JPH05157901A - プラスチックレンズ - Google Patents
プラスチックレンズInfo
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- JPH05157901A JPH05157901A JP4142756A JP14275692A JPH05157901A JP H05157901 A JPH05157901 A JP H05157901A JP 4142756 A JP4142756 A JP 4142756A JP 14275692 A JP14275692 A JP 14275692A JP H05157901 A JPH05157901 A JP H05157901A
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B1/00—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
- G02B1/04—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
- G02B1/041—Lenses
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Lenses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 環境湿度の変化に対する光学性能の変化を防
止し、かつ通過したレーザービームのビーム形状の悪化
を防止したレーザービームプリンター等に好適なプラス
チックレンズを得ること。 【構成】 レーザー光源を対象とした光学系に使用する
プラスチックレンズであって、該プラスチックレンズ
は、波長632.8nmの光における光弾性定数が0よ
り大きく60×l0-13 cm2 /dyne以下のプラス
チック材料を使用し、かつレンズの光線有効範囲内の光
軸方向の最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、
そのプラスチック材料の温度50℃、湿度95%下の飽
和吸湿率W%の積W×D/Hが0より大きく4以下とな
るようにしている。
止し、かつ通過したレーザービームのビーム形状の悪化
を防止したレーザービームプリンター等に好適なプラス
チックレンズを得ること。 【構成】 レーザー光源を対象とした光学系に使用する
プラスチックレンズであって、該プラスチックレンズ
は、波長632.8nmの光における光弾性定数が0よ
り大きく60×l0-13 cm2 /dyne以下のプラス
チック材料を使用し、かつレンズの光線有効範囲内の光
軸方向の最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、
そのプラスチック材料の温度50℃、湿度95%下の飽
和吸湿率W%の積W×D/Hが0より大きく4以下とな
るようにしている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光源を対象とした
光学系(レーザ光学系)に使用するプラスチックレンズ
に関し、例えばレーザービームプリンターのレーザ走査
光学系の各種のレンズや光ディスクのビックアップ光学
系の各種のレンズなどに好適なプラスチックレンズに関
するものである。
光学系(レーザ光学系)に使用するプラスチックレンズ
に関し、例えばレーザービームプリンターのレーザ走査
光学系の各種のレンズや光ディスクのビックアップ光学
系の各種のレンズなどに好適なプラスチックレンズに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より光ピックアップ用の光学系やレ
ーザービームプリンターの光学系等にはガラス材料より
成るレンズが用いられている。
ーザービームプリンターの光学系等にはガラス材料より
成るレンズが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】もし、レーザ光源を対
象とする光学系(以下「レーザ光学系」という。)に使
用されるレンズをポリメチルメタクリレート樹脂で作
り、その光学系の環境条件である温度と湿度を変化(例
えば20℃,50%→50℃,95%)させると、一般
には光学性能が変動し、例えばピント位置が大幅に変動
してくる。
象とする光学系(以下「レーザ光学系」という。)に使
用されるレンズをポリメチルメタクリレート樹脂で作
り、その光学系の環境条件である温度と湿度を変化(例
えば20℃,50%→50℃,95%)させると、一般
には光学性能が変動し、例えばピント位置が大幅に変動
してくる。
【0004】このときのピント位置の変動はレンズ形
状、特にレンズ肉厚Dとレンズ外径(「レンズ高さ」と
もいう。)Hとの比D/Hの値によって大きく変化して
くる。
状、特にレンズ肉厚Dとレンズ外径(「レンズ高さ」と
もいう。)Hとの比D/Hの値によって大きく変化して
くる。
【0005】又、例えば材料としてポリカーボネート樹
脂やポリスチレン樹脂でレーザ光学系用のレンズを構成
した場合には環境条件のうち湿度が変化したときのピン
ト変動は少なくなる。
脂やポリスチレン樹脂でレーザ光学系用のレンズを構成
した場合には環境条件のうち湿度が変化したときのピン
ト変動は少なくなる。
【0006】しかしながらレーザ光を該レンズを通して
入射前後のビーム形状を観察してみると、レンズに入射
する前のレーザ光のビーム形状がほぼ円形状だったのに
対し、レンズを射出した後のレーザ光のビーム形状は楕
円になったり、8の字のように2つに割れてしまったり
することがあった。
入射前後のビーム形状を観察してみると、レンズに入射
する前のレーザ光のビーム形状がほぼ円形状だったのに
対し、レンズを射出した後のレーザ光のビーム形状は楕
円になったり、8の字のように2つに割れてしまったり
することがあった。
【0007】これに対して例えば材料としてポリメチル
メタクリレート樹脂で構成したレンズにレーザ光を通し
た場合には、湿度変化によるビント変動は大きいが光束
の通過前後でビーム形状が大きく変化する等のビーム形
状の悪化は少ない。
メタクリレート樹脂で構成したレンズにレーザ光を通し
た場合には、湿度変化によるビント変動は大きいが光束
の通過前後でビーム形状が大きく変化する等のビーム形
状の悪化は少ない。
【0008】本発明はプラスチックレンズの湿度に対す
る光学性能の変化、特にビント変動をプラスチック材料
と、レンズ形状を適切に設定することにより良好に補正
すると共に、又レーザービームの通過後のレーザービー
ム形状の悪化も効果的に補正することができるプラスチ
ックレンズの提供を目的とする。
る光学性能の変化、特にビント変動をプラスチック材料
と、レンズ形状を適切に設定することにより良好に補正
すると共に、又レーザービームの通過後のレーザービー
ム形状の悪化も効果的に補正することができるプラスチ
ックレンズの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のプラスチックレ
ンズは、レーザ光源を対象とした光学系に使用するプラ
スチックレンズであって、該プラスチックレンズは63
2.8nmにおける光弾性定数が0より大きく60×l
0-13cm2 /dyne以下のプラスチック材料より成
り、かつ該プラスチックレンズの光束有効径内の光軸方
向の最大厚さをD、レンズ外径をH、該プラスチック材
料の温度50℃、湿度95%における飽和吸湿率をW
(%)としたとき、W×D/H値が0より大きく4以下
となるようなレンズ形状より構成したことを特徴として
いる。
ンズは、レーザ光源を対象とした光学系に使用するプラ
スチックレンズであって、該プラスチックレンズは63
2.8nmにおける光弾性定数が0より大きく60×l
0-13cm2 /dyne以下のプラスチック材料より成
り、かつ該プラスチックレンズの光束有効径内の光軸方
向の最大厚さをD、レンズ外径をH、該プラスチック材
料の温度50℃、湿度95%における飽和吸湿率をW
(%)としたとき、W×D/H値が0より大きく4以下
となるようなレンズ形状より構成したことを特徴として
いる。
【0010】
【実施例】図1,図2は各々本発明のプラスチックレン
ズPLの実施例1,2のレンズ断面図である。図1のプ
ラスチックレンズPLは正レンズ、図2のプラスチック
レンズPLは負レンズの場合を示している。
ズPLの実施例1,2のレンズ断面図である。図1のプ
ラスチックレンズPLは正レンズ、図2のプラスチック
レンズPLは負レンズの場合を示している。
【0011】図中DはプラスチックレンズPLの光束有
効径内の光軸方向の最大厚さ(最大肉厚)、Hはプラス
チックレンズPLのレンズ外径(レンズ高さ)である。
効径内の光軸方向の最大厚さ(最大肉厚)、Hはプラス
チックレンズPLのレンズ外径(レンズ高さ)である。
【0012】本実施例ではプラスチックレンズPLの材
料の光弾性係数C、最大厚さD、レンズ外径Hそして飽
和吸湿率Wを前述の如く特定することにより外気の湿度
が変化したときに生じるピント変動(屈折力変動)及び
通過ビーム形状の悪化を効果的に補正している。
料の光弾性係数C、最大厚さD、レンズ外径Hそして飽
和吸湿率Wを前述の如く特定することにより外気の湿度
が変化したときに生じるピント変動(屈折力変動)及び
通過ビーム形状の悪化を効果的に補正している。
【0013】次に本発明のプラスチックレンズの特徴に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0014】レーザ光学系に使用するプラスチックレン
ズは環境湿度が変化したときに大幅なピント変動が生じ
る。これはレンズ内に生ずる材料の屈折率分布と相関関
係があることが検討した結果わかった。
ズは環境湿度が変化したときに大幅なピント変動が生じ
る。これはレンズ内に生ずる材料の屈折率分布と相関関
係があることが検討した結果わかった。
【0015】図3は常温常湿の環境下から高湿度環境下
にプラスチックレンズをうつしたときにプラスチックレ
ンズPLに湿気が浸入しレンズ内部に密度の分布ができ
る様子を示している。このときの密度の分布はローレン
ツ・ローレンツの式より屈折率分布に置き換わり湿気が
浸入した領域は屈折率が高くなる。その際、ピント変動
に大きな影響をもつのはレーザ光の通る方向に対し垂直
な断面(図3のA−A′断面)に生ずる屈折率分布であ
る。(図4参照、図4は図3のプラスチックレンズPL
のA−A´断面の屈折率分布を示している)この屈折率
分布は湿気の浸入に伴ない刻一刻と変化していき、それ
に伴ないピントの位置も刻一刻と変化してくる。
にプラスチックレンズをうつしたときにプラスチックレ
ンズPLに湿気が浸入しレンズ内部に密度の分布ができ
る様子を示している。このときの密度の分布はローレン
ツ・ローレンツの式より屈折率分布に置き換わり湿気が
浸入した領域は屈折率が高くなる。その際、ピント変動
に大きな影響をもつのはレーザ光の通る方向に対し垂直
な断面(図3のA−A′断面)に生ずる屈折率分布であ
る。(図4参照、図4は図3のプラスチックレンズPL
のA−A´断面の屈折率分布を示している)この屈折率
分布は湿気の浸入に伴ない刻一刻と変化していき、それ
に伴ないピントの位置も刻一刻と変化してくる。
【0016】図5,図6にその様子を示す。材料として
ポリメチルメタクリレート樹脂で作ったレンズでテスト
してみると、この屈折率はテスト前において1.491
でほぼ均一であったのが、常温常湿の環境から高湿度環
境下にうつすと、図5に示すようにプラスチックレンズ
の端面がまず最初に屈折率1.493になり、その後レ
ンズ中央部の方まで徐々に屈折率が変化して屈折率1.
493に近付いていく。
ポリメチルメタクリレート樹脂で作ったレンズでテスト
してみると、この屈折率はテスト前において1.491
でほぼ均一であったのが、常温常湿の環境から高湿度環
境下にうつすと、図5に示すようにプラスチックレンズ
の端面がまず最初に屈折率1.493になり、その後レ
ンズ中央部の方まで徐々に屈折率が変化して屈折率1.
493に近付いていく。
【0017】ここで、プラスチックレンズのレンズPL
形状を一定とすると最大のピント移動量XMAX (図6参
照)は図3の断面A−A´における最大屈折率分布量
(=最大屈折率差)NMAX (図5参照)と比例関係にあ
り次式で表わされる。
形状を一定とすると最大のピント移動量XMAX (図6参
照)は図3の断面A−A´における最大屈折率分布量
(=最大屈折率差)NMAX (図5参照)と比例関係にあ
り次式で表わされる。
【0018】XMAX =B1 ・NMAX ここでB1 は定数である。
【0019】又、最大屈折率分布量(=最大屈折率差)
NMAX はプラスチック材料の飽和吸湿率W%と比例関係
にあり次式で表わされる。
NMAX はプラスチック材料の飽和吸湿率W%と比例関係
にあり次式で表わされる。
【0020】NMAX =B2 ・W ここでB2 は定数である。
【0021】本実施例において飽和吸湿率W%は以下の
式により定義している。
式により定義している。
【0022】W(%)=(Wa −W0 )/W0 ×l00 ここでW0 は絶乾時のプラスチックレンズの重量でWa
は温度50℃、湿度95%下に長時間プラスチックレン
ズを放置し、その重量変化が起こらなくなった所のプラ
スチックレンズの重量である。即ちプラスチックレンズ
の形状を一定とすると次式が成り立つ。
は温度50℃、湿度95%下に長時間プラスチックレン
ズを放置し、その重量変化が起こらなくなった所のプラ
スチックレンズの重量である。即ちプラスチックレンズ
の形状を一定とすると次式が成り立つ。
【0023】XMAX =B3 ・W ………(1) ここでB3 は定数である。
【0024】又、このプラスチックレンズ内の屈折率分
布はレンズ形状によって大きく変化してくる。図3に示
したレンズ形状のプラスチックレンズはレンズ面25か
らの湿気の浸入が支配的である。これに対し図7に示し
たレンズ形状のプラスチックレンズPLではコパ面71
からの浸入が支配的である。この場合、図7に示したよ
うなプラスチックレンズの方が図3のプラスチックレン
ズに比ベてピント移動が大きい。
布はレンズ形状によって大きく変化してくる。図3に示
したレンズ形状のプラスチックレンズはレンズ面25か
らの湿気の浸入が支配的である。これに対し図7に示し
たレンズ形状のプラスチックレンズPLではコパ面71
からの浸入が支配的である。この場合、図7に示したよ
うなプラスチックレンズの方が図3のプラスチックレン
ズに比ベてピント移動が大きい。
【0025】ここで、プラスチックレンズの光線有効範
囲内における光軸方向の最大肉厚Dとレンズ有効径(レ
ンズ高さ)Hを図1,図2に示すように定義した場合、
プラスチック材料の飽和吸湿率を一定とすると、図3の
A−A´レンズ断面における最大屈折率分布量NMAX は
最大肉厚Dとレンズ有効径Hの比D/Hに比例し、次式
のように表わせられる。
囲内における光軸方向の最大肉厚Dとレンズ有効径(レ
ンズ高さ)Hを図1,図2に示すように定義した場合、
プラスチック材料の飽和吸湿率を一定とすると、図3の
A−A´レンズ断面における最大屈折率分布量NMAX は
最大肉厚Dとレンズ有効径Hの比D/Hに比例し、次式
のように表わせられる。
【0026】NMAX =B4 ・D/H ここでB4 は定数である。
【0027】前述したように最大屈折率分布量NMAX は
最大ビント移動量XMAX に比例することから XMAX =B5 ・D/H ………(2) となる。ここでB5 は定数である。
最大ビント移動量XMAX に比例することから XMAX =B5 ・D/H ………(2) となる。ここでB5 は定数である。
【0028】これより最大ピント移動量XMAX はプラス
チック材料の飽和吸湿率W%と最大肉厚Dとレンズ有効
径Hの比D/Hとで一義的に決定される。式(1)と式
(2)より所定の光学性能を満たす為には XMAX ≦B6 ・W・D/H を満足することが必要である。ここでB6 は定数であ
る。
チック材料の飽和吸湿率W%と最大肉厚Dとレンズ有効
径Hの比D/Hとで一義的に決定される。式(1)と式
(2)より所定の光学性能を満たす為には XMAX ≦B6 ・W・D/H を満足することが必要である。ここでB6 は定数であ
る。
【0029】即ち、飽和吸湿率W%の大きい材料を使用
する場合はD/Hの値を小さくしなければならないし、
その逆にW%が小さい材料の場合はD/Hの値は大きく
ても良い。
する場合はD/Hの値を小さくしなければならないし、
その逆にW%が小さい材料の場合はD/Hの値は大きく
ても良い。
【0030】種々と検討した結果レーザ光学系において
要求される光学性能よりプラスチックレンズの光線有効
範囲内における最大肉厚Dとレンズ有効径Hの比D/H
と、プラスチック材料の温度50℃、湿度95%下にお
ける飽和吸湿率W%の積W×D/Hを0より大きく4以
下とするようにプラスチックレンズを構成するのが良
い。
要求される光学性能よりプラスチックレンズの光線有効
範囲内における最大肉厚Dとレンズ有効径Hの比D/H
と、プラスチック材料の温度50℃、湿度95%下にお
ける飽和吸湿率W%の積W×D/Hを0より大きく4以
下とするようにプラスチックレンズを構成するのが良
い。
【0031】又、レーザ光を入射させ射出した後のレー
ザ光のスポット形状の悪化について検討した結果、プラ
スチック材料の光弾性定数により決定されることを見出
した。
ザ光のスポット形状の悪化について検討した結果、プラ
スチック材料の光弾性定数により決定されることを見出
した。
【0032】プラスチックレンズを成形する場合、プラ
スチック材料の流れ方や冷却のされ方によってレンズ内
にはせん断応力や熱応力が発生し残留する。それらの残
留応力はプラスチック材料のもつ光弾性定数に比例して
複屈折量となる。
スチック材料の流れ方や冷却のされ方によってレンズ内
にはせん断応力や熱応力が発生し残留する。それらの残
留応力はプラスチック材料のもつ光弾性定数に比例して
複屈折量となる。
【0033】今、複屈折量を△n、光弾性定数をC、残
留応力量をSとすると次式の関係が成り立つ。
留応力量をSとすると次式の関係が成り立つ。
【0034】△n=C・S 光束のスポット形状の悪化はプラスチックレンズ内の複
屈折量(△n)で決まる。その複屈折量△nはプラスチ
ック材料のもつ光弾性定数Cと残留応力量Sという2つ
の変数で決まる。プラスチックレンズを成形する場合、
ひけを起こさないように成形を行なわなければならな
い。これより残留応力Sはある値だけどうしても発生し
てしまう為、Sは定数とみなしても良い。従って材料特
有の光弾性定数Cに比例して複屈折が発生する。
屈折量(△n)で決まる。その複屈折量△nはプラスチ
ック材料のもつ光弾性定数Cと残留応力量Sという2つ
の変数で決まる。プラスチックレンズを成形する場合、
ひけを起こさないように成形を行なわなければならな
い。これより残留応力Sはある値だけどうしても発生し
てしまう為、Sは定数とみなしても良い。従って材料特
有の光弾性定数Cに比例して複屈折が発生する。
【0035】そこで本発明では・レーザ光学系に使用さ
れるプラスチックレンズの材料としてはこの光弾性定数
が波長632.8nmの光において、0より大きく60
×l0-13 cm2 /dyne以下となるようにし、これ
により光学性能を良好に維持している。表一1に代表的
なプラスチックレンズ材料の温度50℃、湿度95%に
おける飽和吸湿率Wと波長632.8nmの光における
光弾性定数Cを示す。
れるプラスチックレンズの材料としてはこの光弾性定数
が波長632.8nmの光において、0より大きく60
×l0-13 cm2 /dyne以下となるようにし、これ
により光学性能を良好に維持している。表一1に代表的
なプラスチックレンズ材料の温度50℃、湿度95%に
おける飽和吸湿率Wと波長632.8nmの光における
光弾性定数Cを示す。
【0036】
【表1】
【0037】アクリレート系化合物とスチレン系化合物
との共重合体又はそれらの化合物の重合体との混合物に
関してはその配合比率によって図8に示すように光弾性
定数Cが大きく変化する。
との共重合体又はそれらの化合物の重合体との混合物に
関してはその配合比率によって図8に示すように光弾性
定数Cが大きく変化する。
【0038】特にMS樹脂の場合本発明では波長63
2.8nmの光における光弾性定数Cが0より大きく6
0×l0-13 cm2 /dyne以下を満足するために、
メチルメタクリレートとスチレンの配合比率は、 20/80≦MMA/St≦100/0(=PMMA) のように設定している。なお、ここにおいて、上限のM
MA/St=100/0はMMAが100%ということ
であり、これはPMMA樹脂をさす。
2.8nmの光における光弾性定数Cが0より大きく6
0×l0-13 cm2 /dyne以下を満足するために、
メチルメタクリレートとスチレンの配合比率は、 20/80≦MMA/St≦100/0(=PMMA) のように設定している。なお、ここにおいて、上限のM
MA/St=100/0はMMAが100%ということ
であり、これはPMMA樹脂をさす。
【0039】又、カーボネート系化合物とスチレン系化
合物との共重合体又はそれらの化合物の重合体との混合
物に関しては、その構成単位の重量比率によって図9に
示すように光弾性定数Cが大きく変化する。本発明では
波長632.8nmの光における光弾性定数Cが60×
l0-13 cm2 /dyne以下を満足するためにMpc
をポリカーボネートの構成単位の重量、MpSをスチレ
ン系化合物ポリマーの構成単位の重量としたとき25/
75≦Mpc/Mps≦90/10のように設定してい
る。
合物との共重合体又はそれらの化合物の重合体との混合
物に関しては、その構成単位の重量比率によって図9に
示すように光弾性定数Cが大きく変化する。本発明では
波長632.8nmの光における光弾性定数Cが60×
l0-13 cm2 /dyne以下を満足するためにMpc
をポリカーボネートの構成単位の重量、MpSをスチレ
ン系化合物ポリマーの構成単位の重量としたとき25/
75≦Mpc/Mps≦90/10のように設定してい
る。
【0040】図10は本発明のプラスチックレンズを用
いた第1実施例の要部概略図である。本実施例ではレー
ザービームプリンターのレーザー走査光学系に適用した
場合を示している。同図において1は光源であるレーザ
ーダイオード、2はコリメーターレンズ、3はシリンド
リカルレンズである。このコリメーターレンズ2及びシ
リンドリカルレンズ3でポリゴンミラー4面上にレーザ
1からのレーザー光を結像させている。
いた第1実施例の要部概略図である。本実施例ではレー
ザービームプリンターのレーザー走査光学系に適用した
場合を示している。同図において1は光源であるレーザ
ーダイオード、2はコリメーターレンズ、3はシリンド
リカルレンズである。このコリメーターレンズ2及びシ
リンドリカルレンズ3でポリゴンミラー4面上にレーザ
1からのレーザー光を結像させている。
【0041】光源1からポリゴンミラー4までが第1次
結像系である。5は球面レンズ、6はトーリックレンズ
である。球面レンズ5とトーリックレンズ6よりfθレ
ンズ系を構成している。球面レンズ5、トーリックレン
ズ6を通過したレーザー光は折り返しミラー7で反射
し、感光体ドラム10上に結像している。ポリゴンミラ
ー4より感光体ドラム10までが第2次結像系である。
結像系である。5は球面レンズ、6はトーリックレンズ
である。球面レンズ5とトーリックレンズ6よりfθレ
ンズ系を構成している。球面レンズ5、トーリックレン
ズ6を通過したレーザー光は折り返しミラー7で反射
し、感光体ドラム10上に結像している。ポリゴンミラ
ー4より感光体ドラム10までが第2次結像系である。
【0042】本実施例では図10においてコリメーター
レンズ2、シリンドリカルレンズ3、球面レンズ5及び
トーリックレンズ6の各々をそれぞれプラスチック材料
で構成している。レーザービームプリンターとしての光
学性能を満足する為の各々のプラスチックレンズの材料
の波長632.8nmの光における光弾性定数Cを求め
た結果を表2に示す。
レンズ2、シリンドリカルレンズ3、球面レンズ5及び
トーリックレンズ6の各々をそれぞれプラスチック材料
で構成している。レーザービームプリンターとしての光
学性能を満足する為の各々のプラスチックレンズの材料
の波長632.8nmの光における光弾性定数Cを求め
た結果を表2に示す。
【0043】表−2の検討の方法としては光弾性定数が
7〜90の範囲内で任意に選択できるメチルメタクリレ
ートとスチレンとの共重合体(MS樹脂)について、各
々の配合比率を変化させることによって行なった。メチ
ルメタクリレートとスチレンはその配合比率によっては
多少白濁する組み合わせも存在するが、検討には差し支
えないレベルであった。
7〜90の範囲内で任意に選択できるメチルメタクリレ
ートとスチレンとの共重合体(MS樹脂)について、各
々の配合比率を変化させることによって行なった。メチ
ルメタクリレートとスチレンはその配合比率によっては
多少白濁する組み合わせも存在するが、検討には差し支
えないレベルであった。
【0044】
【表2】
【0045】表−2は例えばコリメーターレンズをプラ
スチック材料より成るプラスチックレンズに置き換え、
他のシリンドリカルレンズ、球面レンズ、トーリックレ
ンズをガラスレンズとした場合、そのコリメーターレン
ズのプラスチック材料の波長632.8nmの光におけ
る光弾性定数は10×l0-13cm2 /dyne以下で
なくてはならないことを表わしている。
スチック材料より成るプラスチックレンズに置き換え、
他のシリンドリカルレンズ、球面レンズ、トーリックレ
ンズをガラスレンズとした場合、そのコリメーターレン
ズのプラスチック材料の波長632.8nmの光におけ
る光弾性定数は10×l0-13cm2 /dyne以下で
なくてはならないことを表わしている。
【0046】表−2に示すようにレーザーダイオード1
から光学的に遠くなるレンズほどそのプラスチックレン
ズの要求特性は緩くなるがそれでも所定の光学性能を維
持中する為にはトーリックレンズ6の波長632.8n
mに光における光弾性定数は0より大きく60×l0
-13 cm2 /dyne以下とする必要がある。
から光学的に遠くなるレンズほどそのプラスチックレン
ズの要求特性は緩くなるがそれでも所定の光学性能を維
持中する為にはトーリックレンズ6の波長632.8n
mに光における光弾性定数は0より大きく60×l0
-13 cm2 /dyne以下とする必要がある。
【0047】次に常温常湿の環境下から高湿(例えば温
度50℃、湿度95%)の環境下に置いたときに生じる
光学性能の変化としてのピント移動について一般的なレ
ーザービームプリンターを用いた場合について検討を行
なった。
度50℃、湿度95%)の環境下に置いたときに生じる
光学性能の変化としてのピント移動について一般的なレ
ーザービームプリンターを用いた場合について検討を行
なった。
【0048】図11はこのトーリックレンズ6の中心線
断面の形状を表わした説明図である。光線有効範囲Sは
3mmでその範囲内での最大肉厚Dは20mmである。
このトーリックレンズ6を温度50℃、湿度95%下に
おける飽和吸湿率の異なる種々のプラスチック材料で作
った場合の必要とされるレンズ有効径(レンズ高さ)H
を求めた結果を表−3に示す。
断面の形状を表わした説明図である。光線有効範囲Sは
3mmでその範囲内での最大肉厚Dは20mmである。
このトーリックレンズ6を温度50℃、湿度95%下に
おける飽和吸湿率の異なる種々のプラスチック材料で作
った場合の必要とされるレンズ有効径(レンズ高さ)H
を求めた結果を表−3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】飽和吸湿率が0.8%より小さい材料につ
いてはレンズ有効径Hが光線有効範囲内に入ってくるの
で、このトーリックレンズ6についてはレンズ有効径H
を求めていない。
いてはレンズ有効径Hが光線有効範囲内に入ってくるの
で、このトーリックレンズ6についてはレンズ有効径H
を求めていない。
【0051】表−3に示すように光線有効範囲内におけ
る最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、温度5
0℃、湿度95%下におけるプラスチック材料の飽和吸
湿率W%との積W×D/Hを0より大きく4以下とし、
これにより良好なる光学性能を維持している。
る最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、温度5
0℃、湿度95%下におけるプラスチック材料の飽和吸
湿率W%との積W×D/Hを0より大きく4以下とし、
これにより良好なる光学性能を維持している。
【0052】尚、コリメーターレンズ、シリンドリカル
レンズ、球面レンズについてはトーリックレンズより更
にW×D/Hの値を小さくするのが良い。
レンズ、球面レンズについてはトーリックレンズより更
にW×D/Hの値を小さくするのが良い。
【0053】それについて、コリメーターレンズ2につ
いて説明する。コリメーターレンズ2はレーザーダイオ
ード1に最も近いレンズであるので、先程の光弾性定数
同様、湿度変化に対してもその要求精度は厳しい。
いて説明する。コリメーターレンズ2はレーザーダイオ
ード1に最も近いレンズであるので、先程の光弾性定数
同様、湿度変化に対してもその要求精度は厳しい。
【0054】図10のコリメーターレンズ2の断面の形
状は図13に示す様な形で、その光線有効範囲Sは1.
5mmで、その範囲内での最大肉厚Dは8mmである。
状は図13に示す様な形で、その光線有効範囲Sは1.
5mmで、その範囲内での最大肉厚Dは8mmである。
【0055】このコリメータレンズ2を温度50℃,湿
度95%下における飽和吸湿率の異なる種々のプラスチ
ック材料で作った場合の必要とされるレンズ有効径(高
さ)Hを求めた結果を表−4に示す。
度95%下における飽和吸湿率の異なる種々のプラスチ
ック材料で作った場合の必要とされるレンズ有効径(高
さ)Hを求めた結果を表−4に示す。
【0056】表−4に示す様に、コリメータレンズにお
いては、光線有効範囲内における最大肉厚Dとレンズ有
効径Hとの比D/Hを0より大きく4以下の場合と、温
度50℃,湿度95%下におけるプラスチック材料の飽
和吸湿率W%との積W×D/Hを0より大きく0.2以
下の場合において、良好なる光学性能を維持することが
可能となった。
いては、光線有効範囲内における最大肉厚Dとレンズ有
効径Hとの比D/Hを0より大きく4以下の場合と、温
度50℃,湿度95%下におけるプラスチック材料の飽
和吸湿率W%との積W×D/Hを0より大きく0.2以
下の場合において、良好なる光学性能を維持することが
可能となった。
【0057】
【表4】
【0058】図12は本発明のプラスチックレンズを用
いた第2実施例の要部概略図である。本実施例では光デ
ィスク用ピックアップの光学系に適用した場合を示して
いる。同図において12は光源であるところのレーザー
ダイオード、13はレーザー光を平行光にする為のコリ
メーターレンズ、14はグレーティング、15はビーム
スプリッタ、16はディテクタレンズ、18はフォトデ
ィテクタ、19は波長板、20は対物レンズ、22はデ
ィスク23に刻まれているピットである。
いた第2実施例の要部概略図である。本実施例では光デ
ィスク用ピックアップの光学系に適用した場合を示して
いる。同図において12は光源であるところのレーザー
ダイオード、13はレーザー光を平行光にする為のコリ
メーターレンズ、14はグレーティング、15はビーム
スプリッタ、16はディテクタレンズ、18はフォトデ
ィテクタ、19は波長板、20は対物レンズ、22はデ
ィスク23に刻まれているピットである。
【0059】本実施例ではレーザーダイオード12から
出射されたレーザービームはコリメーターレンズ13、
グレーティングl4を通りビームスプリッタ15内に入
射する。ここで直角方向に反射され波長板19、対物レ
ンズ20を通ってピット22が刻まれているディスク2
3に照射される。ディスク23で反射したレーザービー
ムは元の光路を戻り対物レンズ20、波長板19、そし
てビームスプリッタ15内の反射面で直角方向に反射さ
れ、ディテクタレンズ16を通ってフォトディテクタ1
8に入射する。
出射されたレーザービームはコリメーターレンズ13、
グレーティングl4を通りビームスプリッタ15内に入
射する。ここで直角方向に反射され波長板19、対物レ
ンズ20を通ってピット22が刻まれているディスク2
3に照射される。ディスク23で反射したレーザービー
ムは元の光路を戻り対物レンズ20、波長板19、そし
てビームスプリッタ15内の反射面で直角方向に反射さ
れ、ディテクタレンズ16を通ってフォトディテクタ1
8に入射する。
【0060】図12の実施例においてコリメーターレン
ズ13、対物レンズ20、ディテクタレンズ16をそれ
ぞれプラスチック材料で構成している。
ズ13、対物レンズ20、ディテクタレンズ16をそれ
ぞれプラスチック材料で構成している。
【0061】光ディスク用の光学系としての光学性能を
満足する為の十各々のレンズの材料の波長632.8n
mの光における光弾性定数Cを求めた結果を表−5に示
す。
満足する為の十各々のレンズの材料の波長632.8n
mの光における光弾性定数Cを求めた結果を表−5に示
す。
【0062】検討の方法は先の実施例1と同様である。
【0063】
【表5】
【0064】光ディスクのピックアップの光学系におい
ては、上記表−5に示すように、対物レンズの要求特性
が最も緩かったが、それでも波長632.8nmの光に
おける光弾性定数は0より大きく60×l0-13 cm2
/dyne以下とするのが良好なる光学性能を維持する
のに好ましい。
ては、上記表−5に示すように、対物レンズの要求特性
が最も緩かったが、それでも波長632.8nmの光に
おける光弾性定数は0より大きく60×l0-13 cm2
/dyne以下とするのが良好なる光学性能を維持する
のに好ましい。
【0065】次に環境湿度が変化した時に生じる光学性
能の変動としてのピント変動について検討を行なった。
能の変動としてのピント変動について検討を行なった。
【0066】図1のプラスチックレンズはこのときの対
物レンズ20のレンズ形状を示している。
物レンズ20のレンズ形状を示している。
【0067】光線有効範囲は1.5mmでその範囲内で
の最大肉厚Dは6mmである。
の最大肉厚Dは6mmである。
【0068】このプラスチックレンズ20を温度50
℃、湿度95%下における飽和吸湿率の異なる種々のプ
ラスチック材料で作った場合の必要とされるレンズ有効
径(レンズ高さ)Hを求めた。この結果を表−6に示
す。
℃、湿度95%下における飽和吸湿率の異なる種々のプ
ラスチック材料で作った場合の必要とされるレンズ有効
径(レンズ高さ)Hを求めた。この結果を表−6に示
す。
【0069】
【表6】
【0070】飽和吸湿率が1.2%より小さい材料につ
いてはレンズ有効径が光線有効範囲内に入ってくるので
レンズ有効径を求めていない。
いてはレンズ有効径が光線有効範囲内に入ってくるので
レンズ有効径を求めていない。
【0071】本実施例では表−6に示すように光線有効
範囲内における最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/
Hと温度50℃、湿度95%下におけるプラスチック材
料の飽和吸湿率W%との積W×D/Hを0より大きく4
以下とし、これにより良好なる光学性能を維持してい
る。
範囲内における最大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/
Hと温度50℃、湿度95%下におけるプラスチック材
料の飽和吸湿率W%との積W×D/Hを0より大きく4
以下とし、これにより良好なる光学性能を維持してい
る。
【0072】尚、コリメーターレンズ、ディテクタレン
ズについては対物レンズより更にW×D/Hの値を小さ
くするのが良い。
ズについては対物レンズより更にW×D/Hの値を小さ
くするのが良い。
【0073】
【発明の効果】本発明によればレーザー光源を対象とす
る光学系にプラスチックレンズを使用する場合、波長6
32.8nmの光における光弾性定数が0より大きく6
0×l0-13 cm2 /dyne以下のプラスチック材料
を使用し、かつレンズの光線有効範囲内の光軸方向の最
大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、そのプラス
チック材料の温度50℃、湿度95%下の飽和吸湿率W
%の積W×D/Hが0より大きく4以下となるようにし
ている。これによりプラスチックレンズを製作すること
によって複屈折によるビーム形状の悪化と環境湿度が変
化した場合に生じる光学性能の変動としてのピント変動
の両方を良好に解決することができるプラスチックレン
ズを達成することができる。
る光学系にプラスチックレンズを使用する場合、波長6
32.8nmの光における光弾性定数が0より大きく6
0×l0-13 cm2 /dyne以下のプラスチック材料
を使用し、かつレンズの光線有効範囲内の光軸方向の最
大肉厚Dとレンズ有効径Hとの比D/Hと、そのプラス
チック材料の温度50℃、湿度95%下の飽和吸湿率W
%の積W×D/Hが0より大きく4以下となるようにし
ている。これによりプラスチックレンズを製作すること
によって複屈折によるビーム形状の悪化と環境湿度が変
化した場合に生じる光学性能の変動としてのピント変動
の両方を良好に解決することができるプラスチックレン
ズを達成することができる。
【図1】本発明の実施例1のレンズ断面図である。
【図2】本発明の実施例2のレンズ断面図である。
【図3】レンズに湿気が浸入し、レンズ内に屈折率分布
ができる様子の説明図である。
ができる様子の説明図である。
【図4】図3のA−A´断面の屈折率分布の説明図であ
る。
る。
【図5】レンズ内に湿気が浸入することによる屈折率分
布の変化の説明図である。
布の変化の説明図である。
【図6】図5レンズの屈折率分布の変化に伴なうピント
位置変動の説明図である。
位置変動の説明図である。
【図7】レンズに湿気が浸入しレンズ内に屈折率分布が
できる様子の説明図である。
できる様子の説明図である。
【図8】プラスチック材料の光弾性定数の変化の説明図
である。
である。
【図9】プラスチック材料の光弾性定数の変化の説明図
である。
である。
【図10】本発明のプラスチックレンズをレーザービー
ムプリンターに適用した実施例の要部概略図である。
ムプリンターに適用した実施例の要部概略図である。
【図11】プラスチックレンズの断面説明図である。
【図12】本発明のプラスチックレンズを光ディスクの
ピックアップの光学系に適用したときの要部概略図であ
る。
ピックアップの光学系に適用したときの要部概略図であ
る。
【図13】図10のコリメーターレンズ2の断面の形状
を説明する図である。
を説明する図である。
PL プラスチックレンズ 1,12 レーザ 2,13 コリメーターレンズ 3 シリンドリカルレンズ 4 ポリゴンミラー 5 球面レンズ 6 トーリックレンズ 7 ミラー 10 感光ドラム 14 グレーティングレンズ 15 ビームスプリッタ 16 ディテクターレンズ
Claims (10)
- 【請求項1】 レーザ光源を対象とした光学系に使用す
るプラスチックレンズであって、該プラスチックレンズ
は632.8nmにおける光弾性定数が0より大きく6
0×l0-13 cm2 /dyne以下のプラスチック材料
より成り、かつ該プラスチックレンズの光束有効径内の
光軸方向の最大厚さをD、レンズ外径をH、該プラスチ
ック材料の温度50℃、湿度95%における飽和吸湿率
をW(%)としたとき、W×D/H値が0より大きく4
以下となるようなレンズ形状より構成したことを特徴と
するプラスチックレンズ。 - 【請求項2】 前記プラスチック材料は非晶質または結
晶質のオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項
1のプラスチックレンズ。 - 【請求項3】 前記プラスチック材料はPMMA樹脂で
あることを特徴とする請求項1のプラスチックレンズ。 - 【請求項4】 前記プラスチック材料はアクリレート又
はアクリレート系化合物を含む共重合体、あるいはアク
リレート又はアクリレート系化合物の重合体を含む混合
物であることを特徴とする請求項1のプラスチックレン
ズ。 - 【請求項5】 前記プラスチック材料がMS樹脂である
ことを特徴とする請求項4のプラスチックレンズ。 - 【請求項6】 前記MS樹脂のメチルメタクリレート
(MMA)とスチレン(St)の配合比率が、20/8
0≦MMA/St≦100/0(=PMMA)であるこ
とを特徴とする請求項5のプラスチックレンズ。 - 【請求項7】 前記プラスチック材料は芳香族カーボネ
ート又は芳香族カーボネート系化合物を含む共重合体、
あるいは芳香族カーボネート又は芳香族カーボネート系
化合物の重合体を含む混合物であることを特徴とする請
求項1のプラスチックレンズ。 - 【請求項8】 前記プラスチック材料は芳香族カーボネ
ート又は芳香族カーボネート系化合物と、スチレン又は
スチレン系化合物との共重合体、あるいは芳香族カーボ
ネート又は芳香族カーボネート系化合物の重合体と、ス
チレン又はスチレン系化合物の重合体との混合物である
ことを特徴とする請求項7のプラスチックレンズ。 - 【請求項9】 前記芳香族カーボネート又は芳香族カー
ボネート系化合物と前記スチレン又はスチレン系化合
物、あるいは芳香族カーボネート又は芳香族カーボネー
ト系化合物の重合体と、スチレン又はスチレン系化合物
の重合体の構成単位の重量を各々Mpc,Mpsとした
とき、25/75≦Mpc/Mps≦90/10である
ことを特徴とする請求項8のプラスチックレンズ。 - 【請求項10】 前記プラスチック材料はノルボルネン
系樹脂であることを特徴とする請求項1のプラスチック
レンズ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4142756A JPH05157901A (ja) | 1991-07-03 | 1992-06-03 | プラスチックレンズ |
US08/264,847 US5408360A (en) | 1991-07-03 | 1994-06-22 | Plastic lens |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-189241 | 1991-07-03 | ||
JP18924191 | 1991-07-03 | ||
JP4142756A JPH05157901A (ja) | 1991-07-03 | 1992-06-03 | プラスチックレンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05157901A true JPH05157901A (ja) | 1993-06-25 |
Family
ID=26474661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4142756A Pending JPH05157901A (ja) | 1991-07-03 | 1992-06-03 | プラスチックレンズ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5408360A (ja) |
JP (1) | JPH05157901A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7170662B2 (en) | 2003-10-14 | 2007-01-30 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Optical lens system, optical scanning apparatus, and image forming apparatus |
JP2010117701A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-05-27 | Jsr Corp | 光学モジュール用レンズ |
JP2013142855A (ja) * | 2012-01-12 | 2013-07-22 | Konica Minolta Inc | レーザー走査光学装置 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3252708B2 (ja) * | 1995-05-31 | 2002-02-04 | キヤノン株式会社 | 光学素子及びそれを用いた走査光学装置 |
EP0800170B1 (en) * | 1996-04-03 | 2006-03-22 | Konica Corporation | Optical system for recording and/or reproducing an optical information recording medium |
US5995304A (en) * | 1997-07-02 | 1999-11-30 | Fuji Photo Optical Co., Ltd. | Plastic lens |
US6985214B2 (en) * | 2001-10-09 | 2006-01-10 | Purdue Research Foundation | Method and apparatus for enhancing visualization of mechanical stress |
US6807011B2 (en) * | 2003-01-16 | 2004-10-19 | Lexmark International, Inc. | Humidity tolerant scan lens |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4432022A (en) * | 1980-04-14 | 1984-02-14 | Canon Kabushiki Kaisha | Original reading apparatus |
JPS56146355A (en) * | 1980-04-15 | 1981-11-13 | Canon Inc | Optical system of original reader |
JPS57144501A (en) * | 1981-03-03 | 1982-09-07 | Canon Inc | Scan optical system applied with moisture-resistant process |
DE3856554T2 (de) * | 1987-05-01 | 2004-02-19 | Mitsui Chemicals, Inc. | Ungeordnete Cycloolefincopolymerzusammensetzungen und deren Anwendung |
JPH07103195B2 (ja) * | 1987-10-14 | 1995-11-08 | 株式会社日立製作所 | 光学用材料 |
-
1992
- 1992-06-03 JP JP4142756A patent/JPH05157901A/ja active Pending
-
1994
- 1994-06-22 US US08/264,847 patent/US5408360A/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7170662B2 (en) | 2003-10-14 | 2007-01-30 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Optical lens system, optical scanning apparatus, and image forming apparatus |
JP2010117701A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-05-27 | Jsr Corp | 光学モジュール用レンズ |
JP2013142855A (ja) * | 2012-01-12 | 2013-07-22 | Konica Minolta Inc | レーザー走査光学装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5408360A (en) | 1995-04-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020219 |