JPH0513751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、軟質プラスチツク製の多数のシート
類を、１枚ずつ容易に取り出しうるようにして、
かつ体裁よく保管する装置に関する。

〔従来の技術〕

スーパーマーケツト等で、商品の包装用として
使用される塩化ビニールやポリエチレン等のフイ
ルム、あるいはこれらから作られた手提袋等のシ
ート類は、通常、かさ張らないように、体裁よ
く、多数枚を重ねて、束にして保管されている
が、これを、単に引出しや棚に収納して置くと、
滑りを起こして横へ広がり、乱雑になり、また１
枚ずつ取り出すことが困難である。

この問題点を解決するための装置が、実公昭62
−24766号公報や実公昭62−150963号公報に開示
され、また本出願人により、実願昭61−199015号
および実願昭62−35216号として出願されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記実公昭62−24766号公報に記載のもの、並
びに実願昭61−199015号として出願されているも
のでは、収納箱に両側端を枢支したＵ字形の吊り
下げ杆に、二つ折りして重合した多数のシートの
束を吊り下げて垂直に収納し、最外層のシート
を、その上端の折曲部より、１枚ずつ順に取り出
すようになつている。

しかし前者は、構成が複雑で、操作がやや面倒
であり、また後者では、シートが少数になると、
その束の折曲部が収納箱内に没入して、取り出し
難くなる。

実公昭62−150963号公報に記載のもの、並びに
実願昭62−35216号として出願されたものでは、
水平をなし、上面と前面が開口する収納箱の両側
板の前上部に、回動板の両側端を着脱自在に枢支
し、重合した多数のシートの束を二つ折りにし
て、挾み込んで、収納箱に水平に収納し、最外層
のシートを、前端の折曲部より、１枚ずつ順に取
り出すようになつている。

しかし前者では、シートが塩化ビニール製の場
合、高温時には、二つ折りにしたシート束の下側
部分が、上方より受ける押圧力により相互に粘着
し、最外層の１枚のシートのみを、円滑に取り出
すことが困難になる。

また後者では、シート束の前部のみが二つ折り
になつているため、収納箱の前後長が大となると
いう問題点がある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上面開口する保管箱の底部に、保管
箱の前板と平行をなし、かつ上縁に、多数のシー
ト類を重ねて二つ折りにしたシート束の折り曲げ
部を掛けるようにしてなる適数の方形の揺動板の
下端を枢支したことにより、上述の課題の解決を
図つたものである。

〔作用〕

収納されているシートが多数の場合には、シー
トが重ね合わせ方向に広がろうとする膨張力によ
り、シート束は保管箱の内面に圧接し、かつ隣接
するシート同士が圧接するため、滑落が防止され
る。

収納されているシートが少数になると、それに
伴つて傾斜する揺動板とシート束の重量による回
転モーメントにより、隣接するシート同士は圧接
し、かつ最前位のシート束は、保管箱の前板の内
面に圧接し、滑落が防止される。

シート同士が圧接していても、最外層のシート
を取り出す際に、前後のシート束の間に指先を差
し込めば、シート束は若干離間するので、最外層
の１枚のシートのみを、容易に取り出すことがで
きる。

揺動板の後面要所に支持板を設けて、これに、
シート束の後側部分の下縁を支承させれば、シー
ト束を揺動板に正しく掛ける作業が容易となり、
シート束の型崩れや滑落が防止される。

〔実施例〕

図面は、本考案の一実施例を示すもので、上面
開口する方形の保管箱１の底部には、前後方向を
向き、かつ左右に間隔を有する互いに平行な複数
の支持杆２，３が固着されている。

両支持杆２，３の上縁には、同形同寸、かつ等
位置をなすＵ字溝４が切設されている。

５は、方形の揺動板で、その下縁には、両端が
突出する支軸６が止着されている。

前方（第２図左方）に位置する揺動板５の後面
下端と、後方に位置する揺動板５の後面の上下方
向の中間部には、後方向を向く支持板７が突設さ
れている。

各揺動板５は、その両側より突出する支軸６の
端部を、左右に並ぶＵ字溝４に上方よりはめ込む
ことにより、保管箱１内に、前後揺動自在として
支持されている。なお、各揺動板５の上端は、保
管箱１より上方に突出している。

８，９は、それぞれ、多数の軟質のプラスチツ
クシート８ａ，９ａを二つ折りにして重ね合わせ
たシート束で、折り曲げ部を、各揺動板５の上縁
に掛けられ、各シート束８，９の後側部分の下端
は、支持板７に支承されている。

このようにして保管されたシート束８，９の上
端屈曲部を、第２図に示すように、手指１０でつ
まむことにより、シート８ａ，９ａを１枚ずつ取
り出すことができる。

第２図は、新しいシート束８，９を保管箱１に
入れた時の状態を示すもので、シート束８，９
は、若干前後に膨出して、保管箱１の内面に圧接
し、かつ多数のシート８ａ，９ａ同士は互いに圧
接している。そのため、シート８ａ，９ａが滑り
易い例えばポリエチレン製のものであつても、そ
の取り出し時、あるいは保管箱１の乱暴な取り扱
いのために、シート８ａ，９ａが妄りに滑落する
ことはない。

シート８ａ，９ａが、粘着し易い塩化ビニール
製の場合には、第２図のように、手指１０を、両
シート束８，９の間に若干押し入れれば、シート
束８，９は離間するので、シート８ａを容易に取
り出すことができる。

第３図は、保管箱１内のシート８ａ，９ａが減
少した時の状態を示すもので、揺動板５は、シー
ト束８，９と揺動板５の自重による回転モーメン
トにより前傾し、前方のシート束８は、保管箱１
の前板１ａに寄りかかり、かつ後方のシート束９
は、前方のシート束８に寄りかかり、すべてのシ
ート８ａ，９ａは、適圧をもつて圧接する。

揺動板５に代えて、方形の揺動枠としてもよ
い。

支持板７は、シート束８，９の補充作業を容易
にするためと、シート８ａ，９ａの滑落をより確
実に防止するためのもので、その高さを任意に調
節しうるようにすれば、より便利となる。

支持板７を省略して実施することもある。

〔考案の効果〕

シート束と揺動板の自重により、シートの滑落
が防止され、滑落防止用の部材が不必要である。
しかも、部品点数が少く、各部材の形状が単純で
あるため、容易かつ安価に製作することができ
る。

また、シート束を中央で二つ折にして保管する
ので、保管箱の高さを低くすることができ、しか
も、保管箱内の前後左右に、殆んど空間が生じな
いようにしてシートを保管しうるので、保管箱を
小型とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の装置を、保管箱の前板を取
り除いて示す正面図、第２図は、シート束補充直
後における第１図Ａ−Ａ線縦断面図、第３図は、
シート減少時における第１図Ａ−Ａ線縦断面図で
ある。 １……保管箱、１ａ……前板、２，３……支持
杆、４……Ｕ字溝、５……揺動板、６……支軸、
７……支持板、８，９……シート束、８ａ，９ａ
……シート、１０……手指。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上面開口する保管箱の底部に、保管箱の前板
   と平行をなし、かつ上縁に、多数のシート類を
   重ねて二つ折りにしたシート束の折り曲げ部を
   掛けるようにしてなる適数の方形の揺動板の下
   端を枢支してなるシート類保管装置。 (2) 揺動板の裏面要所に、シート束の下端を支承
   する支持板を設けてなる請求項(1)記載のシート
   類保管装置。