JPH05152054A - 除電装置用放電電極とその製造方法 - Google Patents

除電装置用放電電極とその製造方法

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JPH05152054A
JPH05152054A JP34038691A JP34038691A JPH05152054A JP H05152054 A JPH05152054 A JP H05152054A JP 34038691 A JP34038691 A JP 34038691A JP 34038691 A JP34038691 A JP 34038691A JP H05152054 A JPH05152054 A JP H05152054A
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Japan
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discharge electrode
silicon
static eliminator
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JP34038691A
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English (en)
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Shigeru Kaminouchi
茂 上ノ内
Tsutomu Matsumoto
力 松本
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Tokyo Tekko Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Tekko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】放電電極の消耗を減らすとともに、放電電極の
交換の間隔を長くする。 【構成】珪素からなる棒状の芯材11と、珪素を含浸さ
せた多孔質の炭化珪素からなる中空円筒状の母材12と
から放電電極10Aを構成する。芯材11は、その軸部
11aを母材12の中空部に収容させ、半球状の突出部
11bを母材12の先端部12aより外側に突き出して
いる。コロナ放電は突出部11bの先端から起こる。珪
素は共有結合なので、コロナ放電による突出部11bの
消耗が非常に少ない。突出部11bの基端外径を母材1
2の先端部12aの外径と同径にすることで、突出部1
1bの先端から母材12の先端までの距離が長くなり、
突出部11bの消耗による放電電極の交換の間隔が長く
なる。又、コロナ放電によって芯材11から微量の珪素
が遊離したとしても、珪素は半導体結晶に悪影響を及ぼ
さないので、半導体工場のクリーンルームでの使用に好
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、除電装置に用いられ
る放電電極とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体あるいは粉体をパイプ移送した時
や、これらを容器に充填した時、あるいは紙やフィルム
やシート類を巻き取ったり裁断した時等において発生す
る静電気は、放電火花が引火性物質の爆発や火災を誘発
したり、人体にショックを与える等、種々の不具合を生
じさせる虞れがある。そこで、このような虞れがある所
では、これら不具合が生じないように、一般に除電装置
によって静電気を除去している。又、近年においては、
集積回路製造工場等において所謂クリーンルームが必要
とされるに至り、このクリーンルームにも除電装置が必
要不可欠とされている。
【0003】除電装置には、放電電極と対向電極との間
にコロナ放電を起こし、この放電により発生する正イオ
ンと負イオンを静電気の発生する虞れのある箇所に放出
し、電荷を中和することにより静電気を除去するタイプ
のものがある。上記放電電極には、一般的に、導電性に
優れたステンレスやタングステンやチタン等の金属製電
極が用いられている。
【0004】
【従来の技術の問題点】上記従来の金属製の放電電極は
導電性に富んでいるため高電圧下でのコロナ放電には適
合するものの、いくつかの問題点を有していた。問題点
の一つに、放電電極の消耗がある。金属製の放電電極は
放電の際の消耗が激しく、この電極の消耗はイオン発生
量の減少を招く。イオン発生量が減少すると、除電装置
の静電気除去機能が低下してしまう。したがって、静電
気除去機能を一定のレベルに保つために、従来は放電電
極を頻繁に交換しなければならなかった。この電極の交
換には手間がかかって面倒なだけでなく、経済的負担が
大きかった。
【0005】又、別の問題点として、金属イオンの放出
がある。従来の金属製の放電電極においては、コロナ放
電によって原子結合が切れた金属が金属イオンとして放
出される。除電装置を半導体製造工場のクリーンルーム
に設置した場合に、上記金属イオンがクリーンルーム内
を浮遊すると、この金属イオンが半導体結晶中に混入す
る虞れがある。このような異物の混入は半導体の品質低
下を招き、半導体の商品価値を損なうという問題が生じ
る。
【0006】
【発明の背景】そこで、本出願人は、これら従来の問題
点を全て解消した除電装置用放電電極とその製造方法を
案出し、平成3年7月31日に特願平3−214570
号として出願している。図4はこの改良型の放電電極の
断面図である。この放電電極100は、珪素からなる棒
状の芯材110と、炭化珪素からなり芯材110の外周
を覆う円筒状の母材120、とから構成されている。
【0007】この放電電極100においては、芯材11
0の先端が母材120よりも前方に突出しており、且
つ、先が尖っているので、この尖端部111の最先端か
らコロナ放電が起こって正イオンと負イオンを発生させ
る。母材120からはコロナ放電は起こらない。又、芯
材110を構成する珪素は共有結合で強く結ばれている
ので、コロナ放電によって電子を放出しても原子間結合
が切れることがない。したがって、芯材110の消耗が
従来の金属製のものに比べて格段に少ない。その結果、
放電電極100を殆ど交換せずに済み、手間がかから
ず、経済的であるという利点がある。
【0008】又、上記放電電極100を具備する除電装
置は半導体製造工場のクリーンルームに設置するのに最
適なものとなった。その理由は、コロナ放電が起きた
際に芯材110から微量の珪素が遊離したとしても、珪
素は半導体結晶に悪影響を及ぼさないからであり、母
材120からはコロナ放電が起こらず、半導体結晶に悪
影響を及ぼす虞れのある炭化珪素が母材120から遊離
することもないからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記改
良型の放電電極100にも若干の不具合が見付かった。
即ち、放電電極100の芯材110を珪素で構成して
も、コロナ放電に伴って経時的に尖端部111が徐々に
ではあるが消耗していく。これに伴って、コロナ放電の
生じる箇所も後退していく。したがって、芯材110の
消耗が進み、母材120の先端部121からもコロナ放
電が生じるようになると、母材120から炭化珪素が遊
離するようになり、前記クリーンルーム等の炭化珪素を
嫌う場所で使用する場合に支障が生じる。そのため、こ
のような事態になる前に放電電極100の先端部分を削
るか、あるいは新しいものと交換する等のメンテナンス
をしなければならない。
【0010】上記放電電極100のメンテナンスの間隔
を延ばすためには、芯材110の先端から母材120の
先端までの距離を長くすればよく、そのためには、芯
材110の径を大きくしたり、尖端部111の開き角
度を小さくする、等の対応策が考えられるが、いずれも
種々の制約があって実施不可能だった。この発明は上述
従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、消耗が少なく経済的で、金属イオ
ンを嫌う場所にも設置可能で、且つ、放電電極の交換の
間隔を長くできる除電装置用放電電極と、その製造方法
を提供しようとするところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は上述目的を達
成するためになされたもので、その要旨は、以下に記載
の除電装置用放電電極とその製造方法にある。 (1)高電圧を印加して周囲の雰囲気をイオン化する除電
装置用放電電極において、珪素からなる棒状の芯材と、
珪素とほぼ同等の熱膨張率を有する材料で形成され上記
芯材の外周を覆う筒状の母材、とから構成されており、
芯材の先端には母材の先端部よりも前方に突き出る突出
部が形成され、この突出部の基部の外形形状及び寸法が
母材の先端部の外形形状及び寸法とほぼ同じにされ、突
出部の先端に接近するにしたがって突出部の断面が漸次
縮小することを特徴とする除電装置用放電電極。 (2)上記母材が炭化珪素からなることを特徴とする上記
(1)に記載の除電装置用放電電極。 (3)上記母材が多孔質であることを特徴とする上記(1)
または(2)に記載の除電装置用放電電極。 (4)上記母材に珪素が含浸されていることを特徴とする
上記(1)から(3)のいずれかに記載の除電装置用放電電
極。 (5)上記芯材の突出部の表面が凸曲面に形成されている
ことを特徴とする上記請求項(1)から(4)のいずれかに
記載の除電装置用放電電極。 (6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の除電装置用放
電電極を製造する方法において、先端側が大径孔で基部
側が小径孔の段付き孔を有する筒状の母材を用意し、こ
の母材の段付き孔の中に溶融珪素を充填し、これを固化
することにより母材と芯材とを一体化し、その後、母材
の外周部及び芯材の先端部を削って所望形状にするよう
にしたことを特徴とする除電装置用放電電極の製造方
法。 (7)上記母材の段付き孔の中に溶融珪素を充填すること
に代えて、上記母材の段付き孔の中に粉状の珪素を充填
し、この粉状の珪素を加熱溶融することによって段付き
孔の中を溶融珪素で満たすことを特徴とする上記(6)に
記載の除電装置用放電電極の製造方法。 (8)上記(5)に記載の除電装置用放電電極を製造する方
法において、貫通孔を有する筒状の母材を用意し、この
母材の下端部を溶融珪素の中に没入し、毛管現象により
溶融珪素をして母材の貫通孔を上昇せしめ、更に貫通孔
の上縁から母材の上部へ膨出せしめて、これを固化する
ことにより母材と芯材とを一体化することを特徴とする
除電装置用放電電極の製造方法。
【0012】
【作用】母材と芯材の熱膨張率をほぼ同等にしたことに
より、この放電電極を温度変化の大きい場所で使用した
場合にも、母材と芯材との間に熱膨張率の差による力が
殆ど生じなくなり、芯材から母材が剥離する等の損傷を
受けることがない。放電電極に高電圧を印加すると、芯
材の突出部の先端でコロナ放電が起こり、正イオンと負
イオンを放出する。この芯材を形成する珪素は、その原
子同士が共有結合で強く結ばれており、コロナ放電によ
って電子を放出しても原子間結合が切れることが殆どな
い。したがって、芯材の消耗が極めて少ない。
【0013】しかも、芯材の突出部の基部の外形形状及
び寸法を母材の先端部の外形形状及び寸法とほぼ同じに
したので、芯材の先端から母材の先端までの距離を長く
でき、放電電極の交換の間隔を長くすることができる。
又、この放電電極を具備した除電装置を半導体製造工場
のクリーンルームに設置した場合に、コロナ放電によっ
て芯材から微量の珪素が遊離したとしても、珪素は半導
体結晶に悪影響を与えないので、半導体の品質低下を招
くこともない。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図1から図3まで
の図面に基づいて説明する。図1(A)は除電装置の一例
を示す構成図である。この除電装置1は円筒状のケーシ
ング2を有している。ケーシング2には円形の開口3が
設けられており、この開口3の内周面が対向電極4にな
っている。又、ケーシング2の内部中央にはコネクタ部
5が設けられており、このコネクタ部5に放電電極10
Aが取り付けられている。放電電極10Aは棒状をな
し、その基部10bがコネクタ部5に連結固定されてお
り、先部10aがケーシング2の開口3の中央に向かっ
て開口3の手前まで延びている。
【0015】上記放電電極10Aはコネクタ部5を介し
て高電圧発生装置(図示せず)に電気的に接続されてお
り、高電圧発生装置により放電電極10Aと前記対向電
極4との間に高電圧を印加して、放電電極10Aの先部
10aと対向電極4との間にコロナ放電を起こすように
なっている。
【0016】又、ケーシング2の後方には送風管6が取
り付けられており、ケーシング2と送風管6は連通孔7
を介して連通している。この送風管6からケーシング2
に送られた空気が開口3から放出される。そして、コロ
ナ放電によって生じた正イオンと負イオンが、開口3か
らの送風によって運ばれるようになっている。
【0017】図1(B)は上記放電電極10Aの拡大断面
図である。放電電極10Aは、珪素からなる芯材11
と、多孔質の炭化珪素に珪素を含浸させてなる母材12
とから構成されている。母材12は中空円筒状をなして
いる。芯材11は、母材12の内部を埋め尽くす断面円
形の軸部11aと、母材12の先端部12aよりも前方
に突き出る半球状の突出部11bとから構成されてい
る。この突出部11bの基端外径は母材12の先端部1
2aの外径と同径にされている。
【0018】上記放電電極10Aを具備する除電装置1
においては、母材12の先端部12aよりも芯材11の
突出部11bの方が前方に突出しており、しかも、突出
部11bの横断面積がその先端に近付くにしたがって漸
次縮小しているので、突出部11bの最先端からコロナ
放電が起こり、正イオンと負イオンを発生させる。母材
12からはコロナ放電は起こらない。この芯材11を構
成する珪素は原子同士が共有結合で強く結ばれており、
コロナ放電によって電子を放出しても原子間結合が切れ
ることがない。したがって、突出部11bの消耗は従来
の金属製の放電電極の消耗に比べて格段に少ない。
【0019】又、この芯材11の軸部11aと同径の芯
材を有する前述図4態様の放電電極100と比較する
と、この放電電極10Aの場合には、突出部11bの基
端を母材12の先端部12aの外径と同寸法まで拡径し
ているので、突出部11bの先端から母材12の先端ま
での距離が、放電電極100よりも長くなる。したがっ
て、半球状の突出部11bがコロナ放電により消耗して
母材12の先端部12aにおいてコロナ放電が起こるま
でにかかる時間が放電電極100の場合よりも長くなる
ので、放電電極10Aの交換の間隔を長くすることがで
き、手間がかからず、経済的である。
【0020】又、この除電装置1を半導体製造工場のク
リーンルームに設置した場合に、コロナ放電によって芯
材11から微量の珪素が遊離し、これがクリーンルーム
内を浮遊したとしても、珪素は半導体結晶に悪影響を与
えない。加えて、母材12からはコロナ放電が起こらな
いので、半導体結晶に悪影響を及ぼす虞れのある炭化珪
素が母材12から遊離することもない。したがって、こ
の放電電極10Aをクリーンルームで使用しても、半導
体の品質低下を招くことがなく、半導体の品質向上に貢
献することとなる。
【0021】上記芯材11を構成する珪素と、母材12
を構成する炭化珪素は、熱膨張率に殆ど差がない。した
がって、この放電電極10Aを具備する除電装置1を温
度変化の大きい場所で使用しても、芯材11と母材12
との間に熱膨張率の差に基づく力が生じることは殆どな
い。その結果、母材12が芯材11から剥離すること等
がなく、温度変化に対して極めて堅牢な放電電極を得る
ことができる。
【0022】次に、上記放電電極10Aの製造方法につ
いて図2にしたがって説明する。この製造方法を実施す
るにあたっては、母材12の素材として、多孔質の炭化
珪素からなり、内部に全長に亙って同一内径の貫通孔2
0aを有する円筒体20を用意する。一方、坩堝30に
は珪素を入れ、これを、真空の雰囲気か、アルゴン等の
不活性ガスあるいは水素等の還元ガスの雰囲気の中で、
珪素の融点である1410°C以上に加熱し、溶融す
る。
【0023】そして、上記と同じ雰囲気の中で、図2
(A)に示すように、円筒体20の下端部を溶融状態の珪
素(以下、溶融珪素という)40の中に没入する。する
と、溶融珪素40が毛管現象によって円筒体20の貫通
孔20aを上昇していき、その先端が円筒体20の上端
から上方に膨出して半球状に突出する。この時、円筒体
20の上端から半球状に膨出した溶融珪素41の下部は
円筒体20の上端外周縁にほぼ接する状態になる。又、
円筒体20が多孔質の炭化珪素から形成されているの
で、この円筒体20の内部にも溶融珪素40が含浸して
いく。
【0024】次に、上記雰囲気の中で、上記半球状の溶
融珪素41及び貫通孔20a内を満たす溶融珪素42を
垂れ落とさないように注意しながら、円筒体20を引き
上げる。そして、これら溶融珪素41,42、及び円筒
体20に含浸した溶融珪素を冷却固化する。図2(B)は
この溶融珪素固化後の状態を表している。このようにし
て、円筒体20に珪素を含浸させて母材12を形成する
と同時に、芯材11の軸部11a及び突出部11bを形
成し、且つ、これら芯材11と母材12を一体化する。
【0025】尚、図2(B)においては、母材12の下側
にも珪素の団塊43が形成されているが、この団塊43
は、円筒体20を溶融珪素40から引き上げた際に、円
筒体20の下部に付着した溶融珪素40の滴が固化した
ものであり、この後、この団塊43を除去して、最終的
な製品である図1(B)に示す放電電極10Aを得る。
尚、上述第1の製造方法の変形として、上記円筒体の下
部を有底にしておき、この円筒体の内孔に溶融珪素40
を流し込み、その一部を円筒体の上端から略半球状に張
り出させて、冷却固化するようにしてもよい。
【0026】次に、図3を参照して、放電電極10の他
の実施例とその製造方法を説明する。この製造方法を実
施するにあたっては、母材12の素材として、多孔質の
炭化珪素からなる円筒体21を用意する。この円筒体2
1には予め段付き孔を設けておく。即ち、円筒体21の
先端側に大径孔21aを設け、基部側に小径孔21bを
設けておく。
【0027】そして、第1の製造方法の時と同様の雰囲
気(即ち、真空の雰囲気か、アルゴン等の不活性ガスあ
るいは水素等の還元ガスの雰囲気)の中で、大径孔21
aを上にして上記円筒体21を起立状態にし、小径孔2
1bの下部開口を塞いで、小径孔21b及び大径孔21
aの中に予め準備しておいた溶融珪素を充填する。円筒
体21は多孔質の炭化珪素からなるので、溶融珪素の一
部は円筒体21の内部にも含浸する。
【0028】尚、大径孔21a及び小径孔21bに予め
準備しておいた溶融珪素を充填する代わりに、大径孔2
1a及び小径孔21bの中に粉状の珪素を充填し、これ
を珪素の融点である1410°C以上に加熱して溶融
し、大径孔21a及び小径孔21bの内部を溶融珪素で
満たすようにしてもよい。
【0029】そして、大径孔21a及び小径孔21b内
の溶融珪素と、円筒体21に含浸した溶融珪素を冷却固
化し、円筒体21と一体化する。図3(A)はこの溶融珪
素固化後の状態を表している。
【0030】この後、円筒体21の外周部を、図3(A)
において二点鎖線X1で示すように、その外径が全長に
亙って大径孔21aの内径と同径になるように削る。次
に、大径孔21a内において固化した円柱状の珪素44
を、図中二点鎖線X2で示すように円錐形に削る。この
ようにして、図3(B)に示すように、突出部11bが円
錐形をなす放電電極10Bが完成する。尚、この放電電
極10Bの構成は、突出部11bの形状を異にする以外
に、図1(B)に示す前述第1実施例の放電電極10Aと
何ら変わるところはないので、図3(B)において同一態
様部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0031】この放電電極10Bと、その芯材11の軸
部11aと同径の芯材を有する前述図4態様の放電電極
100とを、芯材の尖端部の開き角度が同じ場合で比較
すると、この放電電極10Bにおいては、突出部11b
の基端が母材12の先端部12aの外径と同寸法まで拡
径されているので、突出部11bの先端から母材12の
先端までの距離が、放電電極100よりも長くなる。し
たがって、放電電極10Bの円錐形の突出部11bがコ
ロナ放電により消耗して母材12の先端部12aにおい
てコロナ放電が起こるまでにかかる時間が、放電電極1
00の場合よりも長くなるので、放電電極10Bの交換
の間隔を長くすることができ、手間がかからず、経済的
である。尚、円筒体21の大径孔21a内において固化
した珪素44を半球状に削ることによって、第1実施例
の放電電極10Aと同様のものを造ることも可能であ
る。
【0032】この発明は上述実施例に制約されず種々の
態様が採用可能である。例えば、母材の材質は炭化珪素
に限るものではなく、窒化珪素であってもよい。又、母
材は多孔質でなくてもよいし、珪素が含浸されていなく
てもよい。又、芯材の突出部の形状は実施例の形状に限
るものではなく、三角錐状や四角錐状等種々の形状にす
ることが可能である。更に、この放電電極が組み込まれ
る除電装置の構造については、実施例のものに限らな
い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、芯材を珪素で形成し、その先端を母材の先端よりも
突出させたことにより、放電電極の消耗を極めて少なく
することができる。又、母材から突き出た芯材の突出部
の基部の外形形状及び寸法を、母材の先端部の外形形状
及び寸法とほぼ同じにしたので、芯材の先端から母材の
先端までの距離が長くなる。その結果、これらが相俟っ
て、放電電極の交換の間隔が長くなって、メンテナンス
の手間がかからず、また経済的でもあるという優れた効
果が奏される。
【0034】又、除電装置を半導体製造工場のクリーン
ルームに設置した場合に、コロナ放電によって芯材から
微量の珪素が遊離してクリーンルーム内を浮遊したとし
ても、珪素は半導体結晶に悪影響を与えないので半導体
の品質低下を招かず、半導体の品質向上に貢献するとい
う優れた効果が奏される。更に、芯材と母材の熱膨張率
をほぼ同等にしたので、温度変化に対して極めて堅牢な
放電電極を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は除電装置の一例を示す構成図であり、
(B)はこの発明の第1実施例における除電装置用放電電
極の拡大断面図である。
【図2】(A)はこの発明に係る上記第1実施例の放電電
極の製造方法の説明図であり、(B)は製造途中における
放電電極の断面図である。
【図3】(A)は第2実施例の放電電極の製造方法の説明
図であり、(B)は第2実施例の放電電極の断面図であ
る。
【図4】本出願人が先に発明した放電電極の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 除電装置 10A,10B 放電電極 11 芯材 11a 突出部 12 母材 12a 先端部 20 円筒体(母材) 20a 貫通孔 21 円筒体(母材) 21a 大径孔 21b 小径孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧を印加して周囲の雰囲気をイオン
    化する除電装置用放電電極において、珪素からなる棒状
    の芯材と、珪素とほぼ同等の熱膨張率を有する材料で形
    成され上記芯材の外周を覆う筒状の母材、とから構成さ
    れており、芯材の先端には母材の先端部よりも前方に突
    き出る突出部が形成され、この突出部の基部の外形形状
    及び寸法が母材の先端部の外形形状及び寸法とほぼ同じ
    にされ、突出部の先端に接近するにしたがって突出部の
    断面が漸次縮小することを特徴とする除電装置用放電電
    極。
  2. 【請求項2】 上記母材が炭化珪素からなることを特徴
    とする上記請求項1に記載の除電装置用放電電極。
  3. 【請求項3】 上記母材が多孔質であることを特徴とす
    る上記請求項1または請求項2に記載の除電装置用放電
    電極。
  4. 【請求項4】 上記母材に珪素が含浸されていることを
    特徴とする上記請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の除電装置用放電電極。
  5. 【請求項5】 上記芯材の突出部の表面が凸曲面に形成
    されていることを特徴とする上記請求項1から請求項4
    のいずれかに記載の除電装置用放電電極。
  6. 【請求項6】 上記請求項1から請求項5のいずれかに
    記載の除電装置用放電電極を製造する方法において、先
    端側が大径孔で基部側が小径孔の段付き孔を有する筒状
    の母材を用意し、この母材の段付き孔の中に溶融珪素を
    充填し、これを固化することにより母材と芯材とを一体
    化し、その後、母材の外周部及び芯材の先端部を削って
    所望形状にするようにしたことを特徴とする除電装置用
    放電電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記母材の段付き孔の中に溶融珪素を充
    填することに代えて、上記母材の段付き孔の中に粉状の
    珪素を充填し、この粉状の珪素を加熱溶融することによ
    って段付き孔の中を溶融珪素で満たすことを特徴とする
    上記請求項6に記載の除電装置用放電電極の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記請求項5に記載の除電装置用放電電
    極を製造する方法において、貫通孔を有する筒状の母材
    を用意し、この母材の下端部を溶融珪素の中に没入し、
    毛管現象により溶融珪素をして母材の貫通孔を上昇せし
    め、更に貫通孔の上縁から母材の上部へ膨出せしめて、
    これを固化することにより母材と芯材とを一体化するこ
    とを特徴とする除電装置用放電電極の製造方法。
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