になるという効果がある。
【0049】また、上記ヘッド位置認識方法と速度演算
方法を用いてヘッド移動速度制御装置は、離散的に形成
したサーボセクタに少なくとも24トラックを周期とする
4種類のサーボパターンを設けたことによる速度検出範
囲の増大という利点と、サーボパターン繰り返し周期に
制限されることなくヘッド移動速度のダイナミックレン
ジを拡大できるという利点を合わせて持っている。よっ
て、より高速で短時間のトラックシーク(アクセス)性能
を実現することが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における回転可能な記録
媒体上の情報トラックに予め埋め込まれた離散的なサー
ボセクタの具体的なサーボパターン図である。
【図2】本発明の第1の実施例(図1)におけるサーボセ
クタをデータヘッドが横切ったときの再生波形の図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施例におけるデータヘッドを
図2に示すようなサーボセクタを記録媒体の内周から外
周に向かって低速移動させたときの理想的な再生状態を
示した再生出力状態図である。
【図4】本発明の第1の実施例におけるデータベッドが
図2に示すようなサーボセクタを記録媒体の内周から外
周に向かって低速移動させたときの信号G,信号H,信
号Iの再生出力の理想的な状態を示した再生出力状態図
である。
【図5】本発明の第2実施例における回転可能な記録媒
体上の情報トラックに予め埋め込まれた離散的なサーボ
セクタの具体的なサーボパターン図である。
【図6】本発明の速度演算方式を説明するフローチャー
トである。
【図7】本発明の第1の実施例におけるヘッド位置決め
装置の基本ブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施例におけるヘッド移動速度
制御装置のサーボ情報復調器とヘッド位置情報認識装置
の詳細ブロック図である。
【図9】従来の回転可能な記録媒体上の情報トラックに
予め埋め込まれた離散的なサーボパターン図である。
【図10】図9に示すようなサーボセクタをデータヘッ
ドが横切ったときの再生波形の図である。
【符号の説明】
1…記録媒体、 2…サーボセクタ、 3…データセク
タ、 4…情報トラック、 5…データヘッド、 6…
VCMポジショナ、 7…増幅器、 8…サーボ情報復
調器、 9…トラック内位置デコーダ、 10…ヘッド位
置情報認識装置、11…速度指令器、 12…速度演算手
段、 13…誤差増幅器、 14,15…補償器、16…スイッ
チ、 17…電流ドライバ、 18…バースト部、 19…イ
レース部、20…トラックコード、 21…位置情報、 22
…再生信号Gのピークホルド値、23…再生信号Hのピー
クホルド値、 24…再生信号Iのピークホルド値、 25
…再生信号Iにオフセット0.5を付加した後のピークホ
ルド値、 26…ピークホルダG、 27…ピークホルダ
H、 28…ピークホルダI、 29,30,31…比較器、32
…第1ラッチ、 33…第2ラッチ、 34…オフセット付
加器、 35…第Nラッチ、 36…記憶回路、 37…ヘッ
ド位置情報判別要素、 38…AGCアンプ、39…2値化
回路、 40…イレース部検出器、 41…セクタカウンタ
およびゲート発生器。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能な記録媒体の周方向にサーボセ
    クタを離散的に形成し、前記サーボセクタには3トラッ
    クを周期とする少なくとも3位相の第1のサーボパター
    ンと、少なくとも24トラックを周期とし且つ互いに少な
    くとも6トラックのずれを持ち少なくとも2位相のパタ
    ーンからなる第2のサーボパターンと、12トラックを周
    期としかつ互いに3トラックのずれを持ち少なくとも2
    位相のパターンからなる第3のサーボパターンと、6ト
    ラックを周期とし第3のサーボパターンとの間で少なく
    とも1.5トラックのずれを持つ第4のサーボパターンと
    からなる4種類のサーボパターンを形成し、少なくとも
    24トラック周期のどの位置にヘッドが位置しているか
    を、前記第2のサーボパターンを用いて多くとも10トラ
    ックの範囲にまで弁別し、さらに、前記第3と第4のサ
    ーボパターンを用いて、3トラックの範囲にまで弁別
    し、さらに第1のサーボパターンを用いてヘッド位置を
    1トラック以下の領域にまで弁別することを特徴とする
    ヘッド位置認識方法。
  2. 【請求項2】 第1,第2,第3および第4のサーボパ
    ターンは、それぞれ少なくとも1つのダイビットパター
    ンを含んで形成されることを特徴とする請求項1記載の
    ヘッド位置認識方法。
  3. 【請求項3】 サーボセクタは、第2のサーボパター
    ン、第3のサーボパターン、第4のサーボパターン、第
    1のサーボパターンの順にサーボパターンを形成するこ
    とを特徴とする請求項1記載のヘッド位置認識方法。
  4. 【請求項4】 第1のサーボパターンには、周方向に形
    成したダイビットパターンを記録媒体の径方向に一直線
    になるよう並べたインラインパターンと、前記一直線の
    インラインパターンの周方向に隣接した3位相のサーボ
    パターンとを形成することを特徴とする請求項1記載の
    ヘッド位置認識方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも記録面を2面以上備えた記録
    媒体のそれぞれの面の周方向に離散的なサーボセクタを
    形成し、前記サーボセクタにはNトラック周期(Nは整
    数)のサーボパターンを設け、前記Nトラック周期のサ
    ーボパターンは復号処理によりM個(M≧N)の刻みのサ
    ブトラックコードに分割され、サーボセクタを通過する
    毎にヘッドで時系列的に検出されるトラックコードは前
    記復号処理によりサブトラックコードにまで弁別され、
    P個前(Pは整数)に通過したサーボセクタで検出された
    トラックコードから復号されたサブトラックコードとの
    差分からヘッド移動距離を求め、このヘッド移動距離を
    もとにヘッドの記録媒体径方向の移動速度を演算するよ
    うにし、ヘッド移動速度を演算する際にはP個前に通過
    したサーボセクタで演算されたヘッド移動距離に第1の
    オフセットを加えた第1のヘッド移動距離と、前記P個
    前に通過したサーボセクタで演算されたヘッド移動距離
    から第2のオフセットを減じた第2のヘッド移動距離と
    を作成し、現在のサーボセクタにて演算されるヘッド移
    動距離が前記第1のヘッド移動距離よりも大きいときは
    上記演算されたヘッド移動距離からMを減じた値を真の
    ヘッド移動距離とし、また、前記現在のサーボセクタに
    て演算されるヘッド移動距離が、前記第2のヘッド移動
    距離よりも小さいときは上記演算されたヘッド移動距離
    にMを加えた値を真のヘッド移動距離としてヘッド移動
    速度を演算することを特徴とする速度演算方法。
  6. 【請求項6】 第1のヘッド移動距離を作成する第1の
    オフセットおよび第2のヘッド移動距離を作成する第2
    のオフセットは、ヘッド移動用アクチュエータの発生す
    る加速度で加減速した場合、P個のサーボセクタ間に移
    動可能なヘッド移動距離をもとに作成することを特徴と
    する請求項5記載の速度演算方法。
  7. 【請求項7】 回転可能な記録媒体の周方向に形成され
    た離散的なサーボセクタと、前記記録媒体の情報を少な
    くとも再生可能なデータヘッドと、前記データヘッドの
    再生信号から前記離散的なサーボセクタに含まれている
    サーボ情報を取り出すサーボ情報復調手段と、前記デー
    タヘッドとトラックの相対的位置関係 【外1】 位置情報認識手段と、前記ヘッド位置情報認識手段の出
    力により目標トラックまでの距離に応じてトラックアク
    セス速度指令を出力する速度指令手段と、前記ヘッド位
    置情報認識手段の出力によりデータヘッドの記録媒体半
    径方向の移動速度を求める速度演算手段と、データヘッ
    ドを上記記録媒体半径方向の任意の位置に移動させるポ
    ジショナ手段とを備え、トラックアクセス制御は前記速
    度指令手段と速度演算手段との速度誤差に基づく信号を
    ポジショナ手段に帰還することにより構成されたことを
    特徴とするヘッド移動速度制御装置。
  8. 【請求項8】 データヘッドとトラックの相対的位置関
    係を情報トラック幅 【外2】 ーボパターンそれぞれの再生信号振幅のピーク値をそれ
    ぞれ記憶する少なくとも2つのピークホルダ要素と、前
    記少なくとも2つのピーク値をそれぞれ比較する少なく
    とも1つの比較要素と、比較要素の出力を記憶して第1
    番目の2値化情報を保持する第1ラッチ要素と、前記第
    1ラッチ要素の内容に応じてどのピークホルダ要素にオ
    フセットを加えるかを決定するオフセットデコーダ要素
    と、オフセットデコーダ要素の指令に基づき所定のピー
    クホルダ要素にオフセットを付加するオフセット付加要
    素と、オフセットを付加したピークホルダ要素と付加し
    ないピークホルダ要素とを再度前記比較要素を用いて比
    較し、その結果を一時的に記憶して第2番目の2値化情
    報を保持する第2ラッチ要素と、第N番目までの2値化
    情報をラッチするN個のラッチ要素と、前記第1ラッチ
    要素から第Nラッチ要素までの内容を用いてデータヘッ
    ドのトラックに対する相対的位置関係を情報 【外3】 たことを特徴とする請求項7記載のヘッド移動速度制御
    装置。
JP32595391A 1991-05-14 1991-12-10 ヘッド位置認識方法、速度演算方法およびヘッド移動速度制御装置 Pending JPH05159488A (ja)

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US07/883,209 US5383068A (en) 1991-05-14 1992-05-14 Head position recognition method, a speed calculation method, and a head movement speed control device

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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5757576A (en) * 1995-12-28 1998-05-26 Fujitsu Limited Disk apparatus, and phase demodulating device and method for a disk apparatus
US7551391B2 (en) 2006-08-30 2009-06-23 Fujitsu Limited System and method for controlling head velocity by demodulating servo information

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JPH04337574A (ja) * 1991-05-14 1992-11-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd ヘッド位置認識方法、ヘッド速度演算方法及びヘッド移動速度制御装置

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