JP3612843B2 - 光導波路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば導波路型光第2高調波発生装置(SHG)のような光導波路を有する光導波路デバイスに対し、例えばその基本波のレーザ光を入射させる光導波路装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、導波モード型SHG、チェレンコフ型SHG等、光導波路型SHGの如き光導波路を有する光導波路デバイスが提案されている。このような光導波路デバイスにおいては、光導波路に対する入射光、例えば、基本波光を効率良く入射させる必要がある。
【0003】
例えば、SHGにおける第2高調波のパワーPwは、入射波のパワーPwの2乗に比例することから、その入射光を効率よく入射させることは重要な課題となる。
【0004】
また、一般に、上述のような光導波路デバイスを製作するときには、光導波路を形成する光学結晶基板において、完成後の光導波路デバイスの光導波路の長さよりも長い光導波路を予め形成しておき、光導波路形成後に両端面を高精度に研磨することによって該光導波路の入射端面及び出射端面を形成している。
【0005】
そして、この光導波路デバイスにおいては、高精度に研磨された一端面における光導波路が存在する部分に、レーザ光を集光し、上記光導波路内に該レーザ光が導波されるようにしている。
【0006】
そして、上記光導波路デバイスの使用環境が、この光導波路デバイスの入射側端面及び出射側端面における光導波路の電界分布の大きさに対して無視できない程度のゴミ(塵挨)あるいは粒子などが浮遊していない環境であれば、該光導波路の入射端面及び出射端面において上記レーザ光が遮られる可能性は低く、この光導波路デバイスが安定して動作する可能性が高くなる。
【0007】
しかし、上記光導波路デバイスの使用環境が、この光導波路デバイスの入射側端面及び出射側端面における光導波路の電界分布の大きさに対して無視できない程度のゴミあるいは粒子などが浮遊している環境であれば、該光導波路の入射側端面及び出射側端面において上記レーザ光が遮られる可能性が高く、この光導波路デバイスが安定して動作する可能性が低くなる。
【0008】
また、上記光導波路デバイスの使用環境が、この光導波路デバイスの入射側端面及び出射側端面における光導波路の電界分布の大きさに対して無視できる程度のゴミあるいは粒子などが浮遊している環境である場合には、該光導波路の入射端面及び出射端面において、レーザ光の強度が十分に高い場合、すなわち光導波路デバイスが多くのレーザ光強度を必要とするような場合においては、このレーザ光が集光されている該光導波路の入射端面あるいは出射端面において、浮遊するゴミあるいは粒子が加熱され、この光導波路デバイスの端面に付着してしまう虞れがある。このようにして上記ゴミあるいは粒子が上記光導波路デバイスの端面に付着すると、この光導波路デバイスの端面が汚されてしまう可能性が高く、この光導波路デバイスは安定して動作する可能性が低くなる。
【0009】
さらに、入射波のパワーのゆらぎ、すなわち、上記光導波路に入射されるレーザ光の光量の変化は、出力光量に大きく影響する。
【0010】
また、一般に、上述のような光導波路デバイスでは、その光源部、特に、その集光レンズ系(対物レンズ系)は、この光導波路デバイスの端面に対する位置関係を決定した状態で接着剤によって固着されている。したがって、この場合には、外震や、温度変化等の何等かの原因で、上記集光レンズ系の位置ずれが生じて、光導波路デバイスが使用不能になる虞れがある。
【0011】
上記光導波路デバイスは、上述したような欠点により、一般に、その使用環境が限られてしまうこととなっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本件出願人は、先に、光導波路の端面結合装置を提案している。
【0013】
この装置は、光導波路デバイスの光導波路に対してこの光導波路の入射端面からレーザ光を集光して入射させる集光レンズ系を有する光源部を備えた光導波路端面結合装置であって、少なくとも該集光レンズ系は、この集光レンズ系の光学軸であるz軸とこのz軸に直交しかつ互いに直交するx軸およびy軸との3方向に関して該レーザ光の位置を微調整するアクチュエータを具備しているものである。
【0014】
そして、この装置においては、上記光源部からのレーザ光の上記導波路の入射端面が臨む上記光導波路デバイスの端面からの戻り光の光量または光量分布、または、該導波路に入射したレーザ光の該光導波路の出射端面からの戻り光の光量または光量分布、あるいは、該導波路に入射したレーザ光の該光導波路内の反射源からの戻り光の光量または光量分布を検出し、この検出結果に応じて、上記アクチュエータを制御し、上記集光レンズ系の上記x軸,y軸及びz軸に関する位置制御を行うようにしている。
【0015】
しかしながら、この光導波路の端面結合装置は、上記光導波路デバイスが、外震、温度変化等、集光レンズ系の位置ずれを生じさせる原因がある環境で使用される場合においては、この光導波路デバイスを安定して動作させることができるが、ゴミあるいは粒子が空中に浮遊する環境で使用される場合においては、安定した動作を実現することができない。
【0016】
すなわち、この光導波路の端面結合装置を使用した場合においても、この光導波路デバイスをゴミあるいは粒子が浮遊している環境で使用すると、上記光導波路の入射側端面及び出射側端面において、該ゴミあるいは粒子により上記レーザ光が遮られたり、または、該ゴミあるいは粒子が付着する虞れがあるからである。
【0017】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、光導波路デバイスが使用される使用環境がゴミ(塵挨)あるいは粒子等が浮遊する環境である場合においても、光導波路デバイスの光導波路に対して、光源部からの光、特に、レーザ光を安定に最良の状態をもって高効率に入射させることができるようになされた光導波路装置の提供という課題を解決しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明に係る光導波路装置は、光導波路デバイスの光導波路と、レーザ光の波長の4倍以上の球面収差を有しており、上記導波路デバイスの光導波路にレーザ光を集光して入射させる集光レンズ系を有する光源部と、上記レーザ光を透過させる材料により、0.1mm以上の厚さを有して形成され、上記導波路デバイスの光導波路の該レーザ光が入射される端面に固着された平板とを備えたものである。
【0019】
また、本発明は、上記光導波路装置において、上記平板は、屈折率が略々1.55であり、厚さが略々1.2mmであることとしたものである。
【0020】
さらに、本発明は、上記光導波路装置において、上記平板は、上記導波路デバイスの光導波路のレーザ光が入射される端面に対し、射出成型手段により形成固着されていることとしたものである。
【0021】
そして、本発明は、上記光導波路装置において、上記集光レンズ系によって集光されるレーザ光は、上記平板への入射時における光束の径が、導波路デバイスの光導波路が導波することのできる導波モードの光スポットの径に対し、10倍以上となっていることとしたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
本発明に係る光導波路装置は、図1に示すように、光導波路デバイス1の光導波路2と、この光導波路2に対して、半導体レーザ6より発せられたレーザ光Lを入射させる光源部4とを有して構成されている。
【0029】
上記光源部4は、上記光導波路2に対して上記レーザ光Lを集光して入射させる集光レンズ系3を有している。また、この光源部4は、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに対向して配置されている。
【0030】
そして、上記光導波路デバイス1の上記集光レンズ系3に対向する入射側端面1aには、上記レーザ光Lを透過させる材料により略々平行平面板の形状を有して形成され、0.1mm以上の厚さを有する平板20が固着されている。上記集光レンズ系3によって集光されるレーザ光Lは、上記平板20を介して、上記光導波路2に結合される。
【0031】
上記光導波路デバイス1は、例えば、図2に示すように、導波モード型、あるいは、チェレンコフ放射型の光導波路型SHGであって、例えば、非線形光学結晶よりなる基体1s上にチャンネル型の線形もしくは非線形の光導波路2が設けられて構成されている。
【0032】
上記光導波路2の入射端面2aは、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに臨んで設けられ、また、光導波路2の出射端面2bは、該光導波路デバイス1の出射側端面1bに臨んで設けられる。
【0033】
さらに、上記光導波路デバイス1は、例えば、図3に示すように、上記光導波路2の保護、あるいは、該光導波路2の導波モードの実効屈折率の制御を目的として、上側にクラッド膜30が形成されている。
【0034】
上記平板20の上記光導波路デバイス1に対する固着方法は、光学接着剤(例えば、サマーズ社製「TypeC−59」)を用いて固着することが望ましい。さらに、上記平板20の材質は、ポリカーボネイト(PC)、あるいは、光学ガラスのように、上記レーザ光Lを効率よく透過する材質であることが必要である。さらに、上記平板20の上記レーザ光Lが透過する両端面20a,20bは、光学的に略々フラットであることが望ましい。
【0035】
上記光源部4は、上記半導体レーザ6から発せられたレーザ光Lをコリメートレンズ7を介して上記集光レンズ系3に入射させ、この集光レンズ系3により、上記平板20を介して、該レーザ光Lを上記光導波路デバイス1の端面1aに臨む光導波路2の入射端面2aに、フォーカシング(合焦)させて入射させるようになされている。
【0036】
さらに、この光導波路装置においては、図4に示すように、上記平板20として、厚さtが1.2mmのポリカーボネート製の平板を用い、上記光源部4より発せられるレーザ光Lの波長を780nmとすることができる。
【0037】
ここで、上記集光レンズ系3の開口数(NA)を約0.45とし、上記平板20の上記光導波路デバイス1側の端面20b、すなわち、上記光導波路2の入射端面2a上に上記レーザ光Lが集光されているとすると、該平板20の該レーザ光Lが入射される側の端面20a上のレーザ光Lの光スポット直径は、約0.72mmとなる。
【0038】
すなわち、この場合には、上記集光レンズ系3によって集光されるレーザ光Lは、上記光導波路2を有する光導波路デバイス1の素子端面上、すなわち、上記平板20の該レーザ光Lが入射される側の端面20a上における光スポットの径が、該光導波路2が導波することのできる導波モードの光スポットの径に対して、100倍以上の径を有して、該光導波路2に結合されている。
【0039】
つまり、上記光導波路2の入射端面2aにおいては、上記レーザ光Lは、少なくとも、回折限界の10倍以内の光スポット径(例えば、7μm程度)に集光されているので、このレーザ光Lの上記平板20の入射側の端面20a上における光スポット面積は、該光導波路2の入射端面2a上の光スポット面積に比較して、少なくとも3桁程度(約1000倍に)広がっていることになる。
【0040】
したがって、この光導波路デバイス1においては、使用環境がゴミ(塵挨)あるいは粒子が浮遊する環境である場合であっても、上記レーザ光Lの光スポットが最も小さくなる入射端面2aがゴミあるいは粒子が浮遊する環境に接していないので、ゴミあるいは粒子により該レーザ光Lの光路中において該レーザ光Lが遮られる危険性が少ない。
【0041】
また、この光導波路デバイスにおいては、使用環境がゴミあるいは粒子が浮遊する環境である場合においても、上記平板20の入射側の端面20aにおける光スポット面積が、上記光導波路2の入射端面2a上における光スポット面積に対して約1000倍に広がっているために、上記平板20が存在しない場合に比較して、該ゴミあるいは粒子によって上記レーザ光Lが遮られる可能性が格段に低い。
【0042】
さらに、この光導波路装置においては、上記平板20の入射側の端面20a上における上記レーザ光Lのエネルギ密度が、光スポットが広くなっているために上記光導波路の入射端面2a上に比較して格段に低くなっており、該平板20の端面20a上の光スポット上において上記ゴミあるいは粒子が該レーザ光Lのエネルギにより加熱され該端面20aに焼き付いて付着する可能性が低くなっている。
【0043】
すなわち、上記平板20を上記光導波路デバイス1の上記集光レンズ系3側の端面2aに固着することにより、この光導波路デバイス1は、ゴミあるいは粒子が浮遊する環境においても、使用することができるようになる。
【0044】
上述の説明においては、上記平板20の板厚tが1.2mmである場合について説明したが、この平板20の板厚tは、0.1mm程度の値であれば、この平板20の入射側の端面20a上における光スポット直径を0.06mmとし、上記光導波路2の入射端面2a上の光スポット径に対して1桁程度(約10倍に)広げることができる。すなわち、この場合には、上記光源部4は、上記光導波路2が導波することのできる導波モードの光スポットの径に対して10倍以上の径を有して、上記光導波路2に結合されることとなる。
【0045】
すなわち、上記平板20は、板厚tの値が、0.1mm以上であれば、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに固着されることによって、この光導波路デバイス1をゴミあるいは粒子が浮遊する環境においても使用できるものとすることができる。
【0046】
そして、上記集光レンズ系3として用いるレンズは、波長780nmの収束光が厚さ1.2mmのポリカーボネート製の平板を透過した際に発生する焦点の位置ズレ(すなわち収差)を補正したレンズであることとすると、上記光導波路2の入射端面2a上において、上記レーザ光Lが集光される光スポット径を最小とすることができる。
【0047】
上記集光レンズ系3として、開口数(NA)が0.45の集光レンズを用い、この集光レンズにより収束されるレーザ光Lを厚さ1.2mmのポリカーボネート製の平板(屈祈率n=1.55)に透過させる場合について、ザイデル(SEIDEL)の収差係数を展開して計算を行うと、球面収差は、約0.0036mmとなる。
【0048】
この値は、上記集光レンズの外周近傍を透過してきた光線の焦点位置と、該集光レンズの中心近傍を透過てきた光線の焦点位置とで、約0.0036mm、すなわち、波長(780nm)の約4.7倍の位置ズレが発生していることを示している。
【0049】
すなわち、上記集光レンズ系3が、上記平板20に収束光を透過させる場合についての収差補正を行っていないものである場合には、上記光導波路2の入射端面2aにおいて、上記レーザ光Lを完全に集光させることができない。このように、上記レーザ光Lが完全に集光されないと、上記光導路2の入射端面2a上における導波モードの電界強度分布が小さいことにより上記光導波路デバイス1が該レーザ光Lを十分に集光する必要がある場合においては、この光導波路デバイス1は、性能を十分に発揮することができない。
【0050】
そして、上記集光レンズ系3が、上記平板20により発生する収差を補正する機能を有している場合、すなわち、この集光レンズ系3が、上記レーザ光Lの波長の4倍以上の球面収差を有して構成されている場合には、この集光レンズ系3により集光されたレーザ光Lは、該平板20を透過した後であっても、上記光導波路2の入射端面2a上において、光スポット径を最小にすることができる。この場合には、上記光導波路デバイス1の光導波路2に十分に上記レーザ光Lを結合され、この光導波路デバイス1は、性能を十分に発揮することができる。
【0051】
また、図4に示すように、上記平板20として厚さtが1.2mmのポリカーボネート製の平板(屈折率n=1.55)を用い、上記光源部4が発するレーザ光Lの波長を780nmとし、上記集光レンズ系3の開口数(NA)を約0.45とした場合においては、デジタルオーディオディスク、いわゆる「コンパクトディスク(CD)」用の安価なプラスチック製非球面レンズを用いることができ、光導波路装置を安価に構成することができる。
【0052】
さらに、本発明は、少なくとも上記集光レンズ系3は、図5に示すように、その光軸であるz軸と、z軸に直交しかつ互いに直交するx軸及びy軸の3方向に関して集光レンズの位置を微調整するアクチュエータを具備することとしてもよい。
【0053】
この場合には、上記半導体レーザ6からのレーザ光Lは、コリメートレンズ7及びハーフミラー8を介して、上記集光レンズ系3によって上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに臨む光導波路2の入射端面2a上にフォーカシングされて入射される。この集光レンズ系3は、アクチュエータ5によって、その光軸であるz軸、及びこのz軸に対して直交しかつ互いに直交するx軸及びy軸に関して微小移動し得るようになされている。
【0054】
上記レーザ光Lは、上記光源部4から上記平板20を透過し、上記光導波路デバイス1の入射側端面laに照射して、この光導波路デバイス1の光導波路2を導波する成分と、該光導波路デバイス1内を放射する成分と、該光導波路デバイス1の入射側端面1aにて反射される成分とに分離される。
【0055】
ここで、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aにて反射される光量は、上記平板20の屈折率及び該光導波路デバイス1の入射側端面1aの屈折率の差により異なる。
【0056】
上記光導波路デバイス1の入射側端面1aにおいては、上記光導波路2が存在する入射端面2aの部分は、この光導波路2が存在しない他の部分に比較して、屈折率が異なっている。したがって、上記入射側端面1aからの反射光量は、上記集光レンズ系3により集光されたレーザ光Lが、上記光導波路2が存在する部分に照射されているか、あるいは、該光導波路2が存在しない部分に照射されているかの状態により異なる。
【0057】
さらに、この反射光は、上記平板20を通過し、上記集光レンズ系3を通じて、例えば、平行光とされ、これが上記ハーフミラー8によって反射されて、他の集光レンズ系9によって、光検出部10にその戻り光を入射するようになされる。
【0058】
上記光検出部10は、例えば、図6乃至図8に示すように、互いに直交する軸x1及びy1に対してそれぞれ対称的に配置された4つのフォトダイオード素子10A,10B,10C,10Dが配置されて構成されている。
【0059】
また、この光検出部10の前方には、この光検出部10に対する入射光が上述したx1及びy1の交点(原点)から光軸方向にずれた場合に該光検出部10上においての光スポットに歪みを発生させるような非点収差発生手段11が配置されている。この非点収差発生手段11としては、透過するレーザ光の光軸に対して傾斜された平行平面板や、シリンドリカルレンズを用いることができる。
【0060】
上記アクチュエータ5は、図9及び図10に示すように、上記レーザ光Lを通過させる中心孔12h有する固定台12を備え、この固定台12上にマグネット群13が取付けられて構成されている。
【0061】
そして、上記マグネット群13を包み込むように、コイルブロック14が被冠されている。このコイルブロック14には、上記集光レンズ系3となる対物レンズ系が取付けられ、また、z軸方向のサーボ用コイル、すなわち、フォーカスサーボ用コイルCzと、x軸及びy軸方向のサーボ用コイルCx及びCyとが取付けられている。
【0062】
このコイルブロック14は、図示しない適当なばね機構によって、上記固定台12上において、上記集光レンズ系3の光軸方向であるz軸方向と、このz軸に直交しかつ互いに直交するx軸及びy軸とに関して、それぞれ移動可能に支持されている。
【0063】
上記フォーカスサーボ用コイルCzは、上記集光レンズ系3の光軸の回りに巻回するように形成されている。また、x軸方向サーボ用コイルCx及びy軸方向のサーボ用コイルCyは、それぞれ、互いに直交しかつz軸方向と直交するx軸及びy軸方向を中心として巻回されたコイルよりなる。
【0064】
一方、上記マグネット群13は、それぞれ、上記各サーボ用コイルCx,Cy,Czへのサーボ電流通電によって、各サーボ用コイルを、x、y及びz軸方向に移行させ得るように着磁されたフォーカスサーボ(z軸サーボ)用マグネット13zと、x及びy方向サーボ用マグネット13x,13yとにより構成されている。
【0065】
このようにして、上記各サーボコイルCx,Cy,Czへの通電によって発生する磁界と、上記マグネット群13の各マグネット13x,13y,13zとの共働によって、上記コイルブロック14は、上記集光レンズ系3を伴って、x軸、y軸及びz軸上に移動操作される。
【0066】
このような構成において、上記光検出器10の各4分割フォトダイオード10A,10B,10C,10Dより得られた出力A、B、C、Dからは、演算回路15により、(A+C)−(B+D)、(A+B)−(C+D)、及び、(A+D)−(B+C)の出力が得られる。
【0067】
このような構成において、上記光導波路デバイス1に対して上記光源部4を結合させるには、先ず、上記レーザ光Lの光軸(z軸)が略々上記光導波路2の入射端面2aの中心に一致するように設定する。
【0068】
この状態で、上記半導体レーザ6からの上記レーザ光Lを、集光レンズ系3を通じて上記光導波路デバイス1の入射側端面1a上に照射させる。
【0069】
このとき、上記光導波路2の入射端面2aからの反射光による戻り光が、上記入射側端面1aより出射され、上記集光レンズ系3、上記ハーフミラー8、上記集光レンズ系9、上記非点収差発生手段11を通じて、上記光検出部10に導入される。
【0070】
上記光導波路デバイス1の入射側端面1aには、実際上、無反射コートARが施されているので、上記レーザ光Lが、該入射側端面1aの上記光導波路2のない部分に集光されている場合と、該光導波路2の入射端面2a上に集光されている場合とでは、反射率の差異により、戻り光の光量が変化する。
【0071】
すなわち、例えば、上記光導波路デバイス1がSHGである場合において、その非線形光学晶基体1sが、ニオブ酸リチウム等、屈折率が2.1乃至2.2程度であり、その基体1s上に屈折率上昇量が3%乃至4%程度の光導波路2が形成され、また、上記平板20の材質がポリカーボネートである場合には、この平板20との間の入射側端面1aにSiOとTaの混合膜よりなる屈折率1.80の単層膜により無反射コートARを被着する。
【0072】
ここで、上記入射側端面1aに10mWのレーザ光Lを集光させたときのこの入射側端面1aからの戻り光は、上記光導波路2が無い部分に集光された場合は、100μW程度の光量であるのに対し、該光導波路2のある部分に集光された場合には、20μW程度あるいはそれ以下の光量となり、該光導波路2に対する集光位置によって5倍程度変化する。
【0073】
したがって、この戻り光の光量変化の検出によって、上記レーザ光Lが少なくとも上記光導波路デバイス1の入射側端面1aにおいて上記光導波路2上にあるか否かを検出することができる。
【0074】
そして、上記レーザ光Lの照射位置が集光レンズ系3のフォーカスより近すぎる場合、すなわちオーバーフォーカスの場合、逆に遠い場合すなわちアンダーフォーカスである場合において、上記入射側端面1aからの戻り光が非点収差発生手段11を通過して4分割フォトダオード10A,10B,10C,10Dからなる光検出部10上に集光させたときの、その4分割フォトダオード上の光スポット像は、図8及び図6に示すように、楕円形となる。上記レーザ光Lの照射位置がジャストフォーカスである場合においては、上記4分割フォトダオード10A,10B,10C,10D上の光スポット像は、図7に示すように、円形となる。
【0075】
上記出力(A+C)−(B+D)と、フォーカス状態との関係は、図11に示すように、S字のカーブを描く。すなわち、フォーカス状態が近すぎる場合と、遠すぎる場合とでは、図8あるは図6に示すように、x1軸方向とy1軸方向に長軸を有し他方向に短軸を有する斜線を付して示す楕円状の光スポットSが得られ、ジャストフォーカスにおいては、図7に示すように、各x1軸及びy1軸に対して同一径、即ち中心軸に対して円対称の光スポットとなるので、上記出力(A+C)−(B+D)は、図11に示すように、ジャストフォーカス時においては0となり、これよりフォーカスが近すぎる場合あるいは遠すぎる場合にはその出力が正方向あるいは負方向に生じてくる。
【0076】
したがって、この出力(A+C)−(B+D)をフォーカス用のサーボ信号としてこれを上記アクチュエータ5のz軸方向サーボ用コイルCzに通電することによって、z軸方向の調整が行える。
【0077】
また、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aの光導波路2の入射端面2aに対して、上記レーザ光Lのスポットが位置ずれした場合についてみると、上記集光レンズ系3のフォーカス時において、図12に示すように、このスポットLsがx軸方向に位置ずれを生じた場合の光検出部10における4分割フォトダイオード上のスポット像は、図13に示すように、明るさが一様でないスポットSとなる。
【0078】
この場合の上記4分割フォトダイオードからの電気信号に基づく出力(A+B)−(C+D)の強度と、x方向の上記光導波路2の位置からのずれとの関係は、例えば、図14に示すように、S字のカーブを描く。
【0079】
すなわち、この場合においても、中心において出力(A+B)−(C+D)は0となるが、x軸方向の何れかの方向にずれることによって、出力が生じ、図14に示すように、S字カーブを描く関係が得られる。
【0080】
したがって、この出力(A+B)−(C+D)をx軸方向の光導波路2からのずれのエラー信号として取り出し、これを字サーボコイルCxに供給することによってx軸方向の位置のサーボを行うことができる。
【0081】
また、y軸方向のサーボについては、上記出力(A+D)−(B+C)をy軸方向の位置のエラー信号として同様の方法によって適用する。
【0082】
また、前述したように、レーザ光Lの光スポットLsが上記光導波路デバイス1の光導波路2の入射端面2aから全くずれた場合と、該光導波路2の入射端面2a内に集光している場合について更に述べると、この場合上述した各エラー信号に差異は生じないが、4分割フォトダイオードに入力される光量の和を示す出力(A+B+C+D)は、光導波路デバイス1の入射側端面1aの反射コートARの条件等によって変化する。
【0083】
そこで、この場合のサーチは、上記各フォトダイオード10A,10B,10C,10Dに入力された戻り光の和に相当する出力(A+B+C+D)をモニターすることにより、区別することができる。したがって、この出力(A+B+C+D)をモニターしながら、上述したアクチュエータ5により上記集光レンズ系3を移動操作することにより、出力(A+B+C+D)が、例えば極小値となる位置を探すことによって行うことができる。
【0084】
なお、反射コートの条件が、上記光導波路2のない部分に設定してある場合には、上記出力(A+B+C+D)の値が極大値となる位置が、該光導波路2へ上記レーザ光Lが入射されている位置となる。
【0085】
さらに、図15に示すように、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aになされた無反射コートARが上記基体1sの屈折率が変動しても反射率を低減させる構成である場合、または、入射するレーザ光Lの光量が少ない場合、あるいは、上記光導波路2の屈折率上昇量が小さい場合、すなわち、上記光導波路デバイス1の入射側端面1a上において、上記光導波路2の存在に係わらず、光検出器の光量の和がさほど変化しない場合においては、以下に示すように、上記レーザ光Lのうちの上記光導波路2に入射した光の該光導波路2の出射端面2aからの戻り光の光量または光量分布を検出することにより、集光レンズ系3のサーボ信号の精度を向上させることができる。
【0086】
ここでは、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに無反射コートARが施され、上記レーザ光Lがこの入射側端面1aの上記光導波路2のない部分に集光されている場合と、該レーザ光Lが該光導波路2上に集光されている場合とで、戻り光として再び上記集光レンズ系3に結合する光量がきわめて少ない場合を例にする。
【0087】
この場合には、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aにおける反射光量からでは、上記光導波路2が存在する位置を検出することは不可能である。
【0088】
しかしながら、上記入射側端面1aの光導波路2のある部分に集光され、光導波路2により導波されたレーザ光Lは、この光導波路2の出射端面2bにおいて、この出射端面2bを透過するレーザ光Lと、この出射端面2bによって反射されるレーザ光Lとに分配される。そこで、この出射端面2bによって反射されたレーザ光Lは、光導波路2内を逆方向に導波され、光導波路2の入射端面2aに到達する。
【0089】
ここで、上記光導波路2の入射端面2aにおいて、上記集光レンズ系3により集光されたレーザ光Lが該光導波路2を導波された場合には、上記出射端面2b側より導波してきたレーザ光Lは、該入射端面2aを透過した後、上記集光レンズ系3と再び結合する。出射端面2bにより反射され上記集光レンズ系3と再結合したレーザ光Lは、実際上、上記入射端面2aからの戻り光であるかのごとく、上記ハーフミラー8、上記集光レンズ系9、上記非点収差発生手段11を通じて、上記光検出部10に導入されることとなる。
【0090】
すなわち、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aからの戻り光でなく、光導波路2を導波した光を集光レンズ系3の位置サーボ信号に用いることも可能となる。
【0091】
上記レーザ光Lが、上記入射側端面1aの光導波路2のある部分に集光されている場合は、このレーザ光Lは、該光導波路2を導波することができる。この場合において、このレーザ光Lの光量に対する該光導波路2を導波する光量の割合(光導波路との結合効率)は、この光導波路2を導波することのできる導波モードの入射側端面1aにおける電界強度分布と、該レーザ光Lが上記集光レンズ系3により集光された入射側端面1aにおけるスポットの電界強度分布との重畳積分によって現わすことができる。したがって、上記集光レンズ系3の光学定数及び上記光導波路2の形状を工夫することにより、光導波路の結合効率は、50%以上にすることは容易である。
【0092】
すなわち、具体的には、例えば、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに無反射コートARが被着されている場合、この入射側端面1aに100mWのレーザ光Lを集光させると、上記光導波路2のない部分に集光された場合には、その戻り光は100μW程度の戻り光量となる。
【0093】
これに対し、上記光導波路2の部分に上記レーザ光Lが集光された場合は、該光導波路2の入射端面2aにおける反射光量は、20μW以下であるが、集光レンズ系3と光導波路2を導波する導波モードとの結合効率が50%であるとすると、50mWのレーザ光Lが光導波路2を導波する。そして光導波路デバイス1の出射側端面1bでの反射率は、無反射コート膜がない場合では、約14%の反射率を有しているため、約7mWが光導波路2の入射端面2aに戻ってくることとなる。
【0094】
つまり、上記光導波路2のない部分に上記レーザ光Lが集光された場合の戻り光量は、100μW程度であるのに対し、該光導波路2のある部分に集光された場合の戻り光量は、7mW程度となり、70倍程度変化する。
【0095】
さらに、上記光導波路デバイス1の出射側端面1bでの反射率が、無反射コート膜ARがある場合において、1%程度であっても、戻り光量は、500μW程度となり、5倍程度の変化が得られる。
【0096】
このような大きな変化量は、上記レーザ光Lが上記光導波路2のない部分に集光された場合に得られる戻り光が集光された光導波路デバイス1の入射側端面1aにおける反射光のみであるのに対して、該光導波路2のある部分に集光された場合に得られる戻り光が、集光された光導波路2の入射端面2aにおける反射による戻り光と、この光導波路2を導波した後、この光導波路2の出射端面2bからの反射による戻り光との和となるために、得られるものである。
【0097】
したがって、この光量変化の検出によって、上記レーザ光Lが少なくとも上記光導波路デバイス1の入射側端面1aにおいて上記光導波路2上にあるか否かを検出することが、さらに容易となる。
【0098】
この場合において、光導波路2内を導波し、そして光導波路2の出射端面2bにおいて一部反射され、さらに光導波路デバイス1の入射側端面1aに到達した光が光検出部10に入射する状態は、上述した実施の形態と同様である。
【0099】
また、上記光検出部10、上記アクチュエータ5の構成、非点収差の発生方法、及び、上記出射端面2bからの戻り光の光検出部10への導入方法、さらに、戻り光量の光検出部10上の分布の変化を用いた、フォーカスのサーボ方法および位置ずれのサーボの方法に関しても、上述した実施の形態と同様である。
【0100】
さらに、以下に示すように、上記レーザ光Lのうちの上記光導波路2に入射した光の該光導波路2内の反射源からの戻り光の光量または光量分布を検出することとすることにより、さらに、集光レンズ系3のサーボ信号の精度を向上させることができる。
【0101】
ここでは、光導波路デバイス1は、図16及び図17に示すように、導波モード型あるいはチェレンコフ放射型の光導波路型SHGであって、例えば、非線形光学結晶よりなる基体1sに、テーパ部分2cを有するチャンネル型の線形もしくは非線形の光導波路2が設けられている。
【0102】
上記光導波路2の入射端面2aは、光導波路デバイス1の入射側端面1aに臨んで設けられ、また、該光導波路2の出射端面2bは、該光導波路デバイス1の出射側端面1bに臨んで設けられる。また、上記光導波路2のテーパ部分2cは、入射端面2aと出射端面2bとの間に存在する。
【0103】
ここでは、上記光導波路2をテーパ部分2cを有するチャンネル型の線形もしくは非線形の光導波路としたが、この光導波路2は、この光導波路2の内部に、テーパ部分あるいは分岐部分、さらには、合流部分などの反射源が存在するものであればよい。すなわち、光導波路デバイス1は、図18に示すように、分岐2cを有するチャンネル型の線形もしくは非線形の光導波路2が設けられてなるものもでもよい。
【0104】
上記光源部4及び上記アクチュエータ5は、上述した実施の形態と同様に構成される。
【0105】
上記光源部4からのレーザ光Lは、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに照射され、さらに、上記光導波路2内を導波し、そして、この光導波路2内のテーパ部分2cにおいて一部反射される。
【0106】
上記光導波路2内のテーバ部分2cにおいて反射されたレーザ光L(反射光)は、また、光導波路2内を導波し、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに到達する。さらに、この反射光は、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aを通過し、上記集光レンズ系3を通じて例えば平行光とされ、これが上記ハーフミラー8によって反射されて、上記集光レンズ系9によって上記光検出部10にその戻り光を入射するようになされる。
【0107】
この例において、上記光導波路2内を導波し、この光導波路2内のテーパ部分2cにおいて一部反射され、さらに上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに到達した光が、上記光検出部10に入射する状態は、上述の実施の形態と同様でるある。また、上記光検出部10、上記アクチュエータ5の構成、非点収差の発生方法、及び、上記反射源2cからの戻り光の光検出部10への導入方法、さらに、戻り光量の光検出部10上の分布の変化を用いた、フォーカスのサーボ方法及び位置ずれのサーボの方法に関しても、上述の実施の形態と同様である。
【0108】
この場合には、戻り光の光量の変化量は、上記レーザ光Lが上記光導波路2のない部分に集光された場合に得られる戻り光が、集光された光導波路デバイス1の入射側端面1aにおける反射光のみであるのに対して、該レーザ光Lが該光導波路2のある部分に集光された場合に得られる戻り光が、集光された光導波路2の入射側端面2aにおける反射による戻り光と、この光導波路2を導波した後、この光導波路2の出射端面2bからの反射による戻り光と、さらに、この光導波路2内の反射源2cによって反射された戻り光との和となるために、大きな変化量となって表れる。
【0109】
したがって、この戻り光の光量変化の検出によって、上記レーザ光Lが少なくとも上記光導波路デバイス1の入射側端面1aにおいて上記光導波路2上にあるか否かを検出することがさらに容易となる。
【0110】
そして、この光導波路装置においては、上記平板は、図19に示すように、上記光導波路デバイス1の入射側端面1aに対して、モールドにより形成固着されているものとしてもよい。
【0111】
この光導波路装置は、光導波路デバイス101の光導波路102に対してレーザ光Lを集光入射させる集光レンズ系3を有し該光導波路デバイス101の入射側端面101aに対向して配置された光源部4が設けられている光導波路装置であって、該光導波路デバイス101の該集光レンズ系3側である入射側端面101aに、レーザ光Lを透過するモールド材料120が、厚さ0.1mm以上の略々平行の形状を有して、モールド(射出成型)により形成されている。
【0112】
光導波路デバイス101は、例えば、図20に示すように、導波モード型あるいはチェレンコフ放射型の光導波路型SHGであって、例えば、非線形光学結晶よりなる基体101s上にチャンネル型の線形もしくは非線形の光導波路102が設けられて構成されている。
【0113】
さらに、上記光導波路デバイス101は、例えば、図21に示すように、光導波路102の保護あるいは光導波路102の導波モードの実効屈折率の制御を目的として、上面部にクラッド膜30が形成されている。
【0114】
上記光導波路102の入射端面102aは、上記光導波路デバイス101の入射端面101aに臨んで設けられ、また、光導波路102の出射端面102bは、光導波路デバイス1の出射側端面101bに臨んで設けられる。
【0115】
光源部4は、例えば、半導体レーザ6からのレーザ光Lをコリメートレンズ7を介して集光レンズ系3によって上記光導波路デバイス101の入射側端面101aに臨む光導波路102の入射端面102aに、モールドされたモールド材料120を介してフォーカシングして入射させるように構成されている。
【0116】
上記レーザ光Lを透過するモールド材料120のモールド方法の一例を、図22乃至図24を用いて、以下に説明する。
【0117】
まず、図22に示すように、上記光導波路デバイス101をモールド型15Oに配置する。ここで、モールド型150の内面における光導波路デバイス101の入射側端面101aに対向する面150aは、端面101aに略々平行であることが望ましい。
【0118】
つぎに、図23に示すように、上記モールド型150における樹脂導入孔150Hより、溶融状態にされたレーザ光Lの透過率が高いモールド材料120(たとえぱポリカーボネート)を流し込む。ここで、上記モールド型150及び上記光導波路デバイス101は、溶融状態にされたモールド材料120と接触した際のサーマルショックにより、割れなどを発生しないように、予めある程度加熟されていることが望ましい。
【0119】
つぎに、導入されたモールド材料120がモールド型150により成形され、変形が容易に生じない温度まで、冷却された後に、図24に示すように、モールド型150を除去する。
【0120】
以上、図22乃至図24に示したような方法により、光導波路デバイス101の入射側端面101aに、略々平行の形状を有し、厚さ0.1mm以上のレーザ光Lを透過するモールド材料120をモールドすることができる。ここで、このモールド方法によれば、上記入射側端面101aに対して接着剤を用いることを要さず、量産性の高い方法で、レーザ光Lを透過するモールド材料120を形成することができる。
【0121】
なお、上記図22乃至図24においては、上記モールド型150に予め上記光導波路デバイス101を固定した後に、溶融状態にされたレーザ光Lを透過するモールド材料120を流し込む方法を説明したが、溶融状態にされたレーザ光Lを透過するモールド材料120中に、該光導波路デバイス101を埋め込む方法を用いても、この光導波路デバイス101の入射側端面101a上にレーザ光Lを透過するモールド材料120を形成する事ができる。
【0122】
このようにして上記レーザ光Lを透過するモールド材料120が入射側端面101a上に形成された光導波路デバイス1においても、上述した実施の形態と同様に、集光レンズ系3により上記光導波路102に光を入射させた場合においては、該レーザ光Lは、この光導波路102の入射端面102aにおいては少なくとも回折限界の10倍以内の光スポット径に集光される。したがって、上記モールド材料120の入射側の端面120a上における光スポットの直径は、上記光導波路102の入射端面102a上のスポット径に比較して、1桁程度(10倍程度に)広がっていることとなる。
【0123】
すなわち、この光導波路装置においては、この光導波路装置の使用環境がゴミあるいは粒子が浮遊する環境である場合においても、上記モールド材料120の入射側の端面120a上における光スポット径が、上記光導波路102の入射端面120a上の光スポットに対して10倍以上の径に広がっているために、該モールド材料120が存在しない場合に比較し、ゴミあるいは粒子が付着する可能性が格段に低い。
【0124】
さらに、上記モールド材料120の入射側の端面120a上のレーザ光Lのエネルギ密度が、光スポットが広がっているために、光導波路102の入射端面102a上に比較して格段に低いため、このモールド材料120上の光スポット上において、ゴミあるいは粒子が該レーザ光Lにより加熱されてこのモールド材料120の入射側の端面120aに焼き付いて付着する可能性も格段に低くなっている。
【0125】
すなわち、上記モールド材料120を上記光導波路デバイス101の集光レンズ系3側の入射側端面102aに、モールド形成することにより、上記光導波路デバイス1は、ゴミあるいは粒子が浮遊する環境においても使用することができるようになる。
【0126】
さらに、前述した実施の形態と同様に、上記モールド材料120は、板厚が0.1mm以上となされることにより、上記光導波路デバイス101の入射側端面101aにおいて光導波路を導波することのできる導波モードのスポットの径に対して10倍以上の径を有して、上記光源部4を上記光導波路102に結合させることとなり、光導波路デバイス1をゴミあるいは粒子が浮遊する環境においても使用できるようにする。
【0127】
また、上記集光レンズ系3が、上記モールド材料120により発生する収差を補正する機能を有している場合には、この集光レンズ系3により集光されたレーザ光Lは、該モールド材料120を透過した後であっても、光導波路102の入射端面102a上において、スポット径を最小にすることができ、光導波路デバイス101の光導波路102に十分にレーザ光Lを結合させることができ、結果的に光導波路デバイス101の性能を十分に発揮させることができる。
【0128】
また、同様に、上記モールド材料120を、厚さtが1.2mmの平板状のポリカーボネート製とし、上記レーザ光Lの波長を780nmとし、上記集光レンズ系3の開口数(NA)を約0.45とした場合においては、デジタルオーディオディスク、いわゆる「コンパクトディスク(CD)」用の安価なプラスチック製非球面レンズを用いることができ、光導波路装置を安価に構成することができる。
【0129】
さらに、前述した実施の形態と同様に、上記光源部4は、上記アクチュエータ5を有するものとしてもよい。
【0130】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る光導波路装置によれば、光導波路デバイスの使用環境がゴミ(塵挨)あるいは粒子が浮遊する環境においても、ゴミあるいは粒子がレーザ光の光路中において、レーザ光を遮る危険性を減少させることができる。
【0131】
また、光導波路デバイスの入射側端面において、レーザ光の強度が十分に高い場合、すなわち光導波路デバイスが多くのレーザ光強度を必要とするような場合においても、該レーザ光が集光されている部分を、ゴミあるいは粒子が浮遊する環境に接しないようにすることができるので、光導波路デバイスの入射側端面において、浮遊するゴミあるいは粒子が過剰に加熱されることを防ぐことができ、光導波路デバイスの端面にゴミあるいは粒子が焼き付いて付着することを防ぐことができる。
【0132】
したがって、結果的に、光導波路デバイスの入射側端面を汚す可能性を低下させ、光導波路デバイスを安定して動作させることができる。
【0133】
またさらに、上述したように、本発明に係る光導波路装置によれば、光源部の集光レンズ系をアクチュエータによって位置制卸するようにし、このアクチュエータの制御を、レーザ光の光導波路に入射した光の光導波路の光入射位置からの戻り光の光量または光量分布、または、レーザ光の光導波路に入射した光の光導波路の光出射位置からの戻り光の光量または光量分布、あるいは、光導波路内の反射源からの戻り光の光量または光量分布を検出することによって行うようにしたことから、確実に光導波路デバイスの光導波路に対するレーザ光の入射位置とフォーカシングを行うことができる。
【0134】
したがって、上記レーザ光の入射効率を高めることができることから、光導波路デバイスが、例えば、SHGである場合において、その出力の2次高調波パワーの増大化と安定化をはかることができる。
【0135】
さらに、光導波路デバイスの使用環境が、ゴミあるいは粒子が浮遊する環境、及び、外震、温度変化等の何等かの原因で集光レンズの位置ずれが生じるような環境においても、光導波路デバイスの動作を可能にすることができる。
【0136】
また、この光導波路装置においては、集光レンズ系を接着剤等によって光導波路デバイスに高精度に接着、すなわち、高精度の固定を行うという手法を回避したことによって、光導波路デバイスに対するレーザ光の入射を、外震等によって位置ずれが生じた場合においても即応的に確実にその位置調整を行うことができ、常時、また、長期にわたって、安定した入射光量を得ることができ、これによって安定した動作を行わしめることができる。
【0137】
さらに、上述したように、上記光源部の光導波路デバイスに対する位置合わせば、上記アクチュエータによって微調整が行われることから、最初の位置決めすなわち粗調整の精度は目的の精度の1桁以上(10倍以上に)緩和させることができる。
【0138】
すなわち、本発明は、光導波路デバイスが使用される使用環境がゴミ(塵挨)あるいは粒子等が浮遊する環境である場合においても、この光導波路デバイスの光導波路に対して、光源部からの光、特に、レーザ光を安定に最良の状態をもって高効率に入射させることができるようになされた光導波路装置を提供することができるものである。
【0139】
更に、上述したように、平板あるいはモールドにより形成されるレーザ光を透過する材料を、略々、1.55の屈折率を有し、略々1.2mmの厚さにすることにより、上記集光レンズ系として、デジタルオーディオディスク、いわゆる「コンパクトディスク(CD)」用プレーヤー装置に用いる安価なプラスチック製非球面集光レンズを用いることが可能になり、光導波路装置を安価に作製することができる。
更に、上記集光レンズ系が、レーザ光の波長の4倍以上の球面収差を有していることから、この集光レンズ系により集光されたレーザ光は、平板を透過した後であっても、光導波路の入射端面上において、光スポット径を最小にすることができる。この場合には、光導波路デバイスの光導波路に十分に上記レーザ光を結合され、この光導波路デバイスは、性能を十分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光導波路装置の構成を示す平面図である。
【図2】上記光導波路装置に用いられる光導波路デバイスの構成を示す斜視図である。
【図3】上記光導波路デバイスの構成の他の例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る光導波路装置の構成の他の例を示す平面図である。
【図5】本発明に係る光導波路装置であってアクチュエータを有するものの構成を示す平面図である。
【図6】光検出部における4分割フォトダイオード上のアンダーフォーカスにおける戻り光スポットの態様を示す正面図である。
【図7】光検出部における4分割フォトダイオード上のジャストフォーカスにおける戻り光スポットの態様を示す正面図である。
【図8】光検出部における4分割フォトダイオード上のオーバーフォーカスにおける戻り光スポットの態様を示す正面図である。
【図9】上記アクチュエータの構成を示す斜視図である。
【図10】上記アクチュエータの構成を示す分解斜視図である。
【図11】フォーカスサーボ用信号(A+C)−(B+D)の特性曲線図である。
【図12】レーザ光スポットと光導波路デバイスとの位置関係を説明する正面図である。
【図13】光検出部における4分割フォトダイオード上のレーザ光が位置ずれした場合における戻り光スポットの態様を示す正面図である。
【図14】x軸方向のサーボ信号(A+B)−(C+D)の特性曲線図である。
【図15】本発明に係る光導波路装置の構成のさらに他の構成を示す平面図である。
【図16】本発明の光導波路装置であって光導波路内に反射源を有するものの構成を示す平面図である。
【図17】光導波路内に反射源を有する光導波路デバイス構成を示す斜視図である。
【図18】光導波路内に反射源を有する光導波路デバイス構成の他の例を示す斜視図である。
【図19】平板をモールドにより形成した本発明に係る光導波路装置の構成を示す平面図である。
【図20】上記図19に示した光導波路装置に用いる光導波路デバイスの構成を示す斜視図である。
【図21】上記図19に示した光導波路装置に用いる光導波路デバイスの構成の他の例を示す斜視図である。
【図22】上記平板の形成に用いられるモールド方法の第1の工程を示す断面図である。
【図23】上記平板の形成に用いられるモールド方法の第2の工程を示す断面図である。
【図24】上記平板の形成に用いられるモールド方法の第3の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光導波路デバイス、2 光導波路、3 集光レンズ系、4 光源部、5 アクチュエータ、10 光検出部、20 平板、120 モールド材料

Claims (4)

  1. 光導波路デバイスの光導波路と、
    レーザ光の波長の4倍以上の球面収差を有しており、上記導波路デバイスの光導波路にレーザ光を集光して入射させる集光レンズ系を有する光源部と、
    上記レーザ光を透過させる材料により、0.1mm以上の厚さを有して形成され、上記導波路デバイスの光導波路の該レーザ光が入射される端面に固着された平板とを備えた光導波路装置。
  2. 上記平板は、屈折率が略々1.55であり、厚さが略々1.2mmであることとなされた請求項1記載の光導波路装置。
  3. 上記平板は、上記光導波路デバイスの光導波路のレーザ光が入射される端面に対し、射出成型手段により形成固着されていることとなされた請求項1記載の光導波路装置。
  4. 上記集光レンズ系によって集光されるレーザ光は、上記平板への入射時における光束の径が、上記光導波路デバイスの光導波路が導波することのできる導波モードの光スポットの径に対し、10倍以上であることとなされた請求項1記載の光導波路装置。
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