JPH05132783A - 耐食性のすぐれた表面被覆鉄基焼結合金部品およびその製造法 - Google Patents
耐食性のすぐれた表面被覆鉄基焼結合金部品およびその製造法Info
- Publication number
- JPH05132783A JPH05132783A JP32526091A JP32526091A JPH05132783A JP H05132783 A JPH05132783 A JP H05132783A JP 32526091 A JP32526091 A JP 32526091A JP 32526091 A JP32526091 A JP 32526091A JP H05132783 A JPH05132783 A JP H05132783A
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- Japan
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- sintered alloy
- iron
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- based sintered
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鉄基焼結合金部品の表面にダクロタイズド皮
膜を形成する。 【構成】 鉄基焼結合金部品を、真空雰囲気中で６価
のクロムを含有する処理液に浸漬し、引上げ、加熱のダ
クロタイズド処理を施して、前記鉄基焼結合金部品の開
孔を、前記処理液の加熱により生成した、金属亜鉛を３
価のクロム化合物で結合した組織を有する耐食性材料で
封孔し、ついで、上記耐食性材料で封孔された鉄基焼結
合金部品の表面に、同じダクロタイズド処理を用いて上
記耐食性材料からなる皮膜を形成することによって鉄基
焼結合金部品の表面に防錆皮膜を形成する。
膜を形成する。 【構成】 鉄基焼結合金部品を、真空雰囲気中で６価
のクロムを含有する処理液に浸漬し、引上げ、加熱のダ
クロタイズド処理を施して、前記鉄基焼結合金部品の開
孔を、前記処理液の加熱により生成した、金属亜鉛を３
価のクロム化合物で結合した組織を有する耐食性材料で
封孔し、ついで、上記耐食性材料で封孔された鉄基焼結
合金部品の表面に、同じダクロタイズド処理を用いて上
記耐食性材料からなる皮膜を形成することによって鉄基
焼結合金部品の表面に防錆皮膜を形成する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、耐食性のすぐれた表
面被覆鉄基焼結合金部品およびその製造法に関するもの
である。
面被覆鉄基焼結合金部品およびその製造法に関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】従来、各種の自動車部品や車輌・船舶部
品、さらに電気部品などの表面に、防錆を目的として米
国の総合化学会社であるダイヤモンド・シャムロック社
が開発した「ダクロタイズド処理」を施すことが行なわ
れている。このダクロタイズド処理は、部品を６価のク
ロムを含有する処理液（成分組成は企業秘密のため不
明）に浸漬し、引上げた後、遠心振り切りなどにより余
分の処理液を除去し、ついで熱風循環炉などを用いて３
００〜３３０℃の温度に所定時間保持の乾燥・焼付けを
行ない、この一連の工程を２回以上繰り返し行なうこと
により部品の表面に「金属亜鉛が３価のクロム化合物で
結合された組織を有する耐食性材料からなる防錆皮膜
（ダクロタイズド皮膜）」を形成することからなる。
品、さらに電気部品などの表面に、防錆を目的として米
国の総合化学会社であるダイヤモンド・シャムロック社
が開発した「ダクロタイズド処理」を施すことが行なわ
れている。このダクロタイズド処理は、部品を６価のク
ロムを含有する処理液（成分組成は企業秘密のため不
明）に浸漬し、引上げた後、遠心振り切りなどにより余
分の処理液を除去し、ついで熱風循環炉などを用いて３
００〜３３０℃の温度に所定時間保持の乾燥・焼付けを
行ない、この一連の工程を２回以上繰り返し行なうこと
により部品の表面に「金属亜鉛が３価のクロム化合物で
結合された組織を有する耐食性材料からなる防錆皮膜
（ダクロタイズド皮膜）」を形成することからなる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記のダクロタイズド
処理は、溶解材部品の表面には何らの問題なく施すこと
ができるが、部品が特に粉末冶金法により製造された鉄
基焼結合金部品である場合、この部品内に不可避的に存
在する空孔中のガスが原因で乾燥・焼付け工程時に泡立
ち現象が発生し、満足なダクロタイズド皮膜を形成する
ことができないのが現状である。
処理は、溶解材部品の表面には何らの問題なく施すこと
ができるが、部品が特に粉末冶金法により製造された鉄
基焼結合金部品である場合、この部品内に不可避的に存
在する空孔中のガスが原因で乾燥・焼付け工程時に泡立
ち現象が発生し、満足なダクロタイズド皮膜を形成する
ことができないのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、鉄基焼結合金部品の表面に密着
性のすぐれたダクロタイズド皮膜を形成すべく研究を行
なった結果、 （ａ） 鉄基焼結合金部品を真空雰囲気におき、この状
態でダクロタイズド処理のための処理液中に浸漬する
と、前記鉄基焼結合金部品の開孔内に存在したガスはす
でに前記真空雰囲気によって除去されているので、前記
開孔内には前記処理液が深く侵入し、したがってこれを
引上げて加熱のダクロタイズド処理を施すと、上記開孔
は上記の耐食性材料によって完全に封孔されるようにな
ること。 （ｂ） このように上記耐食性材料で封孔された鉄基焼
結合金部品の表面に、同じ手法で上記耐食性材料からな
るダクロタイズド皮膜を形成すると、この結果の表面被
覆鉄基焼結合金部品は、上記耐食性材料で封孔された鉄
基焼結合金部品の表面に同じく耐食性のすぐれたダクロ
タイズド皮膜が強固に密着したものからなるので、長期
に亘ってすぐれた耐食性を示すようになること。 以上（ａ）および（ｂ）に示される研究結果を得たので
ある。
上述のような観点から、鉄基焼結合金部品の表面に密着
性のすぐれたダクロタイズド皮膜を形成すべく研究を行
なった結果、 （ａ） 鉄基焼結合金部品を真空雰囲気におき、この状
態でダクロタイズド処理のための処理液中に浸漬する
と、前記鉄基焼結合金部品の開孔内に存在したガスはす
でに前記真空雰囲気によって除去されているので、前記
開孔内には前記処理液が深く侵入し、したがってこれを
引上げて加熱のダクロタイズド処理を施すと、上記開孔
は上記の耐食性材料によって完全に封孔されるようにな
ること。 （ｂ） このように上記耐食性材料で封孔された鉄基焼
結合金部品の表面に、同じ手法で上記耐食性材料からな
るダクロタイズド皮膜を形成すると、この結果の表面被
覆鉄基焼結合金部品は、上記耐食性材料で封孔された鉄
基焼結合金部品の表面に同じく耐食性のすぐれたダクロ
タイズド皮膜が強固に密着したものからなるので、長期
に亘ってすぐれた耐食性を示すようになること。 以上（ａ）および（ｂ）に示される研究結果を得たので
ある。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、（ａ） 鉄基焼結合金部品を、
真空雰囲気中で６価のクロムを含有する処理液に浸漬
し、引上げ、加熱して、前記鉄基焼結合金部品の開孔
を、前記処理液の加熱により生成した金属亜鉛を３価の
クロム化合物で結合した組織を有する耐食性材料で封孔
し、ついで、上記耐食性材料で封孔された鉄基焼結合金
部品の表面に、同じ手法で上記耐食性材料からなるダク
ロタイズド皮膜を形成することにより耐食性のすぐれた
表面被覆鉄基焼結合金部品を製造する方法、（ｂ） 並
びに、上記の方法で製造された、鉄基焼結合金部品の開
孔が、金属亜鉛を３価のクロム化合物で結合した組織を
有する耐食性材料で封孔され、かつその表面が前記耐食
性材料からなるダクロタイズド皮膜で被覆されてなる耐
食性にすぐれた表面被覆鉄基焼結合金部品、に特徴を有
するものである。
なされたものであって、（ａ） 鉄基焼結合金部品を、
真空雰囲気中で６価のクロムを含有する処理液に浸漬
し、引上げ、加熱して、前記鉄基焼結合金部品の開孔
を、前記処理液の加熱により生成した金属亜鉛を３価の
クロム化合物で結合した組織を有する耐食性材料で封孔
し、ついで、上記耐食性材料で封孔された鉄基焼結合金
部品の表面に、同じ手法で上記耐食性材料からなるダク
ロタイズド皮膜を形成することにより耐食性のすぐれた
表面被覆鉄基焼結合金部品を製造する方法、（ｂ） 並
びに、上記の方法で製造された、鉄基焼結合金部品の開
孔が、金属亜鉛を３価のクロム化合物で結合した組織を
有する耐食性材料で封孔され、かつその表面が前記耐食
性材料からなるダクロタイズド皮膜で被覆されてなる耐
食性にすぐれた表面被覆鉄基焼結合金部品、に特徴を有
するものである。
【０００６】
【実施例】つぎに、この発明の表面被覆鉄基焼結合金部
品およびその製造法を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも１００メッシュ以下の粉度を
有する純鉄粉、Ｃｕ粉末、Ｎｉ粉末、Ｍｏ粉末、および
Ｆｅ−Ｐ合金（Ｐ：０．６重量％含有）粉末を用い、こ
れら原料粉末を所定の配合組成に配合し、ボールミルに
て７２時間湿式混合し、乾燥した後、５〜７ton ／cm2
の範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧
粉体を、窒素雰囲気中、１１００〜１１５０℃の範囲内
の所定の温度に１０分間保持の条件で焼結して表１に示
される成分組成および空孔率、並びに直径：１３０mm×
内径：１２３mm×厚さ：２５mmの寸法をもったリング状
の鉄基焼結合金部品を形成し、ついでこれらの鉄基焼結
合金部品を、１×１０-5ｔｏｒｒの真空雰囲気内に、１
０分間保持した後、同じ真空雰囲気内でダクロタイズド
処理のための６価のクロムを含有する処理液に浸漬して
開孔内に前記処理液を充填し、引上げて余分の処理液を
遠心振り切りにより除き、この状態で温度：３２０℃に
３０分間保持の加熱を行なって、前記開孔を、金属亜鉛
を３価のクロム化合物で結合した組織を有する耐食性材
料で封孔し、引続いてこのように上記耐食性材料で封孔
された鉄基焼結合金部品の表面に、同じ手法および条件
で上記耐食性材料からなるダクロタイズド皮膜を５μｍ
の厚さで形成することにより本発明法１〜８を実施し、
本発明表面被覆鉄基焼結合金部品（以下本発明被覆焼結
部品という）をそれぞれ製造した。
品およびその製造法を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも１００メッシュ以下の粉度を
有する純鉄粉、Ｃｕ粉末、Ｎｉ粉末、Ｍｏ粉末、および
Ｆｅ−Ｐ合金（Ｐ：０．６重量％含有）粉末を用い、こ
れら原料粉末を所定の配合組成に配合し、ボールミルに
て７２時間湿式混合し、乾燥した後、５〜７ton ／cm2
の範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧
粉体を、窒素雰囲気中、１１００〜１１５０℃の範囲内
の所定の温度に１０分間保持の条件で焼結して表１に示
される成分組成および空孔率、並びに直径：１３０mm×
内径：１２３mm×厚さ：２５mmの寸法をもったリング状
の鉄基焼結合金部品を形成し、ついでこれらの鉄基焼結
合金部品を、１×１０-5ｔｏｒｒの真空雰囲気内に、１
０分間保持した後、同じ真空雰囲気内でダクロタイズド
処理のための６価のクロムを含有する処理液に浸漬して
開孔内に前記処理液を充填し、引上げて余分の処理液を
遠心振り切りにより除き、この状態で温度：３２０℃に
３０分間保持の加熱を行なって、前記開孔を、金属亜鉛
を３価のクロム化合物で結合した組織を有する耐食性材
料で封孔し、引続いてこのように上記耐食性材料で封孔
された鉄基焼結合金部品の表面に、同じ手法および条件
で上記耐食性材料からなるダクロタイズド皮膜を５μｍ
の厚さで形成することにより本発明法１〜８を実施し、
本発明表面被覆鉄基焼結合金部品（以下本発明被覆焼結
部品という）をそれぞれ製造した。
【０００７】
【表１】
【０００８】また、比較の目的で、溶解鋳造法によって
製造した、上記鉄基焼結合金部品と同じ組成および寸法
を有する鉄基溶解合金部品の表面に同じ条件でダクロタ
イズド処理を施し、５μｍの厚さの上記耐食性材料から
なるダクロタイズド皮膜を形成することにより表面被覆
鉄基溶解合金部品（以下被覆溶解部品という）を製造し
た。
製造した、上記鉄基焼結合金部品と同じ組成および寸法
を有する鉄基溶解合金部品の表面に同じ条件でダクロタ
イズド処理を施し、５μｍの厚さの上記耐食性材料から
なるダクロタイズド皮膜を形成することにより表面被覆
鉄基溶解合金部品（以下被覆溶解部品という）を製造し
た。
【０００９】つぎに、この結果得られた本発明被覆焼結
部品および被覆溶解部品について、ＪＩＳＺ２３７１に
基づき、温度３６℃、濃度：６％の食塩水を用いて、塩
水噴霧試験を行ない、試験部品５個のうちのいずれかに
赤錆が発生するまでの時間を測定した。これらの測定結
果を表１に示した。
部品および被覆溶解部品について、ＪＩＳＺ２３７１に
基づき、温度３６℃、濃度：６％の食塩水を用いて、塩
水噴霧試験を行ない、試験部品５個のうちのいずれかに
赤錆が発生するまでの時間を測定した。これらの測定結
果を表１に示した。
【００１０】
【発明の効果】表１に示される結果から、本発明法１〜
８により製造された、空孔がダクロタイズド処理により
生成した耐食性材料で封孔された本発明被覆焼結部品
は、いずれも被覆溶解部品と同等のすぐれた耐食性を示
すことが明らかである。上述のように、この発明の方法
によれば、鉄基溶解合金部品の表面にダクロタイズド皮
膜を形成した場合に得られる耐食性と同等のすぐれた耐
食性を発揮することができるダクロタイズド皮膜を鉄基
焼結合金部品の表面に形成することができるのである。
８により製造された、空孔がダクロタイズド処理により
生成した耐食性材料で封孔された本発明被覆焼結部品
は、いずれも被覆溶解部品と同等のすぐれた耐食性を示
すことが明らかである。上述のように、この発明の方法
によれば、鉄基溶解合金部品の表面にダクロタイズド皮
膜を形成した場合に得られる耐食性と同等のすぐれた耐
食性を発揮することができるダクロタイズド皮膜を鉄基
焼結合金部品の表面に形成することができるのである。
Claims (2)
- 【請求項１】 鉄基焼結合金部品の開孔が、金属亜鉛を
３価のクロム化合物で結合した組織を有する耐食性材料
で封孔され、かつその表面が前記耐食性材料の皮膜で被
覆されたことを特徴とする耐食性のすぐれた表面被覆鉄
基焼結合金部品。 - 【請求項２】 鉄基焼結合金部品を、真空雰囲気中で６
価のクロムを含有する処理液に浸漬し、引上げ、加熱し
て、前記鉄基焼結合金部品の開孔を、前記処理液の加熱
により生成した金属亜鉛を３価のクロム化合物で結合し
た組織を有する耐食性材料で封孔し、 ついで、上記耐食性材料で封孔された鉄基焼結合金部品
の表面に、同じ手法で上記耐食性材料の皮膜を形成する
ことを特徴とする耐食性のすぐれた表面被覆鉄基焼結合
金部品の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32526091A JPH05132783A (ja) | 1991-11-13 | 1991-11-13 | 耐食性のすぐれた表面被覆鉄基焼結合金部品およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32526091A JPH05132783A (ja) | 1991-11-13 | 1991-11-13 | 耐食性のすぐれた表面被覆鉄基焼結合金部品およびその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05132783A true JPH05132783A (ja) | 1993-05-28 |
Family
ID=18174828
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32526091A Pending JPH05132783A (ja) | 1991-11-13 | 1991-11-13 | 耐食性のすぐれた表面被覆鉄基焼結合金部品およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05132783A (ja) |
-
1991
- 1991-11-13 JP JP32526091A patent/JPH05132783A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990413 |