JPH05134699A - 統計励振コードベクトルの最適化方法 - Google Patents

統計励振コードベクトルの最適化方法

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JPH05134699A
JPH05134699A JP3079675A JP7967591A JPH05134699A JP H05134699 A JPH05134699 A JP H05134699A JP 3079675 A JP3079675 A JP 3079675A JP 7967591 A JP7967591 A JP 7967591A JP H05134699 A JPH05134699 A JP H05134699A
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伸二 川口
Hiromi Aoyanagi
弘美 青柳
Hiroshi Katsuragawa
浩 桂川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多段コード励振線形予測符号化器及び復号化
器に用いられる統計励振コードベクトルを、トータル歪
が十分小さくなるように最適化する。 【構成】 最適化を行なうための各部情報H(z) 、ga
、gs、σ、S、Vsopt、VLoptを収集するために行な
う入力音声ベクトルSの符号化処理の際に、高域成分を
減衰させた適応励振コードベクトルVL と統計励振コー
ドベクトルVs とを合成するようにした。これは、合成
励振コードベクトルVにおける適応励振コードベクトル
VL と統計励振コードベクトルVs との周波数役割を変
えることで、最適化処理に適応励振コードベクトルの変
化ができるだけ影響しないようにしたためである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、適応励振コードブック
(ピッチ性励振コードブック)及び統計励振コードブッ
ク(ガウシアンノイズ性励振コードブック)を有する多
段コード励振線形予測符号化器及び復号化器に用いられ
る統計励振コードベクトルの最適化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コード励振線形予測符号化器及び復号化
器で用いる励振コードベクトルは、設計されたものをそ
のまま用いるのではなく、予め符号化の歪みが最小にな
るように最適化を行なってから実際の符号化器や復号化
器で用いる。
【0003】従来、バックワード型のコード励振線形予
測符号化器に用いる励振コードベクトルの最適化方法と
して下記文献に記載のものがある。
【0004】文献:『Juin-Hwey Chen, “High-Quality
16KB/S SPEECH CODING WITH AONE-WAY DELAY LESS THA
N 2MS,” Proc.IEEE Int.Conf.Acoust.,Speech,SingleP
rocessing.pp453-456(1990). 』 まず、最適化方法に係るバックワード型コード励振線形
予測符号化器について、図2のブロック図を参照して説
明する。
【0005】図2において、受信側に伝送される情報
は、励振コードブック11に格納されている最適化済み
のいずれかの励振コードベクトルのインデックスだけで
ある。このような最適なインデックスは、以下のように
決定される。
【0006】励振コードブック11に格納されている励
振信号は、励振コードベクトルと正負符号(符号係数)
と振幅係数とからなっており、最適なインデックスの探
索時には、格納されている各励振コードベクトルが候補
として時間順次に出力される。この際には、符号係数が
付与され、また振幅係数倍される。
【0007】このようにして励振コードブック11から
出力された候補としての励振コードベクトルはゲイン回
路12に与えられ、このゲイン回路12によって所定倍
されて加算器13に与えられる。ゲイン回路12はゲイ
ン係数可変形のものであり、ゲイン制御回路14によっ
てゲイン係数が変更される。ゲイン制御回路14は、ゲ
イン回路12からの過去のベクトル系列から線形予測分
析(LPC分析)してゲイン係数を予測してゲイン回路
12に与える。
【0008】加算器13には合成フィルタ(線形予測フ
ィルタ)15からの出力信号も与えられており、ゲイン
回路12からの候補の励振コードベクトルと合成フィル
タ15からの出力ベクトルとを加算し、その候補の励振
コードベクトルを用いた場合の局部再生の合成音声ベク
トルを得て減算器16に与える。
【0009】合成フィルタ15が用いる線形予測係数は
線形予測分析回路17から与えられる。合成フィルタ1
5は、過去の最適励振コードベクトルに対する局部再生
の合成音声ベクトルの系列に対して線形予測分析回路1
7から与えられた線形予測係数を適用して予測合成処理
を行ない、その出力ベクトルを加算器13に与える。線
形予測分析回路17は、過去の最適励振コードベクトル
に対する合成音声ベクトルの系列から線形予測係数を得
て合成フィルタ15に与える。
【0010】減算器16には入力音声ベクトルも与えら
れており、減算器16は、入力音声ベクトルから、候補
の励振コードベクトルを用いた場合の局部再生の合成音
声ベクトルを減算し、得られた差分ベクトルを知覚重み
付けフィルタ18を介して、知覚(聴覚)特性に応じた
重み付けを行なった後、インデックス探索回路19に与
える。このようにして最適励振コードベクトルの探索時
においては、インデックス探索回路19に、全ての励振
コードベクトルについての差分ベクトルが与えられる。
【0011】インデックス探索回路19は、各差分ベク
トルについてその成分の2乗和を計算し、2乗和が最小
となる差分ベクトルに対応する励振コードベクトルを最
適な励振コードベクトルとして検出してインデックスを
励振コードブック11に与える。
【0012】これにより、励振コードブック11は、上
述したように最適なインデックスを受信側に送信する。
また、励振コードブック11は、検出された最適な励振
コードベクトルを再度ゲイン回路12側に出力して、ゲ
イン係数の更新や線形予測係数の更新や次のフレーム処
理時にその励振コード信号についての局部再生の合成音
声ベクトルを利用できるようにしておく。
【0013】以上、符号化構成及び符号化処理を説明し
たが、符号化で用いる励振コードベクトルを最適化する
ときにも上記構成が用いられる。すなわち、入力音声ベ
クトルを入力して符号化処理を実行させ、そのときの各
種ベクトルや係数等の値を取り出して蓄積し、蓄積した
各種ベクトルや係数等の値から励振コードベクトルを最
適化する。
【0014】以下、上記文献に記載されている従来の励
振コードベクトルの最適化方法を説明する。
【0015】時間インデックスnでの探索処理に使われ
る励振コードベクトルの振幅係数とその符号係数とをそ
れぞれg(n) 、η(n) とする。最適励振コードベクトル
として励振コードベクトルyj が選択される時間インデ
ックスの集合をNj とする。この励振コードベクトルy
j に対応した第j番目のクラスターのトータル歪Djは
(1) 式で与えられる。
【0016】
【数1】
【0017】ここで、X(n) はターゲットベクトル(例
えば、入力音声ベクトル又は入力音声ベクトルを知覚重
み付け処理したベクトル)、H(n)は合成フィルタ15
のインパルス応答(正方行列)、σ(n) はゲイン回路1
2でのゲイン係数である。
【0018】すなわち、(1) 式は、ターゲットベクトル
X(n) と合成ベクトルH(n) η(n)σ(n) g(n) yj と
の差のノルムの2乗を、励振コードベクトルyj を最適
とした全ての時間インデックスについて累積したものを
トータル歪Dj として表していることを示している。
【0019】用意されている励振コードベクトルyj が
良いものであるか否かは、トータル歪Dj の大小によっ
て表わされる。この励振コードベクトルyj を最適化す
る場合には、この励振コードベクトルyj を変数と考え
てトータル歪Dj が最小となる条件を見つけることであ
る。そこで、(2) 式に示すように、トータル歪Dj をこ
の励振コードベクトルyj で偏微分し、その値を最小条
件である0とおく。
【0020】
【数2】
【0021】この(2) 式から、トータル歪Dj を最小に
する第j番目のクラスターに対する最適化励振コードベ
クトル(重心)Yj は、(3) 式の方程式を解くことによ
り得られることが分かる。
【0022】
【数3】
【0023】この(3) 式に、上述した実際の符号化器で
符号化したときの各種の値g(n) 、η(n) 、X(n) 、H
(n) 、σ(n) を代入して、最適化した励振コードベクト
ルYj を得る。
【0024】このような1回の最適化処理を終了する
と、励振コードブック11の内容を得られた励振コード
ベクトルに置き換えて同様な最適化処理を行なう。この
ような最適化処理を繰り返すと、励振コードベクトルは
収束していき、最適化処理を繰り返してもトータル歪が
小さくならないところまで収束し、そのときの励振コー
ドベクトルを最終的な(最適化処理が終了した)励振コ
ードベクトルとして確定する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近は、2
種類の励振コードブックを有する多段コード励振線形予
測符号化器及び復号化器が多く用いられるようになって
きた。すなわち、ピッチ性励振コードブック(適応励振
コードブック)及びガウシアンノイズ性励振コードブッ
ク(統計励振コードブック)を有するコード励振線形予
測符号化器及び復号化器が多くなってきた。
【0026】このような多段コード励振線形予測符号化
器及び復号化器に用いる統計励振コードブックに格納す
る統計励振コードベクトルの最適化に、上述した従来方
法を用いる場合、最適な適応励振コードベクトルを決定
した後に決定された最適な統計励振コードベクトルの情
報を最適化処理することになる。
【0027】そのため、最適化方法を適用して1回統計
励振コードベクトルの最適化を行ない、得られた統計励
振コードベクトルに置き換えて再度最適化方法を適用す
る場合には前回と適応励振コードベクトルの内容が異な
るものとなっている。このように最適化方法を適用する
毎に適応励振コードベクトルの内容が異なるため、最適
化方法を適用しても最終的に得られた統計励振コードベ
クトルのトータル歪をさほど小さく値にできないという
欠点、すなわち、収束特性が劣化するという欠点があっ
た。
【0028】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、適応励振コードベクトルの存在に拘らず統計
励振コードベクトルをトータル歪が十分に小さくなるま
で収束させることができる統計励振コードベクトルの最
適化方法を提供しようとするものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明においては、適応励振コードブックと統計励
振コードブックとを有する多段コード励振線形予測符号
化器及び復号化器に用いられる統計励振コードベクトル
の最適化方法であって、入力音声ベクトルに対する符号
化処理を実行しながら得た各部の情報に基づいて、統計
コードブックに格納されている統計励振コードベクトル
を最適化する統計励振コードベクトルの最適化方法にお
いて、最適化を行なうための各部情報を収集するために
行なう入力音声ベクトルの符号化処理の際に、高域成分
を減衰させた適応励振コードベクトルと統計励振コード
ベクトルとを合成するようにした。
【0030】また、第2の本発明においては、適応励振
コードブックと統計励振コードブックとを有する多段コ
ード励振線形予測符号化器及び復号化器に用いられる統
計励振コードベクトルの最適化方法であって、入力音声
ベクトルに対する符号化処理を実行しながら得た各部の
情報に基づいて、統計コードブックに格納されている統
計励振コードベクトルを最適化する統計励振コードベク
トルの最適化方法において、最適化を行なうための各部
情報を収集するために行なう入力音声ベクトルの符号化
処理の際に、高域成分を減衰させた適応励振コードベク
トルとセンタクリッピング処理を施した統計励振コード
ベクトルとを合成するようにした。
【0031】
【作用】統計励振コードベクトルを最適化する場合、得
られる最適化された励振コードベクトルに適応コードベ
クトルの情報が影響することを避けることができない。
この影響が大きいと最適化が良好に行なうことができな
い。
【0032】そのため、第1の本発明では、適応励振コ
ードベクトルと統計励振コードベクトルとで合成励振コ
ードベクトルにおける周波数の役割を変えることとし
た。すなわち、高域成分を減衰させた適応励振コードベ
クトルと統計励振コードベクトルとを合成した合成励振
コードベクトルを用いて符号化を行ない、最適化に利用
する各種の値を得るようにした。
【0033】第2の本発明は、第1の本発明と同様に、
適応励振コードベクトルと統計励振コードベクトルとで
合成励振コードベクトルにおける周波数の役割を変える
べく適応励振コードベクトルの高域を除去するようにし
た。また、適応励振コードベクトルの周期性を強調し、
適応励振コードベクトルの合成音に対する貢献度を向上
させることで、有声音に対する符号化歪を軽減して、統
計励振コードベクトルの最適化処理におけるトータル歪
の収束特性を向上させるべく、統計励振コードベクトル
に対してセンタクリッピング処理を施すこととした。
【0034】
【実施例】第1実施例 以下、本発明の第1実施例を図面を参照しながら詳述す
る。ここで、図1がこの実施例による統計励振コードベ
クトルの最適化方法に係る構成である。
【0035】この実施例の最適化方法も、基本的には、
コード励振線形予測符号化器に入力音声ベクトルを入力
して動作させ、最適な統計励振コードベクトルを決定し
たときの各種の値を蓄積し、その蓄積量がある程度にな
ったときに同一の統計励振コードベクトルをとったとき
の各種の値からトータル歪が最小になる最適化されたそ
の統計励振コードベクトルを演算して更新する方法であ
る。そのため、図1に示すように、統計励振コードベク
トルの最適化を行なう構成は、コード励振線形予測符号
化器の構成に、複数の計算回路を追加したものとなって
いる。
【0036】まず、この実施例に係るコード励振線形予
測符号化器の構成及び動作を説明する。
【0037】図1において、適応励振コードブック20
及び統計励振コードブック21にはそれぞれ、適応励振
コードベクトル(ピッチ性励振コードベクトル)及び統
計励振コードベクトル(ガウシアンノイズ性励振コード
ベクトル)が格納されている。これら格納されている励
振コードベクトルの中からその時刻(時間インデック
ス)の入力音声ベクトルに対して最適なベクトルをそれ
ぞれ探索してそのインデックスを出力する。
【0038】最適な適応励振コードベクトル及び最適な
統計励振コードベクトルの探索は、以下の順に行なわれ
る。統計励振コードベクトルの出力を停止した状態で、
最適な適応励振コードベクトルの探索を行ない、最適な
適応励振コードベクトルが探索されると、適応励振コー
ドブック20からその最適な適応励振コードベクトルを
出力させた状態で最適な統計励振コードベクトルの探索
を行なう。なお、適応励振コードベクトル及び統計励振
コードベクトルの双方共に最適なものを探索された状態
では、適応励振コードブック20及び統計励振コードブ
ック21から最適なベクトルを出力させて各部の状態を
次の時刻に備えて変化させることが行なわれる。
【0039】このようにある時刻の入力音声ベクトルを
処理する場合にも、適応励振コードブック20及び統計
励振コードブック21の出力がその処理段階によって変
化するが、適応励振コードブック20及び統計励振コー
ドブック21の後段の構成及びその動作については、最
適な励振コードベクトルが出力されているか否かに拘ら
ず説明する。
【0040】適応励振コードブック20から出力された
適応励振コードベクトルVa は、ローパスフィルタ22
を介してその高域成分が除去され、この除去後のベクト
ルVL が乗算器23に与えられ、振幅係数ga が乗算さ
れて加算器24に与えられる。他方、統計励振コードブ
ック21から出力された統計励振コードベクトルVsは
乗算器25に与えられ、振幅係数gs が乗算されて加算
器24に与えられる。かくして、加算器24からは振幅
調整された適応励振コードベクトル及び統計励振コード
ベクトルの合成ベクトルVが得られる。なお、ローパス
フィルタ22は、統計励振コードベクトルの最適化処理
を考慮して設けたものであるが、その具体的理由につい
ては後述する。
【0041】加算器24から出力された合成励振コード
ベクトルVはゲイン回路26に与えられる。なお、適応
励振コードブック20及び統計励振コードブック21か
ら共に最適な励振コードベクトルが出力されている場合
における、加算器24からの合成励振コードベクトルV
opt は、適応励振コードブック20にも与えられ、適応
励振コードブック20の更新に利用される。ゲイン回路
26は、この合成励振コードベクトルVにゲイン制御回
路27から与えられたゲイン係数σを乗算し、乗算後の
ベクトルVg を加算器28に与える。適応励振コードブ
ック20及び統計励振コードブック21から共に最適な
励振コードベクトルが出力されている場合における、ゲ
イン回路26からのベクトルVgoptは、ゲイン制御回路
27に与えられる。ゲイン制御回路27は、ゲイン回路
26から与えられた過去の最適なベクトルVgoptの系列
に対して、線形予測分析法を適用して新たなゲイン係数
σを決定する。
【0042】上述した加算器28には、合成フィルタ2
9からの出力ベクトルSp も与えられる。この加算器2
8によって、そのときの合成励振コードベクトルVに基
づいて形成された合成音声ベクトルSw が得られ、この
ベクトルSw が減算器30に与えられる。適応励振コー
ドブック20及び統計励振コードブック21から共に最
適な励振コードベクトルが出力されている場合におけ
る、最適な合成音声ベクトルSwoptは、合成フィルタ2
9及び合成音声用線形予測分析回路31に与えられる。
この線形予測分析回路31は、過去の最適な合成音声ベ
クトルSwoptの系列に対して線形予測分析し、得られた
線形予測係数α(i) (iは1〜mである:mは分析次数
である)を合成フィルタ29に与える。合成フィルタ2
9は、現在の線形予測係数α(i) を用いて、過去の最適
な合成音声ベクトルSwoptの系列に対して合成処理し、
得られたベクトルSp を上述したように加算器28に与
える。
【0043】減算器30には、入力音声ベクトルSも入
力されており、減算器30は入力音声ベクトルSから合
成音声ベクトルSw を減算し、その差分ベクトルを知覚
重み付けフィルタ32に与える。知覚重み付けフィルタ
32には、入力音声用線形予測分析回路33から線形予
測係数αw(i)も与えられている。入力音声用線形予測分
析回路33は、入力音声ベクトルSに線形予測分析を適
用して線形予測係数αw(i)を得ている。
【0044】知覚重み付けフィルタ32は、減算器30
からの差分ベクトルに対して知覚特性(聴覚特性)を考
慮した重み付けを施し、重み付け処理後の差分ベクトル
をインデックス探索回路34に与える。知覚重み付けフ
ィルタ32は、具体的には(4) 式に示す変換を行なう
(但しzは入力である差分ベクトルを意味する)。
【0045】
【数4】
【0046】インデックス探索回路34は、重み付け処
理後の差分ベクトルの2乗和を計算し、この2乗和が最
小となる励振コードベクトルを最適なものと判断する。
すなわち、最適な適応励振コードベクトルの探索時に
は、全ての適応励振コードベクトルについて与えられた
全ての差分ベクトルの中から2乗和が最小のものを検出
する。また、最適な統計励振コードベクトルの探索時に
は、適応励振コードベクトルとして最適なベクトルが出
力されている状態における全ての統計励振コードベクト
ルについて与えられた全ての差分ベクトルの中から2乗
和が最小のものを検出する。
【0047】以上、コード励振線形予測符号化器として
の構成及び動作を説明したが、統計励振コードベクトル
の最適化のときにもこれらの構成が用いられる。最適化
のときには、さらに、インパルス応答計算回路40及び
最適コードベクトル計算回路41が動作する。
【0048】統計励振コードベクトルの最適化を行なう
場合、上述したコード励振線形予測符号化器に入力音声
ベクトルSを入力して動作させ、最適な統計励振コード
ベクトルVsoptを決定したときのその時刻(時間インデ
ックス)における各種の値H(z) 、ga 、gs 、σ、
S、Vsopt及びVLoptを最適コードベクトル計算回路4
1に与えて蓄積し、その蓄積量がある程度になったとき
に最適コードベクトル計算回路41が同一の統計励振コ
ードベクトルをとったときの各種の値からトータル歪が
最小になる最適化統計励振コードベクトルを演算して更
新するものである。
【0049】上述のコード励振線形予測符号化器の構成
及び動作の説明で明らかなように、最適コードベクトル
計算回路41が利用する値ga 、gs 、σ、S、Vsopt
及びVLoptは、符号化器としての構成部分から得られ
る。インパルス応答H(z) だけは、符号化器構成から得
られることができず、そのため、インパルス応答計算回
路40が設けられている。
【0050】インパルス応答計算回路40には、合成音
声用線形予測分析回路31から線形予測係数α(i) が与
えられている。インパルス応答計算回路40は、この線
形予測係数α(i) によって定まる(5) 式に示す伝達関数
Hw(z)のインパルス応答H(z) を計算して最適コードベ
クトル計算回路41に出力する。なお、以下の説明で、
時刻(時間インデックス)nでのインパルス応答H(z)
をH(n) で表している。
【0051】
【数5】
【0052】最適コードベクトル計算回路41は、(6)
式に示すようにして各時刻(時間インデックス)nでの
ターゲットベクトルX(n) を計算する。今、最適化対象
が統計励振コードベクトルであるので、入力音声ベクト
ルS(n) をターゲットベクトルとするのではなく、入力
音声ベクトルS(n) からその時刻での最適な適応励振コ
ードベクトルVL(n)の影響を除去したものをターゲット
ベクトルX(n) とすることとした。
【0053】
【数6】
【0054】また、最適コードベクトル計算回路41
は、ある時刻の各種の値の組を、最適な統計励振コード
ベクトルが同じの組でグルーピングする。最適コードベ
クトル計算回路41は、統計励振コードブック21に格
納されているk番目(kは1〜t:tは統計励振コード
ブック21に格納されている統計励振コードベクトルの
総数)の統計励振コードベクトルVskに係る組の集合N
k の情報から、そのk番目の統計励振コードベクトルV
skを最適化した統計励振コードベクトルVskを(7) 式
に示す方程式を解くことで得る。
【0055】
【数7】
【0056】この(7) 式は、従来の最適化方法と同様な
考え方に基づくものである。すなわち、統計励振コード
ベクトルVskを最適なものとした時間インデックスの集
合Nk のトータル歪を考慮してそれが最小となる条件
(最小2乗誤差条件)から最適化された統計励振コード
ベクトルVskを得るようにしたものである。
【0057】(7) 式は、統計励振コードベクトルVskに
係る方程式であるが、ターゲットベクトルX(n) の算出
に適応励振コードベクトルVL(n)に係る情報を用いてい
るので、得られる最適化された統計励振コードベクトル
skに適応励振コードベクトルVL(n)の情報が影響す
ることを避けることができない。この影響が大きいと最
適化が良好に行なうことができない。
【0058】そのため、この実施例の場合、適応励振コ
ードベクトルと統計励振コードベクトルとで合成励振コ
ードベクトルにおける周波数の役割を変えることとし
た。このようにすると、入力音声ベクトルS(n) から適
応励振コードベクトルに係る合成音声ベクトル成分を減
算して得たターゲットベクトルX(n) は、統計励振コー
ドベクトルと同一の周波数に関するものとなり、ターゲ
ットとして良好なものとなる。このように適応励振コー
ドベクトルと統計励振コードベクトルとで合成励振コー
ドベクトルにおける周波数の役割を変えるべく、上述し
たローパスフィルタ22を設けている。なお、統計励振
コードベクトルがノイズ性ベクトルであるため、統計励
振コードベクトルを低域側に対応付けることはできな
い。
【0059】上述のようにして得られた最適化された統
計励振コードベクトルVskは、統計励振コードブック
21に与えられる。統計励振コードブック21は、この
最適化された統計励振コードベクトルVskに格納内容
を更新する。
【0060】このような統計励振コードベクトルの最適
化処理は、複数回繰り返される。最適コードベクトル計
算回路41は、最適化された統計励振コードベクトルV
skについての(8) 式で得られるトータル歪Dkに基づ
いて最適化処理を繰り返すか否かを決定する。すなわ
ち、過去及び今回の最適化処理におけるトータル歪の変
化からみてさらに最適化処理を行なってもトータル歪の
改善にみられないときに(漸近特性)最適化処理の繰り
返しを終了する。
【0061】
【数8】
【0062】上述した第1実施例によれば、適応励振コ
ードブック20の次段にローパスフィルタ22を設け
て、合成励振コードベクトルにおける適応励振コードベ
クトルと統計励振コードベクトルとの周波数の役割を異
なるようにしたので、適応励振コードベクトルの存在に
拘らず統計励振コードベクトルをトータル歪が十分に小
さくなるまで最適化させることができる。
【0063】図3は、適応励振コードブック20の次段
にローパスフィルタ22を介挿した場合(丸印を結ぶ折
線で示す)と、ローパスフィルタ22を介挿しない場合
(×印を結ぶ折線で示す)とについて、最適化処理の繰
返し回数に対するトータル歪の変化(収束特性)を示す
ものである。この図3から明らかなように、第1実施例
の場合(ローパスフィルタ22を介挿した場合)には最
適化処理を繰返すことによりトータル歪が従来より小さ
くなるように最適化できる。
【0064】第2実施例 次に、本発明の第2実施例を図4を用いて説明する。な
お、図4は第2実施例の要部構成を示すものであり、他
の構成は第1実施例の場合と同様である。
【0065】この第2実施例の場合、統計励振コードベ
クトルの最適化を期して、適応励振コードブック20の
次段にローパスフィルタ22を設けると共に、統計励振
コードブック21の次段にセンタクリッピング処理回路
45を設けたものである。
【0066】ローパスフィルタ22の動作及び設けた意
義は、第1実施例の場合と同様である。
【0067】センタクリッピング処理回路45は、統計
励振コードブック21から出力された統計励振コードベ
クトルの成分の中で予め設定した閾値より小さいものを
0に置き換えるものであり、このセンタクリッピング処
理後の統計励振コードベクトルを乗算器25に与えるも
のである。
【0068】センタクリッピング処理回路45を設ける
ようにしたのは、適応励振コードベクトルの周期性を強
調し、適応励振コードベクトルの合成音に対する貢献度
を向上させるためである。すなわち、有声音に対する符
号化歪を軽減して、統計励振コードベクトルの最適化処
理におけるトータル歪の収束特性を向上させるためであ
る。
【0069】従って、この第2実施例によっても、適応
励振コードベクトルの存在に拘らず統計励振コードベク
トルをトータル歪が十分に小さくなるまで最適化させる
ことができる。
【0070】他の実施例 上述の実施例においては、いわゆるバックワード型の多
段コード励振線形予測符号化器及び復号化器に係る統計
励振コードベクトルの最適化について説明したが、本発
明を、いわゆるフォワード型の多段コード励振線形予測
符号化器及び復号化器に係る統計励振コードベクトルの
最適化に適用しても良い。
【0071】また、上述の第1実施例においては、合成
励振コードベクトルにおける適応励振コードベクトルと
統計励振コードベクトルとの周波数役割を異なるように
すべく、適応励振コードブック20の出力側にローパス
フィルタ22を設けたものを示したが、適応励振コード
ブック20の入力側にローパスフィルタを設けるように
しても良い。
【0072】
【発明の効果】以上のように、第1の本発明によれば、
最適化を行なうための各部情報を収集するために行なう
入力音声ベクトルの符号化処理の際に、高域成分を減衰
させた適応励振コードベクトルと統計励振コードベクト
ルとを合成するようにしたので、適応励振コードベクト
ルの存在に拘らず統計励振コードベクトルをトータル歪
が十分に小さくなるように最適化することができる。
【0073】また、第2の本発明によれば、最適化を行
なうための各部情報を収集するために行なう入力音声ベ
クトルの符号化処理の際に、高域成分を減衰させた適応
励振コードベクトルとセンタクリッピング処理を施した
統計励振コードベクトルとを合成するようにしたので、
適応励振コードベクトルの存在に拘らず統計励振コード
ベクトルをトータル歪が十分に小さくなるように最適化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の最適化方法に係る構成を示すブロ
ック図である。
【図2】従来の最適化方法に係る構成を示すブロック図
である。
【図3】第1実施例の効果の説明図である。
【図4】第2実施例の最適化方法に係る構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
20…適応励振コードブック、21…統計励振コードブ
ック、22…ローパスフィルタ、23、25…乗算器、
24、28…加算器、26…ゲイン回路、27…ゲイン
制御回路、29…合成フィルタ、30…減算器、31…
合成音声用線形予測分析回路、32…知覚重み付けフィ
ルタ、33…入力音声用線形予測分析回路、34…イン
デックス探索回路、40…インパルス応答計算回路、4
1…最適コードベクトル計算回路、45…センタクリッ
ピング処理回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適応励振コードブックと統計励振コード
    ブックとを有する多段コード励振線形予測符号化器及び
    復号化器に用いられる統計励振コードベクトルの最適化
    方法であって、入力音声ベクトルに対する符号化処理を
    実行しながら得た各部の情報に基づいて、統計コードブ
    ックに格納される統計励振コードベクトルを最適化する
    統計励振コードベクトルの最適化方法において、 最適化を行なうための各部情報を収集するために行なう
    入力音声ベクトルの符号化処理の際に、高域成分を減衰
    させた適応励振コードベクトルと統計励振コードベクト
    ルとを合成するようにしたことを特徴とする統計励振コ
    ードベクトルの最適化方法。
  2. 【請求項2】 適応励振コードブックと統計励振コード
    ブックとを有する多段コード励振線形予測符号化器及び
    復号化器に用いられる統計励振コードベクトルの最適化
    方法であって、入力音声ベクトルに対する符号化処理を
    実行しながら得た各部の情報に基づいて、統計コードブ
    ックに格納されている統計励振コードベクトルを最適化
    する統計励振コードベクトルの最適化方法において、 最適化を行なうための各部情報を収集するために行なう
    入力音声ベクトルの符号化処理の際に、高域成分を減衰
    させた適応励振コードベクトルとセンタクリッピング処
    理を施した統計励振コードベクトルとを合成するように
    したことを特徴とする統計励振コードベクトルの最適化
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004040553A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Nec Corporation 帯域拡張装置及び方法
JP2018045243A (ja) * 2011-11-03 2018-03-22 ヴォイスエイジ・コーポレーション 低レートcelpデコーダに関する非音声コンテンツの向上

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