JPH05134067A - 冷却構造を有する受熱板の製造方法 - Google Patents

冷却構造を有する受熱板の製造方法

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JPH05134067A
JPH05134067A JP3298831A JP29883191A JPH05134067A JP H05134067 A JPH05134067 A JP H05134067A JP 3298831 A JP3298831 A JP 3298831A JP 29883191 A JP29883191 A JP 29883191A JP H05134067 A JPH05134067 A JP H05134067A
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heat
metal pipe
heat receiving
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JP3298831A
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Yoshiyasu Ito
義康 伊藤
Masaki Tamura
雅貴 田村
Yutaka Ishiwatari
裕 石渡
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
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    • G21B1/00Thermonuclear fusion reactors
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、耐熱性、耐熱サイクル特性に優れた
大形の受熱板を精度・歩留り良く、かつ安価に製造でき
る受熱板の製造方法を提供することにある。 【構成】本発明は、金属パイプ2を内蔵する受熱板8の
製造方法において、前記金属パイプ2を溶射によって受
熱板8に固定することを特徴とするものであるから、プ
ラズマ溶射を適用して受熱板8に金属パイプ2を埋込ん
でいる。したがって、受熱板本体である高融点金属が浸
食されないし、しかも金属パイプ2とMoの溶射層との
密着性が良好で、かつ金属パイプ2を増やすことも可能
であり、受熱板8の大型化も容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は核融合炉用中性粒子加熱
装置や電子,陽子の加速器等各種ビーム装置のビームタ
ーゲット(受熱板)の製造方法に係り、特に耐食性・冷
却特性に優れた冷却構造を有する受熱板の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】核融合炉、MHD発電機、加速器等のエ
ネルギー機器においては、高温のプラズマとの接触や高
エネルギー粒子の衝突により、その内部の構造部材は非
常に高い温度に長時間さらされている。このような高温
に耐え得る材料としては、一般にタングステンやモリブ
デン等の高融点金属が用いられているが、熱流束が大き
い場合にはその内部または裏面から冷却して高融点金属
材料の表面温度を下げることが必要である。
【0003】しかし、タングステンやモリブデンは耐食
性が悪く直接冷却媒体である水を流すことができないた
め、その裏側に冷却管を内蔵した銅ブロックをろう付け
したり、ステンレス鋼等の耐食性に優れた冷却管(金属
パイプ)を内部に埋め込む等の手法が用いられている。
しかし、前者においてはタングステンやモリブデンに比
べ銅の熱膨張率が著しく小さいため、熱応力により接合
界面付近にクラックが発生するという問題がある。ま
た、後者についてはタングステンやモリブデン粉末を焼
結する温度(>1800℃)ではステンレス鋼製の冷却管が
溶融するという問題がある。
【0004】近年、このような冷却管を内蔵したタング
ステン、モリブデン製受熱板の製造方法として図15に
示すようなう方法が提案されている。すなわち、粉末焼
結法により製作したタングステンまたはモリブデン製基
材1の表面にステンレス鋼製冷却管2をろう付け等によ
り固定し、プラズマ溶射装置13によりその表面にタン
グステンまたはモリブデン粉末の溶射層5を形成した
後、その表面を機械加工により平滑に仕上げることによ
り、ステンレス鋼製冷却管2を内蔵した受熱板8を得る
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図15に示す
受熱板の製造方法では、プラズマ溶射熱により既に冷却
管2の上にプラズマ溶射したタングステンまたはモリブ
デンの溶射層5の焼結が進行し、その結果、コーティン
グ層5の熱収縮率や基材表面と裏面の温度差により得ら
れた受熱板8はコーティング層側に大きな反りが発生す
る。特に、厚さが薄く大きな基材の場合にはこの反りの
高さが受熱板の板厚よりも大きくなるため、機械加工に
よる仕上げができないばかりか、図16に示すように、
溶射時の熱とガス圧力により冷却管2が基材1から剥離
し、その結果、冷却管2の周囲には多数のボイド20が
形成され、耐熱サイクル特性が著しく低下する等の問題
があった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は耐熱性、耐熱サイクル特性に
優れた大形の受熱板を精度・歩留り良く、かつ安価に製
造できる冷却構造を有する受熱板の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、金属パイプを内蔵する受熱板
の製造方法において、前記金属パイプを溶射によって受
熱板に固定することを特徴とする。また請求項2は、金
属パイプを内蔵する受熱板の製造方法において、前記金
属パイプを溶射によって受熱板に固定して後、低融点伝
熱材料を溶融浸漬させて熱応力緩和層を設けることを特
徴とする。さらに請求項3は、金属パイプを固定した板
状基材表面に金属またはセラミックの溶射層を形成させ
ることにより基材中に金属パイプを内蔵する受熱板の製
造方法において、前記板状基材の表裏面両方に前記金属
パイプを固定し、前記板状基材の表裏面の両方から同時
にプラズマ溶射して前記金属パイプを溶射層内に内蔵す
ることを特徴とする。
【0008】
【作用】通常、基材の表面に金属パイプを固定する方法
としては拡散接合もしくはろう付けが用いられている
が、基材と金属パイプの熱膨張差が異なる場合には、両
者の収縮差により金属パイプにクラックを生じたり基材
に大きな反りが発生する。良く用いられるMo基材と金
属パイプ材質の組み合わせであるMo基材とステンレス
金属パイプの場合には、ステンレスの熱膨張係数がMo
に比べ著しく大きくなるため、冷却後において基材は金
属パイプ側に反ることになる。さらに、その上からMo
をプラズマ溶射した場合には基材裏面に比べ表面の温度
が上がり、かつプラズマ溶射層の焼結による収縮により
金属パイプ固定時に発生した反りは、プラズマ溶射によ
り拡大する傾向にある。そこで、Mo基材の表裏面に金
属パイプを固定し、表裏面の両方から同時にプラズマ溶
射を行なうことにより、金属パイプ固定時及びプラズマ
溶射時に生ずる熱応力を表裏面でバランスさせることが
でき、その結果、基材の反りをほとんど無くすことが可
能となる。しかし、反りによる変形を抑制した結果、基
材及び金属パイプに生じる残留応力は増加し、接合部近
傍に割れが発生する場合も想定される。また、製造時に
は割れが生じなくても、使用中の熱サイクルにより割れ
が発生することも考えられ、基材と金属パイプ間の熱応
力は出来るだけ小さくすることが好ましい。例えばMo
とステンレスの場合には両者の中間的熱膨張係数を有
し、かつ、化学的に活発なNb、Ni等の熱応力緩和層
を設けることにより両者の熱応力を著しく低減すること
が可能である。さらに、減圧プラズマ溶射の場合には基
材温度が700℃以上に上昇するため接合部が軟化し、
かつプラズマ溶射時のガス圧力により固定した金属パイ
プの剥離やガスの巻き込みにより溶射層内に多数のブロ
ーホールが形成され溶射層の強度低下や熱伝導率の低下
を招くが、予め基材に多数の孔を開けておくことによ
り、ガス圧の影響を著しく低減することが可能である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。図1は、本発明の一実施例である冷却構造を有する
受熱板の製造工程を示す図である。すなわち、同図は冷
却構造として金属パイプ(冷却管)を内蔵するMo(モ
リブデン)の受熱板の製造工程を示す。まず、Mo板を
所定寸法に加工して準備する工程(a)、このMo板に
金属パイプを固定する工程(b)、金属パイプを埋め込
むためにMoのプラズマ溶射を行なう工程(c)、溶射
で生じた表面の凹凸を削除するために両面仕上げを行な
う工程(d)からなり、金属パイプ2を内蔵する受熱板
8の仕上がった模式図を(e)に示す。
【0010】以下、上記各工程(a)〜(d)について
詳細に説明する。Moのプラズマ溶射におけるプラズマ
ジェットはきわめて高速であるため、金属パイプはブレ
ないようにしっかり固定する必要があり、前記工程
(b)の金属パイプ固定には図2に示すような方法を採
用した。すなわち、図2(a)のように金属パイプ2を
Mo板1に固定するため、前記工程(a)のMo板準備
であらかじめ溝3を加工しておいた。次に、図2(b)
に示すように金属パイプ2をMo板1の溝3にセッティ
ングした後、これらをマスク4でマスキングした上から
Moのプラズマ溶射を行ない、図2(c)に示すように
金属パイプ2を固定するのに有効な薄い溶射層5を作製
した。金属パイプ2を固定し終えた後、マスク4をはず
し、金属パイプ2を埋込むための前記工程(c)のプラ
ズマ溶射を行なうが、このとき、もしもプラズマ溶射を
Mo板1と垂直な方向に行なうと金属パイプ2とMo板
1との間に溶射粉末の入らない“影”が生じ、溶射にム
ラが生じる。
【0011】そこで、図3に示すような方法で金属パイ
プを埋め込む。まず、図3(a)に示すように溶射方向
6の溶射角7を小さくしてMoのプラズマ溶射を開始
し、金属パイプ2とMo板1の“影”に溶射粉末を入れ
る。次に、溶射層5の厚さが増えるにしたがい、図3
(b)に示すように溶射角6を大きくすると溶射のムラ
を無くすことができる。
【0012】上記方法で金属パイプをMoのプラズマ溶
射で埋込むことにより、受熱板本体であるMo板は冷却
水と直接接触せず、浸食を受けることがなくなる。しか
も上記方法で緻密かつ金属パイプとの密着性に優れた溶
射層が得られるため、冷却効率の優れた受熱板を製造す
ることができる。しかして、この方法では金属パイプの
本数を容易に増やすことができるため、冷却効率を向上
させることができる。また溶射範囲を大きくとることで
大型化が容易に行なえる。さらにMo溶射を行なう前
に、マスクごと100〜200℃まで予熱しておくと、
緻密な溶射層が得られ、冷却効率をあげることができ
る。
【0013】また、本実施例の他に、パイプ固定方法と
して図4に示すような方法も採用できる。すなわち、M
o板1にあらかじめ溝3を加工しておき、その溝3と金
属パイプ2との隙間をロウ材9で埋め、金属パイプ2を
Mo板1に固定するものである。
【0014】この方法によると、マスクを作る必要がな
く、しかもMo板と金属パイプの間の隙間を消失させる
ことができるため冷却に優れている。またロウ材が金属
パイプとMo板の“影”の部分を埋めるため、Mo溶射
の際に行なっていた溶射角度の調整をあまりしなくても
よいという利点もある。なお、受熱板の製造方法の中の
Moのプラズマ溶射は大気溶射で十分可能であるが、減
圧溶射を適用すると、さらに緻密な溶射層を得ることが
できる。
【0015】図5は、本発明の他の実施例である冷却構
造を有する受熱板の製造工程を示す図である。すなわ
ち、同図は冷却構造として金属パイプを内蔵するMo板
(モリブデン)の受熱板の製造工程を示す。この製造方
法は、受熱板本体を所定寸法に加工して準備し、冷却用
の金属パイプをセッティングする工程(a)、この受熱
板本体に向けて、冷却用のパイプを埋め込む要領で、高
融点金属の溶射を行なう工程(b)、その後、この溶射
コーティング部分に、低融点伝熱材料を溶融含浸させる
工程(c)、表面の不用層や凹凸を削除するために仕上
げ加工を行なう工程(d)からなり、(e)はこのよう
にして得られた冷却構造を有する受熱板の模式図であ
る。
【0016】以下、受熱板本体材料としてMo(モリブ
デン),冷却用のパイプ材料としてSUS 304(ステン
レス鋼),溶射材料をMo,溶射方法をプラズマ溶射,
さらに低融点伝熱材料としてCuを用いた場合の製造方
法について説明する。
【0017】Moのプラスマ溶射時において、SUS30
4 からなる金属パイプ2を受熱板本体1に固定する必要
があるが、特に厳密な固定処理を施さなくても、後工程
で低融点伝熱材料のCuを溶融含浸させるために、金属
パイプ周辺に気孔や、密着不良が生じていても大きな問
題ではない。本発明では受熱板本体に簡単に位置決めが
出来る程度に溝3を加工しSUS304 材の金属パイプ2
を、この溝3にセッティングした後にプラズマ溶射を行
なう。
【0018】プラズマ溶射によりMo基板上にMoを溶
射積層してSUS304 材の金属パイプ2を埋め込んだ加
工状況を図6に示す。すなわち、プラズマ溶射ガン13
を用いてMo基板1上に、SUS304 材の金属パイプ2
をMo溶射層により埋込む。この時には溶射層自体が、
そのプロセス本体の特徴であるように、気孔11や割れ
10を有している。
【0019】本発明者らの実験によると、通常85〜9
5%程度の相対密度の溶射層がプラズマ溶射により得ら
れる。逆にいうと15〜5%の気孔や割れが存在する。
さらに、水銀圧入法により、これら気孔や割れの状況を
確認すると、全気孔や割れの88〜98%までの気孔や
割れが、外部と連結している開気孔や割れであることが
分かった。これは、後工程であるCuの溶融含浸におい
て、気孔や割れを埋めるのに都合の良いことを示してい
る。さらに、本実施例の過程においてはSUS304 パイ
プ2とMo基材1の間に、溶射溶融粒子が入りこまない
“影”の部分の気孔11が生じることも明らかとなって
いる。
【0020】図7は、溶射施工後に溶射層にCuを溶融
含浸する加工状況を示した図である。溶融含浸工程で
は、水素環元炉の中において、水素雰囲気で1100℃
加熱することにより行なう、すなわち、金属パイプ2を
Mo基材1上にMoをプラズマ溶射して埋め込んだ後
に、この溶射面を下向きにして溶融含浸するための溶浸
材料であるCuを下に敷き、グラファイト(黒鉛)るつ
ぼ18の中にセッティングして炉中で処理を行なう。水
素環元雰囲気中で加熱ヒータ19で加熱することで、溶
射されたMo層中に含まれ、混在するMoの酸化物が分
解され、溶融したCuとの濡れ性が改善される。さら
に、毛細管現象によりCuが溶射層中の開気孔16や割
れ15中に侵入して延性に富むCuで充填されるので、
強度が顕著に改善されることが分かった。
【0021】しかしながら、溶融含浸後には不必要なC
uがMoに付着しており、またSUS304 材の金属パイ
プ2を溶射により固定した面は、明らかに、その表面が
凹凸を示している。そこで、実用に供するためには表面
加工仕上げを施す。
【0022】上記方法で、SUS304 材の金属パイプを
プラズマ溶射によりMo層で埋込みCu溶浸により密着
性,溶射層強度,熱伝導特性の改善を図ることが可能と
なった。すなわち、高エネルギ密度のビームを受けるこ
とが可能な、熱衝撃特性,冷却効率の優れた受熱板を製
造することができた。
【0023】図8は、JIS規格H8664−1977皮膜の引
張強さ試験法に従って、Cuを溶融含浸した場合の溶射
皮膜(溶射層)の引張強さを評価した結果を示した図で
ある。この図からMo溶射皮膜のみで形成された場合に
は、引張強度が低いことは当然であるが、品質について
はばらつきが著しいことが分かる。この傾向について
は、溶射皮膜の密着性についても同様で、図9に示すよ
うにMo溶射皮膜にCuを溶浸することで、密着強度の
ばらつきについても顕著に改善されることが分かる。こ
の密着強度の実験は、JIS規格H8664−1977に従って
実施したものである。
【0024】図10は、定常法によって測定した熱伝導
特性について、Mo溶射のみで構成した場合と、Mo溶
射皮膜にCuを溶浸して構成した場合とを比較した結果
を示した図である。熱伝導特性についても、Cu溶浸に
よって特性の改善が図られると共に、そのばらつきも低
減される傾向にあることが分かる。
【0025】上記実施例は、大気中プラズマ溶射法によ
って形成された受熱板に関するものであったが、減圧環
境下での溶射も含めた、その他の溶射方法で形成された
受熱板についても同様に適用できる。さらに、溶射用材
料としてはW,Mo,Ta,Nb以外に、Cr,Ni,
Fe,Zrについても可能であり、低融点溶浸材料につ
いては、Cu,Ag以外にPb,Alについても可能で
あり、良好な特性の得られることを実験により確認して
いる。
【0026】本発明のさらに他の実施例を図11〜図1
4を参照して説明する。まず、図12に示すようにステ
ンレス製金属パイプ2の外表面に熱応力緩和層として無
電解メッキによりNiコーティング層14を形成させ
る。また、Mo製基材1の表裏面にNiコーティングし
たステンレス製金属パイプ2の径と同じ大きさの半円状
の溝を加工し、この溝に金属パイプ2を設置し、真空
中、約1000℃の拡散接合によりステンレス製金属パ
イプ2をMo製基材1の表裏面に固定する。なお、この
Mo製基材1には、図11に示すように、板厚方向に貫
通した孔12が多数加工されている。この様に金属パイ
プ2を固定したMo製基材1を真空チャンバの中に設置
し、減圧雰囲気中でMo製基材1の表裏面両方向からM
o粉末4をプラズマ溶射することにより金属パイプ2の
上部にMo溶射層5を形成させると、ステンレス製金属
パイプ2を内蔵した受熱板8が得られる。
【0027】この方法によりMo基材の表裏面に金属パ
イプ2とプラズマ溶射層を設けることにより受熱板8の
反り変形は著しく低減でき、かつ、ステンレス製金属パ
イプ2の周囲にステンレスとMoの中間的熱膨張係数を
有するNiコーティング層5を設けることにより耐熱サ
イクル特性も著しく向上する。また、Mo基材1に設け
た多数のガス抜き孔12により、プラズマ溶射時の金属
パイプ2の剥離や溶射層内へのガスの巻き込みによりブ
ローホールの形成も著しく低減され、プラズマ溶射層の
健全性も大いに向上する。
【0028】このような方法により厚さ4mmで大きさ
300mm×300mmの受熱板8を製作した時の受熱
板中央部(基準面)に対する受熱板端部の高さ(変形
量)を測定した結果を図13に示す。図中には実施例と
してMo基材の表裏面に金属パイプとプラズマ溶射層を
設けた場合(実施例1)と、Mo基材の裏面には金属パ
イプを設けず表面と同じ厚さのプラズマ溶射層のみを形
成した場合(実施例2)と、実施例2と同じく裏面には
金属パイプを設けず表面の1/2の厚さのプラズマ溶射
層を形成した場合(実施例3)、との3通りの実施例
を、またMo基材の表面のみに金属パイプとプラズマ溶
射層を設けた場合(従来例)とを比較して示している。
従来例では受熱板端部に4mm以上の変形を生じるが、
実施例1は従来例に比べてほとんど変形が無く測定限界
以下であった。一方、Mo基材の裏面には金属パイプを
設けずプラズマ溶射層のみを形成した場合(実施例2,
実施例3)の受熱板端部の変形量は約1mmであり、M
o基材の表裏面に金属パイプとプラズマ溶射層を設けた
場合(実施例1)に比べて変形量は大きいものの従来方
法に比べれば1/4以下であることが分かる。また、実
施例2と実施例3の比較においては、裏面のプラズマ溶
射層の厚さが大きい方(実施例2)が、受熱板端部の変
形量は小さくなる傾向があるが、いずれの場合も変形量
は従来例に比べれば著しく小さく、受熱板の変形抑制に
は表裏面のプラズマ溶射コーティングが有効なことが明
らかである。
【0029】図14は本発明により製作した受熱板の耐
熱サイクル特性を評価した結果を示した図である。試験
片の構成は図11に示したMo基材の表裏面に金属パイ
プとプラズマ溶射層を設けた場合について、ステンレス
製金属パイプの周囲に熱応力緩和のためNiをコーティ
ングし、かつMo基材には多数のガス抜き孔を設けた場
合(実施例4)と、Niコーティングのみを施しガス抜
き孔を設けなかった場合(実施例5)と、Niコーティ
ングもガス抜き孔も設けなかった場合(実施例6)との
3通りの受熱板を用いた。熱サイクル試験はこれら受熱
板の金属パイプに冷却水を流した状態で受熱板表面を3
00℃〜900℃に繰返し加熱した場合に、冷却水のリ
ークが起こるまでの回数を測定した。その結果、Niコ
ーティングもガス抜き孔も設けなかった実施例6におい
ては、300℃の熱負荷では4回の熱サイクルに耐えた
が、600℃、900℃の熱負荷では1回の熱負荷によ
りステンレス製金属パイプにクラックを生じ冷却水のリ
ークが起こった。しかし、Niコーティングのみを施し
た実施例5においては、300℃の熱負荷では10回の
熱サイクルにも冷却水のリークが無く、600℃の熱負
荷では5回の熱サイクル試験に耐えた。さらにMo基材
に多数のガス抜き孔を設けることによりMo溶射層内で
のブローホールの発生を抑制し溶射層の緻密度を向上さ
せた実施例4においては、600℃の熱負荷では10回
の熱サイクル実験でも冷却水のリークが認められず、受
熱板の耐熱サイクル特性に対する熱応力緩和層(Niコ
ーティング)とMo基材のガス抜き孔の効果が明らかで
ある。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プラズマ溶射を適用し、受熱板に金属パイプを埋込むこ
とにより、受熱板本体である高融点金属が浸食されな
い。しかも金属パイプとMoの溶射層との密着性が良好
で、かつ金属パイプを増やすことも可能であり、受熱板
の大型化も容易であるというすぐれた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造方法を示す工程図。
【図2】図1の実施例の作用説明図。
【図3】図1の実施例の作用説明図。
【図4】本発明の他の実施例の作用説明図。
【図5】本発明の他の実施例の製造方法を示す工程図。
【図6】図5の溶射時の作用説明図。
【図7】図5の溶浸時の作用説明図。
【図8】Cu溶浸により改善された引張強度特性図。
【図9】Cu溶浸により改善された密着強度特性図。
【図10】Cu溶浸により改善された熱伝導特性図。
【図11】本発明のさらに他の実施例の製造方法を示す
工程図。
【図12】図11より得られた受熱板の断面図。
【図13】図11で製造した受熱板と従来方法で製造し
た受熱板の熱変形を比較した特性図。
【図14】図11で得られた受熱板の熱サイクル試験結
果を示す特性図。
【図15】従来の受熱板の製造方法を示すための図。
【図16】図15より得られた受熱板の断面図。
【符号の説明】
1…受熱板基材、2…金属パイプ、3…溝、4…マス
ク、5…溶射層、8…受熱板、9…ロウ材、12…孔、
13…プラズマ溶射装置、14…熱応力緩和層、17…
溶浸材料、18…るつぼ、19…ヒータ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属パイプを内蔵する受熱板の製造方法
    において、前記金属パイプを溶射によって受熱板に固定
    することを特徴とする冷却構造を有する受熱板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 金属パイプを内蔵する受熱板の製造方法
    において、前記金属パイプを溶射によって受熱板に固定
    した後、低融点伝熱材料に溶融浸漬させて熱応力緩和層
    を設けたことを特徴とする冷却構造を有する受熱板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 板状基材表面に金属またはセラミックの
    溶射層を形成させることにより当該基材中に金属パイプ
    を内蔵する受熱板の製造方法において、前記板状基材の
    表裏面に金属パイプを固定し、前記板状基材の表裏面の
    両方から同時にプラズマ溶射して前記金属パイプを溶射
    層内に内蔵したことを特徴とする冷却構造を有する受熱
    板の製造方法。
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