JPH05157016A - 分配型燃料噴射ポンプの燃料噴射時期調整装置 - Google Patents

分配型燃料噴射ポンプの燃料噴射時期調整装置

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JPH05157016A
JPH05157016A JP34890591A JP34890591A JPH05157016A JP H05157016 A JPH05157016 A JP H05157016A JP 34890591 A JP34890591 A JP 34890591A JP 34890591 A JP34890591 A JP 34890591A JP H05157016 A JPH05157016 A JP H05157016A
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Shoji Ishikawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイマスライドピンが破損するのを防止する
とともに、適正な燃料噴射時期特性を発揮できる分配型
ポンプの燃料噴射時期調整装置を提供する。 【構成】 燃料の噴射時以外は、緩衝材41のためポン
プ室内壁2bとローラリング11のリング端面11aと
は当接しないから、燃料噴射時期調整時所定角度回動す
るローラリング11に作用する摺動抵抗も小さく、タイ
マー特性の直線性が損なわれない。燃料の噴射時、ロー
ラリング11はプランジャスプリング17のばね弾力
と、噴射圧に伴なう反力が作用し、ポンプ室内壁2bへ
押圧されるとともに、嵌挿孔2a内で回動しようとす
る。緩衝材41の無い部分ではローラリング11のリン
グ端面11aとポンプ室内壁2bとが直接当接し、摺動
抵抗が増大してローラリング11に作用する回動力の大
部分を吸収し、タイマスライドピン13にかかる力が軽
減され破損することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分配型ポンプの燃料噴
射時期調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ローラホルダと該ローラホルダが押圧さ
れる固定壁との間に、互いに摺動自在な摺動板を介挿し
て、ローラホルダに作用するスラスト荷重による摺動抵
抗を軽減し、タイマピストンの作動に対するローラホル
ダの追従性を向上した分配型ポンプの燃料噴射時期調整
装置が、実開昭57−87131号公報に開示されてい
る。また、前記摺動抵抗が生じるフィードポンプと燃料
室とを区割するフィードポンプカバーとローラリングと
の当接部の少なくとも何れか一方の当接部に、油の溜ま
る連続又は不連続の凹部を設け、前記当接部の加工精度
や面粗度等の影響を受けることなく、タイマピストンの
動きに円滑に追従して適正な燃料噴射時期が安定して得
られるようにした分配型ポンプの燃料噴射時期調整装置
が、実開昭61−3933号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来技術のローラホルダ若しくはローラリングには、燃
料の噴射圧に伴なう反力により前記スラスト荷重の他に
ラジアル荷重が作用する。ラジアル荷重による回動力は
前記摺動抵抗により抑制吸収されるが、摺動抵抗が少な
いとローラリングとタイマピストンとを連動するタイマ
スライドピンに、前記回動力が吸収されずにそのまま作
用して前記連動ピンが破損するという問題点がある。本
発明は上記問題点を解決するためになされたものであ
り、燃料噴射時には前記摺動抵抗を増加してタイマスラ
イドピンが破損するのを防止し、燃料噴射時以外は前記
摺動抵抗を軽減して適正な燃料噴射時期特性を発揮でき
る分配型ポンプの燃料噴射時期調整装置を提供すること
を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の具体的手段として、フィードポンプから燃料を圧送供
給されるポンプ室に配設したディストリビュータシリン
ダ内に、プランジャを回転及び往復運動可能に配置し、
該プランジャの一端に形成したフェイスカムに圧接する
カムローラを支持したローラリングを前記ポンプ室内壁
に当接させて配置するとともに、該ローラリングを前記
ポンプ室の燃料圧力に応じて作動するタイマピストンに
より周方向へ回動させることにより、回転駆動される前
記プランジャの往復運動のタイミングを調整して、前記
ディストリビュータシリンダから所定のデリバリーバル
ブに分配する高圧燃料の噴射時期を調整するようにした
分配型の燃料噴射ポンプにおいて、前記ポンプ室内壁と
前記ローラリングとの当接面の少なくとも何れか一方の
当接面の所定箇所に、前記ポンプ内壁及び前記ローラリ
ングの材質よりも弾性変形が大きく、摩擦係数の小さな
材質の緩衝材を配置して、燃料噴射時は前記ローラリン
グに作用するスラスト荷重により、前記緩衝材を変形し
て前記ポンプ室内壁と前記ローラリングが当接するよう
にしたことを特徴とする分配型ポンプの燃料噴射時期調
整装置が提供される。
【0005】
【作用】上記分配型ポンプの燃料噴射時期調整装置の作
用は以下の通りである。ポンプ室内壁とローラリングと
の当接面の少なくとも何れか一方の当接面の所定箇所に
配置した緩衝材は、前記ポンプ内壁及び前記ローラリン
グの材質よりも弾性変形が大きく摩擦係数の小さな材質
であるので、燃料噴射時の反力に伴うスラスト荷重によ
りローラリングがポンプ室内壁に押圧されると変形し
て、前記ポンプ室内壁とローラリングとが直接当接す
る。そして、該当接面に働く摺動抵抗により前記反力に
伴い発生するラジアル荷重を抑制吸収する。燃料噴射時
以外は、前記緩衝材とローラリング若しくは緩衝材とポ
ンプ室内壁とが当接して、前記ローラリングの回動時の
摺動抵抗が軽減される。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。図1は、ディーゼルエンジン用の電子制御式の分配
型燃料噴射ポンプの一部切欠側面図である。電子制御式
の分配型燃料噴射ポンプのケーシング1には、燃料をポ
ンプ室2に供給するフィードポンプ3を配設し、該フィ
ードポンプ3を駆動するドライブシャフト4の一端をポ
ンプ室2に突出する。その突出部には円板4aを固定し
その外周に回転数センサ5により回転数を検出するため
のパルサ5aを設ける。また、前記ドライブシャフト4
の軸線Lの延長上にディストリビュータシリンダ6を配
置する。ディストリビュータシリンダ6内には、プラン
ジャ7を回転及び往復移動自由に挿入し、ポンプ室内2
への突出端部には円盤状のカムプレート8を固定する。
カムプレート8にはディーゼルエンジンの気筒数分のカ
ムを円周上で等角度間隔に設けたフェイスカム9を形成
する。
【0007】前記ドライブシャフト4とプランジャ7と
は、カップリング10により軸連結する。カップリング
10の外周に嵌めるローラリング11は、前記ポンプ室
2に形成した嵌挿孔2aに嵌挿してリング端面11a
を、前記ポンプ室2とフィードポンプ3とを区画するポ
ンプ室内壁2bに対向させる。該ポンプ室内壁2bに
は、リング端面11aに対応して等角度間隔に緩衝材4
1を埋設し、ポンプ室内壁面よりsだけ突出させる(図
3)。緩衝材41は、前記ポンプ内壁2b及び前記ロー
ラリング11の材質よりも弾性変形が大きく、摩擦係数
の小さな材質のもの例えばポリアセタール(POM)樹脂
等を用いる。
【0008】また、前記ローラリング11には、前記フ
ェイスカム9のカムのそれぞれに対応するカムローラ1
2を円周上で等角度間隔に配置するとともに、タイマー
スライドピン13を固定して、ケーシング1の下部に設
置したロードセンシングタイマ機構14のタイマピスト
ン15に連結する。ロードセンシングタイマ機構14
は、エンジン負荷に応じて噴射タイミングを自動的にコ
ントロールする機能を有する。
【0009】前記プランジャ7には拡径段部7aを設け
て、遊嵌したスプリングシート16と、ポンプ室内壁2
c間にプランジャスプリング17を付装する。また、プ
ランジャ7には、ディストリビュータシリンダ6内にお
いて、前記フェイスカム9のうちの1つのカムの位相に
合致させて、挿入端に開口した通路21に連通する分配
ポート22を形成する。また、前記ディストリビュータ
シリンダ6には、通路25を形成するとともに該通路2
5に前記ケーシング1に設けたデリバリーバルブ26に
燃料を圧送する分配通路27を連通させる。前記通路2
5、デリバリーバルブ26及び分配通路27は、ディー
ゼルエンジンの気筒数に対応する数だけ設けるととも
に、通路28を形成してポンプ室2から燃料を供給する
ケーシング1の通路29と連通させる。さらに、ディス
トリビュータシリンダ6のプレッシャチャンバ室6aに
開口した通路30とポンプ室2とを連通する溢流通路3
1を形成し、該溢流通路31間に電磁スピル弁32を配
設する。
【0010】電磁スピル弁32は、油圧式のメインバル
ブ33と電磁弁たるパイロットバルブ34とから構成さ
れる。メインバルブ33は、前記プレッシャチャンバ室
6aの高圧燃料をスピルさせ、前記溢流通路31により
ポンプ室2内に還流させて噴射を終了させる。また、パ
イロットバルブ34は、メインバルブ33を作動させる
油圧差を発生させる。その他35はオーバーフローバル
ブである。
【0011】本実施例の電子制御式の分配型燃料噴射ポ
ンプは、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御等をコンピ
ュータ制御により行うもので、前記構成の外に図示しな
いエンジン回転数、クランク角度等を検出してコンピー
ュタにフィードバックする各種センサが所定箇所に配設
されている。
【0012】以下、本実施例の電子制御式の分配型燃料
噴射ポンプの作動について説明する。ドライブシャフト
4が回転駆動されると、フィードポンプ3が駆動され、
ポンプ室2内へ燃料を送給する。同時に、プランジャ7
も回転を開始しカムプレート8に形成したフェイスカム
9が、プランジャスプリング17のばね弾力によりロー
ラリング11のカムローラ12に圧接されているので、
プランジャ7は前記回転に加えてフェイスカム9のカム
リフトのストロークで往復運動を行う。この回転及び往
復運動によりプランジャ7は、通路28,29から燃料
をディストリビュータシリンダ6のプレッシャチャンバ
室6a内に吸引し、ディストリビュータシリンダ6内へ
の進出とともに燃料を圧縮して通路21から分配ポート
22に導き、該分配ポート22に合致する通路25に連
通する分配通路27を介して、所定のデリバリーバルブ
26へ高圧燃料を圧送し、図示しない噴射ノズルから燃
料を高圧噴射する。
【0013】燃料噴射量の制御は、前記電磁スピル弁3
2の閉弁時間間隔を制御することにより行う。電磁スピ
ル弁32の開閉は、エンジン回転数,アクセル開度,吸
気圧力,水温等の検出信号をフィードバックされるコン
ピュータの制御信号により行う。即ち、電磁スピル弁3
2が閉じている間は、燃料噴射が行われ、開くと高圧燃
料は溢流通路31によりポンプ室2へ還流され噴射され
ない。また、燃料噴射時期の制御は、前記したロードセ
ンシング機構14により行う。エンジン回転数、クラン
ク角度、着火時期センサ等の各センサからの検出信号が
フィードバックされるコンピュータの制御信号により、
ロードセンシング機構14のタイマーピストン15に作
用する油圧を制御して該タイマーピストン15を移動さ
せ、タイマスライドピン13を介してローラリング11
を所定角度回動させ、フェイスカム9のカムに対応する
カムローラ12の位置をずらして、噴射時期を早めたり
遅らせたりする。
【0014】燃料の噴射時以外は、前記ローラリング1
1には前記プランジャスプリング17のばね弾力のみが
作用し、緩衝材41の圧縮変形量は図4に示すようにs
以下であり、ポンプ室内壁2bとローラリング11のリ
ング端面11aとは直接当接しないから、燃料噴射時期
調整の際に所定角度回動するローラリング11に作用す
る摺動抵抗も小さく、タイマー特性の直線性が損なわれ
たり不安定となることもない。また、燃料の噴射時には
前記ローラリング11には、前記プランジャスプリング
17のばね弾力に加えて、噴射圧に伴なう反力によりス
ラスト荷重とラジアル荷重が作用し、ローラリング11
はポンプ室内壁2bへ押圧されるとともに、前記嵌挿孔
2a内で回動しようとする。
【0015】この場合、緩衝材41が圧縮されて変形
し、緩衝材41の配置されていない部分ではローラリン
グ11のリング端面11aとポンプ室内壁2bとが直接
当接し、摺動抵抗が増大してローラリング11に作用す
る回動力の大部分を吸収し、燃料噴射毎にタイマスライ
ドピン13にかかる力が軽減され、該タイマスライドピ
ン13が破損するような不具合の発生を防止できる。さ
らに、従来装置のように噴射時に作用する摺動抵抗が小
さいため、前記噴射圧に伴う反力によりローラリング1
1が回動してしまい、調整した燃料噴射時期がずれて的
確な燃料噴射制御ができなくなるようなこともない。
【0016】尚、前記実施例では、緩衝材41をポンプ
室内壁2bに埋設したが、ローラリング11のリング端
面11aに埋設してもよい。前記緩衝材41は前記実施
例のように不連続なものの他に、環状のものとすること
もできる。また、前記実施例は電子制御式の分配型燃料
噴射ポンプに本発明を適用したものであるが、機械制御
式の分配型燃料噴射ポンプにも本発明が適用でき、電子
制御式の場合と同様に優れた特性を発揮できることはゆ
うまでもない。
【0017】
【発明の効果】本発明は上記した構成を有し、ポンプ室
内壁とローラリングとの当接面の少なくとも何れか一方
の当接面の所定箇所に配置した緩衝材は、前記ポンプ内
壁及び前記ローラリングの材質よりも弾性変形が大きく
摩擦係数の小さな材質であるので、燃料噴射時の反力に
伴うスラスト荷重によりローラリングがポンプ室内壁に
押圧されると変形して、前記ポンプ室内壁とローラリン
グとが直接当接し、該当接面に働く摺動抵抗により前記
反力に伴い発生するラジアル荷重を抑制吸収して前記タ
イマスライドピンが破損するのを防止できる。また、燃
料噴射時以外は、前記緩衝材とローラリング若しくは緩
衝材とポンプ室内壁とが当接して、前記ローラリングの
回動時の摺動抵抗が軽減されるので、タイマ特性が安定
して適正な燃料噴射時期特性を発揮できる等の効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分配型燃料噴射ポンプの一部切欠
側面図である。
【図2】ポンプ室内壁部分の正面図である。
【図3】ポンプ室内壁部分の拡大断面図である。
【図4】燃料噴射に伴う反力の影響を示すタイミングチ
ャートである。
【符号の説明】
2...ポンプ室、 2a...ポンプ室内壁、 3...フィ
ードポンプ、 6...ディストリビュータシリンダ、
7...プランジャ、 9...フェイスカム、 11...ロ
ーラリング、 11a...リング端面、 12...カムロ
ーラ、 15...タイマピストン、 26...デリバリー
バルブ、 41...緩衝材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィードポンプから燃料を圧送供給され
    るポンプ室に配設したディストリビュータシリンダ内
    に、プランジャを回転及び往復運動可能に配置し、該プ
    ランジャの一端に形成したフェイスカムに圧接するカム
    ローラを支持したローラリングを前記ポンプ室内壁に当
    接させて配置するとともに、該ローラリングを前記ポン
    プ室の燃料圧力に応じて作動するタイマピストンにより
    周方向へ回動させることにより、回転駆動される前記プ
    ランジャの往復運動のタイミングを調整して、前記ディ
    ストリビュータシリンダから所定のデリバリーバルブに
    分配する高圧燃料の噴射時期を調整するようにした分配
    型の燃料噴射ポンプにおいて、 前記ポンプ室内壁と前記ローラリングとの当接面の少な
    くとも何れか一方の当接面の所定箇所に、前記ポンプ内
    壁及び前記ローラリングの材質よりも弾性変形が大き
    く、摩擦係数の小さな材質の緩衝材を配置して、燃料噴
    射時は前記ローラリングに作用するスラスト荷重によ
    り、前記緩衝材を変形して前記ポンプ室内壁と前記ロー
    ラリングが当接するようにしたことを特徴とする分配型
    ポンプの燃料噴射時期調整装置。
JP3348905A 1991-12-04 1991-12-04 分配型燃料噴射ポンプの燃料噴射時期調整装置 Expired - Fee Related JP2995974B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100842798B1 (ko) * 2007-05-04 2008-07-01 선보선 유압절곡기의 클러치밸브

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100842798B1 (ko) * 2007-05-04 2008-07-01 선보선 유압절곡기의 클러치밸브

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