JPH0513367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車のエンジンに使用されるエアー
クリナのろ過部材の清掃装置に関する。

〔従来の技術〕 自動車のエンジン各部（シリンダ壁、ピスト
ン、弁等）の摩耗を防止するために、キヤブレー
タの空気吹込み口には、空気中の塵埃を除去して
清浄な空気を送り込むエアークリナが連結されて
いるが、このエアークリナのろ過部材は定期的に
整備工場等において清掃する必要がある。

而して、かかる清掃に当つては、従来、エアー
クリナのケースから円筒状のろ過部材を取外し、
工場に配設されている圧搾空気配管にホースを接
続し、そのノズルより、上記ろ過部材の内周面に
向けて空気を吹付ける、所謂逆洗式の空気吹付け
による除去と、この逆洗式吹付けによつてろ過部
材の表面において浮動状態になつて付着する塵埃
をろ過部材の外周面への空気吹付けによつて除去
していたものである。

なお、エアークリナとして使用時のろ過部材
は、その外周面より内腔へ流通する際の空気の清
浄化に機能するものであるので、上記の逆洗式の
空気吹付けが行われる。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記のような従来の清掃にあつては、ホースノ
ズルから空気を吹付けて払拭するので塵埃が飛散
し、清掃作業に当る者は勿論、近くで他の作業を
している者にも健康上好ましくなく、またホース
が工場床面を這い足許が悪くなる等の作業環境が
著しく悪化するという問題があつた。

本考案は、従来の技術の有する上記の問題点に
鑑みなされたもので、その目的とするところは、
作業環境の悪化を来たすことのないエアークリナ
のろ過部材の清掃装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の自動車用
エアークリナの清掃装置は、箱体と、該箱体の上
方を覆う開閉可能な蓋体とから成り、箱体には、
円筒状のろ過部材を直立状態に載置する台盤と、
ろ過部材の中心長手方向に延設され、多数の空気
吹出し孔を有する第１吹付け管と、ろ過部材の外
周面に対向して回動可能に設置し、かつ管中心点
よりろ過部材外周面に向い傾斜した空気吹出し孔
を多数直列に設けた複数の第２吹付け管と、第
１、第２の各吹付け管への圧搾空気供給管とを設
置し、また蓋体には、前記台盤に載置される円筒
状のろ過部材の上端に圧接するように進退可能、
かつ圧接位置で固定可能にして、ろ過部材の内腔
部を密封する当て盤と、清掃時に箱体内の空気を
吸引するダクトとを取付けたものである。

また、円筒状のろ過部材の内周面への空気吹付
けを均等にするために、ろ過部材の中心長手方向
に延設される第１吹付け管を回転可能に設置し、
かつ管の中心点に対して互に偏位し逆方向に開口
する一対の空気吹出し孔を多数直列に設けるのが
好ましい。

〔作用〕

開蓋した箱体内の台盤上にエアークリナのケー
スから取外した円筒状のろ過部材を載置し（第１
吹付け管がろ過部材の中心軸線上に位置するよう
に）、蓋体を閉じ、当て盤を進入させてろ過部材
の上端に圧接した位置で固定し、ろ過部材の内腔
部を台盤と協同して密閉する。

圧搾空気供給管からの空気は、第１吹付け管の
空気吹出し孔よりろ過部材の内周面に吹付け、ろ
過部材を流通して箱体内に塵埃と共に吹出る（逆
洗式吹付け）。

同時に、空気吹出し孔よりの空気の吹出しによ
つてろ過部材の外周面の回りを回動する第２吹付
け管からの吹出し空気に、より第１吹付け管から
の吹付けによつてろ過部材の外周面において浮動
状態となつて付着する塵埃を取除く。

このように、第１、第２の各空気吹付け管より
の空気吹付け及びろ過部材より離脱した塵埃は、
ダクトに吸引されて外部へ排出される。

また、上記第１吹付け管を空気吹出しによつて
回転するように構成すれば、ろ過部材の内周面へ
の空気吹付けが均等になり、塵埃の除去機能が向
上する。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明する。

第１図〜第４図において、Ａはエアークリナの
ケースから外したろ過部材を収納して清掃する清
掃装置にして、箱体１と、箱体１の上壁の前方開
口部及び前壁の上方開口部を覆う開閉可能な断面
Ｌ字状の蓋体２（第２図の仮想線参照）とから成
る。

箱体１の底壁外面にはキヤスタ３が取付けら
れ、上壁には図示しないターボブロアー等を介在
した吸引用のダクト４が着脱可能に取付けられて
おり、５はスイツチボツクスを示す。

蓋体２の前壁外面には把手６が取付けられ、上
壁には後述するろ過部材を押圧する当て盤７を有
する杆体８の貫通孔及び該貫通孔の周囲に杆体８
を進退可能かつ固定可能なねじ９を有する案内筒
１０が夫々設けられている。

而して、箱体１の内部には仕切板１１が設けら
れ、該仕切板１１には圧搾空気の導入管１２を底
壁に挿入固着（溶接等）した筒状筐体１３のフラ
ンジ部１３ａが取付けられ、該筒状筐体１３の上
壁中央開口に挿入した筒体１４の下方が固着（溶
接等）されている。

また、筒状筐体１３の上壁には上記中央開口と
同心状に環状開口１３ｂが設けられ、該環状開口
１３ｂの周縁に対して気密と回動可能な手段を介
して（例えば、Ｏリングとベアリングを介挿する
等）環状筐体１５が取付けられている。

そして、前記筒体１４の上壁中央開口には多数
の空気吹出し孔を放射状に有する第１吹付け管１
６の下方が挿入固着（溶接等）されると共に、筒
体１４の上方外周には円筒状のろ過部材Ｂを載置
する台盤１７を取付けた支持盤１８が固着（溶接
等）されている。

また、前記筒状筐体１３の上方において回動可
能に取付けられた環状筐体１５には、その外周側
壁に等間隔に固着（溶接等）された少くとも２本
以上の腕管１９ａと、該各腕管１９ａにエルボ１
９ｂを介して連結され、ろ過部材Ｂの外周面に対
向する直立管１９ｃとから成る第２吹付け管１９
が取付けられている。

上記の各直立管１９ｃには、第５図Ａ，Ｂに示
すように、管中心点よりろ過部材Ｂの外周面に向
い互に逆方向に傾斜した空気吹出し孔１９ｄが長
手方向に多数直列に設けられ、該空気吹出し孔１
９ｄからの空気吹出しの反作用により第２吹付け
管１９が回動するようになつている。

なお、２０は前記仕切板１１に固着したＬ型チ
ンネルに支持され、工場に配設されている圧搾空
気配管に短いホースを介して連結するジヨイント
金具で、前記導入管１２がエルボを介して連結さ
れている。

よつて、導入管１２より筒状筐体１３に入つた
圧搾空気は、筒体１４を経て第１吹付け管１６の
空気吹出し孔よりろ過部材Ｂの内周面に向けて吹
出し、ろ過部材Ｂを流通すると共に、一方におい
て筒状筐体１３の環状開口１３ｂより環状筐体１
５を経て第２吹付け管１９の各直立管１９ｃの空
気吹出し孔１９ｄよりろ過部材Ｂの外周面に向け
て吹出す（第２吹付け管１９は環状筐体１５と一
緒にろ過部材Ｂの外周面の回りを回動する）。

そして、第１、第２の各吹付け管１６，１９よ
りの吹出し空気及びろ過部材より離脱した塵埃は
ダクト４内に吸引され、外部へ排出される。

第６図Ａ，Ｂは第１吹付け管１６を回転可能に
構成した場合を示すもので、同図Ａに示すよう
に、前記筒体１４の上端開口部周縁に気密と回転
可能な手段を介して第１吹付け管１６を取付け
（前記筒状筐体１３と環状筐体１５との関連構成
と同じ）、さらに同図Ｂに示すように、管の中心
点に対して互に偏位し逆方向に開口する一対の空
気吹出し孔１６ａを長手方向に多数直列に設けた
ものであり、空気吹出し孔１６ａからの空気吹出
しの反作用により回転する。

〔考案の効果〕

本考案は下記の効果を有する。

(a) エアークリナのろ過部材は、閉蓋して密閉状
態とした箱体内で、第１吹付け管の逆洗式の空
気吹付けと、ろ過部材の外周面の回りを回動す
る第２吹付け管の空気吹付けとにより自動的に
清掃され、かつろ過部材より離脱した塵埃は吹
付け空気と共にダクトを通つて外部へ排出され
るので、塵埃が飛散することなく、作業環境を
良好に維持させることができる。

(b) 第１吹付け管を回転するように構成すること
により、ろ過部材の内周面への空気吹付けを均
等にすることができ、清掃効率が向上する。

(c) 工場に配設されている圧搾空気配管の近くに
清掃装置を移動することができるので、清掃時
におけるホースが床面を這い廻ることがなく、
足許を悪くする等の作業環境の低下を来たすこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は清掃装置の一部切欠正面図、第２図は
側面図、第３図は平面図、第４図は要部の拡大説
明図、第５図Ａ及びＢは第４図の−線及び
−線断面拡大平面図、第６図Ａ，Ｂは要部の変
形例を示し、同図Ａは拡大説明図、同図Ｂは同図
Ａの−線断面図である。 Ａ……エアークリナのろ過部材の清掃装置、Ｂ
……ろ過部材、１……箱体、２……蓋体、７……
当て盤、８……杆体、９……ねじ、１３……筒状
筐体、１３ｂ……環状開口、１４……筒体、１５
……環状筐体、１６……第１吹付け管、１６ａ…
…空気吹出し孔、１７……台盤、１９……第２吹
付け管、１９ｃ……直立管、１９ｄ……空気吹出
し孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 円筒状のろ過部材を直立状態に載置する台盤
   と、ろ過部材の中心長手方向に延設され、多数
   の空気吹出し孔を有する第１吹付け管と、ろ過
   部材の外周面に対向して回動可能に設置し、か
   つ管中心点よりろ過部材外周面に向い傾斜した
   空気吹出し孔を多数直列に設けた複数の第２吹
   付け管と、第１、第２の各吹付け管への圧搾空
   気供給管とを備えた箱体と、 前記台盤に載置される円筒状のろ過部材の上
   端に圧接するように進退可能、かつ圧接位置で
   固定可能にして、ろ過部材の内腔部を密封する
   当て盤と、清掃時に箱体内の空気を吸引するダ
   クトとを備えた上記箱体上方を覆う開閉可能な
   蓋体と、 から成ることを特徴とする自動車用エアークリ
   ナの清掃装置。 ２ ろ過部材の中心長手方向に延設される第１吹
   付け管を回転可能に設置し、かつ管の中心点に
   対して互に偏位し逆方向に開口する一対の空気
   吹出し孔を多数直列に設けて成る請求項１記載
   の自動車用エアークリナの清掃装置。