JPH05157821A - 電子スピン共鳴装置 - Google Patents
電子スピン共鳴装置Info
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- JPH05157821A JPH05157821A JP3322957A JP32295791A JPH05157821A JP H05157821 A JPH05157821 A JP H05157821A JP 3322957 A JP3322957 A JP 3322957A JP 32295791 A JP32295791 A JP 32295791A JP H05157821 A JPH05157821 A JP H05157821A
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- G01—MEASURING; TESTING
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- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
- Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
Abstract
うことができる周波数掃引方式の電子スピン共鳴装置を
得る。 【構成】 永久磁石10による固定分極磁場内に、円筒
型空洞共振器12および磁場変調コイル14が配置され
る。空洞共振器にはマイクロ波発振器16の発生するマ
イクロ波fがアイソレータ18,減衰器20を通りサー
キュレータ24を介して供給される。変調周波発振器4
2の発振出力をコイル14に供給する。可動端板60を
駆動機構58により移動し共振周波数f0を変化させ、
これを検波器46により検出し低周波増幅器48,位相
検波器50,低周波発振器54,移相器56,マイクロ
波発振器電源52からなる回路を介してマイクロ波発振
器16に負帰還し、マイクロ波周波数fを共振周波数f
0に等しく保つよう自動的に追随して掃引する。
Description
関し、特に周波数掃引による共鳴信号検出手段を備えた
電子スピン共鳴装置に関する。
信号検出のための掃引方式として磁場掃引方式を採用し
ている。この磁場掃引方式の電子スピン共鳴装置におい
ては、静磁場中に置かれた試料にマイクロ波磁場を印加
すると共に静磁場を掃引し、電子スピン共鳴に伴う試料
によるマイクロ波エネルギの吸収をとらえている。通
常、静磁場の掃引は静磁場を発生する電磁石の励磁電流
を掃引して行われ、励磁用大電力源および掃引コイルの
発熱に対する冷却用設備等を必要とする。このため、永
久磁石を使用して励磁用大電力源を不要とした周波数掃
引方式の電子スピン共鳴装置も一部に見受けられるが、
これらは掃引範囲がごく狭い範囲に限られている。
鳴装置において、周波数掃引方式よりも磁場掃引方式が
主流になったのには周波数掃引方式に次のような主に二
つの問題点があったからである。即ち、一つはマイクロ
波周波数の広域掃引が困難なこと。もう一つは、マイク
ロ波空洞共振器は極めてQが高く、非常に狭い帯域の周
波数にしか応答できないことにあった。
器の周波数同調には、一般に機械的同調、電子的同調が
併用されているが、電子スピン共鳴の測定においては、
滑らかな連続掃引を行うために、発振器の電子同調を採
用する。常用される電子スピン共鳴測定では、掃引範囲
は約10%程度は必要とされている。従来汎用されてき
たクライストロンでは、出力周波数に対する周波数可変
範囲は機械的同調では5〜10%になるが、電子同調で
は0.2〜0.5%程度しかない。最近多用されるガン
ダイオードでも、可変共振素子としてバラクタを併用し
て0.5%程度である。従って、電子同調ではマイクロ
波周波数の広範囲の掃引が行えなかった。
出する空洞共振器は、Qが4,000〜10,000と
高く、しかもこの共振周波数は殆ど共振器の機械的寸法
によって定まるため、広範囲に周波数を掃引することが
できなかった。
ば、磁場掃引方式から周波数掃引方式に変更することに
より、従来必要とされた励磁用大電力源、冷却用水等の
設備を不要とすることができ、電子スピン共鳴装置を電
力、給水設備の整った一部の研究室等から開放し、可搬
型とするなど測定・設置条件の大幅な軽減が可能とな
る。
ために実用上充分な広範囲にわたる周波数掃引ができる
周波数掃引方式による電子スピン共鳴装置を提供するこ
とにある。
共鳴装置は、測定試料の電子スピン共鳴信号を検出する
空洞共振器を固定分極磁場内に配置し、該空洞共振器の
共振周波数を変化させ、この共振周波数の変化によって
発生する印加マイクロ波周波数と共振周波数との差を誤
差信号として検出し、この検出信号を増幅後マイクロ波
発振器に負帰還し、前記誤差信号が零になるようマイク
ロ波周波数を追随制御する自動周波数制御手段を備えた
ことを特徴とする。
出する空洞共振器を固定分極磁場内に配置し、該空洞共
振器に印加するマイクロ波の周波数を掃引し、この印加
マイクロ波の周波数掃引によって発生する空洞共振器の
共振周波数と印加マイクロ波周波数との差を誤差信号と
して検出し、この検出信号を増幅後、空洞共振器共振周
波数制御装置に負帰還し、前記誤差信号が零になるよう
空洞共振器の共振周波数を変化追随させる構成としても
よい。
えば、YIG(Yttrium−Iron−Garne
tt)フィルタを帰還回路とするいわゆるYTO(YI
G−Tuned Oscillator)、周波数シン
セサイザ等、周波数を広範囲に変化することができる周
波数可変マイクロ波発振器を用い、発振周波数を共振周
波数可変型空洞共振器の共振周波数に追随するよう制御
することができ、また、共振周波数の可変を困難にして
いる内部変調コイルの使用を避け、共振周波数を広域に
わたり可変とした空洞共振器を使用することにより、こ
の空洞共振器の共振周波数にマイクロ波周波数を追随制
御することができ、分極磁場を固定したまま必要範囲に
わたる電子スピン共鳴を測定することができる。
例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。
共鳴装置の回路構成図であり、図2および図3は図1の
電子スピン共鳴装置に使用するTE011モード円筒空
洞共振器の詳細な構造図である。図1において、参照符
号10は永久磁石であり、永久磁石10がつくる固定分
極磁場内には被検試料を収容する空洞共振器12および
磁場変調コイル14が配置される。空洞共振器12には
マイクロ波発振器16から発生するマイクロ波電力がア
イソレータ18,減衰器20を通り、サーキュレータ2
4を介して供給される。試料中のスピンが共鳴し、供給
されているマイクロ波電力の一部が吸収されると、空洞
共振器の共振インピーダンスに変化が起こる。それに従
い空洞共振器の反射係数が変化し、サーキュレータ24
を経てハイブリッド・ティー28に伝送されるマイクロ
波電力に変化が生じる。これが試料の電子スピン共鳴と
して検出される信号である。一方静磁場には磁場変調発
振器46から磁場変調コイル14に周波数fmの電流が
流され、これにより分極磁場には、周波数fmの磁場変
調が加えられているため、共鳴信号は、周波数fmの変
調成分を含んでいる。
16から分岐され減衰器30,移相器32を介してハイ
ブリッド・ティー28に与えられる参照マイクロ波信号
と混合され、マイクロ波検波器34,36によって検波
される。いわゆるホモダイン検波の手法である。これら
の結果、マイクロ波検波器34,36の出力には周波数
fmの信号成分が得られる。ここで、試料からの共鳴信
号はハイブリッド・ティー28のH面に供給され、参照
マイクロ波信号は同E面に加えられるので、ホモダイン
検波後、変調信号成分は、マイクロ波検波器34,36
の出力端において振幅等しく、互いに逆位相の信号とし
て得られる。これらを受ける信号増幅器は差動増幅方式
を用いているので、二つの変調信号成分は加算され、増
幅され位相検波器40に伝送される。参照マイクロ波は
同相でマイクロ波検波器34,36に供給され、ホモダ
イン検波後も同相の検波出力となるので、差動増幅によ
って消去され、増幅器38を通ることはない。これは発
振器16の振幅出力の変動など、共鳴信号には無関係の
いわゆるコモン・モード雑音を除去し、電子スピン共鳴
装置の感度向上に有用な動作を与えている。
ら出力の一部が移相器44を通して、位相検波の参照信
号として供給されている。従って、位相検波器40の出
力には、変調信号成分に比例し、同成分と参照信号との
位相差の余弦に比例する直流信号成分が得られ、レコー
ダまたはA/Dコンバータ等の外部出力機器に転送され
る。移相器44は、得られる直流信号成分が最大となる
(変調信号成分と参照信号成分との位相差が零になる)
よう調整するために挿入されている。
波器46、低周波狭帯域増幅器48、低周波発振器5
4、同移相器56により構成される回路系は、マイクロ
波周波数fを空洞共振器12の共振周波数f0に等しく
保持するための自動周波数制御系(Automatic
Freqency Control,以下AFCと略
称する)であり、動作は空洞共振器12に関係するの
で、下記の空洞共振器の説明後に詳述する。
に使用するTE011モード円筒空洞共振器12は、図
2および図3に示すように構成されている。なお、図2
は平面図、図3は側面図であり、それぞれ右半分を断面
図で示す。すなわち、空洞共振器12は、円筒120の
軸方向の中心の上部に試料管挿入孔121を有する半固
定端板122、下部に可動端板60が取付けられる。円
筒120および両端板の内面には導電性薄膜123が形
成され、さらに円筒120の軸方向に垂直に一対の磁場
変調コイル14,14が配置される。ここでは、Xバン
ドTE011モード円筒空洞共振器の例であり、直径約
42mmの円筒120が貫通している。空洞本体124
は両端の空洞抑え125,125を空洞組立てネジ12
6,126により固定され、円筒120には結合孔12
7を介して導波管128が接続される。円筒120の下
端の可動端板60には微動するためのネジ62が刻まれ
ている。さらに、この可動端板60には端板駆動歯車6
4が設けられる。可動端板60の空洞内面にあたる部分
の直径は空洞円筒120の内径よりも幾分小さく、図3
に示すようにいわゆるλ/4チョーク構造66となって
いる。この構造を備えることにより、可動端板60は円
筒内壁と機械的に接触することなく、マイクロ波的には
良好な接触を保っているので、空洞共振器のQを高く保
持したまま共振周波数を変化することができる。しかも
この処置によって、TE001モードにおいて縮退しや
すいTM111モードの発生が防止できることはよく知
られている。なお、空洞本体120は低膨脹係数の石英
ガラスで作られているが、本体材料はこれに限らず、低
膨脹係数セラミックスまたは高分子材料でも良い。空洞
共振器12は、これら材料の直方体ブロックにマイクロ
波の周波数と使用モードに適合する空洞が穿たれてい
る。
2の共振周波数f0は、周知のように次式により与えら
れる。
の直径、軸長である。
変化すれば、共振周波数の変化分が軸長Lに対しほぼ反
比例に近い関係で変化することとなる。
しては、図2および図3に示すように、可動端板60の
λ/4チョーク構造66の背後にネジを刻み、図示しな
いパルスモータ等により、端板駆動歯車64を介して可
動端板60を回転させ空洞内壁に沿って移動できるよう
にしてもよいが、別の手段として、可動端板60と空洞
共振器内壁との間隙に周知のエアベアリング機構を設け
て、可動端板60を滑らかに移動するよう構成してもよ
い。勿論、その他本発明の目的に適合するような端板移
動機構を用いることができることはいうまでもない。
機構58を備えた図1に示す回路構成の電子スピン共鳴
装置において、マイクロ波周波数fを、掃引変化する共
振周波数f0に常に一致するよう追随させる自動周波数
制御機構(AFC)について説明する。
器電源52から動作電圧と周波数制御信号とが与えられ
ている。この周波数制御信号に、低周波発振器54から
小さな正弦波(周波数fa)を重畳させるとマイクロ波
発振器16からは該低周波で周波数変調されたマイクロ
波が出力される。従って、空洞共振器に設けられたルー
プから取り出され、検波器46へ入力されるマイクロ波
は、図5の(A)に示すように空洞共振器の特性に従
い、周波数faの振幅変調を受ける。ここで、fはマイ
クロ波周波数、f0は空洞共振器の共振周波数であり、
faはマイクロ波を周波数変調している低周波数であ
る。
5の(A)に示されるように周波数2・faの振幅変調
を受ける。従って、マイクロ波検波器46によるマイク
ロ波検波後に低周波出力として、周波数2・faの信号
が得られ、周波数faの成分はない。マイクロ波周波数
fが共振周波数f0に等しくない場合は、f<f0又は
f>f0に従って、周波数faの出力が位相検波器50
への参照信号に対して同位相または逆位相で得られ、共
振周波数f0の近傍では、その振幅はfとf0との差に
ほぼ比例する。この周波数成分は中心周波数faの狭帯
域増幅器48で増幅された後、位相検波器50に伝送さ
れる。位相検波器50には発振器54から、周波数fa
の参照信号が加えられている。従って、位相検波器50
の出力は、f=f0では零であり、マイクロ波周波数f
が共振周波数f0に等しくない場合は、f<f0または
f>f0に従って、正または負の直流出力が図5の
(B)のように得られる。これをマイクロ波周波数fの
共振周波数f0に対する離調の程度を示す誤差信号とし
てマイクロ波発振器電源52に負帰還すれば、マイクロ
波発振器16への制御信号を介して、マイクロ波周波数
fを常に共振周波数f0に等しくなるよう制御すること
ができる。なお移相器56は、図5の(B)の直流信号
が最大になるよう検波器46の出力と位相検波器50へ
の参照信号との位相差を零に調整するものである。以上
は、当業者にはよく知られたいわゆるAFC回路の動作
である。本発明においてもマイクロ波周波数の自動制御
に同様の手法を応用するが、従来のAFCが制御の目標
値を固定した空洞共振器の共振周波数におく定値制御で
あるのに対して、変化してゆく共振周波数を目標値とし
て、マイクロ波発振周波数をそれに追随させるいわゆる
追値制御が要請されるという相違がある。すなわち、図
には明示されていないが、制御オフセットを消去するに
は、制御要素は二次の積分要素を含む追値制御系が必要
となる。
置の回路構成図である。尚、説明の便宜上、図1に示し
た構成部分と同一の構成部分については同一の参照符号
を付し、その詳細な説明は省略する。すなわち、図4の
構成では掃引電圧発生器68の出力がマイクロ波発振器
電源52に、AFCのための低周波発振器54の一方の
出力が移相器70を経て位相検波器50に、位相検波器
50の出力が端板駆動機構58にそれぞれ供給するよう
構成される点が相違している。
掃引電圧発生器68により掃引し、検波器46で検波し
て得られるマイクロ波周波数fと共振周波数f0との誤
差信号f−f0を、低周波増幅器48により増幅後、位
相検波器50を介して端板駆動機構58に負帰還し、誤
差信号f−f0が零となる条件を保持するよう端板駆動
機構58によって空洞共振器12の共振周波数f0を変
化追随させるものである。
発明によれば、周波数可変マイクロ波発振器を用い、そ
の発振周波数を共振周波数可変型空洞共振器の共振周波
数に追随するよう制御することにより、マイクロ波周波
数の広域掃引を可能にし、分極磁場を固定したまま必要
範囲にわたる広い周波数範囲で電子スピン共鳴の測定を
可能にした。
の有効な適用を可能とし、所要電力の大幅な節減、給水
設備の不要等大きな効果をあげることができる。
エネルギに対応する量として測定されるので以後の解析
が直接的となり、より容易となる等もたらされる効果は
大きい。
型TE011モード空洞共振器を例として説明したが、
一般に円筒型TE01nモード空洞共振器(nは整数)
に対しても全く同様の手法を用いることができ、本発明
は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸
脱しない範囲内において種々の設計変更をなし得ること
は勿論である。
示す回路構成図である。
011モード円筒空洞共振器の詳細構造の平面図であ
る。
011モード円筒空洞共振器の詳細構造の側面図であ
る。
を示す回路構成図である。
動周波数制御法を説明するための説明図である。
振器 14 磁場変調コイル 16 マイク
ロ波発振器 18 アイソレータ 20 減衰器 24 サーキュレータ 28 ハイブ
リッド・ティー 30 減衰器 32 移相器 34 マイクロ波検波器 36 マイク
ロ波検波器 38 信号増幅器 40 位相検
波器 42 磁場変調発振器 44 移相器 46 AFC検波器 48 低周波
増幅器 50 位相検波器 52 マイク
ロ波発振器電源 54 低周波発振器 56 移相器 58 端板駆動機構 60 可動端
板 62 ネジ 64 端板駆
動歯車 66 λ/4チョーク構造 68 掃引電
圧発生器 70 移相器 120 円筒 121 試料管
挿入孔 122 半固定端板 123 導電性
薄膜 124 空洞本体 125 空洞抑
え 126 空洞組立てネジ 127 結合孔 128 導波管
Claims (2)
- 【請求項1】 測定試料の電子スピン共鳴信号を検出す
る空洞共振器を固定分極磁場内に配置し、該空洞共振器
の共振周波数を変化させ、この共振周波数の変化によっ
て発生する印加マイクロ波周波数と共振周波数との差を
誤差信号として検出し、この検出信号を増幅後マイクロ
波発振器に負帰還し、前記誤差信号が零になるようマイ
クロ波周波数を追随制御する自動周波数制御手段を備え
たことを特徴とする電子スピン共鳴装置。 - 【請求項2】 測定試料の電子スピン共鳴信号を検出す
る空洞共振器を固定分極磁場内に配置し、該空洞共振器
に印加するマイクロ波の周波数を掃引し、この印加マイ
クロ波の周波数掃引によって発生する空洞共振器の共振
周波数と印加マイクロ波周波数との差を誤差信号として
検出し、この検出信号を増幅後、空洞共振器共振周波数
制御装置に負帰還し、前記誤差信号が零になるよう空洞
共振器の共振周波数を変化追随させる構成としたことを
特徴とする電子スピン共鳴装置。
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