JPH05151618A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
光記録媒体及びその製造方法Info
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- JPH05151618A JPH05151618A JP3337933A JP33793391A JPH05151618A JP H05151618 A JPH05151618 A JP H05151618A JP 3337933 A JP3337933 A JP 3337933A JP 33793391 A JP33793391 A JP 33793391A JP H05151618 A JPH05151618 A JP H05151618A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 C/N及び消去比特性、並びに書き換え寿命
が良好な情報記録媒体、特に、書き換え可能型光記録媒
体とその製造方法を提供する。 【構成】 厚さ0.05〜1.2mmの熱可塑性を有す
る基板と、該基板上に形成された高融点物質及び無機記
録媒体とを有する光記録媒体において、前記光記録媒体
は成膜された基板上の残留応力が30MPa以下とした
ものであり、その製造方法は前記高融点物質及び/又は
無機記録媒体の成膜中に派生する成膜応力による基板の
変形を、平板間で加熱・加圧して、逐次矯正処理を施す
か、あるいは更に応力緩和処理を施しながら、前記高融
点物質及び/又は無機記録媒体を成膜形成するものであ
る。
が良好な情報記録媒体、特に、書き換え可能型光記録媒
体とその製造方法を提供する。 【構成】 厚さ0.05〜1.2mmの熱可塑性を有す
る基板と、該基板上に形成された高融点物質及び無機記
録媒体とを有する光記録媒体において、前記光記録媒体
は成膜された基板上の残留応力が30MPa以下とした
ものであり、その製造方法は前記高融点物質及び/又は
無機記録媒体の成膜中に派生する成膜応力による基板の
変形を、平板間で加熱・加圧して、逐次矯正処理を施す
か、あるいは更に応力緩和処理を施しながら、前記高融
点物質及び/又は無機記録媒体を成膜形成するものであ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク等の光記録
媒体に係り、特に、記録再生時のトラッキング特性及び
書き換え寿命が良好で、小さな半導体レーザ出力で書き
換え可能な高感度の書き換え可能型光記録媒体に関す
る。
媒体に係り、特に、記録再生時のトラッキング特性及び
書き換え寿命が良好で、小さな半導体レーザ出力で書き
換え可能な高感度の書き換え可能型光記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスク等による光記録方式は高密度
記録ができ、かつ媒体に非接触で高速読み出し、書き込
みできる事から従来の磁気ディスクに変わる記録媒体と
して精力的に開発が進められている。書き換え可能型光
ディスクとしては光磁気方式と、結晶の相変化を利用し
た相変化型記録媒体方式とが知られている。光磁気方式
は光と磁気とを併用したもので、キュリー温度付近での
媒体の局部的な磁気異方性を反転させ記録し、その部分
での偏光入射光の磁気ファラデー効果及び磁気カー効果
による偏光面の回転量により再生させるものであり、既
に実用化がなされている。しかも、この方式では光及び
磁気の両ヘッドを用いるため、光ヘッドの重量軽減及び
小型化が困難となっている。
記録ができ、かつ媒体に非接触で高速読み出し、書き込
みできる事から従来の磁気ディスクに変わる記録媒体と
して精力的に開発が進められている。書き換え可能型光
ディスクとしては光磁気方式と、結晶の相変化を利用し
た相変化型記録媒体方式とが知られている。光磁気方式
は光と磁気とを併用したもので、キュリー温度付近での
媒体の局部的な磁気異方性を反転させ記録し、その部分
での偏光入射光の磁気ファラデー効果及び磁気カー効果
による偏光面の回転量により再生させるものであり、既
に実用化がなされている。しかも、この方式では光及び
磁気の両ヘッドを用いるため、光ヘッドの重量軽減及び
小型化が困難となっている。
【0003】一方、相変化型記録媒体方式の場合は、結
晶と結晶との間の相変化、或は非晶質と結晶との相変化
を利用するものである。前者に用いる媒体としては、特
開昭60−46339号公報に記載のCu−Al−Ni
合金やIn−Sb合金等が知られている。また、後者に
用いる媒体は、主としてカルコゲナイト系物質であり、
例えば特公昭47−26897号公報に記載されてい
る。さらに、特開昭60−253034号公報にはテル
ル化合物が、特開昭63−251290号公報にはIn
−Sb−Te系合金がそれぞれ記載されている。また、
記録媒体の成膜技術として、前記の特開昭63−251
290号公報のほか、特開平2−94553号公報に
は、誘電体膜を光干渉層とする成膜技術が、特開昭62
−173657号公報、特開昭63−10353号公報
には、光磁気記録膜の酸化及び吸湿防止のために誘電体
膜を記録膜の近傍に形成することが記載されている。さ
らに、特開平2−254643号公報には、冷却層の酸
化、腐食を防ぐ目的で、冷却層の補助層として誘電体膜
を形成することが記載されている。
晶と結晶との間の相変化、或は非晶質と結晶との相変化
を利用するものである。前者に用いる媒体としては、特
開昭60−46339号公報に記載のCu−Al−Ni
合金やIn−Sb合金等が知られている。また、後者に
用いる媒体は、主としてカルコゲナイト系物質であり、
例えば特公昭47−26897号公報に記載されてい
る。さらに、特開昭60−253034号公報にはテル
ル化合物が、特開昭63−251290号公報にはIn
−Sb−Te系合金がそれぞれ記載されている。また、
記録媒体の成膜技術として、前記の特開昭63−251
290号公報のほか、特開平2−94553号公報に
は、誘電体膜を光干渉層とする成膜技術が、特開昭62
−173657号公報、特開昭63−10353号公報
には、光磁気記録膜の酸化及び吸湿防止のために誘電体
膜を記録膜の近傍に形成することが記載されている。さ
らに、特開平2−254643号公報には、冷却層の酸
化、腐食を防ぐ目的で、冷却層の補助層として誘電体膜
を形成することが記載されている。
【0004】このように、光ディスクは記録再生効率の
向上や信頼性の増加を目的として多層膜構造とする場合
が多い。記録媒体を多層膜構造とすれば、記録媒体成膜
時の成膜応力によって、基板に変形が生じる。この基板
の変形は、成膜材料によっても異なるが、記録媒体が多
層膜構造となるほど大きくなる。一方、ラップトップコ
ンピュータやその他のポータブルな情報処理装置のメモ
リとして光ディスクを使用する場合は、記録媒体の薄型
化が要求されている。記録媒体を薄型化するには、光記
録媒体の基板を従来の1.2mmから1.2mm以下に
薄くする必要がある。ここで、基板を薄くすれば基板の
薄型化に伴って、記録媒体成膜時の、成膜応力による基
板の変形が著しい。このような基板の変形は、記録再生
時のトタッキング性能や記録再生信号のC/N、又は書
き換え特性を損なうため、その対策が必要である。
向上や信頼性の増加を目的として多層膜構造とする場合
が多い。記録媒体を多層膜構造とすれば、記録媒体成膜
時の成膜応力によって、基板に変形が生じる。この基板
の変形は、成膜材料によっても異なるが、記録媒体が多
層膜構造となるほど大きくなる。一方、ラップトップコ
ンピュータやその他のポータブルな情報処理装置のメモ
リとして光ディスクを使用する場合は、記録媒体の薄型
化が要求されている。記録媒体を薄型化するには、光記
録媒体の基板を従来の1.2mmから1.2mm以下に
薄くする必要がある。ここで、基板を薄くすれば基板の
薄型化に伴って、記録媒体成膜時の、成膜応力による基
板の変形が著しい。このような基板の変形は、記録再生
時のトタッキング性能や記録再生信号のC/N、又は書
き換え特性を損なうため、その対策が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、情報記録媒
体、特に、相変化型記録媒体を用いた光ディスクは、そ
の特性向上を目的として、光の干渉効果を利用するため
に誘電体膜を設けることや反射膜を設けることが一般的
に行われている。例えば、書き換え可能型光ディスクの
構造は、特開昭63−251290号公報に記載した場
合では、In−Sb−Te系合金を記録媒体として、透
明基板/誘電体膜/In−Sb−Te記録媒体/誘電体
膜/反射膜/保護層より構成されている。このように、
相変化型記録媒体を用いた光記録媒体は、光の干渉効果
を利用するために、誘電体膜や反射膜を設けることが一
般に行われている。ここで、前記誘電体膜としては屈折
率と透過率の大きな珪素、ジルコニウム、アルミニウム
等の窒化物、酸化物、硫化物、炭化物又は硼化物が用い
られている。また、干渉効果を高めるために、前記の誘
電体膜及び記録媒体膜を透過した光を反射させるために
反射膜が設けられている。反射膜には、通常、アルミニ
ウム、金、銀、銅、白金、ニッケル又はこれらの合金か
らなる高反射率の物質が用いられている。
体、特に、相変化型記録媒体を用いた光ディスクは、そ
の特性向上を目的として、光の干渉効果を利用するため
に誘電体膜を設けることや反射膜を設けることが一般的
に行われている。例えば、書き換え可能型光ディスクの
構造は、特開昭63−251290号公報に記載した場
合では、In−Sb−Te系合金を記録媒体として、透
明基板/誘電体膜/In−Sb−Te記録媒体/誘電体
膜/反射膜/保護層より構成されている。このように、
相変化型記録媒体を用いた光記録媒体は、光の干渉効果
を利用するために、誘電体膜や反射膜を設けることが一
般に行われている。ここで、前記誘電体膜としては屈折
率と透過率の大きな珪素、ジルコニウム、アルミニウム
等の窒化物、酸化物、硫化物、炭化物又は硼化物が用い
られている。また、干渉効果を高めるために、前記の誘
電体膜及び記録媒体膜を透過した光を反射させるために
反射膜が設けられている。反射膜には、通常、アルミニ
ウム、金、銀、銅、白金、ニッケル又はこれらの合金か
らなる高反射率の物質が用いられている。
【0006】このように光ディスクの特性向上を目的と
して前記の誘電体膜又は反射膜を成膜形成させる場合、
大きな成膜応力が基板に作用する。この基板に作用する
成膜応力は基板を変形させて、記録再生時のトタッキン
グ性能や記録再生信号のC/N、又は書き換え特性を損
なう場合が多い。特に、ラップトップコンピュータやそ
の他のポータブルな情報処理装置のメモリとして光記録
媒体の基板を従来の1.2mmから1.2mm以下に薄
くする場合、基板が薄くなるほど記録媒体の変形量が増
大する。前述したように、このような基板の変形は、記
録再生時のトタッキング性能や記録再生信号のC/N又
は書き換え特性を損なうため、その対策が必要である。
本発明の目的は、かかる問題を解決して、C/N及び消
去比特性、並びに書き換え寿命が良好な情報記録媒体、
特に、書き換え可能型光記録媒体とその製造方法を提供
することにある。
して前記の誘電体膜又は反射膜を成膜形成させる場合、
大きな成膜応力が基板に作用する。この基板に作用する
成膜応力は基板を変形させて、記録再生時のトタッキン
グ性能や記録再生信号のC/N、又は書き換え特性を損
なう場合が多い。特に、ラップトップコンピュータやそ
の他のポータブルな情報処理装置のメモリとして光記録
媒体の基板を従来の1.2mmから1.2mm以下に薄
くする場合、基板が薄くなるほど記録媒体の変形量が増
大する。前述したように、このような基板の変形は、記
録再生時のトタッキング性能や記録再生信号のC/N又
は書き換え特性を損なうため、その対策が必要である。
本発明の目的は、かかる問題を解決して、C/N及び消
去比特性、並びに書き換え寿命が良好な情報記録媒体、
特に、書き換え可能型光記録媒体とその製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、厚さ0.05〜1.2mmの熱可塑性
を有する基板と、該基板上に形成された高融点物質及び
無機記録媒体とを有する光記録媒体において、前記光記
録媒体は成膜された基板上の残留応力が30MPa以下
である光記録媒体としたものである。また、上記光記録
媒体の製造方法として、前記高融点物質及び/又は無機
記録媒体の成膜中に派生する成膜応力による基板の変形
を、逐次矯正処理を施すか、あるいは更に応力緩和処理
を施しながら、前記高融点物質及び/又は無機記録媒体
を成膜形成することとしたものである。
に、本発明では、厚さ0.05〜1.2mmの熱可塑性
を有する基板と、該基板上に形成された高融点物質及び
無機記録媒体とを有する光記録媒体において、前記光記
録媒体は成膜された基板上の残留応力が30MPa以下
である光記録媒体としたものである。また、上記光記録
媒体の製造方法として、前記高融点物質及び/又は無機
記録媒体の成膜中に派生する成膜応力による基板の変形
を、逐次矯正処理を施すか、あるいは更に応力緩和処理
を施しながら、前記高融点物質及び/又は無機記録媒体
を成膜形成することとしたものである。
【0008】そして、具体的には光記録媒体の製造方法
として、成膜中に派生する成膜応力による基板の変形
を、前記基板を支持する平坦なホルダーと矯正平板との
間で加熱し、加圧する矯正と応力緩和処理を逐次施しな
がら成膜形成するか、あるいは、前記基板の変形を、基
板を支持する平坦なホルダーと、加熱が可能で、しか
も、回転と往復運動するシャフトと、そのシャフトに設
置された矯正平板との間で加熱し、加圧する矯正と応力
緩和処理を施しながら前記高融点物質及び/又は無機記
録媒体を成膜形成するものである。
として、成膜中に派生する成膜応力による基板の変形
を、前記基板を支持する平坦なホルダーと矯正平板との
間で加熱し、加圧する矯正と応力緩和処理を逐次施しな
がら成膜形成するか、あるいは、前記基板の変形を、基
板を支持する平坦なホルダーと、加熱が可能で、しか
も、回転と往復運動するシャフトと、そのシャフトに設
置された矯正平板との間で加熱し、加圧する矯正と応力
緩和処理を施しながら前記高融点物質及び/又は無機記
録媒体を成膜形成するものである。
【0009】次に、本発明を詳細に説明する。本発明
は、光ディスクの記録再生効率の向上や信頼性の増加を
目的として、多層膜構造とする場合の、基板の変形を防
止して記録再生時のトラッキング性能や記録再生信号の
C/N、又は書き換え特性を改善するものであり、光記
録媒体、特に、結晶の相変化を利用した相変化型記録媒
体として、例えばIn−Sb−Te系合金を用い、透明
基板/誘電体膜/In−Sb−Te記録媒体/誘電体膜
/反射膜/保護層からなる構成で、基板を1.2mm以
下に薄くした光記録媒体において、光記録媒体の成膜方
法を改善させることにより、記録膜及び光干渉膜又は反
射膜を有する光記録媒体の、成膜による基板の変形を防
止して、トラッキング性能や記録再生信号のC/N、又
は書き換え特性を改善する光記録媒体を得ることを特徴
とする。
は、光ディスクの記録再生効率の向上や信頼性の増加を
目的として、多層膜構造とする場合の、基板の変形を防
止して記録再生時のトラッキング性能や記録再生信号の
C/N、又は書き換え特性を改善するものであり、光記
録媒体、特に、結晶の相変化を利用した相変化型記録媒
体として、例えばIn−Sb−Te系合金を用い、透明
基板/誘電体膜/In−Sb−Te記録媒体/誘電体膜
/反射膜/保護層からなる構成で、基板を1.2mm以
下に薄くした光記録媒体において、光記録媒体の成膜方
法を改善させることにより、記録膜及び光干渉膜又は反
射膜を有する光記録媒体の、成膜による基板の変形を防
止して、トラッキング性能や記録再生信号のC/N、又
は書き換え特性を改善する光記録媒体を得ることを特徴
とする。
【0010】すなわち、光記録媒体の膜構成を前述の透
明基板/誘電体膜/In−Sb−Te記録媒体/誘電体
膜/反射膜/保護層とする多層膜構造とした場合、各層
には成膜応力が派生するため、この成膜応力の作用によ
り基板の変形が余儀なくされる。この基板の変形は、成
膜層が多層になるほど増大する。これは、各成膜層での
成膜応力が基板の変形に加算されるためである。また、
光記録媒体の基板厚さが異なっても、記録媒体の成膜形
成量はほとんど変化しない。このため、基板が薄くなる
場合ほど成膜応力が大きく作用し、記録媒体の変形を増
大させる。ここで、記録媒体の変形防止には、成膜中に
基板と成膜物質との収縮率の差によって生じる成膜応力
を減少させる必要がある。しかしながら、スパッタ成膜
法の場合では、成膜応力を減じるために、スパッタ電流
及び電圧又はスパッタガス等のスパッタ条件を変化させ
ても基板の変形を防止することは不可能であった。
明基板/誘電体膜/In−Sb−Te記録媒体/誘電体
膜/反射膜/保護層とする多層膜構造とした場合、各層
には成膜応力が派生するため、この成膜応力の作用によ
り基板の変形が余儀なくされる。この基板の変形は、成
膜層が多層になるほど増大する。これは、各成膜層での
成膜応力が基板の変形に加算されるためである。また、
光記録媒体の基板厚さが異なっても、記録媒体の成膜形
成量はほとんど変化しない。このため、基板が薄くなる
場合ほど成膜応力が大きく作用し、記録媒体の変形を増
大させる。ここで、記録媒体の変形防止には、成膜中に
基板と成膜物質との収縮率の差によって生じる成膜応力
を減少させる必要がある。しかしながら、スパッタ成膜
法の場合では、成膜応力を減じるために、スパッタ電流
及び電圧又はスパッタガス等のスパッタ条件を変化させ
ても基板の変形を防止することは不可能であった。
【0011】ところが、記録媒体をスパッタ法により成
膜形成する場合において、各記録媒体層を成膜形成する
際に派生する成膜応力は軽減できないが、各記録媒体層
を成膜形成後、記録媒体成膜層に応力緩和処理を施すこ
とにより、記録媒体の各成膜層に派生する成膜応力を軽
減して基板の変形を防止することができる。そして、こ
の記録媒体の各成膜層に応力緩和処理を施す場合に、各
成膜層の矯正処理も同時に施行することにより光記録媒
体の変形を防止するものである。すなわち、記録媒体成
膜層に応力緩和処理を施すのみでは、記録媒体に残留す
る成膜応力は軽減できるが、記録媒体への成膜応力によ
り変形は修正できない。一方、記録媒体を平坦にする矯
正処理のみでは、記録媒体は平坦になるが、記録媒体に
残留応力が残存する。記録媒体に残留応力が残存すれ
ば、光記録媒体を記録再生する際、書き換え特性を低下
させる。そのため、光記録媒体はトラッキング特性を良
好にするためには平坦で、記録再生信号のC/N、又は
書き換え特性を改善するには、残留応力が残存しない記
録媒体とすることが望ましい。
膜形成する場合において、各記録媒体層を成膜形成する
際に派生する成膜応力は軽減できないが、各記録媒体層
を成膜形成後、記録媒体成膜層に応力緩和処理を施すこ
とにより、記録媒体の各成膜層に派生する成膜応力を軽
減して基板の変形を防止することができる。そして、こ
の記録媒体の各成膜層に応力緩和処理を施す場合に、各
成膜層の矯正処理も同時に施行することにより光記録媒
体の変形を防止するものである。すなわち、記録媒体成
膜層に応力緩和処理を施すのみでは、記録媒体に残留す
る成膜応力は軽減できるが、記録媒体への成膜応力によ
り変形は修正できない。一方、記録媒体を平坦にする矯
正処理のみでは、記録媒体は平坦になるが、記録媒体に
残留応力が残存する。記録媒体に残留応力が残存すれ
ば、光記録媒体を記録再生する際、書き換え特性を低下
させる。そのため、光記録媒体はトラッキング特性を良
好にするためには平坦で、記録再生信号のC/N、又は
書き換え特性を改善するには、残留応力が残存しない記
録媒体とすることが望ましい。
【0012】本発明の記録媒体、すなわち、平坦でしか
も残留応力が残存しない記録媒体を成膜形成する方法
は、記録媒体にガラス又はポリカーボネイトなどの熱可
塑性の透明基板を用いた場合、これら透明基板に作用し
た応力は任意の温度で恒温保持することにより除去でき
ること、及び、これら基板を矯正する場合においても、
任意の温度で恒温保持しながら矯正処理を施した場合
に、前述の平坦で、しかも残留応力を著しく低減できる
記録媒体が得られる。そして、記録媒体の基板にガラス
又はポリカーボネイトなどの熱可塑性の基板を用いた場
合、前述した高融点の光干渉膜及び反射膜を光記録媒体
として多層成膜形成した場合でも、任意の好適な温度で
矯正及び応力緩和処理を施せば、前記光記録媒体の残留
応力を30MPa以下にすることができる。ここで、矯
正及び応力緩和処理の好適な温度は、後述するように記
録媒体の基板にガラスを用いた場合は、100〜500
℃の温度範囲であり、ポリカーボネイトなどのプラスチ
ック基板の場合は、50〜120℃の温度範囲となる。
また、本発明の光記録媒体において、前記記録膜が、結
晶−非晶質、又は結晶−結晶間で可逆的相変化する記録
媒体であることが好ましい。
も残留応力が残存しない記録媒体を成膜形成する方法
は、記録媒体にガラス又はポリカーボネイトなどの熱可
塑性の透明基板を用いた場合、これら透明基板に作用し
た応力は任意の温度で恒温保持することにより除去でき
ること、及び、これら基板を矯正する場合においても、
任意の温度で恒温保持しながら矯正処理を施した場合
に、前述の平坦で、しかも残留応力を著しく低減できる
記録媒体が得られる。そして、記録媒体の基板にガラス
又はポリカーボネイトなどの熱可塑性の基板を用いた場
合、前述した高融点の光干渉膜及び反射膜を光記録媒体
として多層成膜形成した場合でも、任意の好適な温度で
矯正及び応力緩和処理を施せば、前記光記録媒体の残留
応力を30MPa以下にすることができる。ここで、矯
正及び応力緩和処理の好適な温度は、後述するように記
録媒体の基板にガラスを用いた場合は、100〜500
℃の温度範囲であり、ポリカーボネイトなどのプラスチ
ック基板の場合は、50〜120℃の温度範囲となる。
また、本発明の光記録媒体において、前記記録膜が、結
晶−非晶質、又は結晶−結晶間で可逆的相変化する記録
媒体であることが好ましい。
【0013】さらに、本発明の光記録媒体は、光を照射
することにより、記録媒体に情報を記録、消去又は再生
する光記録装置において、前記情報の書き換えを、波長
が450〜860nmであって、前記媒体膜面の出力が
1〜50mWの半導体レーザを用いて行うことができ
る。また、本発明は、光記録媒体の記録再生特性を向上
させ、情報の書き換えに伴う記録再生信号のC/N、又
は書き換え寿命の低下を防止するために、記録媒体を平
坦で、残留応力が残存しない記録媒体とすることがで
き、前述した光記録媒体の欠点を改善したものである。
また、相変化型記録媒体を用いた光記録媒体の場合、非
晶質と結晶との相変化を利用して情報の記録及び再生を
行っており、この場合、記録媒体の非晶質と結晶質との
可逆的相変化を生じせしめるため、記録媒体を融点以上
の高温度に繰り返し加熱される。
することにより、記録媒体に情報を記録、消去又は再生
する光記録装置において、前記情報の書き換えを、波長
が450〜860nmであって、前記媒体膜面の出力が
1〜50mWの半導体レーザを用いて行うことができ
る。また、本発明は、光記録媒体の記録再生特性を向上
させ、情報の書き換えに伴う記録再生信号のC/N、又
は書き換え寿命の低下を防止するために、記録媒体を平
坦で、残留応力が残存しない記録媒体とすることがで
き、前述した光記録媒体の欠点を改善したものである。
また、相変化型記録媒体を用いた光記録媒体の場合、非
晶質と結晶との相変化を利用して情報の記録及び再生を
行っており、この場合、記録媒体の非晶質と結晶質との
可逆的相変化を生じせしめるため、記録媒体を融点以上
の高温度に繰り返し加熱される。
【0014】このため、記録媒体に接して形成される光
干渉膜は、記録媒体の溶融凝固に伴う膨張及び収縮が繰
り返しなされる事により、大きな熱歪が生じる。相変化
型記録媒体を用いた光記録媒体で、情報の記録及び再生
を繰り返し行う場合、この熱歪の繰り返し作用により、
熱疲労が発生し、光干渉膜に剥離又は亀裂が生じ易くな
る。この場合、これら光記録媒体の構成膜に残留応力が
残存した場合は、構成膜の剥離又は亀裂の発生が助長さ
れる。光記録媒体の構成膜に剥離又は亀裂が生じれば、
記録層の記録溶融時の流出移動が起こること、誘電体膜
による干渉効果が減少すること等により、光記録媒体の
光学特性が異なって来る。このため、光ディスクのC/
N及び消去比特性、並びに書き換え特性が低下するが、
本発明により、光記録媒体の構成膜に矯正処理及び応力
緩和処理を施すことにより、記録再生のトラッキング性
能や記録媒体構成膜の熱疲労特性を改善し、剥離又は亀
裂の発生を防止すると共に、光ディスクのC/N及び消
去比特性、並びに書き換え寿命を増大させる。
干渉膜は、記録媒体の溶融凝固に伴う膨張及び収縮が繰
り返しなされる事により、大きな熱歪が生じる。相変化
型記録媒体を用いた光記録媒体で、情報の記録及び再生
を繰り返し行う場合、この熱歪の繰り返し作用により、
熱疲労が発生し、光干渉膜に剥離又は亀裂が生じ易くな
る。この場合、これら光記録媒体の構成膜に残留応力が
残存した場合は、構成膜の剥離又は亀裂の発生が助長さ
れる。光記録媒体の構成膜に剥離又は亀裂が生じれば、
記録層の記録溶融時の流出移動が起こること、誘電体膜
による干渉効果が減少すること等により、光記録媒体の
光学特性が異なって来る。このため、光ディスクのC/
N及び消去比特性、並びに書き換え特性が低下するが、
本発明により、光記録媒体の構成膜に矯正処理及び応力
緩和処理を施すことにより、記録再生のトラッキング性
能や記録媒体構成膜の熱疲労特性を改善し、剥離又は亀
裂の発生を防止すると共に、光ディスクのC/N及び消
去比特性、並びに書き換え寿命を増大させる。
【0015】本発明は、記録再生のトラッキング性能や
書き換え寿命を改善し、記録再生信号のC/Nを高める
ために、光記録媒体の各成膜層の残留応力を30MPa
以下にするものである。すなわち、光ディスクの構造
を、透明基板/光干渉層/In−Sb−Te記録媒体/
光干渉層/反射膜/保護層とした場合において、トラッ
キング性能や書き換え寿命の改善、及び記録再生信号の
C/Nを高めるために、光記録媒体の成膜形成に際し
て、応力緩和処理及び矯正処理を逐次施した成膜形成法
とすることにより前述の光記録媒体特性を得ることが出
来る。前記書き換え可能型光記録媒体は、カード等に搭
載すれば情報の記録再生容量の大きなディスクインカー
ドが得られる。また、CD(コンパクトディスク)及び
光カード等の光記録媒体に本発明を適用すれば、装置の
小型化と共に、記録再生寿命の良好なCD及び光カード
が作製出来る。特に、光カードに本発明を適用する場
合、光ディスクいわゆる情報記録媒体を透明部分を有す
るケースに回転可能に収納することが好ましい。
書き換え寿命を改善し、記録再生信号のC/Nを高める
ために、光記録媒体の各成膜層の残留応力を30MPa
以下にするものである。すなわち、光ディスクの構造
を、透明基板/光干渉層/In−Sb−Te記録媒体/
光干渉層/反射膜/保護層とした場合において、トラッ
キング性能や書き換え寿命の改善、及び記録再生信号の
C/Nを高めるために、光記録媒体の成膜形成に際し
て、応力緩和処理及び矯正処理を逐次施した成膜形成法
とすることにより前述の光記録媒体特性を得ることが出
来る。前記書き換え可能型光記録媒体は、カード等に搭
載すれば情報の記録再生容量の大きなディスクインカー
ドが得られる。また、CD(コンパクトディスク)及び
光カード等の光記録媒体に本発明を適用すれば、装置の
小型化と共に、記録再生寿命の良好なCD及び光カード
が作製出来る。特に、光カードに本発明を適用する場
合、光ディスクいわゆる情報記録媒体を透明部分を有す
るケースに回転可能に収納することが好ましい。
【0016】
【作用】本発明の、応力緩和処理及び矯正処理を逐次施
した成膜形成法により作製した光記録媒体は、成膜中に
生じる記録媒体の反り等の変形を防止できるために記録
再生のトラッキング性能を向上できる。また、記録媒体
の表面応力を30MPa以下とすることができ、書き換
え寿命を改善し、記録再生信号のC/Nを高める効果が
ある。繰返しの書換え寿命が改善される理由は、前記光
記録媒体の表面応力30MPa以下とすることにより、
書換え時の光記録媒体への熱歪等が緩和される構成膜の
熱疲労寿命を向上させるためと考える。すなわち、光記
録媒体の表面応力30MPa以下とすることにより、光
記録媒体の熱疲労強度を増加させる作用があり、このた
め、記録媒体に従来生じた膜の剥離及び亀裂の発生を防
止する作用があり、繰返しの書換え寿命及び記録再生信
号のC/N、消去比特性を改善することができるものと
考える。また、本発明により基板厚さ0.05〜1.2
mmの範囲で、反りなどの変形の少ない前記光記録媒体
を作成できる。このため、従来は反りなどの変形を防止
することが困難であった基板厚さ0.05mmの光記録
媒体を、反りなどの変形を防止して作成できる。このた
め、該光記録媒体を用いて装置の小型化を計ることがで
きる。
した成膜形成法により作製した光記録媒体は、成膜中に
生じる記録媒体の反り等の変形を防止できるために記録
再生のトラッキング性能を向上できる。また、記録媒体
の表面応力を30MPa以下とすることができ、書き換
え寿命を改善し、記録再生信号のC/Nを高める効果が
ある。繰返しの書換え寿命が改善される理由は、前記光
記録媒体の表面応力30MPa以下とすることにより、
書換え時の光記録媒体への熱歪等が緩和される構成膜の
熱疲労寿命を向上させるためと考える。すなわち、光記
録媒体の表面応力30MPa以下とすることにより、光
記録媒体の熱疲労強度を増加させる作用があり、このた
め、記録媒体に従来生じた膜の剥離及び亀裂の発生を防
止する作用があり、繰返しの書換え寿命及び記録再生信
号のC/N、消去比特性を改善することができるものと
考える。また、本発明により基板厚さ0.05〜1.2
mmの範囲で、反りなどの変形の少ない前記光記録媒体
を作成できる。このため、従来は反りなどの変形を防止
することが困難であった基板厚さ0.05mmの光記録
媒体を、反りなどの変形を防止して作成できる。このた
め、該光記録媒体を用いて装置の小型化を計ることがで
きる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 図1に本発明の光記録媒体製造装置の基本的な断面模式
図を示す。図は、光記録媒体を製造する場合の装置の模
式を示している。従来、光記録媒体をスパッタ法で成膜
形成する場合は、真空チャンバー1内に設置された基板
ホルダー7に、基板9を装填し、同様に、装置内に設置
するターゲット支持台5に搭載されたスパッタターゲッ
ト6を有する装置において、真空チャンバー1内を真空
排気孔2より真空排気後、基板9とターゲット6に電圧
を印加し、ガス導入孔3より導入されたスパッタガスを
グロー放電させ、このグロー放電により生じたスパッタ
ガス粒子により、ターゲット6組成を基板9にスパッタ
成膜する。この従来のスパッタ成膜法では、光記録媒体
の膜構成が多層化した場合、又は高融点物質たとえばT
i,Cr,Mo等を成膜形成する場合は、スパッタ成膜
による基板の変形は防止できない。これは光記録媒体の
膜構成が多層化した場合、記録媒体を構成する各層での
成膜応力が、光記録媒体に加算して作用するため基板の
変形が促進されるためと考える。また、高融点物質たと
えばTi,Cr,Mo等の成膜形成では、大きい成膜応
力が派生するため記録媒体の変形が大きい。
るが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 図1に本発明の光記録媒体製造装置の基本的な断面模式
図を示す。図は、光記録媒体を製造する場合の装置の模
式を示している。従来、光記録媒体をスパッタ法で成膜
形成する場合は、真空チャンバー1内に設置された基板
ホルダー7に、基板9を装填し、同様に、装置内に設置
するターゲット支持台5に搭載されたスパッタターゲッ
ト6を有する装置において、真空チャンバー1内を真空
排気孔2より真空排気後、基板9とターゲット6に電圧
を印加し、ガス導入孔3より導入されたスパッタガスを
グロー放電させ、このグロー放電により生じたスパッタ
ガス粒子により、ターゲット6組成を基板9にスパッタ
成膜する。この従来のスパッタ成膜法では、光記録媒体
の膜構成が多層化した場合、又は高融点物質たとえばT
i,Cr,Mo等を成膜形成する場合は、スパッタ成膜
による基板の変形は防止できない。これは光記録媒体の
膜構成が多層化した場合、記録媒体を構成する各層での
成膜応力が、光記録媒体に加算して作用するため基板の
変形が促進されるためと考える。また、高融点物質たと
えばTi,Cr,Mo等の成膜形成では、大きい成膜応
力が派生するため記録媒体の変形が大きい。
【0018】本発明は光記録媒体を多層膜構成とした場
合で、しかも前述の高融点物質を成膜形成する場合でも
変形の少ない光記録媒体を提供するものである。すなわ
ち、本発明では、光記録媒体を多層成膜する場合、記録
媒体各層に逐次矯正処理及び応力緩和処理を施しながら
成膜形成するものであり、その要旨を図1を用いて説明
する。本発明は、真空チャンバー1内に設置した基板9
とスパッタターゲット6とに電圧を印加し、ターゲット
6組成を基板9にスパッタ成膜する場合において、記録
媒体各層の成膜後、基板9とスパッタターゲット6との
間に設けた加熱可能な加圧矯正板10と基板ホルダー7
とで、基板9に加圧矯正及び任意の温度での応力緩和処
理を施して、記録媒体各層の成膜形成の際に基板9に生
じた変形を矯正すると共に応力を緩和低減するものであ
る。この加圧矯正板10は、加圧矯正板支持台11に固
定されており、加圧矯正板駆動シャフト12により駆動
される。すなわち、加圧矯正板駆動シャフト12は回転
及び往復運動機能を有しており、記録媒体を成膜形成す
る際は成膜を妨げないように、加圧矯正板駆動シャフト
12を回転させて、基板9とスパッタターゲット6との
間から加圧矯正板を、チャンバー1内の他の位置に移動
隔離する。
合で、しかも前述の高融点物質を成膜形成する場合でも
変形の少ない光記録媒体を提供するものである。すなわ
ち、本発明では、光記録媒体を多層成膜する場合、記録
媒体各層に逐次矯正処理及び応力緩和処理を施しながら
成膜形成するものであり、その要旨を図1を用いて説明
する。本発明は、真空チャンバー1内に設置した基板9
とスパッタターゲット6とに電圧を印加し、ターゲット
6組成を基板9にスパッタ成膜する場合において、記録
媒体各層の成膜後、基板9とスパッタターゲット6との
間に設けた加熱可能な加圧矯正板10と基板ホルダー7
とで、基板9に加圧矯正及び任意の温度での応力緩和処
理を施して、記録媒体各層の成膜形成の際に基板9に生
じた変形を矯正すると共に応力を緩和低減するものであ
る。この加圧矯正板10は、加圧矯正板支持台11に固
定されており、加圧矯正板駆動シャフト12により駆動
される。すなわち、加圧矯正板駆動シャフト12は回転
及び往復運動機能を有しており、記録媒体を成膜形成す
る際は成膜を妨げないように、加圧矯正板駆動シャフト
12を回転させて、基板9とスパッタターゲット6との
間から加圧矯正板を、チャンバー1内の他の位置に移動
隔離する。
【0019】図2は、記録媒体を成膜形成後加圧矯正及
び応力緩和処理を施す場合の模式図を示す。図に示すよ
うに記録媒体の基板9を、ヒーター8により加熱可能な
基板ホルダー7と加圧矯正板10とで加圧矯正すると共
に任意の温度に加熱して応力緩和処理を施すものであ
る。この場合、基板9の矯正による平坦度は基板ホルダ
ー7と加圧矯正板10との接触する面精度、矯正圧力及
び応力緩和温度によって定まる。特に、記録媒体の平坦
度を良好にするためには基板ホルダー8及び加圧矯正板
10の構成材質の選定が重要である。すなわち、基板ホ
ルダー7及び加圧矯正板10に酸化され易い材料や高温
強度の低い材質を選定した場合は、酸化による面精度の
損傷や矯正圧力の調整が困難となるため、良好な平坦度
が得られない。これら基板ホルダー7及び加圧矯正板1
0の構成材質について個々検討した結果、これらの構成
材質としては、Si3 N4 ,AlN,BN,TiN,Z
rN,SiO2 ,Al2 O3 ,Ta2 O5 ,B4 C,T
iC,WC等のファインセラミック及び誘電体材が好適
であることを知見した。
び応力緩和処理を施す場合の模式図を示す。図に示すよ
うに記録媒体の基板9を、ヒーター8により加熱可能な
基板ホルダー7と加圧矯正板10とで加圧矯正すると共
に任意の温度に加熱して応力緩和処理を施すものであ
る。この場合、基板9の矯正による平坦度は基板ホルダ
ー7と加圧矯正板10との接触する面精度、矯正圧力及
び応力緩和温度によって定まる。特に、記録媒体の平坦
度を良好にするためには基板ホルダー8及び加圧矯正板
10の構成材質の選定が重要である。すなわち、基板ホ
ルダー7及び加圧矯正板10に酸化され易い材料や高温
強度の低い材質を選定した場合は、酸化による面精度の
損傷や矯正圧力の調整が困難となるため、良好な平坦度
が得られない。これら基板ホルダー7及び加圧矯正板1
0の構成材質について個々検討した結果、これらの構成
材質としては、Si3 N4 ,AlN,BN,TiN,Z
rN,SiO2 ,Al2 O3 ,Ta2 O5 ,B4 C,T
iC,WC等のファインセラミック及び誘電体材が好適
であることを知見した。
【0020】実施例2 図3に示す断面模式の光記録媒体を、本発明による記録
媒体各層に逐次矯正処理及び応力緩和処理を施しながら
成膜形成する方式で作成した。図に示す基板9として、
直径49mm、厚さ0.5mmのポリカーボネイト(以
下PCと呼称する)基板を用いて、光干渉膜15として
ZnSに20Mol%のSiO2 を混入させた誘電体膜
を70nmの厚さに成膜後、70℃で基板が平坦になる
ように矯正し、30分保持することで基板に派生した成
膜応力を緩和した。さらに、図に示した膜構成として、
記録膜16の相変化型記録媒体のIn50Sb17Te33合
金を30nm、ついでZnS−20Mol%SiO2 を
100nm、高融点金属膜17のTiを2nm、光反射
膜18のAuを200nm、高融点金属膜17のTiを
20nm、保護膜19のSiO2 を200nmの膜厚に
なるように、順次上述した矯正処理及び応力緩和処理を
施しながら成膜形成し、光記録媒体を作製した。
媒体各層に逐次矯正処理及び応力緩和処理を施しながら
成膜形成する方式で作成した。図に示す基板9として、
直径49mm、厚さ0.5mmのポリカーボネイト(以
下PCと呼称する)基板を用いて、光干渉膜15として
ZnSに20Mol%のSiO2 を混入させた誘電体膜
を70nmの厚さに成膜後、70℃で基板が平坦になる
ように矯正し、30分保持することで基板に派生した成
膜応力を緩和した。さらに、図に示した膜構成として、
記録膜16の相変化型記録媒体のIn50Sb17Te33合
金を30nm、ついでZnS−20Mol%SiO2 を
100nm、高融点金属膜17のTiを2nm、光反射
膜18のAuを200nm、高融点金属膜17のTiを
20nm、保護膜19のSiO2 を200nmの膜厚に
なるように、順次上述した矯正処理及び応力緩和処理を
施しながら成膜形成し、光記録媒体を作製した。
【0021】ここで、上記の光記録媒体の成膜形成条件
はいずれもスパッタ法により行い、ZnS−20Mol
%SiO2 の場合は純度99.9%以上の混合組成とし
たターゲットを用いて、出力RF200ワット、アルゴ
ンガス圧力5mTorrの条件で、相変化型記録媒体の
In50Sb17Te33合金は、この合金組成のターゲット
を用いて、出力RF200ワット、アルゴンガス圧力5
mTorrの条件で、Au及びTiは、純度99.9%
以上のそれぞれのターゲットを用いて、出力RF200
ワット、アルゴンガス圧力5mTorrの条件で、Si
O2 の場合は、SiO2ターゲットを用いて、出力RF
1.2キロワット、アルゴンガス圧力3mTorrの条
件でスパッタ成膜した。上記の成膜条件で作製した光記
録媒体の反り変形量は2μm以下であり、記録媒体の残
留応力は30MPa以下であった。
はいずれもスパッタ法により行い、ZnS−20Mol
%SiO2 の場合は純度99.9%以上の混合組成とし
たターゲットを用いて、出力RF200ワット、アルゴ
ンガス圧力5mTorrの条件で、相変化型記録媒体の
In50Sb17Te33合金は、この合金組成のターゲット
を用いて、出力RF200ワット、アルゴンガス圧力5
mTorrの条件で、Au及びTiは、純度99.9%
以上のそれぞれのターゲットを用いて、出力RF200
ワット、アルゴンガス圧力5mTorrの条件で、Si
O2 の場合は、SiO2ターゲットを用いて、出力RF
1.2キロワット、アルゴンガス圧力3mTorrの条
件でスパッタ成膜した。上記の成膜条件で作製した光記
録媒体の反り変形量は2μm以下であり、記録媒体の残
留応力は30MPa以下であった。
【0022】ここで、光記録媒体の干渉膜15は、光の
多重干渉効果を利用して記録膜16への光吸収効率を高
める事と、再生時の反射光量を増幅することや、記録膜
16が記録再生を繰り返した時に破壊されるのを防止す
るために設けられており、通常SiN,AlN,Zn
S,Al2 O3 ,Ta2 O5 等の誘電体膜が用いられて
いる。これら、SiN,AlN,ZnS,Al2 O3 ,
Ta2 O5等の誘電体膜を干渉膜15として成膜形成し
た場合でも、上述の光記録媒体の反り変形量又は残留応
力は変化が認められなかった。また、干渉膜15の特性
を向上させる目的で形成する光反射膜18の場合も、上
述したAu以外にAl、Cu、Pt等を成膜形成した
が、上述の光記録媒体の反り変形量又は残留応力には変
化が認められなかった。さらに、光反射膜18の密着性
を増加させるために成膜形成する、高融点金属膜17に
ついてもTi以外のCr、W、Ta、Moについて成膜
形成したが、上述の光記録媒体の反り変形量又は残留応
力には変化が認められなかった。このことから本発明の
有効性が確認できる。
多重干渉効果を利用して記録膜16への光吸収効率を高
める事と、再生時の反射光量を増幅することや、記録膜
16が記録再生を繰り返した時に破壊されるのを防止す
るために設けられており、通常SiN,AlN,Zn
S,Al2 O3 ,Ta2 O5 等の誘電体膜が用いられて
いる。これら、SiN,AlN,ZnS,Al2 O3 ,
Ta2 O5等の誘電体膜を干渉膜15として成膜形成し
た場合でも、上述の光記録媒体の反り変形量又は残留応
力は変化が認められなかった。また、干渉膜15の特性
を向上させる目的で形成する光反射膜18の場合も、上
述したAu以外にAl、Cu、Pt等を成膜形成した
が、上述の光記録媒体の反り変形量又は残留応力には変
化が認められなかった。さらに、光反射膜18の密着性
を増加させるために成膜形成する、高融点金属膜17に
ついてもTi以外のCr、W、Ta、Moについて成膜
形成したが、上述の光記録媒体の反り変形量又は残留応
力には変化が認められなかった。このことから本発明の
有効性が確認できる。
【0023】実施例3 次に更に具体的な例をもって本発明を詳述する。図4は
本発明の光記録媒体の成膜時の矯正試験結果を示す。図
には、直径49mmのPC基板を用いて、実施例2の場
合と同様に、光干渉膜15として、ZnSに20Mol
%のSiO2を混入させた誘電体膜を70nm、記録膜
16の相変化型記録媒体のIn50Sb17Te33合金を3
0nm、ついでZnS−20Mol%SiO2 を100
nm、高融点金属膜17のTiを2nm、光反射膜18
のAuを200nm、高融点金属膜17のTiを20n
m、保護膜19のSiO2 を200nmの膜厚になるよ
うに順次成膜した場合の矯正試験結果を示す。矯正試験
は、試験温度を80℃として、PC基板の厚さを0.0
5mm及び1.2mmとした場合について、矯正時間を
変化させた場合の試験結果を記録媒体の反り量として示
している。
本発明の光記録媒体の成膜時の矯正試験結果を示す。図
には、直径49mmのPC基板を用いて、実施例2の場
合と同様に、光干渉膜15として、ZnSに20Mol
%のSiO2を混入させた誘電体膜を70nm、記録膜
16の相変化型記録媒体のIn50Sb17Te33合金を3
0nm、ついでZnS−20Mol%SiO2 を100
nm、高融点金属膜17のTiを2nm、光反射膜18
のAuを200nm、高融点金属膜17のTiを20n
m、保護膜19のSiO2 を200nmの膜厚になるよ
うに順次成膜した場合の矯正試験結果を示す。矯正試験
は、試験温度を80℃として、PC基板の厚さを0.0
5mm及び1.2mmとした場合について、矯正時間を
変化させた場合の試験結果を記録媒体の反り量として示
している。
【0024】図から明らかなように、基板厚さ0.05
mmの場合は、10分程度の矯正時間で反りの少ない記
録媒体が得られ、基板厚さ1.2mmの場合でも30分
の矯正時間で反りの少ない記録媒体が得られることが分
かる。同様に、図5には矯正時間を30分として、矯正
温度を変化させた場合の矯正試験結果を示す。図4の場
合と同様の膜構成で、順次成膜した場合の矯正試験結果
を、基板厚さ0.05mm及び1.2mmのPC基板光
記録媒体の反り量として示している。図から、基板厚さ
0.05mm及び1.2mmの場合でも矯正温度70℃
以上で反りの少ない記録媒体が得られる。このことか
ら、PC基板を用いた上記光記録媒体の場合、70℃以
上の矯正温度で光記録媒体の成膜応力が緩和され、反り
の少ない記録媒体が得られることが分かる。
mmの場合は、10分程度の矯正時間で反りの少ない記
録媒体が得られ、基板厚さ1.2mmの場合でも30分
の矯正時間で反りの少ない記録媒体が得られることが分
かる。同様に、図5には矯正時間を30分として、矯正
温度を変化させた場合の矯正試験結果を示す。図4の場
合と同様の膜構成で、順次成膜した場合の矯正試験結果
を、基板厚さ0.05mm及び1.2mmのPC基板光
記録媒体の反り量として示している。図から、基板厚さ
0.05mm及び1.2mmの場合でも矯正温度70℃
以上で反りの少ない記録媒体が得られる。このことか
ら、PC基板を用いた上記光記録媒体の場合、70℃以
上の矯正温度で光記録媒体の成膜応力が緩和され、反り
の少ない記録媒体が得られることが分かる。
【0025】実施例4 図6は、直径49mmのPC基板を用いて、光干渉膜1
5として、ZnSに20Mol%のSiO2 を混入させ
た誘電体膜を70nm、記録膜16の相変化型記録媒体
のIn50Sb17Te33合金を30nm、ついでZnS−
20Mol%SiO2 を100nm、高融点金属膜17
のTiを2nm、光反射膜18のAuを200nm、高
融点金属膜17のTiを20nm、保護膜19のSiO
2 を200nmの膜厚になるように、実施例1に記載し
た矯正処理を施さない従来法及び本発明の成膜法で光記
録媒体を作製し、記録媒体の残留応力を測定した結果を
示すものである。本発明の成膜法は矯正温度80℃、矯
正時間30分で矯正処理を行った。これら各層のスパッ
タ成膜形成条件は、実施例2の場合と同一のターゲット
及びスパッタ成膜条件を用いた。図から、従来の方法で
作製した光記録媒体20には大きな残留応力が認められ
る。一方、記録媒体各層に、逐次矯正処理及び応力緩和
処理を施しながら成膜形成した、本発明の光記録媒体2
1の場合は、残留応力はほとんど認められない。また、
本発明の光記録媒体21の場合は、基板厚さが変わって
も残留応力はほとんど変化しないことが分かる。このよ
うに、本発明の光記録媒体21の場合は、従来の光記録
媒体20に比べて残留応力を著しく低減できるため、残
留応力によって生じる種々の障害を防止できる。
5として、ZnSに20Mol%のSiO2 を混入させ
た誘電体膜を70nm、記録膜16の相変化型記録媒体
のIn50Sb17Te33合金を30nm、ついでZnS−
20Mol%SiO2 を100nm、高融点金属膜17
のTiを2nm、光反射膜18のAuを200nm、高
融点金属膜17のTiを20nm、保護膜19のSiO
2 を200nmの膜厚になるように、実施例1に記載し
た矯正処理を施さない従来法及び本発明の成膜法で光記
録媒体を作製し、記録媒体の残留応力を測定した結果を
示すものである。本発明の成膜法は矯正温度80℃、矯
正時間30分で矯正処理を行った。これら各層のスパッ
タ成膜形成条件は、実施例2の場合と同一のターゲット
及びスパッタ成膜条件を用いた。図から、従来の方法で
作製した光記録媒体20には大きな残留応力が認められ
る。一方、記録媒体各層に、逐次矯正処理及び応力緩和
処理を施しながら成膜形成した、本発明の光記録媒体2
1の場合は、残留応力はほとんど認められない。また、
本発明の光記録媒体21の場合は、基板厚さが変わって
も残留応力はほとんど変化しないことが分かる。このよ
うに、本発明の光記録媒体21の場合は、従来の光記録
媒体20に比べて残留応力を著しく低減できるため、残
留応力によって生じる種々の障害を防止できる。
【0026】実施例5 図7は直径49mm、厚さ0.5mmの溝付PC基板を
用いて、実施例2の膜構成で光記録媒体を作製し、記録
媒体の反り量を変化させた場合のトラッキング特性試験
結果を示す。ここで、トラッキング特性は、光記録媒体
の回転速度1800rpmの条件で、レーザー光の読み
だし出力1ミリワットで記録再生した場合の、トラッキ
ングの外れる頻度で示している。図から、記録媒体の反
り量が20μm以下の場合、良好なトラッキング特性を
有することが分かる。本発明の光記録媒体の場合、実施
例3で上記したように、記録媒体の反り量は容易に20
μm以下とすることが可能であり、このことから、本発
明の光記録媒体が良好なトラッキング特性を有すること
が伺える。
用いて、実施例2の膜構成で光記録媒体を作製し、記録
媒体の反り量を変化させた場合のトラッキング特性試験
結果を示す。ここで、トラッキング特性は、光記録媒体
の回転速度1800rpmの条件で、レーザー光の読み
だし出力1ミリワットで記録再生した場合の、トラッキ
ングの外れる頻度で示している。図から、記録媒体の反
り量が20μm以下の場合、良好なトラッキング特性を
有することが分かる。本発明の光記録媒体の場合、実施
例3で上記したように、記録媒体の反り量は容易に20
μm以下とすることが可能であり、このことから、本発
明の光記録媒体が良好なトラッキング特性を有すること
が伺える。
【0027】実施例6 図8は、光記録媒体の書換え寿命試験結果を示す。図に
は、実施例4に示した図6の従来の成膜法で作製した光
記録媒体20と、本発明の成膜法で作製した光記録媒体
21についての書換え寿命試験の結果を示した。試験に
用いた光記録媒体は、サンプルサーボ方式のトラック案
内用ピットを形成した直径49mm、厚さ0.2mmの
PC基板を用いて作製した物であり、書換え寿命試験
は、ディスクの回転速度1800rpmの条件で、記録
時のレーザー光の膜面出力8ミリワット、消去時のレー
ザー光の膜面出力4ミリワットの試験条件で、繰返し書
込み、消去を行い、その寿命を記録再生信号のC/Nの
変化により比較した。図において、従来の光記録媒体2
0に比べて、本発明の光記録媒体21は、書換え寿命が
著しく改善されることが分かる。すなわち、従来の光記
録媒体20の場合は、1×105 回の繰返し書換えによ
り、記録再生信号のC/Nが、50dB以下に劣化する
が、本発明の光記録媒体21の場合は、2.5×105
回の繰返し書換えでも、記録再生信号のC/Nの劣化は
認められない。この様に、本発明の光記録媒体は、書き
換え寿命を著しく改善することが分かった。
は、実施例4に示した図6の従来の成膜法で作製した光
記録媒体20と、本発明の成膜法で作製した光記録媒体
21についての書換え寿命試験の結果を示した。試験に
用いた光記録媒体は、サンプルサーボ方式のトラック案
内用ピットを形成した直径49mm、厚さ0.2mmの
PC基板を用いて作製した物であり、書換え寿命試験
は、ディスクの回転速度1800rpmの条件で、記録
時のレーザー光の膜面出力8ミリワット、消去時のレー
ザー光の膜面出力4ミリワットの試験条件で、繰返し書
込み、消去を行い、その寿命を記録再生信号のC/Nの
変化により比較した。図において、従来の光記録媒体2
0に比べて、本発明の光記録媒体21は、書換え寿命が
著しく改善されることが分かる。すなわち、従来の光記
録媒体20の場合は、1×105 回の繰返し書換えによ
り、記録再生信号のC/Nが、50dB以下に劣化する
が、本発明の光記録媒体21の場合は、2.5×105
回の繰返し書換えでも、記録再生信号のC/Nの劣化は
認められない。この様に、本発明の光記録媒体は、書き
換え寿命を著しく改善することが分かった。
【0028】実施例7 図9は、本発明の光記録媒体を搭載したディスクインカ
ードの外観図を示す。図に於いて、21は光記録媒体、
22が保護ケース、23は光ディスクを回転させるため
のハブである。光ディスク21は、保護ケースに収納す
るため、サンプルサーボ方式のトラック安定用ビットを
形成した外径49mm×0.2mmtのPC基板を用い
て実施例4と同様の成膜条件で作製した。このディスク
イン光カードは、記録時のレーザーの膜面出力8ミリワ
ット、消去時のレーザーの膜面出力4ミリワットの条件
で、SiO2 保護層側から記録、消去試験を行った結果
50dB以上のC/Nが測定された。
ードの外観図を示す。図に於いて、21は光記録媒体、
22が保護ケース、23は光ディスクを回転させるため
のハブである。光ディスク21は、保護ケースに収納す
るため、サンプルサーボ方式のトラック安定用ビットを
形成した外径49mm×0.2mmtのPC基板を用い
て実施例4と同様の成膜条件で作製した。このディスク
イン光カードは、記録時のレーザーの膜面出力8ミリワ
ット、消去時のレーザーの膜面出力4ミリワットの条件
で、SiO2 保護層側から記録、消去試験を行った結果
50dB以上のC/Nが測定された。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、光情報記録媒体におけ
る反り量を低減できるため、トラッキング特性を良好に
する効果がある。また、記録媒体の残留応力も減少する
ため、記録、消去、書換え時の膜の剥離及び亀裂の生成
を防止する効果があり、書き換え寿命を回数で従来もの
に比べて2桁以上向上することができる。また、本発明
によれば、従来の基板(1.2mm)よりも厚さを薄く
することができる。そのため、光情報記録装置の小型薄
型化が容易となる効果を有する。
る反り量を低減できるため、トラッキング特性を良好に
する効果がある。また、記録媒体の残留応力も減少する
ため、記録、消去、書換え時の膜の剥離及び亀裂の生成
を防止する効果があり、書き換え寿命を回数で従来もの
に比べて2桁以上向上することができる。また、本発明
によれば、従来の基板(1.2mm)よりも厚さを薄く
することができる。そのため、光情報記録装置の小型薄
型化が容易となる効果を有する。
【図1】本発明の光記録媒体製造装置の基本構成を示す
模式図である。
模式図である。
【図2】本発明の光記録媒体製造時の矯正模式図であ
る。
る。
【図3】本発明の光記録媒体の構成を示す断面模式図で
ある。
ある。
【図4】本発明の光記録媒体の矯正試験結果を示すグラ
フである。
フである。
【図5】本発明の光記録媒体の矯正試験結果を示すグラ
フである。
フである。
【図6】本発明の光記録媒体の残留応力測定結果を示す
グラフである。
グラフである。
【図7】光記録媒体のトラッキング特性試験結果を示す
グラフである。
グラフである。
【図8】本発明の光記録媒体の書き換え寿命試験結果を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図9】本発明の光記録媒体を搭載したディスクインカ
ードの外観図である。
ードの外観図である。
1…チャンバー、2…真空排気孔、3…スパッタガス導
入孔、4…高周波電極、5…ターゲット支持台、6…ス
パッタターゲット、7…基板ホルダー、8…ヒーター、
9…基板、10…加圧矯正板、11…加圧矯正板支持
台、12…加圧矯正板駆動シャフト、13…陽極、14
…基板支持棒、15…光干渉膜、16…記録膜、17…
高融点金属膜、18…光反射膜、19…保護膜、20…
従来光記録媒体、21…本発明光記録媒体、22…保護
ケース、23…ハブ。
入孔、4…高周波電極、5…ターゲット支持台、6…ス
パッタターゲット、7…基板ホルダー、8…ヒーター、
9…基板、10…加圧矯正板、11…加圧矯正板支持
台、12…加圧矯正板駆動シャフト、13…陽極、14
…基板支持棒、15…光干渉膜、16…記録膜、17…
高融点金属膜、18…光反射膜、19…保護膜、20…
従来光記録媒体、21…本発明光記録媒体、22…保護
ケース、23…ハブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 佳均 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 生田 勲 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 美雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 厚さ0.05〜1.2mmの熱可塑性を
有する基板と、該基板上に形成された高融点物質及び無
機記録媒体とを有する光記録媒体において、前記光記録
媒体は成膜された基板上の残留応力が30MPa以下で
あることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1記載の光記録媒体において、該
記録媒体が結晶−非晶質及び結晶−結晶間で可逆的相変
化するものであることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項3】 前記基板が、ガラス又はプラスチックか
らなる熱可塑性の材料であることを特徴とする請求項1
記載の光記録媒体。 - 【請求項4】 請求項1記載の光記録媒体の製造方法に
おいて、前記高融点物質及び/又は無機記録媒体の成膜
中に派生する成膜応力による基板の変形を、逐次矯正処
理を施しながら、前記高融点物質及び/又は無機記録媒
体を成膜形成することを特徴とする光記録媒体の製造方
法。 - 【請求項5】 請求項1記載の光記録媒体の製造方法に
おいて、前記高融点物質及び/又は無機記録媒体の成膜
中に派生する成膜応力による基板の変形を、逐次矯正処
理及び応力緩和処理を施しながら、前記高融点物質及び
/又は無機記録媒体を成膜形成することを特徴とする光
記録媒体の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の光記録媒体の製造方法に
おいて、前記高融点物質及び/又は無機記録媒体のスパ
ッタによる成膜中に派生する成膜応力による基板の変形
を、逐次矯正処理と応力緩和処理を施しながら、前記高
融点物質及び/又は無機記録媒体を成膜形成することを
特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1記載の光記録媒体の製造方法に
おいて、前記高融点物質及び/又は無機記録媒体の成膜
中に派生する成膜応力による基板の変形を、前記基板を
支持する平坦なホルダーと矯正平板との間で加熱し、加
圧する矯正と応力緩和処理を逐次施しながら、前記高融
点物質及び/又は無機記録媒体を成膜形成することを特
徴とする光記録媒体の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1記載の光記録媒体の製造方法に
おいて、前記高融点物質及び/又は無機記録媒体の成膜
中に派生する成膜応力による基板の変形を、前記基板を
支持する平坦なホルダーと、加熱が可能で、しかも、回
転と往復運動するシャフトと、そのシャフトに設置され
た矯正平板との間で加熱し、加圧する矯正と応力緩和処
理を施しながら、前記高融点物質及び/又は無機記録媒
体を成膜形成することを特徴とする光記録媒体の製造方
法。 - 【請求項9】 前記平坦なホルダー及び矯正平板は、フ
ァインセラミック及び誘電体材で構成されることを特徴
とする請求項7又は8記載の前記光記録媒体の製造方
法。 - 【請求項10】 光を照射することにより、光記録媒体
に情報を記録、消去又は再生する情報記録装置におい
て、前記光記録媒体が請求項1記載の光記録媒体である
ことを特徴とする情報記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3337933A JPH05151618A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3337933A JPH05151618A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05151618A true JPH05151618A (ja) | 1993-06-18 |
Family
ID=18313367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3337933A Pending JPH05151618A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05151618A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7101593B2 (en) | 2000-04-25 | 2006-09-05 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Method for producing a disk-shaped substrate and method for producing an optical disk |
-
1991
- 1991-11-28 JP JP3337933A patent/JPH05151618A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7101593B2 (en) | 2000-04-25 | 2006-09-05 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Method for producing a disk-shaped substrate and method for producing an optical disk |
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