JPH05137788A - 超音波ネブライザー - Google Patents

超音波ネブライザー

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JPH05137788A
JPH05137788A JP30613891A JP30613891A JPH05137788A JP H05137788 A JPH05137788 A JP H05137788A JP 30613891 A JP30613891 A JP 30613891A JP 30613891 A JP30613891 A JP 30613891A JP H05137788 A JPH05137788 A JP H05137788A
Authority
JP
Japan
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air
atomized
patient
transparent pipe
ultrasonic
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Application number
JP30613891A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ueda
浩 上田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】霧化槽の霧化薬液がエア系統に逆流することを
防止する。また、逆流が生じても早期に発見でき、メン
テナンスを簡便に行えるようにする。 【構成】超音波振動子8のエネルギーにより霧化槽bに
おいて治療用薬液Lbを霧化させ、細菌除去フィルタ2
6を介してエア源が取り込んだエアをキャリアとして霧
化薬液MLを霧化槽bから患者に送気する。エア源とし
て、患者の呼気圧よりも高いエア送圧力を有する強制吸
排気装置(エアポンプ)30を細菌除去フィルタ26と
霧化槽bとの間のエア系統中に介装する。また、エア系
統の一部を透明パイプ34となし、この透明パイプ34
を着脱自在かつ交換可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、治療用薬液を超音波振
動によって霧化し、細菌除去フィルタを介してエア源が
取り込んだエアをキャリアとして霧化薬液を患者に送気
し、その霧化薬液を気管支疾患の患者に口または鼻より
吸入させ、気管支疾患部を治療する超音波ネブライザー
(医療用吸入器)に関する。
【0002】
【従来の技術】患者は、超音波ネブライザーの霧化槽に
おいて霧化された薬液を自発呼吸によって吸入し、気管
支疾患部の治療に供する。霧化槽の温度は室温とほぼ同
じ温度であり、また、一般的に霧化した薬液の比重は空
気の比重よりも大きいので、霧化槽内では底の方に溜ま
る傾向をもつ。
【0003】そこで、患者の自発呼吸による霧化薬液の
吸入を補助するために、機器内部にエア源を搭載し、こ
のエア源によって霧化薬液のキャリアとしてエアを発生
させるようにしている。このキャリアとしてのエアによ
って空気よりも重い霧化薬液が霧化槽から出ていくのを
補助するのである。従来、そのエア源としては、エア送
圧力が比較的に小さいシロッコファンやセンターファン
が用いられているのが通例である。
【0004】流路の概要を説明すると、細菌除去フィル
タ→エア源→送気パイプ→霧化槽→蛇腹ホース→マスク
(またはマウスピース)の順路で流動する。マスクは、
患者の鼻と口とにあてがうものであり、マウスピース
は、患者が口にくわえるものである。
【0005】患者が霧化薬液を吸入している期間におい
ては、霧化槽内はエア源に対して負圧となるため、エア
送圧力が比較的に弱いシロッコファンやセンターファン
などのエア源からでもエアは霧化槽に流入しやすい状態
となる。
【0006】一方、患者の呼気期間つまり息を吐いてい
る期間では、霧化槽内は加圧状態となり、もし、霧化槽
の圧力がエア源の送気圧よりも高くなれば、霧化槽内に
充満している霧化薬液はエア系統をエア源の方へと逆流
していくことになる。
【0007】そして、現に、従来よりエア源として用い
られているシロッコファンやセンターファンは、ほとん
どエア送圧力が生じない程度の弱いものであるといって
よく、息を吐く期間においてエア系統への霧化薬液の逆
流が生じていた。
【0008】そこで、この不都合を無くす目的で、呼気
が霧化槽内に戻りにくいように工夫された図4,図5に
示すようなマスクやマウスピースを使用するようになっ
てきた。
【0009】図4のマスク70は、患者の口と鼻とを覆
うマスク本体72と、頭部へ固定するための装着バンド
74と、霧化槽から導出された図示しない蛇腹ホースを
着脱自在に取り付ける接続口76と、呼気逃がし口78
とを有している。吸気時には、蛇腹ホースを介して送気
されてくる霧化薬液を接続口76からマスク本体72を
介して口または鼻より吸入する。呼気時には、呼気逃が
し口78より呼気が外気へと逃げ、蛇腹ホースから霧化
槽への逆流が抑えられる。
【0010】図5の(a),(b)に示したマウスピー
ス80は、マウスピース本体82と、口唇や歯でくわえ
る喰え部84と、蛇腹ホースを着脱自在に取り付ける接
続口86と、呼気逃がし口88とを有している。吸気時
には、蛇腹ホースを介して送気されてくる霧化薬液を接
続口86からマウスピース本体82および喰え部84を
介して口より吸入する。呼気時には、呼気逃がし口88
より呼気が外気へと逃げ、蛇腹ホースから霧化槽への逆
流が抑えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな呼気逃がし口78,88を形成したマスク70やマ
ウスピース80を用いても、少しではあるが呼気の一部
は蛇腹ホースを介して霧化槽に流入し、霧化槽内の霧化
薬液がエア系統に向けて逆流する。
【0012】そして、長期間の使用によって、逆流した
霧化薬液の量が次第に増加し、エア系統での薬液の付着
量も増加する。最悪の場合にはエア源であるシロッコフ
ァンやセンターファンの羽根にも薬液が付着する。この
ような状態に加え、機器内部が電気部品や超音波振動子
によって昇温するため、薬液の付着した箇所が細菌の繁
殖の場となる可能性があった。
【0013】エア源によって起風され霧化薬液のキャリ
アとなるエアは、霧化薬液とともに患者の気管支や肺胞
に入るものであるので、清浄なものでなければならな
い。エア系統で細菌が繁殖したままの状態で、超音波ネ
ブライザーを使用し続けると、細菌が気管支や肺胞に侵
入するおそれがあり、患者にとっての安全性が問題とな
るからである。医療用の超音波ネブライザーは、病院等
において多数の患者に供されるものであるので、院内で
の感染防止が常に重要となる。そこで、病院側では、定
期的にエア系統を清掃し、消毒を行うようにしている。
【0014】ところで、超音波ネブライザーは機器内部
に電気部品を搭載していることから、機器全体を洗浄
液,消毒液に浸すことができない。エア系統を構成する
送気パイプや関連部品を着脱自在としたり、着脱が不可
能なものではコーナー部に丸みをもたせる等して、清
掃,消毒を行いやすいように工夫している。
【0015】しかしながら、エア系統の隅々まで確実に
清掃,消毒を行うことは非常に面倒であるとともに、む
ずかしいことである。特に、送気パイプの清掃,消毒は
むずかしく、手間のかかるものであった。
【0016】本発明は、このような事情に鑑みて創案さ
れたものであって、霧化薬液がエア系統に逆流すること
を極力防止することを第1の目的とし、もし、その逆流
が生じたときは容易に発見できるようにするとともに、
面倒な清掃や消毒の手間をなるべく軽減できるようにす
ることを第2の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の超音
波ネブライザーは、超音波振動により霧化槽において治
療用薬液を霧化させ、細菌除去フィルタを介してエア源
が取り込んだエアをキャリアとして前記霧化槽から霧化
薬液を患者に送気するように構成された超音波ネブライ
ザーであって、前記エア源として呼気圧よりも高いエア
送圧力を有する強制吸排気装置を前記細菌除去フィルタ
と霧化槽との間のエア系統中に介装したことを特徴とす
るものである。
【0018】また、本発明に係る第2の超音波ネブライ
ザーは、超音波振動により霧化槽において治療用薬液を
霧化させ、細菌除去フィルタを介してエア源が取り込ん
だエアをキャリアとして前記霧化槽から霧化薬液を患者
に送気するように構成された超音波ネブライザーであっ
て、前記エア源として呼気圧よりも高いエア送圧力を有
する強制吸排気装置を前記細菌除去フィルタと霧化槽と
の間のエア系統中に介装するとともに、前記エア系統の
うち機器外部に位置する部分を透明パイプとなし、この
透明パイプを着脱自在かつ交換可能に構成したことを特
徴とするものである。
【0019】
【作用】第1の超音波ネブライザーによれば、エア源と
して患者の呼気圧よりも高いエア送圧力を有する強制吸
排気装置を装備させたので、呼気が霧化槽内に逆流する
ことを、その高いエア送圧力によって防止する。したが
って、霧化槽から霧化薬液がエア系統に向けて逆流する
ことが抑制され、エア系統内での細菌の繁殖も防止す
る。
【0020】ところで、上記のような強制吸排気装置を
設けても、長期使用によっては霧化薬液の逆流が生じる
可能性が残る。
【0021】しかるに、第2の超音波ネブライザーによ
れば、機器外部に位置するエア系統部分を透明パイプと
してあるから、霧化薬液がエア系統に逆流してきたかど
うかを透明パイプにおける液滴の付着の有無を目視によ
りチェックすることにより判断できる。
【0022】そして、その透明パイプは、着脱自在で交
換可能にしてあるので、長期使用等により霧化薬液の逆
流が生じたときには、その透明パイプを取り外して廃棄
し、新しい透明パイプと交換すればよい。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る超音波ネブライザーの実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】第1実施例 図1は本発明の第1実施例に係る超音波ネブライザーの
要部を示す断面図である。
【0025】上キャビネット2には、その上面から下方
に一体的に連出する状態で作用槽aを形成する下部ケー
シング4が設けられている。下部ケーシング4の底部
は、上キャビネット2の対向内壁間にわたって架設され
た支持台6によって支持されている。支持台6には励振
用の超音波振動子8が上方に露出し作用槽aに連通する
状態で埋め込まれている。下部ケーシング4の底面には
超音波振動子8に連通する開口部4aが形成されている
とともに、支持台6を上下に貫通するドレイン10が延
出されている。作用槽aの下部の適当な高さまで超音波
伝搬用の作用液Laが収容されている。この作用液La
は超音波振動子8を覆っている。なお、作用液Laとし
ては、一般的に純水または生理食塩水が用いられる。
【0026】下部ケーシング4の内部には樹脂製のダイ
アフラム12が着脱自在に装入されている。ダイアフラ
ム12は上部と下部とからなり、上部は下部ケーシング
4の上部の段差部に支持されている。ダイアフラム12
の下端部は下部ケーシング4の底部近くに位置し、作用
槽aの作用液La内に浸漬している。ダイアフラム12
には患者の気管支疾患部の状態に応じた所要量の治療用
薬液Lbを収容するようになっている。
【0027】ダイアフラム12の内側上部に対して上部
ケーシング14が着脱自在に内嵌支持されるように構成
されている。ダイアフラム12と上部ケーシング14と
で薬液Lbの霧化を行う霧化槽bが形成されている。
【0028】上部ケーシング14の上部には、エア導入
口16が嵌合されているとともに、筒状の吸気口18が
一体的に形成されている。この吸気口18には、図示し
ない蛇腹ホースが接続され、その蛇腹ホースの他端には
マスクまたはマウスピースが接続されるようになってい
る。そのマスクとしては、例えば図4のマスク70が用
いられ、また、マウスピースとしては、例えば図5のマ
ウスピース80が用いられる。
【0029】超音波振動子8が発する超音波エネルギー
によって治療用薬液Lbの中央部がLb1 のように盛り
上げられ、この盛り上がり部分Lb1 の表面において薬
液Lbが霧化され、霧化薬液MLとなって上部ケーシン
グ14内で拡散する。このとき、エア導入口16から導
入されてきたエアが盛り上がり部分Lb1 に対して直接
的に衝突すると霧化量に影響を与えることになる。これ
を防止するためと、吸気口18から大粒の霧化薬液が飛
び出すのを防止するために、上部ケーシング14の天板
部にエア導入口16と吸気口18を覆う遮蔽板20が取
り付けられている。22は反射板である。
【0030】上キャビネット2の側面に形成されたエア
吸入口24の内側にメッシュの非常に細かな細菌除去フ
ィルタ26を内蔵した円錐状のダクト28が設けられて
いる。細菌除去フィルタ26はダクト28の大径部に密
着内嵌され、エア吸入口24をその内側から覆ってい
る。ダクト28の大径部と上キャビネット2の内壁面と
は気密的に密着されている。ダクト28の他端は、エア
源の吸引口に気密的に嵌合されている。
【0031】このエア源として、従来の場合にはエア送
圧力の小さなシロッコファンやセンターファンを用いて
いたのであるが、本発明の場合には患者の呼気圧よりも
高いエア送圧力を有する強制吸排気装置を用いる。この
実施例では、強制吸排気装置の具体例としてエアポンプ
30を採用している。
【0032】このエアポンプ30の駆動によりダクト2
8の内部は負圧となるが、ダクト28はその負圧に抗し
て変形しないように硬質樹脂または金属から丈夫な構造
に作られている。エアポンプ30の吐出口と上部ケーシ
ング14のエア導入口16とは、上キャビネット2を貫
通する可撓性の送気パイプ32を介して気密的に連通接
続されている。
【0033】次に、上記のように構成された超音波ネブ
ライザーの動作を説明する。
【0034】操作者(医師または看護婦)は上部ケーシ
ング14を外して霧化槽b(ダイアフラム12)に患者
の治療にとって必要な量の治療用薬液Lbを注入し、再
び上部ケーシング14をセットする。患者にマスク70
またはマウスピース80を装着する。このマスク70ま
たはマウスピース80は、図示しない蛇腹ホースを介し
て吸気口18に連通接続されている。次いで、操作者は
超音波振動子8を駆動するとともに、エアポンプ30を
駆動する。
【0035】作用槽aの底部に位置する励振用の超音波
振動子8の振動により発生される超音波エネルギー(太
線矢印参照)が作用液La内を伝搬し、ダイアフラム1
2を透過して霧化槽b内に収容されている治療用薬液L
bに伝搬される。薬液Lbは、その超音波エネルギーに
より中心部が図示のLb1 のように盛り上がり、この盛
り上がり部分Lb1 において薬液の霧化が行われる。霧
化槽b内で生じた霧化薬液MLは、室温に近い温度であ
ることから空気よりも重い。
【0036】エア送圧力の強力な強制吸排気装置である
エアポンプ30の駆動によりダクト28内が負圧になる
ため、外部のエアが細菌除去フィルタ26を介してダク
ト28内に吸引される。このとき、細菌除去フィルタ2
6によってほこりやちりはもとより細菌も除去され、清
浄なエアとなる。
【0037】ダクト28内の清浄なエアは、エアポンプ
30により、その吸引口から吸入され、その吐出口から
強力に吐出される。すなわち、エアポンプ30による強
制吸排気が行われる。そして、吐出された清浄なエア
は、送気パイプ32,エア導入口16から矢印Xで示す
ように流入し、遮蔽板20に衝突して減速されるととも
に、遮蔽板20に案内されて遮蔽板20の周辺部から霧
化槽b内に流入する。エアは減速されはするが、霧化槽
b内を正圧に保つことになる。
【0038】空気より重い霧化薬液MLは、キャリアと
してのエアによって運ばれ、遮蔽板20によって流速を
制限された後、矢印Yで示すように吸気口18から押し
出され、図示しない蛇腹ホースを介して患者の口もとの
マスク70またはマウスピース80に供給される。
【0039】患者は、自発呼吸により、蛇腹ホースを介
してエアによって運ばれて送気されてくる霧化薬液ML
をマスク70またはマウスピース80を介して口または
鼻より吸入する。その霧化薬液MLは患者の気管支疾患
部に到達し、治療が行われる。なお、患者の自発呼吸に
よる吸入が無理なときは、人工呼吸器を併用する。
【0040】呼気時においては、その呼気はマスク70
またはマウスピース80の呼気逃がし口78,88から
外気に放出される。
【0041】従来においては、エア源としてエア送圧力
の比較的に弱いシロッコファンやセンターファンを用い
ていたので、呼気の一部が接続口76,86から蛇腹ホ
ースを介して霧化槽bに流入し、霧化槽bがエア源に対
して正圧となるため、霧化槽b内の霧化薬液MLが送気
パイプ32側に逆流していた。
【0042】しかし、本発明のこの実施例にあっては、
エア源としてエア送圧力が呼気圧よりも強力な強制吸排
気装置の一例であるエアポンプ30を用いているので、
呼気が蛇腹ホースから霧化槽bに流入することが防止さ
れる。エア送圧力の方が呼気圧よりも高いからである。
接続口76,86に呼気圧がかかっても、エアポンプ3
0は強力なエア吐出を継続し、霧化槽bから蛇腹ホース
を介しての霧化薬液MLの供給を続行する。
【0043】すなわち、送気パイプ32に対する霧化薬
液MLの逆流は生じず、エア系統での細菌の繁殖は防止
される。したがって、超音波ネブライザーは常に清潔な
機器として取り扱うことができ、院内感染を回避するこ
とができる。
【0044】なお、エアポンプ30はエア送圧力が強力
であるので、送気パイプ32の径を従来よりも小さくす
ることができ、エア系統が占める容積の削減による機器
の小型化を図ることも可能である。また、マスクやマウ
スピースとして、呼気逃がし口のない通常の構造のもの
を使用することも可能となる。
【0045】一人の患者に対する所要量の霧化薬液ML
の投与が終了すると、エアポンプ30および超音波振動
子8の駆動を停止する。そして、一層慎重な院内感染防
止のため、上部ケーシング14およびダイアフラム12
を取り外し、これらも作用槽aも含めて全体を清掃・消
毒した後、別の患者用に使用する。
【0046】槽を作用槽aと霧化槽bとの2つに分けた
理由の一つは、上記のように感染防止の清掃・消毒のた
め上部ケーシング14とダイアフラム12とを取り外せ
るようにするためである。
【0047】もう一つの理由は、霧化槽b内に注入する
薬液Lbの量が患者ごとに異なり、その所要量すべてを
霧化して患者に吸入させるので、最後には薬液Lbが無
くなるからである。もし、2つの槽に分けておらず作用
液Laが無いのであれば、薬液Lbが無くなると超音波
振動子8が空気に露出することになって、それに対する
負荷が無負荷となるために、超音波振動子8が過剰に駆
動されて機械的に劣化する。しかし、実際には、薬液L
bが無くなっても作用液Laが超音波振動子8を覆って
いるので無負荷状態は生じず、超音波振動子4の劣化も
抑制されるのである。
【0048】作用液Laは、上記のように超音波振動子
8に対して常に一定以上の負荷をかけることで超音波振
動子8を機械的劣化から保護する機能のほか、超音波振
動子8がその内部で起こす自己発熱を冷却によって抑
え、熱的劣化をも防止するという機能を併せもつ。
【0049】ところで、超音波ネブライザーを長期にわ
たって使用しているうちに細菌除去フィルタ26の外面
側に付着するほこりやちりの量が次第に増加し、細菌除
去フィルタ26が目詰まりを起こし始める。したがっ
て、細菌除去フィルタ26は定期的に新品と交換する必
要があるのであるが、交換をし忘れたり、遅くなったり
する場合もあり得る。そうすると、エアポンプ30のエ
ア送圧力が強力でも、それが充分には発揮されず、呼気
圧よりも低くなる可能性があり、霧化薬液MLがエア系
統へ逆流するおそれが生じてくる。その他、長期間にわ
たって超音波ネブライザーの使用を続けていると、エア
ポンプ30の能力低下など何らかの原因によって霧化薬
液MLがエア系統に逆流し、細菌繁殖の温床ともなりか
ねない。
【0050】このような危惧を回避せんとして考えられ
たのが、次に述べる第2実施例の超音波ネブライザーで
ある。
【0051】第2実施例 図2は本発明の第2実施例に係る超音波ネブライザーの
断面図、図3は着脱自在な透明パイプの部分を拡大した
断面図である。
【0052】エア源として呼気圧よりも高いエア送圧力
を有するエアポンプ30(強制吸排気装置)を用いてい
る点は第1実施例と同様である。このエアポンプ30と
霧化槽bを構成する上部ケーシング14との間のエア系
統が2分割されている。一部はエアポンプ30の吐出口
に連通接続された送気パイプ32aである。残りの部分
は送気パイプ32aおよび上部ケーシング14に対して
着脱自在なプラスチック製の透明パイプ34となってい
る。そして、送気パイプ32aと透明パイプ34とを連
通接続する連結コネクタ36が用いられている。
【0053】このような構造にするため、上キャビネッ
ト2の一部分が上方に膨出されている。この膨出部分2
aにおいて横方向に貫通する貫通孔が形成され、この貫
通孔に連結コネクタ36が横方向に摺動自在に挿通され
ている。連結コネクタ36の突片36aと、膨出部分2
aから一体的に連設されたスプリング受け2bとの間に
圧縮スプリング38が介在されている。
【0054】膨出部分2aの内部において連結コネクタ
36の内側端部に送気パイプ32aの端部が差し込み接
続されている。連結コネクタ36の外側端部はテーパー
外周面36bに形成され、これに対応して透明パイプ3
4の基部はテーパー内周面34aに形成されている。透
明パイプ34を連結コネクタ36に挿入する際に、透明
パイプ34を軸周りに左右両方向に回動させながら押し
込むことで、テーパー内周面34aとテーパー外周面3
6bとの摺接密着を図り、エアポンプ30による送圧力
が高いものであるにもかかわらず気密性を確保し、エア
漏れを防止するようにしている。
【0055】透明パイプ34の先端部分はテーパー外周
面34bに形成されている。第1実施例におけるエア導
入口16は用いられておらず、上部ケーシング14に形
成された貫通孔14aに直接、テーパー外周面34bを
嵌合するようにしている。貫通孔14aの周りで上部ケ
ーシング14の上面にはOリング40が同心状に嵌着さ
れており、圧縮スプリング38によって連結コネクタ3
6を介して透明パイプ34を押し出し付勢することによ
り、透明パイプ34に図面上反時計方向の回動付勢力を
与え、透明パイプ34の外面をOリング40に圧着さ
せ、気密性を確保するようになっている。
【0056】なお、この着脱自在な透明パイプ34が上
キャビネット2の外側部分に位置していることはいうま
でもない。
【0057】その他の構成は第1実施例と同様であるの
で、対応または相当する部分に同一符号を付すにとど
め、説明を省略する。
【0058】次に動作を説明する。
【0059】何らかの原因により、霧化槽b内の霧化薬
液MLがエア系統に逆流してきた場合、機器外部に位置
している透明パイプ34の内周面に霧化薬液MLが凝縮
した液滴が付着する。その液滴は透明パイプ34を通し
て外部から目視観察することができる。
【0060】また、エア系統に気密劣化があって外部か
らほこり,ちりが侵入してきたときも、汚れが透明パイ
プ34の内周面に付着するが、これも外部から目視観察
することができる。
【0061】このような場合、透明パイプ34を持っ
て、圧縮スプリング38に抗して奥に押し込むようにし
ながら上方に持ち上げると(図2の円弧状の矢印Zを参
照)、透明パイプ34の先端のテーパー外周面34bが
貫通孔14aから抜け出す。その状態で透明パイプ34
を連結コネクタ36から軸方向に引き抜くのである。引
き抜いた透明パイプ34は、清掃,消毒して再使用して
もよいが、コスト面を考えて廃棄するものとする。
【0062】あとは、必要に応じて清掃や消毒を行った
後、新しい透明パイプ34と交換すればよい。すなわ
ち、透明パイプ34はディスポーザブルに(使い捨て)
使用をするのである。
【0063】このように逆流した薬液や侵入したほこ
り,ちりなどが多量に蓄積する前に、透明パイプ34を
新品と交換し、また、必要な清掃や消毒を早期に行うこ
とにより、超音波ネブライザーを常に衛生的な状態に保
って使用することができる。しかも、透明パイプ34の
交換を上記のとおりきわめて簡便に行えることは、作業
性を向上する上で有利である。
【0064】
【発明の効果】第1の超音波ネブライザーによれば、エ
ア源として患者の呼気圧よりも高いエア送圧力を有する
強制吸排気装置を装備してあるので、呼気が霧化槽内に
逆流しさらに霧化槽から霧化薬液がエア系統に逆流する
ことを防止して、エア系統内で細菌が繁殖することを抑
制することができる。したがって、多数の患者が共通に
使用する超音波ネブライザーを清潔な状態に保つことが
でき、院内感染を防止することができる。また、エア系
統の清掃,消毒の頻度を少なくすることができる。さら
に、強制吸排気装置が高いエア送圧力をもつので、患者
に対する霧化薬液の供給も強力に行え、患者の負担を軽
減できる。
【0065】また、第2の超音波ネブライザーによれ
ば、機器外部に位置するエア系統部分を透明パイプとし
てあるので、上記の強制吸排気装置の装備にもかかわら
ず長期使用等によっては生じる可能性のあるエア系統へ
の霧化薬液の逆流の有無を目視によって容易に判断する
ことができる。そして、万一逆流が生じたときには、そ
の発見を早期に行えるとともに、透明パイプを取り外し
て廃棄し新しい透明パイプと交換するという具合にディ
スポーザブルなものとすることにより、清掃,消毒をよ
り簡便なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る超音波ネブライザー
を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る超音波ネブライザー
を示す断面図である。
【図3】第2実施例における着脱自在な透明パイプの部
分の拡大断面図である。
【図4】実施例と従来例の超音波ネブライザーに共通に
使用されるマスクの正面図である。
【図5】実施例と従来例の超音波ネブライザーに共通に
使用されるマウスピースの斜視図と断面図である。
【符号の説明】
b 霧化槽 Lb 治療用薬液 ML 霧化薬液 8 超音波振動子 26 細菌除去フィルタ 30 エアポンプ(強制吸排気装置;エア源) 32 送気パイプ(エア系統) 32a 送気パイプ(エア系統) 34 透明パイプ(エア系統)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動により霧化槽において治療用
    薬液を霧化させ、細菌除去フィルタを介してエア源が取
    り込んだエアをキャリアとして前記霧化槽から霧化薬液
    を患者に送気するように構成された超音波ネブライザー
    であって、 前記エア源として呼気圧よりも高いエア送圧力を有する
    強制吸排気装置を前記細菌除去フィルタと霧化槽との間
    のエア系統中に介装したことを特徴とする超音波ネブラ
    イザー。
  2. 【請求項2】 超音波振動により霧化槽において治療用
    薬液を霧化させ、細菌除去フィルタを介してエア源が取
    り込んだエアをキャリアとして前記霧化槽から霧化薬液
    を患者に送気するように構成された超音波ネブライザー
    であって、 前記エア源として呼気圧よりも高いエア送圧力を有する
    強制吸排気装置を前記細菌除去フィルタと霧化槽との間
    のエア系統中に介装するとともに、前記エア系統のうち
    機器外部に位置する部分を透明パイプとなし、この透明
    パイプを着脱自在かつ交換可能に構成したことを特徴と
    する超音波ネブライザー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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