JPH051332A - 金属ストリツプのロール冷却装置 - Google Patents
金属ストリツプのロール冷却装置Info
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- JPH051332A JPH051332A JP3437091A JP3437091A JPH051332A JP H051332 A JPH051332 A JP H051332A JP 3437091 A JP3437091 A JP 3437091A JP 3437091 A JP3437091 A JP 3437091A JP H051332 A JPH051332 A JP H051332A
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- strip
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Abstract
(57)【要約】
[目的] 連続焼鈍設備における、冷却ロールを用いて
金属ストリップを冷却するロール冷却装置において、金
属ストリップの冷却量や処理量によらず、金属ストリッ
プ幅方向の不均一冷却を防止するとともに、金属ストリ
ップ表面のすり疵等を防止する。 [構成] 冷却ロールを複数本直列に配置し、前段側の
冷却ロール胴部外周面の粗度より、後段側の冷却ロール
胴部外周面の粗度を、順次低くしたロール冷却装置であ
る。また、最前段側の冷却ロールのシェル外周面の粗度
をRa4〜7μmとして、それより後段側の冷却ロール
のシェル外周面の粗度を順次低くする。
金属ストリップを冷却するロール冷却装置において、金
属ストリップの冷却量や処理量によらず、金属ストリッ
プ幅方向の不均一冷却を防止するとともに、金属ストリ
ップ表面のすり疵等を防止する。 [構成] 冷却ロールを複数本直列に配置し、前段側の
冷却ロール胴部外周面の粗度より、後段側の冷却ロール
胴部外周面の粗度を、順次低くしたロール冷却装置であ
る。また、最前段側の冷却ロールのシェル外周面の粗度
をRa4〜7μmとして、それより後段側の冷却ロール
のシェル外周面の粗度を順次低くする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続焼鈍設備等におい
て、内部冷却構造を有する冷却ロールを複数本直列に配
置し、高温度の鋼帯などの金属ストリップを冷却するロ
ール冷却装置に関するものである。
て、内部冷却構造を有する冷却ロールを複数本直列に配
置し、高温度の鋼帯などの金属ストリップを冷却するロ
ール冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍設備等における冷却装置とし
て、ロール冷却装置がある。このロール冷却装置は、冷
却速度が自在にコントロールでき、他の構成を有する冷
却装置に比べて設備費が安価であり、エネルギー消費量
が少ないという特徴を有する。ロール冷却装置は、内部
冷却構造を有する冷却ロールを複数本直列に配置し、金
属ストリップを、冷却ロールに接触させながら、冷却ロ
ールの胴部外周面と金属ストリップとの間の熱伝導によ
り、金属ストリップを冷却する装置である。冷却量のコ
ントロールは、冷却ロールと金属ストリップとの接触角
θ、すなわち巻付長Lを変えることによりコントロール
される。この冷却ロールにより、金属ストリップを冷却
する場合に、最も重要なことは、ストリップを幅方向に
できるだけ均一に冷却することであり、そのために数多
くの改善がなされてきた。すなわち、金属ストリップの
冷却量および処理量(T/H)が小なる場合は、冷却ロ
ールと金属ストリップとの接触角θ(または巻付長L)
が小さくなり、金属ストリップの幅方向に均一冷却でき
ず、形状不良が生ずることもある。また、接触角θ(ま
たは巻付長L)が小さいゆえに、冷却ロールと金属スト
リップがスリップし、ストリップ表面にすり疵を発生す
ることもある。逆に、金属ストリップの冷却量があまり
に大きいと、冷却速度が速いために、金属ストリップの
幅方向に均一冷却ができず、ストリップ形状が崩れ、そ
の程度が大なる場合には、クーリングバックルと称され
る炉内絞りが発生し、ライン停止に至ることもある。
て、ロール冷却装置がある。このロール冷却装置は、冷
却速度が自在にコントロールでき、他の構成を有する冷
却装置に比べて設備費が安価であり、エネルギー消費量
が少ないという特徴を有する。ロール冷却装置は、内部
冷却構造を有する冷却ロールを複数本直列に配置し、金
属ストリップを、冷却ロールに接触させながら、冷却ロ
ールの胴部外周面と金属ストリップとの間の熱伝導によ
り、金属ストリップを冷却する装置である。冷却量のコ
ントロールは、冷却ロールと金属ストリップとの接触角
θ、すなわち巻付長Lを変えることによりコントロール
される。この冷却ロールにより、金属ストリップを冷却
する場合に、最も重要なことは、ストリップを幅方向に
できるだけ均一に冷却することであり、そのために数多
くの改善がなされてきた。すなわち、金属ストリップの
冷却量および処理量(T/H)が小なる場合は、冷却ロ
ールと金属ストリップとの接触角θ(または巻付長L)
が小さくなり、金属ストリップの幅方向に均一冷却でき
ず、形状不良が生ずることもある。また、接触角θ(ま
たは巻付長L)が小さいゆえに、冷却ロールと金属スト
リップがスリップし、ストリップ表面にすり疵を発生す
ることもある。逆に、金属ストリップの冷却量があまり
に大きいと、冷却速度が速いために、金属ストリップの
幅方向に均一冷却ができず、ストリップ形状が崩れ、そ
の程度が大なる場合には、クーリングバックルと称され
る炉内絞りが発生し、ライン停止に至ることもある。
【0003】連続焼鈍設備において、金属ストリップ
は、材質の改善を目的に所定のヒートサイクルで焼鈍さ
れる。このヒートサイクルの1次冷却の手段として、近
年ロール冷却装置が採用されてきており、ストリップ温
度は、約650℃近辺から約400℃近辺まで急冷され
る。金属ストリップを冷却する際に、各冷却ロールの温
度降下量ができるだけ、均等になるようにすることが望
ましい。とりわけ、前段側の冷却ロールは、後段側の冷
却ロールよりも、金属ストリップの温度が高いために、
ストリップの温度降下量が大きくなり、ストリップ幅方
向で均一な冷却ができず、形状不良となり、前述のクー
リングバックルと称される炉内絞りが発生してしまうこ
ともある。
は、材質の改善を目的に所定のヒートサイクルで焼鈍さ
れる。このヒートサイクルの1次冷却の手段として、近
年ロール冷却装置が採用されてきており、ストリップ温
度は、約650℃近辺から約400℃近辺まで急冷され
る。金属ストリップを冷却する際に、各冷却ロールの温
度降下量ができるだけ、均等になるようにすることが望
ましい。とりわけ、前段側の冷却ロールは、後段側の冷
却ロールよりも、金属ストリップの温度が高いために、
ストリップの温度降下量が大きくなり、ストリップ幅方
向で均一な冷却ができず、形状不良となり、前述のクー
リングバックルと称される炉内絞りが発生してしまうこ
ともある。
【0004】したがって、従来では、前段側の冷却ロー
ルと金属ストリップとの接触角θ(または巻付長L)を
小さくして、後段側の冷却ロールと金属ストリップとの
接触角θ(または巻付長L)を大きくして、各冷却ロー
ルの温度降下量が均等になるようにコントロールしてい
る。ところが、上記の先行技術では、金属ストリップの
冷却量や処理量(T/H)が大きい場合には、可能であ
るが、金属ストリップの冷却量や処理量(T/H)が小
さい場合には、前段側の冷却ロールと金属ストリップと
の接触角θ(または巻付長L)が、さらに小さくなって
しまい、冷却ロールと金属ストリップとの間で、スリッ
プを誘発し、ストリップ表面上にすり疵が発生したり、
冷却ロールと金属ストリップとの巻付長Lが短いため
に、冷却速度が大きくなり、形状が崩れて、前述のクー
リングバックルと称される炉内絞りが発生してしまうこ
ともある。
ルと金属ストリップとの接触角θ(または巻付長L)を
小さくして、後段側の冷却ロールと金属ストリップとの
接触角θ(または巻付長L)を大きくして、各冷却ロー
ルの温度降下量が均等になるようにコントロールしてい
る。ところが、上記の先行技術では、金属ストリップの
冷却量や処理量(T/H)が大きい場合には、可能であ
るが、金属ストリップの冷却量や処理量(T/H)が小
さい場合には、前段側の冷却ロールと金属ストリップと
の接触角θ(または巻付長L)が、さらに小さくなって
しまい、冷却ロールと金属ストリップとの間で、スリッ
プを誘発し、ストリップ表面上にすり疵が発生したり、
冷却ロールと金属ストリップとの巻付長Lが短いため
に、冷却速度が大きくなり、形状が崩れて、前述のクー
リングバックルと称される炉内絞りが発生してしまうこ
ともある。
【0005】ロール冷却装置は、前述のようにエネルギ
ーコストおよび設備コストも他の冷却法に比べて安価な
ため、薄板の軟質鋼板製造には、最も適していると言わ
れている。金属ストリップの冷却量および冷却速度は、
冷却ロールと金属ストリップとの接触角θ(または巻付
長L)を変化させることにより達成される。冷却ロール
の外周面は、平坦でなくミクロ的に凹凸があり、冷却さ
れる金属ストリップの形状も、幅方向で均一でなく、こ
れが幅方向の不均一冷却をもたらす。とりわけ、前段側
の冷却ロールは、後段側の冷却ロールに比べて、金属ス
トリップの板温が高いために、同じような接触角θ(ま
たは巻付長L)では、冷却量が大きくなり、図6に示す
ように、冷却ロール1に巻付けられた金属ストリップ2
の形状不良は助長される。
ーコストおよび設備コストも他の冷却法に比べて安価な
ため、薄板の軟質鋼板製造には、最も適していると言わ
れている。金属ストリップの冷却量および冷却速度は、
冷却ロールと金属ストリップとの接触角θ(または巻付
長L)を変化させることにより達成される。冷却ロール
の外周面は、平坦でなくミクロ的に凹凸があり、冷却さ
れる金属ストリップの形状も、幅方向で均一でなく、こ
れが幅方向の不均一冷却をもたらす。とりわけ、前段側
の冷却ロールは、後段側の冷却ロールに比べて、金属ス
トリップの板温が高いために、同じような接触角θ(ま
たは巻付長L)では、冷却量が大きくなり、図6に示す
ように、冷却ロール1に巻付けられた金属ストリップ2
の形状不良は助長される。
【0006】したがって従来では、前述のように、前段
側の冷却ロールと金属ストリップとの接触角θ(または
巻付長L)を、後段側の冷却ロールと金属ストリップと
の接触角θ(または巻付長L)より小さくして、冷却ロ
ール1本毎の温度降下量を均等にしている。ところが、
金属ストリップの冷却量および処理量(T/H)が小さ
い場合には、前段側の冷却ロールと金属ストリップとの
接触角θ(または巻付長)が、さらに小さくなってしま
い、冷却ロールと金属ストリップの間にスリップを生じ
て、ストリップ表面にすり疵が発生したり、巻付長Lが
短いために冷却速度が大きくなり、ストリップの形状が
崩れて、クーリングバックルと称される炉内絞りが発生
することもある。
側の冷却ロールと金属ストリップとの接触角θ(または
巻付長L)を、後段側の冷却ロールと金属ストリップと
の接触角θ(または巻付長L)より小さくして、冷却ロ
ール1本毎の温度降下量を均等にしている。ところが、
金属ストリップの冷却量および処理量(T/H)が小さ
い場合には、前段側の冷却ロールと金属ストリップとの
接触角θ(または巻付長)が、さらに小さくなってしま
い、冷却ロールと金属ストリップの間にスリップを生じ
て、ストリップ表面にすり疵が発生したり、巻付長Lが
短いために冷却速度が大きくなり、ストリップの形状が
崩れて、クーリングバックルと称される炉内絞りが発生
することもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
ストリップの冷却量や処理量(T/H)によらず、金属
ストリップ幅方向の不均一冷却を防止するとともに、ス
トリップ表面にすり疵等の発生しないロール冷却装置を
提供することである。
ストリップの冷却量や処理量(T/H)によらず、金属
ストリップ幅方向の不均一冷却を防止するとともに、ス
トリップ表面にすり疵等の発生しないロール冷却装置を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部冷却構造
を有する冷却ロールに、高温ストリップを巻付けて冷却
するロール冷却装置において、前段側の冷却ロールのシ
ェル外周面の粗度より、後段側の冷却ロールのシェル外
周面の粗度を、順次低くしたことを特徴とする金属スト
リップのロール冷却装置である。
を有する冷却ロールに、高温ストリップを巻付けて冷却
するロール冷却装置において、前段側の冷却ロールのシ
ェル外周面の粗度より、後段側の冷却ロールのシェル外
周面の粗度を、順次低くしたことを特徴とする金属スト
リップのロール冷却装置である。
【0009】また本発明は、最前段側の冷却ロールのシ
ェル外周面の粗度Raを4〜7μmとして、それより後
段側の冷却ロールのシェル外周面の粗度を順次低くした
ことを特徴とする。
ェル外周面の粗度Raを4〜7μmとして、それより後
段側の冷却ロールのシェル外周面の粗度を順次低くした
ことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に従えば、冷却ロールを複数本直列に配
置し、前段側の冷却ロール胴部外周面の粗度より、後段
側の冷却ロール胴部外周面の粗度を順次低くする。これ
によって各冷却ロールと金属ストリップとの接触角θ
(または巻付長L)を同じにし、各冷却ロールでの温度
降下量を均等にすることができる。これによって金属ス
トリップを幅方向に均一に冷却することができ、またス
トリップ表面にすり疵等の発生を防ぐことができる。
置し、前段側の冷却ロール胴部外周面の粗度より、後段
側の冷却ロール胴部外周面の粗度を順次低くする。これ
によって各冷却ロールと金属ストリップとの接触角θ
(または巻付長L)を同じにし、各冷却ロールでの温度
降下量を均等にすることができる。これによって金属ス
トリップを幅方向に均一に冷却することができ、またス
トリップ表面にすり疵等の発生を防ぐことができる。
【0011】冷却ロールの総括伝熱係数U0は、数1で
示される。
示される。
【0012】
【数1】
【0013】ここで、
U0:総括伝熱係数(kcal/m2・h・℃)
hw:冷却媒体(たとえば水)の熱伝達率(kcal/
m2・h・℃) λr:冷却ロールシェル13の熱伝導度(kcal/m
・h・℃) hc:接触熱コンダクタンス(kcal/m2・h・
℃) λs:金属ストリップ4の熱伝導度(kcal/m・h
・℃) dr:冷却ロールシェル13の厚み(m) ds:金属ストリップ4の板厚(m) 次に、金属ストリップ4と冷却ロールR間の熱収支を考
えると、冷却ロールR1の総括伝熱係数U0 は、数2で
示される。
m2・h・℃) λr:冷却ロールシェル13の熱伝導度(kcal/m
・h・℃) hc:接触熱コンダクタンス(kcal/m2・h・
℃) λs:金属ストリップ4の熱伝導度(kcal/m・h
・℃) dr:冷却ロールシェル13の厚み(m) ds:金属ストリップ4の板厚(m) 次に、金属ストリップ4と冷却ロールR間の熱収支を考
えると、冷却ロールR1の総括伝熱係数U0 は、数2で
示される。
【0014】
【数2】
【0015】
【数3】
【0016】上式からも判るように、冷却ロールR1の
総括伝熱係数U0は、接触熱コンダクタンスhcに比例
し、金属ストリップ4の処理量W、および金属ストリッ
プ4の温度降下量ΔTに比例する。したがって、金属ス
トリップ4の処理量Wが小さい場合には、小さい総括伝
熱係数U0 が必要となる。上述の説明は、主として冷却
ロールR1に関して行われたけれども、その他の冷却ロ
ールR2〜R5に関してもまた同様である。
総括伝熱係数U0は、接触熱コンダクタンスhcに比例
し、金属ストリップ4の処理量W、および金属ストリッ
プ4の温度降下量ΔTに比例する。したがって、金属ス
トリップ4の処理量Wが小さい場合には、小さい総括伝
熱係数U0 が必要となる。上述の説明は、主として冷却
ロールR1に関して行われたけれども、その他の冷却ロ
ールR2〜R5に関してもまた同様である。
【0017】もしこの場合に、総括伝熱係数U0 が大き
ければ、金属ストリップ4と冷却ロールR1との接触角
θ1(または巻付長L1)が一定であると、金属ストリ
ップ4と冷却ロールR1の接触面積Aが一定となり、金
属ストリップ4の温度降下量ΔTが大きくなってしま
い、上述したようにクーリングバックルの発生につなが
る。逆に、金属ストリップ4の温度降下量ΔTが一定に
なるようにコントロールすると、金属ストリップ4と冷
却ロールR1の接触面積Aが小さくなり、ストリップ表
面にすり疵が発生してしまう。上述の現象は、後段側の
冷却ロールR5に比べて、前段側の冷却ロールR1に顕
著に現れる。ところが、総括伝熱係数U0は、接触熱コ
ンダクタンスhcと比例関係にあるために、冷却ロール
R1のシェル13の外周面に適当な粗度を付与し、接触
熱コンダクタンスhcを小さくして、総括伝熱係数U0
を小さくしてやればよいことになる。したがって、金属
ストリップ4の板温が比較的に高い前段側の冷却ロール
R1のシェル13の外周面の粗度を粗くし、総括伝熱係
数U0 を小さくし、後段側の冷却ロールR2〜R5の各
外周面の粗度を前段側の冷却ロールR1のシェル13の
外周面の粗度より順次低くし、総括伝熱係数U0 を順次
大きくしたようなロール冷却装置9が、金属ストリップ
4の冷却量や処理量(T/H)によらず、安定的に操業
できることになる。
ければ、金属ストリップ4と冷却ロールR1との接触角
θ1(または巻付長L1)が一定であると、金属ストリ
ップ4と冷却ロールR1の接触面積Aが一定となり、金
属ストリップ4の温度降下量ΔTが大きくなってしま
い、上述したようにクーリングバックルの発生につなが
る。逆に、金属ストリップ4の温度降下量ΔTが一定に
なるようにコントロールすると、金属ストリップ4と冷
却ロールR1の接触面積Aが小さくなり、ストリップ表
面にすり疵が発生してしまう。上述の現象は、後段側の
冷却ロールR5に比べて、前段側の冷却ロールR1に顕
著に現れる。ところが、総括伝熱係数U0は、接触熱コ
ンダクタンスhcと比例関係にあるために、冷却ロール
R1のシェル13の外周面に適当な粗度を付与し、接触
熱コンダクタンスhcを小さくして、総括伝熱係数U0
を小さくしてやればよいことになる。したがって、金属
ストリップ4の板温が比較的に高い前段側の冷却ロール
R1のシェル13の外周面の粗度を粗くし、総括伝熱係
数U0 を小さくし、後段側の冷却ロールR2〜R5の各
外周面の粗度を前段側の冷却ロールR1のシェル13の
外周面の粗度より順次低くし、総括伝熱係数U0 を順次
大きくしたようなロール冷却装置9が、金属ストリップ
4の冷却量や処理量(T/H)によらず、安定的に操業
できることになる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例の鋼帯である金属ス
トリップの連続焼鈍設備の系統図であり、図2はその連
続焼鈍設備におけるストリップの加熱/冷却サイクルを
示す図である。ペイオフリール3からのストリップ4は
電解脱脂装置5を経て、加熱帯6で昇温され、均熱帯7
において均熱加熱され、第1冷却帯8および本発明の一
実施例のロール冷却装置9において1次冷却される。そ
の後、過時効帯10から第2冷却帯11にストリップが
導かれて2次冷却され、巻取りリール12によって巻取
られる。ロール冷却装置9では、ストリップ4を順次的
に冷却する合計5本の直列に配置された冷却ロールR1
〜R5が配置され、図3のごとく各ロールR1〜R5に
ストリップ4が巻付けられる。
トリップの連続焼鈍設備の系統図であり、図2はその連
続焼鈍設備におけるストリップの加熱/冷却サイクルを
示す図である。ペイオフリール3からのストリップ4は
電解脱脂装置5を経て、加熱帯6で昇温され、均熱帯7
において均熱加熱され、第1冷却帯8および本発明の一
実施例のロール冷却装置9において1次冷却される。そ
の後、過時効帯10から第2冷却帯11にストリップが
導かれて2次冷却され、巻取りリール12によって巻取
られる。ロール冷却装置9では、ストリップ4を順次的
に冷却する合計5本の直列に配置された冷却ロールR1
〜R5が配置され、図3のごとく各ロールR1〜R5に
ストリップ4が巻付けられる。
【0019】図3は、この冷却装置9の簡略化した側面
図である。各ロールR1〜R5に巻掛けられているスト
リップ4の接触角をθ1〜θ5で示し、その巻付長をL
1〜L5で示す。これらの接触角θ1〜θ5を総括的に
参照符θで示すことがあり、また巻付長L1〜L5を、
総括的に参照符Lで示すことがある。
図である。各ロールR1〜R5に巻掛けられているスト
リップ4の接触角をθ1〜θ5で示し、その巻付長をL
1〜L5で示す。これらの接触角θ1〜θ5を総括的に
参照符θで示すことがあり、また巻付長L1〜L5を、
総括的に参照符Lで示すことがある。
【0020】各ロールR1〜R5の粗度Ra(単位μ
m)と総括伝熱係数U0 は、図4に示されるとおりであ
り、粗度Raが大きくなるにつれて、総括伝熱係数U0
は小さくなる。本発明の一実施例では、最前段の冷却ロ
ールR1の粗度Raは、4〜7μmに選ばれ、好ましく
は6μmである。最後段の冷却ロールR5の粗度は約3
μmであり、これによって冷却ロールR5とストリップ
4との滑りを防ぎ、ストリップ4のすり疵の発生を防
ぐ。
m)と総括伝熱係数U0 は、図4に示されるとおりであ
り、粗度Raが大きくなるにつれて、総括伝熱係数U0
は小さくなる。本発明の一実施例では、最前段の冷却ロ
ールR1の粗度Raは、4〜7μmに選ばれ、好ましく
は6μmである。最後段の冷却ロールR5の粗度は約3
μmであり、これによって冷却ロールR5とストリップ
4との滑りを防ぎ、ストリップ4のすり疵の発生を防
ぐ。
【0021】本発明に従うロール冷却装置9において、
図5(1)に示されるように各ロールR1〜R5の接触
角θ1〜θ5はほぼ同一値とし、これによってストリッ
プ4との滑りを防ぎ、またストリップ4の幅方向に均一
な温度分布で冷却が行われることを確実にする。このよ
うに冷却ロールR1〜R5とストリップ4との接触角θ
1〜θ5を、スリップしない程度に大きく保ち、しかも
ストリップの温度降下量ΔTを各冷却ロールR1〜R5
毎にほぼ等しくするには、冷却ロールR1〜R5の前段
から後段になるにつれて、総括伝熱係数U0 を後段にな
るにつれて図5(2)で示されるように大きく設定すれ
ばよく、このために本発明では、上述のように最前段の
冷却ロールR1のシェル13の表面の粗度および後続の
冷却ロールR2〜R5のシェルの表面の粗度を図5
(3)で示されるように順次的に小さくなるように構成
する。
図5(1)に示されるように各ロールR1〜R5の接触
角θ1〜θ5はほぼ同一値とし、これによってストリッ
プ4との滑りを防ぎ、またストリップ4の幅方向に均一
な温度分布で冷却が行われることを確実にする。このよ
うに冷却ロールR1〜R5とストリップ4との接触角θ
1〜θ5を、スリップしない程度に大きく保ち、しかも
ストリップの温度降下量ΔTを各冷却ロールR1〜R5
毎にほぼ等しくするには、冷却ロールR1〜R5の前段
から後段になるにつれて、総括伝熱係数U0 を後段にな
るにつれて図5(2)で示されるように大きく設定すれ
ばよく、このために本発明では、上述のように最前段の
冷却ロールR1のシェル13の表面の粗度および後続の
冷却ロールR2〜R5のシェルの表面の粗度を図5
(3)で示されるように順次的に小さくなるように構成
する。
【0022】本発明の他の実施例として、ロール冷却装
置9の入側と出側とに、ストリップ4の温度を検出する
温度検出手段18,19をそれぞれ設け、冷却ロールR
2,R4の上下の位置を固定的に設け、冷却ロールR
1,R3,R5の上下の位置を手動またはモータ等を用
いて上下に変位可能とし、ストリップ4の出側の温度検
出手段19によって検出される温度が予め定める一定の
値となるように、入側の温度検出手段18によって検出
されるストリップ4の温度に応じて、冷却ロールR1,
R3,R5の上下の位置を変位調整することもまた可能
である。たとえば入側のストリップ4の温度が高いとき
には、冷却ロールR1,R5を下方に変位させ、また冷
却ロールR3を上下に変位させて、接触角θ1,θ3,
θ5を大きくするようにすればよい。本発明では上述の
ように、各冷却ロールR1〜R5の粗度が前段側から後
段になるにつれて小さく構成されているので、各冷却ロ
ールR1,R3,R5の上下の変位量を小さくし、した
がってロール冷却装置9から取出されるストリップの温
度を、希望する温度に容易に調整することが可能であ
り、冷却ロールR1,R3,R5の上下の変位調整量は
わずかですむ。
置9の入側と出側とに、ストリップ4の温度を検出する
温度検出手段18,19をそれぞれ設け、冷却ロールR
2,R4の上下の位置を固定的に設け、冷却ロールR
1,R3,R5の上下の位置を手動またはモータ等を用
いて上下に変位可能とし、ストリップ4の出側の温度検
出手段19によって検出される温度が予め定める一定の
値となるように、入側の温度検出手段18によって検出
されるストリップ4の温度に応じて、冷却ロールR1,
R3,R5の上下の位置を変位調整することもまた可能
である。たとえば入側のストリップ4の温度が高いとき
には、冷却ロールR1,R5を下方に変位させ、また冷
却ロールR3を上下に変位させて、接触角θ1,θ3,
θ5を大きくするようにすればよい。本発明では上述の
ように、各冷却ロールR1〜R5の粗度が前段側から後
段になるにつれて小さく構成されているので、各冷却ロ
ールR1,R3,R5の上下の変位量を小さくし、した
がってロール冷却装置9から取出されるストリップの温
度を、希望する温度に容易に調整することが可能であ
り、冷却ロールR1,R3,R5の上下の変位調整量は
わずかですむ。
【0023】本件発明者の実験結果を表1に示す。冷却
ロールは合計5本、前述のロール冷却装置9に示される
ように用いられ、各ロール径は1500mmφとする。
冷却媒体としては水を使用する。供試材であるストリッ
プは鋼板である。
ロールは合計5本、前述のロール冷却装置9に示される
ように用いられ、各ロール径は1500mmφとする。
冷却媒体としては水を使用する。供試材であるストリッ
プは鋼板である。
【0024】
【表1】
【0025】この表1に示される実験結果から、前段側
の冷却ロール胴部外周面の粗度と、後段側の冷却ロール
胴部外周面の粗度を一定にした従来装置では、ストリッ
プの形状が崩れて、クーリングバックルが発生してしま
い、操業ができなかったのに対して、前段側の冷却ロー
ル胴部外周面の粗度を粗くし、後段側の冷却ロール胴部
外周面の粗度を順次低くした本発明法では、金属ストリ
ップの形状を損なうことなく平坦であり、ストリップ表
面にもすり疵等は発生しなかった。
の冷却ロール胴部外周面の粗度と、後段側の冷却ロール
胴部外周面の粗度を一定にした従来装置では、ストリッ
プの形状が崩れて、クーリングバックルが発生してしま
い、操業ができなかったのに対して、前段側の冷却ロー
ル胴部外周面の粗度を粗くし、後段側の冷却ロール胴部
外周面の粗度を順次低くした本発明法では、金属ストリ
ップの形状を損なうことなく平坦であり、ストリップ表
面にもすり疵等は発生しなかった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明のロール冷
却装置によれば、薄板から厚板まで金属ストリップ幅方
向に均一な冷却が可能となり、幅方向不均一冷却に起因
するクーリングバックルを解消でき、安定的な操業が可
能となる。また、前段側の冷却ロールと金属ストリップ
との接触角が大きくなるため、金属ストリップ表面にす
り疵等が発生することもなく品質面も多大に向上する。
却装置によれば、薄板から厚板まで金属ストリップ幅方
向に均一な冷却が可能となり、幅方向不均一冷却に起因
するクーリングバックルを解消でき、安定的な操業が可
能となる。また、前段側の冷却ロールと金属ストリップ
との接触角が大きくなるため、金属ストリップ表面にす
り疵等が発生することもなく品質面も多大に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の連続焼鈍設備の系統図であ
る。
る。
【図2】図1に示される連続焼鈍設備の加熱/冷却サイ
クルを示す図である。
クルを示す図である。
【図3】ロール冷却装置9の簡略化した側面図である。
【図4】冷却ロールR1〜R5の表面の粗度Raと総括
伝熱係数U0との関係を示すグラフである。
伝熱係数U0との関係を示すグラフである。
【図5】ロール冷却装置9の働きを説明するための図で
ある。
ある。
【図6】先行技術における冷却ロール1に巻付けられた
金属ストリップ2の形状不良が生じた状態を示す断面図
である。
金属ストリップ2の形状不良が生じた状態を示す断面図
である。
4 鋼帯
9 ロール冷却装置
13 シェル
R1〜R5 冷却ロール
Claims (2)
- 【請求項1】 内部冷却構造を有する冷却ロールに、高
温ストリップを巻付けて冷却するロール冷却装置におい
て、前段側の冷却ロールのシェル外周面の粗度より、後
段側の冷却ロールのシェル外周面の粗度を、順次低くし
たことを特徴とする金属ストリップのロール冷却装置。 - 【請求項2】 最前段側の冷却ロールのシェル外周面の
粗度Raを4〜7μmとして、それより後段側の冷却ロ
ールのシェル外周面の粗度を順次低くしたことを特徴と
する請求項1記載の金属ストリップのロール冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3437091A JPH051332A (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 金属ストリツプのロール冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3437091A JPH051332A (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 金属ストリツプのロール冷却装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH051332A true JPH051332A (ja) | 1993-01-08 |
Family
ID=12412286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3437091A Pending JPH051332A (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 金属ストリツプのロール冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH051332A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100946072B1 (ko) * | 2002-11-29 | 2010-03-10 | 주식회사 포스코 | 소둔로의 스트립 냉각 장치 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02153023A (ja) * | 1988-12-02 | 1990-06-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 鋼帯のロール冷却法 |
-
1991
- 1991-02-28 JP JP3437091A patent/JPH051332A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02153023A (ja) * | 1988-12-02 | 1990-06-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 鋼帯のロール冷却法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100946072B1 (ko) * | 2002-11-29 | 2010-03-10 | 주식회사 포스코 | 소둔로의 스트립 냉각 장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19951128 |