JPH05133786A - 二相流流量計 - Google Patents

二相流流量計

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JPH05133786A
JPH05133786A JP21045191A JP21045191A JPH05133786A JP H05133786 A JPH05133786 A JP H05133786A JP 21045191 A JP21045191 A JP 21045191A JP 21045191 A JP21045191 A JP 21045191A JP H05133786 A JPH05133786 A JP H05133786A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸気と水との混合した混合二相流体を安価な
構成で測定可能とする二相流流量計を提供する。 【構成】 二相流体の流れる特殊円錐形ベンチュリ管の
本管部に二相流体の流速を測定する超音波流速計24、
その圧力を検出するダイアフラムシール圧力計25、そ
の差圧を検出するダイアフラムシール差圧計26を配置
し、二相流体の蒸気のみの質量流量と水のみの質量流量
との和の質量流量は差圧を流速で除算した値に補正項を
乗算して算出し、この算出値から蒸気のみの質量流量及
び水のみの質量流量をそれぞれ求めるようにしたもので
ある。この結果、従来の気水分離器が不要となって安価
に構成できるいるとともに、本管部で二相流体をそのま
ま連続測定できるため、測定された流体を捨てることな
くそのまま本来の用途に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水と蒸気とが混合した
二相流体を測定する二相流流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、水はミスト状で乾燥飽和蒸気中
を流れるものと、管内壁に付着し内壁を這って流れる管
壁流との総和で表され、蒸気は乾燥飽和蒸気のことを指
している。従来は、このような蒸気と水との混合二相流
を測定する場合、この混合二相流をまず気水分離器を使
って乾燥飽和蒸気と飽和水とに分離し、前者をオリフィ
ス流量計で測定するとともに、後者を開水路流量計で測
定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の方法では、
気水分離器及び開水路流量計の2種類の流量計が必要と
なり高価となること、及び、装置が大型化することなど
の欠点があり、また、二相流体を蒸気と水とに分離して
しまうので、枝管に流体を導きサンプリングして流量を
測定することになり、本管において連続測定が行えない
欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の問題を解決するた
め、本発明は、二相流体の差圧を測定するダイアフラム
シール差圧計と、二相流体の圧力を検出するダイアフラ
ムシール圧力計と、二相流体の流速を測定する超音波流
速計とを備え、二相流体のうち蒸気のみの質量流量,水
のみの質量流量及びこれらの和の質量流量を同時に連続
して測定できるようにしたものである。
【0005】
【作用】したがって、本発明では、二相流体のうち蒸気
のみの質量流量,水のみの質量流量及びこれらの和の質
量流量を同時に連続して測定可能となる結果、本管にお
いて混合二相流をそのままの状態で連続測定でき、従来
用いられた気水分離器が不要となって安価に構成できる
とともに、従来のサンプリングによる方法と比較して流
体の無駄な消費が防止される。
【0006】
【実施例】一般に、水はミスト状で乾燥飽和蒸気中を流
れるものと、管内壁に付着し内壁を這って流れる管壁流
との合計であり、蒸気は乾燥飽和蒸気である。本発明の
二相流流量計の出力信号は3種類あって、その1つは乾
燥飽和蒸気と飽和水の合計流量(以下、蒸気と水の合計
流量と称す)、2つ目は乾燥飽和蒸気流量(以下、蒸気
流量)、3つ目は飽和水流量(以下、水流量)であり、
これらを連続して同時に出力する。従来は、蒸気と水の
混合二相流を測定する場合、二相流を気水分離器を使っ
て乾燥飽和蒸気と飽和水とに分離し、前者をオリフィス
流量計で測定し後者を開水路流量計で測定している。こ
の従来の方法では、気水分離器及び開水路流量計の2種
類の流量計が必要となり高価となること、及び、装置が
大型化することなどの欠点があり、特に、二相流体を蒸
気と水とに分離してしまうので、枝管に流体を導きサン
プリングして流量を測定することになり、本管において
連続測定が行えないことである。このため本発明では、
気水分離器を不要とし、混合二相流をそのままの状態で
本管において連続測定を行う二相流流量計を提供するも
ので、従来に比して安価になるとともに、従来のサンプ
リングによる方法と比較して流体の無駄な消費が防止で
きる。この二相流流量計を気水分離器の上流側に配置
し、蒸気と水とのそれぞれの流量、及び、蒸気と水との
和の流量を測定し、次に気水分離器の下流側にあるオリ
フィス流量計及び開水路流量計を用い蒸気及び水を測定
した流量と比較すると、両流量計の差を知ることができ
る。具体的な測定例として、蒸気が全流量の40重量パ
ーセント、水が60重量パーセントの二相流体の場合、
差の最大値は蒸気流量が5%、水と蒸気の和の流量は1
0%である。
【0007】以下、本発明について図面を参照して説明
する。図1は本発明の一実施例を示す図であり、差圧を
発生させる特殊円錐形ベンチュリ管の構成を示す正面図
である。また、図2はその側面図である。二相流体の測
定に円錐形ベンチュリ管を用いることは重要である。こ
れを使用することで、二相流体に含まれる水が絞り円筒
部6の上流側に溜まることが除去される。図1,図2に
おいて矢印は、特殊円錐形ベンチュリ管に流入する二相
流体1の流れ方向を示す。二相流量計の取付は、上流側
フランジ2及び下流側フランジ3を、それぞれ、水平配
管のフランジ68に固定して行う。二相流体は、入口円
筒部4と円錐角θ2が21°の入口円錐管5、絞り円筒
部6、円錐角θ3が15°の出口円錐管7を通り流出す
る。入口円筒部4と絞り円筒部6の断面積を比較する
と、絞り円筒部6が小さく造られている。このため両円
筒部で流速差が生じる。
【0008】入口円筒部4及び絞り円筒部6には、それ
ぞれ長手方向の中央に差圧取りだし口8,9が鉛直上方
に配置されている。差圧取りだし口8,9の穴径はダイ
アフラム径に等しい。入口円筒部4の長さは内径に差圧
取りだし口8の穴径を加えた値である。絞り円筒部6の
長さは、同様に、絞り円筒部の内径に差圧取りだし口9
の穴径を加えた値である。この差圧取りだし口8,9に
ダイアフラムシール差圧計26の2個のダイアフラム1
0,11を付けると、流速差に比例した差圧ΔPが検出
できる。ダイアフラムシール差圧計26の2個のダイア
フラム10,11を用いることで、一般の差圧流量計に
必要な導圧管を除く構造とすることは重要である。蒸気
と水との混合二相流体を測定することが目的であるか
ら、導圧管がある場合にはこの導圧管に必要以上に水が
詰まり安定な測定ができない。これを無くすためには導
圧管の無い構造とすることが必要である。
【0009】次に、圧力の測定は、圧力取りだし口14
で行う。入口円筒部4の差圧取りだし口8と同一管断面
で90゜回転した水平方向に圧力取りだし口14があ
る。圧力取りだし口14の穴径はダイアフラムの径に等
しい。この取りだし口14にダイアフラムシール差圧計
25のダイアフラム15を付けると、流体圧力P1 が測
定できる。
【0010】流速の検出は、入口円筒部4の差圧取りだ
し口8と同一管断面の中心点17を超音波が通過するよ
うに、超音波流速計24のソケット18,19が付いて
いる。ソケット18,19は差圧取りだし口8からそれ
ぞれ90゜反対方向に回転した水平位置に対向して付い
ている。このソケット18,19には交互に超音波を発
信・受信するプローブ20,21が付いており、超音波
は中心点17を通る。この結果この両プローブで検出す
る流速vは入口円筒部4の平均流速vである。
【0011】超音波による流速vの検出は、次のように
して行われる。即ち、両プローブ20,21の取付位置
は図1に示すように、二相流体1の流れに直角に配置す
るのではなく、θ1 の角度に傾斜して設置する。超音波
の伝播速度は、流れの向きと超音波の伝播速度が順方向
であれば流速分だけ増加し、逆方向であれば流速分だけ
減少する。したがって音波の順方向の伝播時間と逆方向
の伝播時間の測定差を求めると流速がわかる。図1の例
では、流体が流れ始めると、プローブ20から送信され
る超音波は順方向であり、伝播時間は増加するが、プロ
ーブ21では逆方向となり伝播時間は減少する。したが
って、プローブ20から送信された超音波がプローブ2
1へ到達する時間は、プローブ21から送信される超音
波がプローブ20へ到達する時間に比較して短い。この
時間差と流速vとの関係は次式のようになる。
【0012】
【数1】
【0013】なお、Lは両プローブの先端から先端まで
の距離,θ1 は超音波伝播軸と管中心軸の角度,t1
順方向の伝播時間,t2は逆方向の伝播時間である。こ
こで重要な点は、検出する流速v及び圧力P1 は、差圧
計26の上流側の圧力取りだし口8の管断面位置で検出
されることである。こうして検出された3種の信号は、
後述の演算器で処理され3種類の出力信号となる。その
出力信号とは、蒸気と水とを加算した全流量、蒸気,即
ち乾燥飽和蒸気のみの流量、水,即ち飽和水の3種であ
る。こうして演算を行い3種類の流量を得るので、検出
する3信号を同一場所で同時に検出できることは重要な
意味を持っている。
【0014】以下、まず、理論式について説明し、次い
で演算器による演算構成を説明する。理論式の説明で
は、基本的に重要な項目の説明にとどめ、影響が微細で
流量測定上無視できる項目は除外し説明の複雑を避ける
ようにする。一般に、運動エネルギは、流体密度をρ
w ,流速をvとすると、ρw2/2となる。入口円筒部
4の流体圧をP1、絞り円筒部6の流体圧をP2とする
と、差圧(P1−P2)は、運動エネルギの差として表現
できる。
【0015】
【数2】
【0016】ここで、絞り円筒部6の内径dと入口円筒
部4の内径Dとの比を絞り直径比βで表すと、入口円筒
部4の流速v1と絞り円筒部6の流速v2との関係は、次
式で表すことができる。
【0017】
【数3】
【0018】(2),(3)式から
【0019】
【数4】
【0020】(4)式のP1−P2をΔPで表し(5)式のよう
に定数項をK2とすると、
【0021】
【数5】
【0022】
【数6】
【0023】(6)式は、入口円筒部4の流速v1 を検出
し、これを2乗して(6)式の差圧ΔPを割算すると、入
口円筒部4を流れる湿り蒸気密度ρw が計算できること
を示している。入口円筒部4を流れる質量流量Wは次式
で表現できる。
【0024】
【数7】
【0025】(6),(7)式から、
【0026】
【数8】
【0027】ここで、定数項をK1に置き換えると、
【0028】
【数9】
【0029】
【数10】
【0030】(10)式は、差圧ΔPを入口円筒部4の流速
1 で割算すると、質量流量Wが計算できることを示し
ている。次に、入口円筒部4で検出した圧力P1を乾燥
飽和蒸気の密度ρDに換算する。これは後述の関数発生
器を用いて行う。ここで重要な点は、(10)式の差圧ΔP
を流速v1で割算して求めた質量流量wは、ミストを含
む湿り蒸気密度ρwが流れる流量であり、配管内壁面を
水が這って流れる管壁流の流量は差圧ΔPでは検出でき
ないので含まれていないことである。したがって、差圧
ΔPから得られた質量流量wに補正項を乗算すると、管
壁を這って流れる水が加算された全体の二相流量が測定
できることになる。この補正項は(11)式で表現できる。
なお、この(11)式は実測値から作成した経験式である。
【0031】
【数11】
【0032】(11)式を実際と照らし合わせてみると、例
えば流体が乾燥飽和蒸気になった時を想定した場合、ρ
w=ρDであるから、F1 =1.00となり、実際の場合
と一致する。このように(11)式は経験式でありながら、
実際と一致する合理性のある優れた式であることがわか
る。したがって、補正後の二相流量W’は(12)式とな
る。
【0033】
【数12】
【0034】二相流量W’には、乾燥飽和蒸気にミスト
になって混合して流れる水の部分及び管壁を這って流れ
る水の総和が含まれている。このため、湿り蒸気流量W
に次の補正項を乗算すると乾燥飽和蒸気流量W(steam)
に換算できる。この補正項F2 は、厳密には複雑な式と
なるが実用的には(13)式で表現できる。
【0035】
【数13】
【0036】したがって、補正後の乾燥飽和蒸気流量W
(steam) は(14)式のようになる。
【0037】
【数14】
【0038】次に、ミスト及び管壁を這って流れる水の
総和W(ΣH2O) は、蒸気と水の和の流量W’から乾燥飽
和蒸気流量W(steam) を引き算すると求めることがで
き、(15)式の如くに表せる。
【0039】
【数15】
【0040】(15)式は演算器を構成するのに不便である
から、(15)式に(12),(14)式を代入して(16)式とし、こ
の(16)式を用いて演算器により演算する。
【0041】
【数16】
【0042】これまでに述べた(6) 〜(16)式は、式の合
理化・簡素化の点で本発明の重要な部分である。以上
が、3種類の検出値、即ち差圧ΔP,流速v1,圧力値
1を求め、これに基づいて3種類の測定値、即ち蒸気
と水とを加算した全体流量,全流量のうちの蒸気流量,
全流量のうち水流量を得る演算式である。なお、必要に
応じて水流量をさらに分割して管壁流量及びミスト流量
をとして求めることが可能であることは勿論である。こ
の場合は、(10),(12),(13)式を用いて容易に行える。
【0043】次に、図5は、上記した演算器の構成図で
ある。図5に示す流速検出部24,圧力検出部25及び
差圧検出部26は、図1,図2に示す同一符号のものと
同等である。図5において、流速検出部24,圧力検出
部25及び差圧検出部26からは、それぞれ、流速に対
応する信号E1,圧力に対応する信号E2及び差圧に対
応する信号E3が同時に連続して得られる。
【0044】差圧信号E3と流速信号E1は共に割算器
31への入力信号となり、E3÷E1の割り算が行われ
て出力信号E6が出力される。この信号E6は乗算器3
6への入力信号となるとともに、乗算器36には同時に
流量換算係数設定器27から出力される信号E4の入力
でE6×E4の乗算が行われて出力信号E13が送出さ
れる。この信号E13は(10)式に示す質量流量Wに相当
する信号である。流速検出部24から出力される流速v
に対応する信号E1及び差圧検出部26から出力される
差圧に対応する信号E3は、上記の質量流量Wに相当す
る信号E13とする他、(6) 式に示す湿り蒸気密度ρw
に対応する信号E10を得ることに使用される。
【0045】即ち、図5の流速vに対応する信号E1
は、2乗演算器30への入力信号となり、ここで2乗さ
れv2 に相当する信号E8となって割算器32へ出力さ
れる。同時に差圧検出部26から出力される差圧に対応
する信号E3は、割算器32への入力信号となり、E3
÷E8の割り算を行い出力信号E9が乗算器33へ送出
される。同時に、密度換算係数設定器28から密度係数
に対応する出力信号E5が出力され乗算器33への入力
信号となる。ここで、両信号は乗算され、E9・E5に
対応する出力信号E10となる。
【0046】これは、(6) 式に示す湿り蒸気密度ρw
対応する信号E10である。この信号E10は割算器3
4の入力信号となる。同時に圧力検出器25から圧力P
に対応する信号E2が出力され、関数発生器29へ送出
される。この関数発生器29は、圧力Pに対応する信号
E2に対応して乾燥飽和蒸気密度ρD に対応する信号E
7を出力する機能を備えており、図6のグラフに基づく
信号を出力する。この信号E7は割算器34へ送出され
E10÷E7の割り算を行い出力信号E11を送出す
る。この信号E11は、開平演算器35及び逆数発生器
39への入力信号となる。開平演算器35へ入力された
信号E11は、開平されて信号E12となり、乗算器3
7への入力信号となる。この乗算器37には、上記の質
量流量Wに対応する信号E13が同時に入力される。両
信号はE12・E13の乗算が行われて出力信号E14
となり信号表示器38へ送出されて(12)式に記述された
二相流量W’を表示する。
【0047】次に、上記の逆数発生器39では信号E1
1に対して1÷E11の演算が行われ、信号E15とな
り乗算器40へ送出される。この乗算器40には同時に
信号E13も入力され、ここでE13・E15の乗算を
行って出力信号E16を送出する。この信号E16は、
(14)式の乾燥飽和蒸気流量W(steam) に相当する。信号
E16は信号表示器41へ送出されて乾燥飽和蒸気流量
W(steam)を表示する。一方、逆数発生器39から出力
される信号E15は1.5乗演算器42への入力信号と
なり、演算(E15)1.5 が行われて出力信号E17と
なり、補数発生器43へ送出される。この信号は演算
{1−(E15)1.5 }が行われて、出力信号E18と
なり、乗算器44への入力信号となる。乗算器44には
同時に(12)式に示す二相流量W’に対応する信号E14
が入力され、ここで乗算E14・E18が行われて出力
信号E19となり、信号表示器45へ送出される。入力
信号E19は式(16)に示すW(ΣH2O) を表示する。以上
が演算器の信号処理である。
【0048】二相流量計で蒸気流量を測定するときに留
意すべきことは、検出器が高温度の中に長時間放置され
ることである。検出器を点検することを想定して対応を
考えておくことは重要である。図3は、差圧及び圧力検
出器を点検する場合測定流体を停止せず検出器の取り外
し点検するための装置である。この二相流流量計には、
図3に示す構成の装置が、差圧検出器10,11とし
て、入口円筒部4及び絞り円筒部6に、また、圧力検出
器15用として入口円筒部4に付いている。これらは、
湿り蒸気流量を測定中に検出器25,26の点検が必要
となったとき、流れを止めず、差圧検出器10,11及
び圧力検出器15を取り外すときに使用される。このと
き管路を流れる湿り蒸気1が管外に漏れないようにハン
ドル12,13またはハンドル16を廻し、流路8,9
または流路14を閉じ、差圧検出器10,11及び圧力
検出器15を取り外す。
【0049】図3において、止め弁48の本管側46に
は、湿り蒸気が充満しているが、ダイアフラム52が付
けられた側の空間47は、湿り蒸気が冷えてくるため、
急激な圧力降下が生じる。これは、蒸気の容積が1/2
00に収縮し水になることで起こる。差圧検出器10,
11及び圧力検出器15の構造は、ダイアフラム面52
の裏側に圧力伝達用の液53が封入してある。この封入
液53により圧力がキャピラリ管54を伝わって差圧計
26及び圧力計25へ伝達する構造となっている。使用
している封入液53は、高温度のもとで圧力が負圧にな
ると、封入液53の特性が劣化しやすい。このため、軸
51を廻し、止め弁48を閉じダイアフラム面52が負
圧になるときこれを防止する差圧検出器10,11及び
圧力検出器15の保護用の安全装置55が必要となる。
【0050】図3の安全装置55は、二相流流量計の一
実施例を示すものである。軸51を廻し、弁48を閉じ
て出口側47が負圧になると、ボール59を押している
バネ60が外気圧58で押されて縮むので、外気58が
吸い込まれ通路57を通って流入し、ダイアフラム面5
2が負圧になることを防止する。ボール59を押すバネ
60の強さは、調節ネジ61で調節できる。差圧検出器
10,11及び圧力検出器15の取り外しは、図3では
省略されているが、ボルト68を緩めて行う。このとき
も内側47が大気圧58ならば吸い付きが起きずに取り
外しが容易にできる。
【0051】また、この二相流流量計には、次のような
配慮がなされており、その効果は大きい。即ち、二相流
の測定は蒸気中のミストの他に管内壁を這う水の流れを
配慮しなければならない。このため、一般の導圧管を採
用すると導圧管に必要以上に水が詰まり測定が不安定と
なる。これを予防して導圧管に無いダイアフラムシール
差圧計26を用いて差圧・圧力の測定を行っている。こ
のときの枝管の穴径は、ダイアフラム52の径に合わせ
るので、一般に使用される穴径13φより遥かにおおき
い80φの横穴を開けなければならない。このため、管
壁4,6を這う水が、この横穴46に飛び込み差圧及び
圧力の測定が非常に不安定となる。これを防止するため
に、枝管の横穴角65をできるだけ鋭く造り、水切りを
良くしている。これを仮に図3の点線66で示すように
造り、角65を丸めると管壁流が回り込み安定した測定
が不可能となる。この二相流流量計は管壁流を取り扱う
流量計であるため、水切り効果を特に配慮している。
【0052】図4は、この二相流流量計の流速測定を行
う超音波装置の構成図である。即ち流速測定において、
超音波を発信・受信するプローブ20,21を点検する
必要が生じたとき、測定流体1を停止せず、プローブ2
0,21を点検するに必要な周辺の対応装置である。
【0053】本管4を流れる測定流体1を流したまま、
プローブ20,21を点検する必要が生じた場合は、ま
ず、袋ナット62を緩めプローブ20,21を止め弁4
8の外側47へ引き出し、ハンドル22,23を廻して
ネジ51で止め弁48を押し出して閉じる。測定流体1
は、O−リング64でシールされ、外部には漏れない。
さらに、ソケット63を緩めプローブ20,21を引き
抜く。この一連の操作でプローブ20,21を取り外す
方法は公知である。しかし、測定流体1が湿り蒸気の場
合は、止め弁48を閉じた後の本管側46は、湿り蒸気
が充満しているが、止め弁48の出口側47は蒸気が水
に変わり蒸気の容積が1/200に収縮するため、負圧
になる。プローブ20,21の先端67を高温で負圧の
状態におくことは好ましくない。このため安全装置55
を設け、負圧を防止する。
【0054】安全装置55は、プローブ側47が負圧に
なると、ボール59を押すバネ60が縮み、大気58が
流入し通路57を通って負圧を大気圧に戻してくれる。
バネ60の強さは、調節ネジ61で行えるようになって
いる。プローブ20,21が組み込まれたソケット63
を緩め、プローブ20,21を引き抜き点検を行うが、
このときも内側47が大気圧となり、つい吸い付きが起
きずに取り外しが容易にできる。
【0055】さらにこの二相流流量計は、プローブ2
0,21の取付に次のような配慮がなされている。即
ち、蒸気中に大量の水を含む二相流体を測定するとき、
蒸気中のミストの他に、管壁を這って流れる水の影響を
無視できない。プローブ20,21の先端67に水が衝
突すると、流速vの正確な測定ができない。この衝突を
防止するためにプローブ20,21の先端67を管内壁
面から寸法lだけ後退させてある。しかし、管壁流の場
合はこれだけでは完全ではない。このような場合、特に
重要なことは、プローブ20,21を付けた枝管18,
19と本管4を接続する横穴の角65を鋭く仕上げ水切
りを良くすることである。このような管壁流を測定する
場合、点線66の如く角を丸くすると、管壁流が回り込
み水の衝突が消えない。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
二相流体のうち蒸気のみの質量流量,水のみの質量流量
及びこれらの和の質量流量が同時に連続して測定可能と
なるため、本管において混合二相流をそのままの状態で
連続測定でき、従来用いられた気水分離器が不要となっ
て安価に構成できるとともに、従来のサンプリングによ
る方法と比較して流体の無駄な消費が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二相流流量計の一実施例を示す正面図
である。
【図2】上記二相流流量計の側面図である。
【図3】上記二相流流量計に用いる安全装置の側面図で
ある。
【図4】上記二相流流量計に用いる超音波装置の側面図
である。
【図5】上記二相流流量計の演算器の構成図である。
【図6】流体の圧力と蒸気密度との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 二相流体 2,3 フランジ 4 入口円筒部 5 入口円錐管 6 絞り円筒部 8,9 差圧取りだし口 10,11,15 ダイアフラム 14 圧力取りだし口 20,21 プローブ 24 超音波流速計 25 ダイアフラムシール圧力計 26 ダイアフラムシール差圧計 27 流量換算係数設定器 28 密度換算係数設定器 29 関数発生器 30 2乗演算器 31,32,34 割算器 33,36,37,40,44 乗算器 35 開平演算器 38,41,45 信号表示器 39 逆数発生器 42 1.5乗演算器 43 補数発生器 55 安全装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 伸吾 福岡県福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号 九州電力株式会社内 (72)発明者 市原 達也 東京都大田区西六郷四丁目28番1号 山武 ハネウエル株式会社蒲田工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気と水との混合二相流体を特殊円錐形
    ベンチュリ管へ流入させて該二相流体の質量流量を測定
    する二相流流量計であって、 前記二相流体の差圧を測定するダイアフラムシール差圧
    計と、前記二相流体の圧力を検出するダイアフラムシー
    ル圧力計と、前記二相流体の流速を測定する超音波流速
    計とを備え、前記二相流体のうち蒸気のみの質量流量,
    水のみの質量流量及びこれらの和の質量流量を同時に連
    続して測定できるようにしたことを特徴とする二相流流
    量計。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の二相流流量計において、 前記特殊円錐形ベンチュリ管の入口円筒部の長さは該入
    口円筒の内径と前記ダイアフラムシール差圧計の高圧側
    ダイアフラムを取り付ける穴径との和に等しく、前記入
    口円筒部に続いて入口円錐部を備えると共に、該入口円
    錐部に続く絞り円筒部の長さは該絞り円筒部の内径と前
    記ダイアフラムシール差圧計の低圧側ダイアフラムを取
    り付ける穴径との和に等しく、前記絞り円筒部に続いて
    出口円錐管を備え、該出口円錐管の内径は前記入口円筒
    部の穴径に等しく、かつ前記ダイアフラムシール差圧計
    の高圧側ダイアフラム取付穴は前記入口円筒部の中央鉛
    直上方に、前記ダイアフラムシール差圧計の低圧側ダイ
    アフラム取付穴は前記絞り円筒部の中央鉛直上方に、前
    記ダイアフラムシール圧力計のダイアフラム取付穴は前
    記入口円筒部の前記ダイアフラムシール差圧計の取付穴
    中心と同一断面で鉛直線からほぼ90°回転した水平方
    向に、前記超音波流速計のプローブ取付穴は前記入口円
    筒部に2個対向して水平に前記二相流体の流れ方向に対
    してほぼ60°となるように配置し超音波が前記断面の
    中心を通過するようにしたことを特徴とする二相流流量
    計。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の二相流流量計において、 前記ダイアフラム差圧計及び前記ダイアフラム圧力計の
    取付穴はダイアフラム径に等しく、かつ前記取付穴の角
    が鋭角となるようにするとともに、前記ダイアフラムと
    前記取付穴間に配置された止め弁が閉じられたときにダ
    イアフラムの負圧を大気圧に上昇させる安全弁を備えた
    ことを特徴とする二相流流量計。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の二相流流量計において、 前記超音波流速計のプローブの先端位置は前記入口円筒
    部の管内壁面から10〜20mm隔てて配置され、かつ
    前記プローブの取付穴の角が鋭角となるようにするとと
    もに、前記プローブを取り付けるソケットの止め弁が閉
    じられたときに前記プローブの破損を防止する安全弁を
    備えたことを特徴とする二相流流量計。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の二相流流量計において、 検出された前記二相流体の差圧,圧力及び流速から前記
    二相流体のうち蒸気のみの質量流量,水のみの質量流量
    及びこれらの和の質量流量を同時に連続して算出する演
    算器を備えたことを特徴とする二相流流量計。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の二相流流量計において、 前記蒸気のみの質量流量と水のみの質量流量との和の質
    量流量は前記差圧を前記流速で除算した値に補正項を乗
    算して算出するとともに、この算出された値から蒸気の
    みの質量流量及び水のみの質量流量を演算するようにし
    たことを特徴とする二相流流量計。
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