JPH05135870A - 高周波加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファンの小型化、低騒音化を図り、小型軽
量、低騒音で取扱い易い高周波加熱装置を提供すること
を目的とする。 【構成】 インバータ電源２の出力によって附勢される
マグネトロン４と、このマグネトロン４を冷却するファ
ン９と、インバータ電源２、マグネトロン４、ファン９
を納める金属製の箱１０と、マグネトロン４を冷却した
温かい冷却風をオーブン６内に導く導風部１１を備え、
オーブン６と導風部１１と、金属製の箱１０よりなる空
間と、その他の空間とをマイクロ波に対してシールドす
る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は食品、流体などを高周波
電界により誘電加熱する高周波加熱装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、マイクロ波を発生するマグネトロ
ンを用いた高周波加熱装置の普及に伴ない、低騒音で小
型化が可能な高周波加熱装置の要求が高まってきてい
る。

【０００３】従来のこの種の高周波加熱装置について図
２を参照しながら説明する。図に示すように、商用電源
２１より受けた電力を高圧電力に変換するインバータ電
源２２と、このインバータ電源２２の出力によって附勢
されるアンテナ２３よりマイクロ波を発生するマグネト
ロン２４と、このマグネトロン２４を冷却するファン２
５と、前記インバータ電源２２、アンテナ２３、マグネ
トロン２４およびファン２５を収納するケース２６と、
被加熱物２７を納め、前記マグネトロン２４の発するマ
イクロ波を前記被加熱物２７に照射するように、オーブ
ン２８の開口部２９へ伝える導波管３０とを設けてい
る。そして、マグネトロン２４の冷却はファン２５によ
って吸気口３１より吸気された冷却風によって行われ、
マグネトロン２４を冷却した後の暖かい冷却風はケース
２６の排気口３２から排出された後、排気口３２近傍に
設けられたガイド３３によって、オーブン通風口３４よ
りオーブン２８内に導かれ、被加熱物２７を補助的に暖
ためる構成となっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
では、マグネトロン２４によって発生したマイクロ波は
オーブン２８内だけでなく、ケース２６内に漏れてい
る。このため、マイクロ波を空中に放射しないようにす
るため、吸気口３１および排気口３２に開けることので
きる最大の孔の径は２〜４mmとなっていた。また、オー
ブン２８内のマイクロ波を空中に放射しないようにする
ため通風口３４の孔径も２〜４mmとなっていた。

【０００５】しかしこのような小さな孔では、加工性の
問題より開口率は３０〜４０％程度しかとることが出来
ず、ファン２５の発生した冷却風に対する圧損は大きな
ものであった。このためファン２５には能力の大きなも
のが求められ、大型で、回転数の高いものが使用され、
騒音も大きくなる問題があった。

【０００６】本発明は上記課題を解決するもので、ファ
ンの小型化、低騒音化を図り、小型軽量、低騒音で取扱
い易い高周波加熱装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の高周波加熱装置
は上記目的を達成するために、商用電源より得た電力を
高圧電力に変換するインバータ電源と、前記高圧電力に
よって附勢されるようにオーブンの中に設けられるマイ
クロ波を発生するマグネトロンと、このマグネトロンを
冷却するファンと、前記インバータ電源とマグネトロン
およびファンを収納する金属製の箱と、この金属製の箱
と前記オーブンとを結合し、マグネトロンを冷却した冷
却風を前記オーブンに導びく金属製の導風部とを備え、
前記導風部が前記オーブンと前記金属製の箱とに電気的
に結合し、前記オーブンと金属製の箱および導風部内の
マイクロ波を外部に漏らさない構成とする。

【０００８】

【作用】本発明は上記した構成により、マグネトロンを
冷却した後の暖かい冷却風は、導風部を通過してオーブ
ン内に入り、オーブンの中の温度を上昇させる。また、
オーブン内のマイクロ波は、導風部を伝わり金属製の箱
の中に達するが、金属製の箱から外に出ることはない。
このため、オーブンと導風部、導風部と金属製の箱とを
つなぐ通風路にマイクロ波に対するシールドを行う必要
もなくなることとなる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１を参照しなが
ら説明する。図に示すように、商用電源１より得た電力
を高圧電力に変換するインバータ電源２と、前記高圧電
力によって附勢されアンテナ３からマイクロ波を発生す
るマグネトロン４と、前記アンテナ３より発生したマイ
クロ波を被加熱物５を納めたオーブン６の開口部７へ伝
える導波管８と、マグネトロン４とインバータ電源２を
冷却するファン９と、前記インバータ電源２とマグネト
ロン４およびファン９を内に納める金属製の箱１０と、
この金属製の箱１０とオーブン６を結合し、マグネトロ
ン４を冷却した冷却風をオーブン６に導く導風部１１を
設けている。

【００１０】そして、ファン９は、金属製の箱１０に設
けた吸気口１１から外気を吸い、マグネトロン４とイン
バータ電源２を冷却するように設け、インバータ電源２
を冷却した後の冷却風は排気口１２より金属製の箱１０
の外へ排出される。また、マグネトロン４を冷却した後
の温かい冷却風は導風部１１を通って通風口１３よりオ
ーブン６内に入り、オーブン６内の温度を上昇させるよ
うに構成している。

【００１１】上記構成において作用を説明すると、吸気
口１１および排気口１２の孔径はマイクロ波の波長に対
して十分に小さな値であり、通風口１３から漏れてきた
マイクロ波を導風部１１と、オーブン６と、金属製の箱
１０からなる空間以外に放出することはない。このため
通風口１３にはマイクロ波に対するシールド効果をもた
せる必要はなく、大きな孔で開口面積を大きく設け、フ
ァン９の吹き出し風に対する圧損は小さくなる。

【００１２】このように本発明の実施例の高周波加熱装
置によれば、マグネトロン４の冷却に必要な風を発生さ
せるためのファン９を小型、低回転化することができ、
装置全体の容積を小さくすることができる。また、ファ
ン９によって発生する騒音を小さくすることができる。
また、導波管８を兼ねた金属製の箱１０をオーブン６の
一面に直接固定することによって、運搬中の振動等によ
って起こる導波管８の変形や、破損を防止でき、性能を
一定に保つことができることとなる。

【００１３】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によればオーブンと導風部と、金属製の箱よりなる空
間と、その他の空間とをマイクロ波に対してシールドす
ることによって、マグネトロンの冷却風路の圧損を下げ
ることができ、ファンの小型化、低騒音化を行うことが
でき、小型軽量、低騒音で取り扱い易い高周波加熱装置
を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の高周波加熱装置の構成を示
す斜視図

【図２】従来の高周波加熱装置の構成を示す斜視図

【符号の説明】

１ 商用電源 ２ インバータ電源 ４ マグネトロン ６ オーブン ９ ファン １０ 金属製の箱 １１ 導風部

フロントページの続き (72)発明者 渋谷 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 竹下 志郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】商用電源より得た電力を高圧電力に変換す
   るインバータ電源と、前記高圧電力によって附勢される
   ようにオーブンの中に設けられるマイクロ波を発生する
   マグネトロンと、このマグネトロンを冷却するファン
   と、前記インバータ電源とマグネトロンとファンとを収
   納する金属製の箱と、この金属製の箱と前記オーブンと
   を結合し、マグネトロンを冷却した冷却風を前記オーブ
   ンに導びく金属製の導風部とを備え、前記導風部が前記
   オーブンと、前記金属製の箱とに電気的に結合し、前記
   オーブンと前記金属製の箱および前記導風部内のマイク
   ロ波を外部に漏らさない構成とした高周波加熱装置。