JPH05149424A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JPH05149424A
JPH05149424A JP3339779A JP33977991A JPH05149424A JP H05149424 A JPH05149424 A JP H05149424A JP 3339779 A JP3339779 A JP 3339779A JP 33977991 A JP33977991 A JP 33977991A JP H05149424 A JPH05149424 A JP H05149424A
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uphill
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考文 丸山
Satoru Sunada
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スロットル開度などから車両の予想加速度
を求め、実加速度との差分を算出してその平均値を求
め、それから平坦路用、登坂用、降坂用などのマップの
いずれかを選択してシフト位置を決定する。エアコンデ
ィショナ作動時は、予想加速度を減少補正する。 【効果】 エアコンディショナの駆動に機関出力が消
費されるときも、その消費分を補正して正確に予想加速
度を求めることができ、マップ選択を誤ることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車両用自動変速機の制
御装置に関し、より具体的には登降坂路を走行するとき
の変速制御特性を向上させる様にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の自動変速機の制御装置は一般
に、ギヤシフトスケジューリングマップを予め用意して
おき、走行時にスロットル開度などの機関負荷を示す運
転パラメータと車速を示す運転パラメータから検索して
変速比を決定している。しかしながら、そのギヤシフト
マップは一般的な走行状態を基に作成したものであるた
め、登降坂路等を走行するときは、必ずしも良好な変速
特性を与えるものでなかった。そのため特公昭59─8
698号公報に示される様に、平坦路走行用、登坂路走
行用など走行路の状態に応じてギヤシフトマップを別々
に備えておき、スロットル開度などの機関出力を示す運
転パラメータと車速などの走行状態を示す運転パラメー
タから平坦路での車両の走行抵抗を示す指標、具体的に
は走行加速度の予想値を求め、車速から算出した実際の
車両の加速度とを比較して差分、即ち走行抵抗を示す指
標を求め、その指標の値に応じてギヤシフトマップを選
択する様にした技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両にはエ
アコンディショナなどの補機が搭載されており、機関出
力を利用して駆動されている。従って、その様な補機が
作動している状態では機関出力の一部がその駆動に消費
されるため、機関負荷などの機関出力を示す運転パラメ
ータをそのまま用いるときは走行抵抗を示す指標を正確
に求めることができず、よって変速制御そのものを誤る
恐れがある。
【0004】従って、本発明の目的は上記した欠点を解
消し、機関出力が補機を作動する運転状態においても走
行抵抗を示す指標を正確に求め、誤制御を防止する様に
した車両用自動変速機の制御装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに本発明は例えば請求項1項に示す様に、機関負荷を
含む運転パラメータから車両の走行抵抗を示す値を求
め、それを基準値と比較して登降坂路を走行しているか
否か判断し、登降坂路を走行していると判断するときは
該登降坂路走行に適した変速段となるべく登降坂制御を
行う車両用自動変速機の制御装置において、機関の出力
トルク及び/又は自動変速機の入力トルクに影響を与え
る装置の作動状態に応じ、前記車両の走行抵抗を示す値
を補正する如く構成した。
【0006】
【作用】機関の出力トルク及び/又は自動変速機の入力
トルクに影響を与える装置の作動状態に応じて車両の走
行抵抗を示す値を補正するので、エアコンディショナな
どの補機が機関出力で駆動されるときも走行抵抗値を正
確に求めることができ、誤って制御値を決定することが
ない。
【0007】
【実施例】以下、添付図面に即して本発明の実施例を説
明する。
【0008】図1は本発明にかかる車両用自動変速機の
制御装置を全体的に示す概略図である。図において、符
号10は内燃機関を示す。内燃機関10が発生する機関
出力はシャフト12を通じて変速機14に送られ、トル
クコンバータ16のポンプインペラ16a、タービンラ
ンナ16bを介してメインシャフト18に伝えられる。
メインシャフト18とカウンタシャフト20との間には
前進4段・後進1段からなる歯車機構22が設けられる
と共に、そのカウンタシャフト20に平行してセカンダ
リシャフト24が配置される。各ギヤ段には油圧クラッ
チC1 〜C4 が配置される。尚、記号CHで示すもの
は、ワンウェイクラッチ26をバイパスするための油圧
クラッチである。ここで変速機出力はファイナルギヤ2
8を通じてディファレンシャル装置30に送られ、ドラ
イブシャフト32を通じて駆動輪34を駆動する。尚、
油圧クラッチC4 は前進と後進において使用され、セレ
クタ36が図において左方に位置するときは前進4速
が、右方に位置するときは図示しないアイドルギヤを介
してリバースギヤRVSが確立される。
【0009】内燃機関10の吸気路(図示せず)に配置
されたスロットル弁(図示せず)の付近にはその開度を
検出するスロットル開度センサ40が設けられる。また
変速機14のカウンタシャフト20の付近にはシャフト
20の回転速度から車速を検出する車速センサ42が設
けられる。更に、ブレーキペダル(図示せず)の付近に
はブレーキ操作の有無を検出するブレーキスイッチ44
が設けられ、また車両運転席床面に装着されたレンジセ
レクタ(図示せず)の付近にはP,R,N,D4,D
3,2,1の7種のレンジの中、運転者が選択したレン
ジ位置を検出するレンジセレクタスイッチ46が設けら
れる。更に、車両の適宜位置にはエアコンディショナ
(図示せず)の作動/非作動を示すエアコンディショナ
スイッチ48が設けられる。これらスロットル開度セン
サ40などの出力は、ECU(電子制御ユニット)50
に送られる。
【0010】ECU50はCPU50a,ROM50
b,RAM50c、入力回路50d及び出力回路50e
からなるマイクロ・コンピュータから構成され、前記し
たセンサ(スイッチ)出力は、入力回路50dを介して
マイクロ・コンピュータ内に入力される。マイクロ・コ
ンピュータにおいてCPU50aは後で詳細に述べる様
に走行路に応じたギヤシフトマップを選択してシフト位
置(ギヤ段)を決定し、出力回路50eを通じて油圧制
御回路のソレノイドバルブ54,56を励磁・非励磁す
ることによって図示しないシフトバルブを切り替え、所
定ギヤ段の油圧クラッチを解放・締結する。尚、ソレノ
イドバルブ58,60は、トルクコンバータ16のロッ
クアップ機構16cのオン・オフ制御用である。
【0011】続いて、図2フロー・チャートを参照して
本制御装置の動作を説明するが、その前に図3以下を用
いて本制御装置の特徴を簡単に説明すると、本制御装置
の場合、スロットル開度と車速とに応じて平坦路を走行
するとき車両に期待される予想加速度(3速についての
み)を予め設定しておく。他方、車速から車両が実際に
発生している実加速度を求め、係数を乗じて3速相当値
に補正する。次いで、それらの値を比較し、差分PNO,
PKUを求めて平均化し、それから相応するギヤシフトマ
ップを選択(切り換え)する様にした。予想加速度はE
CU50において前記したROM50b内に格納された
マップをスロットル開度と車速とから検索して求める。
図4にそのマップの特性を示す。ここで予想加速度をス
ロットル開度と車速とから求めるのは、車速、ギヤ段、
路面勾配などが同一な走行状態であれば、駆動力、即ち
機関負荷によって得られる加速度は相違し、また走行抵
抗、特に空気抵抗は車速に比例した値となるからであ
る。またギヤシフトマップは、重登坂用、軽登坂用、平
坦路用、軽降坂用、重降坂用の5種が用意される。図5
に平坦路用の、図6に軽登坂路用のマップの特性(平坦
路用に比して3速領域が拡大される)を示す。尚、簡略
化のために省略したが、図7に示す如く、各マップには
シフトアップ方向とシフトダウン方向とでヒステリシス
が設けられる。
【0012】図2フロー・チャートに戻ると、まずS1
0で演算に必要なパラメータを求める。パラメータとし
てスロットル開度などはセンサ出力値をそのまま求め、
また車速はセンサ42の出力パルスを所定時間カウント
して算出するが、スロットル開度についてはこのステッ
プで併せてその変化状態を検出しておくので、図8フロ
ー・チャートを参照して以下説明する。尚、図2フロー
・チャートに示すプログラムは、20ms毎のタイマ割り
込みで起動される。
【0013】図8フロー・チャートにおいては先ずS1
00で所定時間前に検出したスロットル開度THPTを読み
出し、S102で今回検出したスロットル開度THUSとの
差(絶対値)を求めて所定スロットル開度YDTTH(例え
ば0.5/8×WOT 〔度〕)と比較する。S102で差が
所定値を超える、即ちスロットル開度の変化量が大きい
と判断されるときはS104に進んで、スロットル急変
タイマ(ダウンカウンタ)TMETN に所定の値YTMETNをセ
ットして時間計測を開始する。尚、S102で差が所定
値未満と判断されるときは、プログラムを直ちに終了す
る。
【0014】図2フロー・チャートに戻ると、次いでS
12に進んで前記した予想加速度(”GGH”と称す
る)を求める。
【0015】図9はその作業を示すサブルーチン・フロ
ー・チャートであり、同図に従って説明すると、先ずS
200においてスロットル開度(マップ検索に使用する
スロットル開度を”GMAPTH”と称する)と現在の車速V
とから図4にその特性を示したマップを参照して予想加
速度のマップ検索値GGBASEを求める。尚、この値は先に
述べた様に、車両がそのスロットル開度と車速とで平坦
路を3速ギヤを使用して走行しているときに出力すると
予想される走行加速度であって、単位は〔m/s2 〕で
示される。尚、図4に示す値は、理解の便宜のために例
示的に記載したものである。
【0016】次いでS202に進んでエアコンディショ
ナスイッチがオン、即ちエアコンディショナが駆動され
ているか否か判断し、肯定されるときはS204に進ん
で補正値GGCOR を検索する。図10はその補正値の特性
を示すグラフであって図示の如く機関回転数に応じて予
め設定される。従って、S204ではROM50bに格
納されたこの補正特性に従って機関回転数から検索し、
S206に進んでマップ検索値から減算して補正する。
ここで補正値GGCOR の特性を図10に示す様に機関回転
数の増加にほぼ比例して増大する様に設定したのは、エ
アコンディショナのコンプレッサの駆動速度が機関回転
数の増加に応じて上昇する、即ちエアコンディショナの
駆動に消費される機関出力は、機関回転数が増加するほ
どエアコンプレッサのフリクションにより大きくなるた
めである。尚、S202でエアコンディショナが駆動さ
れていないと判断されるときは、S204〜S206を
スキップする。
【0017】次いでS208に進み、ダウンカウンタGG
CNT1(後述)の値が零であることを確認した後、S21
0でそのカウンタに所定値YGGCNTをセットしてスタート
させる。このカウンタは続いて述べる様に予想加速度の
前回値と今回検索した値との変化を見て、変化が大きい
ときは徐々に増加(減少)させるナマシ処理間隔を決定
するものである。即ち、先ずS212に進んで今回検索
した値GGBASEに微小値YDG1L,H を加減算した値と前回値
GGHとを比較し、前回値と今回値との間の変化がその
所定の範囲内にあるか否かを判断する。S212で所定
範囲内にあると判断されるときは変化量が少ないので、
S214に進んでマップ検索値(今回値)GGBASEをその
まま今回の予想加速度GGHとする。
【0018】S212で変化が所定範囲を超えていると
判断されるときはS216に進み、そこで前回の予想加
速度GGHと今回のマップ検索値GGBASEとを比較し、変
化が増加方向にあると判断されるときはS218に進ん
で前回値GGHに所定単位量YDG2を加算した値を今回の
予想加速度GGHとして一旦プログラムを終了する。そ
して、次回以降のプログラム起動時にS208でカウン
タ値が零に達したと判断されるまでS220でカウンタ
値をデクリメントし、零に達したと判断されるとS21
0で新たにカウンタをスタートさせつつS212,S2
16を経てS218に至り、そこで再び所定単位量YDG2
を加算して増加補正する。即ち、図11に1点鎖線で示
す様に、前回値との変化が大きいときはS212で今回
マップ検索値付近に到達したと判断されるまで、所定時
間(GGCNT1)毎に所定量(YDG2)づつ徐々に増加する。
これによって予想加速度の急変を回避することができ、
瞬間的なアクセルペダルの踏み込みによる制御ハンチン
グを防止することができる。
【0019】この事情はS216で検索した予想加速度
が前回値に対して減少したと判断されるときも同様であ
り、その場合はS222に進んでスロットル開度が全閉
付近の開度CTH 、具体的には(0.5/8)× WOT
〔度〕、以下であるか否か判断し、その比較結果に応じ
てS224,226で減少単位量YDG3US,YDG3 を相違さ
せつつ、徐々に今回のマップ検索値まで減少補正する。
ここで単位量を変えたのは、スロットル開度が全閉位置
付近以下にあるときの方がそれ以外の場合に比してスロ
ットル開度変化に対してトルク変動が早く追随するため
であり、よって単位量も、YDG3<YDG3USとする。
【0020】再び図2フロー・チャートに戻ると、続い
てS14に進んで実加速度HDELVを算出する。図1
2はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートで
ある。先に述べた様に、予想加速度が3速ギヤで走行し
た場合の値であるため実加速度もそれに対応させる必要
があることから、同図フロー・チャートにおいては先ず
S300,S302で現在のギヤ段が2速以下か、3速
か、或いは4速か判断し、その判断結果に応じてS30
4,S306,S308に進んで補正係数を決定する。
補正係数は、図4に示した予想加速度マップと同様に、
スロットル開度と車速とに応じて、比の値を予めマップ
にしたものが1,2速用、3速用、4速用の3種類用意
されており、予想加速度の検索に使用したスロットル開
度GMAPTHと車速Vとから、その比の値を検索して求める
(マップ検索して得た補正係数を”GGFBASE ”と称す
る) 。ここで1速と2速とを区別しないのは、本制御の
目的が本来的に登降坂路における変速特性の改良にあ
り、具体的には登坂路または降坂路と判定するときは平
坦路用のマップから登坂路用または降坂路用のマップに
切り換えるものであるが、登坂路用のものはシフトダウ
ンして駆動力を増し、降坂路用のものはシフトダウンし
てエンジンブレーキ効果を得るためものであり、1速は
最低速段であってダウンシフトさせようがないため、本
制御の便宜上、2速と同一のデータとした。また3速用
の比のマップは、この比を用いて補正する実加速度と比
較される予想加速度が3速走行時のものであるため、デ
ータ上”1.0”となる。
【0021】次いでS310に至り、そこで第2のダウ
ンカウンタGGCNT2の値が零であることを確認した後、S
312に進んでそのカウンタに所定値YGGCNTをセットし
てスタートさせ、S314で検索した補正係数について
前回値と比較して所定の範囲を超えているか否か判断
し、超えていれば補正係数について、先に予想加速度で
行ったのと同様なナマシ処理を行う。即ち、先ずS31
4で今回値±YDF1L,H と前回値とを比較し、その範囲内
であればS316に進んでマップ検索補正係数GGFBASE
をそのまま補正係数GGF とし、S318に進んで検出し
た車速値の1階差分ΔV、即ち所定時間毎の車速変化に
乗じて実加速度HDELVを算出する。S314で範囲
を超えると判断されるときはS320に進み、前回値GG
F と今回値GGFBASE とを比較し、増加方向にあると判断
されるときはS322に進んで前回値GGF に増加単位量
YDF2を加算した値を今回の補正係数とし、減少方向にあ
ると判断されるときはS324に進んで減少単位量YDF3
を減算した値を今回の補正係数とする。そして次回以降
のプログラム起動時にS326でデクリメントするカウ
ンタ値がS310で零に達したと判断される度にこの増
加(減少)補正を繰り返し、S314で前回値付近に達
したと判断されるまで行う。この様に構成したのは、図
9フロー・チャートの予想加速度の説明で述べたと同じ
様に、制御値の急変を防止するためである。尚、ここで
実加速度を車速差分値から算出したが、微分値を求めて
も良く、いずれにしてもこれらは予想加速度と等価な単
位〔m/s2 〕で示される。
【0022】次いで図2フロー・チャートに戻ってS1
6に進み、予想加速度GGHと実加速度HDELVとの
差分、PNO, PKUを算出する。図13はその算出作業を
示すサブルーチン・フロー・チャートである。ここでP
KUは実加速度HDELVから予想加速度GGHを減算し
た降坂方向の差分を、PNOは逆に予想加速度GGHから
実加速度HDELVを減算したもので登坂方向の差分を
意味する。
【0023】図13フロー・チャートにおいて先ずS4
00で今述べた算出式から降坂方向の差分PKUを計算す
る。尚、差分の減算順序を替えるのは、降坂では(平坦
路での)予想加速度より実加速度が大きくなり、登坂で
はその逆になるためである。またここで登坂時と降坂時
の差分を算出するのは車両が実際に登坂ないしは降坂し
ているか否かとは関係がなく、単に実加速度から予想加
速度を減算したものを降坂方向の差分とし、逆を登坂方
向の差分とするだけである。即ち、後で述べる様にこの
値の平均値からマップを選択することになるので、車両
が実際に例えば降坂していれば降坂方向の差分PKUのみ
が正値となって生ずる筈であり、登坂方向の値は零以下
となる筈であるから、正値のみ使用してマップを選択す
ることによって、結果的に傾斜センサなどを設けること
なく、勾配変化に即応して変速比を最適に決定すること
ができる。
【0024】次いでS402に進んでスロットル開度が
全閉付近開度CTH 以下にあるか否か判断し、全閉付近以
下と判断されるときはS404に進んでタイマ(ダウン
カウンタ)TMPAVBの値が零に達したか否か判断する。こ
のタイマは図2に関して後述するが、ブレーキ操作が行
われた時点でセットされ、ブレーキが解除された時点で
スタートする。従って、このステップでの判断は、ブレ
ーキ操作が行われているか、より正確には一旦ブレーキ
が踏まれた後、ブレーキが戻されてから所定時間が経過
したか否かで判断する。即ち、ブレーキが一旦踏まれた
後はブレーキが戻されても制動系の応答遅れから直ちに
制動力は零にならないため所定時間(タイマ値)はブレ
ーキ操作中と判断する様にした。S404でブレーキタ
イマ値が零ではない(ブレーキ操作中)と判断されると
きはS406に進んで所定量YDADO5を加算して差分PKU
を増加補正する。これは制動力による実加速度の減少分
を補償するためである。次いで、S408に進んで、予
想加速度GGHから実加速度HDELVを減算して登坂
方向の差分PNOを算出する。
【0025】図2フロー・チャートに戻ると、次いでS
18に進んでブレーキスイッチがオンしているか否か判
断し、オンと判断されるときはS20に進んで前記した
ブレーキタイマTMPAVBに所定値YTMPAVB をセットしてス
タートさせる(前記した様にこのタイマ値は、一旦ブレ
ーキ・オンが検出されると、このステップをループする
度にタイマ値がリセットされ続け、ブレーキペダルが解
放されてブレーキ・オン判断が否定されて始めてリセッ
トされることなくダウンカウントを継続するので、この
タイマ値は結局ブレーキ・オフからの時間経過を示すこ
とになる)。次いで、S22に進んでレンジセレクタス
イッチ信号から”D4,D3,2”レンジが選択されて
いるか否か判断し、肯定されるときはS24に進み、そ
の3つのレンジの中でレンジ切り換え中か否か判断し、
否定されるときはS26に進んでタイマTMPAHN2 をスタ
ートする(S24で肯定されるときはS26をジャンプ
するため、S20で述べたと同様にこのタイマ値はレン
ジ切り換えの経過時間を示す)。次いで、S28に進ん
でブレーキ信号が正常か否かをBROK2 フラグのビットか
ら確認する。このブレーキ信号が正常か否かのチェック
は図示しない別ルーチンで行われ、そこで例えばイグニ
ションスイッチがオンされた後、ブレーキオン信号とブ
レーキオフ信号がそれぞれ所定時間継続するとき、ブレ
ーキ信号正常と、然らざる場合はブレーキ信号異常と判
断し、その結果をこのフラグに示す。
【0026】S28でブレーキ信号正常と判断されると
きはS30で再度レンジ切り換え中か否か判断し、レン
ジ切り換え中ではないと判断されるときはS32に進ん
でタイマTMPAHNが零に達したか否か判断する。これは図
示しない別のサブルーチンで前述したソレノイドバルブ
54,56の励磁パターンが切り替えられた時点でスタ
ートし、変速中か否かを示すものである。従って、この
タイマ値が零に達しているときは変速中ではないことを
意味するのでS34に進み、そこで現在のギヤ段が1速
であるか否か判断し、否定されるときはS36に進んで
先に求めた登降坂方向の差分PNO, PKUの平均値PNOAV
E,PKUAVE 、より具体的には重みづけ平均値、を算出す
る。図14はその作業を示すサブルーチン・フロー・チ
ャートである。
【0027】同図に従って説明すると、S500で今回
算出した登坂方向差分PNOとそれまでの累積平均値(重
み係数)PNOAVE とを比較して前回までの値に対して増
加方向にあるか減少方向にあるか判断する。減少方向に
あると判断されるときはS502に進んでナマシ係数KP
NOをYKPNODN とした後、S504に進んで図示した式か
ら重みづけ平均値を求める。また増加方向にあると判断
されるときはS506に進んで図8に示したスロットル
急変タイマTMETN の値が零であるか否か、即ちスロット
ル開度が急変していないか否か判断し、急変していない
と判断されるときはS508に進んでナマシ係数をYKPN
OUP とし、次いでS510でブレーキ操作がなされてい
ないことを確認した後、S504に進んで重みづけ平均
値を算出する。尚、S506でスロットル開度急変と判
断されるときはS504をジャンプする。従って、この
場合は前回算出した平均値PNOAVEn-1でマップが決定
(ホールド)されることになる。これによってスロット
ル開度急変時に制御値(マップ選択)が誤るのを防止す
ることができる。尚、S510でブレーキONと判断さ
れるときも同様であり、運転者がブレーキペダルを踏む
力に比例して生ずる制動力の分だけ見掛上機関出力トル
クが減少し、マップ検索スロットル開度に相応する機関
出力が生じていないので、S504をジャンプして前回
算出した平均値を使用する。次いでS512で算出値を
上限値YPNOCUT と比較し、それを超えているときはS5
14で上限値に書き換える。即ち、図15に示す様に、
車両が登坂を終えて平坦路に戻ったときは迅速にマップ
を平坦路用に修正する必要があるため、ここで上限値を
設けておく。
【0028】次いで降坂方向差分値の平均値を算出す
る。即ち、S516で今回算出値PKUを前回までの平均
値PKUAVE と比較し、そこで増加方向にあると判断され
るときは下り坂をなお降坂中であることを意味するの
で、S518で車速Vを所定車速YVOAD1と比較し、次い
でS520,S522でスロットル開度が急変していな
いことを確認した後、比較結果に応じてS524,S5
26に進んでナマシ係数(重み係数)KPKUを選択し、S
528に進んで今回の重みづけ平均値PKUAVE を算出す
る。ここで車速に応じて係数を替えるのは、降坂中にあ
るときは走行抵抗の値がそれほど大きくならないので、
車速から早めにシフトダウンする機会をつくるためであ
る。従って係数の値は、YKPKUUPH>YKPKUUPLに設定して
高車速にあるほど係数値を大きくし、よって平均値に今
回値を大きく反映させる。尚、PNOで述べたのと同様の
理由からS520,S522でスロットル急変時と判断
されるときは、S528をジャンプして前回までの平均
値を使用する。
【0029】S516で今回値が前回までの累積平均値
に対して減少方向にあると判断されるときは降坂を終え
つつあると判断されるので、S530でスロットルが全
閉付近開度以下であることを確認してS532に進み、
ブレーキ操作中ではないことを確認してS534に進
み、そこで同様に車速に応じていずれかのナマシ係数を
選択して平均値を求める(S536,S538,S52
8)。ここでも係数は増加方向と同じ理由から高車速側
を大きく設定する。次いでS540以降で算出値が上限
値を超えているか否か判断し、超えているときはS54
2で上限値に制限する。これは図15に示す如く、登坂
時と同様に平坦路に復帰したときの検出遅れを補正する
ためである。尚、S532でブレーキ操作中と判断され
るときはS510で述べたと同様に正確な値を求め難い
ので、直ちにS540,S542に至り平均値は前回ま
での値を使用する。
【0030】図2に戻ると、S18からS34までの条
件が満足されたときはS36に進んで今述べた様に差分
平均値を算出する訳であるが、ここで図2においてその
条件を満足しない場合について説明する。先ず、S22
で否定、即ち、P,R,N,1レンジにあると判断され
るときは登降坂制御を行う必要がないので、S38に進
み、レンジ切り換え経過時間を判断するためのS26で
スタートしたタイマが不要となってリセットされると共
に、S42に進んで差分平均値を”0”とする。この結
果、後で述べる様に平坦路用のマップが選択される。こ
れはS28でブレーキ信号が異常と判断されるときも同
様である。またS30でレンジ切り換え中と判断されて
S40でタイマ値が零に達したと判断された場合は、レ
ンジ切り換えに長時間を要していて正常な状態とは考え
られず、断線などの異常が生じたと解されるので、同様
にS42にジャンプする。尚、S40でタイマ値が零に
到達したと判断されるまでの間は本制御の継続性を持た
せるため、S44に進んで先に図14フロー・チャート
のS506などで述べたと同様に、差分平均値は前回値
を使用する。これはS32で変速中と判断されるときも
同様であって、変速中であれば当然変速段を確定でき
ず、加速度も安定しないため、やはりS44に進んで前
回平均値を使用する。またS34で現在1速にあると判
断されるときも、それ以下のダウンシフトがあり得ない
ことから、演算を簡略にする意味で同様とする。
【0031】図2フロー・チャートにおいては次いでS
46に進んで登降坂MAPS1,2 の判別作業を行う。ここ
で”MAPS1,2 の判別作業”について説明すると、勾配に
応じて用意された5種類のシフトマップに0,1,2,
3,4の5つの数を付与し、今求めた差分平均値から取
り得る最大値と最小値とをそれぞれMAPS1,2 の値とする
作業である。その作業を示す図16サブルーチン・フロ
ー・チャートを参照して説明すると、図16においてS
600〜S606で登坂方向の平均値PNOAVE をマップ
基準値PNOmnとそれぞれ比較し、次いでS608〜S6
14で降坂方向について降坂方向の平均値PKUAVE をマ
ップ基準値PKUmnとそれぞれ比較する。その結果、S6
16〜S632のいずれかが選択されて取り得る最小値
(”MAPS1”) と取り得る最大値( ”MAPS2 ”) が決定
される。図17に差分平均値に対応して設定されたマッ
プ基準値を示す。
【0032】即ち、本制御においては先に述べた様に、
5種のマップを用意し、それらに以下の如く番号を付し
て特定する。 0:重登坂用マップ 1:軽登坂用マップ 2:平坦路用マップ 3:軽降坂用マップ 4:重降坂用マップ ここで図17に示す様に各マップの間にはヒステリシス
エリアが設けられているため、差分平均値がそこに位置
するときは隣接するマップのいずれをも取り得ることと
なる。そこで本作業ではとりあえず取り得る最大値と最
小値(マップ番号に関して)を決定する。図16フロー
・チャートの選択結果を整理すると、図18に示す様に
なる。尚、図17から、先に図2フロー・チャートのS
42で差分平均値を零にすることによって平坦路用マッ
プが選択されることが理解されよう。
【0033】従って、図2フロー・チャートに戻り、次
のS48において決定された2種のマップの中から1つ
のマップを最終決定する。
【0034】図19サブルーチン・フロー・チャートを
参照して説明すると、先ずS700で現在選択されてい
るマップ(”MAPS”と称する)とMAPS2 (最大マップ)
を比較する。即ち、論理的には最大マップ≧選択マップ
≧最小マップとなる様に選択すべきマップを決定すれば
良いので、先ず現在のマップが最大マップを超えている
か否か判断し、超えているときは最大マップ値以下とな
る様に選択マップを変更する。
【0035】従って、S700で現在のマップが最大マ
ップを超えていると判断されるときは、現在のマップ番
号を最小値0と仮定すればマップ番号”1,2,3,
4”のいずれかになる(”0”を超えることからマップ
番号0はありえない)ので、S702で現在のマップが
番号2(平坦路用マップ)か否か判断する。それを超え
ていると判断されるときはマップ番号は”3,4”と言
うことになり、降坂路用マップと言うことになるので、
S704で現在のマップ番号から”1”を減算したマッ
プに決定する。例えば現在重降坂路用マップが使用され
ているときは軽降坂用マップに切り換える。S702で
現在のマップが平坦路用マップ以下のマップと判断され
るときは”2,1”のいずれかとなり、平坦路用から軽
登坂用または軽登坂用から重登坂用への切り換えとな
る。尚、先に図5,図6に示した如く、本制御で使用す
るマップは3速領域が平坦路用に比して軽登坂路用は、
また軽登坂路用に比して重登坂路用はそれぞれ拡大する
様に設定される。これは降坂側も同様であって平坦路か
ら軽降坂、重降坂となるに従って3速領域が拡大する。
これは登坂にあっては駆動力を増す、降坂にあってはエ
ンジンブレーキを活用するために設定したものである
が、その結果、現在4速にあるときにはマップを切り換
えると直ちに3速へシフトダウンされる恐れがあり、こ
れは運転者が予期しないシフトダウンであって好ましく
ない。それを回避するため、S706で現在のギヤ段が
3速か否か判断し、3速以下と判断される場合のみマッ
プを平坦路用から軽登坂用へ、ないしは軽登坂用から重
登坂路用へと切り換える様にした。従って、4速にある
ときはマップ切り換えは中止される。
【0036】S700で現在のマップが最大マップ以下
と判断されるときは上限側の条件は満足されているの
で、続いて下限側について判定する。即ち、S708で
現在のマップ(番号)がMAPS1 (最小マップ(番号))
以上か否か判断し、最小マップ以上と判断されるときは
前記した論理式を満足しているので、マップを切り換え
ない。
【0037】S708で現在のマップ(番号)が最小マ
ップ未満と判断されるときは最小マップ以上の値に修正
する必要がある。そこで続いてS710で現在のマップ
と平坦路用マップとを比較する。現在のマップが平坦路
用より小さいと判断される場合、取るべきマップは”
1,2”のいずれかと言うことになるので、S712に
進んで現在のマップに1を加算して増加補正する。従っ
て現在軽登坂用マップを使用していれば平坦路用マップ
に、現在重登坂用マップを使用していれば軽登坂用マッ
プに切り換えることになる。S710で現在のマップが
平坦路用マップ以上と判断されたときは現マップ番号
は”2”か”3”となる(S708で最小マップより小
さいと判断されているので、最小マップを最大値4と仮
定しても”4”はあり得ない)。そして”2”か”3”
からの加算の場合には3速領域の拡大の問題があるの
で、S714に進んで現在3速以下にあるか否か判断
し、現在3速以下であれば予期しないシフトダウンが生
じないので、S712に進んで直ちにマップ切り換えを
行うと共に、4速と判断されるときはS716で現在の
マップ(番号)と平坦路用マップ(番号)とを比較す
る。S716で現在のマップ(番号)が平坦路用マップ
であると判断されるときはS718に進んで車速を所定
値YKUV1 と比較すると共に、現在のマップ(番号)が平
坦路用マップではない、即ち軽降坂用マップであると判
断されるときはS720に進んで車速を別の所定値YKUV
3 と比較し、それらのステップで車速が所定値以上と判
断されるときはS712にジャンプしてマップ切り換え
を行う。これについて図20を参照して説明すると、先
に述べた様に登降坂用マップでは平坦路用マップに比し
て3速領域が拡大しているが、具体的には平坦路用から
軽降坂用への3速から4速への境界車速線は図20に車
速YKUV1 で示す様に設定される。従って、この境界車速
以上にあるときはダウンシフトの恐れがないため、S7
12に進んでマップ切り換えを行う。他方、境界車速未
満と判断されるときはダウンシフトの恐れがあるため、
以下のステップでダウンシフトが発生するか否かを判断
する。図20は平坦路用マップ(番号2)から軽降坂用
マップ(番号3)への切り換えを示すものであるが、軽
降坂用マップ(番号3)から重降坂用マップ(番号4)
へ切り換えるときも同様である。
【0038】また、S718,S720で現在の車速が
境界車速未満と判断されるときはS722に進んでスロ
ットル開度が全閉付近以下か否か判断する。否定される
ときはアクセルペダルが踏まれていることを意味し、し
かも4速でアクセルペダルを踏んでいることを意味する
ので、ダウンシフトさせるとショックが生じることがあ
り、しかも特殊な運転状態にあると思われ、いずれにし
ても運転者からダウンシフトしてエンジンブレーキを利
用する減速意図は窺えないので、S712をジャンプし
てマップ切り換えを行わない。
【0039】S722でスロットル開度が全閉付近以下
と判断されるときはアクセルペダルが踏まれていず、運
転者の減速意図が窺えるので、続いてS724に進んで
再び現在のマップが平坦路用のものか否か確認し、平坦
路用マップであればS712にジャンプしてマップ切り
換えを行うと共に、否定されるときは現マップが軽降坂
路用マップと言うことになるので、S726に進んでブ
レーキ操作が行われているか否か判断して運転者が真に
減速意図を有しているか否か判断する。ブレーキ操作が
行われていないときは運転者が減速意図を有していない
と思われるので、S712はジャンプしてマップ切り換
えを行わない。ブレーキ操作中と判断されるときはS7
28〜S730に進んで現在の車速Vを所定値YVOAD1,2
と比較し、それによってS732,S734,S736
において減速度データ(後述)を選択し、S738で選
択した減速度データと実際の減速度DTV、ブレーキ操
作中における単位時間当りの車速の減少量、とを比較
し、実際の減速度DTVが大きい場合、急減速であると
判断し、S712に進んでマップ切り換えを行う。これ
はブレーキ操作が行われていて運転者が減速を意図して
いる場合であってもシフトダウン時の減速度は高車速ほ
ど大きいので、(シフトダウンによる)急激なエンジン
ブレーキを防止するため、高車速ほどブレーキによる減
速度が大きくならないと、マップの切り換えを行わない
様にした。従って、比較結果から急減速が意図されてい
ると判断されるときのみマップ切り換えを行ってダウン
シフトする様にした。図21にその減速度データの関係
を示す。
【0040】続いて、S740に進んで決定されたマッ
プ(番号)が”4”(重降坂用)か否か判断し、肯定さ
れるときはS742に進んでスロットル開度THが所定値
THREF 、具体的には(2/8)× WOT〔度〕以上か否か
判断し、肯定されるときはS744に進んでマップ(番
号)を強制的に3(軽降坂用)に書き換える様にした。
これは重降坂と判断される状態であっても運転者は加速
を望んでおり、エンジンブレーキを望んでいないと思わ
れるため、その意図に沿う様にしたものである。
【0041】再び図2フロー・チャートに戻ると、最後
にS50に進んで決定された(切り換えられた或いはホ
ールドされた)マップに基づいて車速とスロットル開度
とからシフト位置(ギヤ段)決定する。尚、この作業は
公知であって本発明の要旨もそこにないので、これ以上
の説明は省略する。
【0042】本実施例は上記の如く、スロットル開度か
ら車両の走行抵抗を示す予想加速度を求め、実加速度と
比較して路面勾配を推定して登降坂マップに切り換える
様にすると共に、その予想加速度の算出に際してスロッ
トル開度が急変するときはエアコンディショナが駆動さ
れるときは予め設定された特性に従って算出値を減少補
正する様にしたので、マップ選択を誤ることがない。ま
た予想加速度を3速についてのみ設定しておく様にした
ので、構成が簡易となると共に、予想加速度と実加速度
との差の加重平均値を求めてマップ切り換えを決定する
様にしたので、運転状態が急変するときも安定した制御
を行うことができる。
【0043】尚、上記の実施例において図10に示すエ
アコンディショナ作動時の予想加速度の補正について機
関回転数の増加にほぼ比例して増大する様に設定した
が、車速も機関回転数にほぼ比例することから同図の括
弧内に示す様に車速に比例して設定しても良い。また、
機関の出力トルク及び/又は自動変速機の入力トルクに
影響を与える装置である補機の例としてエアコンディシ
ョナを例示したが、それに限られるものではなく、パワ
ーステアリングのオイルポンプ、ACGなども挙げるこ
とができる。これらは機関出力により常時駆動される
が、その損失分を適宜補正する様にしても良い。
【0044】また予想加速度を減算補正する例を示した
が、それに限られるものではなく、乗除算補正しても良
く、更には実加速度を加算補正ないしは乗除算補正して
も良い。即ち、図12のS318においてΔVかGGF の
いずれかに前記補正値GGCORを増加補正する様にしても
よい。
【0045】またマップを5種使用したが、軽登坂用と
軽降坂用とを共通させてマップ数を低減させても良い。
更には、1つのマップのみを用い、予想加速度と実加速
度との差分平均値に応じてその特性を修正する様にして
も良い。
【0046】また走行抵抗を示すパラメータとして加速
度を用いたが、これに限られるものではなく、走行抵
抗、特に勾配抵抗に相当する指標を示すものならば、ど
の様なものを用いても良い。また実加速度を車速から求
めたが、加速度センサを用いて直接検出しても良い。
【0047】また機関負荷を示すパラメータとしてスロ
ットル開度を用いたが、アクセルペダル踏み込み量を用
いても良い。
【0048】
【発明の効果】請求項1項にあっては、機関負荷を含む
運転パラメータから車両の走行抵抗を示す値を求め、そ
れを基準値と比較して登降坂路を走行しているか否か判
断し、登降坂路を走行していると判断するときは該登降
坂路走行に適した変速比となるべく登降坂制御を行う車
両用自動変速機の制御装置において、機関の出力トルク
及び/又は自動変速機の入力トルクに影響を与える装置
の作動状態に応じ、前記車両の走行抵抗を示す値を補正
する様に構成したので、搭載した補機を機関出力で駆動
するときも正確に走行抵抗値を求めることができ、変速
制御を誤る恐れがない。
【0049】請求項2項にあっては、車速に対応する車
速信号を出力する車速センサと、機関負荷に対応する機
関負荷信号を出力する機関負荷センサと、車速信号と機
関負荷信号とに対応して得られるべき予想加速度を予め
記憶する手段と、車両の実加速度を求める手段と、該実
加速度と前記予想加速度とを比較する比較手段と、車速
信号と機関負荷信号とに応じて予め定められた変速特性
により変速比を切り換える手段と、前記比較手段の比較
結果に応じて前記変速特性を変更する手段とを備える車
両用自動変速機の制御装置において、機関の出力トルク
及び/又は自動変速機の入力トルクに影響を与える装置
の作動状態に応じ、前記予測加速度又は実加速度の少な
くともいずれかを補正する様に構成したので、請求項1
項で述べたと同様に、搭載した補機を機関出力で駆動す
るときも加速度の値を正確に求めることができ、変速制
御を誤る恐れがない。
【0050】請求項3項記載の車両用自動変速機の制御
装置にあっては、前記補正が、所定値を加減乗除して行
うものである様に構成したので、走行抵抗または加速度
の値を容易に補正することができる。
【0051】請求項4項記載の車両用自動変速機の制御
装置にあっては、前記所定値が、機関回転数と車速との
少なくともいずれかに応じた値である様に構成したの
で、機関回転数ないしは車速の変動に応じて変化する補
機駆動に消費した機関出力に応じた値を正確に補正する
ことができ、走行抵抗または加速度の値を一層正確に求
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用自動変速機の制御装置を全
体的に示す説明図である。
【図2】図1中のECU(電子制御ユニット)の動作を
示すメイン・フロー・チャートである。
【図3】本制御装置の特徴を機能的に示す説明ブロック
図である。
【図4】図2フロー・チャートで用いる予想加速度の特
性を示す説明図である。
【図5】図2フロー・チャートで用いる平坦路用マップ
の特性を示す説明図である。
【図6】図2フロー・チャートで用いる軽登坂用マップ
の特性を示す説明図である。
【図7】図2フロー・チャートで用いる平坦路用マップ
などのヒステリシス特性を示す説明図である。
【図8】図2フロー・チャートの中のスロットル開度変
化量検出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートで
ある。
【図9】図2フロー・チャートの中の予想加速度算出作
業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図10】図9フロー・チャートの中のエアコンディシ
ョナ作動時の予想加速度の補正値の特性を示すグラフで
ある。
【図11】図9フロー・チャートの中の予想加速度の変
化が増加方向に大きいときのナマシ処理を示す説明図で
ある。
【図12】図2フロー・チャートの中の実加速度算出作
業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図13】図2フロー・チャートの中の予想加速度と実
加速度との差分算出作業を示すサブルーチン・フロー・
チャートである。
【図14】図2フロー・チャートの中の差分平均値算出
作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図15】図14フロー・チャートで使用する上限値の
特性を示す説明図である。
【図16】図2フロー・チャートの中のマップ判別作業
を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図17】図16フロー・チャートの判別作業を示す説
明図である。
【図18】図16フロー・チャートの判別結果を示す説
明図である。
【図19】図2フロー・チャートのマップ決定作業を示
すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図20】図19フロー・チャートで用いる平坦路用マ
ップから軽登坂路用マップへの境界車速の特性を示す説
明図である。
【図21】図19フロー・チャートで用いる減速度デー
タの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 内燃機関 14 変速機 40 スロットル開度センサ 42 車速センサ 44 ブレーキスイッチ 46 レンジセレクタスイッチ 48 エアコンディショナスイッチ 50 ECU(電子制御ユニット)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂田 悟 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関負荷を含む運転パラメータから車両
    の走行抵抗を示す値を求め、それを基準値と比較して登
    降坂路を走行しているか否か判断し、登降坂路を走行し
    ていると判断するときは該登降坂路走行に適した変速比
    となるべく登降坂制御を行う車両用自動変速機の制御装
    置において、機関の出力トルク及び/又は自動変速機の
    入力トルクに影響を与える装置の作動状態に応じ、前記
    車両の走行抵抗を示す値を補正する様にしたことを特徴
    とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 車速に対応する車速信号を出力する車速
    センサと、機関負荷に対応する機関負荷信号を出力する
    機関負荷センサと、車速信号と機関負荷信号とに対応し
    て得られるべき予想加速度を予め記憶する手段と、車両
    の実加速度を求める手段と、該実加速度と前記予想加速
    度とを比較する比較手段と、車速信号と機関負荷信号と
    に応じて予め定められた変速特性により変速比を切り換
    える手段と、前記比較手段の比較結果に応じて前記変速
    特性を変更する手段とを備える車両用自動変速機の制御
    装置において、機関の出力トルク及び/又は自動変速機
    の入力トルクに影響を与える装置の作動状態に応じ、前
    記予想加速度又は実加速度の少なくともいずれかを補正
    する様にしたことを特徴とする車両用自動変速機の制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記補正が、所定値を加減乗除して行う
    ものであることを特徴とする請求項1項又は2項記載の
    車両用自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記所定値が、機関回転数と車速との少
    なくともいずれかに応じた値であることを特徴とする請
    求項3項の車両用自動変速機の制御装置。
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