JPH05137754A - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエスト部におけるフィット性を高め、且つ
該ウエスト部における確実な漏れ防止を図ることができ
る使い捨ておむつの提供。 【構成】 本発明の使い捨ておむつ１は、液透過性の表
面シート２と、液不透過性の防漏シート３と、これら両
シート間に位置する吸収体４とを有し、着用時に着用者
のウエストに位置されるウエスト部５ａ、５ｂを備えて
おり、上記ウエスト部５ａ、５ｂには、上記表面シート
２及び上記防漏シート３が上記吸収体４の長手方向の少
なくとも一端部から外方に延出して形成された第１フラ
ップ６が設けられており、該第１フラップ６を形成する
上記表面シート２と上記防漏シート３との間には、該表
面シート２及び該防漏シート３間を外側に向けて開口す
るように、疎水性シートからなる第２フラップ７がＶ字
状に配置されており、且つ第２フラップ７の一部が上記
吸収体の端部表面に重ねられており、Ｖ字状の開口端部
における、上記第１フラップ６と第２フラップ７との間
には、上記ウエスト部の周囲方向に伸縮する伸縮部材９
が配置されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、幼児用、大人用、ある
いは失禁者用の使い捨ておむつに関し、特に、ウエスト
部のフィット性を向上させ、且つウエスト部からの漏れ
を防止するようにした使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、使い捨ておむつは、液透過性の
表面シートと、液不透過性の防漏シートと、これら両シ
ート間に位置する吸収体とから構成されており、着用時
に着用者のウエストに位置するウエスト部には吸収体の
長手方向の両端縁から外方に、表面シート及び防漏シー
トが延出されており、該延出部により、ウエストフラッ
プ（第１フラップ）が形成されている。

【０００３】従来の使い捨ておむつ（第１の従来技術）
においては、ウエスト部からの漏れを防止し且つウエス
ト部のフィット性を向上させるため、ウエスト部の表面
シートと液不透過性の防漏シートとの間に、伸縮性部材
を配置した構成が知られている。更に、特開昭５９ー１
４４６０１号公報（第２の従来技術）には、上述の第１
の従来技術において、通気性を付与するためにウエスト
部に通気チャンネルを形成した技術が開示されている。

【０００４】特開昭５７ー２０５５０４号公報（第３の
従来技術）には、ウエスト部からの漏れ防止手段とし
て、吸収体からその外方に延出して相会した表面シート
と防漏シートとの間に前記吸収体に重なるように液体不
透過性シートを介在させた技術が開示されている。特開
昭６１ー２７５４０２号公報（第４の従来技術）には、
熱不安定なフィルム状態及び熱安定な弾性状態を有する
エラストマーフィルムを、吸収体から延出して相会した
液透過性の表面シートと液不透過性の防漏シートとの間
において、該表面シートと防漏シートと間に前記吸収体
に重ねるように介在させてウエスト部を形成し、該吸収
体から延出したウエスト部に熱を加えて、ウエスト部に
伸縮性を付与したものが開示されている。

【０００５】特開昭６４ー２６７０１２号公報（第５の
従来技術）には、ウエスト部に伸縮性で通気性且つ防漏
性を有するフラップを備えた技術が開示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の第１の
従来技術においては、ウエスト部のフィット性は向上す
るものの、おむつ長手方向における吸収体両端縁部で飽
和に達した体液が表面シシーを介してウエスト部から漏
れ出るおそれがあり、ウエスト部における漏れ防止力が
小さいという欠点がある。

【０００７】上述の第２の従来技術においては、前記通
気チャンネルから体液が漏れるという欠点がある。上述
の第３の従来技術においては、おむつ長手方向における
吸収体両端縁部で飽和に達した体液の漏れ防止力は大き
いものの、ウエスト部でのフィット性に欠けるため、漏
れを確実に防止することはできない。

【０００８】上述の第４の従来技術においては、熱を加
える事により、弾性的に伸縮性を与えるものであるか
ら、充分な伸縮性が得られず、漏れが発生するとともに
充分な伸縮性を得ようとすると熱が加わった部分が硬く
なり、着用感を阻害するという問題点がある。上述の第
５の従来技術においては、おむつ長手方向における吸収
体両端縁部で飽和に達した体液の漏れ防止力が小さく、
また更に製造コストが高くなるという問題点がある。

【０００９】従って、本発明の目的は、ウエスト部にお
けるフィット性を高め、且つ該ウエスト部における確実
な漏れ防止を図ることができる使い捨ておむつを提供す
ることにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性の表
面シートと、液不透過性の防漏シートと、これら両シー
ト間に位置する吸収体とを有し、着用時に着用者のウエ
ストに位置されるウエスト部を備えた使い捨ておむつに
おいて、上記ウエスト部には、上記表面シート及び上記
防漏シートが上記吸収体の長手方向の少なくとも一端部
から外方に延出して形成された第１フラップが設けられ
ており、該第１フラップを形成する上記表面シートと上
記防漏シートとの間には、該表面シート及び該防漏シー
ト間を外側に向けて開口するように、疎水性シートから
なる第２フラップがＶ字状に配置されており、且つ該第
２フラップの一部が上記吸収体の端部表面に重ねられて
おり、上記Ｖ字状の開口端部における上記第１フラップ
と第２フラップとの間には、上記ウエスト部の周囲方向
に伸縮する伸縮部材が設けられたことを特徴とする使い
捨ておむつを提供することにより、上記目的を達成した
ものである。

【００１１】尚、本明細書において、「Ｖ字状」とは、
一方が閉じて他方が開く状態の略Ｖ字形状をいい、Ｕ字
状をも含む概念である。

【００１２】

【作用】本発明による使い捨ておむつによれば、その着
用中においては、使い捨ておむつに排泄された排泄物
は、表面シートを介して吸収体に吸収される。吸収され
た排泄物はその後、吸収体端部から第１フラップの表面
シートと防漏シート間に滲み出ようとするが、疎水性シ
ートからなる第２フラップが吸収体端部を覆ってＶ字状
に配置されているから、該吸収体端部からの滲み出しを
防止する。

【００１３】更に、上記第１フラップと第２フラップと
の間には弾性部材が配置されているから、該弾性部材が
ウエスト部におけるフィット性が高められる。

【００１４】

【実施例】以下に、図１〜図５を参照して本発明の実施
例について説明する。図１は本発明の使い捨ておむつの
一実施例を示す斜視図、図２は図１に示す使い捨ておむ
つを展開した状態を示す表面シート側の平面図、図３は
図２に示す使い捨ておむつのウエスト部を取り出して示
す斜視図、図４はウエスト部を切断して示す斜視図、図
５は他の実施例による使い捨ておむつのウエスト部を切
断して示す斜視図である。

【００１５】本実施例の使い捨ておむつ１は、液透過性
の表面シート２と、液不透過性の防漏シート３と、これ
ら両シート間に位置する吸収体４とを有し、着用時に着
用者のウエストに位置されるウエスト部５ａ、５ｂを備
えており、上記ウエスト部５ａ、５ｂには、上記表面シ
ート２及び上記防漏シート３が上記吸収体４の長手方向
の少なくとも一端部から外方に延出して形成された第１
フラップ６が設けられており、該第１フラップ６を形成
する上記表面シート２と上記防漏シート３との間には、
該表面シート２及び該防漏シート３間を外側に向けて開
口するように、疎水性シートからなる第２フラップ７が
Ｖ字状に配置されており、且つ第２フラップ７の一部が
上記吸収体の端部表面に重ねられており、Ｖ字状の開口
端部における、上記第１フラップ６と第２フラップ７と
の間には、上記ウエスト部の周囲方向に伸縮する伸縮部
材９が配置されたことを特徴とする。

【００１６】上記表面シート２は、排泄物を吸収体４へ
透過させる液透過性シートで肌着に近い感触を有したも
のが好ましく、このような液透過性シートとしては、例
えば、織布、不織布、多孔性フィルム等が好ましい。防
漏シート３は、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸し
た液不透過性且つ蒸気を透過させる蒸気透過性のフィル
ムシートまたは繊維集合体が用いられる。

【００１７】吸収体４は、使い捨ておむつの長手方向に
沿って延出する長四角形形状に形成されており、その長
手方向両端部は前側及び後側のウエスト部５ａ、５ｂに
亘っている。吸収体４の形状としては、着用者の股間部
にフィットするように中央がくびれた砂時計型であって
もよい。吸収体４の材料としては、解繊パルプを主材と
し、高分子吸水ポリマーを併用したものが好ましく、そ
の他、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、あるいは高分子
吸水ポリマーの混合物に熱処理したものが好ましい。高
分子吸水ポリマーの存在位置は上層、中層、下層のいず
れであってもよく、パルプと混合したものであってもよ
い。高分子吸水ポリマーは自重の２０倍以上の液体を吸
収して保持する性能を有し、ゲル化する性質を有する粒
子状のものが好ましく、このような高分子吸水ポリマー
としては、デンプン−アクリル酸（塩）グラフト共重合
体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロース
の架橋物、アクリル酸（塩）重合体等が好ましい。

【００１８】第１フラップ６及び第２フラップ７が形成
されるのは、前側及び背側のウエスト部５ａ、５ｂの両
方に限らず、いずれ少なくとも一方であればよいが、本
実施例では両方のウエスト部５ａ、５ｂにそれぞれいて
第１フラップ６及び第２フラップ７が形成されており、
確実な漏れ防止とフィット性の向上が図られている。即
ち、ウエスト部５ａ、５ｂには、第１フラップ６を形成
する表面シート２及び防漏シート３が、吸収体４の長手
方向両端部のそれぞれから外方に、略同寸法で延出され
ている。表面シート２は、吸収体４の端部（一部）４ａ
の手前まで該吸収体４を覆っているが、該端部４ａでは
吸収体４から剥離されている。

【００１９】第１フラップ６を構成する上記表面シート
２及び防漏シート３間には、第２フラップ７が介在され
ている。この第２フラップ７は、上記第１フラップ６の
表面シート２及び防漏シート３に重られて配置される
が、更に吸収体の端部４ａの端部表面に重ねられてい
る。このように、第２フラップ７が吸収体端部４ａに重
ねられることにより吸収体端部から吸収体外側に滲み出
す排泄物の漏れを防止する。

【００２０】第２フラップ７は、疎水性シートである
が、液不透過性で且つ透湿性を有することが好ましい。
即ち、上記第２フラップの疎水性シートは、透湿性シー
トと疎水性不織布を複合したシートを用いることが好ま
しい。このように透湿性を有することにより、「むれ」
や「かぶれ」を防止できるからである。かかるシート材
料としては、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した
液不透過性且つ水蒸気透過性フィルムあるいはポリエチ
レン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の熱
溶融性樹脂を原料とした疎水性繊維よりなる不織布があ
り、これらを単独で用いるか、あるいは複合したものを
用いてもよい。

【００２１】第２フラップ７を形成する疎水性シート
は、一枚のシートであってもまたは、上記表面シート２
と防漏シート３とに対応して２枚のシートから構成する
ものであってもよいが、構成を簡易にする点から、一枚
のシートを折り曲げ、上記表面シート２と防漏シート３
の間に配置するのが好ましい。ただし、吸収体端部から
吸収体外側に滲み出す排泄物の漏れを防止するために、
第２フラップ７を形成する疎水性シートは、吸収体幅よ
りも広い横幅を有し、吸収体端部を完全に覆うことが好
ましい。

【００２２】上記第２フラップ７は、１枚のシートの場
合、上記疎水性シートを二つ折りして配置され、上記表
面シート２及び上記防漏シート３間を、吸収体４の端部
４ａ外方を開くように、Ｖ字状に開口している。即ち、
開口８は、図４にその断面を示すように、断面略Ｖ字状
に形成されている。また、第２フラップ７は、ウエスト
部５ａ、５ｂにおいて、おむつの幅方向の両端部に亘っ
て配置されているが、本実施例では該幅方向両端部５
ｃ、５ｃが接合固定されている。従って、ウエスト部５
ａ、５ｂには、幅方向の両端部５ｃ、５ｃが閉ざされ、
使い捨ておむつの外側に開いた開口８が形成されてい
る。

【００２３】Ｖ字状の開口端部における第１フラップ６
と第２フラップ７との間、即ち、開口８の周縁部には、
ウエスト部の周囲方向に伸縮する伸縮部材９が設けられ
ており、ウエスト部５ａ、５ｂの周囲方向に伸縮して、
開口８の周囲にギャザーを形成するようになっている。
このように伸縮部材９を配置することにより、ウエスト
部５ａ、５ｂにおけるフィット性を向上させ、排泄物の
漏れ防止を向上させることができる。

【００２４】伸縮部材９は、２００％以上の伸縮率を有
し、天然ゴム、合成ゴム、発泡ポリウレタンなどからな
る帯状体または複数本の糸状体として表面シート２と第
２フラップ７とに連続的に接合されている。本実施例に
よる使い捨ておむつを製造する場合には、従来の使い捨
ておむつの製造工程におけるフラップ形成時に、吸収体
４の長手方向両端部における表面シート２と防漏シーと
３との接合をしないで自由状態とし、第１フラップの表
面シート２と防漏シーと３との間に、２つ折りにした第
２フラップを配置し、第２フラップ７と表面シート２、
第２フラップ７と防漏シート３、第２フラップ７と吸収
体４の上面との少なくとも一つは間に伸縮部材９を介し
て接合することによって、簡単に製造することができ
る。

【００２５】本実施例による使い捨ておむつの着用時に
は、図２に示す使い捨ておむつの展開状態から、図１に
示すように、背側のウエスト部５ａを着用者の背側のウ
エストに、腹側のウエスト部５ｂを着用者の腹側のウエ
ストにあてるようにして着用し、背側のウエスト部にあ
る止着テープ１０を腹側のターゲットテープ（図示せ
ず）に止着する。

【００２６】着用中においては、排泄物は、吸収体４に
吸収されるが、その後、該吸収体４の端部４ａに、次第
に滲み出しまたは移行してくる。このように、吸収体４
の端部の排泄物は、第１フラップ６における表面シート
２と防漏シート３との間で該吸収体４の端部を覆った第
２フラップ７により、吸収体４の端部４ａからの滲み出
しが阻止され、ウエスト部５ａ、５ｂからの排泄物の漏
れが防止される。

【００２７】また、第１フラップと第２フラップとの間
に配置された伸縮部材９により、ウエスト部におけるフ
ィット性が向上し、好適な着用感と漏れ防止を図ること
ができる。本発明は上述した実施例に限定されることな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であ
る。

【００２８】例えば、図５に示すように、第１フラップ
６および第２フラップは、ウエスト部５ａ、５ｂにおけ
るウエスト周囲方向の端部５ｃは接合することなく自由
端としても良い。また、上記第２フラップは、２枚の上
記疎水性シートそれぞれの端部同士をＶ字状に接着して
配置されるものであってもよい。

【００２９】

【発明の効果】本発明の使い捨ておむつによれば、ウエ
スト部におけるフィット性を高め、且つ該ウエスト部に
おける確実な漏れ防止を図ることができる使い捨ておむ
つを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の使い捨ておむつの一実施例を示す斜視
図。

【図２】図１に示す使い捨ておむつを展開した状態を示
す表面シート側の平面図。

【図３】図２に示す使い捨ておむつのウエスト部を取り
出して示す斜視図。

【図４】図４はウエスト部を切断して示す斜視図

【図５】図５は他の実施例による使い捨ておむつのウエ
スト部を切断して示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 使い捨ておむつ ２ 表面シート ３ 防漏シート ４ 吸収体 ５ａ、５ｂ ウエスト部 ６ 第１フラップ ７ 第２フラップ ８ 開口 ９ 伸縮部材

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液透過性の表面シートと、液不透過性の
   防漏シートと、これら両シート間に位置する吸収体とを
   有し、着用時に着用者のウエストに位置されるウエスト
   部を備えた使い捨ておむつにおいて、 上記ウエスト部には、上記表面シート及び上記防漏シー
   トが上記吸収体の長手方向の少なくとも一端部から外方
   に延出して形成された第１フラップが設けられており、 該第１フラップを形成する上記表面シートと上記防漏シ
   ートとの間には、該表面シート及び該防漏シート間を外
   側に向けて開口するように、疎水性シートからなる第２
   フラップがＶ字状に配置されており、且つ該第２フラッ
   プの一部が上記吸収体の端部表面に重ねられており、 上記Ｖ字状の開口端部における上記第１フラップと第２
   フラップとの間には、上記ウエスト部の周囲方向に伸縮
   する伸縮部材が設けられたことを特徴とする使い捨てお
   むつ。
2. 【請求項２】 上記第２フラップの疎水性シートは、液
   不透過性で且つ透湿性を有するシートであることを特徴
   とする請求項１記載の使い捨ておむつ。
3. 【請求項３】 上記第２フラップの疎水性シートは、疎
   水性不織布からなる請求項１記載の使い捨ておむつ。
4. 【請求項４】 上記第２フラップの疎水性シートは、透
   湿性シートと疎水性不織布を複合したシートであること
   を特徴とする請求項１記載の使い捨ておむつ。
5. 【請求項５】 上記第２フラップは、１枚の上記疎水性
   シートを二つ折りして配置されていることを特徴とする
   請求項１記載の使い捨ておむつ。
6. 【請求項６】 上記第２フラップは、２枚の上記疎水性
   シートそれぞれの端部同士をＶ字状に接着して配置され
   ていることを特徴とする請求項１記載の使い捨ておむ
   つ。