JPH05140436A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH05140436A
JPH05140436A JP33459191A JP33459191A JPH05140436A JP H05140436 A JPH05140436 A JP H05140436A JP 33459191 A JP33459191 A JP 33459191A JP 33459191 A JP33459191 A JP 33459191A JP H05140436 A JPH05140436 A JP H05140436A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂およ
びポリカーボネート(PC)系樹脂が良好に相溶化され
た、機械的強度が優れた樹脂組成物を提供する。 【構成】(A)PPE系樹脂 2〜98重量部、および
(B)炭素‐炭素二重結合を有するPC系樹脂 98〜
2重量部を含む樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル(以下で、PPEと称することがある)系樹脂および
ポリカーボネート(以下で、PCと称することがある)
系樹脂を含む樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】PPE系樹脂は、耐熱性
が高く、また寸法安定性、耐衝撃性等に優れた樹脂であ
るが、単独では成形加工性に乏しく、ポリスチレン、ポ
リアミド(ナイロン)等の樹脂を添加して成形加工性を
改良して使用されている。
【0003】一方、ポリカーボネート系樹脂は成形加工
性に優れ、また耐衝撃性、寸法安定性等が優れている。
耐熱性は比較的高いが、熱変形温度が130℃強程度
(18.6kg荷重で測定)であり、用途によっては耐
熱性の向上が必要とされる。
【0004】そこで、PPEとPCの優れた性質を生か
すべく、両樹脂を配合して樹脂組成物を製造すると、こ
の樹脂組成物は両樹脂の相溶性が不足しているために、
機械的強度が低いという問題を生ずる。
【0005】本発明は、PPE系樹脂およびポリカーボ
ネート系樹脂が良好に相溶化された、機械的強度が優れ
た樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂 2〜98重量
部、および(B)分子内に(a) 炭素‐炭素二重結合およ
び(b) 次式−C(=O)−Cl、−C(=O)−Br、
−C(=O)−OH、−OH、−O−C(=O)−Cl
および−O−C(=O)−Brから選ばれる少なくとも
1種の基を有する化合物を、共重合成分もしくは末端封
止剤として含むポリカーボネート系樹脂またはこれとポ
リカーボネート系樹脂 98〜2重量部を含む。
【0007】まず、本発明においては、PPE系樹脂は
公知のものが使用できる。PPE系樹脂とは、例えば一
般式(化1):
【0008】
【化1】 (式中R1 ,R2 ,R3 およびR4 はそれぞれ独立し
て、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基およびハロゲン原子とフェニル環との間に少くとも2
個の炭素原子を有するハロアルキル基またはハロアルコ
キシ基で第3級α‐炭素を含まないものから選ばれた一
価置換基を表し、nは重合度を表わす整数である)で示
される重合体の総称であって、上記一般式で示される重
合体の一種単独であっても、二種以上が組合わされた共
重合体であってもよい。好ましい具体例ではR1 および
2 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R3 およ
びR4 が水素原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル
基である。例えばポリ(2,6‐ジメチル‐1,4 ‐フェニレ
ン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジエチル‐1,4 ‐フェニレ
ン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐エチル‐1,4 ‐
フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐プロピ
ル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジプロピ
ル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐エチル‐
6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、などが挙
げられる。またPPE共重合体としては上記ポリフェニ
レンエ―テル繰返し単位中にアルキル三置換フェノ―ル
例えば 2,3,6‐トリメチルフェノ―ルを一部含有する共
重合体を挙げることができる。またこれらのPPEに、
スチレン系化合物がグラフトした共重合体であってもよ
い。スチレン系化合物グラフト化ポリフェニレンエ―テ
ルとしては上記PPEにスチレン系化合物として、例え
ばスチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、ク
ロロスチレンなどをグラフト重合して得られる共重合体
である。
【0009】本発明で使用するポリカーボネート系樹脂
には、従来公知の芳香族ポリカーボネートの他にコポリ
エステルカーボネート等をも包含する。
【0010】ポリカーボネートはカーボネート成分およ
びジフェノール成分を含む。カーボネート成分を導入す
るための前駆物質としては、例えばホスゲン、ジフェニ
ルカーボネート等が挙げられる。また、適したジフェノ
ールとしては、ヘテロ原子を有していても良く、かつポ
リカーボネート製造の条件下に不活性でありかつ電磁波
の影響に対して不活性である置換基を有していても良い
単核および多核ジフェノールの両方である。例えばヒド
ロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシジフェニル、ビス
-(ヒドロキシフェニル)-アルカン、ビス-(ヒドロキシフ
ェニル)-シクロアルカン、ビス-(ヒドロキシフェニル)-
スルフィド、ビス-(ヒドロキシフェニル)-エーテル、ビ
ス-(ヒドロキシフェニル)-ケトン、ビス-(ヒドロキシフ
ェニル)-スルホキシド、ビス-(ヒドロキシフェニル)-ス
ルホンおよびα,α´‐ビス-( ヒドロキシフェニル)-
ジイソプロピルベンゼンおよびそれらの環‐アルキル化
ならびに環‐ハロゲン化化合物を挙げることができる。
【0011】好適なジフェノールは以下のものである:
4,4'- ジヒドロキシジフェニル、2,2-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)プロパン(いわゆるビスフェノールA)、
2,4'- ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2- メチルブタ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、α,α´‐ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソ
プロピルベンゼン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2-ビス(3-クロロ-4-ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ビス -(3,5- ジメチル-4- ヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2-ビス -(3,5- ジメチル-4
- ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5-ジメチル
-4- ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4-ビス -(3,5-
ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)-2- メチルブタン、
1,1-ビス(3,5-ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、α,α´‐ビス-(3,5- ジメチル-4- ヒド
ロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,2-ビス
(3,5-ジクロロ-4- ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2-ビス(3,5-ジブロモ-4- ヒドロキシフェニル)プロ
パン。
【0012】特に好適なジフェノールの例は、2,2-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス -(3,5-
ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3,5-ジクロロ-4- ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2-ビス(3,5-ジブロモ-4- ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
である。上記のジフェノールの任意の好ましい組合せを
も使用することができる。上記の単量体ジフェノールに
加えて、付随的にポリカーボネートの合成の条件下に重
合反応を受けることができる2つの末端基を有するオリ
ゴマーまたはポリマーを使用することも可能である。こ
の様な末端基は、例えばフェノール性のOH基、クロロ
炭酸エステル基およびカルボン酸クロリド基である。こ
のような反応性の基をすでに有しているか、または適当
な後処理によってこのような基を生ぜしめることができ
る予め調製したオリゴマーまたはポリマー状のブロック
は、例えばポリシロキサン、例えば水素化した2量体状
脂肪酸に基づく飽和脂肪族ポリエステルのような、脂肪
族ジオールと飽和脂肪族または芳香族ジカルボン酸に基
づく重縮合物、芳香族ポリエーテルスルホンおよび脂肪
族ポリエーテルである。 流動性改善のためには、少
量、好ましくは0.05〜2.0モル%(使用するジフ
ェノールのモル数に対して)の量の、3官能性またはそ
れ以上の官能性を有する化合物、特に3以上のフェノー
ル性水酸基を有する化合物をも、公知のようにして付随
的に使用することができる。
【0013】3以上のフェノール性水酸基を有する、使
用可能な化合物のいくつかの例は、1,3,5-トリ-(4-ヒド
ロキシフェニル)- ベンゼン、1,1,1-トリ-(4-ヒドロキ
シフェニル)- エタン、2,6-ビス-(2-ヒドロキシ-5- メ
チル- ベンジル)-4-メチルフェノール、2-(4- ヒドロキ
シフェニル)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-オルトテ
レフタル酸エステル、テトラ-(4-ヒドロキシフェニル)-
プロパン、ヘキサ-(4-(2-(4- ヒドロキシフェニル)-プ
ロプ-2- イル)-フェニル)-オルトテレフタル酸エステ
ル、テトラ-(4-ヒドロキシフェニル)-メタンおよび1,4-
ビス(4',4''-ジヒドロキシ- トリフェニル)-メチル)-ベ
ンゼンである。その他のいくつかの3官能性化合物は、
2,4-ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌル酸
クロリドおよび3,3-ビス-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェ
ニル)-2-オキソ-2,3- ジヒドロ-インドールである。
【0014】コポリエステルカーボネートとしては特
に、次式(化2):
【0015】
【化2】 および次式(化3):
【0016】
【化3】 上記式中、RおよびR´はそれぞれ独立して、ハロゲン
原子、一価の炭化水素基または炭化水素オキシ基であ
り、Wは二価の炭化水素基、−S−、−S−S−、−O
−、−S(=O)−、−(O=)S(=O)−、または
−C(=O)−であり、nおよびn´はそれぞれ独立し
て0〜4の整数であり、Xは炭素数6〜18を有する二
価の脂肪族基であり、bは0または1である、で示され
る構造単位を有し、かつ前記(化3)の構造単位の量は
(化2)および(化3)の構造単位の合計量の2〜30
モル%を占めるところのコポリエステルカーボネートが
好ましい。上記式中のハロゲン原子としては、例えば塩
素原子または臭素原子等が挙げられる。一価の炭化水素
基としては、炭素数1〜12を有するアルキル基、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、デシル基等;炭素
数4〜8を有するシクロアルキル基、例えばシクロペン
チル基、シクロヘキシル基等;炭素数6〜12を有する
アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニ
ル基等;炭素数7〜14を有するアラルキル基、例えば
ベンジル基、シンナミル基等;または炭素数7〜14を
有するアルカリール基、例えば、トリル基、クメニル基
等が挙げられ、好ましくはアルキル基である。また炭化
水素オキシ基の炭化水素基は前記した炭化水素基を挙げ
ることができる。そのような炭化水素オキシ基として
は、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリール
オキシ基、アラルキルオキシ基またはアルカリールオキ
シ基であり、アルコキシ基およびアリールオキシ基が好
ましい。また、Wが二価の炭化水素基の場合には、炭素
数1〜30を有するアルキレン基、例えばメチレン基、
エチレン基、トリメチレン基、オクタメチレン基等、炭
素数2〜30を有するアルキリデン基、例えばエチリデ
ン基、プロピリデン基等、または、炭素数6〜16を有
するシクロアルキレン基、例えばシクロヘキシレン基、
シクロドデシレン基等もしくはシクロアルキリデン基、
例えばシクロヘキシリデン基等である。
【0017】上記式(化3)で示される構成単位は、ジ
フェノール成分および二価酸成分からなる。ジフェノー
ル成分の導入については、上記したのと同様のジフェノ
ールを使用できる。二価酸成分を導入するために使用す
るモノマーとしては、二価の酸またはその等価物質であ
る。二価の酸としては例えば炭素数8〜20、好ましく
は10〜12の脂肪族二酸である。この二価の酸または
その等価物質は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであっ
ても良い。脂肪族二酸は、α、ω‐ジカルボン酸が好ま
しい。そのような二価の酸としては例えば、セバシン酸
(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オ
クタデカン二酸、アイコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジ
カルボン酸が好ましく、セバシン酸およびドデカン二酸
が特に好ましい。また、等価物質としては、上記した二
価の酸の、例えば酸クロリドのような酸ハライド、例え
ばジフェニルエステルのようなジ芳香族エステル等が挙
げられる。ただし、エステルのエステル部分の炭素数
は、上記した酸の炭素数には含めない。上記した二価の
酸またはその等価物質は、単独でも良く、また2種以上
の組合せであっても良い。
【0018】上記のコポリエステルカーボネートは、
(化2)(化3)で示される上記した2種の構成単位を
次の割合で有している。すなわち、(化3)で示される
構成単位の量が、(化2)および(化3)の合計量の2
〜30モル%、好ましくは5〜25モル%、さらに好ま
しくは7〜20モル%である。
【0019】コポリエステルカーボネートの重量平均分
子量は、通常10,000〜100,000 、好ましくは18,000〜4
0,000である。ここでいう重量平均分子量とは、ポリカ
ーボネート用に補正されたポリスチレンを用いて、GP
C(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定された
ものである。また、メチレンクロリド中、25℃で測定し
た固有粘度が、0.35〜0.65 dl/g であるものが好まし
い。
【0020】上記のコポリエステルカーボネートは、公
知のポリカーボネートの製造方法、例えばホスゲンを用
いる界面重合法、溶融重合法等によって製造できる。例
えば、クイン(Quinn)の米国特許第4,238,596 号明細書
ならびにクインおよびマルケジッヒ(Markezich)の米国
特許第4,238,597 号明細書に記載された方法で製造する
ことができる。具体的には、まず、エステル形成基とジ
フェノールとの反応に先立ち酸ハライドを形成し、次い
でホスゲンと反応させる。なお、ゴールドベルグ(Goldb
erg)の塩基性溶液法(米国特許第3,169,121 号明細書)
では、ピリジン溶媒が使用でき、またジカルボン酸が用
いられる。α、ω‐ジカルボン酸(例えばセバシン酸)
のジエステル、(例えばジフェニルエステル)を使用す
る溶融重合法もまた使用できる。好ましい製造方法は、
米国特許第4,286,083 号明細書のコカノウスキー(Kocha
nowski) の改良法である。この方法では、アジピン酸の
ような低級の二酸をあらかじめ塩の形(好ましくはナト
リウム塩のようなアルカリ金属塩)にしておき、ジフェ
ノールが存在する反応容器に添加する。ホスゲンとの反
応中、水相をアルカリ性のpH、好ましくは約pH8〜
9に保持し、次いでホスゲンとの反応の残り最小限約5
%のところで、pH10〜11に上げる。
【0021】界面重合法、例えばビスクロロフォーメー
ト法による場合には、ポリカーボネートやコポリエステ
ルカーボネートの合成において良く知られている一般的
な触媒系を使用するのが好ましい。主な触媒系として
は、第3級アミン、アミジンまたはグアニジンのような
アミン類が挙げられる。第3級アミンが一般的に使用さ
れ、その中でもトリエチルアミンのようなトリアルキル
アミンが特に好ましい。
【0022】また、上記したポリカーボネート系樹脂に
は、分子量調整のための末端封止剤として、例えばフェ
ノール、p-t-ブチルフェノール、イソノニルフェノー
ル、イソオクチルフェノール、m-またはp-クミルフェノ
ール(好ましくはp-クミルフェノール)、クロマニル化
合物等を使用できる。
【0023】本発明においては、上記のポリカーボネー
ト系樹脂に、分子内に(a) 炭素‐炭素二重結合および
(b) 次式−C(=O)−Cl、−C(=O)−Br、−
C(=O)−OH、−OH、−O−C(=O)−Clお
よび−O−C(=O)−Brから選ばれる少なくとも1
種の基を有する化合物が共重合成分もしくは末端封止剤
として含まれるポリカーボネート、すなわちその構造内
に炭素‐炭素二重結合を有するポリカーボネート系樹脂
を使用する。特に、このような化合物で末端を封止し
た、末端部分に二重結合を有するポリカーボネートが好
ましい。そのような二重結合を有するポリカーボネート
系樹脂は、上記したカーボネート成分の前駆物質とジフ
ェノールとを重合させてポリカーボネート系樹脂を製造
する際に、上記の化合物を存在させることによって得ら
れる。そのような化合物としては、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸等
の不飽和モノ脂肪族カルボン酸およびマレイミド安息香
酸ならびにこれらの酸ハロゲン化物;マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸およびこれら
の酸ハロゲン化物;イソプロペニルフェノール、アリル
フェノール、マレイミドフェノール等およびこれらのハ
ロゲノ炭酸エステル類等が挙げられる。これらを単独で
また混合物として使用できる。末端に上記化合物を共重
合したポリカーボネートを製造するために、上記した化
合物のうち、不飽和モノ脂肪族カルボン酸マレイミド安
息香酸ならびにこれらの酸ハロゲン化物;イソプロペニ
ルフェノール、アリルフェノール、マレイミドフェノー
ル等およびこれらのハロゲノ炭酸エステル類等を使用す
るのが好ましい。
【0024】上記した共重合成分もしくは末端封止剤と
なる化合物は、原料ジフェノール1モルに対して通常
0.001〜0.2モル、好ましくは0.002〜0.
1モル添加する。
【0025】成分(B)は、成分(A)2〜98重量部
に対して98〜2重量部、好ましくは(A)30〜70
重量部に対して(B)70〜30重量部配合される。
(B)の量が2重量部未満では(A)の成形性の改善が
不十分であり、一方(A)の量が2重量部未満では
(B)の耐熱性の改善が不十分である。
【0026】本発明における成分(B)としては、上記
した二重結合を有するポリカーボネート系樹脂のみを使
用するか、またはこれと従来の(未変性の)ポリカーボ
ネート系樹脂の両方を使用する。両者の配合比率は、末
端に二重結合を有するポリカーボネート系樹脂1〜10
0重量部に対して従来のポリカーボネート系樹脂0〜9
9重量部である。好ましくは、末端に二重結合を有する
ポリカーボネート系樹脂20〜100重量部に対して従
来のポリカーボネート系樹脂0〜80重量部である。
【0027】本発明の樹脂組成物には、所望により他の
樹脂、エラストマー、難燃剤、難燃助剤、安定剤、紫外
線吸収剤、可塑剤、滑剤などの各種添加剤、顔料、充填
剤、その他の成分が適宜配合され得る。
【0028】他の樹脂としては、(A)PPE系樹脂と
相溶性の良い樹脂、例えばポリスチレン、(B)ポリカ
ーボネートと相溶性が良い樹脂、例えばポリエステル、
ABS樹脂等が挙げられる。
【0029】エラストマーとは、一般的意味でのエラス
トマーであり、例えばA.V.Tobolsky著「プロパティーズ
アンド ストラクチャーズ オブ ポリマーズ(Prope
rties and Structures of Polymers) 」(John Vlley &
SonsInc.,1960) 71 〜78頁に記載された定義を引用で
き、エラストマーとは常温におけるヤング率が105 〜10
9 ダイン/cm2 (0.1 〜1020kg/ cm2)である重合体を
意味する。エラストマーの具体例としては、A−B−A
型エラストマー状ブロック共重合体、ポリブタジエン部
分の二重結合が水添されたA−B−A型エラストマー状
ブロック共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体、ニト
リルゴム、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐
プロピレン‐ジエン共重合体(EPDM)、チオコール
ゴム、ポリスルフィドゴム、アクリル酸ゴム、ポリウレ
タンゴム、ブチルゴムとポリエチレンとのグラフト物、
ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等
が挙げられる。とりわけA−B−A型エラストマー状ブ
ロック共重合体が好ましい。
【0030】前記各種添加剤の例を挙げると、難燃剤の
例としてはトリフェニルホスフェート、トリクレジルホ
スフェート、イソプロピルフェノールとフェノールの混
合物より得られるホスフェート、ベンゾヒドロキノンあ
るいはビスフェノールAのような2官能性フェノールと
他のアルコールあるいはフェノール類から得られるホス
フェートのようなリン酸エステル類;デカブロモビフェ
ニル、ペンタブロモトルエン、デカブロモビフェニルエ
ーテル、ヘキサブロモベンゼン、ブロム化ポリスチレン
等に代表される臭素化化合物;メラミン誘導体等の含窒
素化合物等を挙げることができる。
【0031】また、難燃助剤が使用されてもよく、その
例としては、アンチモン、ホウ素、亜鉛あるいは鉄の化
合物などが挙げられる。
【0032】さらにその他の添加剤として立体障害フェ
ノール、ホスファイト系化合物のごとき安定剤;しゅう
酸ジアミド系化合物、立体障害アミン系化合物で例示さ
れる紫外線吸収剤;ポリエチレンワックス、ポリプロピ
レンワックス、パラフィンで例示される滑剤等が挙げら
れる。
【0033】さらには、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜
鉛で例示される顔料;ガラス繊維、ミルドファイバー、
ガラスビーズ、アスベスト、ウォラストナイト、マイ
カ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシ
ウム、シリカ、チタン酸カリウム繊維、けいそう土、ロ
ックウールで例示される鉱物充填剤;アルミニウムや亜
鉛のフレークあるいは黄銅、アルミニウム、亜鉛等の金
属の繊維で代表される無機充填剤;炭素繊維に代表され
る有機充填剤を挙げることができる。
【0034】本発明の樹脂組成物を製造する方法は特に
限定されないが、各成分をミキサー等で混合後、押出
機、ニーダー等で250〜350℃の温度で溶融混練す
る等の方法を用いることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】なお、実施例においては次の化合物を使用
した。 成分(A) PPE…固有粘度(クロロホルム、30℃)0.46 dl/
gのポリ(2,6‐ジメチル‐1,4‐フェニレン)エ
−テル 成分(B) PC:ビスフェノールAのポリカーボネート、商標 LE
XAN (日本ジーイープラスチックス株式会社製)、塩化
メチレン中、25℃で測定した固有粘度0.46 dl/g PC−1:以下のようにして製造した、末端部分に二重
結合を有するポリカーボネート:イオン交換水6リット
ルおよび塩化メチレン7リットルの混合物に、2,2-ビス
-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(すなわちビスフェ
ノールA)2.28kg(10.0モル)、N-(p- ヒド
ロキシフェニル)マレイミド75.6g(0.4モル)
およびトリエチルアミン14.0mlを添加し、室温に
て激しく撹拌した。次に、水酸化ナトリウム水溶液(5
0%)を添加して溶液のpHを10に保ちながら、この
混合溶液に、60g/分の速度でホスゲンを20分間吹
き込んだ。ホスゲン添加終了後、5分間撹拌し、次いで
塩化メチレン溶液と水相を分離した。この塩化メチレン
溶液を水で、次いで2%塩酸で、次いで再び水で洗浄し
た後、溶媒を除去し、残留した生成物を100℃で1晩
乾燥させた。
【0037】得られた生成物のIR分析を行ったとこ
ろ、1704cm-1にνC=O の吸収がみられた。また、H
1 NMRの測定からは、マレイミドの二重結合炭素に結
合する水素原子に対応するピークがδ6.85 ppmに見
られた。GPCによる分子量測定からは、この生成物の
数平均分子量が11,300、重量平均分子量が28,
100であることがわかった。 成分(B) PC−2:N-(p- ヒドロキシフェニル)マレイミドを7
5.6gの代りにN-(p- ヒドロキシフェニル)マレイミ
ド28.16g(0.15モル)とフェノール14.0
gを用いた以外は上記のPC−1と同様にして末端部分
に二重結合を有するポリカーボネートを製造した。
【0038】GPCによる分子量測定からは、この生成
物の数平均分子量が13800、重量平均分子量が33
600であることがわかった。 任意成分 SEBS:KRATON G 1651 (商標、シェルケミカル社
製)、水素化スチレン‐エチレン‐ブタジエン‐スチレ
ン共重合体実施例1〜6および比較例1〜4 各成分を表1および2に示す割合(重量比)で混合し、
299 ℃、300 rpm に設定した2軸押出機(30mm)で押出
し、ペレットを作成した。このペレットを、設定温度29
9 ℃、金型温度82℃で射出成形して試験片を作成した。
これについて、アイゾット衝撃強度、引張り強度、引張
り伸びおよび光沢度を測定した。結果を表1および2に
示す。
【0039】なお、アイゾット衝撃強度は、ASTM D256
に従い、ノッチ付およびノッチ無アイゾット衝撃強度を
測定した。引張り強度および引張り伸びはASTM D638 に
従って測定した。また、光沢度は光沢計を用いて、入射
角60°、反射角60°で測定した。
【0040】
【表1】 表 1 ──────────────────────────────────── 実施例 比較例 実施例 比較例 実施例 比較例 1 1 2 2 3 3 ──────────────────────────────────── 成分(重量部) PC 80 90 50 65 27 35 PC−1 10 - 15 - 8 - PPE 10 10 35 35 65 65 ──────────────────────────────────── アイゾット衝撃強度 (kg-cm/cm) 1/8 インチ ノッチ付 83.8 69.1 7.1 1.6 1.1 1.1 1/8 インチ ノッチ無 50.4 47.3 57.2 51.7 47.2 34.3 1/4 インチ ノッチ付 11.3 11.9 4.3 4.3 1.1 1.6 1/4 インチ ノッチ無 9.8 10.3 5.4 1.6 28.3 1.6 引張り強度 ( kg/cm2 ) 670 670 690 700 640 590 引張り伸び(%) 84 101 57 27 4 3 ────────────────────────────────────
【0041】
【表2】 表 2 ─────────────────────────────────── 実施例4 比較例4 実施例5 実施例6 ─────────────────────────────────── 成分(重量部) PC 52 60 30 30 PC−1 8 - 30 - PC−2 - - - 30 PPE 32 32 32 32 SEBS 8 8 8 8 ─────────────────────────────────── アイゾット衝撃強度 (kg-cm/cm) 1/8 インチ ノッチ付 室温 55.0 18.5 65.3 54.4 -20℃ 41.6 - - 36.7 -30℃ 35.1 - 41.0 26.5 -40℃ 19.4 - 24.8 - 1/4 インチ ノッチ付 53.5 22.1 50.2 55.1 引張り強度 ( kg/cm2 ) 550 570 580 570 引張り伸び(%) 85 50 61 78 光沢度 12.8 10.9 32.5 14.0 ───────────────────────────────────
【0042】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、PPEとPCと
が良好に相溶化されているので、機械的強度が優れてい
る。よってその用途は広く、工業的に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂
    2〜98重量部、および(B)分子内に(a) 炭素‐炭素
    二重結合および(b) 次式−C(=O)−Cl、−C(=
    O)−Br、−C(=O)−OH、−OH、−O−C
    (=O)−Clおよび−O−C(=O)−Brから選ば
    れる少なくとも1種の基を有する化合物を、共重合成分
    もしくは末端封止剤として含むポリカーボネート系樹脂
    またはこれとポリカーボネート系樹脂 98〜2重量部
    を含む樹脂組成物。
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