JPH05141676A - 床暖房パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表層材６と基材合板４とからなるパネル本体
に、均熱板２およびヒーター３を内蔵した床暖房パネル
において、表層材６への荷重に対して作動する圧力セン
サー１と、この圧力センサー１からの信号によってヒー
ター３への電流供給を制御する制御回路８とを有してな
る。 【効果】 局部断熱効果による低温やけどの危険がな
く、また家具等を床暖房パネル上に長期間設置しておく
ことも可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、床暖房パネル関する
ものである。さらに詳しくは、この発明は、表層材への
一定重量以上の荷重に対して、すみやかにそのヒーター
への電流供給を停止させることのできる新しい床暖房パ
ネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、室内暖房システムの一つとし
て、たとえば図６にその断面図を例示したようなヒータ
ー内蔵型の床暖房パネルが知られている。この床暖房パ
ネル（ア）の場合には、たとえば表面化粧を施した表層
材（イ）と、断熱性に優れた基材合板（ウ）とからなる
パネル本体の内部に、鉄板製等の均熱板（エ）と電熱式
のヒーター（オ）を内蔵し、さらにこのヒーター（オ）
には、たとえばサーモスタットや温度ヒューズ等からな
る温度過昇防止装置（カ）が接続されている。

【０００３】このうち、温度過昇防止装置（カ）は、た
とえば図７に示したように、人（キ）が一定時間以上パ
ネル（ア）上に座りこむなどした際に、その接触面
（ク）の局部断熱効果によってパネル（ア）の温度が上
昇してしまうのを防ぐために、ヒーター（オ）への電流
供給を、パネル（ア）の温度に応じて制御する働きを有
している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、接触面（ク）の温度が、局部断熱効果によって温度
過昇防止装置（カ）の作動する設定温度まで上昇するの
には、一定の時間間隔が必要となる。ところが、いわゆ
る低温やけどの発生温度と時間の関係を示した図８を見
ると、たとえば４５℃の発熱体に２０分間接触すると、
低温やけどが発生する。

【０００５】このため、たとえば図９に示したように、
パネル（ア）の通常温度を３０℃、温度過昇防止装置
（カ）の作動温度を５０℃と設定した場合に、局部断熱
開始時（Ｔ１）から温度過昇防止装置（カ）の作動時
（Ｔ２）までに接触面（ク）の温度は徐々に上昇し、こ
れが４５°ＣになってからＴ２までの時間間隔（Ｄ）が
２０分以上経過している場合には、接触面（ク）に低温
やけどが発生する危険性が大きい。

【０００６】また、たとえば図１０に示したように、床
暖房パネル（ア）の上にタンス等の家具（ケ）を載置し
た場合には、温度過昇防止装置（カ）が長期間に渡っ
て、絶えずＯＮ−ＯＦＦを繰り返すことになるため、パ
ネル（ア）の寿命が低下するとともに、家具（ケ）自体
も、局部断熱効果の影響を受けることになる。このた
め、従来の床暖房パネル（ア）の場合には、たとえば図
１１に示したように、家具（ケ）の設置場所を確保した
うえで、部分敷設しなければならず、一度据えつけた家
具（ケ）は、床暖房パネル（ア）上に移動することがで
きないという不都合も存在した。

【０００７】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の床暖房パネルの欠点を解消
し、一定の重量を、一定時間、局所的に受けた場合に
も、局部断熱効果による影響のない、安全で耐久性に優
れた床暖房パネルを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、表層材と基材合板とからなるパ
ネル本体に、均熱板およびヒーターを内蔵した床暖房パ
ネルにおいて、表層材への荷重に対して作動する圧力セ
ンサーと、この圧力センサーからの信号によってヒータ
ーへの電流供給を制御する制御回路とを有してなること
を特徴とする床暖房パネルを提供する。

【０００９】またこの発明は、上記圧力センサーが、ヒ
ーターを構成するヒーターユニット毎の荷重に対して作
動することを好ましい態様としてもいる。

【００１０】

【作用】この発明の床暖房パネルにおいては、局部断熱
効果の原因となる一定重量以上の荷重が一定時間持続す
ることをすみやかに検出する圧力センサーからの信号に
よって、制御回路がその荷重が除去するまで、ヒーター
への電流供給を停止する。このため、床暖房パネル上
に、人間が長期間座りこむなどした場合にも低温やけど
が発生する危険性はない。また、この床暖房パネル上に
家具等を設置した場合には、圧力センサーと制御回路の
作動によって、ヒーターは常にＯＦＦの状態となるた
め、家具を加熱することなく、また、床暖房パネル自体
の耐久性も向上する。

【００１１】

【実施例】以下、添付した図面に沿って実施例を示し、
この発明についてさらに詳しく説明する。図１は、この
発明の床暖房パネルの一実施例を示した分解斜視図であ
る。たとえばこの床暖房パネルは、圧力センサー
（１）、均熱板（２）およびヒーター（３）を、基材合
板（４）の溝部（５）に積層一体化して組み込み、表面
に表層材（６）を配設した構造を有している。また、基
材合板（４）の溝部（５）には、さらに切欠溝（７）を
設け、ここに、制御装置（８）を埋め込むようにしてい
る。

【００１２】これらの構成部材のうち、ヒーター（３）
は、たとえばニクロム線等からなる抵抗発熱線（９）を
蛇行配線し、これをラミネートフィルムで被覆したヒー
ターユニット（１０）を４個連結した構造からなり、各
々のヒーターユニット（１０）毎に、制御装置（８）で
そのＯＮ−ＯＦＦを制御できるようになっている。ま
た、温度過昇防止装置（図示せず）も、各々のヒーター
ユニット毎に接続するようにしている。

【００１３】次に、圧力センサー（１）は、たとえば金
属、セラミック、木材等の荷重測定に広く用いられてい
るひずみゲージ（１１）を、図２（ａ）にその平面図を
示したように、ヒーターユニット（１０）に対応させ
て、各々５個づつ、リード線（１２）によって直列に接
続し、これを図２（ｂ）の側断面図に示したように、絶
縁フィルム（１３）で被覆した構造からなっている。

【００１４】図３は、この床暖房パネルの制御機構を例
示した回路図である。たとえばこの図３に示した床暖房
パネルの場合には、ＡＣ１００Ｖの電流が、電源回路を
介して、スイッチング回路および制御回路へと入力され
る。スイッチング回路は、この電流を、ヒーター出力と
してヒーター（３）を構成する各々のヒーターユニット
（１０）へ供給し、ヒーターユニット（１０）毎にその
加熱を制御している。

【００１５】一方、圧力センサー（１）を構成するひず
みゲージ（１１）は、各々が感知した荷重をひずみ信号
として制御回路へ入力する。制御回路は、通常は、サー
ミスタ入力によりスイッチング回路を制御するが、圧力
センサー（１）からのひずみ信号を入力した場合には、
スイッチング回路へスイッチング信号を送り、そのヒー
ター出力を制御する。その際に、圧力センサー（１）を
構成する各ひずみゲージ（１１）は、ヒーター（３）の
ヒーターユニット（１０）に対応して制御ユニット（１
４）を形成するため、荷重を感知したひずみゲージ（１
１）に対応するヒーターユニット（１０）のみがヒータ
ー出力を停止されるようになっている。

【００１６】また、各ひずみゲージ（１１）を、図２
（ａ）に示したように、複数のひずみゲージ（１１）を
直列に接続して制御ユニット（１４）に配設することに
よって、極めて局所的な荷重を検出することもできる。
図４は、ひずみゲージ（１１）による荷重の感知と、そ
れに対応するヒーター出力の関係を例示したタイムチャ
ートである。

【００１７】この図４に示したように、この発明におい
ては、ひずみゲージ（１１）の感知した荷重が設定荷重
まで一定量（ΔＲｏ）以上変化し、かつその変化が一定
時間（Δｔ）持続した場合に、ヒーター出力をＯＦＦに
する。そしてこのＯＦＦ状態は、荷重変化がΔＲｏ以下
になるまで持続する。このため、図５にヒーター出力と
パネル温度の関係を例示したように、パネルにΔＲｏ以
上の荷重がかかり、局部断熱効果によりパネル温度が上
昇した場合にも、一定時間（Δｔ）後には制御回路が作
動してヒーター出力をＯＦＦにするため、パネル温度は
すみやかに低下し、低温やけど等の発生する危険性はな
い。そして、荷重がΔＲｏ以下に低下すれば、ヒーター
出力はＯＮ状態となり、パネル温度は再び通常運転レベ
ルに復帰する。

【００１８】また、荷重が除去されない限りヒーター出
力はＯＦＦ状態を持続するため、家具等をパネル上に設
置した場合にも、家具等に対する熱の影響はなく、床暖
房パネル自体の耐久性が低下することもない。もちろん
この発明は、以上の例によって限定されるものではな
く、細部の構成等については様々な態様が可能であるこ
とは言うまでもない。

【００１９】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明の床
暖房パネルにより、局部断熱効果による低温やけどの危
険がなく、また家具等を床暖房パネル上に長期間設置し
ておくことも可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の床暖房パネルの一実施例を示した分
解斜視図である。

【図２】各々、この発明に用いる圧力センサーを例示し
た平面図および側断面図である。

【図３】この発明の床暖房パネルの制御機構を例示した
回路図である。

【図４】この発明における、ひずみゲージの荷重感知と
ヒーター出力の関係を例示したタイムチャートである。

【図５】この発明におけるパネル温度の変化とヒーター
出力の関係を例示したタイムチャートである。

【図６】従来の床暖房パネルを例示した側面図である。

【図７】床暖房パネルの使用例を示した側断面図であ
る。

【図８】低温やけどの発生における温度−時間相関図で
ある。

【図９】従来の温度過昇防止装置の制御による床暖房パ
ネルの温度変化を示したタイムチャートである。

【図１０】床暖房パネルの別の使用例を示した側断面図
である。

【図１１】従来の床暖房パネルの敷設例を示した平面図
である。

【符号の説明】

１ 圧力センサー ２ 均熱板 ３ ヒーター ４ 基材合板 ５ 溝部 ６ 表層材 ７ 切欠溝 ８ 制御装置 ９ 抵抗発熱線 １０ ヒーターユニット １１ ひずみゲージ １２ リード線 １３ 絶縁フィルム １４ 制御ユニット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表層材と基材合板とからなるパネル本体
   に、均熱板およびヒーターを内蔵した床暖房パネルにお
   いて、表層材への荷重に対して作動する圧力センサー
   と、この圧力センサーからの信号によってヒーターへの
   電流供給を制御する制御回路とを有してなることを特徴
   とする床暖房パネル。
2. 【請求項２】 圧力センサーが、ヒーターを構成するヒ
   ーターユニット毎の荷重に対して作動する請求項１の床
   暖房パネル。