JPH0515399A - Rnaの測定方法 - Google Patents
Rnaの測定方法Info
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- JPH0515399A JPH0515399A JP19117691A JP19117691A JPH0515399A JP H0515399 A JPH0515399 A JP H0515399A JP 19117691 A JP19117691 A JP 19117691A JP 19117691 A JP19117691 A JP 19117691A JP H0515399 A JPH0515399 A JP H0515399A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高いコピ−数を有するが立体構造も有するため
に核酸プロ−ブがハイブリダイゼ−ションし難かったR
NAについて、立体構造を有さないようにした後に測定
を行うことで高感度でRNAを測定する。 【構成】測定されるべきRNAをアルカリ加水分解処理
して断片化し、立体構造を有さないようにした後、核酸
プロ−ブをハイブリダイゼ−ションさせる。
に核酸プロ−ブがハイブリダイゼ−ションし難かったR
NAについて、立体構造を有さないようにした後に測定
を行うことで高感度でRNAを測定する。 【構成】測定されるべきRNAをアルカリ加水分解処理
して断片化し、立体構造を有さないようにした後、核酸
プロ−ブをハイブリダイゼ−ションさせる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床診断の分野で注目
されている核酸診断に関するものであり、特に細菌検査
やウイルス検査に好適なRNAの測定に関するものであ
る。
されている核酸診断に関するものであり、特に細菌検査
やウイルス検査に好適なRNAの測定に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】臨床検査の分野において、例えば細菌に
よる感染症の疑いがあるとされた場合には、患者から血
液等の試料(検体)を取得し、染色検鏡することにより
細菌の存在を確認後、試料(検体)中の細菌を各種培地
で培養することにより始めて細菌の同定までが終了す
る。
よる感染症の疑いがあるとされた場合には、患者から血
液等の試料(検体)を取得し、染色検鏡することにより
細菌の存在を確認後、試料(検体)中の細菌を各種培地
で培養することにより始めて細菌の同定までが終了す
る。
【0003】この方法は細菌の種類までも決定できる、
という特徴を有する反面、培養を行わなければならない
ため、時間がかかるという課題があった。
という特徴を有する反面、培養を行わなければならない
ため、時間がかかるという課題があった。
【0004】このため最近では、前記のような方法に代
わって核酸診断が頻繁に行われている。細菌の核酸診断
は、細菌中のDNA又はRNAを抽出し、その中から細
菌に特異的な塩基配列を検出することで、細菌感染の有
無及び細菌種の同定を短期間に実施するものである。
わって核酸診断が頻繁に行われている。細菌の核酸診断
は、細菌中のDNA又はRNAを抽出し、その中から細
菌に特異的な塩基配列を検出することで、細菌感染の有
無及び細菌種の同定を短期間に実施するものである。
【0005】細菌の核酸診断については、ドット法、サ
ザンブロット法,ノ−ザンブロット法等のフィルタ−に
測定されるべき核酸を固定する方法や、インサイチュ−
ハイブリダイゼ−ション法、液層法等がある。サンドイ
ッチアッセイを一例として説明すれば、まず細菌から核
酸分画を通常の方法で核酸を抽出し、これを固相に結合
させた核酸プロ−ブと結合させ、次いで標識された核酸
プロ−ブを接触させて(固相−固相に結合された核酸プ
ロ−ブ−測定されるべき核酸−標識された核酸プロ−
ブ)という複合体を形成させる。次に、測定されるべき
核酸と結合していない標識された核酸プロ−ブを除去
し、最後に標識を測定して、測定されるべき核酸の存在
や量等を知るのである。なお標識は、例えばラジオアイ
ソト−プ、アルカリ性フォスファタ−ゼやβ−D−ガラ
クトシダ−ゼ等の酵素、蛍光物質又は発光物質が使用さ
れる。
ザンブロット法,ノ−ザンブロット法等のフィルタ−に
測定されるべき核酸を固定する方法や、インサイチュ−
ハイブリダイゼ−ション法、液層法等がある。サンドイ
ッチアッセイを一例として説明すれば、まず細菌から核
酸分画を通常の方法で核酸を抽出し、これを固相に結合
させた核酸プロ−ブと結合させ、次いで標識された核酸
プロ−ブを接触させて(固相−固相に結合された核酸プ
ロ−ブ−測定されるべき核酸−標識された核酸プロ−
ブ)という複合体を形成させる。次に、測定されるべき
核酸と結合していない標識された核酸プロ−ブを除去
し、最後に標識を測定して、測定されるべき核酸の存在
や量等を知るのである。なお標識は、例えばラジオアイ
ソト−プ、アルカリ性フォスファタ−ゼやβ−D−ガラ
クトシダ−ゼ等の酵素、蛍光物質又は発光物質が使用さ
れる。
【0006】更に、固相に結合させる核酸プロ−ブか標
識された核酸プロ−ブの少なくとも一方を細菌が特異的
に有する塩基配列と相補的に作製しておけば、細菌の種
類までも知ることが可能である。
識された核酸プロ−ブの少なくとも一方を細菌が特異的
に有する塩基配列と相補的に作製しておけば、細菌の種
類までも知ることが可能である。
【0007】
【従来技術の課題】従来の核酸診断では、測定されるべ
き核酸はゲノムDNA、プラスミッドDNA、メッセン
ジャ−RNA、リボソ−ムRNAであるが、ゲノムDN
Aは細菌当たり1又は数コピ−程度しか存在せず、高感
度の核酸診断には不適当である。
き核酸はゲノムDNA、プラスミッドDNA、メッセン
ジャ−RNA、リボソ−ムRNAであるが、ゲノムDN
Aは細菌当たり1又は数コピ−程度しか存在せず、高感
度の核酸診断には不適当である。
【0008】これに対しプラスミドDNA、メッセンジ
ャ−RNA又はリボゾ−ムRNA等は、1細胞当たりの
コピ−数が多く、高感度の測定に好適である。中でもリ
ボソ−ムRNAは1細胞当たりのコピ−数が最も多く、
最も高感度の核酸診断を実現し得るものである。
ャ−RNA又はリボゾ−ムRNA等は、1細胞当たりの
コピ−数が多く、高感度の測定に好適である。中でもリ
ボソ−ムRNAは1細胞当たりのコピ−数が最も多く、
最も高感度の核酸診断を実現し得るものである。
【0009】参考までに大腸菌における核酸量を列記す
れば、全核酸に対し、ゲノムDNA1%、メッセンジャ
−RNA5%、トランスファ−RNA15%、リボソ−
ムRNA79%である。従ってゲノムDNAとリボソ−
ムRNAでは、核酸のコピ−数に更に大きな違いがあ
る。
れば、全核酸に対し、ゲノムDNA1%、メッセンジャ
−RNA5%、トランスファ−RNA15%、リボソ−
ムRNA79%である。従ってゲノムDNAとリボソ−
ムRNAでは、核酸のコピ−数に更に大きな違いがあ
る。
【0010】以上に説明したように、核酸診断において
はDNAを対象とするよりも、RNAを対象とした方が
高感度の測定を実施できる。しかしながら、RNAは、
それ自体が2次や3次あるいはそれ以上の高次構造を有
している場合が多く、核酸プロ−ブとハイブリダイゼ−
ションし難いという課題がある。核酸同志のハイブリダ
イゼ−ションはRNA同志の結合が最も強固であり、D
NA−RNAの結合、DNA同志の結合の順に結合が弱
くなる。従って特に、DNAを核酸プロ−ブとして使用
した場合には、前記課題が顕著になる。
はDNAを対象とするよりも、RNAを対象とした方が
高感度の測定を実施できる。しかしながら、RNAは、
それ自体が2次や3次あるいはそれ以上の高次構造を有
している場合が多く、核酸プロ−ブとハイブリダイゼ−
ションし難いという課題がある。核酸同志のハイブリダ
イゼ−ションはRNA同志の結合が最も強固であり、D
NA−RNAの結合、DNA同志の結合の順に結合が弱
くなる。従って特に、DNAを核酸プロ−ブとして使用
した場合には、前記課題が顕著になる。
【0011】RNAの中でも、トランスファ−RNAや
リボソ−ムRNAは特に複雑な立体構造を有することが
知られている。例えばリボソ−ムRNAは、5Sリボソ
−ムRNA(約120塩基)、16Sリボソ−ムRNA
(約1500塩基)及び23Sリボソ−ムRNAの3種
類があるが、これらのリボソ−ムRNAと蛋白質が結合
して巨大なリボゾ−ムを形成している。
リボソ−ムRNAは特に複雑な立体構造を有することが
知られている。例えばリボソ−ムRNAは、5Sリボソ
−ムRNA(約120塩基)、16Sリボソ−ムRNA
(約1500塩基)及び23Sリボソ−ムRNAの3種
類があるが、これらのリボソ−ムRNAと蛋白質が結合
して巨大なリボゾ−ムを形成している。
【0012】このため、高感度の核酸診断を実施しよう
とする場合にはコピ−数の多いリボソ−ムRNAを対象
とすることが好ましいにもかかわらず、プロ−ブがハイ
ブリダイゼ−ションし難いため結局は期待したほどの測
定感度が達成されないのである。
とする場合にはコピ−数の多いリボソ−ムRNAを対象
とすることが好ましいにもかかわらず、プロ−ブがハイ
ブリダイゼ−ションし難いため結局は期待したほどの測
定感度が達成されないのである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、断片化され
たRNAは立体構造を有し難いことに着眼し、測定され
るべきRNAをアルカリ加水分解して立体構造を有さな
いようにすることで、従来の課題であったRNAと核酸
プロ−ブのハイブリダイゼ−ションのし難さを解決し、
本発明を完成するに至った。
たRNAは立体構造を有し難いことに着眼し、測定され
るべきRNAをアルカリ加水分解して立体構造を有さな
いようにすることで、従来の課題であったRNAと核酸
プロ−ブのハイブリダイゼ−ションのし難さを解決し、
本発明を完成するに至った。
【0014】即ち本発明は、測定対象であるRNAをア
ルカリ加水分解処理して断片化し、次いで、断片化され
た測定対象RNAと該測定されるべきRNAに含有され
る特定の塩基配列とハイブリダイゼ−ションし得るDN
A又はRNAプロ−ブを接触させ、形成されたハイブリ
ッドを測定することからなる、RNAの測定方法を提供
するものである。以下本発明を詳細に説明する。
ルカリ加水分解処理して断片化し、次いで、断片化され
た測定対象RNAと該測定されるべきRNAに含有され
る特定の塩基配列とハイブリダイゼ−ションし得るDN
A又はRNAプロ−ブを接触させ、形成されたハイブリ
ッドを測定することからなる、RNAの測定方法を提供
するものである。以下本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明において直接の測定対象であるRN
Aは、例えば動物や人間から得られる血液、血清、細
胞、尿、便(糞便)、粘液、啖等から通常の方法に従っ
て調製されたもので良い。本発明では調製されたRNA
分画を使用しても良いし、更に可能であれば量及びコピ
−数の多いリボソ−ムRNA画分等を使用しても良い。
このように精製されたRNAを対象とすることで、夾雑
物の影響を減少させることができる。
Aは、例えば動物や人間から得られる血液、血清、細
胞、尿、便(糞便)、粘液、啖等から通常の方法に従っ
て調製されたもので良い。本発明では調製されたRNA
分画を使用しても良いし、更に可能であれば量及びコピ
−数の多いリボソ−ムRNA画分等を使用しても良い。
このように精製されたRNAを対象とすることで、夾雑
物の影響を減少させることができる。
【0016】また、本発明においては、前記した血液、
血清又は細胞破砕物等のRNAを含む試料を直接使用し
ても良い。このように体液等を直接本発明に使用する場
合には、遠心分離やクロマトグラフィ−を実施して、R
NA断片と核酸プロ−ブとのハイブリダイゼ−ションを
妨害する恐れのある血球成分や蛋白質成分等を除去して
おくと良い。
血清又は細胞破砕物等のRNAを含む試料を直接使用し
ても良い。このように体液等を直接本発明に使用する場
合には、遠心分離やクロマトグラフィ−を実施して、R
NA断片と核酸プロ−ブとのハイブリダイゼ−ションを
妨害する恐れのある血球成分や蛋白質成分等を除去して
おくと良い。
【0017】測定されるべきRNAとしては、例えば細
菌やウイルスに特異的な蛋白をコ−ドするRNAや、例
えば癌遺伝子の転写により製造された癌蛋白をコ−ドす
るRNA等が例示できる。言い換えれば、測定されるべ
きRNAとしては、細菌、ウイルスまた時には癌遺伝子
に由来する、通常は製造されることのないRNAで、通
常製造されるRNAと比較した場合、特徴的な塩基配列
(特定の塩基配列)を含有しているRNA等である。従
って、このような特定の塩基配列の有無を測定すること
によって、ウイルス感染、細菌感染や癌の発病等はもと
より、その種類等も同定することが可能となる。
菌やウイルスに特異的な蛋白をコ−ドするRNAや、例
えば癌遺伝子の転写により製造された癌蛋白をコ−ドす
るRNA等が例示できる。言い換えれば、測定されるべ
きRNAとしては、細菌、ウイルスまた時には癌遺伝子
に由来する、通常は製造されることのないRNAで、通
常製造されるRNAと比較した場合、特徴的な塩基配列
(特定の塩基配列)を含有しているRNA等である。従
って、このような特定の塩基配列の有無を測定すること
によって、ウイルス感染、細菌感染や癌の発病等はもと
より、その種類等も同定することが可能となる。
【0018】一方、例えばrRNAのように特異な蛋白
質をコ−ドしないRNAでも、後の実施例に記載するよ
うに、大腸菌等の細菌等に特異的なrRNAを測定する
ことにより、その細菌の存在を検出することが可能であ
る。
質をコ−ドしないRNAでも、後の実施例に記載するよ
うに、大腸菌等の細菌等に特異的なrRNAを測定する
ことにより、その細菌の存在を検出することが可能であ
る。
【0019】本発明におけるアルカリ加水分解処理は、
調製されたRNA分画をアルカリ溶液に溶解することに
より、容易に実施できる。アルカリ溶液はpHが9〜1
2程度のものであれば良い。一方、体液等を直接本発明
に使用する場合には、これにアルカリ物質を直接添加す
れば良い。
調製されたRNA分画をアルカリ溶液に溶解することに
より、容易に実施できる。アルカリ溶液はpHが9〜1
2程度のものであれば良い。一方、体液等を直接本発明
に使用する場合には、これにアルカリ物質を直接添加す
れば良い。
【0020】アルカリ加水分解によるRNAの断片化の
度合は、アルカリ溶液のpH、温度及び溶液中の他の夾
雑物により代わる。その一例を示せば、40mM炭酸水
素ナトリウム−60mM炭酸ナトリウム溶液(pH1
0)の60℃溶液中では、t=(L0−Lf)/(k・
L0・Lf)で現される。ここで、k=0.11/(k
b・分)、L0=RNAの最初の長さ、Lf=RNAの
最後の長さ、そしてt=時間(分)である。この式か
ら、例えば16Sリボソ−ムRNAについて考慮すれ
ば、1500ベ−ス(b)の16Sリボゾ−ムRNAを
前記溶液に添加した場合、30分後には約570ベ−
ス、30分後には約250ベ−ス、そして1時間後には
約140ベ−スにアルカリ加水分解される。
度合は、アルカリ溶液のpH、温度及び溶液中の他の夾
雑物により代わる。その一例を示せば、40mM炭酸水
素ナトリウム−60mM炭酸ナトリウム溶液(pH1
0)の60℃溶液中では、t=(L0−Lf)/(k・
L0・Lf)で現される。ここで、k=0.11/(k
b・分)、L0=RNAの最初の長さ、Lf=RNAの
最後の長さ、そしてt=時間(分)である。この式か
ら、例えば16Sリボソ−ムRNAについて考慮すれ
ば、1500ベ−ス(b)の16Sリボゾ−ムRNAを
前記溶液に添加した場合、30分後には約570ベ−
ス、30分後には約250ベ−ス、そして1時間後には
約140ベ−スにアルカリ加水分解される。
【0021】本発明者の経験によれば、250塩基程度
まで断片化されたRNAは立体構造を有し難くなること
から、前記式を参照して条件を決定し、更に予備実験を
行うことでアルカリ加水分解の際のpH、温度、処理時
間等を決定すれば良い。また、250塩基程度まで断片
化したとしても、測定されるべきRNA中の特定配列が
消失する可能性は非常に小さい。また、250塩基程度
とすることで、特定の塩基配列を保存したままで断片を
フィルタ−に固定したり、また例えば、サンドイッチア
ッセイのため、2つの核酸プロ−ブとハイブリダイゼ−
ションさせたりすることも容易になる。
まで断片化されたRNAは立体構造を有し難くなること
から、前記式を参照して条件を決定し、更に予備実験を
行うことでアルカリ加水分解の際のpH、温度、処理時
間等を決定すれば良い。また、250塩基程度まで断片
化したとしても、測定されるべきRNA中の特定配列が
消失する可能性は非常に小さい。また、250塩基程度
とすることで、特定の塩基配列を保存したままで断片を
フィルタ−に固定したり、また例えば、サンドイッチア
ッセイのため、2つの核酸プロ−ブとハイブリダイゼ−
ションさせたりすることも容易になる。
【0022】以上のようにして断片化されたRNAに対
し、続いて核酸プロ−ブを接触させる。核酸プロ−ブ
は、DNA又はRNAのいずれでも良いが、核酸同志の
ハイブリダイゼ−ションの強さを考慮した場合、RNA
とすることが好ましい。核酸プロ−ブは、測定されるべ
きRNAに含有される特定配列に相補的な配列を有する
ものであれば良い。特定配列としては、特徴的な20塩
基程度の連続した配列とすることが好ましい。この程度
以上の塩基配列を使用することで、理論的に核酸プロ−
ブが非特異的にRNA断片とハイブリダイゼ−ションす
る恐れを無くすことが可能である。なおこの特定配列は
特に限定されたものではなく、ウイルスや細菌の感染を
効率的に測定できるものであれば制限はない。
し、続いて核酸プロ−ブを接触させる。核酸プロ−ブ
は、DNA又はRNAのいずれでも良いが、核酸同志の
ハイブリダイゼ−ションの強さを考慮した場合、RNA
とすることが好ましい。核酸プロ−ブは、測定されるべ
きRNAに含有される特定配列に相補的な配列を有する
ものであれば良い。特定配列としては、特徴的な20塩
基程度の連続した配列とすることが好ましい。この程度
以上の塩基配列を使用することで、理論的に核酸プロ−
ブが非特異的にRNA断片とハイブリダイゼ−ションす
る恐れを無くすことが可能である。なおこの特定配列は
特に限定されたものではなく、ウイルスや細菌の感染を
効率的に測定できるものであれば制限はない。
【0023】測定されるべきRNA中の特定配列は、例
えば広く感染性ウイルスに存在する配列を選択すればウ
イルス感染の有無を知ることができるし、また、特定の
ウイルスに特異的な配列を選択すればウイルス感染の有
無と同時に感染ウイルスの同定が同時に達成できること
になる。従って、特定の配列は実施者が目的に応じて決
定すれば良い。
えば広く感染性ウイルスに存在する配列を選択すればウ
イルス感染の有無を知ることができるし、また、特定の
ウイルスに特異的な配列を選択すればウイルス感染の有
無と同時に感染ウイルスの同定が同時に達成できること
になる。従って、特定の配列は実施者が目的に応じて決
定すれば良い。
【0024】先に述べたように、RNAにはメッセンジ
ャ−RNA、トランスファ−RNA又はリボソ−ムRN
A等の種類がある。中でもリボソ−ムRNAは量が最も
多くかつコピ−数も大きい。従って本発明では、リボソ
−ムRNA中に存在する特定の塩基配列と相補的な核酸
プロ−ブを用いることが高感度の測定を実施するうえで
好ましい。
ャ−RNA、トランスファ−RNA又はリボソ−ムRN
A等の種類がある。中でもリボソ−ムRNAは量が最も
多くかつコピ−数も大きい。従って本発明では、リボソ
−ムRNA中に存在する特定の塩基配列と相補的な核酸
プロ−ブを用いることが高感度の測定を実施するうえで
好ましい。
【0025】核酸プロ−ブを断片化された測定されるべ
きRNAと接触させた後、形成されたハイブリッドを測
定するには、例えば高速液体クロマトグラフィ−の手法
を利用し、ハイブリッドがRNA酸断や核酸プロ−ブに
比較して大きな分子量を有することを手掛かりに行うこ
とが可能である。しかし、より簡単には、核酸プロ−ブ
にラジオアイソト−プ等の標識物質を結合させておくと
良い。中でも酵素、蛍光物質、発光物質又は吸収物質等
の光学的手段により測定可能な物質(酵素は、酵素基質
を添加して酵素反応を生じさせ、後に生じた酵素反応生
成物を光学的に測定する)を標識物質として使用すれ
ば、人体への影響もなく、かつ、測定自体も簡単であ
る。核酸プロ−ブと標識の結合は、通常の方法に従って
行えばよく、特別の制限はない。
きRNAと接触させた後、形成されたハイブリッドを測
定するには、例えば高速液体クロマトグラフィ−の手法
を利用し、ハイブリッドがRNA酸断や核酸プロ−ブに
比較して大きな分子量を有することを手掛かりに行うこ
とが可能である。しかし、より簡単には、核酸プロ−ブ
にラジオアイソト−プ等の標識物質を結合させておくと
良い。中でも酵素、蛍光物質、発光物質又は吸収物質等
の光学的手段により測定可能な物質(酵素は、酵素基質
を添加して酵素反応を生じさせ、後に生じた酵素反応生
成物を光学的に測定する)を標識物質として使用すれ
ば、人体への影響もなく、かつ、測定自体も簡単であ
る。核酸プロ−ブと標識の結合は、通常の方法に従って
行えばよく、特別の制限はない。
【0026】本発明のRNAの測定方法においては、断
片化した対象RNAをフィルタ−等に固定して核酸プロ
−ブをハイブリダイゼ−ションさせ、後に測定を実施し
ても良いし、核酸プロ−ブとはことなる部分で対象RN
Aとハイブリダイゼ−ションするような核酸プロ−ブを
適当な固相に固定しておき、後に特定の塩基配列と相補
的な核酸プロ−ブをハイブリダイゼ−ションさせる、い
わゆるサンドイッチアッセイを行っても良い。
片化した対象RNAをフィルタ−等に固定して核酸プロ
−ブをハイブリダイゼ−ションさせ、後に測定を実施し
ても良いし、核酸プロ−ブとはことなる部分で対象RN
Aとハイブリダイゼ−ションするような核酸プロ−ブを
適当な固相に固定しておき、後に特定の塩基配列と相補
的な核酸プロ−ブをハイブリダイゼ−ションさせる、い
わゆるサンドイッチアッセイを行っても良い。
【0027】サンドイッチアッセイにおいては、2種の
核酸プロ−ブを使用する。一方は対象RNAを捕捉する
ためのプロ−ブであり、もう一方は標識と結合した測定
用のプロ−ブである。通常は捕捉用の核酸プロ−ブを適
当な固相に固定化して対象プロ−ブを捕捉し、次に測定
用プロ−ブをハイブリダイゼ−ションさせて測定される
べきRNAを測定するのである。
核酸プロ−ブを使用する。一方は対象RNAを捕捉する
ためのプロ−ブであり、もう一方は標識と結合した測定
用のプロ−ブである。通常は捕捉用の核酸プロ−ブを適
当な固相に固定化して対象プロ−ブを捕捉し、次に測定
用プロ−ブをハイブリダイゼ−ションさせて測定される
べきRNAを測定するのである。
【0028】しかしながら、測定されるべきRNA中の
特定の塩基配列とハイブリダイゼ−ションし得る核酸プ
ロ−ブを固定化しておき、最初に対象RNAの中から測
定されるべきRNAを捕捉して他のRNAを除去し、後
にRNAに共通の塩基配列とハイブリダイゼ−ションし
得る標識と結合した核酸プロ−ブを用いて、残ったRN
Aの全てを測定することもある。
特定の塩基配列とハイブリダイゼ−ションし得る核酸プ
ロ−ブを固定化しておき、最初に対象RNAの中から測
定されるべきRNAを捕捉して他のRNAを除去し、後
にRNAに共通の塩基配列とハイブリダイゼ−ションし
得る標識と結合した核酸プロ−ブを用いて、残ったRN
Aの全てを測定することもある。
【0029】
【実施例】以下に本発明を更に詳細に説明するために実
施例を記載するが、これら実施例は本発明を限定するも
のではない。
施例を記載するが、これら実施例は本発明を限定するも
のではない。
【0030】実施例1
(1)DNA固定化ゲルの作製
21merのアミノ化合成DNA、10OD(260n
mの吸光度が10であることを示す。以下同じ)を、D
NA合成装置(アプライドバイオシステム社製381
A)で合成後、2mlの1M燐酸緩衝液(pH8.8)
に溶解してトレシル化NPR(東ソ−(株)製)100
mgに添加して攪拌しながら1時間放置した。なお、こ
のDNAの塩基配列は、(5´)−GCC TTC G
CC ACCGGT ATT CCT−(3´)であ
り、大腸菌の16SrRNAに対してハイブリダイゼ−
ションする合成DNAである。
mの吸光度が10であることを示す。以下同じ)を、D
NA合成装置(アプライドバイオシステム社製381
A)で合成後、2mlの1M燐酸緩衝液(pH8.8)
に溶解してトレシル化NPR(東ソ−(株)製)100
mgに添加して攪拌しながら1時間放置した。なお、こ
のDNAの塩基配列は、(5´)−GCC TTC G
CC ACCGGT ATT CCT−(3´)であ
り、大腸菌の16SrRNAに対してハイブリダイゼ−
ションする合成DNAである。
【0031】この混合物を遠心分離してゲルを沈殿させ
て上澄を捨てた後、3mlの100mMトリス−塩酸緩
衝液(pH8.0)を添加して攪拌しながら5分間放置
し、ゲル上の未反応トレシル基を反応させた。
て上澄を捨てた後、3mlの100mMトリス−塩酸緩
衝液(pH8.0)を添加して攪拌しながら5分間放置
し、ゲル上の未反応トレシル基を反応させた。
【0032】この混合物を更に遠心分離に供し、同様の
操作を3回繰り返した。
操作を3回繰り返した。
【0033】以上の操作により得られた混合物の上澄を
捨て、3mlの5×SSC(3MNaCl,0.3M
Sodium Citrate pH7.0)、0.5
%ポリビニルピロリドンK−30(ナカライテスク社
製)、0.5%牛血清アルブミン(千葉畜産工業(株)
製)溶液に再懸濁した。
捨て、3mlの5×SSC(3MNaCl,0.3M
Sodium Citrate pH7.0)、0.5
%ポリビニルピロリドンK−30(ナカライテスク社
製)、0.5%牛血清アルブミン(千葉畜産工業(株)
製)溶液に再懸濁した。
【0034】(2)アルカリ性フォスファタ−ゼ(AL
P)標識の結合したDNAの作製 21merのアミノ化合成DNA3ODをDNA合成装
置(アプライドバイオシステム社製381A)で合成
後、50μlの0.1M炭酸水素ナトリウム、2mME
DTAに添加し、DMSO(Dimethyl sul
foxide)に溶解した100μlDSS(Disu
ccinimidyl Suberrate、PIER
CE社製)と混合して37℃で5分間放置した後、高速
液体クロマトグラフィ−(東ソ−(株)製、HW40
F)に供して分離し、凍結乾燥した。なおこのDNAの
塩基配列は、(5´)−ATC TCT ACG CA
T TTC ACC GCT−(3´)であり、大腸菌
の16SrRNAに対してハイブリダイゼ−ションする
合成DNAである。
P)標識の結合したDNAの作製 21merのアミノ化合成DNA3ODをDNA合成装
置(アプライドバイオシステム社製381A)で合成
後、50μlの0.1M炭酸水素ナトリウム、2mME
DTAに添加し、DMSO(Dimethyl sul
foxide)に溶解した100μlDSS(Disu
ccinimidyl Suberrate、PIER
CE社製)と混合して37℃で5分間放置した後、高速
液体クロマトグラフィ−(東ソ−(株)製、HW40
F)に供して分離し、凍結乾燥した。なおこのDNAの
塩基配列は、(5´)−ATC TCT ACG CA
T TTC ACC GCT−(3´)であり、大腸菌
の16SrRNAに対してハイブリダイゼ−ションする
合成DNAである。
【0035】このDSS化合成DNAに50μlの3M
塩化ナトリウム、0.1Mほう酸緩衝液(pH8.0)
に溶解したALPを加え、室温で2時間放置した。
塩化ナトリウム、0.1Mほう酸緩衝液(pH8.0)
に溶解したALPを加え、室温で2時間放置した。
【0036】上記の溶液を高速液体クロマトグラフィ−
(東ソ−(株)製、G3000SWXL)に供し、AL
Pと結合した合成DNAを取得した。
(東ソ−(株)製、G3000SWXL)に供し、AL
Pと結合した合成DNAを取得した。
【0037】(3)RNAの測定
大腸菌(K12株、C600)からホットフェノ−ル法
により単離、乾燥された核酸分画に、40mM炭酸水素
ナトリウム、60mM炭酸ナトリウム(pH10.3)
を細胞最終濃度が106 細胞/10μlとなるように添
加し、60℃条件下で0、10、30又は60分間放置
してアルカリ加水分解処理を行った(0は、アルカリ加
水分解処理を実施していない場合である)。
により単離、乾燥された核酸分画に、40mM炭酸水素
ナトリウム、60mM炭酸ナトリウム(pH10.3)
を細胞最終濃度が106 細胞/10μlとなるように添
加し、60℃条件下で0、10、30又は60分間放置
してアルカリ加水分解処理を行った(0は、アルカリ加
水分解処理を実施していない場合である)。
【0038】加水分解処理は、1/30容量の3M酢酸
ナトリウムと1/200容量の氷酢酸からなる中和液を
添加して停止した。
ナトリウムと1/200容量の氷酢酸からなる中和液を
添加して停止した。
【0039】アルカリ加水分解処理が終了した核酸分画
溶液の10μlをハイブリダイゼ−ション溶液(5×S
SC、0.5%ポリビニルピロリドンK−30、0.5
%牛血清アルブミン、1%SDS(Sodium Do
decyl sulfate和光製薬(株)製)、デキ
ストランサルフェイト(Mw〜500000、ファルマ
シア社製)、1mM塩化マグネシウム、0.1mM硫酸
亜鉛)と混合し、先に作製したDNA固定化ゲル1mg
に加えて50℃で30分間放置した(5分おきに攪拌操
作を行った)。
溶液の10μlをハイブリダイゼ−ション溶液(5×S
SC、0.5%ポリビニルピロリドンK−30、0.5
%牛血清アルブミン、1%SDS(Sodium Do
decyl sulfate和光製薬(株)製)、デキ
ストランサルフェイト(Mw〜500000、ファルマ
シア社製)、1mM塩化マグネシウム、0.1mM硫酸
亜鉛)と混合し、先に作製したDNA固定化ゲル1mg
に加えて50℃で30分間放置した(5分おきに攪拌操
作を行った)。
【0040】この混合物を遠心分離して上澄を捨て、ハ
イブリダイゼ−ション溶液でDNA濃度を100ng/
mlとなるように希釈された先に作製したALPと結合
した合成DNAを100μl添加し、50℃で15分間
放置した。
イブリダイゼ−ション溶液でDNA濃度を100ng/
mlとなるように希釈された先に作製したALPと結合
した合成DNAを100μl添加し、50℃で15分間
放置した。
【0041】次にこの混合物を遠心分離して上澄を捨
て、750μlの洗浄液(1%Tween20、1%デ
キストランサルフェ−ト、0.15M塩化ナトリウム、
0.015M TEA酢酸緩衝液(pH8.0)、1m
M塩化マグネシウム、0.1mM硫酸亜鉛)を添加して
攪拌し、更に遠心分離して上澄を捨てた。
て、750μlの洗浄液(1%Tween20、1%デ
キストランサルフェ−ト、0.15M塩化ナトリウム、
0.015M TEA酢酸緩衝液(pH8.0)、1m
M塩化マグネシウム、0.1mM硫酸亜鉛)を添加して
攪拌し、更に遠心分離して上澄を捨てた。
【0042】以上の洗浄操作を合計6回繰り返した後、
上澄を捨てて得られたゲルを100μlの0.5M A
MP(アミノメチルプロパノ−ル)緩衝液(pH10.
0)に懸濁し、37℃で5分間放置した。
上澄を捨てて得られたゲルを100μlの0.5M A
MP(アミノメチルプロパノ−ル)緩衝液(pH10.
0)に懸濁し、37℃で5分間放置した。
【0043】以上のようにして得られたゲルを含む溶液
に対し、2mM 4MUP(4メチルウンベリフェロン
フォスフェ−ト)溶液の100μlを添加した後、蛍光
強度を蛍光検出器を用いて測定し、その増加割合(ra
te)を算出した。
に対し、2mM 4MUP(4メチルウンベリフェロン
フォスフェ−ト)溶液の100μlを添加した後、蛍光
強度を蛍光検出器を用いて測定し、その増加割合(ra
te)を算出した。
【0044】この結果、アルカリ加水分解処理を行って
いない場合には100未満のrateしか得られなかっ
たのに対し、30分又は60分のアルカリ加水分解処理
を行った場合には600以上のrateが得られた。本
実施例による大腸菌の検出下限界はおよそ400細胞で
あるが、一方、RNAを断片化していない場合の検出下
限界はその10倍の4000細胞である。このように、
本発明の測定方法により10倍の感度上昇が実現でき
た。
いない場合には100未満のrateしか得られなかっ
たのに対し、30分又は60分のアルカリ加水分解処理
を行った場合には600以上のrateが得られた。本
実施例による大腸菌の検出下限界はおよそ400細胞で
あるが、一方、RNAを断片化していない場合の検出下
限界はその10倍の4000細胞である。このように、
本発明の測定方法により10倍の感度上昇が実現でき
た。
【0045】以上の結果を図1に示す。図1によれば、
アルカリ加水分解処理によりRNAが立体構造を有さな
くなり、ゲルに固定化したDNA及びALPと結合した
DNAとハイブリダイゼ−ションし易くなったことが分
かる。
アルカリ加水分解処理によりRNAが立体構造を有さな
くなり、ゲルに固定化したDNA及びALPと結合した
DNAとハイブリダイゼ−ションし易くなったことが分
かる。
【0046】また、本実施例で対象とした核酸分画のよ
うに、夾雑物の少ない対象では、アルカリ加水分解処理
を30〜60分程度とすることで、良好な結果が得られ
ることが分かる。
うに、夾雑物の少ない対象では、アルカリ加水分解処理
を30〜60分程度とすることで、良好な結果が得られ
ることが分かる。
【0047】実施例2 大腸菌の溶菌測定
108 細胞/mlの大腸菌懸濁溶液の10μlに、30
μlの6MGdn、100mM炭酸ナトリウム緩衝液
(pH10.0)を添加して60℃で0、1、2、3、
4又は5分間放置した。
μlの6MGdn、100mM炭酸ナトリウム緩衝液
(pH10.0)を添加して60℃で0、1、2、3、
4又は5分間放置した。
【0048】この溶液に、80μlの停止液(37.5
mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)、0.19%
(v/v)酢酸、5×SSC)を添加してアルカリ加水
分解を停止し、更に実施例1で作製したDNA固定化ゲ
ルを加えて50℃で30分間放置した。
mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)、0.19%
(v/v)酢酸、5×SSC)を添加してアルカリ加水
分解を停止し、更に実施例1で作製したDNA固定化ゲ
ルを加えて50℃で30分間放置した。
【0049】この混合物を遠心分離して上澄を捨て、ハ
イブリダイゼ−ション溶液でDNA濃度を100ng/
mlとなるように希釈されたALPと結合した合成DN
A(実施例1で作製)を100μl添加し、50℃で1
5分間放置した。
イブリダイゼ−ション溶液でDNA濃度を100ng/
mlとなるように希釈されたALPと結合した合成DN
A(実施例1で作製)を100μl添加し、50℃で1
5分間放置した。
【0050】次にこの混合物を遠心分離して上澄を捨
て、750μlの洗浄液を添加して攪拌し、更に遠心分
離して上澄を捨てた。
て、750μlの洗浄液を添加して攪拌し、更に遠心分
離して上澄を捨てた。
【0051】以上の洗浄操作を合計6回繰り返した後、
上澄を捨てて得られたゲルを100μlの0.5M A
MP(アミノメチルプロパノ−ル)緩衝液(pH10.
0)に懸濁し、37℃で5分間放置した。
上澄を捨てて得られたゲルを100μlの0.5M A
MP(アミノメチルプロパノ−ル)緩衝液(pH10.
0)に懸濁し、37℃で5分間放置した。
【0052】以上のようにして得られたゲルを含む溶液
に対し、2mM 4MUP(4メチルウンベリフェロン
フォスフェ−ト)溶液の100μlを添加した後、蛍光
強度を蛍光検出器を用いて測定し、その増加割合(ra
te)を算出した。
に対し、2mM 4MUP(4メチルウンベリフェロン
フォスフェ−ト)溶液の100μlを添加した後、蛍光
強度を蛍光検出器を用いて測定し、その増加割合(ra
te)を算出した。
【0053】この結果、アルカリ加水分解処理を行って
いない場合にはrateは非常に小さかったのに対し、
アルカリ加水分解処理を行った場合には大きなrate
が得られた。
いない場合にはrateは非常に小さかったのに対し、
アルカリ加水分解処理を行った場合には大きなrate
が得られた。
【0054】以上の結果を図2に示す。図2によれば、
アルカリ加水分解処理によりRNAが立体構造を有さな
くなり、ゲルに固定化したDNA及びALPと結合した
DNAとハイブリダイゼ−ションし易くなったことが分
かる。このように、僅か数分のアルカリ加水分解処理で
あっても、得られるrateは大きく変化する。
アルカリ加水分解処理によりRNAが立体構造を有さな
くなり、ゲルに固定化したDNA及びALPと結合した
DNAとハイブリダイゼ−ションし易くなったことが分
かる。このように、僅か数分のアルカリ加水分解処理で
あっても、得られるrateは大きく変化する。
【0055】実施例3 マイコバクテリウムの溶菌測定
実施例1と同様の操作により、21merの合成DNA
を作製し、ゲルに固定化した。なおこのDNAは、(5
´)−CGG TAT TAG ACC CAGTTT
CCC−(3´)である。また、実施例1と同様の操
作により、更に21merの合成DNAを作製し、AL
Pと結合させた。このDNAは、(5´)−AGA C
AT GCA TCC CGT GGT CCT−(3
´)である。これら合成DNAは、共にマイコバクテリ
ウムの16SrRNAに対してハイブリダイゼ−ション
するDNAである。
を作製し、ゲルに固定化した。なおこのDNAは、(5
´)−CGG TAT TAG ACC CAGTTT
CCC−(3´)である。また、実施例1と同様の操
作により、更に21merの合成DNAを作製し、AL
Pと結合させた。このDNAは、(5´)−AGA C
AT GCA TCC CGT GGT CCT−(3
´)である。これら合成DNAは、共にマイコバクテリ
ウムの16SrRNAに対してハイブリダイゼ−ション
するDNAである。
【0056】マイコバクテリウムボビスBCGの培養液
1mlを遠心分離して得た菌体に、200μlの脱脂液
(メタノ−ルとクロロフォルムの混合液)を添加し、6
0℃で2分間処理した。この溶液に300μlの100
mM炭酸ナトリウム溶液(pH 11.0)を添加し、
攪拌して50℃で40分間、放置した。
1mlを遠心分離して得た菌体に、200μlの脱脂液
(メタノ−ルとクロロフォルムの混合液)を添加し、6
0℃で2分間処理した。この溶液に300μlの100
mM炭酸ナトリウム溶液(pH 11.0)を添加し、
攪拌して50℃で40分間、放置した。
【0057】この溶液に酢酸ナトリウム溶液を添加して
中和を行い、75μlの上澄と75μlのハイブリダイ
ゼ−ション溶液を混合し、この混合液をDNA固定化ゲ
ルに加えて50℃で30分間放置した。なお、この間、
5分おきに攪拌を行った。
中和を行い、75μlの上澄と75μlのハイブリダイ
ゼ−ション溶液を混合し、この混合液をDNA固定化ゲ
ルに加えて50℃で30分間放置した。なお、この間、
5分おきに攪拌を行った。
【0058】以上の混合物を遠心分離して上澄を捨て、
ハイブリダイゼ−ション溶液でDNA濃度を100ng
/mlとなるように希釈されたALPと結合した合成D
NAを100μl添加し、50℃で15分間放置した。
ハイブリダイゼ−ション溶液でDNA濃度を100ng
/mlとなるように希釈されたALPと結合した合成D
NAを100μl添加し、50℃で15分間放置した。
【0059】次にこの混合物を遠心分離して上澄を捨
て、750μlの洗浄液を添加して攪拌し、更に遠心分
離して上澄を捨てる洗浄操作を合計6回繰り返した後、
上澄を捨てて得られたゲルを100μlの0.5M A
MP(アミノメチルプロパノ−ル)緩衝液(pH10.
0)に懸濁し、37℃で5分間放置した。
て、750μlの洗浄液を添加して攪拌し、更に遠心分
離して上澄を捨てる洗浄操作を合計6回繰り返した後、
上澄を捨てて得られたゲルを100μlの0.5M A
MP(アミノメチルプロパノ−ル)緩衝液(pH10.
0)に懸濁し、37℃で5分間放置した。
【0060】以上のようにして得られたゲルを含む溶液
に対し、2mM 4MUP(4メチルウンベリフェロン
フォスフェ−ト)溶液の100μlを添加した後、蛍光
強度を蛍光検出器を用いて測定した。
に対し、2mM 4MUP(4メチルウンベリフェロン
フォスフェ−ト)溶液の100μlを添加した後、蛍光
強度を蛍光検出器を用いて測定した。
【0061】その結果、溶菌したマイコバクテリウムボ
ビスBCGのRNA(rRNA)を測定することができ
た。
ビスBCGのRNA(rRNA)を測定することができ
た。
【0062】
【発明の効果】本発明は、RNAをアルカリ加水分解処
理して断片化して立体構造を有さないようにすること
で、核酸プロ−ブと測定されるべきRNAとのハイブリ
ダイゼ−ションを生じ易くするものである。
理して断片化して立体構造を有さないようにすること
で、核酸プロ−ブと測定されるべきRNAとのハイブリ
ダイゼ−ションを生じ易くするものである。
【0063】より具体的にいえば、250〜300塩基
程度のRNA断片では立体構造を有し難いから、この程
度の断片にアルカリ加水分解してやるのである。特に本
発明で行うアルカリ加水分解処理は、主に処理時間、処
理pH、処理温度を調整することだけで、断片化の度合
を任意に決定することが可能であり、状況に応じて最も
好ましい大きさに対象RNAを断片化することが可能で
ある。
程度のRNA断片では立体構造を有し難いから、この程
度の断片にアルカリ加水分解してやるのである。特に本
発明で行うアルカリ加水分解処理は、主に処理時間、処
理pH、処理温度を調整することだけで、断片化の度合
を任意に決定することが可能であり、状況に応じて最も
好ましい大きさに対象RNAを断片化することが可能で
ある。
【0064】本発明は、対象RNA中の、特定の塩基配
列を含有する測定されるべきRNAを測定するものであ
る。特定の塩基配列は測定されるべきRNAを他のRN
Aと区別し得る配列であり、例えば、人のRNAには存
在せず、細菌のRNA中にのみ認められる配列等であ
る。
列を含有する測定されるべきRNAを測定するものであ
る。特定の塩基配列は測定されるべきRNAを他のRN
Aと区別し得る配列であり、例えば、人のRNAには存
在せず、細菌のRNA中にのみ認められる配列等であ
る。
【0065】アルカリ加水分解処理により、この特定の
塩基配列が破壊されてしまう可能性もある。しかしなが
ら、250塩基程度に断片化するのであれば、その可能
性は非常に小さいものとなる。
塩基配列が破壊されてしまう可能性もある。しかしなが
ら、250塩基程度に断片化するのであれば、その可能
性は非常に小さいものとなる。
【0066】RNAはDNAと比較してコピ−数が大き
く、大量に含まれている。従って、RNAが立体構造を
有することに起因する、核酸プロ−ブとのハイブリダイ
ゼ−ションのし難さを解決する本発明は、臨床診断等の
分野における細菌やウイルス感染の測定等に好適であ
る。
く、大量に含まれている。従って、RNAが立体構造を
有することに起因する、核酸プロ−ブとのハイブリダイ
ゼ−ションのし難さを解決する本発明は、臨床診断等の
分野における細菌やウイルス感染の測定等に好適であ
る。
【図1】図1は本発明の実施例1の結果を示すものであ
り、横軸はアルカリ加水分解処理を行った時間、縦軸は
蛍光測定の結果から計算されたrate(蛍光強度増加
率)を示している。アルカリ加水分解処理が0、即ちア
ルカリ加水分解処理を行っていない場合には、100未
満の小さいrateしか得られないが、加水分解処理を
行った場合にはより大きなrateが得られることが分
かる。rateが大きいことは、結局、反応溶液中にA
LPが多量に含まれていることを示している。ALPは
合成DNAと結合されており、測定されるべきRNAを
介してゲルに固定化された合成DNAと結合している。
従ってアルカリ加水分解処理によりALPの量が多くな
ったということは、測定されるべきRNAと、ゲルに固
定化された合成DNA又はALPと結合した合成DNA
の両方のハイブリダイゼ−ションが起こり易くなったこ
とを示している。
り、横軸はアルカリ加水分解処理を行った時間、縦軸は
蛍光測定の結果から計算されたrate(蛍光強度増加
率)を示している。アルカリ加水分解処理が0、即ちア
ルカリ加水分解処理を行っていない場合には、100未
満の小さいrateしか得られないが、加水分解処理を
行った場合にはより大きなrateが得られることが分
かる。rateが大きいことは、結局、反応溶液中にA
LPが多量に含まれていることを示している。ALPは
合成DNAと結合されており、測定されるべきRNAを
介してゲルに固定化された合成DNAと結合している。
従ってアルカリ加水分解処理によりALPの量が多くな
ったということは、測定されるべきRNAと、ゲルに固
定化された合成DNA又はALPと結合した合成DNA
の両方のハイブリダイゼ−ションが起こり易くなったこ
とを示している。
【図2】図2は本発明の実施例2の結果を示すものであ
り、横軸はアルカリ加水分解処理を行った時間、縦軸は
蛍光測定の結果から計算されたrateを示している。
この図からも、アルカリ加水分解処理を行った場合に
は、行っていない場合に比較して、測定されたrate
が大きく、従ってアルカリ加水分解分解により測定され
るべきRNAと合成DNAとのハイブリダイゼ−ション
が生じ易くなったことが分かる。
り、横軸はアルカリ加水分解処理を行った時間、縦軸は
蛍光測定の結果から計算されたrateを示している。
この図からも、アルカリ加水分解処理を行った場合に
は、行っていない場合に比較して、測定されたrate
が大きく、従ってアルカリ加水分解分解により測定され
るべきRNAと合成DNAとのハイブリダイゼ−ション
が生じ易くなったことが分かる。
Claims (3)
- 【請求項1】測定対象であるRNAをアルカリ加水分解
処理して断片化し、次いで、断片化された測定対象RN
Aと該測定されるべきRNAに含有される特定の塩基配
列とハイブリダイゼ−ションし得るDNA又はRNAプ
ロ−ブを接触させ、形成されたハイブリッドを測定する
ことからなる、RNAの測定方法。 - 【請求項2】RNAをpH9〜12の溶液中でアルカリ
加水分解処理して断片化することを特徴とする請求項1
に記載の方法。 - 【請求項3】測定されるべきRNAがリボソ−ムRNA
である請求項1又は2に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19117691A JP3178014B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | Rnaの測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19117691A JP3178014B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | Rnaの測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0515399A true JPH0515399A (ja) | 1993-01-26 |
JP3178014B2 JP3178014B2 (ja) | 2001-06-18 |
Family
ID=16270167
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19117691A Expired - Fee Related JP3178014B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | Rnaの測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3178014B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6194149B1 (en) * | 1998-03-03 | 2001-02-27 | Third Wave Technologies, Inc. | Target-dependent reactions using structure-bridging oligonucleotides |
JP2011068672A (ja) * | 1998-11-25 | 2011-04-07 | Mcw Research Foundation Inc | シュードモナス・アエルギノーザ感染を診断するための組成物 |
-
1991
- 1991-07-05 JP JP19117691A patent/JP3178014B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6194149B1 (en) * | 1998-03-03 | 2001-02-27 | Third Wave Technologies, Inc. | Target-dependent reactions using structure-bridging oligonucleotides |
JP2011068672A (ja) * | 1998-11-25 | 2011-04-07 | Mcw Research Foundation Inc | シュードモナス・アエルギノーザ感染を診断するための組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3178014B2 (ja) | 2001-06-18 |
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