JPH0515434Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、オガ粉を加熱圧縮して棒状に成形し
た固形燃料であるオガライトの製造機に関し、特
に、穴のないオガライトを製造する穴なしオガラ
イト成型機に関する。

〔従来の技術〕

従来のオガライト成型機では、圧縮スクリユー
にてオガ粉を圧縮しつつ、スリーブを経て加熱筒
に圧入し、加熱成型してオガライトを成型する
が、このとき加熱により発生するガスの圧力が筒
内に滞留すると、オガライトの棒が前記加熱筒の
先端から前記ガスの圧力により爆発的に飛び出す
ので、オガライトの軸芯に空洞を形成し、ガスが
抜けやすいようにしてある。

しかし、前記穴に炭化したオガ粉が詰まつて火
災の原因になつたり、オガ炭製造時にはオガライ
トの外表面と前記穴の内表面との径の差により収
縮の差が生じ変形し易く、穴内部の消火に時間が
かかり、オガ炭を燃焼させたとき、火持ちが悪い
というような数々の欠点があるので、実願昭61−
189356において、前記スリーブと、前記加熱筒の
内面に軸方向のガス抜き溝を刻設して、加熱によ
り発生するガスを排除するようにすることによ
り、穴なしオガライトを成型する穴なしオガライ
ト成型機を提示した。

〔解決しようとする問題点〕

ところが、前述の実願昭61−189356の穴なしオ
ガライト成型機では、圧縮スクリユーの先端の刃
先の長さを当該圧縮スクリユーの半径より短く
し、当該圧縮スクリユーの先端の中央部に丸みを
持つた凸部を設けたので、その軸芯近傍のオガ粉
を加熱筒へ押し込む軸方向の力が弱く、オガ粉が
滞留しやすくなり、スクリユーとの摩擦が生じや
すく、また、軸に垂直な方向への力が発生しガス
抜き溝を埋めてしまうという問題点がある。且
つ、軸方向へのオガライトの移動速度が一定しな
いため、移動速度の遅いときには、摩擦によるオ
ガ粉の熱分解が大きく、従つて硬くかたまり、速
いときには、軟らかくなり、オガライトの軸方向
の品質が不均一となり、オガライトを炭釜にて炭
化すると、この硬軟の境界で収縮の違いにより剥
離するという問題点がある。

また、オガ炭に適した、より硬質の穴なしオガ
ライトを製造するため、スクリユーの回転速度を
遅くし、オガライトの出るスピードを遅くする
と、ガス抜き溝に対応した形状がオガライトにも
付着して固まり、その外観が木に似ていないとい
う問題点もある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであ
つて、棒状の軸体１６の回りにスクリユー刃１７
が螺旋状に形成された圧縮スクリユー５と、該圧
縮スクリユー５の先端部に外装された先細りテー
パ状のスリーブ１５と、該スリーブ１５に連設さ
れた加熱筒９とを備えてオガ粉を加熱成型するオ
ガライト成型機において、前記圧縮スクリユー５
の先端部Ｂに形成された前記スクリユー刃１７の
刃先Ｃは、前記圧縮スクリユー５の外周部から前
記軸体１６の軸芯を越えた位置まで形成すること
により、刃先Ｃの長さＬを前記圧縮スクリユー５
の先端における半径Ｒよりも長く形成するととも
に、前記軸体１６が前記刃先Ｃより前方に突出し
ないように形成し、前記スリーブ１５における前
記圧縮スクリユー５の先端に対応する位置に前記
スリーブ１５の内部と外部とを連通するガス抜き
穴１４を穿設するという手段を講じた。

なおこのとき、結合剤等なんら必要とせずに固
形化させることができるのである。

〔作用〕

本考案にかかる穴なしオガライト成型機では、
圧縮スクリユーの先端の刃先が、前記圧縮スクリ
ユーの軸芯まで形成されているので、前記スクリ
ユー刃で圧縮されてきたオガ粉は、周辺部も中心
部もスクリユー刃の先端で略一様に押されて加熱
筒へ圧入される。

また、加熱されたオガ粉から発生するガスは、
前記スクリユー刃の先端部にて最も多量に発生す
るが、その先端部にはガス抜き穴が設けられてい
るので、発生したガスはそのガス抜き穴から容易
に排出されて、内部に滞留しない。

〔実施例〕

以下に、本考案にかかる好適な実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。

第１図は前記実施例の穴なしオガライト成型機
の一部断面側面図、第２図は前記穴なしオガライ
ト成型機のスリーブ回りの構造を示す一部断面側
面図である。

図面において、 ２はベルトを介してモータにて回転駆動される
プーリ、３は穴なしオガライト成型機の本体、４
は材料のオガ粉を入れるホツパー、５は該ホツパ
ーのオガ粉を圧縮して押し出す圧縮スクリユー、
６は導入案内筒、８は前記圧縮スクリユー５の先
端部に配置された取り替え交換可能な交換案内
筒、９は穴なしオガライト成型機の本体３に設け
られた加熱筒、１０は前記加熱筒９に内装された
加熱内筒、１１は前記加熱筒９を加熱する加熱
釜、１５は前記加熱筒９に内装された先細りテー
パ状のスリーブ、１４は該スリーブ１５の内部で
加熱されるオガ粉から発生するガスを筒外へ排除
するためのガス抜き穴であり、筒外へ向かつて末
広がりに形成されている。前記加熱内筒１０の内
面には、軸方向に平行な４本の溝１８を刻設し
た。

上記構成の穴なしオガライト成型機において、
前記ホツパー４に供給されるオガ粉は、前記圧縮
スクリユー５の後端部Ａのスクリユーにより前記
導入案内筒６へ搬送される。この導入案内筒６内
のオガ粉は更に前記交換案内筒８へ押し込まれ
る。この交換案内筒８の内径は先細りになつてい
て、オガ粉は、前記圧縮スクリユー５の先端部Ｂ
のスクリユーにて前記スリーブ１５へ押し込まれ
る。

このスリーブ１５においては、前記圧縮スクリ
ユー５で押し込まれたオガ粉は前記加熱筒９内に
充満しているオガ粉で制限されると共に、スリー
ブ１５の内径は軸方向に先細りのテーパーとなつ
ているため、内径の減少による抵抗により圧縮さ
れる。そして、前記加熱釜１１の熱により前記加
熱筒９を介して加熱される。

このようにして、オガ粉は前記スリーブ１５か
ら前記加熱釜１１にかけて加熱と圧縮されるの
で、棒状の固いオガライトとして成型される。

このとき、発生したガスは前記ガス抜き穴１４
と前記内筒１０の内面に軸方向に刻設されたガス
抜き溝１８とから排出されるので、オガライトが
前記加熱内筒１０の先端から飛び出すことは無
い。

前記ガス抜き穴１４からこぼれ出るオガ粉は、
前記加熱釜１１内に落ちて、燃焼するので燃料と
なる。

前記圧縮スクリユー５の形状を第２図に基づい
て以下に詳述する。

前記圧縮スクリユー５は、棒状の軸体１６の回
りにスクリユー刃１７が螺旋状に巻設された構造
であり、若干先細りに成型されている。

また、第２図、第３図に示すように、前記圧縮
スクリユー５の先端部Ｂに形成されたスクリユー
刃１７の刃先Ｃは、前記圧縮スクリユー５の外周
部から前記軸体１６の軸芯を越えた位置まで形成
することにより、刃先Ｃの長さＬを前記圧縮スク
リユー５の先端における半径Ｒよりも長く形成す
るとともに、前記軸体１６が前記刃先Ｃより前方
に突出しないように形成した。

前記圧縮スクリユー５のスクリユー刃１７の先
端は、前記ガス抜き穴１４の位置に配設されてい
る。

前記圧縮スクリユー５のスクリユー刃１７の先
端は、上記構成であるので、前記スクリユー刃１
７で圧縮されてきたオガ粉は、スクリユー刃１７
の先端で略一様に押されて、前記スリーブ１５へ
圧入される。

よつて、軸芯近傍のオガ粉が滞留して、オガラ
イトが不均質になるという問題点も無くなり、均
一なオガライトが成型される。

また、加熱されたオガ粉から発生するガスは、
前記刃先Ｃ近傍にて最も多量に発生するが、その
刃先Ｃ近傍には前記ガス抜き穴１４が設けられて
いるので、発生したガスはそのガス抜き穴１４か
ら容易に排出されて、内部に滞留しない。

よつて、内部に滞留したガス圧によりオガライ
トが飛び出すことは防止される。

その上、スリーブ１５の内面に溝を刻設してい
ないので、出来上がつたオガライトの外観は丸
く、従来のように、ガス抜き溝による突起が無
く、自然木からつくつた炭に極めて似た外観であ
るという効果がる。

また、ガス抜き穴からこぼれ落ちるオガ粉は、
加熱釜１１内に落ちて燃焼するので、加熱用の燃
料が自動的に供給されることになり、従来加熱に
要していた燃料の補給が不要になるという効果も
ある。

〔効果〕

本考案にかかる穴なしオガライト成型機によれ
ば、圧縮スクリユーの先端の刃先が、前記圧縮ス
クリユーの軸芯まで形成されていることにより、
前記スクリユー刃で圧縮されてきたオガ粉は、周
辺部も中心部もスクリユー刃の先端で略一様に押
されてスリーブへ圧入されるので、軸芯近傍のオ
ガ粉が滞留することも無く、速度が一定し、オガ
ライトを均質に成型できるという効果がある。

また、加熱されたオガ粉から発生するガスは、
前記スクリユー刃の先端部にて最も多量に発生す
るが、ガス抜き穴が、前記先端部近傍に設けられ
ていることにより、発生したガスはそのガス抜き
穴から容易に排出されて、内部に滞留しないの
で、内部に滞留したガス圧によりオガライトが飛
び出すことが防止でき、安全にオガライトを成型
できるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる穴なしオガライト成型
機の一実施例の一部断面側面図、第２図は前記実
施例の要部の構造を示す一部断面側面図、第３図
は前記実施例のシユクリユー刃の先端部の正面図
である。 ３……穴なしオガライト成型機の本体、５……
圧縮シユクリユー、９……加熱筒、１４……ガス
抜き穴、１５……スリーブ、Ｂ……先端部、Ｃ…
…刃先、Ｌ……刃先の長さ、Ｒ……スクリユー刃
の半径。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 棒状の軸体１６の回りにスクリユー刃１７が螺
   旋状に形成された圧縮スクリユー５と、該圧縮ス
   クリユー５の先端部に外装された先細りテーパ状
   のスリーブ１５と、該スリーブ１５に連設された
   加熱筒９とを備えてオガ粉を加熱成型するオガラ
   イト成型機において、 前記圧縮スクリユー５の先端部Ｂに形成された
   前記スクリユー刃１７の刃先Ｃは、前記圧縮スク
   リユー５の外周部から前記軸体１６の軸芯を越え
   た位置まで形成することにより、刃先Ｃの長さＬ
   を前記圧縮スクリユー５の先端における半径Ｒよ
   りも長く形成するとともに、前記軸体１６が前記
   刃先Ｃより前方に突出しないように形成し、 前記スリーブ１５における前記圧縮スクリユー
   ５の先端部Ｂの刃先Ｃに対応する位置に前記スリ
   ーブ１５の内部と外部とを連通するガス抜き穴１
   ４を穿設したことを特徴とする穴なしオガライト
   成型機。