JPH051573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、キヤビネツト、ロツカー等に用いる
錠前に関するものである 〔従来の技術とその問題点〕 机の抽出、ロツカー、キヤビネツト等において
は抽出等の前鏡板や扉にその裏側より錠前本体を
取り付け、キーの回動にてデツドボルトを固定側
に突出せしめて施錠する錠前が使用されている。
この錠前は錠本体となるプラグをキーにて回動さ
せるようにしてケース内に嵌挿しているが、この
組み立てに際してはケースの本体側裏面すなわち
抽出に装着したとき抽出の奥側になる面を開口
し、この開口面よりばねその他の部品をケース内
に挿入し、この開口面に裏板をそわせビス止めし
ている。このため裏板・ビス等の部品が必要とな
り、かつ組み立てに手数を要するものとなつてい
る。

本考案はこのケースの裏面を開口することなく
簡易に組み立てられるようになしたものである。

〔問題点を解決するための手段〕 本考案は、ケース内に互いに交わるように形成
したデツドボルト挿入溝とプラグ挿入孔とにデツ
ドボルト及びプラグを挿入し、デツドボルトに形
成した内窩内にばねを収納し、プラグ奥端面に突
設したピンをデツドボルトに穿設したガイド孔内
に挿入してばねの一端を該ピンに当接してなるこ
とを要旨とする。

〔実施例〕

以上本考案を図示の実施例にもとづいて説明す
る。

図において１は錠前のケースで、これは内部に
プラグ２を嵌合する筒状をなした筒部１Ｂと、抽
出等に固定し、かつ内部にデツドボルト３を出没
自在に嵌挿する平箱状の本体１Ａとよりなり、こ
の本体１Ａを抽出の裏面等に等接してビス止めす
るとき筒部１Ｂの先端面が抽出の前鏡板前面に少
し突出するか少なくとも露出するようにし、キー
にて抽出外部より錠前を解施錠操作を行えるよう
にする。本体１Ａ内にはその頂面に開口した縦方
向に長いデツドボルト挿入溝１１が形成され、該
溝１１内にデツドボルト３を上下方向に摺動可能
に嵌挿し、かつデツドボルト３が降下した解錠状
態ではデツドボルト３の先端面は本体１Ａの頂面
より突出しないようにして溝深を定める。筒部１
Ｂは本体１Ａの側面に突設され、この筒部１Ｂ内
に筒部軸心にそつてプラグ挿入孔１２が形成され
るとともに、このプラグ挿入孔１２とデツドボル
ト挿入溝１１とはほゞ直交するようにして配設さ
れ、両溝孔間１１，１２は導通状態となつてい
る。筒部１Ｂの先端面側にはプラグ挿入孔１２の
端部において第３図、第４図に示す如く該孔の孔
径より大なるくぼみを形成するが、これはプラグ
挿入孔１２の内面の上下に対向する面に筒部軸心
方向に沿つて形成した溝１６，１６の周回方向の
一方を浅孔１５とし、他方を溝１６の先端部を含
めて深孔１４として形成し、この浅孔１５、深孔
１４の角度キーにてプラグを回動させて解施錠操
作をするのに必要な旋回角度を有するものとす
る。なおプラグ挿入孔１２内にてしかも筒部の軸
心方向に形成される溝１６，１６はプラグ２に突
設されるタンブラーが嵌合係止されるようになつ
ている。筒部１Ｂの本体１Ａ側にノツクピン穴１
３を設け、この穴１３内にノツクピン５を嵌入し
てプラグ２の抜け止めとする。

本体１Ａの溝１１内に嵌挿されるデツドボルト
３は第１図、第２図に詳示する如く平板状で、か
つその一側面に平坦な内窩３１を形成し、この内
窩３１内にばね支持柱３２とばね止め３３を突出
するようにして一体に形成し、このばね止め３３
の下部において横方向に長孔状のガイド孔３４を
穿孔してなる。そしてこの内窩３１内にはコイル
ばね４を納め、ばねのループ部をばね支持柱３２
に嵌合してばねを支持し、かつこのばねの一端を
内窩３１の内側面に当接し、他端をばね止め３３
に当接させ、このようにしてばね４はその弾性を
利用して内窩内に支持されるものである。このと
きばね４の他端４１はガイド孔３４を横切るよう
にする。

このようにばね４を内窩３１内に支持した状態
でデツドボルト３を第１図に示すように本体１Ａ
のデツドボルト挿入溝１１内へ挿入する。この場
合、ばねを有する内窩側は本体１Ａの筒部１Ｂを
有しない側面に向くようにする。

プラグ２は第５図、第６図に詳示する。このプ
ラグ２はプラグ挿入孔１２内へ嵌合される円柱状
をしており、タンブラー、ばね等（図示せず）が
組込まれ所要の錠前の作用をするよう組み立てら
れる。プラグ２の先端面には鍔２１を形成し、こ
の鍔２１の内側面に円弧形で、かつ溝１６内に嵌
挿可能な突起２４が形成され、この突起２４と対
向する鍔の内側面には座ぐり状の切欠２５を形成
する。プラグ２の奥端側面にはその外周の一部分
にピン２２を突設し、このピン２２をプラグ２を
筒部１Ｂ内に嵌挿したときデツドボルトのガイド
孔３４内に挿入されるようにする。なお２３はプ
ラグ外周にその周回方向に形成したノツクピン嵌
合溝で、該溝２３内にノツクピン５の先端を係止
し、プラグ２は回動可能にかつケース１より抜け
出ないようにする。すなわち、プラグ２を筒部１
Ｂ内に挿入し、ノツクピン５を打ち込むことによ
りプラグ２が抜け出ないようにするとともに、ピ
ン２２をデツドボルト３のガイド孔３４に嵌合す
る。

錠前の組立に際しては、ピン２２が第２図のＣ
の位置になるようにして筒部１Ｂ内にプラグ２を
挿入して組み込み、ばね４をたわませながらピン
２２がＤ位置近傍にくるようにプラグ２を押し込
むようにして矢符Ａ又はＢ方向に回動し、深孔１
４にプラグに設けた突起２４が落ち込んだ状態で
ノツクピン５を打ち込む。

錠前の使用に際しては、ピン２２が上方位置に
くるように矢符Ｂ方向にプラグ２を回動すればデ
ツドボルト３はケースより突出して施錠される。
反対にピン２２が下方位置にくるように矢符Ａ方
向にプラグ２を回動すればデツドボルト３は降下
してデツドボルト挿入溝１１内に納まり解錠され
る。この際、ピン２２に作用するばね４の力はピ
ン２２が上方位置又は下方位置にあるときが小さ
くなるため、キーにてプラグ２を回動させない限
りプラグには施錠位置又は解錠位置から妄りに回
動することはない。プラグの回動角度はプラグに
設けた突起２４が浅孔１５のいずれか片側端に当
接するまでの角度となつている。

〔考案の効果〕

本考案による時はデツドボルト及びプラグの組
み立ては予めデツドボルト内窩にばねを収納し、
これをケースに設けたデツドボルト挿入溝、プラ
グ挿入孔より挿入するようになしているため簡易
に組み立てられ、従来のように裏板や裏板止め用
のビス等が不要となり部品数も少なく安価に提供
できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案錠前の実施例を示し、第１図は断
面図、第２図はデツドボルトの側面図、第３図は
ケースの一部破断した平面図、第４図は第３図の
側面図、第５図はプラグの正面図、第６図は同側
面図、第７図は錠前の外観斜視図である。 １はケース、１Ａは本体、１Ｂは筒部、１１は
デツドボルト挿入溝、１２はプラグ挿入孔、１４
は深孔、１５は浅孔、１６は溝、２はプラグ、２
１は鍔、２２はピン、３はデツドボルト、３１は
内窩、３３はばね止め、３４はガイド孔、４はば
ね、５はノツクピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース内に互いに交わるように形成したデツド
   ボルト挿入溝とプラグ挿入孔とにデツドボルト及
   びプラグを挿入し、デツドボルトに形成した内窩
   内にばねを収納し、プラグ奥端面に突設したピン
   をデツドボルトに穿設したガイド孔内に挿入して
   ばねの一端を該ピンに当接してなる錠前。