JPH05157901A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JPH05157901A
JPH05157901A JP4142756A JP14275692A JPH05157901A JP H05157901 A JPH05157901 A JP H05157901A JP 4142756 A JP4142756 A JP 4142756A JP 14275692 A JP14275692 A JP 14275692A JP H05157901 A JPH05157901 A JP H05157901A
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lens
plastic
plastic lens
compound
aromatic carbonate
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JP4142756A
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Hiroshi Nakanishi
弘 中西
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Canon Inc
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境湿度の変化に対する光学性能の変化を防
止し、かつ通過したレーザービームのビーム形状の悪化
を防止したレーザービームプリンター等に好適なプラス
チックレンズを得ること。 【構成】 レーザー光源を対象とした光学系に使用する
プラスチックレンズであって、該プラスチックレンズ
は、波長632.8nmの光における光弾性定数が0よ
り大きく60×l0-13 cm2 /dyne以下のプラス
チック材料を使用し、かつレンズの光線有効範囲内の光
軸方向の最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、
そのプラスチック材料の温度50℃、湿度95%下の飽
和吸湿率W%の積W×D/Hが0より大きく4以下とな
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光源を対象とした
光学系(レーザ光学系)に使用するプラスチックレンズ
に関し、例えばレーザービームプリンターのレーザ走査
光学系の各種のレンズや光ディスクのビックアップ光学
系の各種のレンズなどに好適なプラスチックレンズに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より光ピックアップ用の光学系やレ
ーザービームプリンターの光学系等にはガラス材料より
成るレンズが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】もし、レーザ光源を対
象とする光学系(以下「レーザ光学系」という。)に使
用されるレンズをポリメチルメタクリレート樹脂で作
り、その光学系の環境条件である温度と湿度を変化(例
えば20℃,50%→50℃,95%)させると、一般
には光学性能が変動し、例えばピント位置が大幅に変動
してくる。
【0004】このときのピント位置の変動はレンズ形
状、特にレンズ肉厚Dとレンズ外径(「レンズ高さ」と
もいう。)Hとの比D/Hの値によって大きく変化して
くる。
【0005】又、例えば材料としてポリカーボネート樹
脂やポリスチレン樹脂でレーザ光学系用のレンズを構成
した場合には環境条件のうち湿度が変化したときのピン
ト変動は少なくなる。
【0006】しかしながらレーザ光を該レンズを通して
入射前後のビーム形状を観察してみると、レンズに入射
する前のレーザ光のビーム形状がほぼ円形状だったのに
対し、レンズを射出した後のレーザ光のビーム形状は楕
円になったり、8の字のように2つに割れてしまったり
することがあった。
【0007】これに対して例えば材料としてポリメチル
メタクリレート樹脂で構成したレンズにレーザ光を通し
た場合には、湿度変化によるビント変動は大きいが光束
の通過前後でビーム形状が大きく変化する等のビーム形
状の悪化は少ない。
【0008】本発明はプラスチックレンズの湿度に対す
る光学性能の変化、特にビント変動をプラスチック材料
と、レンズ形状を適切に設定することにより良好に補正
すると共に、又レーザービームの通過後のレーザービー
ム形状の悪化も効果的に補正することができるプラスチ
ックレンズの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のプラスチックレ
ンズは、レーザ光源を対象とした光学系に使用するプラ
スチックレンズであって、該プラスチックレンズは63
2.8nmにおける光弾性定数が0より大きく60×l
-13cm2 /dyne以下のプラスチック材料より成
り、かつ該プラスチックレンズの光束有効径内の光軸方
向の最大厚さをD、レンズ外径をH、該プラスチック材
料の温度50℃、湿度95%における飽和吸湿率をW
(%)としたとき、W×D/H値が0より大きく4以下
となるようなレンズ形状より構成したことを特徴として
いる。
【0010】
【実施例】図1,図2は各々本発明のプラスチックレン
ズPLの実施例1,2のレンズ断面図である。図1のプ
ラスチックレンズPLは正レンズ、図2のプラスチック
レンズPLは負レンズの場合を示している。
【0011】図中DはプラスチックレンズPLの光束有
効径内の光軸方向の最大厚さ(最大肉厚)、Hはプラス
チックレンズPLのレンズ外径(レンズ高さ)である。
【0012】本実施例ではプラスチックレンズPLの材
料の光弾性係数C、最大厚さD、レンズ外径Hそして飽
和吸湿率Wを前述の如く特定することにより外気の湿度
が変化したときに生じるピント変動(屈折力変動)及び
通過ビーム形状の悪化を効果的に補正している。
【0013】次に本発明のプラスチックレンズの特徴に
ついて説明する。
【0014】レーザ光学系に使用するプラスチックレン
ズは環境湿度が変化したときに大幅なピント変動が生じ
る。これはレンズ内に生ずる材料の屈折率分布と相関関
係があることが検討した結果わかった。
【0015】図3は常温常湿の環境下から高湿度環境下
にプラスチックレンズをうつしたときにプラスチックレ
ンズPLに湿気が浸入しレンズ内部に密度の分布ができ
る様子を示している。このときの密度の分布はローレン
ツ・ローレンツの式より屈折率分布に置き換わり湿気が
浸入した領域は屈折率が高くなる。その際、ピント変動
に大きな影響をもつのはレーザ光の通る方向に対し垂直
な断面(図3のA−A′断面)に生ずる屈折率分布であ
る。(図4参照、図4は図3のプラスチックレンズPL
のA−A´断面の屈折率分布を示している)この屈折率
分布は湿気の浸入に伴ない刻一刻と変化していき、それ
に伴ないピントの位置も刻一刻と変化してくる。
【0016】図5,図6にその様子を示す。材料として
ポリメチルメタクリレート樹脂で作ったレンズでテスト
してみると、この屈折率はテスト前において1.491
でほぼ均一であったのが、常温常湿の環境から高湿度環
境下にうつすと、図5に示すようにプラスチックレンズ
の端面がまず最初に屈折率1.493になり、その後レ
ンズ中央部の方まで徐々に屈折率が変化して屈折率1.
493に近付いていく。
【0017】ここで、プラスチックレンズのレンズPL
形状を一定とすると最大のピント移動量XMAX (図6参
照)は図3の断面A−A´における最大屈折率分布量
(=最大屈折率差)NMAX (図5参照)と比例関係にあ
り次式で表わされる。
【0018】XMAX =B1 ・NMAX ここでB1 は定数である。
【0019】又、最大屈折率分布量(=最大屈折率差)
MAX はプラスチック材料の飽和吸湿率W%と比例関係
にあり次式で表わされる。
【0020】NMAX =B2 ・W ここでB2 は定数である。
【0021】本実施例において飽和吸湿率W%は以下の
式により定義している。
【0022】W(%)=(Wa −W0 )/W0 ×l00 ここでW0 は絶乾時のプラスチックレンズの重量でWa
は温度50℃、湿度95%下に長時間プラスチックレン
ズを放置し、その重量変化が起こらなくなった所のプラ
スチックレンズの重量である。即ちプラスチックレンズ
の形状を一定とすると次式が成り立つ。
【0023】XMAX =B3 ・W ………(1) ここでB3 は定数である。
【0024】又、このプラスチックレンズ内の屈折率分
布はレンズ形状によって大きく変化してくる。図3に示
したレンズ形状のプラスチックレンズはレンズ面25か
らの湿気の浸入が支配的である。これに対し図7に示し
たレンズ形状のプラスチックレンズPLではコパ面71
からの浸入が支配的である。この場合、図7に示したよ
うなプラスチックレンズの方が図3のプラスチックレン
ズに比ベてピント移動が大きい。
【0025】ここで、プラスチックレンズの光線有効範
囲内における光軸方向の最大肉厚Dとレンズ有効径(レ
ンズ高さ)Hを図1,図2に示すように定義した場合、
プラスチック材料の飽和吸湿率を一定とすると、図3の
A−A´レンズ断面における最大屈折率分布量NMAX
最大肉厚Dとレンズ有効径Hの比D/Hに比例し、次式
のように表わせられる。
【0026】NMAX =B4 ・D/H ここでB4 は定数である。
【0027】前述したように最大屈折率分布量NMAX
最大ビント移動量XMAX に比例することから XMAX =B5 ・D/H ………(2) となる。ここでB5 は定数である。
【0028】これより最大ピント移動量XMAX はプラス
チック材料の飽和吸湿率W%と最大肉厚Dとレンズ有効
径Hの比D/Hとで一義的に決定される。式(1)と式
(2)より所定の光学性能を満たす為には XMAX ≦B6 ・W・D/H を満足することが必要である。ここでB6 は定数であ
る。
【0029】即ち、飽和吸湿率W%の大きい材料を使用
する場合はD/Hの値を小さくしなければならないし、
その逆にW%が小さい材料の場合はD/Hの値は大きく
ても良い。
【0030】種々と検討した結果レーザ光学系において
要求される光学性能よりプラスチックレンズの光線有効
範囲内における最大肉厚Dとレンズ有効径Hの比D/H
と、プラスチック材料の温度50℃、湿度95%下にお
ける飽和吸湿率W%の積W×D/Hを0より大きく4以
下とするようにプラスチックレンズを構成するのが良
い。
【0031】又、レーザ光を入射させ射出した後のレー
ザ光のスポット形状の悪化について検討した結果、プラ
スチック材料の光弾性定数により決定されることを見出
した。
【0032】プラスチックレンズを成形する場合、プラ
スチック材料の流れ方や冷却のされ方によってレンズ内
にはせん断応力や熱応力が発生し残留する。それらの残
留応力はプラスチック材料のもつ光弾性定数に比例して
複屈折量となる。
【0033】今、複屈折量を△n、光弾性定数をC、残
留応力量をSとすると次式の関係が成り立つ。
【0034】△n=C・S 光束のスポット形状の悪化はプラスチックレンズ内の複
屈折量(△n)で決まる。その複屈折量△nはプラスチ
ック材料のもつ光弾性定数Cと残留応力量Sという2つ
の変数で決まる。プラスチックレンズを成形する場合、
ひけを起こさないように成形を行なわなければならな
い。これより残留応力Sはある値だけどうしても発生し
てしまう為、Sは定数とみなしても良い。従って材料特
有の光弾性定数Cに比例して複屈折が発生する。
【0035】そこで本発明では・レーザ光学系に使用さ
れるプラスチックレンズの材料としてはこの光弾性定数
が波長632.8nmの光において、0より大きく60
×l0-13 cm2 /dyne以下となるようにし、これ
により光学性能を良好に維持している。表一1に代表的
なプラスチックレンズ材料の温度50℃、湿度95%に
おける飽和吸湿率Wと波長632.8nmの光における
光弾性定数Cを示す。
【0036】
【表1】
【0037】アクリレート系化合物とスチレン系化合物
との共重合体又はそれらの化合物の重合体との混合物に
関してはその配合比率によって図8に示すように光弾性
定数Cが大きく変化する。
【0038】特にMS樹脂の場合本発明では波長63
2.8nmの光における光弾性定数Cが0より大きく6
0×l0-13 cm2 /dyne以下を満足するために、
メチルメタクリレートとスチレンの配合比率は、 20/80≦MMA/St≦100/0(=PMMA) のように設定している。なお、ここにおいて、上限のM
MA/St=100/0はMMAが100%ということ
であり、これはPMMA樹脂をさす。
【0039】又、カーボネート系化合物とスチレン系化
合物との共重合体又はそれらの化合物の重合体との混合
物に関しては、その構成単位の重量比率によって図9に
示すように光弾性定数Cが大きく変化する。本発明では
波長632.8nmの光における光弾性定数Cが60×
l0-13 cm2 /dyne以下を満足するためにMpc
をポリカーボネートの構成単位の重量、MpSをスチレ
ン系化合物ポリマーの構成単位の重量としたとき25/
75≦Mpc/Mps≦90/10のように設定してい
る。
【0040】図10は本発明のプラスチックレンズを用
いた第1実施例の要部概略図である。本実施例ではレー
ザービームプリンターのレーザー走査光学系に適用した
場合を示している。同図において1は光源であるレーザ
ーダイオード、2はコリメーターレンズ、3はシリンド
リカルレンズである。このコリメーターレンズ2及びシ
リンドリカルレンズ3でポリゴンミラー4面上にレーザ
1からのレーザー光を結像させている。
【0041】光源1からポリゴンミラー4までが第1次
結像系である。5は球面レンズ、6はトーリックレンズ
である。球面レンズ5とトーリックレンズ6よりfθレ
ンズ系を構成している。球面レンズ5、トーリックレン
ズ6を通過したレーザー光は折り返しミラー7で反射
し、感光体ドラム10上に結像している。ポリゴンミラ
ー4より感光体ドラム10までが第2次結像系である。
【0042】本実施例では図10においてコリメーター
レンズ2、シリンドリカルレンズ3、球面レンズ5及び
トーリックレンズ6の各々をそれぞれプラスチック材料
で構成している。レーザービームプリンターとしての光
学性能を満足する為の各々のプラスチックレンズの材料
の波長632.8nmの光における光弾性定数Cを求め
た結果を表2に示す。
【0043】表−2の検討の方法としては光弾性定数が
7〜90の範囲内で任意に選択できるメチルメタクリレ
ートとスチレンとの共重合体(MS樹脂)について、各
々の配合比率を変化させることによって行なった。メチ
ルメタクリレートとスチレンはその配合比率によっては
多少白濁する組み合わせも存在するが、検討には差し支
えないレベルであった。
【0044】
【表2】
【0045】表−2は例えばコリメーターレンズをプラ
スチック材料より成るプラスチックレンズに置き換え、
他のシリンドリカルレンズ、球面レンズ、トーリックレ
ンズをガラスレンズとした場合、そのコリメーターレン
ズのプラスチック材料の波長632.8nmの光におけ
る光弾性定数は10×l0-13cm2 /dyne以下で
なくてはならないことを表わしている。
【0046】表−2に示すようにレーザーダイオード1
から光学的に遠くなるレンズほどそのプラスチックレン
ズの要求特性は緩くなるがそれでも所定の光学性能を維
持中する為にはトーリックレンズ6の波長632.8n
mに光における光弾性定数は0より大きく60×l0
-13 cm2 /dyne以下とする必要がある。
【0047】次に常温常湿の環境下から高湿(例えば温
度50℃、湿度95%)の環境下に置いたときに生じる
光学性能の変化としてのピント移動について一般的なレ
ーザービームプリンターを用いた場合について検討を行
なった。
【0048】図11はこのトーリックレンズ6の中心線
断面の形状を表わした説明図である。光線有効範囲Sは
3mmでその範囲内での最大肉厚Dは20mmである。
このトーリックレンズ6を温度50℃、湿度95%下に
おける飽和吸湿率の異なる種々のプラスチック材料で作
った場合の必要とされるレンズ有効径(レンズ高さ)H
を求めた結果を表−3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】飽和吸湿率が0.8%より小さい材料につ
いてはレンズ有効径Hが光線有効範囲内に入ってくるの
で、このトーリックレンズ6についてはレンズ有効径H
を求めていない。
【0051】表−3に示すように光線有効範囲内におけ
る最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、温度5
0℃、湿度95%下におけるプラスチック材料の飽和吸
湿率W%との積W×D/Hを0より大きく4以下とし、
これにより良好なる光学性能を維持している。
【0052】尚、コリメーターレンズ、シリンドリカル
レンズ、球面レンズについてはトーリックレンズより更
にW×D/Hの値を小さくするのが良い。
【0053】それについて、コリメーターレンズ2につ
いて説明する。コリメーターレンズ2はレーザーダイオ
ード1に最も近いレンズであるので、先程の光弾性定数
同様、湿度変化に対してもその要求精度は厳しい。
【0054】図10のコリメーターレンズ2の断面の形
状は図13に示す様な形で、その光線有効範囲Sは1.
5mmで、その範囲内での最大肉厚Dは8mmである。
【0055】このコリメータレンズ2を温度50℃,湿
度95%下における飽和吸湿率の異なる種々のプラスチ
ック材料で作った場合の必要とされるレンズ有効径(高
さ)Hを求めた結果を表−4に示す。
【0056】表−4に示す様に、コリメータレンズにお
いては、光線有効範囲内における最大肉厚Dとレンズ有
効径Hとの比D/Hを0より大きく4以下の場合と、温
度50℃,湿度95%下におけるプラスチック材料の飽
和吸湿率W%との積W×D/Hを0より大きく0.2以
下の場合において、良好なる光学性能を維持することが
可能となった。
【0057】
【表4】
【0058】図12は本発明のプラスチックレンズを用
いた第2実施例の要部概略図である。本実施例では光デ
ィスク用ピックアップの光学系に適用した場合を示して
いる。同図において12は光源であるところのレーザー
ダイオード、13はレーザー光を平行光にする為のコリ
メーターレンズ、14はグレーティング、15はビーム
スプリッタ、16はディテクタレンズ、18はフォトデ
ィテクタ、19は波長板、20は対物レンズ、22はデ
ィスク23に刻まれているピットである。
【0059】本実施例ではレーザーダイオード12から
出射されたレーザービームはコリメーターレンズ13、
グレーティングl4を通りビームスプリッタ15内に入
射する。ここで直角方向に反射され波長板19、対物レ
ンズ20を通ってピット22が刻まれているディスク2
3に照射される。ディスク23で反射したレーザービー
ムは元の光路を戻り対物レンズ20、波長板19、そし
てビームスプリッタ15内の反射面で直角方向に反射さ
れ、ディテクタレンズ16を通ってフォトディテクタ1
8に入射する。
【0060】図12の実施例においてコリメーターレン
ズ13、対物レンズ20、ディテクタレンズ16をそれ
ぞれプラスチック材料で構成している。
【0061】光ディスク用の光学系としての光学性能を
満足する為の十各々のレンズの材料の波長632.8n
mの光における光弾性定数Cを求めた結果を表−5に示
す。
【0062】検討の方法は先の実施例1と同様である。
【0063】
【表5】
【0064】光ディスクのピックアップの光学系におい
ては、上記表−5に示すように、対物レンズの要求特性
が最も緩かったが、それでも波長632.8nmの光に
おける光弾性定数は0より大きく60×l0-13 cm2
/dyne以下とするのが良好なる光学性能を維持する
のに好ましい。
【0065】次に環境湿度が変化した時に生じる光学性
能の変動としてのピント変動について検討を行なった。
【0066】図1のプラスチックレンズはこのときの対
物レンズ20のレンズ形状を示している。
【0067】光線有効範囲は1.5mmでその範囲内で
の最大肉厚Dは6mmである。
【0068】このプラスチックレンズ20を温度50
℃、湿度95%下における飽和吸湿率の異なる種々のプ
ラスチック材料で作った場合の必要とされるレンズ有効
径(レンズ高さ)Hを求めた。この結果を表−6に示
す。
【0069】
【表6】
【0070】飽和吸湿率が1.2%より小さい材料につ
いてはレンズ有効径が光線有効範囲内に入ってくるので
レンズ有効径を求めていない。
【0071】本実施例では表−6に示すように光線有効
範囲内における最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/
Hと温度50℃、湿度95%下におけるプラスチック材
料の飽和吸湿率W%との積W×D/Hを0より大きく4
以下とし、これにより良好なる光学性能を維持してい
る。
【0072】尚、コリメーターレンズ、ディテクタレン
ズについては対物レンズより更にW×D/Hの値を小さ
くするのが良い。
【0073】
【発明の効果】本発明によればレーザー光源を対象とす
る光学系にプラスチックレンズを使用する場合、波長6
32.8nmの光における光弾性定数が0より大きく6
0×l0-13 cm2 /dyne以下のプラスチック材料
を使用し、かつレンズの光線有効範囲内の光軸方向の最
大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、そのプラス
チック材料の温度50℃、湿度95%下の飽和吸湿率W
%の積W×D/Hが0より大きく4以下となるようにし
ている。これによりプラスチックレンズを製作すること
によって複屈折によるビーム形状の悪化と環境湿度が変
化した場合に生じる光学性能の変動としてのピント変動
の両方を良好に解決することができるプラスチックレン
ズを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のレンズ断面図である。
【図2】本発明の実施例2のレンズ断面図である。
【図3】レンズに湿気が浸入し、レンズ内に屈折率分布
ができる様子の説明図である。
【図4】図3のA−A´断面の屈折率分布の説明図であ
る。
【図5】レンズ内に湿気が浸入することによる屈折率分
布の変化の説明図である。
【図6】図5レンズの屈折率分布の変化に伴なうピント
位置変動の説明図である。
【図7】レンズに湿気が浸入しレンズ内に屈折率分布が
できる様子の説明図である。
【図8】プラスチック材料の光弾性定数の変化の説明図
である。
【図9】プラスチック材料の光弾性定数の変化の説明図
である。
【図10】本発明のプラスチックレンズをレーザービー
ムプリンターに適用した実施例の要部概略図である。
【図11】プラスチックレンズの断面説明図である。
【図12】本発明のプラスチックレンズを光ディスクの
ピックアップの光学系に適用したときの要部概略図であ
る。
【図13】図10のコリメーターレンズ2の断面の形状
を説明する図である。
【符号の説明】
PL プラスチックレンズ 1,12 レーザ 2,13 コリメーターレンズ 3 シリンドリカルレンズ 4 ポリゴンミラー 5 球面レンズ 6 トーリックレンズ 7 ミラー 10 感光ドラム 14 グレーティングレンズ 15 ビームスプリッタ 16 ディテクターレンズ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源を対象とした光学系に使用す
    るプラスチックレンズであって、該プラスチックレンズ
    は632.8nmにおける光弾性定数が0より大きく6
    0×l0-13 cm2 /dyne以下のプラスチック材料
    より成り、かつ該プラスチックレンズの光束有効径内の
    光軸方向の最大厚さをD、レンズ外径をH、該プラスチ
    ック材料の温度50℃、湿度95%における飽和吸湿率
    をW(%)としたとき、W×D/H値が0より大きく4
    以下となるようなレンズ形状より構成したことを特徴と
    するプラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】 前記プラスチック材料は非晶質または結
    晶質のオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項
    1のプラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】 前記プラスチック材料はPMMA樹脂で
    あることを特徴とする請求項1のプラスチックレンズ。
  4. 【請求項4】 前記プラスチック材料はアクリレート又
    はアクリレート系化合物を含む共重合体、あるいはアク
    リレート又はアクリレート系化合物の重合体を含む混合
    物であることを特徴とする請求項1のプラスチックレン
    ズ。
  5. 【請求項5】 前記プラスチック材料がMS樹脂である
    ことを特徴とする請求項4のプラスチックレンズ。
  6. 【請求項6】 前記MS樹脂のメチルメタクリレート
    (MMA)とスチレン(St)の配合比率が、20/8
    0≦MMA/St≦100/0(=PMMA)であるこ
    とを特徴とする請求項5のプラスチックレンズ。
  7. 【請求項7】 前記プラスチック材料は芳香族カーボネ
    ート又は芳香族カーボネート系化合物を含む共重合体、
    あるいは芳香族カーボネート又は芳香族カーボネート系
    化合物の重合体を含む混合物であることを特徴とする請
    求項1のプラスチックレンズ。
  8. 【請求項8】 前記プラスチック材料は芳香族カーボネ
    ート又は芳香族カーボネート系化合物と、スチレン又は
    スチレン系化合物との共重合体、あるいは芳香族カーボ
    ネート又は芳香族カーボネート系化合物の重合体と、ス
    チレン又はスチレン系化合物の重合体との混合物である
    ことを特徴とする請求項7のプラスチックレンズ。
  9. 【請求項9】 前記芳香族カーボネート又は芳香族カー
    ボネート系化合物と前記スチレン又はスチレン系化合
    物、あるいは芳香族カーボネート又は芳香族カーボネー
    ト系化合物の重合体と、スチレン又はスチレン系化合物
    の重合体の構成単位の重量を各々Mpc,Mpsとした
    とき、25/75≦Mpc/Mps≦90/10である
    ことを特徴とする請求項8のプラスチックレンズ。
  10. 【請求項10】 前記プラスチック材料はノルボルネン
    系樹脂であることを特徴とする請求項1のプラスチック
    レンズ。
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