JPH05133715A - ターゲツトマーク、撮像装置、ならびにそれらを用いる相対位置および姿勢測定装置 - Google Patents

ターゲツトマーク、撮像装置、ならびにそれらを用いる相対位置および姿勢測定装置

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JPH05133715A
JPH05133715A JP3099229A JP9922991A JPH05133715A JP H05133715 A JPH05133715 A JP H05133715A JP 3099229 A JP3099229 A JP 3099229A JP 9922991 A JP9922991 A JP 9922991A JP H05133715 A JPH05133715 A JP H05133715A
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Ichiro Nakatani
一郎 中谷
Junichiro Kawaguchi
淳一郎 川口
Sumihiro Ueda
澄広 上田
Masaaki Hirayama
真明 平山
Takashi Sakata
隆司 坂田
Tadayoshi Mitsuishi
格禎 三石
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 たとえば宇宙空間において宇宙機が他の宇宙
構造体にランデブ・ドッキングする場合、光学的に相対
位置および姿勢の測定を行う。 【構成】 被検出物体には、ターゲットマーク25を取
付け、このターゲットマークを同軸落射照明付き撮像装
置によって撮像し、2次元の画像を処理して、被検出物
体の3次元の位置および姿勢を測定する。ターゲットマ
ークは、回帰反射板31の内部に識別し易い形状を有す
る領域を備え、その領域の背後に、周囲から遮光部材に
よって遮光された低反射部材34を立体的に配置し、回
帰反射板というのは、光の照射された方向に光を反射す
る板であり、低反射部材は、黒色の艶消し塗装を施した
板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直射日光などが照射さ
れる環境下で、被検出物の位置および姿勢を光学的に測
定するために用いられる被検出物に設置するターゲット
マークと、そのターゲットマークを撮像する撮像装置
と、さらにそれらを用いる相対位置および姿勢の測定装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】或る先行技術は図21に示されている。
被検出物体1の平坦な表面2にはターゲットマーク3が
固定される。この被検出物体1に対向して物体4には、
撮像装置5が設けられる。撮像装置5は、連続照明を行
う光源8と、ハーフミラー9と、テレビカメラ10とを
有し、いわゆる同軸落射照明付きテレビカメラである。
光源8は、光軸11に沿って光を被検出物体1に向けて
照射する。ハーフミラー9は、この光軸11上に設けら
れ、光源8からの光を透過して参照符12で示されるよ
うに、その透過した光を被検出物体1に導き、被検出物
体1のターゲットマーク3から反射された反射光は、参
照符13,14で示されるように、屈曲して反射され
る。テレビカメラ10は、ハーフミラー9からの光経路
14で示される光を受光し、集束レンズ15を介して電
荷蓄積素子(略称CCD)などの撮像素子16に結像す
る。
【0003】図22はターゲットマーク3の断面図であ
り、図23はそのターゲットマーク3の正面図である。
これらの図面を参照して、ターゲットマーク3は、回帰
反射板17とその背後に設けられる低反射板18とを有
し、回帰反射板17の背景となる低反射板18とのコン
トラストの差をつけている。回帰反射板17は、光の照
射された方向12に、矢符13のように光を反射する板
であり、低反射板18は、黒色の艶消し塗装を施した板
であり、光の反射率が低い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような図21〜図
23に示される或る提案された技術では、太陽光などの
外乱光を参照符19,20で示されるように受けた場
合、テレビカメラ10が捕らえる映像としては、回帰反
射板17の輝度は上らず、一方、低反射板18に照射さ
れた光20は破線21で示されるように乱反射されて、
その低反射板18の輝度が上昇する。したがって太陽光
などの外乱光によって、ターゲットマーク3のコントラ
ストが著しく低下し、テレビカメラ10によるターゲッ
トマーク3の識別に異常を来すことがある。
【0005】この技術の他の問題は、ハーフミラー9を
用いているので、構造が複雑となり、しかも振動などに
よってハーフミラー9が破損するおそれがあるというこ
とである。したがって宇宙空間において用いられる宇宙
機などに、本発明が関連して実施されたとき、大きな加
速度によってハーフミラー9が破損するおそれが生じ
る。
【0006】さらに他の問題は、光源8が連続照射を行
い、その光量は一定であり、したがって撮像装置5と被
検出物体1との距離が大きく変化する場合、遠距離では
光量が不足し、近距離では光量過多が生じ易い。また光
源8とテレビカメラ10とは個別的に設けられており、
したがって装置が大形化し、重量が大きくなる。
【0007】さらにこの技術では、光源8は前述のよう
に連続照明であり、テレビカメラ10の露光時間は通
常、1/30秒であって比較的長く、したがって動きの
速い被検出物体1の位置および姿勢の測定は、その被検
出物体1がぶれるので、困難である。
【0008】本発明の目的は、コントラストが向上され
たターゲットマークを提供し、機械的強度が向上された
撮像装置を提供し、こうして被検出物体を正確に検出す
ることができるようにしたターゲットマーク、撮像装
置、ならびにそれらを用いる相対位置および姿勢測定装
置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、回帰反射板の
内部に識別し易い形状を有する領域を備え、その領域の
背後に、周囲から遮光部材によって遮光された低反射部
材を立体的に配置したことを特徴とするターゲットマー
クである。
【0010】また本発明は、テレビカメラのレンズの周
囲に投光用の複数個の固体発光素子をリング状に配置し
たことを特徴とする照明付き撮像装置である。
【0011】また本発明は、テレビカメラにシャッタを
設け、そのテレビカメラのシャッタが開いている露光期
間に同期して固体発光素子を点灯させる回路を持ったこ
とを特徴とする。
【0012】また本発明は、固体発光素子を、半径が異
なる複数のリング状にグループ化し、各グループのリン
グ状に配置された固体発光素子を、グループ選択的に駆
動することを特徴とする。
【0013】また本発明は、被検出物に設けられ、回帰
反射板の内部に識別し易い形状を有する領域を備え、そ
の領域の背後に、周囲から遮光部材によって遮光された
低反射部材を立体的に設置した少なくとも3つのターゲ
ットマークと、テレビカメラのレンズの周囲に投光用の
複数個の固体発光素子をリング状に配置した照明付き撮
像装置と、撮像装置からの2次元画像出力信号に応答し
て、被検出物の3次元の位置および姿勢を演算処理して
求める処理手段とを含むことを特徴とする相対位置およ
び姿勢測定装置である。
【0014】
【作用】本発明に従うターゲットマークでは、回帰反射
板の内部の領域の背後には、遮光部材、たとえば金属製
有底筒体によって遮光された低反射部材を立体的に設置
し、この低反射部材というのは、たとえば黒色の艶消し
塗装を施した板などであり、したがって回帰反射板の背
景となる低反射部材には、撮像装置の同軸照明以外の太
陽光などの外乱光が照射されず、同軸照明以外の太陽光
などの外乱光に対しては、低反射部材は陰になる。した
がって太陽光などの外乱光が存在しても、ターゲットマ
ークのコントラストが低下するおそれはない。これによ
ってターゲットマークの撮像装置による正確な検出が可
能になる。
【0015】さらに本発明の撮像装置に従えば、テレビ
カメラのレンズの周囲に、投光用の複数個の固体発光素
子、たとえば発光ダイオードをリング状に配置し、これ
によって固体発光素子の光軸とテレビカメラの光軸とを
ほぼ一致させることができ、同軸落射照明を行って撮像
することができる。そのため前述の図21〜図23に関
連して述べたハーフミラー9が不要となり、機械的強度
の向上を図ることができるとともに、構成の小形化を図
り軽量化を図ることができる。
【0016】さらにこのリング状に配置した固体発光素
子を相互に半径の異なるグループに分けて、各グループ
を選択的に点灯駆動することによって、遠距離の被検出
物体の撮像時には、半径が大きいリング状の固体発光素
子のグループを点灯駆動して、遠距離における光量不足
を防ぎ、また近距離では半径が小さいリング状に配置さ
れた固体発光素子のグループを点灯駆動して、光量過多
を防ぐことができる。
【0017】さらに本発明に従えば、テレビカメラには
電子シャツタなどのシャッタを設け、このシャッタが開
いている露光時間中に、固体発光素子を点灯させ、これ
によって固体発光素子の点灯期間をたとえば1/100
0秒、点灯させて、短時間の露光を行うことができ、し
たがって被検出物体のぶれを防ぐことが可能となる。
【0018】さらにこのような撮像装置による2次元の
画像を処理して、被検出物体の3次元の位置および姿勢
を演算処理して求めることができる。
【0019】
【実施例】図1は本発明の一実施例のターゲットマーク
25の断面図であり、図2はそのターゲットマーク25
の平面図である。このようなターゲットマーク25と同
一の原理を有する後述の図9に関連して説明するターゲ
ットマーク25aは、図3に示されるように宇宙空間に
おけるチェイサと呼ばれる宇宙機26と、ターゲットと
なる宇宙構造体である被検出物体27とがドッキング手
段28,29によってランデブ・ドッキングをする際に
用いられる。このターゲットマーク25は、被検出物体
27に設けられ、同軸落射照明付き撮像装置30は宇宙
機26に設けられる。この撮像装置30を用いてターゲ
ット25を撮像しつつ、被検出物体27の位置および姿
勢を正確に測定することができる。
【0020】ターゲットマーク25は、矩形の回帰反射
板31の内部に、識別し易い形状、たとえばこの実施例
では円を有する領域32を備え、この領域32は穴とな
っている。この領域32の背後(図1の下方)には、周
囲から遮光部材33によって遮光された低反射部材34
が立体的に設置される。遮光部材33は底35を有する
筒体であり、たとえばアルミニウムなどの遮光性材料か
ら成る。低反射部材34は、黒色の艶消し塗装を施した
板または層であってもよく、光の反射率が低い。
【0021】図4は回帰反射板31の一部の拡大断面図
であり、図5はその回帰反射板31の拡大した平面図で
ある。この回帰反射板31では、ガラスビーズ36が多
数個配置され、シート37に部分的に埋込まれる。ガラ
スビーズ36のシート37に埋込まれた表面には、アル
ミニウム層38が蒸着されている。したがって実線で示
される入射光39は、ガラスビーズ36内に入り、アル
ミニウム層38で反射され、その反射光40は、入射光
39と平行に反射される。
【0022】このような図1および図2に示されるター
ゲットマーク25では、撮像装置30の光軸と平行な入
射光39が、高い反射率で反射光40として反射され、
その反射光40を撮像装置30が受光することができ、
このとき参照符39aで示される光の低反射部材34に
よる乱反射光40aは、わずかな光量だけ、撮像装置3
0によって受光されるだけであり、大きなコントラスト
が得られる。また参照符39bで入射される太陽光など
の外乱光は、回帰反射板31によって参照符40bで示
されるように反射され、したがって前述の入射光39お
よび反射光40の方向にある撮像装置30に反射光40
bが導かれることはない。また外乱光の入射光39bと
平行に、参照符39cで示されるように、領域32を経
て低反射部材34によって反射された反射光40cは、
前述の入射光39および反射光40の方向にある撮像装
置30には導かれず、回帰反射板31の陰となる。した
がって参照符39b,39cで示されるような外乱光が
存在しても、撮像装置30によるターゲットマーク25
のコントラストが低下することはない。
【0023】図6は本発明の他の実施例の回帰反射板3
1aの一部の斜視図であり、図7ははその回帰反射板3
1aの拡大した平面図である。この回帰反射板31aで
は、四角錐のプリズム11が多数個隣接して配置された
構成を有する。入射光42は、プリズム41内に入り、
全反射して入射光42と平行な反射光43として導かれ
る。
【0024】図8は、図4〜図7に示される各回帰反射
板31の特性を示すグラフである。特性ライン44は、
図4および図5に示される回帰反射板31の特性を示
し、特性ライン45は、図6および図7に示される回帰
反射板31aの特性を示す。反射光の光量は、入射角の
方向から観測した場合が最も多く、入射角から離れた方
向から観測した場合、反射光量が減少する。
【0025】図9は、このような図1および図2に示さ
れるターゲットマーク25と同一の原理を用いたターゲ
ットマーク25aの一部を切欠いて示す斜視図である。
このターゲットマーク25aは、回帰反射板46に円形
の透孔領域が形成されてマークm1〜m4が形成され、
このマークm1〜m4の背後には、有底筒状の単一の遮
光部材47が設けられ、この遮光部材47内の遮光され
た空間の内周面には、低反射部材48が設けられる。マ
ークm1〜m4は相互に直交する直線49,50上に図
心を有し、それらの中心間の距離D1,D2は等しく
(D1=D2)、回転角の検出を可能にするために、3
つのマークm1〜m3の径は30mmφであり、残りの
1つのマークm4の径は25mmφとする。さらにこの
回帰反射板46から離間してもう1つの回帰反射板51
が設けられ、ここには透孔領域であるマークm5が形成
される。回帰反射板51のマークm5の背後には、有底
直円筒状の遮光部材52によって遮光された低反射部材
53が設けられる。マークm5は各辺は25mmの正三
角形であり、これによって回転角を検出することができ
るとともに、残余のマークm1〜m4との識別をするこ
とができる。遮光部材52の内周面には、前述のように
低反射部材53が全面にわたって形成されている。マー
クm5の図心は、直線49,50を含む平面から間隔L
をあけて、かつこれらの直線49,50の交点54の直
上に配置される。
【0026】図10は、撮像装置30の分解斜視図であ
る。この撮像装置30は、同軸落射照明付き撮像装置で
あって、テレビカメラ56のレンズ57の周囲に、投光
用の複数個の固体発光素子58がリング状に配置されて
構成される。
【0027】図11は、図10に示される撮像装置30
の正面図である。固体発光素子58は、たとえば発光ダ
イオードであり、半径方向内方から外方に、この実施例
では4重のレンズ57に同心のリング状に、固体発光素
子のグループ58a〜58dが形成される。図11にお
いて参照符1〜14は、各グループ58a〜58dに属
する固体発光素子を周方向に各グループ毎に示してい
る。
【0028】図12は、このような固体発光素子58の
電気回路図である。直流電源60からの電力によって、
各グループ58a〜58d毎に直列に接続された固体発
光素子が、各グループ58a〜58d毎に個別的に設け
られたスイッチ61a〜61dによって、撮像装置30
とターゲットマーク25aとの距離を検出する手段の出
力に応答して、グループ選択的に点灯駆動される。スイ
ッチ61a〜61dのうちの1つが導通しているとき残
余の3つのスイッチは遮断している。中心寄りのグルー
プ58aの固体発光素子の点灯駆動は、撮像装置30と
ターゲットマーク25aとの距離が近距離、たとえば3
0cm程度であるときに行われ、また外周寄りのグルー
プ58bは、撮像装置30とターゲットマーク25aと
の距離が最大5m未満の遠距離であるときに行われる。
こうして各グループ58a〜58d毎の選択的な発光ダ
イオード58の点灯駆動によって、ターゲットマーク2
5aが近距離ないし遠距離の範囲で、適切な露光光量を
得ることができ、遠距離での光量不足および近距離での
光量過多を防ぐことができる。発光ダイオード58の外
周には保護筒62が設けられる。
【0029】図13は、本発明の一実施例の光学的な相
対位置および姿勢の測定装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。テレビカメラ56は、レンズ57と、その
レンズ57によって結像された2次元画像を電気信号に
変換する電荷蓄積素子63を有する。この電荷蓄積素子
63は平面状に形成され、カメラ制御回路64によっ
て、その電荷蓄積素子63の各セル毎の画像出力信号を
読取り、ライン65から、NTSC方式の映像信号とし
て2値化処理回路67に与える。マイクロコンピュータ
などによって実現される処理回路68からの出力は、同
期コントローラ69に与えられ、この同期コントローラ
69の出力信号の1つは、図14(1)に示される垂直
同期信号であって、カメラ制御回路64に与えられる。
カメラ制御回路64において、W1,W2は1フィール
ドの期間である1/60秒であり、これによって1フレ
ームの周期W12(=W1+W2)が構成される。電荷
蓄積素子63は図14(2)に示される露光タイミング
パルスに応答して電子シャッタを動作し、1フィールド
の期間W3において、電子シャッタを動作させて、レン
ズ57を介するターゲットマーク25aの映像を受光す
る。こうして電荷蓄積素子63にストアされた1画面の
映像は、図14(3)に示される映像出力信号としてカ
メラ制御回路64を経て前述のライン65から2値化処
理回路67に与えられる。同期コントローラ69からの
出力はまた、カメラ制御回路64を経て同期照明コント
ローラ70に与えられる。同期照明コントローラ70は
この垂直同期信号に応答して図14(4)で示される遅
延パルスを発生し、これによって固体発光素子58を、
図14(5)の期間W4において点灯駆動される。この
期間W4は、前述の電子シャッタの開いている期間W3
の範囲内にある。W4は、たとえば1/1000秒であ
ってもよく、こうして高速度で固体発光素子58を点灯
駆動して、ぶれを生じないターゲットマーク25aの撮
像を行うことができる。
【0030】2値化処理回路67の出力は、ウインド重
心位置演算回路71〜75に与えられ、これによって各
マークm1〜m5毎の映像を含むウインドのマークm1
〜m5の重心位置の演算が行われる。各マークm1〜m
5の重心位置を表す信号は、メインコントローラ68に
与えられる。高速演算処理回路76は、メインコントロ
ーラ68に接続され、予め定められた演算をハードウエ
アを利用して高速に演算する。メインコントローラによ
って得られたターゲットマーク25aの3次元の位置お
よび姿勢は、ライン77を介して重心コントローラ78
から、宇宙機26の誘導コントローラ79に与えられ、
こうしてドッキング手段28,29の正確なランデブ・
ドッキングが達成される。
【0031】図15は、ターゲットマーク25aと、テ
レビカメラ56との光学的な構成を簡略化して示す図で
ある。レンズ57の焦点距離はFで示される。x軸まわ
りの回転角φは図16で示され、y,z軸まわりの回転
角θ,ψを示すグラフである。図16におけるxy平面
の法線ベクトルのyz平面への投影した角度φは、点
(x1,y1,z1)に関連して数1で示される。
【0032】
【数1】
【0033】図17を参照して、yz平面の法線ベクト
ルのxy平面およびxz平面への投影した角度θ,ψは
点(xz,yz,zz)に関して数2および数3によっ
て示される。
【0034】
【数2】
【0035】
【数3】
【0036】ここでfを関数とするとき、数4が成立す
る。
【0037】
【数4】X1c=f(Θ1) ここでX1cは電荷蓄積素子63平面上のマークm1〜
m5の位置を示し、Θ1は位置(x,y,z,φ,θ,
ψ)を表す。
【0038】図18は電荷蓄積素子63において得られ
た2次元画像の結像された状態を示し、この電荷蓄積素
子63の2次元画像を処理して、被検出物体である宇宙
構造体27のターゲットマーク25aの3次元の位置お
よび姿勢を、次のようにして求める。マークm1〜m5
の電荷蓄積素子63の平面上の像をm1a〜m3aと
し、マークm1〜m3の距離をD1とし、マークm2〜
m4の距離をD2とするとき、
【0039】
【数5】D1=D2=D であり、dmaxは、電荷蓄積素子63の2次元画面上
のマーク像m1a,m3aの距離をd1とし、マーク像
m2a,m4aの距離をd2とするとき、2つの値d
1,d2の大きい方の値を示す。マーク像m1a,m3
aを結ぶ直線81とマーク像m2a,m4aを結ぶ直線
82の交点である図心83のy,z平面内の座標を(h
c,vc)とし、図15に示されるようにレンズ57と
交点54との距離をxとする。またマーク像m1a,m
3aのZ軸方向のずれ量をpとし、図心83とマーク像
m5aとのy軸方向のずれ量をqとし、図心83とマー
ク像m5aとのz軸方向のずれ量をsとするとき、数6
〜数10が成立する。
【0040】
【数6】
【0041】
【数7】
【0042】
【数8】
【0043】
【数9】
【0044】
【数10】
【0045】したがってターゲットマーク25aの位置
および姿勢の近似式は数11〜数16で示されるとおり
である。
【0046】
【数11】
【0047】
【数12】
【0048】
【数13】
【0049】
【数14】ψ≒Kφ・p
【0050】
【数15】θ≒Kθ・q
【0051】
【数16】ψ≒Kψ・s ここでKφ,Kθ,Kψは、前述の数8〜数9にそれぞ
れ示されるとおりである。
【0052】ターゲットマーク25aのさらに詳細な位
置および姿勢の連続的な算出手順を次に説明する。図1
9を参照して、前述のマークm1,m3,m5を、新た
な参照符m2,m3,m1でそれぞれ示す。これらのマ
ークM1〜M3の取付位置は、数17〜数19で示され
るとおりである。
【0053】
【数17】
【0054】
【数18】
【0055】
【数19】
【0056】ここで変換行列Tは、数20で示されると
おりである。
【0057】
【数20】
【0058】このとき各マークは以下になる。
【0059】
【数21】M1a=T・M1
【0060】
【数22】M2a=T・M2
【0061】
【数23】M3a=T・M3 カメラ56のパラメータ行列をCとする。
【0062】
【数24】
【0063】このとき、カメラ56の座標Hi(i=1
〜3)は
【0064】
【数25】HI=C・Mia となる。
【0065】ここで図20は、角度α,β,γの関係を
示している。
【0066】Hi(i=1〜3)より、x0,y0,z
0,α,β,γを算出するには、Hiを以下のように定
義する。
【0067】
【数26】 H1=(Y+ΔY1,Z1ΔZ1,X+ΔX1) H2=(Y+ΔY ,Z1ΔZ ,X+ΔX ) H3=(Y−ΔY ,Z−ΔZ ,X−ΔX ) ただし
【0068】
【数27】 X=C41x0+C42y0+C43z0+C44 Y=C21x0+C22y0+C23z0+C24 Z=C31x0+C32y0+C33z0+C34
【0069】
【数28】 ΔY1=(C21cosβcosγ+C22(-cosβsinγ)+C23sinβ)L1 ΔZ1=(C31cosβcosγ+C32(-cosβsinγ)+C33sinβ)L1 ΔX1=(C41cosβcosγ+C42(-cosβsinγ)+C43sinβ)L1 ΔY =(C21(cosγsinαsinβ+cosαsinγ) +C22(cosαcosγ−sinαsinβsinγ)+C23(-cosβsinα))L2 ΔZ =(C31(cosγsinαsinβ+cosαsinγ) +C32(cosαcosγ−sinαsinβsinγ)+C33(-cosβsinα))L2 ΔX =(C41(cosγsinαsinβ+cosαsinγ) +C42(cosαcosγ−sinαsinβsinγ)+C43(-cosβsinα))L2 である。
【0070】今X,Y,Z,αを算出する場合、β,γ
は既知(実際には前回の値を用いる)とすると、
【0071】
【数29】ΔX=ΔXc・cosα+ΔXs・sinα ΔY=ΔYc・cosα+ΔYs・sinα ΔZ=ΔZc・cosα+ΔZs・sinα
【0072】
【数30】 ΔXc=(C41 sinγ+C42 cosγ)L2 ΔXs=(C41 cosγsinβ−C42 sinβsinγ−C43 cosβ)L2 ΔYc=(C21 sinγ+C22 cosγ)L2 ΔYs=(C21 cosγsinβ−C22 sinβsinγ−C23 cosβ)L2 ΔZc=(C31 sinγ+C32 cosγ)L2 ΔZs=(C31 cosγsinβ−C32 sinβsinγ−C33 cosβ)L2 である。
【0073】このときH2,H3は
【0074】
【数31】
【0075】となる。
【0076】実際に撮像面に映る位置h2,h3は、
【0077】
【数32】
【0078】である。
【0079】
【数33】h2(x+Δx)=Y+ΔY h3(x−Δx)=Y−ΔY v2(x+Δx)=Z+ΔZ v3(x−Δx)=Z−ΔZ 上下の引算より、y,zが消去可能であり
【0080】
【数34】 (h2−h3)X=2ΔY−(h2+h3)ΔX (v2−v3)X=2ΔZ−(v2+v3)ΔX となる。
【0081】αを用いて書き直すと(式29を用い
る)、
【0082】
【数35】 (h2−h3)X=(2ΔYc−(h2+h3)ΔXc)cosα +(2ΔYs−(h2+h3)ΔXs)sinα (v2−v3)X=(2ΔZc−(v2+v3)ΔXc)cosα +(2ΔZs−(v2+v3)ΔXs)sinα である。
【0083】
【数36】A=2ΔYc−(h2+h3)ΔXc B=2ΔYs−(h2+h3)ΔXs C=2ΔZc−(v2+v3)ΔXc D=2ΔZs−(v2+v3)ΔXs とすると、
【0084】
【数37】(h2−h3)X=Acosα+Bsinα (v2−v3)X=Ccosα+Dsinα となる。よって
【0085】
【数38】
【0086】で、αの算出が可能になる。
【0087】
【数39】
【0088】数33の上下の和をとると
【0089】
【数40】 2Y=(h2+h3)X+(h2−h3)ΔX 2Z=(v2+v3)X+(v2−v3)ΔX ΔXも算出可能であり、Y,Zは上式より算出可能であ
る。
【0090】β,γの算出について述べると、cos
β,cosγを既知としてβ,γを求める。数26にお
いて
【0091】
【数41】ΔX1=ΔXc+ΔXγsinγ+ΔXβsinβ ΔY1=ΔYc+ΔYγsinγ+ΔYβsinβ ΔZ1=ΔZc+ΔZγsinγ+ΔZβsinβ であり、
【0092】
【数42】h1(x+Δx1)=Y+ΔY1 v1(x+Δx1)=Z+ΔZ1 である。ただし
【0093】
【数43】ΔXc= L1・C41・cosβ・cosγ ΔXγ=−L1・C42・cosβ ΔXβ= L1・C43
【0094】
【数44】ΔYc= L1・C21・cosβ・cosγ ΔYγ=−L1・C22・cosβ ΔYβ= L1・C23
【0095】
【数45】ΔZc= L1・C31・cosβ・cosγ ΔZγ=−L1・C32・cosβ ΔZβ= L1・C33である。数42は
【0096】
【数46】 (h1・ΔXγ−ΔYγ)sinγ+(h1・ΔXβ−ΔYβ)sinβ =Y+ΔYc−h1・X−h1・ΔXc (v1・ΔXγ−ΔZγ)sinγ+(v1・ΔXβ−ΔZβ)sinβ =Z+ΔZc−v1・X−v1・ΔXc となりβγは算出可能となる。
【0097】
【数47】
【0098】ただし
【0099】
【数48】A=h1・ΔXγ−ΔYγ B=h1・γXβ−ΔYβ C=v1・ΔXγ−ΔZγ D=v1・γXβ−ΔZβ である。
【0100】このようにしてターゲットマーク25aの
正確な位置および姿勢を演算処理して求めることができ
る。
【0101】
【発明の効果】以上のように本発明のターゲットマーク
によれば、回帰反射板の内部に、識別し易い形状を有す
る領域を備え、その領域の背後に、周囲から遮光部材に
よって遮光された低反射部材を立体的に配置するように
したので、その背景となる低反射部材に同軸落射照明以
外の太陽光などの外乱光が照射されず、したがって外乱
光に対しては低反射部材は陰になり、外乱光によるコン
トラストの低下を防ぐことができる。
【0102】また本発明の照明付き撮像装置によれば、
テレビカメラのレンズの周囲に、投光用の複数個の固体
発光素子をリング状に配置し、これによって同軸落射照
明を行うことができ、ハーフミラーなどを必要とせず、
機械的強度を向上し、また小形軽量化を図ることができ
るようになる。さらにこのリング状に配置した複数個の
固体発光素子を半径方向に複数のリング状にグループ化
して選択的に点灯駆動することによって、遠距離での光
量の不足および近距離での光量過多を防ぐことができ、
最適な露光を行うことが容易となる。
【0103】さらに本発明によれば、テレビカメラに電
子シャッタなどのシャッタを設け、そのシャッタが開い
ている露光時間に同期して固体発光素子を点灯させるよ
うにしたので、固体発光素子の点灯期間をたとえば1/
1000秒として、高速度の撮像を行い、これによって
被検出物体のぶれを防ぐことができる。またこのように
固定発光素子はシャッタが開いている露光期間中にのみ
点灯駆動されるので、電力の消費を抑制することができ
る。
【0104】このようなターゲットマークおよび撮像装
置を備えることによって、テレビカメラの2次元の画像
を処理して被検出物体の3次元の位置および姿勢を正確
に測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のターゲットマーク25の断
面図である。
【図2】ターゲットマーク25の平面図である。
【図3】ターゲットマーク25aを備える宇宙構造体で
ある被検出物体27と撮像装置30を備える宇宙機26
とを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例の回帰反射板30の断面図で
ある。
【図5】図4に示される回帰反射板31の平面図であ
る。
【図6】本発明の他の実施例の回帰反射板31aの一部
の斜視図である。
【図7】図6に示される回帰反射板31aの平面図であ
る。
【図8】図4〜図7に示される各回帰反射板31,31
aの特性を示すグラフである。
【図9】本発明の他の実施例のターゲットマーク25a
の斜視図である。
【図10】照明付き撮像装置30の分解斜視図である。
【図11】図10に示される撮像装置30の正面図であ
る。
【図12】図11に示される固体発光素子58の電気的
構成を示す図である。
【図13】本発明の一実施例の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図14】図13に示される電気回路の動作を説明する
ための波形図である。
【図15】本発明の一実施例の光学的構成を簡略化して
示す斜視図である。
【図16】図15に示される実施例のx軸まわりの回転
角φを示す図である。
【図17】図15に示されるy,z軸まわりの回転角
φ,ψを示す図である。
【図18】近似式による3次元位置および姿勢を算出す
ることを説明するための電荷蓄積素子63に結像された
2次元画像を示す図である。
【図19】ターゲットマーク25aの位置および姿勢を
正確に算出するための手段を説明するための座標系の図
である。
【図20】角度α,β,γを説明するための座標系の図
である。
【図21】先行技術の構成を簡略化して示す図である。
【図22】先行技術のターゲットマーク3の断面図であ
る。
【図23】図22に示される先行技術のターゲットマー
ク3の平面図である。
【符号の説明】
25,25a ターゲットマーク 26 宇宙機 27 被検出物体 28,29 ドッキング手段 30 照明付き撮像装置 31 回帰反射板 32 領域 33 遮光部材 34 低反射部材 57 レンズ 58 固体発光素子 58a〜58d 固体発光素子58のグループ 63 電荷蓄積素子 64 カメラ制御回路 67 2値化処理回路 68 メインコントローラ 69 同期コントローラ 70 同期照明コントローラ 71〜75 ウインド重心位置演算回路 76 高速演算処理回路 78 通信コントローラ 79 誘導コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 真明 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 坂田 隆司 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工業 株式会社岐阜工場内 (72)発明者 三石 格禎 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工業 株式会社岐阜工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回帰反射板の内部に識別し易い形状を有
    する領域を備え、その領域の背後に、周囲から遮光部材
    によって遮光された低反射部材を立体的に配置したこと
    を特徴とするターゲットマーク。
  2. 【請求項2】 テレビカメラのレンズの周囲に投光用の
    複数個の固体発光素子をリング状に配置したことを特徴
    とする照明付き撮像装置。
  3. 【請求項3】 テレビカメラにシャッタを設け、そのテ
    レビカメラのシャッタが開いている露光期間に同期して
    固体発光素子を点灯させる回路を持ったことを特徴とす
    る請求項2記載の照明付き撮像装置。
  4. 【請求項4】 固体発光素子を、半径が異なる複数のリ
    ング状にグループ化し、各グループのリング状に配置さ
    れた固体発光素子を、グループ選択的に駆動することを
    特徴とする請求項2記載の照明付き撮像装置。
  5. 【請求項5】 被検出物に設けられ、回帰反射板の内部
    に識別し易い形状を有する領域を備え、その領域の背後
    に、周囲から遮光部材によって遮光された低反射部材を
    立体的に設置した少なくとも3つのターゲットマーク
    と、 テレビカメラのレンズの周囲に投光用の複数個の固体発
    光素子をリング状に配置した照明付き撮像装置と、 撮像装置からの2次元画像出力信号に応答して、被検出
    物の3次元の位置および姿勢を演算処理して求める処理
    手段とを含むことを特徴とする相対位置および姿勢測定
    装置。
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